JP6664677B1 - アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物、及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 常温で計量できる低粘度液体であり、ω−ラクタムのアルカリ重合の重合速度が速く、健康障害の少ないω−ラクタムでブロックされたジイソシアネート3量体を含む開始剤組成物、及びその製造方法を提供する。【解決手段】 本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物は、ω−ラクタムでブロックされたジイソシアネート3量体およびN−アルキル−2−ピロリドンを含む開始剤組成物、あるいはω−ラクタムでブロックされたジイソシアネート3量体、N−アルキル−2−ピロリドンおよびω−ラクタムを含む開始剤組成物である。本発明の製造方法はN−アルキル−2−ピロリドン存在下に、ω−ラクタムとジイソシアネート3量体とを反応させて本発明の開始剤組成物とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、ω−ラクタムのアルカリ重合法に使用される開始剤組成物、及びその製造方法に関する。
ω−ラクタムをアルカリ触媒と開始剤との作用で重合させてナイロンを製造する方法は、ω−ラクタムのアルカリ重合法として知られている。アルカリ重合法で得られるナイロン(以下、「アルカリ重合ナイロン」という。)は、一般に、射出成形や押出成形等に使用されるナイロンに比べ、機械的強度や熱的性質等が優れているため、金属代替材料の一つとして、自動車部品、機械部品等の工業用材料として広く使用されている。
ω−ラクタムをアルカリ触媒と開始剤との作用で重合させて、アルカリ重合ナイロンを製造する方法は公知である。開始剤はω−ラクタムの重合速度や製造されるアルカリ重合ナイロンの機械的特性や熱的特性に影響するため、各種の開始剤が報告されている。有効な開始剤の一つとしてイソシアネート化合物が知られている。しかしイソシアネート化合物、特にジイソシアネートは揮発性毒性が強く、健康障害がある。そのためジイソシアネートの毒性を低減する方法が開発されている。その方法の一つとしてジイソシアネートを3量体化して、蒸気圧の低い低毒性のジイソシアネート3量体とする方法がある。ジイソシアネート3量体はω−ラクタムのアルカリ重合法の開始剤として使用でき、重合速度が速く有効な開始剤である。
ジイソシアネート3量体は、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート等のジイソシアネートを3量体化することにより得られる。ジイソシアネートの具体例としてブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等がある。しかしジイソシアネート3量体はジイソシアネートに比べ、毒性は低減されるが、分子中にイソシアネート基を有するため、使用する際、未だ使用環境や健康障害面で注意が必要である。
ジイソシアネート3量体の安全性を更に高める方法として、イソシアネート基と反応する化合物を用い、ジイソシアネート3量体のイソシアネート基をブロックして、イソシアネート基を減少させた化合物とする方法が開発されている。この方法により、安全性は大幅に向上する。イソシアネート基と反応する化合物の一つとしてω−ラクタムがある。ω−ラクタムでブロックされたジイソシアネート3量体(以下、「ラクタムブロックジイソシアネ−ト3量体」という。)は安全性が高く、ジイソシアネート3量体と同等以上の開始剤特性があり、ω−ラクタムのアルカリ重合の開始剤として適している。しかしラクタムブロックジイソシアネート3量体は高粘度で、常温では流動性がなく、計量が困難という使用上の問題があった。
常温で低粘度で、計量が容易なラクタムブロックジイソシアネート3量体を含む組成物が報告されている。その組成物はN−アセチルカプロラクタムおよびカプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート3量体(以下、「カプロラクタムブロックHDI3量体」という。)を含むものである。カプロラクタムブロックHDI3量体の具体例としてカプロラクタムブロックHDIビウレット、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートおよびカプロラクタムブロックHDIアロファネートの3種類の化合物が報告されている。N−アセチルカプロラクタムおよびカプロラクタムブロックHDI3量体を含む組成物は常温で低粘度であり、流動性が良く、容易に計量できる(特許文献1)。N−アセチルカプロラクタムは、ω−ラクタムのアルカリ重合法の開始剤として知られている化合物であるが、カプロラクタムブロックHDI3量体とは重合反応性の異なる開始剤である。N−アセチルカプロラクタムおよびカプロラクタムブロックHDI3量体とを含む組成物は常温で低粘度の液体であり、計量は容易であるが、開始剤として使用した場合、カプロラクタムブロックHDI3量体単独使用に比べ、ω−ラクタムのアルカリ重合の重合速度が遅くなるという問題があった。また低粘度化に寄与しない酸捕捉剤を必要とすることがあるという問題もあった。
特開2014−218665号公報
