JP6664094B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、成形品の製造方法に関する。
キッチンカウンター、洗面カウンター、壁パネル等の部材として使用される成形品を製造する方法として、ガラス繊維と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性成形材料を加熱圧縮成形することが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このような熱硬化性成形材料としては、例えば、シートモールディングコンパウンド(SMC)およびバルクモールディングコンパウンド(BMC)が使用されている。
この方法により製造される成形品は、一方向に長く延びる長尺のものが多いが、施工される最終製品の長辺寸法は、間取りなどにより一定ではない。一方、成形品の長辺寸法は、金型の内面形状により決定されるため、同一金型により製造される成形品の長辺寸法は、常に一定となる。そのため、最終製品の長辺寸法に対応するためには、その長辺寸法に対応した金型を準備し成形するか、あるいは所望の長辺寸法を超える長さの成形品を加熱圧縮成形した後、所望の長辺寸法に切断することが必要とされる。
特開2001−71341号公報 特開平11−138573号公報
しかしながら、前者では、要求によって異なる各々の長辺寸法の最終製品に対応するために、各々の長辺寸法に対応する複数の金型を用意する必要があり、その導入コストや金型の切り替え工数が増加する。また後者では、所望の長辺寸法とするために成形品から切断除去された残りの材料は、最終製品としては不要となるため最終製品に対する材料コストが増加する。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、同一金型を用いて長辺寸法の異なる成形品を得ることができ、さらに、加熱圧縮成形した成形品から切断除去される、最終製品に不要な長さ部分を極力少なくできる成形品の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の成形品の製造方法は、強化繊維と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性成形材料を上下の金型間に配置し、上下の金型間を加圧して熱硬化性成形材料を流動させながら成形する成形品の製造方法であって、上下の金型間における熱硬化性成形材料の流動を堰き止めようとする部分に、上下の金型間を加圧することにより圧縮される弾性体からなるスペーサーを配置して成形することを特徴としている。
本発明によれば、同一金型を用いて長辺寸法の異なる成形品を得ることができ、さらに、加熱圧縮成形した成形品から切断除去される、最終製品に不要な長さ部分を極力少なくできる。
本発明の成形品の製造方法の実施形態を説明するための斜視図である。 スペーサーとして使用される、平板状分割体と折れ曲がり状分割体の斜視図である。 スペーサーとして使用される平板状分割体と、支持部材と、被圧縮部材の下型における配置状態を示す、図1のA−A方向断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の成形品の製造方法では、図1に示す上型5と下型6とからなる上下の金型4を用いて、強化繊維と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性成形材料を上下の金型4間に配置し、上下の金型4間を加圧して熱硬化性成形材料を流動させながら成形する。
得ようとする成形品は、長尺の平板部と、平板部の幅方向両端部から折れ曲がる立ち板部とを備えたものであり、それに対応して上型5と下型6は、成形面の長手方向Yに長く延びる平面6aおよび立ち面6b,6dを有している。なお、図1では、成形面の長手方向Yのうち、熱硬化性成形材料の流動を堰き止めようとする部分を含む一部を図示している。
下型6は、長手方向Yに延びる長尺の平面6aが設けられ、平面6aの幅方向Xの一端には平面6aから下方に垂直に折れ曲がる立ち面6bが、他端には平面6aから上方に垂直に折れ曲がる立ち面6dが、それぞれ長手方向Yに沿って設けられている。立ち面6bは、成形品の一方の立ち板部として最終製品のキッチンカウンターにおける前垂れを形成し、立ち面6dは、成形品の他方の立ち板部として最終製品のキッチンカウンターにおけるバックガードを形成する。
上型5にも、図示はしないが下型6の成形面に対応する成形面が下面に設けられ、上型5および下型6は、これらの成形面同士が対向し、互いに上下方向に相対移動可能とされている。
そして本実施形態の成形品の製造方法は、上下の金型4間における熱硬化性成形材料の流動を堰き止めようとする部分にスペーサー1を配置して成形する。
スペーサー1は、上下の金型4に挟まれて圧縮される弾性体からなる。スペーサー1の材料は、弾性により成形時に上下の金型4に密着して熱硬化性成形材料を堰き止め、成形時の加熱および加圧に対する耐性を持つものであれば、特に限定されるものではない。例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDMゴム)、シリコンゴム、ウレタンゴム等を用いることができる。
