JP6659474B2 - クレーン制御装置、クレーン制御装置の制御方法、制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents

クレーン制御装置、クレーン制御装置の制御方法、制御プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、ゴミ焼却設備に設けられたゴミピットにおけるクレーンの動作を制御するクレーン制御装置等に関する。
ゴミ焼却設備は、ゴミ収集車が搬入するゴミを一時的に貯留するゴミピットを備えており、ゴミピット内のゴミはクレーンにて撹拌された上で、焼却炉に送り込まれて焼却される。この撹拌は、焼却炉に送り込むゴミの質を均質化するために行われており、ゴミを安定して燃焼させるために重要な処理である。このようなクレーンの自動制御に関する先行技術文献として、例えば下記の特許文献1および2が挙げられる。
下記の特許文献1には、ゴミピット内の色分布を検出して、全体が同じ色分布となるようにゴミピット内のゴミを移動させるクレーン自動運転装置が記載されている。また、下記の特許文献2には、ゴミピット内でのゴミ層の高低を判別して、高い地点のゴミを掴み、低い地点に自動で積み替える自動運転装置が記載されている。
特開昭64−49815号公報(1989年2月27日公開) 特開昭56−28188号公報(1981年3月19日公開)
しかしながら、上述のような従来技術は何れもクレーンの動作を最適なものとするには十分とは言えない。例えば、特許文献1の技術では、色分布が均等になるように撹拌しているが、ゴミの色は必ずしもゴミ質を表すものではなく、また、ゴミの色だけでは撹拌の度合いは分からない。このため、特許文献1の技術ではゴミ質が均等になるような撹拌状態とすることができない場合がある。そして、現状では実用に足るようなゴミ質の評価指標は存在せず、このこともクレーンに最適な動作(最適な位置でゴミを掴み、最適な位置でそのゴミを離す動作)を実行させることを困難にする一因となっている。また、特許文献2の技術では、ゴミ層の高低を判別し、高所から低所へのゴミの積み替えを自動で行うことができるが、ゴミ質の均等化については考慮されておらず、ゴミ質が均等になるような撹拌状態とすることはできない。
このため、現状では、多くのゴミ焼却設備において、操作者が経験や勘によってクレーンを運転しており、操作者の資質にもよるが、ある程度のゴミ質の変動が避けられないという問題がある。また、近年では、ゴミ焼却設備の小型化が進んでおり、小型化によりゴミ焼却設備の製造コストを下げることができる反面、ゴミ貯留部が狭くなり、狭い空間にゴミが積層されるため、ゴミ質の均質化のための撹拌作業を行うことが難しくなっている。また、狭いゴミ貯留部に次々とゴミが搬入されることにより、ゴミの積み替えに時間が割かれ、ゴミを撹拌する時間が限られるという時間的制約もあり、十分な撹拌がなされないまま焼却されることにより、ゴミの燃焼が不安定になることもあった。
また、クレーンに実行させる作業には、上記のような撹拌作業の他、搬入されるゴミの受け入れエリアに積み上がったゴミを撹拌エリアに積み替える積み替え作業や、撹拌されたゴミをホッパーに投入して焼却炉に送り込む投入作業等がある。そして、これらの作業においても、ゴミの高さと撹拌度合いの双方を考慮して、ゴミ掴み位置やゴミ離し位置を決定することが望ましい。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クレーンに所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を、ゴミの高さと撹拌度合いの双方に応じた適切な位置とすることができるクレーン制御装置等を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係るクレーン制御装置は、ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置であって、上記ゴミピット内のゴミ貯留部を複数区画に区分した各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンにゴミ掴み動作を含む所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定する位置決定部と、上記所定の作業を上記クレーンに実行させる際に、上記位置決定部が決定した区画にて上記クレーンにゴミ掴み動作を実行させるクレーン制御部と、を備えている。
上記の構成によれば、各区画のゴミの高さのみならず、撹拌度合いに応じたゴミ掴み位置の決定がなされる。よって、クレーンに所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を、各区画のゴミの高さと撹拌度合いの双方に応じた適切な位置(区画)とすることが可能になる。
また、上記位置決定部は、上記各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンに上記所定の作業を実行させる際のゴミ離し位置を何れの区画とするかをさらに決定してもよい。
上記の構成によれば、所定の作業をクレーンに実行させる際のゴミ離し位置についても、各区画のゴミの高さと撹拌度合いの双方に応じた適切な位置(区画)とすることが可能になる。
また、上記クレーン制御装置は、上記複数区画のうちの一区画を管理する区画管理部を、上記複数区画のそれぞれについて備え、上記区画管理部は、管理する区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じた、該区画におけるゴミ掴み動作の必要性の高さを示す指標値を算出し、上記位置決定部は、上記指標値を用いて、上記ゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定してもよい。
上記の構成によれば、ゴミの高さと撹拌度合いに応じた指標値を用いた演算により、所定の作業をクレーンに実行させる際のゴミ掴み位置を、各区画のゴミの高さと撹拌度合いの双方に応じた適切な位置(区画)とすることが可能になる。
また、上記クレーン制御装置は、上記所定の作業においてゴミ掴み動作を実行すべきゴミ掴みエリアと、ゴミ離し動作を実行すべきゴミ離しエリアとを設定するエリア設定部を備え、上記位置決定部は、上記ゴミ掴みエリアに含まれる区画の中からゴミ掴み位置とする区画を決定し、上記ゴミ離しエリアに含まれる区画の中からゴミ離し位置とする区画を決定してもよい。
上記の構成によれば、ゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアとを設定して、ゴミ掴みエリアに含まれる区画の中からゴミ掴み位置とする区画を決定し、ゴミ離しエリアに含まれる区画の中からゴミ離し位置とする区画を決定する。よって、ゴミ掴みエリアからゴミ離しエリアへのゴミの移動が必ず行われるようにすることができる。
また、上記エリア設定部は、時間帯ごとに位置および範囲の少なくとも何れかを異ならせてゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアを設定してもよい。
上記の構成によれば、時間帯ごとに位置および範囲の少なくとも何れかが異なるゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアを設定するので、時間帯に応じた適切なゴミの移動を行うことが可能になる。
また、上記エリア設定部は、上記ゴミピットへのゴミの搬入のある時間帯には、上記ゴミ貯留部内のエリアのうち、搬入されるゴミの受け入れエリアを除いたエリアの中からゴミ離しエリアを設定し、ゴミの搬入のない時間帯には、上記受け入れエリアを含むエリアの中からゴミ離しエリアを設定してもよい。
上記の構成によれば、ゴミの搬入のある時間帯には受け入れエリアをゴミ離しエリアには設定しないので、受け入れエリアのゴミが高く積み上がり過ぎることによってゴミの搬入に支障をきたすことを防ぐことができる。一方、ゴミの搬入のない時間帯には、受け入れエリアをゴミ離しエリアに設定することが可能であるから、受け入れエリアを有効利用したゴミの積み替え作業や撹拌作業を行うことができる。
また、上記クレーン制御装置は、上記位置決定部として投入管理部を備え、上記投入管理部は、上記ゴミ貯留部内のゴミを焼却炉に送り込むホッパーに上記クレーンにてゴミを投入する投入作業におけるゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定してもよい。
上記の構成によれば、投入作業におけるゴミ掴み位置を自動で決定することができる。また、上述のように、ゴミ掴み位置は各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて決定されるので、ゴミが高く積み上がった区画にある、十分に撹拌されたゴミをホッパーに投入することが可能になる。
