以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
本実施形態1は、光学フィルムをパネルに転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる光学フィルム貼付装置1を提供することを目的とする。しかも、本実施形態1は、光学フィルムのパネルへの位置合わせ精度を向上させることができる光学フィルム貼付装置1を提供することも目的とする。
本実施形態1では、光学フィルム貼付装置1が、光学製品として、略矩形を呈している複数枚の小型な光学フィルム結合体を同時に製造する場合を想定して説明する。このような光学フィルム結合体は、例えば、スマートフォン等のディスプレイに利用することができる。
また、本実施形態1では、光学フィルム貼付装置1がロールフィルム120を用いる場合を想定して説明する。ロールフィルム120は、表面に光学フィルム122が貼り合わされているロール状のシート部材である。
<光学フィルム貼付装置の構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1の構成につき説明する。図1は、光学フィルム貼付装置1の側面構成を示す図である。図2は、光学フィルム貼付装置1の上面構成を示す図である。
光学フィルム貼付装置1は、光学フィルムをパネルに貼り付ける装置である。本実施形態1では、光学フィルム貼付装置1が例えば光学製品として液晶ディスプレイを製造するシステムに用いられる場合を想定して説明する。
液晶ディスプレイは、例えば、それぞれに透明電極が形成された2枚の基板と、液晶層(画像形成層)と、偏光板と、光源とを有し、液晶層が2枚の基板の間に配置されているとともに、偏光板が各基板の表面に貼り付けられ、光源が裏面側に配置された構成になっている。
本実施形態1では、2枚の基板と液晶層とを有する部材を「パネル110」とし、光学フィルム貼付装置1が偏光板として機能する光学フィルム122をパネル110に貼り付けることによって、液晶ディスプレイの材料となる光学フィルム結合体が製造される場合を想定して説明する。また、本実施形態1では、1枚のパネル110から複数枚の光学フィルム結合体が製造される場合を想定して説明する。したがって、本実施形態1では、パネル110は、1枚につき複数枚分の光学フィルム結合体用の回路基板が含まれた構成になっている。
ただし、光学フィルム貼付装置1は、液晶ディスプレイ以外の材料となる光学フィルム結合体を製造する場合にも用いることができる。
なお、本実施形態1では、2つの光学フィルム貼付装置1を用いる形態について説明する。2つの光学フィルム貼付装置1のうち、一方は、光学フィルム122をパネル110の第1面(表面)に貼り付ける装置であり、他方は、光学フィルム122をパネル110の第2面(裏面)に貼り付ける装置である。ここでは、一方の装置(光学フィルム122をパネル110の第1面(表面)に貼り付ける装置)をメインにして説明する。
図1に示すように、本実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1は、制御装置2、ステージ7、ブース9、展開機構10、ハーフカット機構20、除去機構30、転写機構40、及び、状態監視部50を有している。
制御装置2は、光学フィルム貼付装置1の全体の動作を制御する構成要素である。
ステージ7は、パネル110が載置される台である。
ブース9は、光学フィルム貼付装置1の主要部を外部から隔離するために設けられた小部屋である。
展開機構10は、ロールフィルム120を引き出し方向に沿ってトルクをかけた状態で走行可能に展開する機構である。
ハーフカット機構20は、ロールフィルム120の表面の光学フィルム122を切断する機構である。
除去機構30は、ロールフィルム120から光学フィルム122の不要部分125を除去する機構である。光学フィルム122の不要部分125は、パネル110に転写(貼付)させない部分である。
転写機構40は、光学フィルム122の転写部分124をパネル110に転写(貼付)する機構である。光学フィルム122の転写部分124は、パネル110に転写(貼付)させる部分である。
状態監視部50は、転写機構40の転写体(本実施形態1では、転写ドラム41)に転写された光学フィルム122の転写部分124の転写状態を監視する構成要素である。
制御装置2は、図示せぬCPUと、ROMやRAM、HDD等の図示せぬ記憶部とを有している。記憶部には、各部の動作を制御するための制御プログラムが予め格納されている。CPUは、制御プログラムを実行することによって、各部の動作を制御する。
ステージ7は、ロールフィルム120の展開方向の延長方向上に配置されている。ステージ7は、図示せぬ静電吸着機構を備えており、静電吸着機構で発生された吸着力によってパネル110を吸着して、パネル110を保持する。
光学フィルム貼付装置1の外部には、供給部180、パネル搬送機構181、別の光学フィルム貼付装置1Z、及び、分割機構190が設けられている。
供給部180は、光学フィルム貼付装置1に供給するパネル110が事前に集積されている場所である。
パネル搬送機構181は、任意の場所にパネル110を搬送する機構である。
光学フィルム貼付装置1Zは、光学フィルム122をパネル110の第2面(裏面)に貼り付ける装置である。光学フィルム貼付装置1Zは、光学フィルム貼付装置1と同様の構成になっている。
分割機構190は、パネル110を分割する機構である。
パネル搬送機構181は、光学フィルム122のパネル110の第1面(表面)への転写(貼付)処理時に、パネル110を供給部180から光学フィルム貼付装置1に搬送して(矢印A110a参照)、光学フィルム貼付装置1のステージ7に載置する。また、パネル搬送機構181は、光学フィルム122のパネル110の第2面(表面)への転写(貼付)処理時に、パネル110を光学フィルム貼付装置1のステージ7から取り出して(矢印A110b参照)、光学フィルム貼付装置1Zに搬送し、光学フィルム貼付装置1Zのステージ7に載置する。また、パネル搬送機構181は、パネル110の分割処理時に、パネル110を光学フィルム貼付装置1Zのステージ7から取り出して、分割機構190に搬送する。
(展開機構の構成)
展開機構10は、ロール取付部11、キャリアフィルム巻取部12、支持台13,14、及び、ガイドローラ15a,15b,15c,16a,16bを備えている。
ロール取付部11は、ロールフィルム120が取り付けられる構成要素である。
キャリアフィルム巻取部12は、ロールフィルム120の下層部分を構成するキャリアフィルム121を巻き取る構成要素である。
支持台13,14は、それぞれ、ロールフィルム120を下から走行可能に支持する台である。
ガイドローラ15a,15b,15c,16a,16bは、ロールフィルム120の走行をガイドするローラである。
展開機構10は、ロールフィルム120の走行方向において、上流側にロール取付部11が配置され、下流側にキャリアフィルム巻取部12が配置され、ロール取付部11とキャリアフィルム巻取部12との間に支持台13,14及びガイドローラ15a,15b,15c,16a,16bが配置された構成になっている。
ロール取付部11、キャリアフィルム巻取部12、及び、ガイドローラ15a,15b,15c,16a,16bは、同じ方向に向けて回転軸が配置されており、同じ方向に回転可能な構成になっている。
ガイドローラ15a,15b,15cは、ロールフィルム120を湾曲させる場所(つまり、ロールフィルム120の走行方向を変える場所)に配置されている。一方、ガイドローラ16a,16bは、ロールフィルム120を湾曲させない場所(つまり、ロールフィルム120の走行方向を変えない場所)に配置されている。以下、ガイドローラ15a,15b,15cを総称する場合に、「ガイドローラ15」と称する。また、ガイドローラ16a,16bを総称する場合に、「ガイドローラ16」と称する。
本実施形態1では、ガイドローラ15aは、ロール取付部11の上方に配置されている。ガイドローラ15bは、ガイドローラ15aに対して略水平方向の下流側の位置に配置されている。なお、ガイドローラ15bに対して略水平方向の下流側の位置には、ステージ7が配置されている。ガイドローラ15cは、ガイドローラ15bの下方に配置されている。キャリアフィルム巻取部12は、ガイドローラ15cからロール取付部11に戻る方向の位置に配置されている。
ロールフィルム120は、ロール取付部11に取り付けられている。ロールフィルム120は、ロール取付部11から引き出され、ガイドローラ15aに架けられた後に、上層部分と下層部分とに分離される。ロールフィルム120の上層部分は、粘着層が含まれる光学フィルム122によって構成されており、一方、ロールフィルム120の下層部分は、キャリアフィルム121によって構成されている(図3(b)参照)。