本発明は従来の問題を解決すること、すなわち常温で計量できる低粘度液体であり、ω−ラクタムのアルカリ重合の重合速度が速く、健康障害が殆どないラクタムブロックジイソシアネート3量体を含むアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物、及びその製造方法の提供を課題とする。
本発明者らはラクタムブロックジイソシアネート3量体を常温で計量可能とする方法について鋭意検討した。その結果ラクタムブロックジイソシアヌレート3量体およびN−アルキル−2−ピロリドンを含む組成物も、ラクタムブロックジイソシアヌレート3量体、N−アルキル−2−ピロリドンおよびω−ラクタムを含む組成物も常温で低粘度液体であり、容易に計量できること、N−アルキル−2−ピロリドンはω−ラクタムの重合反応を阻害しないこと、および低毒性であることを見出し本発明に到達した。なお常温で計量が容易な粘度は2000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下であった。
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物は、ラクタムブロックジイソシアネート3量体およびN−アルキル−2−ピロリドンを含む組成物である。またラクタムブロックジイソシアネート3量体、N−アルキル−2−ピロリドンおよびω−ラクタムを含む組成物でもある。
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法は、N−アルキル−2−ピロリドン存在下にω−ラクタムとジイソシアネート3量体とを反応させ、ラクタムブロックジイソシアネート3量体を製造する方法である。
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物は次のような効果がある。
(1)常温で低粘度液体であるため、計量が容易である。
(2)ラクタムブロックジイソシアネート3量体を含むため、開始剤として使用した場合、ω−ラクタムのアルカリ重合の重合速度が速い。
(3)ラクタムブロックジイソシアネート3量体、N−アルキル−2−ピロリドンおよびω−ラクタムを含むため、健康障害の心配が少ないことから、開始剤組成物として好適である。
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法は次のような効果がある。
常温で、低粘度液体のN−アルキル−2−ピロリドン中で、ω−ラクタムとジイソシアネート3量体とを反応させて、ラクタムブロックジイソシアネート3量体を合成することで、反応時の粘度上昇が抑えられ、開始剤組成物製造時の粘度が低く、ω−ラクタムとジイソシアネート3量体の反応制御が容易である。
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物を使用するアルカリ重合ナイロン製造装置の一例を示す概要図
(アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の実施形態)
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物は、ラクタムブロックジイソシアネート3量体およびN−アルキル−2−ピロリドンを含む組成物、あるいはラクタムブロックジイソシアネート3量体、N−アルキル−2−ピロリドンおよびω−ラクタムを含む組成物である。
[ω−ラクタム]
ジイソシアネート3量体のイソシアネート基をブロックするω−ラクタムとしてはω−ラクタムのアルカリ重合法で使用されるω−ラクタムが使用できるが、カプロラクタムが好適に使用される。
[ジイソシアネート3量体]
ジイソシアネート3量体はジイソシアネートを3量体化した化合物である。ジイソシアネートとしては脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートがある。脂肪族ジイソシアネートの具体例としてブタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等がある。脂環式ジイソシアネートの具体例としてイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等がある。芳香族ジイソシアネートの具体例としてトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等がある。
[ラクタムブロックジイソシアネート3量体]
ラクタムブロックジイソシアネート3量体はω−ラクタムとジイソシアネート3量体のイソシアネート基とを反応させることにより合成される。ジイソシアネート3量体は前記の脂肪族ジイソシアネートの3量体、芳香族ジイソシアネートの3量体、脂環式ジイソシアネートの3量体等がある。これらのジイソシアネート3量体の中では、乳白色のアルカリ重合ナイロンを製造することのできる脂肪族ジイソシアネートの3量体が好ましい。その中でもヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の3量体は重合速度が速く、特に好ましく使用できる。HDI3量体の具体例としてはHDIビウレット(旭化成株式会社登録商標デュラネートビウレット)、HDIイソシアヌレート(旭化成株式会社登録商標デュラネートイソシアヌレート)、HDIアダクト(旭化成株式会社登録商標デュラネートアダクト)等がある。