また、上記クレーン制御装置は、上記ゴミ貯留部内に設定された撹拌エリア内でゴミを掴み、離す作業である撹拌作業を管理するものであり、上記位置決定部として、上記撹拌作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置を何れの区画とするかを決定する撹拌管理部と、搬入されるゴミの受け入れエリアから上記撹拌エリアにゴミを移動させる作業である積み替え作業を管理するものであり、上記位置決定部として、上記積み替え作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置を何れの区画とするかを決定する受入管理部と、上記撹拌管理部がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した後、撹拌作業が行われるまでに、上記受入管理部がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合に、撹拌作業の実行をキャンセルして積み替え作業を実行させる競合調整部と、を備えていてもよい。
上記の構成によれば、撹拌作業と積み替え作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置を自動で決定することができる。また、上述のように、ゴミ掴み位置とゴミ離し位置は各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて決定される。よって、各区画の撹拌度合いが均等に、かつ高さのばらつきが少なくなるように撹拌しつつ、ゴミの受け入れに支障をきたしたり、撹拌が不十分なゴミがホッパーに投入されたりすることのないように積み替えを行うことが可能になる。
また、上記の構成によれば、撹拌管理部がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した後、撹拌作業が行われるまでに、受入管理部がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合に、撹拌作業の実行をキャンセルして積み替え作業を実行させる。これにより、撹拌作業と積み替え作業の競合状態が生じた場合であってもこれを解消することができると共に、積み替え作業が優先されるので、ゴミの搬入に支障をきたすことを防ぐことができる。なお、実行がキャンセルされた撹拌作業は、積み替え作業の終了後に行ってもよい。
また、本発明に係るクレーン制御装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置の制御方法であって、上記ゴミピット内のゴミ貯留部を複数区画に区分した各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンにゴミ掴み動作を含む所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定する決定ステップと、上記所定の作業を上記クレーンに実行させる際に、上記決定ステップにて決定した区画にて上記クレーンにゴミ掴み動作を実行させるクレーン制御ステップと、を含む。よって、上記クレーン制御装置と同様の効果を奏する。
また、本発明の各態様に係るクレーン制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記クレーン制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記計算装置をコンピュータにて実現させるクレーン制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明によれば、クレーンに所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を、ゴミの高さと撹拌度合いの双方に応じた適切な位置とすることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るクレーン制御装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 ゴミピットを備えるゴミ焼却設備の概略構成を示す断面図である。 上記ゴミピット内のゴミ貯留部およびホッパーを上方から見た様子を示す図である。 上記ゴミ貯留部における区画の設定例を示す図である。 エリア設定の例を示す図である。 各エージェントの関係を示す図である。 動作スケジュールの一例を示す図である。 上記クレーン制御装置が動作スケジュールに従ってゴミの撹拌または積み替えを行う際の処理の一例を示すフローチャートである。 上記クレーン制御装置が投入指示の検出時に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態について図1から図9に基づいて説明する。本発明は、ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置等に関するものであるから、ここではまずゴミピットと、ゴミピットを備えるゴミ焼却設備について、図2に基づいて説明する。
〔ごみ焼却設備の概要〕
図2は、ゴミピットを備えるゴミ焼却設備の概略構成を示す断面図である。図示のゴミ焼却設備は、ゴミ収集車Pが搬入するゴミを一時的に貯留するゴミピット1と、ゴミピット1内のゴミを焼却する焼却炉2とを含む。ゴミピット1と焼却炉2は、ゴミを焼却炉2に供給するためのホッパー12で接続されており、ゴミピット1内のゴミは、ホッパー12を通って焼却炉2に送り込まれ、焼却される。
ゴミピット1の底部はゴミ貯留部11となっており、ゴミ収集車Pは、搬入用扉11aからゴミ貯留部11にゴミを落とし込み、このゴミがゴミ貯留部11に貯留される(図示のゴミG)。
また、ゴミ貯留部11とホッパー12は、建屋13で覆われており、この建屋13の天井部分にはクレーン14が設けられている。このクレーン14は、ガーダ15、横行台車16、バケット17、ワイヤー18、および巻取機19を備えている。ガーダ15は、建屋13の対向する壁面にそれぞれ設けられたレール(同図の奥行き方向に延在)間を架け渡すように配置されており、このレールに沿って同図の奥行き方向に移動させることができるようになっている。また、横行台車16は、ガーダ15上に設けられており、ガーダ15上を同図の左右方向(ガーダ15の移動方向と直交する方向)に移動させることができるようになっている。この横行台車16には、巻取機19(例えばウインチ)が載置されており、巻取機19から延びるワイヤー18の先端にはゴミGを掴むバケット17が設けられている。このバケット17は開閉動作を行うことができる。
このように、ガーダ15は同図の奥行き方向に移動させることができ、横行台車16は同図の左右方向に移動させることができるから、これらの移動の組合せにより、バケット17をゴミ貯留部11内の任意の位置に移動させることができる。また、巻取機19からワイヤー18を伸ばし、バケット17を降下させて、ゴミ貯留部11内のゴミGをバケット17で掴み取ることができる。そして、掴み取ったゴミGは、ガーダ15、横行台車16、バケット17、および巻取機19の動作を制御することにより、ゴミ貯留部11内の別の位置に積み替えたり、ホッパー12に投入したりすることができる。
このようなクレーン14の動作制御は、ゴミ貯留部11内を監視できるように建屋13の側壁部13aに設けられた操作室21から手動で行うこともできるし、後述するように、クレーン制御装置により自動で行うこともできる。
なお、図2ではクレーン14を一基のみ図示しているが、クレーン14を複数基設けてもよい。クレーン14を複数基設けることにより、クレーン14を一基のみ設ける場合と比べてより十分な撹拌を行うことが可能になる。例えば、クレーン14を二基設けた場合、一基にゴミの積み替えとホッパー12への投入を行わせることにより、もう一基のクレーン14を撹拌に専念させることができる。
焼却炉2には、燃焼室3、ゴミ案内通路4、灰取出口5、煙道6が含まれている。ホッパー12に投入されたゴミGは、ゴミ案内通路4を通って燃焼室3に送り込まれて焼却され、焼却によって生じた灰は灰取出口5から取り出され、焼却によって生じた煙は煙道6から排出される。なお、図示していないが、焼却炉2にはボイラーが設けられており、ゴミGを燃焼させた熱をボイラーに供給し、ボイラーが発生させた蒸気にて発電を行う構成となっている。
〔ゴミ貯留部〕
