JP6662135B2 - 転がり軸受装置 - Google Patents

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本発明は、複数個の転動体を設置した内部空間の軸方向端部開口を塞ぐシールリングを備えた転がり軸受装置の改良に関する。
特許文献1には、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットに関して、外方部材である外輪の内周面と内方部材であるハブの外周面との間に存在し、複数個の転動体が設置された内部空間の軸方向内端開口部を、シールリングにより塞いだ構造が記載されている。このシールリングは、それぞれが円環状に構成された芯金とシール材とを互いに結合固定する事により構成されており、このうちの芯金を構成する嵌合筒部を、前記外輪の軸方向内端部に軸方向内側から圧入により(締り嵌めで)内嵌する事で、前記内部空間の軸方向内端開口部に組み付けられている。尚、特許文献1に記載された構造の場合、前記シールリングは、前記ハブの軸方向内端部に圧入により外嵌された円環状のスリンガと共に、組み合わせシールリングを構成している。
ところで、前記外輪の軸方向内端部に、前記芯金を構成する嵌合筒部を軸方向内側から圧入により内嵌する際には、この嵌合筒部の外周面に軸方向の圧入傷が形成される可能性がある。そして、前記外輪の軸方向内端部のうち、前記嵌合筒部が圧入により内嵌される部分の肉厚が厚い程、嵌合部の面圧が高まる為、前記圧入傷は形成され易くなる。又、圧入による前記芯金の軸方向移動距離が大きくなり、前記圧入傷が、前記嵌合筒部の外周面を軸方向に貫通する状態で(この外周面の全長に亙り)形成された場合には、この圧入傷を通じて、車輪支持用転がり軸受ユニットの内部空間と外部空間とが連通し、この内部空間の密封性が損なわれる可能性がある為、好ましくない。
一方、前記外輪の軸方向内端部のうち、前記嵌合筒部が圧入により内嵌される部分の全体を、径方向の肉厚が薄い薄肉部とする(径方向に関する剛性を低くする)構成を採用すれば、この部分と前記嵌合筒部との嵌合部の面圧を低く抑えられる為、この部分に前記嵌合筒部を軸方向内側から圧入により内嵌する際に、この嵌合筒部の外周面に圧入傷が形成される事を防止できる。
しかしながら、この様な構成を採用すると、前記外輪の軸方向内端部のうち、前記嵌合筒部が圧入により内嵌される部分の全体の剛性が低くなる為、前記外輪の軸方向内端部内周面に対する前記嵌合筒部の嵌合強度を必要量確保する事が難しくなる可能性がある。
特開2015−21583号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、外方部材の軸方向片端部内周面に対する、シールリングの芯金を構成する嵌合筒部の嵌合強度を必要量確保する事が容易であり、且つ、前記外方部材の軸方向片端部に前記嵌合筒部を軸方向片側から圧入により内嵌する際に、この嵌合筒部の外周面に形成される圧入傷が軸方向に貫通する事を防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受装置は、外方部材と、内方部材と、複数個の転動体と、シールリングとを備える。
このうちの外方部材は、内周面に外輪軌道を有する。
又、前記内方部材は、外周面に内輪軌道を有する。
又、前記複数個の転動体は、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられている。
又、前記シールリングは、前記外方部材の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する、前記複数個の転動体が設置された内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐもので、互いに結合固定された芯金とシール材とを備えている。
又、前記芯金は、前記外方部材の軸方向片端部に内嵌された嵌合筒部と、この嵌合筒部の軸方向他端部から径方向内方に向けて折れ曲がる状態で設けられた側板部とを備えている。
又、前記シール材は、シールリップを備えており、このシールリップの先端縁部を、前記内方部材の表面又はこの内方部材に支持されたスリンガの表面に全周に亙り摺接させている。
特に、本発明の転がり軸受装置の場合には、前記外方部材の軸方向片端部は、軸方向片側の薄肉部と軸方向他側の厚肉部との外周面同士を段差部により連続させると共に、これら薄肉部と厚肉部との内周面同士を段差を介する事なく連続させた、段付円筒状に構成されている。