ロールフィルム120の上層部分は、除去機構30の不要部分巻取部32に取り付けられる。一方、ロールフィルム120の下層部分は、ガイドローラ15b,15cに架けられた後に、キャリアフィルム巻取部12に取り付けられる。
ロール取付部11及びキャリアフィルム巻取部12は、図示せぬ伝達機構を介して、図示せぬ駆動源と接続されている。伝達機構は、駆動源の駆動力をロール取付部11とキャリアフィルム巻取部12とに伝達して、ロール取付部11とキャリアフィルム巻取部12とを回転駆動させる。
このとき、ロール取付部11は、ロールフィルム120に対して引き戻す方向にトルクをかける。一方、キャリアフィルム巻取部12は、キャリアフィルム121を介してロールフィルム120に対して巻き取る方向(ロール取付部11から引き出す方向)にトルクをかける。つまり、ロール取付部11とロールフィルム120とは、ロールフィルム120に対して互いに逆方向にトルクをかける。その結果、ロールフィルム120は、ロール取付部11とガイドローラ15a,15b,15cとキャリアフィルム巻取部12とによって支持されて展開される。
このとき、図2に示すように、ロールフィルム120は、微細な歪みを発生させることなく、ガイドローラ15aとガイドローラ15bとの間で、ガイドローラ15aからステージ7の方に向けて真っ直ぐに展開された状態になる。
図1に戻り、ガイドローラ16a,16bは、ガイドローラ15aとガイドローラ15bとの間に配置されている。ガイドローラ16bは、ガイドローラ16aよりも下流側(ステージ7に近い側)に配置されている。ガイドローラ16a,16bは、ガイドローラ15aとガイドローラ15bとの間で展開されているロールフィルム120の下面に当接している。
支持台13は、ガイドローラ15aとガイドローラ16aとの間に配置されている。一方、支持台14は、ガイドローラ16bとガイドローラ15bとの間に配置されている。支持台13,14の上面は、平坦面状に形成されており、ガイドローラ15aとガイドローラ15bとの間で展開されているロールフィルム120の下面に当接している。
展開機構10は、キャリアフィルム巻取部12を回転させることによって、ロールフィルム120を下流側に搬送する。展開機構10は、ロールフィルム120の未切断部分が支持台13の上に到達すると、キャリアフィルム巻取部12の回転を停止させて、ロールフィルム120を停止させる。これにより、支持台13の上には、ロールフィルム120の未切断部分が配置される。
展開機構10は、ハーフカット機構20によってロールフィルム120の上層部分の切断が行われると、キャリアフィルム巻取部12の回転を再開させて、ロールフィルム120を走行させる。これにより、ロールフィルム120の切断部分が、支持台13の上から支持台14の上に移動する。このとき、次回の転写分のロールフィルム120の未切断部分が支持台13の上に配置される。展開機構10は、ロールフィルム120がエンド状態になる(つまり、それ以上引き出すことができない状態になる)まで、このような動作を繰り返し行う。
(ハーフカット機構の構成)
ハーフカット機構20は、ロールフィルム120の下層部分(キャリアフィルム121)を切断せずに、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)のみを切断する切断手段を備えている。ハーフカット機構20は、好ましくは、矩形だけでなく、例えば楕円形等の非矩形を含む任意の形状にロールフィルム120の上層部分を切断することができる構成であるとよい。
本実施形態1では、ハーフカット機構20が切断手段としてロータリピナクル刃21aを備えている場合を想定して説明する。ただし、ハーフカット機構20は、ロータリピナクル刃21aの代わりに、別の切断手段を備える構成であってもよい。
ハーフカット機構20は、支持台13の上でロータリピナクル刃21aをロールフィルム120の上層部分に当接させ、その状態でロータリピナクル刃21aを転がり方向にスライド移動させる。これにより、ハーフカット機構20は、ロールフィルム120の上層部分のみを切断して、ロールフィルム120の上層部分を光学フィルム122の転写部分124と不要部分125とに分断する(図2参照)。なお、光学フィルム122の転写部分124と不要部分125とには、光学フィルム122の上の形成されたカバーフィルム123が含まれている。
(除去機構の構成)
除去機構30は、ガイドローラ17、及び、不要部分巻取部32を備えている。
ガイドローラ17は、光学フィルム122の不要部分125を不要部分巻取部32の方向に誘導するローラである。
不要部分巻取部32は、光学フィルム122の不要部分125を巻き取る構成要素である。
ガイドローラ17は、ガイドローラ16aとの間でロールフィルム120を挟み込むように、ガイドローラ16aの上方に配置されている。不要部分巻取部32は、ガイドローラ17よりも上方に配置されている。
ロールフィルム120は、ロール取付部11への取付時に、ガイドローラ17よりも下流側の位置で上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)と下層部分(キャリアフィルム121)とに分離される。ロールフィルム120の上層部分は、不要部分巻取部32に取り付けられる。ロールフィルム120の下層部分は、キャリアフィルム巻取部12に取り付けられる。
不要部分巻取部32は、図示せぬ伝達機構を介して、図示せぬ駆動源と接続されている。伝達機構は、駆動源の駆動力を不要部分巻取部32に伝達して、不要部分巻取部32を回転駆動させる。
このとき、不要部分巻取部32は、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)を巻き取る。不要部分巻取部32は、ハーフカット機構20がロールフィルム120の上層部分を切断することによって、光学フィルム122の不要部分125を巻き取るようになる。その結果、光学フィルム122の転写部分124が、キャリアフィルム121の上に残る。
このようなガイドローラ17及び不要部分巻取部32は、キャリアフィルム121から光学フィルム122の不要部分125を剥離させる剥離巻取機構31として機能する。ただし、除去機構30は、剥離巻取機構31の代わりに、別の機構を備える構成であってもよい。例えば、除去機構30は、剥離巻取機構31の代わりに、レーザ照射機構を備える構成にすることができる。この場合に、レーザ照射機構は、レーザをロールフィルム120の上層部分に照射して、光学フィルム122の不要部分125のみを気化させる。これによって除去機構30は、ロールフィルム120から光学フィルム122の不要部分125を除去する。
(転写機構の構成)
転写機構40は、転写ドラム41、保持部42、昇降用シリンダ43、上下動ガイド44、スライド移動部45、及び、上下基準認識カメラ46を備えている。
転写ドラム41は、光学フィルム122の転写部分124をパネル110に転写(貼付)させる転写体である。
保持部42は、転写ドラム41を回転自在に保持する構成要素である。
昇降用シリンダ43は、転写ドラム41を昇降させる構成要素である。昇降用シリンダ43は、ボールネジ及びサーボモータの駆動系と併用し、シリンダによる押し付け圧を確保しながら、サーボモータで精密な位置制御も可能とする場合もある。
上下動ガイド44は、転写ドラム41を上下動させる構成要素である。
スライド移動部45は、転写ドラム41をスライド移動させる構成要素である。
上下基準認識カメラ46は、転写ドラム41に転写させた光学フィルム122の転写部分124の位置検出、並びに、パネル110の位置検出をするためのカメラである。
転写ドラム41は、円筒状に形成されている。転写ドラム41の表面は、光学フィルム122の転写部分124が転写される転写面41aとして構成されている。転写ドラム41は、ハーフカット機構30によって切断された光学フィルム122の転写部分124を、自身の表面(転写面41a)に一次転写させた後に、その光学フィルム122の転写部分124をステージ7に載置されたパネル110に二次転写(貼付)させる。
転写機構40は、転写時に、上下規準認識カメラ41で検出した転写ドラム41上の光学フィルム122の転写部分124の位置情報により、ステージ7の位置を微調整し、パネル110に対して、光学フィルム122の転写部分124が転写ドラム41で所定の位置に貼り付けられるようにする。パネル110の配置方向の識別は、例えば、パネル110の角部分に設けられた図示せぬアライメントマークを識別することによって行われる。