続いて、上述のゴミ貯留部11の詳細を図3に基づいて説明する。図3は、ゴミ貯留部11およびホッパー12を上方から見た様子を示す図である。図示のゴミ貯留部11は、横長の長方形状であり、その長辺の一方に3つの搬入用扉11aが位置しており、対向する長辺側に2つのホッパー12(ホッパー1とホッパー2)が位置している。図示の例では、ゴミ貯留部11内を縦5×横16の80個の区画に区分しており、搬入用扉11a側の2列の区画は搬入されるゴミの受け入れエリアとなり、ホッパー12側の3列の区画はゴミの撹拌エリアとなる。各ホッパー12は、同一の焼却炉2にゴミを供給するものであってもよいし、それぞれ異なる焼却炉2にゴミを供給するものであってもよい。つまり、本実施形態のゴミ焼却設備には、複数の焼却炉2が含まれていてもよい。
ゴミピット1の運営においては、限られた容積のゴミ貯留部11の中で、効率よくクレーン14を動作させて、ゴミを適切に撹拌、運搬することが重要である。なお、ゴミ貯留部11の形状は長方形状に限られず、正方形状であってもよい。また、ホッパー12の位置、個数、形状も特に限定されない。
〔クレーン制御装置〕
次に、上述のクレーン14を自動で動作させるクレーン制御装置について、図1に基づいて説明する。図1は、クレーン制御装置50の要部構成の一例を示すブロック図である。なお、クレーン制御装置50は、上述の操作室21内に配置してもよいし、他の場所に配置してもよい。
クレーン制御装置50は、図示のように、クレーン制御装置50の各部を統括して制御する制御部51、クレーン制御装置50が使用する各種データを記憶する記憶部52を備えている。また、クレーン制御装置50は、クレーン制御装置50に対するユーザの入力を受け付ける入力部53、およびクレーン制御装置50が他の装置と通信するための通信部54を備えている。
さらに、制御部51には、クレーンエージェント(エリア設定部/競合調整部)61、投入エージェント(位置決定部/投入管理部)62、受入エージェント(位置決定部/受入管理部)63、撹拌エージェント(位置決定部/撹拌管理部)64、マスエージェント(区画管理部)65、クレーン制御部66、高さ判定部67、および撹拌度合い判定部68が含まれている。そして、記憶部52には、動作スケジュール71が記憶されている。
クレーンエージェント61は、クレーン14の動作を決定するソフトウェアエージェントである。クレーン14を複数基設けた場合、各クレーン14について1つのクレーンエージェント61を設けてもよい。詳細は後述するが、クレーンエージェント61は、ゴミ掴み動作を実行すべきゴミ掴みエリアと、ゴミ離し動作を実行すべきゴミ掴みエリアとを動作スケジュール71に従って設定する。そして、他のエージェントからの指示に応じてクレーン14の動作の詳細、すなわちクレーン14を移動させる位置とクレーン14に実行させる作業(撹拌/積み替え/投入)を決定する。さらに、このようにして決定した作業(クレーンモードとも呼ぶ)と、クレーン14の行き先(座標)をクレーン制御部66に通知する。
投入エージェント62は、ホッパー12にゴミを投入する投入作業を管理するソフトウェアエージェントである。具体的には、投入エージェント62は、ホッパー12内のゴミの高さが所定の下限値以下となったことを通知するホッパー高さ通知装置30から、通信部54を介して上記通知を受信した場合に、ホッパー12へのゴミの投入指示があったと検出する。そして、投入エージェント62は、投入指示を検出した場合、詳細は後述するが、マスエージェント65が算出する指標値に基づいて何れの区画のゴミをホッパー12に投入するか(ゴミ掴み位置を何れの区画とするか)を決定する。なお、上記「区画」の詳細は図4に基づいて後述する。また、ホッパー高さ通知装置30はホッパー12内のゴミの高さを示す情報についても併せて通知するので、投入エージェント62は上記投入作業について、ホッパー高さ通知装置30から通知された高さに応じた緊急度(高さが低いほど高い緊急度)を設定する。
受入エージェント63は、ゴミピット1に搬入されるゴミを受け入れるエリアである受け入れエリアから、ゴミを撹拌する撹拌エリアにゴミを積み替える積み替え作業を管理するソフトウェアエージェントである。詳細は後述するが、受入エージェント63は、マスエージェント65が算出する指標値に基づいて積み替え作業におけるゴミ掴み位置(受け入れエリア内の位置)とゴミ離し位置(撹拌エリア内の位置)を何れの区画とするかを決定する。
撹拌エージェント64は、撹拌エリア内でゴミを掴み、掴んだゴミを同エリア内で離す作業である撹拌作業を管理するソフトウェアエージェントである。詳細は後述するが、撹拌エージェント64は、マスエージェント65が算出する指標値に基づいて撹拌作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置を何れの区画とするかを決定する。
マスエージェント65は、ゴミ貯留部11を複数区画に区分した各区画について設けられたソフトウェアエージェントである。1つのマスエージェント65は、1つの区画を管理しており、管理する区画のゴミの高さを示す情報と、該区画のゴミの撹拌度合いを示す情報を、当該区画の状態を示す情報として保持している。また、マスエージェント65は、これらの情報を用いて、管理する区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じた、該区画におけるゴミ掴み動作またはゴミ離し動作の必要性の高さを示す指標値を算出する。
クレーン制御部66は、クレーンエージェント61から通知されるクレーンモード(撹拌、積み替え、または投入)の作業をクレーン14に実行させる。また、この作業におけるクレーン14の行き先(ゴミ掴み位置とゴミ離し位置)は、クレーンエージェント61からの指示に従って決定する。
高さ判定部67は、ゴミ高さ検出装置31の検出結果からゴミ貯留部11におけるマス毎(区画毎)のゴミの高さを判定する。具体的には、本実施形態のゴミ高さ検出装置31は、ゴミ貯留部11内の画像を撮像する撮像装置であるから、高さ判定部67は、上記画像を通信部54経由で受信し、解析することにより、各区画におけるゴミの高さを判定する。なお、各区画におけるゴミの高さの判定方法はこの例に限られず、センサ等を用いて判定してもよいし、ゴミにバケット17が到達したときのワイヤー18の長さで判定してもよい。また、図1では1つの通信部54にてホッパー高さ通知装置30およびゴミ高さ検出装置31と通信する例を示しているが、異なる通信部を介して通信してもよい。
撹拌度合い判定部68は、撹拌度合い検出装置32の検出結果からゴミ貯留部11におけるマス毎(区画毎)の撹拌度合いを判定する。具体的には、本実施形態の撹拌度合い検出装置32は、マス毎の撹拌回数を保持・更新しているので、撹拌度合い判定部68は、撹拌度合い検出装置32からマス毎のゴミの撹拌回数(ゴミ貯留部11に搬入された後の累積撹拌回数)を取得し、この回数を各マスの撹拌度合いと判定する。
なお、撹拌度合い検出装置32は、クレーン14の動作とゴミの搬入を監視しており、クレーン14が作業を行う毎に、またゴミが搬入される毎に各マスの撹拌回数を更新する。より詳細には、撹拌度合い検出装置32は、ゴミが搬入されると、そのゴミを受け入れたマスにおける最上層のゴミの撹拌回数をゼロとする。なお、このマスにすでにゴミが存在する場合には、その撹拌回数は更新することなく保持しておく。また、クレーン14にてゴミ掴み動作が行われた場合、撹拌度合い検出装置32は、ゴミの掴み位置の撹拌回数をその位置におけるゴミ掴み動作により最上層となるゴミの撹拌回数に更新し、ゴミの離し位置の撹拌回数を、直前のゴミの掴み位置の撹拌回数に1を加えた値に更新する。例えば、ゴミの掴み位置におけるゴミの高さが1.0mであり、上面から0.5mまでのA層の撹拌回数が2回、ゴミ貯留部11の底部から0.5mまでのB層の撹拌回数が1回である場合を考える。この場合、上記のモデルを用いれば、ゴミ掴み動作により、撹拌回数が1回であるB層が最上層となるので、ゴミ掴み位置の撹拌回数は1回に更新する。また、撹拌回数が2回であるA層のゴミがゴミ離し位置に落とされるので、ゴミ離し位置の撹拌回数は2+1=3回に更新する。なお、このような撹拌回数の更新は、撹拌度合い判定部68が行ってもよい。
動作スケジュール71は、クレーン14を動作させるスケジュールを示す情報であり、より詳細には、ゴミ掴みエリアとゴミ掴みエリアをどのように設定するかを示す情報である。動作スケジュール71の詳細は図7に基づいて後述する。
〔区画設定〕
次に、区画の設定例を図4に基づいて説明する。図4は、ゴミ貯留部11における区画の設定例を示す図である。図示の例では、ゴミ貯留部11内を縦5×横16の80個の区画に区分し、各区画におけるゴミの高さ、および撹拌回数を示している。区分の仕方は特に限定されないが、クレーン14の一掴みに相当する範囲を一区画とすれば、クレーン14の動作後の状態の更新などが平明になるので好ましい。