図1に示すように、スペーサー1は、平板状分割体1aと、2つの折れ曲がり状分割体1b,1cとに分割されている。
平板状分割体1aは、図1および図3に示すように、下型6の幅方向Xに長い矩形平板状であり、下型6の平面6aに幅方向Xと平行に配置されている。
折れ曲がり状分割体1bは、図1および図2に示すように、側板部40と、上方板部50とが設けられ、これらは全体として断面逆L字状を成している。側板部40は、内面で下型6の立ち面6bに密着し、下端面でこれと等幅の下型6の段差面6cに密着して配置される。上方板部50は、下型6の平面6aに密着して配置される。折れ曲がり状分割体1bは、上方板部50の側端面51と、平板状分割体1aの側端面11とが連続するように、上方板部50の側端面53で平板状分割体1aと密着して配置される。
なお、上方板部50の側端面51と平板状分割体1aの側端面11の配置は、上下の金型4間を加圧したときに圧縮されて側方に膨張したときに密着するように配置してもよく、この時点では多少離れていてもよい。
折れ曲がり状分割体1cは、図1および図2に示すように、側板部60と、下方板部70と、上方板部80とが設けられている。これらは全体として断面S字状を成している。側板部60は、外面で下型6の立ち面6dに密着して配置される。下方板部70は、下型6の平面6aに密着して配置される。上方板部80は、これと等幅の下型6の段差面6eに下面で密着し、下型6の段差面6eから上方に延びる立ち面6fに側端面83で密着して配置される。折れ曲がり状分割体1cは、下方板部70の側端面71と、平板状分割体1aの側端面11とが連続するように、下方板部70の側端面73で平板状分割体1aと密着して配置される。
なお、下方板部70の側端面71と平板状分割体1aの側端面11の配置も、上下の金型4間を加圧したときに圧縮されて側方に膨張したときに密着するように配置してもよく、この時点では多少離れていてもよい。
平板状分割体1aの側端面11と、折れ曲がり状分割体1bの上方板部50の側端面51および側板部40の側端面41は、平板状分割体1aと折れ曲がり状分割体1bが密着することにより連続面となっている。平板状分割体1aの側端面11と、折れ曲がり状分割体1cの下方板部70の側端面71と、側板部60の側端面61と、上方板部80の側端面81も、平板状分割体1aと折れ曲がり状分割体1cが密着することにより連続面となっている。これらの側端面11,51,41,71,61,81は、成形時に熱硬化性成形材料の流動を堰き止める端面を構成する。
このように上下の金型4から独立した部材であるスペーサー1を配置して成形することで、上下の金型4の成形面の長手方向Yの任意の位置にスペーサー1を配置することができるようになっている。そのため、長手方向Yにおける成形品の端面となる位置を任意に調整することができる。したがって、要求によって異なる各々の長辺寸法の最終製品に対応するために、各々の長辺寸法に対応する複数の金型を用意せずとも、同一金型4を用いてスペーサー1の位置を調整することで、長辺寸法の異なる成形品を得ることができる。さらに、得ようとする成形品の長辺寸法と同等か、またはそれより若干長い寸法となるようにスペーサー1の位置を調整することで、加熱圧縮成形した成形品から切断除去される、最終製品に不要な長さ部分を極力少なくすることができる。
また、スペーサー1として、平板状分割体1aと、折れ曲がり状分割体1b,1cとに分割されたものを使用することで、成形時において、弾性体であるスペーサー1の熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。
図2に示すように、折れ曲がり状分割体1bは、長さL1が、高さh1以上であることが好ましく、同様に折れ曲がり状分割体1cは、長さL2が、高さh2以上であることが好ましい。また、折れ曲がり状分割体1bは、高さh1が、幅W1より長いことが好ましく、同様に折れ曲がり状分割体1cは、高さh2が、幅W2より長いことが好ましい。これにより、加熱圧縮成形時の熱硬化性成形材料の流動圧による、スペーサー1の立ち面である折れ曲がり状分割体1b,1cの側板部40,60の変形破損とシール性破綻を抑制できる。
平板状分割体1a、折れ曲がり状分割体1bの上方板部50、および折れ曲がり状分割体1cの下方板部70の厚みは同一とすることが好ましい。また、図3に示すように、平板状分割体1aの厚みT2は、得ようとする成形品の厚みT1より大きいことが好ましい。特に、平板状分割体1aの厚みT2は、得ようとする成形品の厚みT1より0.1〜5mm厚いものであることが好ましい。このようにすることで、成形時における熱硬化性成形材料のシール性が向上する。