また、転写機構40は、転写時に、上下動ガイド44及びスライド移動部45を稼働させることによって、例えば図1に示す矢印に沿って転写ドラム41を移動させる。その際に、転写機構40は、所望のタイミングで転写ドラム41を回転させる。これにより、転写機構40は、光学フィルム122の転写部分124を転写ドラム41の転写面41aに一次転写させたり、又は、その光学フィルム122の転写部分124をステージ7に載置されたパネル110に二次転写(貼付)させたりする。
(状態監視部の構成)
状態監視部50は、撮像部51、転写機構制御部53、及び、比較部54を備えている。
撮像部51は、転写体(転写ドラム41)の表面(転写面41a)を撮像する構成要素である。
転写機構制御部53は、転写機構40の動作を制御する構成要素である。
比較部54は、撮像部51によって撮像された撮像画像に写っている、転写ドラム41の転写面41aに一次転写された光学フィルム122の転写部分124の形状と、ハーフカット機構20に切断させた光学フィルム122の転写部分124の切断パターンとを比較する構成要素である。
撮像部51は、ロールフィルム120の短手方向に沿って、転写ドラム41の表面の少なくとも光学フィルム122が一次転写される全ての領域に対向するように、配置されている。つまり、撮像部51は、転写ドラム41の回転軸方向に沿って、転写ドラム41の転写面41aの略全面を撮像するように構成されている。撮像部51は、例えば、多数の撮像素子を備えており、各撮像素子が、転写ドラム41の回転軸方向に沿って配置された構成になっている。各撮像素子は、転写ドラム41の転写面41aの少なくとも光学フィルム122の転写部分124が一次転写される全ての領域に対向するように配置されている。なお、転写される全ての領域に撮像素子が対応できない場合は、撮像部51を移動させて転写ドラム41の全領域の光学フィルム122の転写部分124を撮像することができる。
比較部54は、撮像部51によって撮像された撮像画像に写る、転写ドラム41の転写面41aに一次転写された光学フィルム122の転写部分124の形状と、ハーフカット機構20に切断させた光学フィルム122の転写部分124の切断パターンとを比較する。これによって、比較部54は、光学フィルム122の転写の不具合の有無を検出する。ここで、「光学フィルム122の転写の不具合」とは、例えば、転写ドラム41の転写面41aに一次転写された光学フィルム122の転写部分124の転写不良や欠落等の発生を意味している。
転写機構制御部53は、比較部54によって光学フィルム122の転写の不具合が検知された場合に、例えば、図示せぬ表示部にバッドマーク等を表示させることによって、操作者に注意を喚起することができる。また、転写機構制御部53は、この場合に、光学フィルム122の転写部分124が二次転写(貼付)されたパネル110を製造ラインから除外するように、パネル搬送機構181を制御してもよい。
<ロールフィルムの構成>
以下、図3を参照して、ロールフィルム120の構成につき説明する。図3は、ロールフィルム120の構成を示す図である。図3(a)は、ロール取付部11に取り付けられた状態のロールフィルム120の構成を示しており、また、図3(b)は、光学フィルム122の不要部分125(図1及び図2参照)を除去した後のロールフィルム120の構成を示している。
図3(a)に示すように、ロールフィルム120は、キャリアフィルム121の上に粘着層が含まれる光学フィルム122が配置され、その上にカバーフィルム123が配置された構成になっている。
光学フィルム122の粘着層とキャリアフィルム121との間の粘着力は、粘着層と光学フィルム122との間の粘着力よりも弱くなっている。そのため、粘着層が含まれる光学フィルム122は、キャリアフィルム121から容易に剥がすことができる。
ロールフィルム120は、ハーフカット機構20によって上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)が任意の形状に切断される。これによって、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)は、光学フィルム122の転写部分124(図1及び図2参照)と、光学フィルム122の不要部分125(図1及び図2参照)とに分断される。
光学フィルム122の不要部分125(図1参照)は、除去機構30によってキャリアフィルム121の上から除去される。その結果、図3(b)に示すように、光学フィルム122の転写部分124が、キャリアフィルム121の上に残る。
光学フィルム122の転写部分124は、転写機構40によってパネル110に転写(貼付)される(図4参照)。図4は、光学フィルム貼付装置1の転写時の動作を示す図である。
例えば、転写時において、転写機構40は、図1に示す矢印に沿って転写ドラム41を移動させる。具体的には、まず、転写機構40は、支持台14の上で転写ドラム41を下降させる。これにより、図4(a)に示すように、転写機構40は、転写ドラム41の転写面41aを光学フィルム122の転写部分124に当接させる。
次に、図4(b)に示すように、転写機構40は、転写ドラム41を回転させながら、下流側(ステージ7に近い側)に転写ドラム41を移動させる。このとき、光学フィルム122の転写部分124が転写ドラム41の転写面41aに一次転写される。
次に、転写機構40は、転写ドラム41を上昇させる。このとき、光学フィルム貼付装置1は、上下基準認識カメラ46によって撮像された撮像画像に基づいて、転写ドラム41の上下動を監視する。また、このとき、光学フィルム貼付装置1は、状態監視部50の撮像部51によって撮像された撮像画像に基づいて、転写ドラム41の転写面41aに一次転写された光学フィルム122の転写部分124の転写の不具合を監視する。
なお、転写ドラム41の上下動を監視する目的は、転写ドラム41をステージ7の上に移動させたときに、転写ドラム41がパネル110に衝突しないように、転写ドラム41の下端部分をパネル110の上面よりも十分に高い位置に上昇させるためである。
次に、転写機構40は、転写ドラム41をステージ7の上に移動させた後、転写ドラム41を下降させる。これにより、図4(c)に示すように、転写機構40は、転写ドラム41の転写面41aに一次転写された光学フィルム122の転写部分124をパネル110の上面に当接させる。
次に、図4(d)に示すように、転写機構40は、転写ドラム41を回転させながら、下流側(ステージ7に近い側)に転写ドラム41を移動させる。このとき、光学フィルム122の転写部分124がパネル110の上面に二次転写(貼付)される。本実施形態1では、光学フィルム122の転写部分124は、パネル110に転写(貼付)されることによって、偏光板として機能する。
最後に、転写機構40は、転写ドラム41を上昇させて、転写ドラム41を支持台14の上に移動させる。
<光学フィルム貼付装置の動作>
以下、図1、図5、及び、図6A〜図6Hを参照して、光学フィルム貼付装置1の動作につき説明する。図5は、光学フィルム貼付装置1の動作を示すフローチャートである。図6A〜図6Hは、光学フィルム貼付装置1の動作例を示す図である。図6A〜図6Hは、それぞれ、ロールフィルム120又はパネル110の上面視構成と側面視構成とを、上下に並べて示している。
なお、光学フィルム貼付装置1は、図示せぬタイマによって計測された時間に基づいて動作する。また、光学フィルム貼付装置1の動作は、制御装置2の図示せぬ記憶部に読み出し自在に予め格納されたプログラムによって規定されており、制御装置2の図示せぬCPUによって実行される。以下、これらの点については、情報処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
図5に示すように、光学フィルム貼付装置1は、パネル110の第1面(表面)用処理を行う(ステップS10)。ステップS10では、パネル110の第1面(表面)に対して、以下のステップS15〜S30の処理が行われる。
まず、展開機構10が、ロールフィルム120を、トルクをかけた状態で走行可能に展開する(ステップS15)。図6Aに、このときの光学フィルム122の状態を示す。図6Aに示すように、ロールフィルム120は、微細な歪みを発生させることなく、真っ直ぐに展開された状態になっている。
次に、ハーフカット機構20が、支持台13の上でロールフィルム120の上層部分を、光学フィルム122の転写部分124と不要部分125とに切断する(ステップS20)。図6Bに、このときの光学フィルム122の状態を示す。