また、同図では、各区画の位置を、(X,Y)の座標値(X=1,2,…,16)、(Y=1,2,…,5)で示している。そして、エリア設定(詳細は図5に基づいて後述する)を色分けで示している。具体的には、1≦X≦15,1≦Y≦3の範囲が撹拌エリアに、1≦X≦15,4≦Y≦5の範囲が受け入れエリアに、X=16,1≦Y≦3の範囲は撹拌に使用しない非撹拌エリアにそれぞれ設定されている。
このような区画を設定した場合、マスエージェント65は、区画の数と同じく80個設けられ、各マスエージェント65は、対応する区画におけるゴミの高さ、および撹拌回数を当該区画の状態を示す情報として保持する。例えば、座標(5,3)の区画は、撹拌エリアの区画であり、この区画を管理するマスエージェント65は、高さ=1400mmと、撹拌回数=4回を当該区画の状態を示す情報として保持している。なお、本実施形態では、ゴミの撹拌度合いを示す情報として撹拌回数を用いる例を説明するが、ゴミの撹拌度合いを示す情報はこの例に限られない。例えば、ゴミの細粒度や、かさ比重等をゴミの撹拌度合いを示す情報として用いてもよい。
〔エリア設定〕
ゴミピット1のゴミ貯留部11は、複数のエリアに分けて管理されている。ここではゴミ貯留部11のエリア設定について図5に基づいて説明する。図5は、エリア設定の例を示す図である。同図の(a)の例では、上面視で長方形状のゴミ貯留部11内に、撹拌エリアと、受け入れエリアと、非撹拌エリア(×印を記載したエリア)を設定している。なお、受け入れエリアは、搬入用扉11a側に設けられたエリアであり、ゴミ収集車Pが搬入したゴミはこのエリアに投下される(図3参照)ので、このエリアは、少なくともゴミの搬入が行われる時間帯には非撹拌エリアとして扱われる。受け入れエリアと撹拌エリアとは土手等で仕切られていてもよい。
同図の(a)の例では撹拌エリアが1つのみ設けられており、同図の(b)〜(d)の例では撹拌エリアが複数設けられている。撹拌エリアを複数設けることにより、図5の≪A−A断面≫や≪B−B断面≫に示すように、ある撹拌エリア内のゴミを他の撹拌エリアに積み替えることにより、深部のゴミまで撹拌することが可能になるので好ましい。
また、同図の(b)の例では、2つの撹拌エリアの間に中間エリアが設定されている。中間エリアと撹拌エリアとは土手等で仕切られていてもよい。なお、図5の≪A−A断面≫に示されるように、中間エリアのゴミの上面は傾斜した状態となることがあり、このような傾斜部分にバケット17を下ろすと、バケット17が傾いてゴミを掴むことができない場合がある。このため、中間エリアも非撹拌エリアとして扱うことが好ましい。
動作スケジュール71では、このような各エリアの何れをゴミ掴みエリアとし、何れをゴミ離しエリアとするかが規定されている。よって、動作スケジュール71に従ってクレーン14を動作させることにより、所定のエリア間でのクレーン14の動作が保証される。例えば、同図の(c)のエリア設定がなされている場合には、動作スケジュール71において、撹拌エリア1をゴミ掴みエリアとし、撹拌エリア2をゴミ離しエリアとすることを規定することができる。よって、この動作スケジュール71に従ってクレーン14を動作させることにより、撹拌エリア1のゴミを撹拌エリア2に確実に積み替えさせることができる。
また、同図の(d)の例では、同図の(c)の撹拌エリアの半分が寝かせエリアに設定されている。寝かせエリアは、該エリアに積み上げられたゴミを所定期間(例えば2〜3日)放置しておくためのエリアである。このエリア設定を適用する場合、動作スケジュール71においては、寝かせエリアは所定期間経過までゴミ掴みエリアおよびゴミ離しエリアの何れにも設定しない。これにより、寝かせエリアのゴミは、所定期間経過までは撹拌されることがなく、また寝かせエリアに新たなゴミが積み替えられることもない。また、撹拌エリア2は、撹拌エリア1と撹拌エリア3のゴミを混ぜ合わせるエリアとして利用することができるため、撹拌エリア2には混合エリアと記載している。なお、同図の(c)(d)の例においても、撹拌エリア間、あるいは撹拌エリアと寝かせエリアの境界部分を中間エリアとしてもよいことは言うまでもない。
このようなエリア設定は、遅くともクレーン14の動作を開始する時点までに決定されていればよく、例えばクレーン14の動作を開始させる際に、入力部53を介してユーザが設定してもよい。また、この際に、動作スケジュール71についても入力部53を介してユーザが入力してもよい。
〔各エージェントの関係〕
次に、各エージェントの関係について、図6に基づいて説明する。図6は、各エージェントの関係を示す図である。図示のように、エージェントは3つの階層に分けられている。具体的には、最上位の階層がクレーンエージェント61であり、最下位の階層がマスエージェント65であり、これらの中間の階層が投入エージェント62、受入エージェント63、および撹拌エージェント64である。
投入エージェント62は、ホッパー12への投入対象となるエリアに含まれる各区画のマスエージェント65が算出する指標値に基づいて、投入作業においてゴミ掴み位置とする区画を決定し、決定した区画をクレーンエージェント61に通知する。また、ホッパー12内のゴミの高さに応じた緊急度(ゴミの高さが低いほど高い緊急度)を設定して、設定した緊急度についてもクレーンエージェント61に通知する。なお、投入作業におけるゴミ掴み位置は、基本的には撹拌エリア内の区画となるが、受け入れエリアを撹拌に使用している時間帯においては受け入れエリア内の区画をゴミ掴み位置としてもよい。
受入エージェント63は、受け入れエリアに含まれる各区画のマスエージェント65が算出する指標値に基づいて、積み替え作業においてゴミ掴み位置とする区画を決定する。また、受入エージェント63は、撹拌エリアに含まれる各区画のマスエージェント65が算出する指標値に基づいて、上記積み替え作業においてゴミ離し位置とする区画を決定する。そして、受入エージェント63は、決定した各区画をクレーンエージェント61に通知する。
また、受入エージェント63は、ゴミ掴み動作を実行させる区画におけるゴミの高さに応じた緊急度(ゴミの高さが高いほど高い緊急度)を設定して、設定した緊急度についてもクレーンエージェント61に通知してもよい。これは、受け入れエリアのゴミが高くなり過ぎると、ゴミの搬入に支障をきたす恐れがあり、受け入れエリア内のゴミの高さは、撹拌エリアよりも厳格に管理しておくことが望ましいためである。例えば、ゴミの高さを高、中、低の3段階に区分し、各区分に対応する緊急度をそれぞれ3、2、1に設定してもよい。これにより、受け入れエリア内のゴミの高さに応じて、撹拌作業や、ホッパー12への投入作業よりも、積み替え作業を優先して行わせることができる。なお、上記緊急度は、受け入れエリア内のゴミの高さの最大値に基づいて設定してもよいし、受け入れエリア内のゴミの高さの平均値に基づいて設定してもよい。
撹拌エージェント64は、撹拌を実行するエリアに含まれる各区画のマスエージェント65が算出する指標値に基づき、撹拌作業において、何れの区画でクレーン14にゴミ掴み動作を実行させ、何れの区画でクレーン14にゴミ離し動作を実行させるか決定する。そして、撹拌エージェント64は、決定した各区画をクレーンエージェント61に通知する。なお、撹拌作業におけるゴミ掴み位置およびゴミ離し位置は、基本的には撹拌エリア内の区画となるが、受け入れエリアを撹拌に使用している時間帯においては受け入れエリア内の区画をゴミ掴み位置やゴミ離し位置としてもよい。
クレーンエージェント61は、投入エージェント62の通知に従ってクレーン14に投入作業を実行させることを決定し、受入エージェント63の通知に従ってクレーン14に積み替え作業を実行させることを決定する。また、撹拌エージェント64の通知に従ってクレーン14に撹拌作業を実行させることを決定する。
さらに、クレーンエージェント61は、投入エージェント62、受入エージェント63、および撹拌エージェント64からの通知が競合した場合に、クレーン14に何れの通知に対応する作業を優先して実行させるかを決定する。
〔動作スケジュールの例〕
次に、動作スケジュールの例を図7に基づいて説明する。図7は、動作スケジュールの一例を示す図である。図示の例では、ゴミの搬入のある平日の6:00から翌日の6:00までの24時間における動作スケジュールを示している。また、図示の例では、撹拌エリアが2つ設定された例を示している。なお、図5の(b)の例のように、2つの撹拌エリアの間には中間エリアを設定してもよい。
本実施形態における動作スケジュールは、時間帯ごとのゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアとを設定したものであり、図7では、ゴミ掴みエリアに設定された区画には「+」の記号を表示し、ゴミ離しエリアに設定された区画には「−」の記号を表示している。つまり、同図において、「+」の記号の区画ではゴミ掴み動作を行うことを示しており、「−」の記号の区画ではゴミ離し動作を行うことを示している。なお、何れの記号も表示されていない区画(図示の例では非撹拌エリアと受け入れエリア)ではゴミ掴み動作もゴミ離し動作も行われない。