又、前記芯金を構成する嵌合筒部は、軸方向片側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも小さい外径を有する小径筒部になっていると共に、この小径筒部よりも軸方向他側に位置する軸方向他側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも大きい外径を有する大径筒部になっている。
そして、前記大径筒部の軸方向片端縁部が前記段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、前記大径筒部が前記厚肉部に締り嵌めで内嵌されている。これと共に、前記小径筒部が前記薄肉部に非接触(直接的には非接触)に内嵌されている。
本発明を実施する場合には、例えば、前記シール材の前記シールリップの先端縁部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させ、前記スリンガと前記シールリングとにより組み合わせシールリングを構成することができる。
本発明を実施する場合には、例えば、前記薄肉部の径方向の肉厚を、前記厚肉部の径方向の肉厚の1/2以下(好ましくは1/3以下)とする事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記段差部を、前記外方部材の中心軸に対して直交する円輪面状や、径方向外側に向かう程軸方向他側に向かう方向に傾斜した部分円すい面状(傾斜面状)や、階段状等にする事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記小径筒部の外周面と前記薄肉部の内周面との間で前記シール材の一部を、全周に亙り弾性的に圧縮挟持する構成を採用する事ができる。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受装置によれば、外方部材の軸方向片端部内周面に対する、シールリングの芯金を構成する嵌合筒部の嵌合強度を必要量確保する事が容易であり、且つ、前記外方部材の軸方向片端部に前記嵌合筒部を軸方向片側から圧入により内嵌する際に、この嵌合筒部の外周面に形成される圧入傷が軸方向に貫通する事を防止できる。
即ち、本発明の場合、前記外方部材の軸方向片端部は、軸方向片側部分が、径方向に関する剛性の低い薄肉部により構成されていると共に、軸方向他側部分が、径方向に関する剛性の高い厚肉部により構成されている。これに対し、前記嵌合筒部は、軸方向片側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも小さい外径を有する小径筒部により構成されていると共に、軸方向他側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも大きい外径を有する大径筒部により構成されている。この場合に、前記外方部材の軸方向片端部内周面に対する前記嵌合筒部の嵌合強度は、前記厚肉部に対する前記大径筒部の軸方向に関する嵌合長さが大きい程、大きくなる。これに対し、本発明の場合には、前記大径筒部の軸方向片端縁部が、前記薄肉部と前記厚肉部との外周面同士を連続させる段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、前記大径筒部が前記厚肉部に締り嵌めにより内嵌されている。この為、前記厚肉部に対する前記大径筒部の軸方向に関する嵌合長さを、十分に確保する事ができる。従って、前記外方部材の軸方向片端部内周面に対する前記嵌合筒部の嵌合強度を必要量確保する事が容易となる。
又、本発明の場合、前記外方部材の軸方向片端部に前記嵌合筒部を軸方向片側から圧入により内嵌する際には、その初期段階で、前記薄肉部に前記大径筒部を圧入により内嵌する事になるが、この薄肉部の径方向に関する剛性は低い為、これら薄肉部と大径筒部との嵌合部の面圧は低く抑えられる。従って、前記初期段階で、前記大径筒部の外周面に、軸方向に貫通する傷の元となる、初期の圧入傷を形成されにくくできる。一方、その後、前記厚肉部に前記大径筒部を圧入により内嵌する際には、この厚肉部の径方向に関する剛性が高い為、前記大径筒部の外周面に圧入傷が形成される可能性がある。しかしながら、本発明の場合、前記大径筒部は、この大径筒部の軸方向片端縁部が、前記薄肉部と前記厚肉部との外周面同士の連続部である段差部と径方向に重畳する軸方向位置までしか、圧入する必要がなく、嵌合部の面圧が高い状態での軸方向移動距離を短く抑えられる為、この圧入の最終段階まで、前記外方部材の軸方向片端部内周面に対する、前記大径筒部の軸方向片端縁部の嵌合部の面圧を低く抑えられる。従って、前記大径筒部の外周面に形成される圧入傷が軸方向に貫通する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 図1のA部拡大図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜2により説明する。
