JPH07238164A - ポリアミドの製法 - Google Patents
ポリアミドの製法Info
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- JPH07238164A JPH07238164A JP3137194A JP3137194A JPH07238164A JP H07238164 A JPH07238164 A JP H07238164A JP 3137194 A JP3137194 A JP 3137194A JP 3137194 A JP3137194 A JP 3137194A JP H07238164 A JPH07238164 A JP H07238164A
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- polyamide
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、特定濃度のアルカリ触媒、2官能
以上の脂肪族イソシアネートおよびカルバミドラクタム
から選ばれた1種または2種以上の助触媒、および、ア
ルカリ触媒合成時に生成するポリアミドオリゴマー含有
量が特定量以下であるε−カプロラクタムを使用して、
ε−カプロラクタムのアルカリ重合と成形とを同時に行
い、ポリアミド成形品を製造する方法に関する。 【効果】 本発明の方法により、ε−カプロラクタムの
アルカリ重合の重合速度を低下させることなく、ポリア
ミド本来の機械的強度を保持したままで、低吸水性のポ
リアミドを得ることができる。
以上の脂肪族イソシアネートおよびカルバミドラクタム
から選ばれた1種または2種以上の助触媒、および、ア
ルカリ触媒合成時に生成するポリアミドオリゴマー含有
量が特定量以下であるε−カプロラクタムを使用して、
ε−カプロラクタムのアルカリ重合と成形とを同時に行
い、ポリアミド成形品を製造する方法に関する。 【効果】 本発明の方法により、ε−カプロラクタムの
アルカリ重合の重合速度を低下させることなく、ポリア
ミド本来の機械的強度を保持したままで、低吸水性のポ
リアミドを得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ε−カプロラクタムの
アルカリ重合法を応用した低吸水性ポリアミドの製法に
関する。
アルカリ重合法を応用した低吸水性ポリアミドの製法に
関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】ε−カプロラクタムを
アルカリ触媒および助触媒の作用で重合させる方法、い
わゆる、アルカリ重合法を利用して、反応射出成形法や
注型成形法などによりε−カプロラクタムの重合と成形
を同時に行うことは公知である。この方法で得られたポ
リアミドは、水や酸触媒などで重合されたポリアミドに
比べ、引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率などの機械的性
質や耐熱性などが優れており、各種の機械材料や工業材
料として使用されている。しかし、ポリアミド本来の性
質である吸水性を有しており、使用中に大気中の水分を
吸水して、機械的強度が低下したり、寸法変化が起こる
ため、用途範囲が限定されており、低吸水化することが
強く求められている。
アルカリ触媒および助触媒の作用で重合させる方法、い
わゆる、アルカリ重合法を利用して、反応射出成形法や
注型成形法などによりε−カプロラクタムの重合と成形
を同時に行うことは公知である。この方法で得られたポ
リアミドは、水や酸触媒などで重合されたポリアミドに
比べ、引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率などの機械的性
質や耐熱性などが優れており、各種の機械材料や工業材
料として使用されている。しかし、ポリアミド本来の性
質である吸水性を有しており、使用中に大気中の水分を
吸水して、機械的強度が低下したり、寸法変化が起こる
ため、用途範囲が限定されており、低吸水化することが
強く求められている。
【0003】従来、ε−カプロラクタムのアルカリ重合
法で製造されるポリアミドの吸水性を低減する方法とし
ては、幾つかの提案がなされている。例えば、特開昭6
2−201930号明細書では、充填剤の添加によりポ
リアミドの吸水性を改良する技術が開示されている。特
開昭63−170011号明細書では、ポリフェニレン
エーテルならびに2−イミダゾリン誘導体の混合物を添
加して吸水性を改良する技術が開示されている。特開昭
63−175023号明細書では、枝分れ構造をもつオ
レフィン系多価アルコールを添加して吸水性を改良する
技術が開示されている。特開昭63−218760号明
細書では、炭化水素系ワックスを添加して吸水性を改良
する技術が開示されている。そして、特開昭64−56
515号明細書では、変性ポリオレフィンおよび芳香族
系ポリアミドを添加して吸水性を改良する技術が開示さ
れている。これらの方法は、いずれも添加物の効果を利
用したものであるが、添加物は重合反応に悪影響を及ぼ
し、成形品表面に未重合成分のブリードが起こり易く、
外観良好な成形品を得る重合および成形の条件範囲が狭
くなることや、ポリアミド本来の機械的強度などが低下
することなどの問題点があった。
法で製造されるポリアミドの吸水性を低減する方法とし
ては、幾つかの提案がなされている。例えば、特開昭6
2−201930号明細書では、充填剤の添加によりポ
リアミドの吸水性を改良する技術が開示されている。特
開昭63−170011号明細書では、ポリフェニレン
エーテルならびに2−イミダゾリン誘導体の混合物を添
加して吸水性を改良する技術が開示されている。特開昭
63−175023号明細書では、枝分れ構造をもつオ
レフィン系多価アルコールを添加して吸水性を改良する