図1および図3に示すように、下型6の平面6aには、支持部材2が配置される。支持部材2は、上下の金型4間の加圧によっては圧縮されない厚みで、かつスペーサー1より剛性が高い剛体からなる、下型6の幅方向Xに長い矩形平板状であり、下型6の平面6aに幅方向Xと平行に配置される。支持部材2は、図3に示すように、熱硬化性成形材料が配置される側とは反対側で、側端面21をスペーサー1の平板状分割体1aの側端面12に密着させて配置される。また、図1に示すように、スペーサー1の折れ曲がり状分割体1bの上方板部50の側端面53および折れ曲がり状分割体1cの下方板部70の側端面73に密着させて配置される。
なお、支持部材2とスペーサー1の配置は、上下の金型4間を加圧したときにスペーサー1が圧縮されて側方に膨張したときに密着するように配置してもよく、この時点では多少離れていてもよい。
このようにすることで、上下の金型4やこれに充填された熱硬化性成形材料により成形時に加圧されたスペーサー1が、剛体である支持部材2により保持される。したがって、弾性体であるスペーサー1の熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。
図3に示すように、支持部材2の厚みT3は、得ようとする成形品の厚みT1より小さいことが好ましい。これにより、支持部材2は上型5と密着して圧力を受けることなく、熱硬化性成形材料を適正な圧力で加圧できる。支持部材2の材料は、上下の金型4間の加圧によっては圧縮されない厚みで、かつスペーサー1より剛性が高い剛体であれば特に限定されるものではない。例えば、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等の成形品等を用いることができる。
特に、支持部材2は、フッ素樹脂により形成され、その厚みT1は、得ようとする成形品の厚みT3の0.70〜0.95倍の厚みであることが好ましい。これにより、支持部材2は上型5と密着して圧力を受けることなく、熱硬化性成形材料を適正な圧力で加圧でき、かつ成形時の流動圧によって変形し破損してしまうことを抑制できる。
図1および図3に示すように、下型6の平面6aには、被圧縮部材3が配置される。被圧縮部材3は、スペーサー1より厚みの大きい弾性体からなる、下型6の幅方向Xに長い矩形平板状であり、下型6の平面6aに幅方向Xと平行に配置される。被圧縮部材3は、図3に示すように、スペーサー1が配置される側とは反対側で、側端面31を支持部材2の側端面22に密着させて配置される。また、図2に示すスペーサー1の折れ曲がり状分割体1bの上方板部50の側端面52と、折れ曲がり状分割体1cの下方板部70の側端面72および側板部60の側端面62とを、被圧縮部材3の側端面31に密着させて配置される。
被圧縮部材3は、スペーサー1よりも先に上型5に密着して加圧され、これにより、上下の金型4に充填された熱硬化性成形材料により加圧されたスペーサー1および支持部材2が、後方から保持される。そのため、支持部材2の移動やズレと、それに伴うスペーサー1の熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。
なお、支持部材2と被圧縮部材3の配置や、折れ曲がり状分割体1b,1cと被圧縮部材3の配置は、上下の金型4間を加圧したときに被圧縮部材3が圧縮されて側方に膨張したときに密着するように配置してもよく、この時点では多少離れていてもよい。
また、折れ曲がり状分割体1b,1cも、加圧により圧縮された被圧縮部材3により保持される。したがって、弾性体である平板状分割体1aおよび折れ曲がり状分割体1b,1cの熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。
被圧縮部材3の材料は、弾性により成形時に上下の金型4に密着して、成形時の流動圧に対してスペーサー1を保持し、成形時の加熱および加圧に対する耐性を持つものであれば特に限定されるものではない。例えば、発泡シリコン樹脂、発泡ウレタン樹脂等の成形品等を用いることができる。
特に、被圧縮部材3は、発泡シリコン樹脂により形成され、その厚みT4は、得ようとする成形品の厚みT3の2倍以上の厚みであることが好ましい。これにより、成形時の圧縮によって、熱硬化性成形材料の流動圧に対抗する位置保持力を確保でき、スペーサー1とともに押し流されてしまうことを抑制できる。
スペーサー1、支持部材2、および被圧縮部材3を図1のように下型6に配置した後、強化繊維と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性成形材料を所定量、上下の金型4間に配置し、上下の金型4間を加圧して熱硬化性成形材料を流動させながら成形を行う。平板状分割体1a、折れ曲がり状分割体1b,1c、支持部材2、および被圧縮部材3を下型6に配置する順序は任意であってよい。例えば、平板状分割体1a、折れ曲がり状分割体1b,1cを下型6に配置した後、支持部材2、被圧縮部材3をこの順に配置することができる。また、下型6の長手方向Yの一端にスペーサー1を配置すれば、スペーサー1の位置を調整することで、長辺寸法の異なる成形品を得ることができるが、下型6の長手方向Yの両端にスペーサー1を配置してもよい。