ラクタムブロックジイソシアネート3量体の合成例を、ω−ラクタムとしてカプロラクタムを使用し、ジイソシアネート3量体としてHDI3量体を使用して説明する。窒素ガス雰囲気下、温度80〜120℃で、脱水されたカプロラクタムとHDI3量体とを混合撹拌して、カプロラクタムとHDI3量体を反応させる。反応の進行にともない、反応液の粘度が上昇し、均一に反応を進めることが難しくなるため、温度や撹拌回転数等の条件を適宜調節する必要がある。合成されたカプロラクタムブロックHDI3量体は100℃でも、高粘度で、流動性は低く、計量は容易でない。HDI3量体とカプロラクタムとを反応させるときの好ましいそれぞれの使用量はHDI3量体1.0モルに対して、カプロラクタム2.5〜10.0モル、より好ましくは3.0〜5.0モルである。カプロラクタムが前記下限(2.5モル)より少ないと、カプロラクタムでブロックされないイソシアネート基が残ることがあり好ましくない。前記上限(10.0モル)より多いと、開始剤組成物中に未反応のカプロラクタムの量が多くなり、常温で凝固することがある。
カプロラクタムブロックHDI3量体はHDI3量体の化学構造により、化1で示されるカプロラクタムブロックHDIビウレット、化2で示されるカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート、化3で示されるカプロラクタムブロックHDIアダクトがある。これらのカプロラクタムブロックHDI3量体は、いずれも、常温では、高粘度で、流動性がなく、計量することは非常に難しい。また常温では、希釈溶剤等他の化合物と混合することも困難である。
Figure 0006664677
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[N−アルキル−2−ピロリドン]
本発明で使用されるN−アルキル−2−ピロリドンは、ω−ラクタムのアルカリ重合反応を阻害しない化合物であり毒性も低い。N−アルキル−2−ピロリドンの具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン等がある。これらはそれぞれを単独で使用しても良く、混合して使用しても良い。
(アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法)
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物は、ラクタムブロックジイソシアネート3量体およびN−アルキル−2−ピロリドンを含む組成物、あるいはラクタムブロックジイソシアネート3量体、N−アルキル−2−ピロリドンおよびω−ラクタムを含む組成物である。以下、ω−ラクタムとしてカプロラクタムを使用し、ジイソシアネート3量体としてHDIイソシアヌレートを使用し、N−アルキル−2−ピロリドンとしてN−メチル−2−ピロリドンを使用して、本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法の一例を説明する。
カプロラクタムおよびN−メチル−2−ピロリドンは使用前に減圧等公知の脱水方法により脱水されたものが使用される。脱水された所定量のN−メチル−2−ピロリドンを20〜100℃に加熱保持された撹拌機付き容器に入れ、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら、所定量の脱水されたカプロラクタムと所定量のHDIイソシアヌレートを加え、N−メチル−2−ピロリドン存在下に、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを反応させ、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成する方法により、本発明の開始剤組成物が製造できる。またN−メチル−2−ピロリドンにカプロラクタムを添加、混合した後、HDIイソシアヌレートを添加して、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを反応させ、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成する方法で製造することもできる。またN−メチル−2−ピロリドンにHDIイソシアヌレートを添加、混合した後、カプロラクタムを添加して、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを反応させ、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成する方法で製造することもできる。
N−メチル−2−ピロリドンとカプロラクタムとを混合して得られる混合物(液体)の25℃の粘度は30mPa・s以下で、N−メチル−2−ピロリドン単独の場合と類似の低粘度液体である。N−メチル−2−ピロリドンとカプロラクタムとの混合物にHDIイソシアヌレートを添加して、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを反応させて、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成する製造方法は、低粘度下でカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成することができ、好ましい製造方法である。N−メチル−2−ピロリドンに加えるカプロラクタムは、N−メチル−2−ピロリドンとカプロラクタムを短時間で均一混合溶液とすることができる溶融したカプロラクタムの使用が好ましい。前記の製造方法で得られる開始剤組成物の組成は、H−NMR分析により確認できる。反応時の撹拌機付き容器は保温されていれば良いが、50〜100℃に温調保持されていても良い。