具体的には、ゴミの受け入れのための積み替え(受け入れエリアから撹拌エリアへの積み替え)を完了させる時刻である6:00の時点では、左側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、このエリア内の各区画には「+」の記号が表示されている。また、右側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されており、このエリア内の各区画には「−」の記号が表示されている。これにより、6:00以降は、左側の撹拌エリアでゴミを掴み、右側の撹拌エリアでそのゴミを離す撹拌作業が行われる。
また、ゴミの搬入が開始される9:00の時点では、受け入れエリアの全体がゴミ掴みエリアに設定されており、撹拌エリアの全体がゴミ離しエリアに設定されている。つまり、この動作スケジュールによれば、9:00になるとゴミ掴みエリアおよびゴミ離しエリアの位置および範囲が変更される。これにより、9:00以降は、受け入れエリアでゴミを掴み、撹拌エリアでそのゴミを離す積み替え作業が行われる。なお、この時点におけるゴミ掴みエリアは受け入れエリアであるから、ゴミ掴み位置とする区画およびゴミ離し位置とする区画は受入エージェント63が決定する。
そして、ゴミの搬入が終了する17:00の時点では、受け入れエリアの全体と右側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、左側の撹拌エリアがゴミ離しエリアに設定されている。これにより、17:00以降は、受け入れエリアでゴミを掴み、左側の撹拌エリアでそのゴミを離す積み替え作業が行われると共に、右側の撹拌エリアでゴミを掴み、左側の撹拌エリアでそのゴミを離す撹拌作業が行われる。なお、積み替え作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置は受入エージェント63が決定し、撹拌作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置は撹拌エージェント64が決定する。
記憶部52に格納される動作スケジュール71は、このような時間帯ごとのゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアを示す情報である。なお、図示した3つの時点(6:00、9:00、17:00)以外のタイミングにおいてもゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアの設定を変更してもよいことは言うまでもない。また、ゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアの設定の順序を規定し、各設定を適用する時刻の規定は省略してもよい。この場合、1つの設定における作業が終了した後で、次の設定に切り替えればよい。
また、図7の例では、受け入れエリアは何れの時間帯においてもゴミ離しエリアに設定していないが、ゴミの搬入のない時間帯(この例では17:00〜翌日9:00)には、受け入れエリアをゴミ離しエリアに設定してもよい。これにより、受け入れエリアを有効利用したゴミの積み替え作業や撹拌作業を行うことができる。
〔ゴミ掴み位置およびゴミ離し位置の決定〕
上述のようにしてゴミ掴みエリアおよびゴミ離しエリアが設定された後、ゴミ掴みエリア内のゴミ掴み位置(何れの区画でゴミを掴むか)と、ゴミ離しエリア内のゴミ離し位置(何れの区画でそのゴミを離すか)が決定される。そして、この決定は、ゴミ掴みエリアおよびゴミ離しエリアに含まれる各区画に対応するマスエージェント65が算出する指標値に基づいて行われる。
具体的には、積み替え作業または撹拌作業については、ゴミ掴みエリアの各区画に対応するマスエージェント65は、当該区画においてゴミ掴み動作を行う必要性の高さを示す指標値を算出する。より詳細には、当該区画のゴミの高さをHとし撹拌回数をGとして、下記の数式(1)により、指標値Fを算出する。なお、数式(1)のwは高さに対する重みであり、wは撹拌度合いに対する重みである。重みは、高さと撹拌度合いの何れを重視するかに応じて予め設定しておけばよい。つまり、高さを重視してゴミ掴み位置の区画を決定する場合にはwに対して相対的に大きい値のwを設定すればよく、撹拌度合いを重視してゴミ掴み位置の区画を決定する場合にはwに対して相対的に大きい値のwを設定すればよい。また、特定の区画がゴミ掴み位置となりやすいようにするために、wとwの少なくとも何れかを、他の区画よりも大きい値としてもよい。また逆に、特定の区画がゴミ掴み位置となり難くするために、wとwの少なくとも何れかを、他の区画よりも小さい値としてもよい。後述の数式(2)、(3)についても同様である。
={H×w+(1/G)×w} ・・・(1)
この数式にて算出される指標値Fは、高さが高い区画ほど大きい値となり、また撹拌回数が少ないほど大きい値となる。つまり、ゴミ掴みエリア内の各区画に対応するマスエージェント65は、何れもゴミ掴み動作を実行することを要求するが、上記指標値Fはその要求の強さを示すものである。そして、指標値Fが大きい区画を選ぶことにより、高さが高く、撹拌回数が少ない区画、すなわちゴミ掴み動作を行う必要性が高い区画をゴミ掴み位置とすることができる。
また、ゴミ離しエリアの各区画に対応するマスエージェント65は、当該区画においてゴミ離し動作を行う必要性の高さを示す指標値を算出する。より詳細には、当該区画のゴミの高さをHとし撹拌回数をGとして、下記の数式(2)により、指標値Fを算出する。数式(2)におけるwは高さに対する重みであり、wは撹拌度合いに対する重みである。なお、数式(1)と(2)の重みの値は異なっていてもよく、同じであってもよい。また、マスエージェント65毎に異なる値の重みを用いてもよいし、撹拌エリアと受け入れエリアで異なる値の重みを用いてもよい。後述の数式(3)についても同様である。
={(1/H)×w+G×w} ・・・(2)
この数式にて算出される指標値Fは、高さが低い区画ほど大きい値となり、また撹拌回数が多いほど大きい値となる。つまり、ゴミ離しエリア内の各区画に対応するマスエージェント65は、何れもゴミ離し動作を実行することを要求するが、上記指標値Fはその要求の強さを示すものである。そして、指標値Fが大きい区画を選ぶことにより、高さが低く、撹拌回数が多い区画、すなわちゴミ離し動作を行う必要性が高い(ゴミ離し動作を行うのに適当な)区画をゴミ掴み位置とすることができる。
なお、本例では、ゴミ掴み位置を決定するための数式と、ゴミ離し位置を決定するための数式とを異なるものとしているが、同じ数式を用いてもよい。例えば、上記数式(1)にて、ゴミ掴み位置とゴミ離し位置の両方を決定してもよい。この場合、上記数式(1)で算出された評価値が高い区画をゴミ掴み位置とし、上記数式(1)で算出された評価値が低い区画をゴミ離し位置とすればよい。
受入エージェント63がゴミ掴み位置を決定する場合、受け入れエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に上記数式(1)により指標値を算出させる。また、ゴミ離しエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に上記数式(2)により指標値を算出させる。
そして、受入エージェント63は、受け入れエリア内の区画に対応するマスエージェント65のうち、算出した指標値が最も大きいものを選択し、それに対応する区画をゴミ掴み位置と決定する。同様に、受入エージェント63は、ゴミ離しエリア内の区画に対応するマスエージェント65のうち、算出した指標値が最も大きいものを選択し、それに対応する区画をゴミ離し位置と決定する。これにより、積み替え作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置が決定される。
撹拌エージェント64がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定する場合の処理も、上記と同様である。すなわち、撹拌エージェント64は、ゴミ掴みエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に上記数式(1)により指標値を算出させ、ゴミ離しエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に上記数式(2)により指標値を算出させる。そして、撹拌エージェント64は、数式(1)により算出された指標値が最も大きい区画をゴミ掴み位置とし、数式(2)により算出された指標値が最も大きい区画をゴミ離し位置と決定する。これにより、撹拌作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置が決定される。