熱硬化性成形材料の強化繊維としては、例えば、ガラス繊維を使用することができる。ガラス繊維としては、例えば、チョップドストランド等の一般的な樹脂成形用の強化繊維を使用することができる。その他、強化繊維としては、ガラス繊維の代替物として、炭素繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等を使用してもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化剤、重合禁止剤、重合性単量体、低収縮剤、無機充填剤、内部離型剤、着色剤、増粘剤等が配合される。強化繊維と熱硬化性樹脂は、含浸等の方法により混合され、熱硬化性成形材料とされる。このような熱硬化性成形材料としては、SMC、BMC等が挙げられる。
シートまたはその積層体、あるいは塊状等の熱硬化性成形材料を下型6に配置した後、上型5および下型6を、これらの成形面を対向させて上下方向に相対移動させ、上下の金型4間を加圧して熱硬化性成形材料を流動させながら成形を行う。成形圧力、金型温度、金型締切速度等の成形条件は、熱硬化性成形材料の樹脂特性や、成形品の厚み等に応じて、成形品の不良率を低減すること等を考慮して適宜に調整される。特に限定されるものではないが、成形圧力は、例えば3〜10MPa、金型温度は、例えば125〜150℃の範囲内にすることができる。
以上のようにして得られる成形品は、下型6の平面6aに対応する長尺の平板部と、下型6の立ち面6b,6dに対応し、平板部の幅方向両端部から折れ曲がる立ち板部とを備えたものである。本実施形態によれば、得ようとする最終製品の長辺寸法と同等か、またはそれより若干長い寸法となるようにスペーサー1の位置を調整することができるので、加熱圧縮成形した成形品から切断除去される、最終製品に不要な長さ部分を極力少なくすることができる。
この成形品による最終製品は、成形品の一方の立ち板部として前垂れを形成し、他方の立ち板部としてバックガードを形成したキッチンカウンターであるが、本実施形態の成形品の製造方法によれば、これに限らず、洗面カウンター、壁パネル等の各種の形状の部材を製造することができる。
一例として、成形品の長辺寸法を2800mm、厚みT1を5mmとした、長尺の平板部と、平板部の幅方向両端部から折れ曲がる立ち板部として、前垂れおよびバックガードを有するキッチンカウンターを図1に示す上下の金型4により製造した。スペーサー1は、ゴム硬度60〜70°のEPDMゴムを使用し、厚みT2を6mmとした。折れ曲がり状分割体1b,1cの長さL1,L2は、それぞれ高さh1,h2と同一とした。支持部材2は、フッ素樹脂を使用し、厚みT3を4.5mmとした。被圧縮部材3は、発泡倍率2倍の発泡シリコン樹脂を使用し、厚みT4を10mmとした。以上の構成により、熱硬化性成形材料としてSMCを使用して成形を行ったところ、上下の金型4の長辺寸法より小さい寸法の成形品を得ることができた。
以上に説明した本実施形態の成形品の製造方法では、強化繊維と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性成形材料を上下の金型4間に配置し、上下の金型4間を加圧して熱硬化性成形材料を流動させながら成形する。そして、上下の金型4間における熱硬化性成形材料の流動を堰き止めようとする部分に、上下の金型4間を加圧することにより圧縮される弾性体からなるスペーサー1を配置して成形する。
このように上下の金型4から独立した部材であるスペーサー1を配置して成形することで、同一金型を用いて長辺寸法の異なる成形品を得ることができ、さらに、加熱圧縮成形した成形品から切断除去される、最終製品に不要な長さ部分を極力少なくできる。すなわち、上下の金型4の成形面の長手方向Yの任意の位置にスペーサー1を配置することができるため、長手方向Yにおける成形品の端面となる位置を任意に調整することができる。したがって、要求によって異なる各々の長辺寸法の最終製品に対応するために、各々の長辺寸法に対応する複数の金型を用意せずとも、同一金型4を用いてスペーサー1の位置を調整することで、長辺寸法の異なる成形品を得ることができる。さらに、得ようとする成形品の長辺寸法と同等か、またはそれより若干長い寸法となるようにスペーサー1の位置を調整することで、加熱圧縮成形した成形品から切断除去される、最終製品に不要な長さ部分を極力少なくすることができる。
また本実施形態の成形品の製造方法では、上下の金型4間において、上下の金型4間の加圧によっては圧縮されない厚みで、かつスペーサー1より剛性が高い剛体からなる支持部材2を、熱硬化性成形材料が配置される側とは反対側でスペーサー1に接するように配置する。さらに、上下の金型4間において、スペーサー1より厚みの大きい弾性体からなる被圧縮部材3を、スペーサー1が配置される側とは反対側で支持部材2に接するように配置する。
このようにすることで、上下の金型4やこれに充填された熱硬化性成形材料により成形時に加圧されたスペーサー1が、剛体である支持部材2により保持される。したがって、弾性体であるスペーサー1の熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。また、被圧縮部材3は、スペーサー1よりも先に上型5に密着して加圧され、これにより、上下の金型4に充填された熱硬化性成形材料により加圧されたスペーサー1および支持部材2が、後方から保持される。そのため、支持部材2の移動やズレと、それに伴うスペーサー1の熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。