本例は、本発明の転がり軸受装置を、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットに適用した例である。
尚、本発明の実施の形態の各例に関する、以下の説明中、軸方向に関して「内」とは、車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、各図の右側を言う。反対に、車両の幅方向外側となる、各図の左側を、軸方向に関して「外」と言う。
本例の車輪支持用転がり軸受ユニットは、外輪1と、ハブ2と、複数個の転動体3、3と、シールリング4と、組み合わせシールリング5とを備える。
特許請求の範囲に記載した外方部材に相当する、前記外輪1は、内周面に複列の外輪軌道6a、6bを、外周面の軸方向内端寄り部分に懸架装置に結合固定する為の静止側フランジ7を、それぞれ有する。又、前記外輪1の軸方向内端部は、軸方向内側(軸方向内端部)の薄肉部14と軸方向外側(軸方向外端部乃至中間部)の厚肉部15との外周面同士を段差部16により連続させると共に、これら薄肉部14と厚肉部15との内周面同士を段差を介する事なく連続させた、段付円筒状に構成されている。より具体的には、本例の場合、前記薄肉部14の外周面と、前記厚肉部15の外周面とを、それぞれ単一円筒面としている。又、前記段差部16は、径方向両端縁部を除いた径方向中間部を、前記外輪1の中心軸に対して直交する円輪面部34とし、径方向内端縁部を、前記薄肉部14の外周面と滑らかに連続する断面円弧形の凹曲面部である隅R部35とし、更に、径方向外端縁部を、前記厚肉部15の外周面と滑らかに連続する断面円弧形の凸曲面部であるR面取り部36としている。一方、前記薄肉部14の内周面と前記厚肉部15の内周面とは、内径が同一であり、軸方向に関して内径が一定である単一の円筒面を形成している。又、本例の場合、前記薄肉部14の径方向の肉厚T14は、前記厚肉部15の径方向の肉厚T15の1/3以下になっている{T14≦(1/3)T15}。
特許請求の範囲に記載した内方部材に相当する、前記ハブ2は、ハブ本体8と内輪9とを組み合わせて成るもので、外周面に複列の内輪軌道10a、10bを有し、前記外輪1の径方向内側に、前記各転動体3、3を介して回転自在に支持されている。
前記ハブ本体8の外周面のうち、軸方向中間部には、軸方向外側列の内輪軌道10aが直接形成されていると共に、軸方向内端寄り部分には、小径段部11が形成されている。この小径段部11には、外周面に軸方向内側列の内輪軌道10bを形成した前記内輪9が外嵌固定されている。又、前記ハブ本体8の外周面のうち、前記外輪1の軸方向外端部よりも軸方向外側に突出した部分には、車輪を支持する為の回転側フランジ12が設けられている。
前記各転動体3、3は、前記両外輪軌道6a、6bと、前記両内輪軌道10a、10bとの間に、両列毎に複数個ずつ背面組み合わせ型の接触角と共に予圧を付与された状態で転動自在に設けられている。尚、図示の例では、前記各転動体3、3として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、玉に代えて円すいころを使用する場合もある。
又、前記外輪1の内周面と前記ハブ2の外周面との間に存在する、前記各転動体3、3が配置された内部空間13の軸方向外端開口部は、前記外輪1の軸方向外端部に支持固定された、前記シールリング4により塞がれている。
これに対し、前記内部空間13の軸方向内端開口部は、前記組み合わせシールリング5により塞がれている。この組み合わせシールリング5は、シールリング17と、スリンガ18とから成る。
特許請求の範囲に記載したシールリングに相当する、前記シールリング17は、それぞれが円環状に構成すると共に互いに結合固定された、芯金19と、シール材20とから成る。