技術が開示されている。特開昭63−218760号明
細書では、炭化水素系ワックスを添加して吸水性を改良
する技術が開示されている。そして、特開昭64−56
515号明細書では、変性ポリオレフィンおよび芳香族
系ポリアミドを添加して吸水性を改良する技術が開示さ
れている。これらの方法は、いずれも添加物の効果を利
用したものであるが、添加物は重合反応に悪影響を及ぼ
し、成形品表面に未重合成分のブリードが起こり易く、
外観良好な成形品を得る重合および成形の条件範囲が狭
くなることや、ポリアミド本来の機械的強度などが低下
することなどの問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ε−
カプロラクタムのアルカリ重合の重合速度を低下せさる
ことなく、ポリアミド本来の機械的強度を保持したまま
で、吸水性の改良されたポリアミドの製法を提供するこ
とにある。
カプロラクタムのアルカリ重合の重合速度を低下せさる
ことなく、ポリアミド本来の機械的強度を保持したまま
で、吸水性の改良されたポリアミドの製法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ε−カプ
ロラクタムのアルカリ重合において、使用するアルカリ
触媒、助触媒について詳細に検討した結果、アルカリ触
媒の濃度、助触媒の種類およびアルカリ触媒合成の際に
生成するポリアミドオリゴマーの量がポリアミドの吸水
性に影響することを見出し、本発明に到達した。
ロラクタムのアルカリ重合において、使用するアルカリ
触媒、助触媒について詳細に検討した結果、アルカリ触
媒の濃度、助触媒の種類およびアルカリ触媒合成の際に
生成するポリアミドオリゴマーの量がポリアミドの吸水
性に影響することを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、ε−カプロラクタム
をアルカリ触媒および助触媒の作用で加熱下に重合し、
ε−カプロラクタムの重合と成形とを同時に行い、ポリ
アミド成形品を製造する方法において、(1)アルカリ
触媒として、重合および成形に使用する全ε−カプロラ
クタム量に対して0.3〜2.5 mol%のアルカリ金属
ラクタメートを使用すること、(2)助触媒として2官
能以上の脂肪族イソシアネートやカルバミドラクタムか
らなる群から選ばれた化合物の1種または2種以上を使
用すること、および、(3)アルカリ触媒として使用す
る前記アルカリ金属ラクタメート中のポリアミドオリゴ
マー量を重合および成形に使用する全ε−カプロラクタ
ム量に対して0.5重量%以下にすることにより、達成
できる。
をアルカリ触媒および助触媒の作用で加熱下に重合し、
ε−カプロラクタムの重合と成形とを同時に行い、ポリ
アミド成形品を製造する方法において、(1)アルカリ
触媒として、重合および成形に使用する全ε−カプロラ
クタム量に対して0.3〜2.5 mol%のアルカリ金属
ラクタメートを使用すること、(2)助触媒として2官
能以上の脂肪族イソシアネートやカルバミドラクタムか
らなる群から選ばれた化合物の1種または2種以上を使
用すること、および、(3)アルカリ触媒として使用す
る前記アルカリ金属ラクタメート中のポリアミドオリゴ
マー量を重合および成形に使用する全ε−カプロラクタ
ム量に対して0.5重量%以下にすることにより、達成
できる。
【0007】以下に本発明の方法を詳しく説明する。本
発明のアルカリ触媒であるアルカリ金属ラクタメートと
しては、α−ピロリドンあるいはε−カプロラクタムと
アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムな
ど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムな
ど)およびこれらの水素化物(水素化ナトリウム、水素
化カリウムなど)、酸化物(酸化ナトリウム、酸化カリ
ウムなど)、水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなど)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムな
ど)、炭素数1〜4のアルキル化物(メチルナトリウ
ム、メチルカリウム、エチルナトリウム、エチルカリウ
ムなど)、炭素数1〜4のアルコキシド(ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラー
ト、カリウムエチラートなど)、グリニャール化合物
(エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウム
クロライド、ブチルマグネシウムブロマイド、ブチルマ
グネシウムクロライドなど)、アリール化合物(ナトリ
ウムナフタレンなど)などとの反応生成物であり、ε−
カプロラクタムの重合・成形に際し、後述する方法によ
り合成される。
発明のアルカリ触媒であるアルカリ金属ラクタメートと
しては、α−ピロリドンあるいはε−カプロラクタムと
アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムな
ど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムな
ど)およびこれらの水素化物(水素化ナトリウム、水素
化カリウムなど)、酸化物(酸化ナトリウム、酸化カリ
ウムなど)、水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなど)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムな
ど)、炭素数1〜4のアルキル化物(メチルナトリウ
ム、メチルカリウム、エチルナトリウム、エチルカリウ
ムなど)、炭素数1〜4のアルコキシド(ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラー
