JP6660012B2 - 内燃機関の点火装置 - Google Patents
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Description
内燃機関の点火装置は、例えば点火コイルと点火プラグにより構成されており、点火コイルの一次側にパルス電流を流して、二次側に高電圧のパルス波を発生させて点火プラグの電極間で火花放電させる。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、着火性能を向上させるとともに点火プラグの消耗を抑えた内燃機関の点火装置を提供することにある。
好ましくは、前記点火制御部は、前記着火判定して所定回多く点火してから前記点火を抑制するとよい。
好ましくは、前記着火判定部において前記着火判定した際の点火回数を、次回以降のサイクルにおいて前記点火回数設定部において設定する前記点火回数に反映させる学習制御を実行する学習制御部を備えるとよい。
また、内燃機関の運転状態に基づいて、1回のサイクルにおける点火回数を着火判定に基づいて抑制する多重点火と、着火判定を行なわず所定回数に固定する固定点火に切換えられるので、固定点火が行われる内燃機関の運転状態において制御負荷を軽減させることができる。
図1は、本発明の一実施形態の点火装置の構成図である。図1は、1つの気筒における点火装置の構成を示している。
本発明の一実施形態である点火装置1を備えたエンジンは、例えば自動車の走行駆動用の多気筒のガソリンエンジンである。
図1に示すように、本実施形態に係る点火装置1は、各気筒に設けられた点火プラグ2(点火器)と、各気筒に2つずつ設けられた点火コイル3a、3bと、点火コイル3a、3bを制御するエンジンコントロールユニット10を備えている。
点火コイル3a、3bは、一次電流を断続的に遮断するスイッチング素子としてのトランジスタ4a、4bを備えている。点火コイル3a、3bの一次コイル5a、5bの一端には車載バッテリ6が接続され、他端はトランジスタ4a、4bのコレクタに接続されている。トランジスタ4a、4bのベースは、エンジンコントロールユニット10に接続され、エミッタは接地されている。
そして、エンジンコントロールユニット10よりトランジスタ4a、4bのベースに点火信号として印加された電圧によって、トランジスタ4a、4bのコレクタに接続された一次コイル5a、5bに一次電流が流れる。点火時期においては、トランジスタ4a、4bに印加した電圧が急激に遮断されることで一次コイル5a、5bに流れていた一次電流が急激に低下するため、この電流の変化を妨げる方向に自己誘導起電力が発生する。すると、相互誘導作用により二次コイル7a、7bに高電圧が生成されて、点火プラグ2の電極に火花放電が生じる。ここで、点火プラグ2を流れる二次電流は時間と共に減衰し、三角波状のパルス電流となる。
そして、エンジンコントロールユニット10は、2つの点火コイル3a、3bに対し、交互に点火信号を印加、遮断することで、点火コイル3a、3bから交互に点火プラグ2に高電圧が印加され、1つの点火コイルしか有しない点火装置と比較して、同一の時間で2倍の回数の火花放電が得られる。
更に、エンジンコントロールユニット10は、エンジンの運転状態に基づいて多重点火回数Nignを設定する点火回数設定部13と、エンジンの筒内での着火を判定する着火判定部14と、点火を制御する点火制御部15と、多重点火回数Nignを学習制御する学習制御部16を備えている。
エンジンコントロールユニット10は、エンジン運転中において、図2に示す点火回数制御を気筒毎に実施する。
ステップS20では、エンジン回転速度センサ11からのエンジン回転速度Ne及びステップS10で算出した目標トルクTobjに基づいて、多重点火回数Nignを求める。多重点火回数Nignは、1回のサイクルにおいて点火する回数であって、二次コイル7a、7b側に発生する三角波状のパルスの回数である。多重点火回数Nignは、あらかじめ記憶装置に記憶した図3に示すようなマップを読み込んで求められる。
ステップS40では、多重点火回数Nignでの点火を実施する。なお、本実施形態では、2つの点火コイル3a、3bで交互に電力を供給して点火する構成であるので、1回のサイクルにおいて2つの点火コイル3a、3bに送る合計の点火信号の回数が多重点火回数Nignとなるように設定される。そして、ステップS50に進む。