前記芯金19は、軟鋼板、ステンレス鋼板等の金属板製であり、前記外輪1の軸方向内端部に内嵌固定された略円筒状の静止側嵌合筒部21と、この静止側嵌合筒部21の軸方向外端部から径方向内方に向けて折れ曲がる状態で設けられた、略円輪状の静止側側板部22とを備えている。尚、本例の場合には、前記静止側嵌合筒部21が特許請求の範囲に記載した嵌合筒部に相当し、前記静止側側板部22が特許請求の範囲に記載した側板部に相当する。又、前記静止側嵌合筒部21は、軸方向他側部分である軸方向外端部及び中間部を構成する、軸方向に関して外径が一定である円筒状の大径筒部24と、軸方向片側部分である軸方向内端部を構成する、軸方向内側に向かう程径方向内側に向かう方向に傾斜したテーパ筒状(部分円すい筒状)の小径筒部23とを備える。本例の場合、これら大径筒部24と小径筒部23との板厚は、互いにほぼ等しくなっている。又、このうちの大径筒部24は、前記外輪1の軸方向内端部内周面の内径よりも大きい外径を有しており、前記小径筒部23は、前記外輪1の軸方向内端部内周面の内径よりも小さい外径を有している。そして、前記大径筒部24の軸方向内端縁部が、前記外輪1の段差部16の径方向内端縁部に設けられた隅R部35と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、この大径筒部24が、前記外輪1の厚肉部15に締り嵌めで(圧入により)内嵌固定されている。これと共に、前記小径筒部23が、前記外輪1の薄肉部14に直接的には非接触に内嵌されている。
前記シール材20は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、前記芯金19の全周に亙って結合固定されている。この様なシール材20は、3本のシールリップ25a〜25cを備えると共に、前記芯金19の静止側嵌合筒部21のうち前記大径筒部24の外周面を除く部分を全周に亙り覆った環状覆い部26とを備える。そして、この環状覆い部26のうち、前記小径筒部23の外周面を覆う部分の軸方向中間部から径方向外方に突出する状態で全周に亙り設けられたリップ部27の先端部を、前記外輪1の軸方向内端部の薄肉部14の内周面に、全周に亙り弾性的に接触させている。別な言い方をすれば、前記小径筒部23の外周面と前記薄肉部14の内周面との間で前記シール材20の一部を、全周に亙り弾性的に圧縮挟持している。
前記スリンガ18は、フェライト系ステンレス鋼板等の磁性金属板により、断面L字形で全体を円環状に造られている。この様なスリンガ18は、前記内輪9の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌固定された回転側嵌合筒部28と、この回転側嵌合筒部28の軸方向内端部から径方向外側に向けて折れ曲がる状態で設けられた回転側側板部29とを備える。そして、前記3本のシールリップ25a〜25cのうちで、最も径方向外側に配置され、軸方向内方に突出する状態で設けられた、サイドリップと呼ばれる外側シールリップ25aの先端縁部を、前記回転側側板部29の軸方向外側面に全周に亙り摺接させている。これに対して、残り2本の中間シールリップ25b及び内側シールリップ25cの先端縁部を、前記回転側嵌合筒部28の外周面に全周に亙り摺接させている。又、前記回転側側板部29の軸方向内側面には、回転速度検出装置を構成する、ゴム磁石製で円輪状のエンコーダ30が全周に亙り結合固定されている。被検出面である、このエンコーダ30の軸方向内側面には、S極とN極とが円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されている。又、本例の場合には、このエンコーダ30の径方向内端部に全周に亙り設けられたリップ部31を、前記内輪9の軸方向内端部外周面のうち、前記回転側嵌合筒部28を外嵌した部分の軸方向内側に隣接する部分に、全周に亙り弾性的に接触させている。
本例の場合、上述の様な組み合わせシールリング5を、図示の様に前記内部空間13の軸方向内端開口部に組み付ける際には、予め、前記シールリング17と前記スリンガ18とを図示の様に組み合わせた状態で、前記シールリング17(前記大径筒部24)を前記外輪1の軸方向内端部内周面に、前記スリンガ18(前記回転側嵌合筒部28)を前記ハブ2(前記内輪9)の軸方向内端部外周面に、軸方向内側から同時に圧入する。
上述の様に構成する本例の車輪支持用転がり軸受ユニットによれば、前記外輪1の軸方向内端部内周面に対する、前記シールリング17の芯金19を構成する静止側嵌合筒部21の嵌合強度を必要量確保する事が容易であり、且つ、前記外輪1の軸方向内端部に前記静止側嵌合筒部21を軸方向内側から圧入により内嵌する際に、この静止側嵌合筒部21の外周面に形成される圧入傷が軸方向に貫通する事を防止できる。