ト、カリウムエチラートなど)、グリニャール化合物
(エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウム
クロライド、ブチルマグネシウムブロマイド、ブチルマ
グネシウムクロライドなど)、アリール化合物(ナトリ
ウムナフタレンなど)などとの反応生成物であり、ε−
カプロラクタムの重合・成形に際し、後述する方法によ
り合成される。
【0008】上記アルカリ金属ラクタメートの具体例と
しては、α−ピロリドンあるいはε−カプロラクタムの
ナトリウム塩、カリウム塩やα−ピロリドンマグネシウ
ムブロマイド、ε−カプロラクタムマグネシウムブロマ
イド、ε−カプロラクタムマグネシウムクロライドなど
があり、これらは単独使用でもよく、また、2種以上を
併用してもよい。なお、前述のアルカリ金属、アルカリ
土類金属およびこれらの水素化物、酸化物、水酸化物、
炭酸塩、炭素数1〜4のアルキル化物、炭素数1〜4の
アルコキシド、グリニャール化合物、アリール化合物な
どは、融点以上のα−ピロリドンあるいはε−カプロラ
クタムと混合すると容易にアルカリ金属ラクタメートを
生成するため、これら自体も本発明のアルカリ触媒の範
囲に含まれる。
しては、α−ピロリドンあるいはε−カプロラクタムの
ナトリウム塩、カリウム塩やα−ピロリドンマグネシウ
ムブロマイド、ε−カプロラクタムマグネシウムブロマ
イド、ε−カプロラクタムマグネシウムクロライドなど
があり、これらは単独使用でもよく、また、2種以上を
併用してもよい。なお、前述のアルカリ金属、アルカリ
土類金属およびこれらの水素化物、酸化物、水酸化物、
炭酸塩、炭素数1〜4のアルキル化物、炭素数1〜4の
アルコキシド、グリニャール化合物、アリール化合物な
どは、融点以上のα−ピロリドンあるいはε−カプロラ
クタムと混合すると容易にアルカリ金属ラクタメートを
生成するため、これら自体も本発明のアルカリ触媒の範
囲に含まれる。
【0009】本発明の方法における特徴の1つは、ε−
カプロラクタムのアルカリ重合系における前記アルカリ
触媒の濃度、すなわち、アルカリ触媒の使用量の限定に
ある。本発明の方法において、アルカリ金属ラクタメー
トの使用量は、重合および成形に使用する全ε−カプロ
ラクタムに対して0.3〜2.5 mol%、好ましくは
0.5〜2.0 mol%である。アルカリ触媒濃度が前記
下限より少ない場合は、ε−カプロラクタムの重合速度
が遅くなり生産性が低下するだけでなく、ポリアミドの
吸水性の改善効果が少ない。前記上限より多くなると、
均一な重合・成形が困難となり、良好な成形品を得るこ
とが難しく、また、ポリアミドの機械的強度もばらつく
ため、好ましくない。なお、アルカリ触媒濃度が前記の
好ましい範囲を外れると、前述の好ましくない現象が現
れる傾向がみられる他、ε−カプロラクタムの重合速度
のばらつきが大きくなることがあり、そのため、成形品
の取出し時間が不安定となることがある。
カプロラクタムのアルカリ重合系における前記アルカリ
触媒の濃度、すなわち、アルカリ触媒の使用量の限定に
ある。本発明の方法において、アルカリ金属ラクタメー
トの使用量は、重合および成形に使用する全ε−カプロ
ラクタムに対して0.3〜2.5 mol%、好ましくは
0.5〜2.0 mol%である。アルカリ触媒濃度が前記
下限より少ない場合は、ε−カプロラクタムの重合速度
が遅くなり生産性が低下するだけでなく、ポリアミドの
吸水性の改善効果が少ない。前記上限より多くなると、
均一な重合・成形が困難となり、良好な成形品を得るこ
とが難しく、また、ポリアミドの機械的強度もばらつく
ため、好ましくない。なお、アルカリ触媒濃度が前記の
好ましい範囲を外れると、前述の好ましくない現象が現
れる傾向がみられる他、ε−カプロラクタムの重合速度
のばらつきが大きくなることがあり、そのため、成形品
の取出し時間が不安定となることがある。
【0010】本発明の方法の第2の特徴は、ε−カプロ
ラクタムのアルカリ重合によるポリアミドの製造に際
し、助触媒として、2官能以上の脂肪族イソシアネート
およびカルバミドラクタムからなる群から選ばれた特定
の化合物を使用することである。助触媒に使用する2官
能以上の脂肪族イソシアネートの具体例としては、ヘキ
サメチレンジイソシアネートおよびそのポリイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート、水添メタキシ
リレンジイソシアネートなどが、2官能以上のカルバミ
ドラクタムの具体例としては、1,6−ヘキサメチレン
ビスカルバミドピロリドン、1,6−ヘキサメチレンビ
スカルバミドカプロラクタム、メタキシレンビスカルバ
ミドピロリドン、メタキシレンビスカルバミドカプロラ
クタムなどが好適に挙げられる。これらは単独で使用し
てもよく、また、2種以上を併用してもよい。
ラクタムのアルカリ重合によるポリアミドの製造に際
し、助触媒として、2官能以上の脂肪族イソシアネート
およびカルバミドラクタムからなる群から選ばれた特定
の化合物を使用することである。助触媒に使用する2官
能以上の脂肪族イソシアネートの具体例としては、ヘキ
サメチレンジイソシアネートおよびそのポリイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート、水添メタキシ
リレンジイソシアネートなどが、2官能以上のカルバミ
ドラクタムの具体例としては、1,6−ヘキサメチレン
ビスカルバミドピロリドン、1,6−ヘキサメチレンビ
スカルバミドカプロラクタム、メタキシレンビスカルバ
ミドピロリドン、メタキシレンビスカルバミドカプロラ
クタムなどが好適に挙げられる。これらは単独で使用し
てもよく、また、2種以上を併用してもよい。
【0011】本発明の方法において、助触媒は、アルカ