一方、投入エージェント62がゴミ掴み位置を決定する場合には、十分に撹拌された高さの高い区画のゴミをホッパー12に投入することが好ましいことから、マスエージェント65は、下記の数式(3)により、指標値Fを算出する。この指標値Fが大きい区画を選ぶことにより、高さが高く、撹拌回数が多い区画、すなわちホッパー12への投入に適した区画をゴミ掴み位置とすることができる。
={H×w+G×w} ・・・(3)
〔動作スケジュール実行時の処理の流れ〕
次に、クレーン制御装置50が動作スケジュール実行時に実行する処理(クレーン制御装置の制御方法)の流れを図8に基づいて説明する。図8は、クレーン制御装置50が動作スケジュールに従ってゴミの撹拌または積み替えを行う際の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、クレーンエージェント61は、記憶部52から動作スケジュール71を読み出し(S1)、読み出した動作スケジュール71に従って各エリアに符号(図7に示したような「+」または「−」の記号)を設定する(S2)。言い換えれば、ゴミ掴みエリア(「+」の符号が設定された区画から成るエリア)と、ゴミ離しエリア(「−」の符号が設定された区画から成るエリア)を設定する。そして、クレーンエージェント61は、設定した符号を受入エージェント63と撹拌エージェント64に通知する。
次に、受入エージェント63と撹拌エージェント64の少なくとも何れかが、「+」および「−」の何れかの符号が設定されたエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる(S3)。
具体的には、受け入れエリアがゴミ掴みエリアに設定されていた場合、受入エージェント63が、受け入れエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる。また、受入エージェント63は、ゴミ離しエリアに設定された各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる。
一方、撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されていた場合、撹拌エージェント64が、ゴミ掴みエリア内の各区画に対応するマスエージェント65と、エリア内の各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる。なお、撹拌エリアと受け入れエリアの両方がゴミ掴みエリアに設定されていた場合、撹拌エージェント64と受入エージェント63の両方がそれぞれ指標値を算出させる。
続いて、受入エージェント63と撹拌エージェント64の少なくとも何れかが、クレーン14のゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定する(S4、決定ステップ)。S4で受入エージェント63がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合、受入エージェント63は、決定したゴミ掴み位置とゴミ離し位置、および積み替え作業の実行指示をクレーンエージェント61に送信する。また、緊急度を設定した場合には、設定した緊急度も通知する。
一方、撹拌エージェント64がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合、撹拌エージェント64は、決定したゴミ掴み位置とゴミ離し位置、および撹拌作業の実行指示をクレーンエージェント61に送信する。なお、受入エージェント63と撹拌エージェント64の両方がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合、両方から作業(積み替えと撹拌)の実行指示と該作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置がクレーンエージェント61に送信される。
次に、クレーンエージェント61は、受入エージェント63と撹拌エージェント64の少なくとも何れかから送信される上述の各情報に従って、クレーン14の動作を決定する。そして、クレーン制御部66にクレーンモードとクレーン14の行き先を通知して、クレーン14を動作させる(S5、クレーン制御ステップ)。具体的には、クレーンエージェント61は、受入エージェント63から積み替え作業の実行指示を受信した場合には、積み替え作業を実行することを決定し、クレーン制御部66にクレーンモード(積み替え)と行き先(ゴミの掴み位置と離し位置)を通知する。一方、撹拌エージェント64から撹拌作業の実行指示を受信した場合には、クレーン制御部66にクレーンモード(撹拌)と行き先(ゴミの掴み位置と離し位置)を通知する。
なお、クレーンエージェント61は、撹拌エージェント64が撹拌作業のゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した後、この撹拌作業が行われるまでに、受入エージェント63がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合には、撹拌作業の実行指示はキャンセルとし、積み替え作業の実行指示をクレーン制御部66に送信する。この場合、撹拌エージェント64の指示する撹拌作業は、積み替え作業の実行後に行ってもよいし、行わなくともよい。また、積み替え作業に緊急度が設定されている場合、緊急度に応じて積み替え作業と撹拌作業の何れを優先して実行させるかを決定してもよい。例えば、積み替え作業の緊急度が低い場合には、積み替え作業の実行指示をキャンセルして、撹拌作業の実行指示を行ってもよい。
クレーン制御部66がクレーン14を動作させた後、少なくともこの動作に関連するマスエージェント65は、保持する状態、すなわちゴミの高さと撹拌回数を更新する(S6)。
なお、ゴミの高さは、高さ判定部67に判定させればよい。また、どのようなクレーン14の動作により、ゴミの高さがどのように変化するかを、予めモデル化して記憶しておき、このモデルを用いて高さを更新してもよい。例えば、撹拌または積み替え作業においてゴミを掴む動作1回につき0.5m高さが減少し、ゴミを離す動作1回につき0.5m高さが増加する、というモデルを用いて掴み位置と離し位置の高さを更新してもよい。この他、ゴミ掴み動作を行ったときのワイヤー18の長さからゴミの高さを算出して、高さを更新することも可能である。
また、クレーン14により作業が行われると、撹拌度合い検出装置32がゴミの撹拌回数を更新するので、撹拌度合い判定部68は更新後の撹拌回数を取得してマスエージェント65に通知し、これによりマスエージェント65は保持する撹拌回数を更新する。
次に、クレーンエージェント61は、S2で符号が設定された対象エリア(ゴミ掴みエリアおよびゴミ離しエリア)における作業(撹拌作業と積み替え作業)を終了するか否かを判定する(S7)。
この判定の基準は、クレーン14の動作スケジュールにおける時間帯毎の作業の目的や目標に応じて決定すればよく、特に限定されない。例えば、ゴミの搬入のない時間帯に、深部までゴミを十分に撹拌したい場合には、対象エリアが所定の状態となったか否かを判定の基準としてもよい。この基準の具体例としては、例えば、受け入れエリア内のゴミの最大高さが所定値以下となったことや、撹拌エリア内の各区画の撹拌回数が何れも所定回数以上となったこと等が挙げられる。また、例えばゴミの搬入のある時間帯に、表層だけでよいから速やかに撹拌したい場合には、ゴミ掴みエリア内の全ての区画で1回ずつゴミ掴み動作を行ったか否かを判定の基準としてもよい。この他にも、例えば、ゴミの掴みエリアと離しエリア(S2の符号の設定)を更新する時刻になったか否かを判定の基準とすることも可能である。この場合、所定の時刻までに可能な限りの作業を実行することができる。なお、この判定基準は他の判定基準と併用してもよい。つまり、所定の時刻までに他の判定基準を満たせばその時点で作業を終了し、満たさなければ所定の時刻に作業を終了してもよい。
S7で終了しないと判定した場合(S7でNO)、処理はS3に戻り、対象エリアにおける処理が継続する。一方、終了すると判定した場合(S7でYES)、クレーンエージェント61は、動作スケジュール71に規定された全てのスケジュールが終了したか否かを判定する(S8)。そして、終了していると判定した場合(S8でYES)には図示の処理を終了し、終了していないと判定した場合(S8でNO)にはS2の処理に戻る。
〔投入指示検出時の処理の流れ〕