前記製造方法でHDIイソシアヌレートとカプロラクタムとを反応させる時のそれぞれの使用量は、HDIイソシアヌレート1.0モルに対してカプロラクタム2.5〜10.0モル、好ましくは3.0〜5.0モルである。HDIイソシアヌレート1.0モルに対してカプロラクタム3.0モル以下の割合で反応させて、製造した開始剤組成物は通常カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートおよびN−メチル−2−ピロリドンを含む組成物となる。この場合、低毒性であるが、HDIイソシアヌレート中の一部のイソシアネート基がカプロラクタムでブロックされないことがある。HDIイソシアヌレート1.0モルに対して3.0モルより多い量のカプロラクタムを反応させて製造した開始剤組成物は、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート、N−メチル−2−ピロリドンおよびカプロラクタムを含む組成物となり、HDIイソシアヌレート中のイソシアネート基は全てカプロラクタムでブロックされており、好ましい開始剤組成物である。またカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート、N−メチル−2−ピロリドンおよびカプロラクタムを含む開始剤組成物は、カプロラクタムを含むため、ω−ラクタムのアルカリ重合の原料との親和性が良く好ましい。なおカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート、N−メチル−2−ピロリドンおよびカプロラクタムをより均一に分散させる為、製造時に非イオン性界面活性剤を使用することができる。
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物中のカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートの割合は30.0〜90.0重量%、好ましくは50.0〜85.0重量%、より好ましくは65.0〜80.0重量%である。カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートの量が前記上限(90.0重量%)より多い場合、粘度が2000mPa・sより高くなることがあり、常温での計量が困難となる。前記下限(30.0重量%)より少ない場合、重合反応に関与しないN−メチル−2−ピロリドンの量が多くなる。重合反応に関与しないN−メチル−2−ピロリドンは未重合成分であり、アルカリ重合ナイロンの機械的強度や耐熱性低下の要因となることがある。
本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物中のN−メチル−2−ピロリドンの量、あるいはN−メチル−2−ピロリドンおよびカプロラクタムの量は10.0〜70.0重量%、好ましくは15.0〜50.0重量%、より好ましくは20.0〜35.0重量%である。開始剤組成物中のN−メチル−2−ピロリドンの量、あるいはN−メチル−2−ピロリドンおよびカプロラクタムの量が前記上限(70.0重量%)より多い場合、開始剤組成物の粘度は低く、計量は容易であるが、開始剤以外のω−ラクタムのアルカリ重合反応に関与しないN−メチル−2−ピロリドンの量が多くなる。重合反応に関与しないN−メチル−2−ピロリドンは未重合成分であり、アルカリ重合ナイロンの機械的強度や耐熱性低下の要因となることがある。前記下限(10.0重量%)より少ないと、開始剤組成物の粘度が高くなり、常温での計量が難しくなる。本発明の開始剤組成物で、N−メチル−2−ピロリドンおよびカプロラクタムを含む場合、N−メチル−2−ピロリドンとカプロラクタムとの混合重量割合は、N−メチル−2−ピロリドン1.0に対してカプロラクタム1.0以下、好ましくは0.05〜0.8である。カプロラクタムが1.0より多い場合、常温で開始剤組成物が凝固することがある。
カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを直接反応させて、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成することができる。この場合、HDIイソシアヌレート1.0モルに対してカプロラクタムは3.0〜3.5モルの割合で反応させる。カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとの反応温度はカプロラクタムの融点以上の温度、通常80〜120℃で行われる。カプロラクタム撹拌下に、HDIイソシアヌレートを添加すると、添加途中からカプロラクタムとHDIイソシアヌレートとの反応により、反応液の粘度が上昇し、反応液の混合撹拌が不安定となり、均一に反応させることが難しくなる。反応を完結させるため、反応温度や撹拌を調節制御する必要がある。N−メチル−2−ピロリドンが存在しない条件で、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成した場合、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートは、100℃でも粘度は2000mPa・s以上と高く、常温では高粘度で計量はできない。また常温ではN−メチル−2−ピロリドンと混合することもできない。