リ触媒と助触媒の官能基との当量比が0.5〜3.0、
好ましくは0.8〜2.0の割合の範囲で使用するのが
好ましい。助触媒の使用量がこの範囲を外れた場合、ア
ルカリ触媒と助触媒とのバランスが崩れ、吸水性が改善
されないことがあるため、好ましくない。また、助触媒
の使用量が前記の好ましい範囲を外れた場合は、ε−カ
プロラクタムの重合速度のばらつきが大きくなることが
あり、そのために、成形品の取出し時間が不安定となる
ことがある。
リ触媒と助触媒の官能基との当量比が0.5〜3.0、
好ましくは0.8〜2.0の割合の範囲で使用するのが
好ましい。助触媒の使用量がこの範囲を外れた場合、ア
ルカリ触媒と助触媒とのバランスが崩れ、吸水性が改善
されないことがあるため、好ましくない。また、助触媒
の使用量が前記の好ましい範囲を外れた場合は、ε−カ
プロラクタムの重合速度のばらつきが大きくなることが
あり、そのために、成形品の取出し時間が不安定となる
ことがある。
【0012】ところでアルカリ金属ラクタメートは、前
述のように、α−ピロリドンあるいはε−カプロラクタ
ムとアルカリ金属、アルカリ土類金属やこれら誘導体と
の反応生成物であるが、この反応の際に、ポリアミドオ
リゴマーが副生する。アルカリ金属ラクタメートからポ
リアミドオリゴマーを除去する技術は確立されておら
ず、従来、アルカリ触媒としては、ポリアミドオリゴマ
ーを含んだアルカリ金属ラクタメートがそのまま使用さ
れている。ポリアミドオリゴマーがラクタム類のアルカ
リ重合における重合速度や製造されたポリアミド成形品
の表面外観に影響を与えることは知られていた(特開昭
62−225528号明細書など参照)が、ポリアミド
の物性などへの影響はほとんど知られていなかった。本
発明者らは、ポリアミドオリゴマーがε−カプロラクタ
ムのアルカリ重合の重合速度および生成するポリアミド
の機械的性質や吸水性に及ぼす影響を検討した結果、重
合および成形に使用する全ε−カプロラクタム量に対し
て0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下にす
ると重合速度、機械的性質、吸水性などに影響しないこ
とを見出したのである。すなわち、本発明の方法の第3
の特徴は、アルカリ触媒として使用するアルカリ金属ラ
クタメート中に含まれるポリアミドオリゴマー量を、重
合および成形に使用する全ε−カプロラクタム量に対し
て0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下とす
ることである。アルカリ金属ラクタメート中のポリアミ
ドオリゴマー量が、重合および成形に使用する全ε−カ
プロラクタム量に対して0.5重量%を越える場合に
は、ε−カプロラクタムの重合速度が遅くなり生産性が
低下するとともに、得られるポリアミドの吸水性の改善
効果が乏しくなるばかりか、その機械的性質も低下する
ことがあるので好ましくない。なお、アルカリ金属ラク
タメート中のポリアミドオリゴマー量が0.1重量%を
越え、かつ0.5重量%未満の場合には、ε−カプロラ
クタムの重合速度のばらつきが大きくなることがあり、
そのために、成形品の取出し時間が不安定になることが
ある。
述のように、α−ピロリドンあるいはε−カプロラクタ
ムとアルカリ金属、アルカリ土類金属やこれら誘導体と
の反応生成物であるが、この反応の際に、ポリアミドオ
リゴマーが副生する。アルカリ金属ラクタメートからポ
リアミドオリゴマーを除去する技術は確立されておら
ず、従来、アルカリ触媒としては、ポリアミドオリゴマ
ーを含んだアルカリ金属ラクタメートがそのまま使用さ
れている。ポリアミドオリゴマーがラクタム類のアルカ
リ重合における重合速度や製造されたポリアミド成形品
の表面外観に影響を与えることは知られていた(特開昭
62−225528号明細書など参照)が、ポリアミド
の物性などへの影響はほとんど知られていなかった。本
発明者らは、ポリアミドオリゴマーがε−カプロラクタ
ムのアルカリ重合の重合速度および生成するポリアミド
の機械的性質や吸水性に及ぼす影響を検討した結果、重
合および成形に使用する全ε−カプロラクタム量に対し
て0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下にす
ると重合速度、機械的性質、吸水性などに影響しないこ
とを見出したのである。すなわち、本発明の方法の第3
の特徴は、アルカリ触媒として使用するアルカリ金属ラ
クタメート中に含まれるポリアミドオリゴマー量を、重
合および成形に使用する全ε−カプロラクタム量に対し
て0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下とす
ることである。アルカリ金属ラクタメート中のポリアミ
ドオリゴマー量が、重合および成形に使用する全ε−カ
プロラクタム量に対して0.5重量%を越える場合に
は、ε−カプロラクタムの重合速度が遅くなり生産性が
低下するとともに、得られるポリアミドの吸水性の改善
効果が乏しくなるばかりか、その機械的性質も低下する
ことがあるので好ましくない。なお、アルカリ金属ラク
タメート中のポリアミドオリゴマー量が0.1重量%を
越え、かつ0.5重量%未満の場合には、ε−カプロラ
クタムの重合速度のばらつきが大きくなることがあり、
そのために、成形品の取出し時間が不安定になることが
ある。
【0013】本発明の方法において、上述の如く、ポリ
アミドオリゴマーの生成量が少ない、つまり、ポリアミ
ドオリゴマーの含有量が重合および成形に使用する全ε
−カプロラクタム量に対して0.5重量%以下であるア
ルカリ金属ラクタメートの製造は、製造時の温度、減圧
度を制御した特願平5−216109号明細書記載の方
法によって製造できる。すなわち、含有水分率が0.0
5重量%以下のα−ピロリドンあるいはε−カプロラク
タムと、前記のアルカリ金属、アルカリ土類金属やこれ