次に、ホッパー12へのゴミの投入指示が検出されたときに実行される処理の流れを図9に基づいて説明する。図9は、投入指示の検出時にクレーン制御装置50が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
投入エージェント62は、ホッパー高さ通知装置30からの通知によりホッパー12へのゴミの投入指示を検出すると、非撹拌エリアに設定されている区画などの対象外の区画を除いた全ての区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる(S10)。なお、ホッパー12に投入するゴミは、十分に撹拌されていることが好ましく、またゴミの高さが高い方がクレーン14にて掴み取り易いので、指標値は上記数式(3)で算出させる。
次に、投入エージェント62は、算出された指標値に基づいて、ホッパー12に投入するゴミの掴み位置を決定する(S11)。例えば、投入エージェント62は、指標値が最大の区画を掴み位置と決定してもよい。そして、投入エージェント62は、決定した掴み位置をクレーンエージェント61に通知すると共に、ホッパー12へのゴミの投入作業を実行するように指示する。また、投入エージェント62は、ホッパー高さ通知装置30から通知された高さに応じた緊急度を設定し、設定した緊急度をクレーンエージェント61に通知する。
投入作業の実行指示を受信したクレーンエージェント61は、クレーン14が実行中の作業があるか否かを判定する(S12)。作業がなければ(S12でNO)、処理はS16に進み、作業があれば(S12でYES)、処理はS13に進む。そして、S13では、クレーンエージェント61は、通知された緊急度から緊急投入が必要であるか否かを判定する。なお、緊急度がどのような値である場合に、緊急投入が必要と判定するかは、予め定めておく。
S13で緊急投入が必要と判定した場合(S13でYES)、クレーンエージェント61は、クレーン制御部66に指示して実行中の作業を中断させ(S14)、S16の処理に進む。一方、緊急投入は不要と判定した場合(S13でNO)、クレーンエージェント61は、実行中の作業が終了するまで待機してその作業を終了させ(S15)、S16の処理に進む。なお、S14とS15の何れの処理を行うかは、実行中の作業の緊急度と投入作業の緊急度に応じて決定してもよい。例えば、緊急度の高い積み替え作業を実行中である場合に、投入作業の緊急度がそれよりも低ければS15の処理を行い、高ければS14の処理を行ってもよい。
S16では、クレーンエージェント61は、クレーン制御部66にクレーンモード(投入)と行き先(ゴミの掴み位置)を通知して、ホッパー12へのゴミの投入を行わせる。そして、クレーン制御部66がクレーン14を動作させた後、少なくともこの動作に関連するマスエージェント65は、保持する状態、すなわちゴミの高さと撹拌回数を更新する(S17)。状態の更新は、図8のS6と同様にして行うことができる。なお、ホッパー12にゴミを投入する際には、撹拌や積み替えでは行うことのない、ゴミのかさの調整等を行うので、撹拌や積み替えとは異なるモデルにて状態を更新してもよい。
〔変形例〕
ゴミ掴み位置やゴミ離し位置は、上述の指標値に加えて、クレーン14の位置(より詳細にはバケット17の位置)についても考慮して決定してもよい。これにより、クレーン14の移動距離を抑えて、クレーン14の動作にかかる電力消費量を抑えつつ、適切なゴミ掴み位置やゴミ離し位置を決定することができる。
具体的には、撹拌作業のゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定する場合、指標値が所定値以上の区画のうち、この撹拌作業を実行する直前のクレーンの位置から最も近い区画をゴミ掴み位置と決定してもよい。そして、指標値が所定値以上の区画のうち、決定したゴミ掴み位置から最も近い区画をゴミ離し位置と決定してもよい。積み替え作業のゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定する場合も同様である。
また、投入作業のゴミ掴み位置を決定する場合、指標値が所定値以上の区画のうち、この投入作業を実行する直前のクレーンの位置とホッパー12とを結ぶ直線上であるか、またはその直線までの距離が最も近い区画をゴミ掴み位置と決定してもよい。これにより、ゴミを掴んでホッパー12に投入する際のクレーン14の経路長を最小化することができる。
なお、指標値の算出式にクレーン14の経路長に関する項を追加することによっても、クレーン14の移動距離を抑えたゴミ掴み位置やゴミ離し位置を決定することができる。この場合、作業が終了するまでのクレーン14の経路長が短いほど指標値が高くなるような項を追加すればよい。例えば、直前のクレーン14の位置から該当区画までの距離の逆数を示す項を上述の数式(1)に追加してもよい。そして、この項を追加した数式(1)にて算出した指標値にてゴミ掴み位置を決定し、該位置から該当区画までの距離の逆数を示す項を上述の数式(2)に追加してもよい。そして、この項を追加した数式(2)にて算出した指標値にてゴミ離し位置を決定することにより、クレーン14の経路長を短く抑えることが可能になる。また、投入作業の場合には、直前のクレーン14の位置から該当区画までの距離の逆数を示す項上述の数式(3)に追加すればよい。
また、上記実施形態では、記憶部52に記憶されている動作スケジュール71に従ってクレーン14を動作させる例を示したが、クレーン制御装置50が動作スケジュールを作成して、その作成した動作スケジュールに従ってクレーン14を動作させてもよい。この場合、動作スケジュールの作成方法は特に限定されないが、例えば遺伝的アルゴリズムを用いて作成してもよい。具体的には、まず、設定されたエリア(図5参照)のうち、何れをゴミ掴みエリアとし、何れをゴミ離しエリアとするか、およびゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアをどのように切り替えるかを遺伝子として表現した「個体」を複数生成する。そして、適応度の評価関数f(x)にて算出される適応度の高い個体を優先的に選択し、交叉・突然変異などを施して次世代の個体を生成し、各個体の適応度を評価するという一連の処理を繰り返しながら、最適な遺伝子を探索する。なお、上記評価関数としては、上記遺伝子の示すゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアの設定およびその遷移に従ったクレーン14の動作後のゴミ貯留部11のゴミが理想的な状態に近いほど高い適応度となる関数を用いる。なお、理想的な状態は、スケジュールの目的等に応じた状態とすればよく、例えば各区画の撹拌回数と高さが均等な状態であってもよいし、受け入れエリア内のゴミの高さが低い状態であってもよい。このような探索により、ゴミ貯留部11内のゴミを理想的な撹拌状態に最も近づけることのできる動作スケジュールを作成することが可能になる。無論、予めこのような手法で作成した動作スケジュールを動作スケジュール71として記憶しておいてもよい。
また、制御部51の備える処理部の一部を、クレーン制御装置50と通信可能なサーバに設けたクライアントサーバシステムによって、上記のクレーン制御装置50と同様の機能を実現することもできる。また、例えば、各エージェントをノートPCやタブレットPC等の端末装置に設け、該端末装置にて決定したクレーン14の動作内容を、クレーン制御部66を備えたクレーン制御装置に通知してクレーン14を動作させることも可能である。
〔ソフトウェアによる実現例〕
クレーン制御装置50の制御ブロック(特に制御部51)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、クレーン制御装置50は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 ゴミピット
11 ゴミ貯留部
14 クレーン
50 クレーン制御装置
61 クレーンエージェント(エリア設定部/競合調整部)
62 投入エージェント(位置決定部/投入管理部)
63 受入エージェント(位置決定部/受入管理部)
64 撹拌エージェント(位置決定部/撹拌管理部)
65 マスエージェント(区画管理部)
66 クレーン制御部

Claims (10)

  1. ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置であって、
    上記ゴミピット内のゴミ貯留部を複数区画に区分した各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンにゴミ掴み動作を含む所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定する位置決定部と、