開始剤組成物を、N−メチル−2−ピロリドンの存在下に、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを反応させ、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを合成する本発明の製造方法は、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート合成時の反応液は低粘度で、反応制御が容易である。製造された開始剤組成物は低粘度液体で、流動性が良く、容易に計量できる。このことは本発明の特徴の一つである。
[本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物を使用したアルカリ重合ナイロン製造方法の例]
ω−ラクタムのアルカリ重合法はω−ラクタムをアルカリ触媒および開始剤の作用により、ナイロンを製造する方法である。以下、開始剤として本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物を使用して、アルカリ重合ナイロンを製造する例を説明する。
ω−ラクタムとしては、ピロリドン、カプロラクタム、カプリロラクラム、ラウロラクタム等が挙げられる。これらの中ではカプロラクタムが好ましく使用される。
[アルカリ触媒]
アルカリ触媒としては、ω−ラクタムのアルカリ重合法において使用される公知のアルカリ触媒が使用できる。具体例としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、これらの水素化物、酸化物、アルキル化物、アルコキシド、グリニャール試薬、さらに前記の金属または金属化合物とω−ラクタムとの反応生成物、例えばω−ラクタムのナトリウム塩、ω−ラクタムのカリウム塩等が挙げられる。好ましいアルカリ触媒はω−ラクタムのナトリウム塩、ω−ラクタムのカリウム塩である。アルカリ触媒の使用量はω−ラクタム1.0モルに対して0.2〜5.0モル%、好ましくは0.5〜3.0モル%である。アルカリ触媒が前記下限(0.2モル%)より少ないと、重合反応速度が遅くなり、また、前記上限(5.0モル%)より多いと、ω−ラクタムとアルカリ触媒との混合液中に低分子量物が生成することがあり、低分子量物は重合反応を不安定にする。またこの低分子量物が蓄積すると製造装置の運転トラブルの原因となるため、製造装置の洗浄が必要となる。なおカプロラクタム中に所定量のカプロラクタムのナトリウム塩が配合されたAddonyl(登録商標)Kat NL(Rheln Chemie Rheinau GmbH製、カプロラクタム中約18重量%のカプロラクタムのナトリウム塩を含む)や3NI−NYLON KW SERIES KW−100B((株)二幸技研製)も使用できる。
[開始剤]
開始剤としては本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物を使用する。本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物は、ラクタムブロックジイソシアネート3量体およびN−アルキル−2−ピロリドンを含む組成物、あるいはラクタムブロックジイソシアネート3量体、N−アルキル−2−ピロリドンおよびωーラクタムを含む組成物である。開始剤組成物はラクタムブロックジイソシアネート3量体を30.0〜90.0重量%含む。
ラクタムブロックジイソシアネート3量体としては重合速度が速く、乳白色のナイロンが得られるカプロラクタムブロックHDI3量体が好ましい。特にカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートは重合速度が速く、耐酸性を有するアルカリ重合ナイロンが得られることから、好ましく使用される。
ラクタムブロックジイソシアネート3量体はアルカリ触媒1.0モルに対して0.1〜1.5モル、好ましくは0.2〜1.0モル、より好ましくは0.25〜0.7モルの割合で使用される。ラクタムブロックジイソシアネート3量体の使用量が上記下限(0.1モル)より少ない場合、また前記上限(1.5モル)より多い場合、いずれの場合も重合速度が遅くなる。
[添加剤]
アルカリ重合ナイロンの製造の際、重合反応を阻害しない顔料や染料などの着色剤、ミルドグラス、ガラス繊維、繊維状マグネシウム化合物、チタン酸カリウム繊維、グラファイト繊維、ボロン繊維、炭素繊維、スチール繊維等の繊維、炭酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、黒鉛、石膏、長石、雲母、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の充填剤、各種柔軟材等の添加剤を使用することができる。着色剤の使用量はω−ラクタムに対して0.05〜3.0重量%である。繊維、充填剤、柔軟材等の添加剤の使用量はω−ラクタムに対して5.0〜30.0重量%である。
ω−ラクタムとしてカプロラクタムを、アルカリ触媒としてAddonyl(登録商標)Kat NL(Rheln Chemie Rheinau GmbH製、カプロラクタム中、約18.0重量%のカプロラクタムのナトリウム塩を含む)を、開始剤として本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物を使用して実施したアルカリ重合ナイロンの製造例を、図1の製造装置を用いる場合について説明する。