らの誘導体から選ばれた1種類以上の化合物とからなる
混合物を加熱下に減圧する際に、圧力が少なくとも50
mmHg以下になるまでは、該混合物を110℃以下、
好ましくは105℃未満の温度に維持し、圧力が少なく
とも50mmHg以下に達した後は、さらに減圧して圧
力を10mmHg以下にするとともに、その時の該混合
物の温度を105〜160℃、好ましくは110〜13
0℃の範囲に維持することによって上記のアルカリ金属
ラクタメートが製造され得るのである。
アミドオリゴマーの生成量が少ない、つまり、ポリアミ
ドオリゴマーの含有量が重合および成形に使用する全ε
−カプロラクタム量に対して0.5重量%以下であるア
ルカリ金属ラクタメートの製造は、製造時の温度、減圧
度を制御した特願平5−216109号明細書記載の方
法によって製造できる。すなわち、含有水分率が0.0
5重量%以下のα−ピロリドンあるいはε−カプロラク
タムと、前記のアルカリ金属、アルカリ土類金属やこれ
らの誘導体から選ばれた1種類以上の化合物とからなる
混合物を加熱下に減圧する際に、圧力が少なくとも50
mmHg以下になるまでは、該混合物を110℃以下、
好ましくは105℃未満の温度に維持し、圧力が少なく
とも50mmHg以下に達した後は、さらに減圧して圧
力を10mmHg以下にするとともに、その時の該混合
物の温度を105〜160℃、好ましくは110〜13
0℃の範囲に維持することによって上記のアルカリ金属
ラクタメートが製造され得るのである。
【0014】本発明におけるε−カプロラクタムの重合
および成形は、前記所定量のε−カプロラクタム、アル
カリ触媒としてのアルカリ金属ラクタメートおよび助触
媒からなる混合物を70〜130℃の温度で混合した
後、130〜190℃に加熱した金型へ入れて行われ
る。ε−カプロラクタム、アルカリ金属ラクタメートお
よび助触媒からなる混合物の混合温度が70℃より低い
場合は、ε−カプロラクタムが固化して、均一に混合す
ることができず、金型温度が130℃より低い場合に
は、ε−カプロラクタムの重合速度が遅くなり、生産性
が悪くなったり、成形品の外観が悪くなったりするた
め、好ましくない。また、前記混合物の混合温度が13
0℃を越える場合は、前記混合物を130℃に加温する
際にポリアミドオリゴマー生成量が増加したり、ε−カ
プロラクタムが着色して、成形品の外観が悪くなった
り、ポリアミドの吸水性改良効果が低下したりするた
め、好ましくない。さらにはまた、金型温度が190℃
を越える場合は、重合・成形中のポリアミドの温度が高
くなり、金型からの成形品の取出し時間が長くなるた
め、この場合も好ましくない。そして、成形品の取出し
時間は、成形品の厚さにより異なるが、通常は、混合物
を金型に入れてから2〜10分で成形品を取出すことが
できる。
および成形は、前記所定量のε−カプロラクタム、アル
カリ触媒としてのアルカリ金属ラクタメートおよび助触
媒からなる混合物を70〜130℃の温度で混合した
後、130〜190℃に加熱した金型へ入れて行われ
る。ε−カプロラクタム、アルカリ金属ラクタメートお
よび助触媒からなる混合物の混合温度が70℃より低い
場合は、ε−カプロラクタムが固化して、均一に混合す
ることができず、金型温度が130℃より低い場合に
は、ε−カプロラクタムの重合速度が遅くなり、生産性
が悪くなったり、成形品の外観が悪くなったりするた
め、好ましくない。また、前記混合物の混合温度が13
0℃を越える場合は、前記混合物を130℃に加温する
際にポリアミドオリゴマー生成量が増加したり、ε−カ
プロラクタムが着色して、成形品の外観が悪くなった
り、ポリアミドの吸水性改良効果が低下したりするた
め、好ましくない。さらにはまた、金型温度が190℃
を越える場合は、重合・成形中のポリアミドの温度が高
くなり、金型からの成形品の取出し時間が長くなるた
め、この場合も好ましくない。そして、成形品の取出し
時間は、成形品の厚さにより異なるが、通常は、混合物
を金型に入れてから2〜10分で成形品を取出すことが
できる。
【0015】本発明の方法においては、また、ε−カプ
ロラクタムの重合および成形に際して、原料をε−カプ
ロラクタムとアルカリ金属ラクタメートとからなる成
分、ε−カプロラクタムと助触媒とからなる成分、必要
に応じてさらにはε−カプロラクタムと着色剤などの添
加剤とからなる成分などに分けて、金型に投入する直前
にこれら各成分を混合した後、加熱した金型に入れて重
合および成形することもできる。本発明の方法における
重合および成形は、反応射出成形法、注形法、回転成形
法など、公知の方法により実施できる。なお、本発明の
方法では、原料ラクタムはε−カプロラクタムであると
しているが、ε−カプロラクタムに溶解する範囲の量と
して、ε−カプロラクタムの20重量%以下であれば、
α−ピロリドンやラウロラクタムなどのラクタム類と共
重合することは可能である。
ロラクタムの重合および成形に際して、原料をε−カプ
ロラクタムとアルカリ金属ラクタメートとからなる成
分、ε−カプロラクタムと助触媒とからなる成分、必要
に応じてさらにはε−カプロラクタムと着色剤などの添
加剤とからなる成分などに分けて、金型に投入する直前
にこれら各成分を混合した後、加熱した金型に入れて重
合および成形することもできる。本発明の方法における
重合および成形は、反応射出成形法、注形法、回転成形
法など、公知の方法により実施できる。なお、本発明の
方法では、原料ラクタムはε−カプロラクタムであると
しているが、ε−カプロラクタムに溶解する範囲の量と
して、ε−カプロラクタムの20重量%以下であれば、
α−ピロリドンやラウロラクタムなどのラクタム類と共
重合することは可能である。
【0016】さらに、本発明の方法においては、実質的
に重合反応を阻害しない可塑剤、充填剤、繊維、発泡
剤、染料、顔料および酸化防止剤などの安定剤の存在下