    上記所定の作業を上記クレーンに実行させる際に、上記位置決定部が決定した区画にて上記クレーンにゴミ掴み動作を実行させるクレーン制御部と、を備えていると共に、
    上記複数区画のうちの一区画を管理する区画管理部を、上記複数区画のそれぞれについて備え、
    上記区画管理部は、管理する区画のゴミの高さを示す値と撹拌度合いを示す値とに重み付けを行うことにより、該区画におけるゴミ掴み動作の必要性の高さを示す指標値を算出し、
    上記位置決定部は、上記指標値を用いて、上記ゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定することを特徴とするクレーン制御装置。
  2. 上記位置決定部は、上記各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンに上記所定の作業を実行させる際のゴミ離し位置を何れの区画とするかをさらに決定することを特徴とする請求項1に記載のクレーン制御装置。
  3. 上記所定の作業においてゴミ掴み動作を実行すべきゴミ掴みエリアと、ゴミ離し動作を実行すべきゴミ離しエリアとを設定するエリア設定部を備え、
    上記位置決定部は、上記ゴミ掴みエリアに含まれる区画の中からゴミ掴み位置とする区画を決定し、上記ゴミ離しエリアに含まれる区画の中からゴミ離し位置とする区画を決定することを特徴とする請求項に記載のクレーン制御装置。
  4. ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置であって、
    上記ゴミピット内のゴミ貯留部を複数区画に区分した各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンにゴミ掴み動作を含む所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定する位置決定部と、
    上記所定の作業を上記クレーンに実行させる際に、上記位置決定部が決定した区画にて上記クレーンにゴミ掴み動作を実行させるクレーン制御部と、を備え、
    上記位置決定部は、上記各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンに上記所定の作業を実行させる際のゴミ離し位置を何れの区画とするかをさらに決定し、
    上記所定の作業においてゴミ掴み動作を実行すべきゴミ掴みエリアと、ゴミ離し動作を実行すべきゴミ離しエリアとを設定するエリア設定部を備え、
    上記位置決定部は、上記ゴミ掴みエリアに含まれる区画の中からゴミ掴み位置とする区画を決定し、上記ゴミ離しエリアに含まれる区画の中からゴミ離し位置とする区画を決定し、
    上記エリア設定部は、時間帯ごとに位置および範囲の少なくとも何れかを異ならせてゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアを設定することを特徴とするクレーン制御装置。
  5. ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置であって、
    上記ゴミピット内のゴミ貯留部を複数区画に区分した各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンにゴミ掴み動作を含む所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定する位置決定部と、
    上記所定の作業を上記クレーンに実行させる際に、上記位置決定部が決定した区画にて上記クレーンにゴミ掴み動作を実行させるクレーン制御部と、を備え、
    上記位置決定部は、上記各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンに上記所定の作業を実行させる際のゴミ離し位置を何れの区画とするかをさらに決定し、
    上記所定の作業においてゴミ掴み動作を実行すべきゴミ掴みエリアと、ゴミ離し動作を実行すべきゴミ離しエリアとを設定するエリア設定部を備え、
    上記位置決定部は、上記ゴミ掴みエリアに含まれる区画の中からゴミ掴み位置とする区画を決定し、上記ゴミ離しエリアに含まれる区画の中からゴミ離し位置とする区画を決定し、
    上記エリア設定部は、上記ゴミピットへのゴミの搬入のある時間帯には、上記ゴミ貯留部内のエリアのうち、搬入されるゴミの受け入れエリアを除いたエリアの中からゴミ離しエリアを設定し、ゴミの搬入のない時間帯には、上記受け入れエリアを含むエリアの中からゴミ離しエリアを設定することを特徴とするクレーン制御装置。
  6. 上記ゴミ貯留部内のゴミを焼却炉に送り込むホッパーに上記クレーンにてゴミを投入する作業である投入作業を管理する投入管理部を備え、
    上記投入管理部は上記位置決定部として、上記投入作業におけるゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のクレーン制御装置。
  7. ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置であって、
    上記ゴミピット内のゴミ貯留部を複数区画に区分した各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンにゴミ掴み動作を含む所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定する位置決定部と、
    上記所定の作業を上記クレーンに実行させる際に、上記位置決定部が決定した区画にて上記クレーンにゴミ掴み動作を実行させるクレーン制御部と、を備え、
    上記位置決定部は、上記各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンに上記所定の作業を実行させる際のゴミ離し位置を何れの区画とするかをさらに決定し、
    上記ゴミ貯留部内に設定された撹拌エリア内でゴミを掴み、離す作業である撹拌作業を管理するものであり、上記位置決定部として、上記撹拌作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置を何れの区画とするかを決定する撹拌管理部と、
    搬入されるゴミの受け入れエリアから上記撹拌エリアにゴミを移動させる作業である積み替え作業を管理するものであり、上記位置決定部として、上記積み替え作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置を何れの区画とするかを決定する受入管理部と、
    上記撹拌管理部がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した後、撹拌作業が行われるまでに、上記受入管理部がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合に、撹拌作業の実行をキャンセルして積み替え作業を実行させる競合調整部と、を備えていることを特徴とするクレーン制御装置。
  8. ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置の制御方法であって、
    上記ゴミピット内のゴミ貯留部を複数区画に区分した各区画のゴミの高さと撹拌度合いに応じて、上記クレーンにゴミ掴み動作を含む所定の作業を実行させる際のゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定する決定ステップと、
    上記所定の作業を上記クレーンに実行させる際に、上記決定ステップにて決定した区画にて上記クレーンにゴミ掴み動作を実行させるクレーン制御ステップと、を含み、
    上記クレーン制御装置は、複数区画のうちの一区画を管理する区画管理部を、上記複数区画のそれぞれについて備え、
    上記区画管理部が、管理する区画のゴミの高さを示す値と撹拌度合いを示す値とに重み付けを行うことにより、該区画におけるゴミ掴み動作の必要性の高さを示す指標値を算出するステップをさらに含み、
    上記決定ステップでは、上記指標値を用いて、上記ゴミ掴み位置を何れの区画とするかを決定することを特徴とするクレーン制御装置の制御方法。
  9. 請求項1に記載のクレーン制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記位置決定部および上記クレーン制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
  10. 請求項に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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