即ち、本例の場合、前記外輪1の軸方向内端部は、軸方向内側部分が、径方向に関する剛性の低い薄肉部14により構成されていると共に、軸方向外側部分が、径方向に関する剛性の高い厚肉部15により構成されている。これに対し、前記静止側嵌合筒部21は、軸方向内側部分が、前記外輪1の軸方向内端部の内径よりも小さい外径を有する小径筒部23により構成されていると共に、軸方向外側部分が、前記外輪1の軸方向内端部の内径よりも大きい外径を有する大径筒部24により構成されている。この場合に、前記外輪1の軸方向内端部内周面に対する前記静止側嵌合筒部21の嵌合強度は、前記厚肉部15に対する前記大径筒部24の軸方向に関する嵌合長さが大きい程、大きくなる。これに対し、本例の場合には、前記大径筒部24の軸方向内端縁部が、前記薄肉部14と前記厚肉部15との外周面同士を連続させる段差部16と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、前記大径筒部24が前記厚肉部15に締り嵌めにより内嵌されている。この為、前記厚肉部15に対する前記大径筒部24の軸方向に関する嵌合長さを、十分に確保する事ができる。従って、前記外輪1の軸方向内端部内周面に対する前記静止側嵌合筒部21の嵌合強度を必要量確保する事が容易となる。
又、本例の場合、前記外輪1の軸方向内端部に前記静止側嵌合筒部21を軸方向内側から圧入により内嵌する際には、その初期段階で、前記薄肉部14に前記大径筒部24を圧入により内嵌する事になるが、この薄肉部14の径方向に関する剛性は低い為、これら薄肉部14と大径筒部24との嵌合部の面圧は低く抑えられる。従って、前記初期段階で、前記大径筒部24の外周面に、軸方向に貫通する傷の元となる、初期の圧入傷を形成されにくくできる。一方、その後、前記厚肉部15に前記大径筒部24を圧入により内嵌する際には、この厚肉部15の径方向に関する剛性が高い為、前記大径筒部24の外周面に圧入傷が形成される可能性がある。しかしながら、本例の場合、前記大径筒部24は、この大径筒部24の軸方向内端縁部が、前記薄肉部14と前記厚肉部15との外周面同士の連続部である段差部16と径方向に重畳する軸方向位置までしか、圧入する必要がなく、嵌合部の面圧が高い状態での軸方向移動距離を短く抑えられる為、この圧入の最終段階まで、前記外輪1の軸方向内端部内周面に対する、前記大径筒部24の軸方向内端縁部の嵌合部の面圧を低く抑えられる。従って、前記大径筒部24の外周面に形成される圧入傷が軸方向に貫通する事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図3により説明する。
本例の場合には、外輪1aの軸方向内端部のうち、薄肉部14と厚肉部15との外周面同士を連続させる段差部16aの形状と、芯金19aの静止側嵌合筒部21aを構成する小径筒部23aの形状とが、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
即ち、本例の場合、前記段差部16aは、径方向両端縁部(隅R部35、R面取り部36)を除いた径方向中間部が、径方向外側に向かう程軸方向外側に向かう方向に傾斜した部分円すい面部37になっている。
又、前記小径筒部23aは、軸方向外側に隣接して設けられた大径筒部24の板厚の、約半分の板厚を有しており、この大径筒部24の軸方向内端面の径方向外半部から軸方向内側且つ径方向内側に延出する状態で設けられたテーパ筒部32と、このテーパ筒部32の軸方向内端部から軸方向内側に延出する状態で設けられた円筒部33とから成る。
又、前記大径筒部24の軸方向内端縁部は、前記段差部16aの径方向内端縁部に設けられた隅R部35と径方向に重畳する軸方向位置に配置されている。
その他の構成及び作用効果は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図4により説明する。
本例の場合には、外輪1aの軸方向内端部のうち、薄肉部14と厚肉部15との外周面同士を連続させる段差部16aの形状と、芯金19bの静止側嵌合筒部21bを構成する小径筒部23bの形状とが、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
即ち、本例の場合、前記段差部16aは、上述した実施の形態の第2例の場合と同様、前記段差部16aは、径方向両端縁部(隅R部35、R面取り部36)を除いた径方向中間部が、径方向外側に向かう程軸方向外側に向かう方向に傾斜した部分円すい面部37になっている。
又、前記小径筒部23bは、軸方向外側に隣接して設けられた大径筒部24の板厚の、約半分の板厚を有しており、この大径筒部24の軸方向内端面の径方向内半部から軸方向内側に延出する状態で設けられた円筒状に形成されている。
又、前記大径筒部24の軸方向内端縁部は、前記段差部16aの径方向内端縁部に設けられた隅R部35と径方向に重畳する軸方向位置に配置されている。
