JP6662135B2 - 転がり軸受装置 - Google Patents
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このうちの外方部材は、内周面に外輪軌道を有する。
又、前記内方部材は、外周面に内輪軌道を有する。
又、前記複数個の転動体は、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられている。
又、前記シールリングは、前記外方部材の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する、前記複数個の転動体が設置された内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐもので、互いに結合固定された芯金とシール材とを備えている。
又、前記芯金は、前記外方部材の軸方向片端部に内嵌された嵌合筒部と、この嵌合筒部の軸方向他端部から径方向内方に向けて折れ曲がる状態で設けられた側板部とを備えている。
又、前記シール材は、シールリップを備えており、このシールリップの先端縁部を、前記内方部材の表面又はこの内方部材に支持されたスリンガの表面に全周に亙り摺接させている。
又、前記芯金を構成する嵌合筒部は、軸方向片側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも小さい外径を有する小径筒部になっていると共に、この小径筒部よりも軸方向他側に位置する軸方向他側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも大きい外径を有する大径筒部になっている。
そして、前記大径筒部の軸方向片端縁部が前記段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、前記大径筒部が前記厚肉部に締り嵌めで内嵌されている。これと共に、前記小径筒部が前記薄肉部に非接触(直接的には非接触)に内嵌されている。
本発明を実施する場合には、例えば、前記薄肉部の径方向の肉厚を、前記厚肉部の径方向の肉厚の1/2以下(好ましくは1/3以下)とする事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記段差部を、前記外方部材の中心軸に対して直交する円輪面状や、径方向外側に向かう程軸方向他側に向かう方向に傾斜した部分円すい面状(傾斜面状)や、階段状等にする事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記小径筒部の外周面と前記薄肉部の内周面との間で前記シール材の一部を、全周に亙り弾性的に圧縮挟持する構成を採用する事ができる。
即ち、本発明の場合、前記外方部材の軸方向片端部は、軸方向片側部分が、径方向に関する剛性の低い薄肉部により構成されていると共に、軸方向他側部分が、径方向に関する剛性の高い厚肉部により構成されている。これに対し、前記嵌合筒部は、軸方向片側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも小さい外径を有する小径筒部により構成されていると共に、軸方向他側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも大きい外径を有する大径筒部により構成されている。この場合に、前記外方部材の軸方向片端部内周面に対する前記嵌合筒部の嵌合強度は、前記厚肉部に対する前記大径筒部の軸方向に関する嵌合長さが大きい程、大きくなる。これに対し、本発明の場合には、前記大径筒部の軸方向片端縁部が、前記薄肉部と前記厚肉部との外周面同士を連続させる段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、前記大径筒部が前記厚肉部に締り嵌めにより内嵌されている。この為、前記厚肉部に対する前記大径筒部の軸方向に関する嵌合長さを、十分に確保する事ができる。従って、前記外方部材の軸方向片端部内周面に対する前記嵌合筒部の嵌合強度を必要量確保する事が容易となる。
又、本発明の場合、前記外方部材の軸方向片端部に前記嵌合筒部を軸方向片側から圧入により内嵌する際には、その初期段階で、前記薄肉部に前記大径筒部を圧入により内嵌する事になるが、この薄肉部の径方向に関する剛性は低い為、これら薄肉部と大径筒部との嵌合部の面圧は低く抑えられる。従って、前記初期段階で、前記大径筒部の外周面に、軸方向に貫通する傷の元となる、初期の圧入傷を形成されにくくできる。一方、その後、前記厚肉部に前記大径筒部を圧入により内嵌する際には、この厚肉部の径方向に関する剛性が高い為、前記大径筒部の外周面に圧入傷が形成される可能性がある。しかしながら、本発明の場合、前記大径筒部は、この大径筒部の軸方向片端縁部が、前記薄肉部と前記厚肉部との外周面同士の連続部である段差部と径方向に重畳する軸方向位置までしか、圧入する必要がなく、嵌合部の面圧が高い状態での軸方向移動距離を短く抑えられる為、この圧入の最終段階まで、前記外方部材の軸方向片端部内周面に対する、前記大径筒部の軸方向片端縁部の嵌合部の面圧を低く抑えられる。従って、前記大径筒部の外周面に形成される圧入傷が軸方向に貫通する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜2により説明する。
本例は、本発明の転がり軸受装置を、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットに適用した例である。
尚、本発明の実施の形態の各例に関する、以下の説明中、軸方向に関して「内」とは、車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、各図の右側を言う。反対に、車両の幅方向外側となる、各図の左側を、軸方向に関して「外」と言う。
本例の車輪支持用転がり軸受ユニットは、外輪1と、ハブ2と、複数個の転動体3、3と、シールリング4と、組み合わせシールリング5とを備える。
前記ハブ本体8の外周面のうち、軸方向中間部には、軸方向外側列の内輪軌道10aが直接形成されていると共に、軸方向内端寄り部分には、小径段部11が形成されている。この小径段部11には、外周面に軸方向内側列の内輪軌道10bを形成した前記内輪9が外嵌固定されている。又、前記ハブ本体8の外周面のうち、前記外輪1の軸方向外端部よりも軸方向外側に突出した部分には、車輪を支持する為の回転側フランジ12が設けられている。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図3により説明する。
本例の場合には、外輪1aの軸方向内端部のうち、薄肉部14と厚肉部15との外周面同士を連続させる段差部16aの形状と、芯金19aの静止側嵌合筒部21aを構成する小径筒部23aの形状とが、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