で、ε−カプロラクタムを重合させることもできる。好
ましい可塑剤としては、N−アルキルピロリドン、ジア
ルキルイミダゾリンなどが挙げられる。これら可塑剤の
使用量は、ε−カプロラクタムに対して通常2〜25重
量%である。充填剤の具体例としては、炭酸カルシウ
ム、ワラストナイト、カオリン、黒鉛、石膏、長石、雲
母、アスベスト、カーボンブラック、二硫化モリブデン
などが挙げられる。繊維の具体例としては、ミルドガラ
スなどのガラス繊維、炭素繊維、繊維状マグネシウム化
合物、チタン酸カリウム繊維、鉱物繊維、グラファイト
繊維、ボロン繊維、スチール繊維などが挙げられる。充
填剤および/または繊維の使用量は、ε−カプロラクタ
ムに対して通常2〜50重量%である。また、発泡剤の
具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが
挙げられ、その使用量はε−カプロラクタムに対して通
常1〜15重量%である。
に重合反応を阻害しない可塑剤、充填剤、繊維、発泡
剤、染料、顔料および酸化防止剤などの安定剤の存在下
で、ε−カプロラクタムを重合させることもできる。好
ましい可塑剤としては、N−アルキルピロリドン、ジア
ルキルイミダゾリンなどが挙げられる。これら可塑剤の
使用量は、ε−カプロラクタムに対して通常2〜25重
量%である。充填剤の具体例としては、炭酸カルシウ
ム、ワラストナイト、カオリン、黒鉛、石膏、長石、雲
母、アスベスト、カーボンブラック、二硫化モリブデン
などが挙げられる。繊維の具体例としては、ミルドガラ
スなどのガラス繊維、炭素繊維、繊維状マグネシウム化
合物、チタン酸カリウム繊維、鉱物繊維、グラファイト
繊維、ボロン繊維、スチール繊維などが挙げられる。充
填剤および/または繊維の使用量は、ε−カプロラクタ
ムに対して通常2〜50重量%である。また、発泡剤の
具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが
挙げられ、その使用量はε−カプロラクタムに対して通
常1〜15重量%である。
【0017】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明の方
法をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の方法を
何ら限定するものではない。以下の実施例および比較例
に示したε−カプロラクタムの含有水分率、ポリアミド
オリゴマー量、重合速度、成形品外観、平衡吸水率、曲
げ強度および曲げ弾性率は、以下の方法で測定した。
法をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の方法を
何ら限定するものではない。以下の実施例および比較例
に示したε−カプロラクタムの含有水分率、ポリアミド
オリゴマー量、重合速度、成形品外観、平衡吸水率、曲
げ強度および曲げ弾性率は、以下の方法で測定した。
【0018】(1)ε−カプロラクタムの含有水分率の
測定 カールフィッシャー水分測定装置(三菱化成工業(株)
製、CA−06型)で測定した。
測定 カールフィッシャー水分測定装置(三菱化成工業(株)
製、CA−06型)で測定した。
【0019】(2)ポリアミドオリゴマー量の測定 ε−カプロラクタムと、アルカリ金属、アルカリ土類金
属やこれらの誘導体との反応終了後の反応混合物約10
0gに室温の蒸留水約500gを加え、約10分間攪拌
して析出した沈殿物を濾別、乾燥して、沈殿物の重量を
測定した。ポリアミドオリゴマー量は、数式1により求
めた。
属やこれらの誘導体との反応終了後の反応混合物約10
0gに室温の蒸留水約500gを加え、約10分間攪拌
して析出した沈殿物を濾別、乾燥して、沈殿物の重量を
測定した。ポリアミドオリゴマー量は、数式1により求
めた。
【0020】
【数1】
【0021】(3)重合速度の測定法 95℃に加熱した重合および成形に使用する原料液(ε
−カプロラクタム、アルカリ金属ラクタメート、助触媒
およびポリアミドオリゴマーの混合物)を直径24mm
の試験管に入れ、すばやく窒素雰囲気下に試験管を封管
する。その試験管を直ちに160℃のオイルバス中に浸
漬し、試験管を左右に動かしながら、オイルバスへの浸
漬時から原料液が重合して流動しなくなるまでの時間を
測定し、これを重合時間とした。そして、重合速度を該
重合時間でもって表した。
−カプロラクタム、アルカリ金属ラクタメート、助触媒
およびポリアミドオリゴマーの混合物)を直径24mm
の試験管に入れ、すばやく窒素雰囲気下に試験管を封管
する。その試験管を直ちに160℃のオイルバス中に浸
漬し、試験管を左右に動かしながら、オイルバスへの浸
漬時から原料液が重合して流動しなくなるまでの時間を
測定し、これを重合時間とした。そして、重合速度を該
重合時間でもって表した。
【0022】(4)成形品外観の測定法 目視により評価した。
【0023】(5)平衡吸水率の測定法 ポリアミド成形品から切出した15mm×100mm×
2.5mmの試験片を、60℃、48時間の条件で減圧
(20Torr以下)乾燥した後、32.5℃、相対湿
度(RH)90%の条件下で保持し、重量変化が平衡値
に達した点を平衡吸水時とし、平衡吸水率を数式2によ
り求めた。
2.5mmの試験片を、60℃、48時間の条件で減圧
(20Torr以下)乾燥した後、32.5℃、相対湿
度(RH)90%の条件下で保持し、重量変化が平衡値
に達した点を平衡吸水時とし、平衡吸水率を数式2によ
り求めた。
【0024】
【数2】
【0025】(6)曲げ強度および曲げ弾性率の測定法 ポリアミド成形品より試験片を切出し、JIS K70
55に準じて測定した。
55に準じて測定した。
【0026】実施例1 攪拌機、温度計および減圧ラインを有する内容積150
0ccのコルベンに、80℃に加熱した含有水分率0.