図1のラクタム溶融タンク1に窒素ガス雰囲気下、100℃の脱水されたカプロラクタム(水分量0.1重量%以下)が貯蔵されている。ラクタム溶融タンク1からA成分タンク2およびB成分タンク3のそれぞれにカプロラクタムを送るラクタム送液配管4およびラクタム送液配管5が設けられている。ラクタム送液配管4およびラクタム送液配管5を通して、所定量のカプロラクタムがA成分タンク2およびB成分タンク3にそれぞれ送られる。A成分タンク2には、所定量のAddonyl(登録商標)Kat NL(Rheln Chemie Rheinau GmbH製)が添加され、B成分タンク3には所定量の本発明のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物(カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートおよびN−メチル−2−ピロリドンを含む組成物あるいはカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート、N−メチル−2−ピロリドンおよびカプロラクタムを含む組成物)が添加され、窒素ガス雰囲気中、95〜120℃の温度範囲で撹拌下に温調保持される。
アルカリ重合ナイロン製造の際、A成分、B成分それぞれがA成分計量ポンプ6、B成分計量ポンプ7で必要量が計量され、A成分送液配管8、B成分送液配管9を通り、混合機10に送られ、A成分およびB成分は混合機10で混合後、吐出され、140〜180℃に加熱された成形型11に注入され、成形型11内で重合固化し、アルカリ重合ナイロンが製造される。
ω−ラクタムのアルカリ重合法では、水分が存在すると重合反応が阻害されるため、原料の調整、混合、成形型への注入等の全ての操作は窒素ガス等の水分を殆ど含まない雰囲気下で行われる。またA成分タンク2、B成分タンク3、ラクタム送液配管4、ラクタム送液配管5、送液配管8、送液配管9、計量ポンプ6、計量ポンプ7、混合機10は、90〜120℃の温度で温調保持される。
前記成形型11は鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属製型や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂製型が使用できる。混合機10で混合されたA成分およびB成分を含む混合物を注入する際、成形型11は120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度に加熱される。成形型11の温度が前記下限(120℃)より低いと十分に重合反応が進まないことがある。また前記上限(200℃)より高いと得られるアルカリ重合ナイロンの一部が溶融することがあり、アルカリ重合法ナイロンの特性が低下することがある。
以下、本発明の実施例、比較例について説明する。実施例、比較例の開始剤組成物の粘度は東機産業株式会社製TVC−10形粘度計を用い25℃で測定した。開始剤組成物の組成はH−NMR分析により確認した。アルカリ重合ナイロンの曲げ強度、曲げ弾性率はASTM D−790に準じて測定した。耐酸性は製造したアルカリ重合ナイロンの曲げ試験片から切削により、厚さ約0.5mm、幅約10.0mmのテープ状のサンプルを作成し、下記により評価する。三角フラスコに蟻酸30gを入れ、その中に切削したサンプル0.3gを入れ、室温で浸漬保存して、蟻酸中のサンプルの状態を目視観察し、溶解の有無で耐酸性を評価した。
重合速度は以下の方法で測定した。フラスコに溶融カプロラクタム44gとAddonyl(登録商標)Kat NL触媒6gを入れ、混合してA成分を作り、窒素ガス雰囲気下、100℃で保温保持した。別のフラスコに溶融カプロラクタムと下記実施例、比較例で製造した開始剤組成物の所定量を混合したB成分を50g作り、窒素ガス雰囲気下、100℃で保温保持した。乾燥した試験管に作成したA成分20gおよびB成分20gを入れ、A成分およびB成分を混合撹拌後、試験管を140℃のオイルバス中に入れ、オイルバス中で保持し、試験管をオイルバスに入れた時点から、重合反応の進行により、試験管中のA成分およびB成分の混合物が流動完了するまでの時間を測定し、その時間を重合速度とした。
[実施例1]
500ccの撹拌機付き容器に、常温の脱水したN−メチル−2−ピロリドン57gを入れ、次いで脱水した100℃のカプロラクタム78gを入れ、撹拌混合し、容器を約50℃で保温した。撹拌下、この容器に50℃のHDIイソシアヌレート(旭化成株式会社登録商標デュラネートイソシアヌレート)115gを添加して、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを反応させ開始剤組成物を製造した。HDIイソシアヌレート添加中、粘度の上昇は殆どみられなかった。製造した開始剤組成物の組成は、H−NMRで分析した結果、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートが約77.0重量%、N−メチル−2−ピロリドンが約23.0重量%であり、イソシアネート基は観察されなかった。25℃での粘度は280mPa・sであった。常温で容易に計量できた。重合速度測定に使用するB成分はカプロラクタム47gと本実施例で調整した開始剤組成物3g(カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート2.3g)を混合して準備した。このB成分と先に準備したA成分を用い、重合速度を測定した。重合速度は2分50秒であった。