その他の構成及び作用効果は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明は、車輪支持用転がり軸受ユニットに限らず、各種構造の転がり軸受装置に適用可能である。例えば、対象となる転がり軸受装置は、転動体を複列に設けた構造に限らず、転動体を単列に設けた構造であっても良い。
又、本発明を実施する場合、内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐシールリングは、スリンガと共に組み合わせシールリングを構成するものに限らず、当該開口部を単体で塞ぐものであっても良い。この様な当該開口部を単体で塞ぐシールリングの場合、シール材を構成するシールリップの先端縁部は、内方部材の表面に直接摺接させる(シールリング4参照)
、本発明を実施する場合、内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐシールリングの芯金を構成する大径筒部の軸方向片端縁部は、外方部材の薄肉部と厚肉部との外周面同士を連続させる段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置されていれば、上述した実施の形態の各例と異なる軸方向位置に配置されていても良い。
1、1a 外輪
2 ハブ
3 転動体
4 シールリング
5 組み合わせシールリング
6a、6b 外輪軌道
7 静止側フランジ
8 ハブ本体
9 内輪
10a、10b 内輪軌道
11 小径段部
12 回転側フランジ
13 内部空間
14 薄肉部
15 厚肉部
16、16a 段差部
17 シールリング
18 スリンガ
19、19a、19b 芯金
20 シール材
21、21a、21b 静止側嵌合筒部
22 静止側側板部
23、23a、23b 小径筒部
24 大径筒部
25a〜25c シールリップ
26 環状覆い部
27 リップ部
28 回転側嵌合筒部
29 回転側側板部
30 エンコーダ
31 リップ部
32 テーパ筒部
33 円筒部
34 円輪面部
35 隅R部
36 R面取り部
37 部分円すい面部

Claims (3)

  1. 内周面に外輪軌道を有する外方部材と、
    外周面に内輪軌道を有する内方部材と、
    前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、
    前記外方部材の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する、前記複数個の転動体が設置された内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐシールリングとを備え、
    このシールリングは、互いに結合固定された芯金とシール材とを備えており、
    前記芯金は、前記外方部材の軸方向片端部に内嵌された嵌合筒部と、この嵌合筒部の軸方向他端部から径方向内方に向けて折れ曲がる状態で設けられた側板部とを備えており、
    前記シール材は、シールリップを備えており、このシールリップの先端縁部を、前記内方部材の表面又はこの内方部材に支持されたスリンガの表面に全周に亙り摺接させている
    転がり軸受装置であって、
    前記外方部材の軸方向片端部は、軸方向片側の薄肉部と軸方向他側の厚肉部との外周面同士を段差部により連続させると共に、これら薄肉部と厚肉部との内周面同士を段差を介する事なく連続させた、段付円筒状に構成されており、
    前記芯金を構成する嵌合筒部は、軸方向片側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも小さい外径を有する小径筒部になっていると共に、この小径筒部よりも軸方向他側に位置する軸方向他側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも大きい外径を有する大径筒部になっており、
    前記大径筒部の軸方向片端縁部が前記段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、前記大径筒部が前記厚肉部に締り嵌めで内嵌されている
    転がり軸受装置。
  2. 前記シール材は、前記シールリップの先端縁部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させており、
    前記スリンガは、前記シールリングと共に組み合わせシールリングを構成している、
    請求項1に記載の転がり軸受装置。
  3. 前記薄肉部の径方向の肉厚が、前記厚肉部の径方向の肉厚の1/2以下である、
    請求項1又は2に記載の転がり軸受装置。
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