次に、除去機構30が、ロールフィルム120から光学フィルム122の不要部分125を除去する(ステップS25)。その結果、光学フィルム122の転写部分124が、キャリアフィルム121の上に残る。図6Cに、このときの光学フィルム122の状態を示す。
次に、転写機構40が、支持台14の上で、キャリアフィルム121の上に残っている光学フィルム122の転写部分124を転写ドラム41の転写面41aに一次転写し、転写ドラム41をステージ7の上に移動させて、ステージ7の上で、光学フィルム122の転写部分124をパネル110に二次転写(貼付)する(ステップS30)。図6Dに、このときの光学フィルム122の転写部分124の状態を示す。図6Dに示すように、パネル110は、光学フィルム122の転写部分124が第1面(表面)に転写された状態になっている。
なお、図6Dに示すように、本実施形態1では、パネル110は、2枚の基板110a,110bと、2枚の基板110a,110bの間に配置された図示せぬ液晶層(画像形成層)とを有する板状の多層パネルとして構成されている。基板110aは、液晶ディスプレイの第1面(表面)側を構成するカラーフィルタ基板である。基板110bは、液晶ディスプレイの第2面(裏面)側を構成するアレイ基板である。
パネル110の第1面(表面)及び第2面(裏面)は、それぞれ、平坦面状に形成されている。パネル110の内部の液晶層には、画像を表示するためのRGB等の画素が設けられた表示領域113(図14A参照)が形成されている。また、パネル110の表面には、光学フィルム122の転写部分124が転写されて貼り付けられる貼付領域114(図14A参照)が形成されている。
貼付領域114(図14A参照)は、表示領域113(図14A参照)の全域をカバーするように、表示領域113よりも若干広く形成されている。光学フィルム122の転写部分124は、貼付領域114(図14A参照)の全域をカバーするように、貼付領域114よりも若干広く形成されており、貼付領域114の上に貼り付けられる。
ステップS30の後、パネル110は、パネル搬送機構181によって光学フィルム貼付装置1から光学フィルム貼付装置1Zに搬送される。すると、光学フィルム貼付装置1Zは、パネル110の第2面(表面)用処理を行う(ステップS10a)。ステップS10aでは、パネル110の第2面(裏面)に対して、ステップS15a〜S30aの処理が行われる。ステップS15a〜S30aの処理は、ステップS10のステップS15〜S30の処理と同様の処理である。
パネル110は、ステップS10aの処理が行われる過程において、図6Eに示すように、第1面(表面)と第2面(裏面)とが反転させられた状態(すなわち、アレイ基板である基板110bが上側に配置され、カラーフィルタ基板である基板110aが下側に配置された状態)で、光学フィルム貼付装置1Zのステージ7に載置される。
そして、パネル110は、ステップS30aの処理が行われることによって、図6Fに示すように、光学フィルム122の転写部分124が第1面(表面)と第2面(裏面)とに転写された状態になる。
なお、ステップS10aの処理は、光学フィルム貼付装置1から取り出されたパネル110の第1面(表面)と第2面(裏面)とを反転させ、その状態でパネル110を光学フィルム貼付装置1に戻すことによって、光学フィルム貼付装置1に行わせることが可能である。
ステップS30aの後、パネル110は、パネル搬送機構181によって光学フィルム貼付装置1Zから分割機構190に搬送される。このとき、パネル110は、図6Gに示すように、第1面(表面)と第2面(裏面)とが再度反転させられて元に戻された状態(すなわち、カラーフィルタ基板である基板110aが上側に配置され、アレイ基板である基板110bが下側に配置された状態)で、分割機構190に搬送される。
すると、分割機構190は、後記する各貼付領域114(図14A参照)に合わせて、パネル110を複数の光学フィルム結合体に分割する(ステップS35)。
このとき、分割機構190は、スクライブ処理(ステップS36の処理)と、パネル分割処理(ステップS37の処理)とを行う。スクライブ処理(ステップS36の処理)は、パネル110の分割させる箇所に溝112(図6G参照)を形成する処理である。一方、パネル分割処理(ステップS37の処理)は、溝112(図6G参照)に沿ってパネル110を分割する処理である。
図6Gに、スクライブ処理(ステップS36の処理)時のパネル110の状態を示す。また、図6Hに、パネル分割処理(ステップS37の処理)時のパネル110の状態を示す。図6Gに示すように、スクライブ処理(ステップS36の処理)時に、溝112がパネル110に形成される。そして、図6Hに示すように、パネル分割処理(ステップS37の処理)時に、パネル110は、溝112に沿って切断され、さらに、不要部分が取り除かれる。これにより、パネル110は、複数の光学フィルム結合体131に分割された状態になる。その結果、光学製品としての複数の光学フィルム結合体131が製造される。なお、図6Hに示す例では、光学フィルム結合体131は、矩形の形状を呈しているが、矩形以外の任意の形状に形成することもできる。
なお、分割機構190が光学フィルム貼付装置1(又は光学フィルム貼付装置1Z)の内部に設けられている場合に、ステップS35の処理は、光学フィルム貼付装置1(又は光学フィルム貼付装置1Z)によって行うことができる。
<光学フィルム貼付装置の主な特徴>
本実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1は、以下の特徴を有している。
(1)展開機構10は、ロールフィルム120の展開方向に延在して配置されている。展開機構10は、ロールフィルム120を、トルクをかけた状態で走行可能に展開する。ハーフカット機構20及び転写体(転写ドラム41)は、展開機構10の上方に、ロールフィルム120の展開方向に沿って配置されている。
このような光学フィルム貼付装置1は、表面に光学フィルム122が貼り合わされているロールフィルム120を、引き出し方向に沿ってトルクをかけた状態で展開し、その状態でロールフィルム120の上層部分を切断して、パネル110に転写する。
このとき、光学フィルム貼付装置1は、パネル110に形成された複数の貼付領域114(図14A参照)に合わせて、光学フィルム122を複数の転写部分124に切断して、パネル110に転写することができる。
このような光学フィルム貼付装置1は、光学フィルム122をパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行う(すなわち、転写処理を、1枚につき複数枚分の光学フィルム結合体用の回路基板が含まれている1枚の多面付けパネルに対して1回行う)ことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる。
しかも、光学フィルム貼付装置1は、ロールフィルム120を引き出し方向に沿ってトルクをかけた状態で展開するため、微細な歪みが光学フィルム122に発生することを抑制することができる。
これにより、光学フィルム貼付装置1は、光学フィルム122(特に、光学フィルム122を複数の転写部分124に切断する場合における各転写部分124)をパネル110の対応する貼付領域114(図14A参照)の位置に正確に転写することができる。そのため、光学フィルム貼付装置1は、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができる。その結果、光学フィルム貼付装置1は、製造する光学製品の品質を向上させることができる。
(2)ステージ7は、ロールフィルム120の展開方向の延長方向上に配置されている。転写ドラム41は、展開機構10の上で光学フィルム122の転写部分124を自身の表面に一次転写させ、その後に、ロールフィルム120の展開方向に沿ってステージ7の上方に移動して、ステージ7の上で光学フィルム122の転写部分124をパネル110に二次転写(貼付)させる。
このような光学フィルム貼付装置1は、転写ドラム41をロールフィルム120の展開方向(すなわち、光学フィルム122の展開方向)に沿って移動させることによって、光学フィルム122の転写部分124をパネル110に転写する。その際に、転写ドラム41上の光学フィルム122の転写部分124は転写ドラム41の円弧の中心軸方向に移動しない。
したがって、光学フィルム貼付装置1は、光学フィルム122の転写部分124が転写ドラム41の円弧の中心軸方向にずれることを抑制することができる。そのため、光学フィルム貼付装置1は、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を効率よく向上させることができる。その結果、光学フィルム貼付装置1は、さらに、製造する光学製品の品質を向上させることができる。