[比較例]
500ccの撹拌機付き容器に、脱水した100℃のカプロラクタム85gを入れ、約100℃の温度で撹拌下に、50℃のHDIイソシアヌレート(旭化成株式会社登録商標デュラネートイソシアヌレート)115gを添加し、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートを反応させた。反応中、反応液の粘度が上昇したので、温度や撹拌回転数を調節して、反応を完了させた。製造した反応物はH−NMRで分析した結果、約96.0重量%のカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートを含んでいた。製造した反応物は、25℃で、流動性がなく、高粘度で、25℃では粘度測定も計量もできなかった。また常温ではN−メチル−2−ピロリドンと混合することもできなかった。重合速度測定用に、カプロラクタム47.6gとここで得たカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート2.3gを混合しB成分を準備した。重合速度は2分55秒であった。なおカプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートは常温で計量できないため、100℃に加熱してから計量した。
[実施例2]
500ccの撹拌機付き容器に、常温の脱水したN−メチル−2−ピロリドン65gを入れ、次いで脱水した100℃のカプロラクタム85gを入れ撹拌混合した。この容器を約50℃で保温して撹拌下に、50℃のHDIビウレット(旭化成株式会社登録商標デュラネートビウレット)100gを添加して、カプロラクタムとHDIビウレットとを反応させ、開始剤組成物を製造した。カプロラクタムとHDIビウレットとの反応中、粘度の上昇は殆どみられなかった。製造した開始剤組成物の組成は、H−NMRで分析した結果、カプロラクタムブロックHDIビウレット約67.0重量%、N−メチル−2−ピロリドンが約26.0重量%、カプロラクタム約7.0重量%であった。25℃での粘度は120mPa・sであり、常温で容易に計量できた。重合速度測定用に、カプロラクタム46.6gとここで得た開始剤組成物3.4g(カプロラクタムブロックHDIビウレット2.3g)とを混合してB成分を準備した。重合速度は3分00秒であった。
[実施例3]
500ccの撹拌機付き容器に、常温の脱水したN−メチル−2−ピロリドン60gを入れ、次いで脱水した100℃のカプロラクタム86gを入れ撹拌混合した。この容器を約35℃で保温して撹拌下に、70℃のHDIイソシアヌレート(旭化成株式会社登録商標デュラネートイソシアヌレート)94gを添加して、カプロラクタムとHDIイソシアヌレートとを反応させ、開始剤組成物を製造した。カプロラクタムとHDIイソシアヌレート反応中、粘度の上昇は殆どみられなかった。製造した開始剤組成物の組成はH−NMRで分析した結果、カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレートが約65.0重量%、N−メチル−2−ピロリドンが約25.0重量%、カプロラクタムが約10.0重量%であった。25℃での粘度は87mPa・sであり、常温で容易に計量できた。重合速度測定用に、カプロラクタム46.3gと、ここで得た開始剤組成物3.7g(カプロラクタムブロックHDIイソシアヌレート2.3g)を混合してB成分を準備した。重合速度は2分55秒であった。
[実施例4]
ラクタム溶融タンク1からA成分タンク用ラクタム送液配管4を通して、A成分タンク2にカプロラクタムを890g入れ、B成分タンク用ラクタム送液配管5を通して、B成分タンク3にカプロラクタムを940g入れた。A成分タンク2にAddonyl(登録商標)Kat NL触媒110gを入れて、撹拌混合してA成分を作り、窒素ガス雰囲気下、110℃で温調保持した。B成分タンク3に実施例1で調整した開始剤組成物60gを入れて、撹拌混合してB成分を作り、窒素ガス雰囲気下、110℃で温調保持した。A成分計量ポンプ6でA成分150gを計量し、B成分計量ポンプ7でB成分150gを計量し、A成分、B成分はそれぞれA成分送液配管8、B成分送液配管9を通して混合機10に送る。混合機10で撹拌混合されたA成分およびB成分の混合物は150℃に加熱されているASTM試験片用の成形型11に注入した。15分後に成形型を開き、アルカリ重合ナイロンからなる試験片を取り出した。得たアルカリ重合ナイロンの曲げ強度は130MPa、曲げ弾性率は3320MPaであった。試験片を切削し、サンプルを作成し、切削サンプルを蟻酸に浸漬した。1週間浸漬放置後も酸に溶解せず、膨潤するが形状を保持して耐酸性を有していた。
[実施例5]
実施例4において、実施例1で調整した開始剤組成物の代わりに、実施例2で調整した開始剤組成物を使用し、B成分タンク3にカプロラクタム932gを入れた後、実施例2で調整した開始剤組成物68gを入れて、混合してB成分を作った以外は、実施例4と同様に実施して、アルカリ重合ナイロンからなる試験片を得た。得たアルカリ重合ナイロンの曲げ強度は128MPa、曲げ弾性率は3300MPaであった。試験片を切削し、サンプルを作成し耐酸性を評価した。切削サンプルを蟻酸に浸漬、約4時間後、完全に溶解し耐酸性はなかった。