01重量%のε−カプロラクタム500gを入れ、同温
度で、ナトリウムメチラート(純度95%の粉末)5.
0gを添加した。ナトリウムカプロラクタムの合成は、
減圧度50mmHgになるまで100℃以下の温度に維
持し、その後昇温しながら、副生するメタノールを留去
し、減圧度3mmHg、115℃で合成を終了し、ポリ
アミドオリゴマーを0.02重量%含有する、ε−カプ
ロラクタムとナトリウムカプロラクタムとからなる成分
(A)を調整した。
0ccのコルベンに、80℃に加熱した含有水分率0.
01重量%のε−カプロラクタム500gを入れ、同温
度で、ナトリウムメチラート(純度95%の粉末)5.
0gを添加した。ナトリウムカプロラクタムの合成は、
減圧度50mmHgになるまで100℃以下の温度に維
持し、その後昇温しながら、副生するメタノールを留去
し、減圧度3mmHg、115℃で合成を終了し、ポリ
アミドオリゴマーを0.02重量%含有する、ε−カプ
ロラクタムとナトリウムカプロラクタムとからなる成分
(A)を調整した。
【0027】次いで、100℃に加熱した含有水分率
0.01重量%のε−カプロラクタム500gにヘキサ
メチレンジイソシアネート7.4gを添加し、窒素ガス
雰囲気下に攪拌して、成分(B)を調整した。成分
(A)および(B)を100℃に加熱し、重合速度を測
定した後、計量ポンプでそれぞれの成分を65gづつ計
量し、攪拌しながら、160℃の板状金型(成形品形
状;200mm×250mm×2.5mm)に入れた。
5分後に金型を開き、板状成形品を取出した。得られた
ポリアミド成形品の外観は良好であった。この成形品か
ら平衡吸水率試験および曲げ試験用の試験片を作成し、
測定を行った。結果を表1に示した。
0.01重量%のε−カプロラクタム500gにヘキサ
メチレンジイソシアネート7.4gを添加し、窒素ガス
雰囲気下に攪拌して、成分(B)を調整した。成分
(A)および(B)を100℃に加熱し、重合速度を測
定した後、計量ポンプでそれぞれの成分を65gづつ計
量し、攪拌しながら、160℃の板状金型(成形品形
状;200mm×250mm×2.5mm)に入れた。
5分後に金型を開き、板状成形品を取出した。得られた
ポリアミド成形品の外観は良好であった。この成形品か
ら平衡吸水率試験および曲げ試験用の試験片を作成し、
測定を行った。結果を表1に示した。
【0028】比較例1 ナトリウムカプロラクタム合成の開始時の温度を100
℃以下の温度に変えて110℃、終了時の温度を115
℃に変えて135℃とした以外は実施例1と同様にし
て、ポリアミドオリゴマーを1.3重量%含む、ε−カ
プロラクタムとナトリウムカプロラクタムとからなる成
分(A)を調整した。そして、実施例1の成分(A)に
変えて、この成分(A)を用いた以外は、実施例1と同
様の手法でポリアミドの板状成形品を成形した。ポリア
ミド成形品は、原料を金型へ入れてから10分後でも取
出すことができず、金型を冷却してから取出した。得ら
れた成形品は、表面に直径約2〜3cmの白い斑点が数
点ある外観の悪いものであった。平衡吸水率および曲げ
試験の結果を表1に示した。
℃以下の温度に変えて110℃、終了時の温度を115
℃に変えて135℃とした以外は実施例1と同様にし
て、ポリアミドオリゴマーを1.3重量%含む、ε−カ
プロラクタムとナトリウムカプロラクタムとからなる成
分(A)を調整した。そして、実施例1の成分(A)に
変えて、この成分(A)を用いた以外は、実施例1と同
様の手法でポリアミドの板状成形品を成形した。ポリア
ミド成形品は、原料を金型へ入れてから10分後でも取
出すことができず、金型を冷却してから取出した。得ら
れた成形品は、表面に直径約2〜3cmの白い斑点が数
点ある外観の悪いものであった。平衡吸水率および曲げ
試験の結果を表1に示した。
【0029】比較例2 ナトリウムメチラートの使用量を5.0gに変えて1.