また、光学フィルム貼付装置1は、光学フィルム122の転写部分124の一次転写を行う場所と光学フィルム122の転写部分124の二次転写(貼付)を行う場所とをロールフィルム120の展開方向に沿って配置した構成にすることができ、一次転写を行う際にロールフィルム120を支持する支持台13,14を展開機構10の内部に配置することができる。
そのため、光学フィルム貼付装置1は、パネル110の位置検出や、一次転写、転写ドラム41に一次転写された光学フィルムの位置検出、二次転写(貼付)等の処理を比較的狭い空間内で行う構成を実現することができる。
(3)光学フィルム貼付装置1は、状態監視部50を有している。状態監視部50は、撮像部51と、比較部54とを備えている。比較部54は、撮像部51によって撮像された撮像画像に写る一次転写された光学フィルム122の転写部分124の形状とハーフカット機構20に切断させた光学フィルム122の転写部分124の切断パターンとを比較する。比較部54は、光学フィルム122の転写の不具合(例えば、転写ドラム41の表面に一次転写された光学フィルム122に転写不良や欠落等)が発生している場合に、比較結果に基づいて、これを検出することができる。
このような光学フィルム貼付装置1は、仮に比較部54が光学フィルム122の転写の不具合を発見した場合に、例えば、転写ドラム41からパネル110への光学フィルム122の二次転写(貼付)を停止したり、又は、転写ドラム41から光学フィルム122が二次転写(貼付)されたパネル110を製造ラインから除外したりすることができる。これにより、光学フィルム貼付装置1は、多面パネルの製造において、使用できるデバイス部と使用できないデバイス部とを識別することが可能になり、光学製品の歩留まりを向上させることができる。
(4)パネル110は、光学フィルム122が転写される1乃至複数の貼付領域114(図14A参照)を備えている。ハーフカット機構20は、各貼付領域114に合わせて、光学フィルム122の各転写部分124が各貼付領域114よりも広くなるように、光学フィルム122を切断する。そして、転写ドラム41は、切断された光学フィルム122の各転写部分124が各貼付領域114の全域の上を覆うように、光学フィルム122の各転写部分124をパネル110に転写する。
このような光学フィルム貼付装置1は、光学フィルム122の転写部分124を貼付領域114(図14A参照)よりも広く切断することによって、光学フィルム122の転写部分124に公差を設定し、その光学フィルム122の転写部分124をパネル110に転写する。これによって、光学フィルム貼付装置1は、ある程度大まかに光学フィルム122の転写部分124をパネル110に転写することが許容されるため、光学製品の生産性(製造能力)を向上させることができる。
以上の通り、本実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1によれば、光学フィルム122をパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる。また、光学フィルム貼付装置1によれば、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができる。
[実施形態2]
実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1は、ハーフカット機構20の切断手段として、ロータリピナクル刃21aを用いる構成になっている。
これに対して、本実施形態2では、ハーフカット機構20の切断手段として、レーザ照射機構22を用いる光学フィルム貼付装置1Aを提供する。
本実施形態2では、光学フィルム貼付装置1Aが、レーザ照射機構22を用いることによって、光学製品として、楕円形を呈している複数枚の小型な光学フィルム結合体を同時に製造する場合を想定して説明する。このような光学フィルム結合体は、例えば、自動車やオートバイ等の速度計に利用することができる。
以下、図7及び図8を参照して、本実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aの構成につき説明する。図7は、光学フィルム貼付装置1Aの側面構成を示す図である。図8は、光学フィルム貼付装置1Aの上面構成を示す図である。
図7に示すように、本実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aは、実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1(図1参照)と比較すると、ハーフカット機構20の切断手段として、ロータリピナクル刃21aの代わりに、レーザ照射機構22を備える点で相違している。
レーザ照射機構22は、レーザを照射する機構である。レーザ照射機構22は、レーザをロールフィルム120に照射することによって、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)を任意の形状に切断する。このとき、レーザ照射機構22は、例えば、図8に示すように、ロールフィルム120の上層部分を、楕円形等の非矩形に切断することができる。また、レーザ照射機構22は、異なるサイズ及び形状の転写部分124が混在するように、ロールフィルム120の上層部分を切断することもできる。
以下、図9A〜図9Hを参照して、光学フィルム貼付装置1Aの動作の具体例につき説明する。図9A〜図9Hは、光学フィルム貼付装置1Aの動作例を示す図である。図9A〜図9Hは、それぞれ、ロールフィルム120又はパネル110の上面視構成と側面視構成とを、上下に並べて示している。
図9Aに示すように、図5のステップS15の処理時において、光学フィルム貼付装置1Aは、展開機構10で、ロールフィルム120を、トルクをかけた状態で走行可能に展開することにより、ロールフィルム120を、微細な歪みを発生させることなく、真っ直ぐに展開された状態にする。
図9Bに示すように、図5のステップS20の処理時において、光学フィルム貼付装置1Aは、ハーフカット機構20で、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)を切断して、光学フィルム122の転写部分124と不要部分125とを形成する。
図9Cに示すように、図5のステップS25の処理時において、光学フィルム貼付装置1Aは、除去機構30で、ロールフィルム120から光学フィルム122の不要部分125を除去することによって、光学フィルム122の転写部分124をキャリアフィルム121の上に残した状態にする。
図9Dに示すように、図5のステップS30の処理時において、光学フィルム貼付装置1Aは、転写機構40で、光学フィルム122の転写部分124をパネル110の第1面(表面)に転写する。
図5のステップS30の後、パネル搬送機構181が、パネル110を光学フィルム貼付装置1から取り出して、光学フィルム貼付装置1Zに搬送する。その過程で、パネル110は、図示せぬ機構によって、図9Eに示すように、第1面(表面)と第2面(裏面)とが反転させられた状態(すなわち、アレイ基板である基板110bが上側に配置され、カラーフィルタ基板である基板110aが下側に配置された状態)にされる。
図9Fに示すように、図5のステップS30aの処理時において、光学フィルム貼付装置1Zは、光学フィルム122の転写部分124をパネル110の第2面(裏面)に転写する。
図5のステップS30aの後、パネル搬送機構181が、パネル110を光学フィルム貼付装置1Zから取り出して、分割機構190に搬送する。その過程で、パネル110は、図示せぬ機構によって、図9Gに示すように、第1面(表面)と第2面(裏面)とが再度反転させられて元に戻された状態(すなわち、カラーフィルタ基板である基板110aが上側に配置され、アレイ基板である基板110bが下側に配置された状態)にされる。
図9Gに示すように、図5のステップS36の処理時において、分割機構190は、パネル110を分割させる箇所に溝112を形成する。
図9Hに示すように、図5のステップS37の処理時において、分割機構190は、溝112に沿ってパネル110を複数の光学フィルム結合体に分割する。このとき、パネル110の不要部分が取り除かれる。その結果、光学製品としての複数の光学フィルム結合体133が製造される。なお、図9Hに示す例では、光学フィルム結合体133は、楕円形の形状を呈しているが、楕円形以外の任意の形状に形成することもできる。