また本実施形態の成形品の製造方法では、得ようとする成形品が、長尺の平板部と、平板部における少なくとも一方の幅方向端部から折れ曲がる立ち板部とを備えたものである。スペーサー1として、成形時に平板部を堰き止める平板状分割体1aと、成形時に平板部の幅方向端部側の一部と、幅方向端部から折れ曲がる立ち板部とを堰き止める折れ曲がり状分割体1b,1cとに分割されたものを使用する。そして上下の金型4間において、熱硬化性成形材料が配置される側とは反対側で平板状分割体1aに接するように支持部材2を配置する。また上下の金型4間において、熱硬化性成形材料が配置される側とは反対側で折れ曲がり状分割体1b,1cに接するように被圧縮部材3を配置する。
このように、スペーサー1として、平板状分割体1aと、折れ曲がり状分割体1b,1cとに分割されたものを使用することで、弾性体であるスペーサー1の熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。また、上下の金型4やこれに充填された熱硬化性成形材料により成形時に加圧された平板状分割体1aが、剛体である支持部材2により保持される。さらに、折れ曲がり状分割体1b,1cは、加圧により圧縮された被圧縮部材3により保持される。したがって、弾性体である平板状分割体1aおよび折れ曲がり状分割体1b,1cの熱膨張による寸法変化のバラツキや、圧縮時の変形によるズレを抑制することができる。
以上に、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはない。例えば、上記の実施形態では、スペーサー1として、平板状分割体1aと、折れ曲がり状分割体1b,1cとに分割されたものを使用したが、分割されていない一体形状のスペーサー1を使用してもよい。また、製造する成形品は、長尺の平板部を有するものが好ましいが、立ち板部を有しないものであってもよく、あるいは立ち板部を平板部における一方のみの幅方向端部に沿って設けたものであってもよい。また、曲面部だけで形成されているものや、曲面部と短い平板部が連続したような形状のものでもよい。これらの場合には、スペーサー1の形状は、成形品の端面に応じた形状とすればよい。
1 スペーサー
1a 平板状分割体
1b 折れ曲がり状分割体
1c 折れ曲がり状分割体
2 支持部材
3 被圧縮部材
4 上下の金型

Claims (4)

  1. 強化繊維と熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性成形材料を上下の金型間に配置し、前記上下の金型間を加圧して前記熱硬化性成形材料を流動させながら成形する成形品の製造方法であって、
    前記上下の金型間における前記熱硬化性成形材料の流動を堰き止めようとする部分に、前記上下の金型間を加圧することにより圧縮される弾性体からなるスペーサーを配置し
    前記上下の金型間において、前記上下の金型間の加圧によっては圧縮されない厚みで、かつ前記スペーサーより剛性が高い剛体からなる支持部材を、前記熱硬化性成形材料が配置される側とは反対側で前記スペーサーに接するように配置し、
    前記上下の金型間において、前記スペーサーより厚みの大きい弾性体からなる被圧縮部材を、前記スペーサーが配置される側とは反対側で前記支持部材に接するように配置して成形することを特徴とする成形品の製造方法。
  2. 得ようとする前記成形品は、長尺の平板部と、前記平板部における少なくとも一方の幅方向端部から折れ曲がる立ち板部とを備えたものであり、
    前記スペーサーとして、成形時に前記平板部を堰き止める平板状分割体と、成形時に前記平板部の幅方向端部側の一部と、前記幅方向端部から折れ曲がる前記立ち板部とを堰き止める折れ曲がり状分割体とに分割されたものを使用し、
    前記上下の金型間において、前記熱硬化性成形材料が配置される側とは反対側で前記平板状分割体に接するように前記支持部材を配置し、
    前記上下の金型間において、前記熱硬化性成形材料が配置される側とは反対側で前記折れ曲がり状分割体に接するように前記被圧縮部材を配置することを特徴とする請求項に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記支持部材は、フッ素樹脂により形成され、その厚みは、得ようとする前記成形品の厚みの0.70〜0.95倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
  4. 前記被圧縮部材は、発泡シリコン樹脂により形成され、その厚みは、得ようとする前記成形品の厚みの2倍以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
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