又、前記小径筒部23aは、軸方向外側に隣接して設けられた大径筒部24の板厚の、約半分の板厚を有しており、この大径筒部24の軸方向内端面の径方向外半部から軸方向内側且つ径方向内側に延出する状態で設けられたテーパ筒部32と、このテーパ筒部32の軸方向内端部から軸方向内側に延出する状態で設けられた円筒部33とから成る。
又、前記大径筒部24の軸方向内端縁部は、前記段差部16aの径方向内端縁部に設けられた隅R部35と径方向に重畳する軸方向位置に配置されている。
その他の構成及び作用効果は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図4により説明する。
本例の場合には、外輪1aの軸方向内端部のうち、薄肉部14と厚肉部15との外周面同士を連続させる段差部16aの形状と、芯金19bの静止側嵌合筒部21bを構成する小径筒部23bの形状とが、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
又、前記小径筒部23bは、軸方向外側に隣接して設けられた大径筒部24の板厚の、約半分の板厚を有しており、この大径筒部24の軸方向内端面の径方向内半部から軸方向内側に延出する状態で設けられた円筒状に形成されている。
又、前記大径筒部24の軸方向内端縁部は、前記段差部16aの径方向内端縁部に設けられた隅R部35と径方向に重畳する軸方向位置に配置されている。
その他の構成及び作用効果は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
又、本発明を実施する場合、内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐシールリングは、スリンガと共に組み合わせシールリングを構成するものに限らず、当該開口部を単体で塞ぐものであっても良い。この様な当該開口部を単体で塞ぐシールリングの場合、シール材を構成するシールリップの先端縁部は、内方部材の表面に直接摺接させる(シールリング4参照)。
又、本発明を実施する場合、内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐシールリングの芯金を構成する大径筒部の軸方向片端縁部は、外方部材の薄肉部と厚肉部との外周面同士を連続させる段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置されていれば、上述した実施の形態の各例と異なる軸方向位置に配置されていても良い。
2 ハブ
3 転動体
4 シールリング
5 組み合わせシールリング
6a、6b 外輪軌道
7 静止側フランジ
8 ハブ本体
9 内輪
10a、10b 内輪軌道
11 小径段部
12 回転側フランジ
13 内部空間
14 薄肉部
15 厚肉部
16、16a 段差部
17 シールリング
18 スリンガ
19、19a、19b 芯金
20 シール材
21、21a、21b 静止側嵌合筒部
22 静止側側板部
23、23a、23b 小径筒部
24 大径筒部
25a〜25c シールリップ
26 環状覆い部
27 リップ部
28 回転側嵌合筒部
29 回転側側板部
30 エンコーダ
31 リップ部
32 テーパ筒部
33 円筒部
34 円輪面部
35 隅R部
36 R面取り部
37 部分円すい面部
Claims (3)
- 内周面に外輪軌道を有する外方部材と、
外周面に内輪軌道を有する内方部材と、
前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、
前記外方部材の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する、前記複数個の転動体が設置された内部空間の軸方向片端開口部を塞ぐシールリングとを備え、
このシールリングは、互いに結合固定された芯金とシール材とを備えており、
前記芯金は、前記外方部材の軸方向片端部に内嵌された嵌合筒部と、この嵌合筒部の軸方向他端部から径方向内方に向けて折れ曲がる状態で設けられた側板部とを備えており、
前記シール材は、シールリップを備えており、このシールリップの先端縁部を、前記内方部材の表面又はこの内方部材に支持されたスリンガの表面に全周に亙り摺接させている
転がり軸受装置であって、
前記外方部材の軸方向片端部は、軸方向片側の薄肉部と軸方向他側の厚肉部との外周面同士を段差部により連続させると共に、これら薄肉部と厚肉部との内周面同士を段差を介する事なく連続させた、段付円筒状に構成されており、
前記芯金を構成する嵌合筒部は、軸方向片側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも小さい外径を有する小径筒部になっていると共に、この小径筒部よりも軸方向他側に位置する軸方向他側部分が、前記外方部材の軸方向片端部の内径よりも大きい外径を有する大径筒部になっており、
前記大径筒部の軸方向片端縁部が前記段差部と径方向に重畳する軸方向位置に配置された状態で、前記大径筒部が前記厚肉部に締り嵌めで内嵌されている
転がり軸受装置。 - 前記シール材は、前記シールリップの先端縁部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させており、
前記スリンガは、前記シールリングと共に組み合わせシールリングを構成している、
請求項1に記載の転がり軸受装置。 - 前記薄肉部の径方向の肉厚が、前記厚肉部の径方向の肉厚の1/2以下である、
請求項1又は2に記載の転がり軸受装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2016055794A JP6662135B2 (ja) | 2016-03-18 | 2016-03-18 | 転がり軸受装置 |
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ID=59971835
Family Applications (1)
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JP2016055794A Active JP6662135B2 (ja) | 2016-03-18 | 2016-03-18 | 転がり軸受装置 |
Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2016
- 2016-03-18 JP JP2016055794A patent/JP6662135B2/ja active Active
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