以上の通り、本実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aによれば、実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1と同様に、光学フィルム122をパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる。また、光学フィルム貼付装置1Aによれば、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができる。
しかも、光学フィルム貼付装置1Aによれば、レーザ照射機構22をハーフカット機構20の切断手段として備えているため、実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1に比べて、ロールフィルム120の上層部分を、矩形だけでなく、楕円形等の非矩形を含む任意の形状に容易に切断することができる。
[実施形態3]
実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aは、転写機構40の転写体として、転写ドラム41を用いる構成になっている。
これに対して、本実施形態3では、転写機構40の転写体として、円弧状の転写ヘッド141を用いる光学フィルム貼付装置1Bを提供する。
以下、図10及び図11を参照して、本実施形態3に係る光学フィルム貼付装置1Bの構成につき説明する。図10は、光学フィルム貼付装置1Bの側面構成を示す図である。図11は、光学フィルム貼付装置1Bの上面構成を示す図である。
図10に示すように、本実施形態3に係る光学フィルム貼付装置1Bは、実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1A(図7参照)と比較すると、(1)転写機構40の転写体として、転写ドラム41の代わりに、転写ヘッド141を備える点、及び、(2)展開機構10の構成が異なる点で相違している。
転写ヘッド141は、円弧状に形成された転写体である。転写機構40は、転写時に、例えば図10に示す矢印に沿って転写ヘッド141を移動させる。その際に、転写機構40は、所望のタイミングで転写ヘッド141を回動させる。これにより、転写機構40は、光学フィルム122の転写部分124を転写ヘッド141の転写面141aに一次転写させたり、又は、その光学フィルム122の転写部分124をステージ7に載置されたパネル110に二次転写(貼付)させたりする。
本実施形態3に係る光学フィルム貼付装置1Bの展開機構10は、実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aの展開機構10(図7参照)と比較すると、(1)ガイドローラ16aとガイドローラ15bとの間からガイドローラ16bが削除されている点、(2)ガイドローラ16aとガイドローラ15bとの間隔が短くなっている点、及び、(3)ガイドローラ15bとガイドローラ15cとの間にガイドローラ15dが付加されている点で相違している。
このような光学フィルム貼付装置1Bは、ガイドローラ16aとガイドローラ15bとの間隔を短くすることができるため、実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aよりも小型化することができる。また、光学フィルム貼付装置1Bは、ガイドローラ15bとガイドローラ15cとの間にガイドローラ15dが付加されているため、例えばガイドローラ15dの位置を調整することにより、ローラフィルム120の展開状態を調整することができる。
なお、本実施形態3では、光学フィルム貼付装置1Bは、実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aと同様に、ハーフカット機構20の切断手段として、レーザ照射機構22を用いている。そのため、光学フィルム貼付装置1Bは、実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aと同様に、図11に示すように、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)を、矩形だけでなく、楕円形等の非矩形を含む任意の形状に容易に切断することができる。
以上の通り、本実施形態3に係る光学フィルム貼付装置1Bによれば、実施形態1,2に係る光学フィルム貼付装置1,1Aと同様に、光学フィルム122をパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる。また、光学フィルム貼付装置1Bによれば、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができる。
しかも、光学フィルム貼付装置1Aによれば、実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aと同様に、レーザ照射機構22をハーフカット機構20の切断手段として備えているため、実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1に比べて、ロールフィルム120の上層部分を、矩形だけでなく、楕円形等の非矩形を含む任意の形状に容易に切断することができる。
[実施形態4]
本実施形態4では、パネル110に転写された光学フィルム122の転写部分124のエッジの整形処理を行うことができる光学フィルム貼付装置1Cを提供する。
以下、図12及び図13を参照して、本実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1Cの構成につき説明する。図12は、光学フィルム貼付装置1Cの側面構成を示す図である。図13は、光学フィルム貼付装置1Cの上面構成を示す図である。
図12に示すように、本実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1Cは、実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1A(図7参照)と比較すると、エッジ処理部60、及び、切替部63を有する点で相違している。
エッジ処理部60は、パネル110に転写された光学フィルム122の転写部分124のエッジの整形処理を行う機構である。
切替部63は、エッジ処理部60に対して、エッジの整形処理の実行又は不実行を選択的に切り替える構成要素である。
エッジ処理部60は、スライド移動部8、レーザ照射機構61、及び、レーザ照射機構制御部62を備えている。
スライド移動部8は、ロールフィルム120の展開方向の延長方向に沿って、ステージ7をスライド移動させる機構である。
レーザ照射機構61は、レーザ照射機構22と同様に、レーザを照射する機構である。
レーザ照射機構制御部62は、スライド移動部8及びレーザ照射機構61の動作を制御する構成要素である。
切替部63は、スイッチやキーボード等のメカニカルな構成のものであってもよいし、又は、レーザ照射機構制御部62に実行させるプログラムであってもよい。切替部63は、光学製品(光学フィルム結合体)の品質の向上を優先する場合に、エッジの整形処理の実行を選択し、一方、光学製品(光学フィルム結合体)の生産性(製造能力)の向上を優先する場合に、エッジの整形処理の不実行を選択する。
レーザ照射機構制御部62は、切替部63によってエッジの整形処理の実行が選択されている場合に、スライド移動部8及びレーザ照射機構61を以下のように動作させる。
まず、レーザ照射機構制御部62は、光学フィルム122の転写部分124がパネル110に転写されると、ロールフィルム120の展開方向の延長方向に沿って、ステージ7をスライド移動させる(矢印B1参照)。これにより、ステージ7は、レーザ照射機構61の下方に配置される。
次に、レーザ照射機構制御部62は、図13に示すように、レーザ照射機構61の下でステージ7を矢印B11の方向に適宜移動させたり、レーザ照射機構61のレーザ照射手段を矢印B12の方向に適宜移動させたりする。これによって、光学フィルム貼付装置1Cは、パネル110に転写された光学フィルム122の転写部分124のエッジの整形処理を行う。
以下、図14A及び図14Bを参照して、光学フィルム貼付装置1Cの動作例につき説明する。図14A及び図14Bは、光学フィルム貼付装置1Cの動作例を示す図である。図14A及び図14Bは、パネル110の上面視構成と側面視構成とを、上下に並べて示している。
図14Aに示すように、パネル110には、表示領域113と貼付領域114とが形成されている。貼付領域114は、表示領域113の全域をカバーするように、表示領域113よりも若干広く形成されている。光学フィルム122の転写部分124は、貼付領域114の全域をカバーするように、貼付領域114よりも若干広く形成されており、貼付領域114の上に貼り付けられる。