ステップS100では、ステップS90において1回点火を行なった気筒の着火判定を未実施とする。そして、本ルーチンを終了する。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るエンジンは、1回のサイクルでの点火回数を複数回行なう多重点火システムを備えている。更に、この点火回数である多重点火回数Nignを2回〜5回に切換えることが可能となっており、1回のみ点火することも可能となっている。多重点火回数Nignは、エンジン回転速度Ne及び目標トルクTobjといったエンジン運転点に基づいて設定される。更に、エンジンコントロールユニット10は、多重点火を行なった際に着火判定を行ない、何回目の点火で着火したのかを判定する。
次に、図5を用いて第2の実施形態の点火回数制御要領を説明する。以下、第1の実施形態の図2に示す制御と異なる箇所のみ説明する。
ステップS110では、ステップS60で記憶した点火回数Mignが1であることが所定連続回数m回連続したか否かを判別する。所定連続回数mは、所定連続回数nと同様に例えば数回であって、エンジンの運転変動や誤差を考慮して適宜な回数に設定される。点火回数Mignが1であることが所定連続回数m回連続した場合には、ステップS120に進む。点火回数Mignが1であることが所定連続回数m回連続しない場合には、本ルーチンをリターンする。
以上のように本発明の第2の実施形態では、着火判定した点火回数Mignが1回であることがm回連続した場合には、そのエンジン運転点における多重点火回数Nignを1にマップを書き換える。したがって、本実施形態では、多重点火と1回点火を切換える領域を変化させる制御が行なわれ、1回点火により着火しているにも拘わらず多重点火を行なうような制御が抑制され、点火プラグ2の電極の消耗を抑制することができる。
多重点火回数Nignについては、着火判定して設定された多重点火回数Nignにそのまま設定するのではなく、数回(所定回)多く設定するとよい。これにより着火を確実に行なうことができ、エンジンの出力性能を確保することができる。
また、以上の実施形態では、エンジン運転点に基づいて設定される多重点火回数Nignを、着火判定した点火回数Mignに基づいて書き換えることで、次回のサイクルから点火回数を抑制することができるが、着火判定した当該サイクルでの以降の点火を抑制してもよい。詳しくは、着火判定した点火回数Mignの次(Mign回数の点火実施時に、Mign+1回目の点火準備を行っているため)まで点火を行い、当該サイクルでの点火を終了するよう制御すればよい。このように制御することで、着火後の点火を抑制して、点火プラグ2の電極の消耗を抑制することができる。
2 点火プラグ(点火器)
10 エンジンコントロールユニット
13 点火回数設定部
14 着火判定部
15 点火制御部
16 学習制御部
Claims (5)
- 1回のサイクルにおいて1つの点火プラグで複数回点火する多重点火システムを備えた内燃機関に備えられ、
前記内燃機関の運転状態に基づいて1回のサイクルにおける点火回数を設定する点火回数設定部と、
前記内燃機関の筒内での着火を判定する着火判定部と、
前記着火判定部により着火判定した際の前記点火回数に基づいて、以降の点火回数を抑制する点火制御部と、
を有し、
前記点火回数設定部は、前記内燃機関の運転状態に基づいて、1回のサイクルにおける点火回数を前記着火判定に基づいて抑制する多重点火と、前記着火判定を行なわず所定回数に固定する固定点火に切換えることを特徴とする内燃機関の点火装置。 - 前記点火制御部は、前記内燃機関の筒内流動が所定以上となる所定の運転領域において、前記着火判定した際の前記点火回数の抑制を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火装置。
- 前記点火回数設定部は、前記筒内が所定の高温領域となる運転状態では、前記点火回数を前記所定回数に固定することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の点火装置。
- 前記点火制御部は、前記着火判定して所定回多く点火してから前記点火を抑制することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の点火装置。
- 前記着火判定部において前記着火判定した際の点火回数を、次回以降のサイクルにおいて前記点火回数設定部において設定する前記点火回数に反映させる学習制御を実行する学習制御部を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の内燃機関の点火装置。
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