25gに、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を
7.4gに変えて1.86gにしたこと以外は、実施例
1と同様の方法を実施した。ポリアミド成形品は、原料
を金型へ入れてから10分後でも取出すことができず、
金型を冷却してから取出した。平衡吸水率および曲げ強
度の測定値を表1に示した。
25gに、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を
7.4gに変えて1.86gにしたこと以外は、実施例
1と同様の方法を実施した。ポリアミド成形品は、原料
を金型へ入れてから10分後でも取出すことができず、
金型を冷却してから取出した。平衡吸水率および曲げ強
度の測定値を表1に示した。
【0030】比較例3 ナトリウムメチラートの使用量を5.0gから20.1
gに、そして、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用
量を7.4gから29.7gに変えた以外は、実施例1
と同様の方法を実施した。ポリアミド成形品は、金型か
ら5分後に取出すことができた。平衡吸水率および曲げ
強度の測定値を表1に示した。
gに、そして、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用
量を7.4gから29.7gに変えた以外は、実施例1
と同様の方法を実施した。ポリアミド成形品は、金型か
ら5分後に取出すことができた。平衡吸水率および曲げ
強度の測定値を表1に示した。
【0031】比較例4 助触媒のヘキサメチレンジイソシアネートの量を7.4
gに変えて17.6gにした以外は、実施例1と同様の
方法を実施した。ポリアミド成形品は、原料を金型へ入
れてから10分後でも取出すことができず、金型を冷却
してから取出した。ポリアミド成形品の外観は非常に悪
く、吸水性試験および曲げ試験の試験片が作成できなか
った。
gに変えて17.6gにした以外は、実施例1と同様の
方法を実施した。ポリアミド成形品は、原料を金型へ入
れてから10分後でも取出すことができず、金型を冷却
してから取出した。ポリアミド成形品の外観は非常に悪
く、吸水性試験および曲げ試験の試験片が作成できなか
った。
【0032】比較例5 助触媒のヘキサメチレンジイソシアネート7.4gをト
ルエンジイソシアネート7.7gに変えた以外は、実施
例1と同様の方法を実施した。ポリアミド成形品は、原
料充填から10分後に金型から取出せ、ポリアミド成形
品の外観は良好であった。平衡吸水率および曲げ強度の
結果を表1に示した。
ルエンジイソシアネート7.7gに変えた以外は、実施
例1と同様の方法を実施した。ポリアミド成形品は、原
料充填から10分後に金型から取出せ、ポリアミド成形
品の外観は良好であった。平衡吸水率および曲げ強度の
結果を表1に示した。
【0033】実施例2 ナトリウムメチラートの量を5.0gから3.5gに変
えたこと、およびヘキサメチレンジイソシアネート7.
4gの代わりにメタキシリレンジイソシアネート2.5
gを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法を実施
した。ポリアミド成形品は、原料充填から5分後に金型
から取出すことができ、ポリアミド成形品の外観は良好
であった。平衡吸水率および曲げ強度の結果を表1に示
した。
えたこと、およびヘキサメチレンジイソシアネート7.
4gの代わりにメタキシリレンジイソシアネート2.5
gを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法を実施
した。ポリアミド成形品は、原料充填から5分後に金型
から取出すことができ、ポリアミド成形品の外観は良好
であった。平衡吸水率および曲げ強度の結果を表1に示
した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例3〜5 実施例1と同様の方法で製造した成分(A)130gを
フラスコに取り、窒素ガス雰囲気下で95℃に加熱した
後、このフラスコに表2に示した助触媒を表2に示した
量添加して、素早く攪拌し、150℃の板状金型(成形
品形状;200mm×250mm×2.5mm)に入れ
た。ポリアミド成形品は、いずれも約5分で金型から取
出すことができ、これらポリアミド成形品の外観は良好
であった。平衡吸水率および曲げ強度の結果を表2に示
した。
フラスコに取り、窒素ガス雰囲気下で95℃に加熱した
後、このフラスコに表2に示した助触媒を表2に示した
量添加して、素早く攪拌し、150℃の板状金型(成形
品形状;200mm×250mm×2.5mm)に入れ
た。ポリアミド成形品は、いずれも約5分で金型から取
出すことができ、これらポリアミド成形品の外観は良好
であった。平衡吸水率および曲げ強度の結果を表2に示
した。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定濃度のアル
カリ触媒、特定の助触媒および、アルカリ触媒合成時に
生成するポリアミドオリゴマー含有量が特定量以下であ
るε−カプロラクタムを使用して、ε−カプロラクタム
のアルカリ重合を実施することにより、それ本来の機械
的強度の低下がなく、低吸水性のポリアミドを製造する
ことができる。
カリ触媒、特定の助触媒および、アルカリ触媒合成時に
生成するポリアミドオリゴマー含有量が特定量以下であ
るε−カプロラクタムを使用して、ε−カプロラクタム
のアルカリ重合を実施することにより、それ本来の機械
的強度の低下がなく、低吸水性のポリアミドを製造する
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ε−カプロラクタムをアルカリ触媒およ
び助触媒の作用で加熱下に重合し、ε−カプロラクタム
の重合と成形とを同時に行い、ポリアミド成形品を製造
する方法において、(1)アルカリ触媒として、重合お
よび成形に使用する全ε−カプロラクタム量に対して
0.3〜2.5 mol%のアルカリ金属ラクタメートを使
用すること、(2)助触媒として、2官能以上の脂肪族
イソシアネートおよびカルバミドラクタムからなる群か
ら選ばれた化合物の1種または2種以上を使用するこ
と、および、(3)アルカリ触媒として使用する前記ア
ルカリ金属ラクタメート中のポリアミドオリゴマー量を
重合および成形に使用する全ε−カプロラクタム量に対
して0.5重量%以下にすることを特徴とするポリアミ
ドの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3137194A JPH07238164A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | ポリアミドの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3137194A JPH07238164A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | ポリアミドの製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238164A true JPH07238164A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12329407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3137194A Pending JPH07238164A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | ポリアミドの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07238164A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013544314A (ja) * | 2010-12-03 | 2013-12-12 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 架橋ポリアミド |
JP2014515425A (ja) * | 2011-05-30 | 2014-06-30 | ライン・ケミー・ライノー・ゲーエムベーハー | キャストポリアミド製造のための新規組成物 |
JP2019014875A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 株式会社二幸技研 | アルカリ重合法によるナイロン製造方法と成形ナイロン |
-
1994
- 1994-03-01 JP JP3137194A patent/JPH07238164A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013544314A (ja) * | 2010-12-03 | 2013-12-12 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 架橋ポリアミド |
JP2014515425A (ja) * | 2011-05-30 | 2014-06-30 | ライン・ケミー・ライノー・ゲーエムベーハー | キャストポリアミド製造のための新規組成物 |
JP2019014875A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 株式会社二幸技研 | アルカリ重合法によるナイロン製造方法と成形ナイロン |
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