図14Bに示すように、光学フィルム貼付装置1Cは、レーザ照射機構61のレーザ照射手段からレーザ64をパネル110に向けて照射する。このとき、レーザ照射手段は、光学フィルム122の転写部分124のエッジを気化させることができるものの、パネル110を傷付けることがない程度の出力でレーザ64を照射する。
そして、光学フィルム貼付装置1Cは、レーザ64を照射しながら、光学フィルム122の転写部分124のエッジの形状に合わせて、ステージ7を矢印B11の方向に移動させるとともに、レーザ照射機構61のレーザ照射手段を矢印B12の方向に移動させる。
光学フィルム貼付装置1Cは、このような動作を各転写部分124に対して行う。これによって、光学フィルム貼付装置1Cは、各転写部分124のエッジの整形処理を行うことができる。
かかる構成において、光学フィルム貼付装置1Cは、エッジ処理部60でパネル110に転写された光学フィルム122の転写部分124のエッジの整形処理を行うことによって、光学製品(光学フィルム結合体)の品質を向上させることができる。
また、光学フィルム貼付装置1Cは、光学製品(光学フィルム結合体)の品質の向上を優先する場合に、切替部63でエッジの整形処理の実行を選択し、一方、光学製品(光学フィルム結合体)の生産性(製造能力)の向上を優先する場合に、切替部63でエッジの整形処理の不実行を選択することができる。そのため、光学フィルム貼付装置1Cは、光学製品(光学フィルム結合体)の品質の向上を優先する要求と光学製品(光学フィルム結合体)の生産性(製造能力)の向上を優先する要求との双方に対応することができる。
以上の通り、本実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1Cによれば、実施形態1〜3に係る光学フィルム貼付装置1,1A,1Bと同様に、光学フィルム122をパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる。また、光学フィルム貼付装置1Cによれば、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができる。
しかも、光学フィルム貼付装置1Cによれば、実施形態2,3に係る光学フィルム貼付装置1A,1Bと同様に、レーザ照射機構22をハーフカット機構20の切断手段として備えているため、実施形態1に係る光学フィルム貼付装置1に比べて、ロールフィルム120の上層部分を、矩形だけでなく、楕円形等の非矩形を含む任意の形状に容易に切断することができる。
さらに、光学フィルム貼付装置1Cによれば、エッジ処理部60で転写部分124のエッジの整形処理を行うことによって、光学製品(光学フィルム結合体)の品質を向上させることができる。
その上、光学フィルム貼付装置1Cによれば、切替部63でエッジの整形処理の実行と不実行とのいずれか一方を選択することができるため、光学製品(光学フィルム結合体)の品質の向上を優先する要求と光学製品(光学フィルム結合体)の生産性(製造能力)の向上を優先する要求との双方に対応することができる。
[実施形態5]
本実施形態5は、2つの光学フィルム貼付装置を用いて、光学フィルム122をパネル110の第1面及び第2面のいずれか一方の面又は双方の面に選択的に転写(貼付)することができる光学フィルム貼付システム70を提供する。
<光学フィルム貼付システムの構成>
以下、図15を参照して、本実施形態5に係る光学フィルム貼付システム70の構成につき説明する。図15は、光学フィルム貼付システム70の構成を模式的に示す図である。
図15に示すように、光学フィルム貼付システム70は、レーザ照射機構61a,61b、第1貼付装置71、第2貼付装置72、供給受付部80、パネル搬送機構81、ターン機構82、及び、集積部83を有している。
レーザ照射機構61a,61bは、レーザを照射する機構である。
第1貼付装置71は、光学フィルム122をパネル110の第1面(表面)に転写(貼付)する装置である。
第2貼付装置72は、光学フィルム122をパネル110の第2面(裏面)に転写(貼付)する装置である。
供給受付部80は、外部からパネル110の供給を受け付ける部位である。
パネル搬送機構81は、パネル110を光学フィルム貼付システム70の内部の任意の場所に搬送する機構である。
ターン機構82は、パネル110の表裏面の反転処理及びパネル110の配置方向の変更処理のいずれか一方又は双方の処理を任意に実行する機構である。
集積部83は、第1貼付装置71及び第2貼付装置72のいずれか一方又は双方によって光学フィルム122が転写されたパネル110が集積される部位である。
第1貼付装置71、第2貼付装置72、供給受付部80、ターン機構82、及び、集積部83は、パネル搬送機構81を囲むように配置されている。
レーザ照射機構61aは、パネル110の第1面に転写された光学フィルム122のエッジの整形処理を行う。一方、レーザ照射機構61bは、パネル110の第2面に転写された光学フィルム122のエッジの整形処理を行う。
第1貼付装置71及び第2貼付装置72は、実施形態1〜実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1,1A,1B,1Cのいずれかの装置によって構成されている。ここでは、第1貼付装置71及び第2貼付装置72が実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aによって構成されている場合を想定して説明する。
本実施形態5では、パネル110の形状が長方形になっている。パネル110は、短辺が第1貼付装置71の幅方向に一致するように、第1貼付装置71のステージ7(図7参照)に載置される。また、パネル110は、長辺が第2貼付装置72の幅方向に一致するように、第2貼付装置72のステージ7(図7参照)に載置される。ここでは、第1貼付装置71の幅及び第2貼付装置72の幅は、それぞれ、ロールフィルム120の展開方向に対して垂直に交差する方向の幅を意味している。
このような第1貼付装置71及び第2貼付装置72のそれぞれの幅は、パネル110の短辺及び長辺に対して以下の式(1)〜式(3)の関係を満たすように、設定されている。
「第1貼付装置71の幅」>「パネル110の短辺の幅」 …(1)
「第2貼付装置72の幅」>「パネル110の長辺の幅」 …(2)
「第2貼付装置72の幅」≧「第1貼付装置71の幅」 …(3)
第1貼付装置71のロール取付部11(図7参照)には、パネル110の短辺に適合する短辺用のロールフィルム120aが取り付けられている。ロールフィルム120aは、軸心11saに巻かれた状態で、第1貼付装置71のロール取付部11に取り付けられている。ロールフィルム120aは、エンド状態になると(つまり、それ以上引き出すことができない状態になると)、ロール取付部11から取り外されて、交換される(矢印C11sa参照)。
また、第1貼付装置71のキャリアフィルム巻取部12(図7参照)には、軸心12saが取り付けられている。ロールフィルム120aのキャリアフィルム121aは、軸心12saに巻き付けられる。ロールフィルム120aのキャリアフィルム121aは、ロールフィルム120aの交換時に合わせて、ロール取付部11から取り外されて、交換される(矢印C12sa参照)。
一方、第2貼付装置72のロール取付部11(図7参照)には、パネル110の長辺に適合する長辺用のロールフィルム120bが取り付けられている。ロールフィルム120bは、軸心11sbに巻かれた状態で、第2貼付装置72のロール取付部11に取り付けられている。ロールフィルム120bは、エンド状態になると(つまり、それ以上引き出すことができない状態になると)、ロール取付部11から取り外されて、交換される(矢印C11sb参照)。
また、第2貼付装置72のキャリアフィルム巻取部12(図7参照)には、軸心12sbが取り付けられている。ロールフィルム120bのキャリアフィルム121bは、軸心12sbに巻き付けられる。ロールフィルム120bのキャリアフィルム121bは、ロールフィルム120bの交換時に合わせて、ロール取付部11から取り外されて、交換される(矢印C12sb参照)。
本実施形態5では、供給受付部80と集積部83とは、同じ場所で上下に配置されており、図示せぬ仕切部材によって仕切られているものとして説明する。本実施形態5では、供給受付部80と集積部83とが仕切部材によって仕切られているため、光学フィルム貼付システム70は、複数枚のパネル110を集積部83に重ねて集積することができる。ただし、供給受付部80と集積部83とは、一つに統合することができる。この場合に、供給受付部80と集積部83とが一つに統合されているため、光学フィルム貼付システム70は、1枚のパネル110しか集積部83に集積できない。