本発明の開始剤組成物は低粘度液体で計量が容易であり、重合速度が速く、かつ毒性が低いため、アルカリ重合ナイロンを生産性良く、安全に製造できる。アルカリ重合ナイロンの優れた機械的性質や耐熱性を生かし、自動車部品や機械部品等以外の用途分野への利用が広がる。
1 ラクタム溶融タンク
2 A成分タンク
3 B成分タンク
4 (A成分タンク用)ラクタム送液配管
5 (B成分タンク用)ラクタム送液配管
6 A成分計量ポンプ
7 B成分計量ポンプ
8 A成分送液配管
9 B成分送液配管
10 混合機
11 成形型
M モーター

Claims (6)

  1. アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物において、
    前記開始剤組成物は、N−メチル−2−ピロリドンと、カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレートと、カプロラクタムを含み、
    前記カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート1.0モルに対して、前記カプロラクタムが7.0モル以下であり、
    前記N−メチル−2−ピロリドンの量1.0に対して、1.0以下の重量割合の前記カプロラクタムを含む、
    ことを特徴とするアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物。
  2. アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物において
    前記開始剤組成物は、N−メチル−2−ピロリドンと、カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレートと、カプロラクタムと、非イオン性界面活性剤とを含み、
    前記カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート1.0モルに対して、前記カプロラクタムが7.0モル以下であり、
    前記N−メチル−2−ピロリドンの量1.0に対して、1.0以下の重量割合の前記カプロラクタムを含む、
    ことを特徴とするアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物。
  3. アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物において、
    前記開始剤組成物は、N−メチル−2−ピロリドンと、カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートビウレットと、カプロラクタムとを含み、
    前記カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートビウレット1.0モルに対して、前記カプロラクタムが7.0モル以下であり、
    前記N−メチル−2−ピロリドンの量1.0に対して、1.0以下の重量割合の前記カプロラクタムを含む、
    ことを特徴とするアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物。
  4. アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法において、
    N−メチル−2−ピロリドン中に、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレートと、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレートが1.0モルに対して、3.0から10.0モルの割合となるカプロラクタムとを混合して、混合溶液を生成し、
    前記混合溶液中のN−メチル−2−ピロリドンの量1.0に対して、前記ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレートにブロックしない未反応のカプロラクタムの量が1.0以下の重量割合となる開始剤組成物を製造する、
    ことを特徴とするアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法。
  5. 請求項4記載のアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法において、
    非イオン性界面活性剤を添加する、
    ことを特徴とするアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法。
  6. アルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法において、
    N−メチル−2−ピロリドン中に、ヘキサメチレンジイソシアネートビウレットと、ヘキサメチレンジイソシアネートビウレットが1.0モルに対して、3.0から10.0モルの割合となるカプロラクタムとを混合して、混合溶液を生成し、
    前記混合溶液中のN−メチル−2−ピロリドンの量1.0に対して、前記ヘキサメチレンジイソシアネートビウレットにブロックしない未反応のカプロラクタムの量が1.0以下の重量割合となる開始剤組成物を製造する、
    ことを特徴とするアルカリ重合ナイロン用開始剤組成物の製造方法。
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