パネル搬送機構81は、例えば、搬送ロボット81aを備えており、搬送ロボット81aによってパネル110を光学フィルム貼付システム70の内部の任意の場所に搬送する。
ターン機構82は、例えば、軸AX1を中心にしてパネル110を回転させることによって、パネル110の表裏面の反転処理とパネル110の配置方向の変更処理とを同時に実行することができる。軸AX1は、ターン機構82へのパネル110の搬入方向に対して略45°の角度で傾斜して設定された回転軸である。
本実施形態5では、第1貼付装置71及び第2貼付装置72は、平行に配置されている。パネル搬送機構81は、第1貼付装置71でのロールフィルム120の展開方向の延長方向上と第2貼付装置72でのロールフィルム120の展開方向の延長方向上とに跨(またが)るように配置されている。光学フィルム貼付システム70は、比較的大型化な構成の2つの貼付装置(第1貼付装置71及び第2貼付装置72)が平行に配置されているため、システム全体のサイズを小型化することができる。
レーザ照射機構61a,61bは、パネル搬送機構81の延長方向上に、互いに対向するように配置されている。レーザ照射機構61aは、第1貼付装置71に近い側に配置され、レーザ照射機構61bは、第2貼付装置72に近い側に配置されている。
ターン機構82は、パネル搬送機構81を挟んで、第1貼付装置71の延長方向上に配置されている。供給受付部80及び集積部83は、パネル搬送機構81の周囲の、レーザ照射機構61a,61b、第1貼付装置71、第2貼付装置72、及び、ターン機構82を避けた場所に配置されている。例えば、図15に示す例では、供給受付部80及び集積部83は、パネル搬送機構81を挟んで、第2貼付装置72の延長方向上に配置されている。
なお、本実施形態5では、光学フィルム貼付システム70の外部には、供給部180、パネル搬送機構181、及び、分割機構190が設けられている。パネル搬送機構181は、パネル110を光学フィルム貼付システム70に供給する場合に、パネル110を供給部180から光学フィルム貼付システム70に搬送して(矢印C1参照)、供給受付部80に載置する。また、パネル搬送機構181は、パネル110を分割機構190に搬送する場合に、パネル110を光学フィルム貼付システム70の集積部83から取り出して(矢印C2参照)、分割機構190に搬送する。
<光学フィルム貼付システムの動作>
以下、図15及び図16を参照して、光学フィルム貼付システム70の動作につき説明する。図16は、光学フィルム貼付システム70の動作を示すフローチャートである。
図16に示すように、光学フィルム貼付システム70では、まず、第1貼付装置71及び第2貼付装置72が、それぞれに対応するロールフィルム120a,120bを展開する(ステップS115)。
次に、パネル搬送機構181が、パネル110を供給部180から光学フィルム貼付システム70に搬送して(図15の矢印C1参照)、供給受付部80に載置する(ステップS116)。
パネル110が供給受付部80に載置されると、パネル搬送機構81が、パネル110を供給受付部80から取り出して、第1貼付装置71に搬送し、第1貼付装置71のステージ7(図7参照)に載置する(図15の矢印D1,D2参照)。
次に、第1貼付装置71のハーフカット機構20(図7参照)が、ロールフィルム120aの上層部分を、第1面用光学フィルム122の転写部分124と不要部分125とに切断する(ステップS120)。
次に、第1貼付装置71の除去機構30(図7参照)が、ロールフィルム120aから第1面用光学フィルム122の不要部分125を除去する(ステップS125)。
次に、第1貼付装置71の転写機構40(図7参照)が、ロールフィルム120aのキャリアフィルム121aの上に残っている第1面用光学フィルム122の転写部分124をパネル110の第1面に転写する(ステップS130)。
第1面用光学フィルム122の転写部分124がパネル110の第1面に転写されると、パネル搬送機構81が、パネル110を第1貼付装置71のステージ7(図7参照)から取り出して、レーザ照射機構61aに搬送する(図15の矢印D3,D4参照)。
次に、レーザ照射機構61aが、パネル110の第1面用光学フィルム122の各転写部分124のエッジの整形処理を行う(ステップS135)。
エッジの整形処理が行われると、パネル搬送機構81が、パネル110をレーザ照射機構61aから取り出して、ターン機構82に搬送する(図15の矢印D5,D6参照)。
次に、ターン機構82が、パネル110の上面を第1面から第2面にターンさせる(ステップS140)。
パネル110がターンされると、パネル搬送機構81が、パネル110をターン機構82から取り出して、第2貼付装置72に搬送し、第2貼付装置72のステージ7(図7参照)に載置する(図15の矢印D7,D8参照)。
次に、第2貼付装置72のハーフカット機構20(図7参照)が、ロールフィルム120bの上層部分を、第2面用光学フィルム122の転写部分124と不要部分125とに切断する(ステップS220)。
次に、第2貼付装置72の除去機構30(図7参照)が、ロールフィルム120bから第2面用光学フィルム122の不要部分125を除去する(ステップS225)。
次に、第2貼付装置72の転写機構40(図7参照)が、ロールフィルム120bのキャリアフィルム121bの上に残っている第2面用光学フィルム122の転写部分124をパネル110の第2面に転写する(ステップS230)。
第2面用光学フィルム122の転写部分124がパネル110の第2面に転写されると、パネル搬送機構81が、パネル110を第2貼付装置72のステージ7(図7参照)から取り出して、レーザ照射機構61bに搬送する(図15の矢印D9,D10参照)。
次に、レーザ照射機構61bが、パネル110の第2面用光学フィルム122の各転写部分124のエッジの整形処理を行う(ステップS235)。
エッジの整形処理が行われると、パネル搬送機構81が、パネル110をレーザ照射機構61bから取り出して、ターン機構82に搬送する(図15の矢印D11,D12参照)。
次に、ターン機構82が、パネル110の上面を第2面から第1面にターンさせる(ステップS240)。
パネル110がターンされると、パネル搬送機構81が、パネル110をターン機構82から取り出して、集積部83に搬送し、集積部83に載置する(ステップS241)(図15の矢印D13,D14参照)。
ステップS241の後、パネル搬送機構181が、パネル110を集積部83から取り出して、分割機構190に搬送する(図15の矢印C2参照)。
分割機構190は、各貼付領域114(図14A参照)に合わせて、パネル110を複数の光学フィルム結合体に分割する(ステップS335)。その結果、光学製品としての複数の光学フィルム結合体133(図9H参照)が製造される。
なお、光学フィルム貼付システム70は、先に第2貼付装置72を稼働させ、その後に第1貼付装置71を稼働させることによって、先に光学フィルム122の転写部分124をパネル110の第2面に転写し、その後に光学フィルム122の転写部分124をパネル110の第1面に転写することができる。
また、光学フィルム貼付システム70は、第1貼付装置71及び第2貼付装置72のいずれか一方のみを稼働させることによって、光学フィルム122の転写部分124をパネル110の第1面及び第2面のいずれか一方にのみ転写することができる。その結果、光学フィルム貼付システム70は、光学フィルム122をパネル110の第1面及び第2面のいずれか一方の面又は双方の面に選択的に転写することができる。
また、分割機構190が光学フィルム貼付システム70の内部に設けられている場合に、ステップS335の処理は、光学フィルム貼付システム70によって行うことができる。
<光学フィルム貼付システムの主な特徴>
本実施形態5に係る光学フィルム貼付システム70は、以下の特徴を有している。
(1)光学フィルム貼付システム70は、第1貼付装置71及び第2貼付装置72を有しており、第1貼付装置71及び第2貼付装置72が実施形態1〜実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1,1A,1B,1Cのいずれかの装置によって構成されている。
そのため、光学フィルム貼付システム70は、実施形態1〜実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1,1A,1B,1Cと同様の効果(すなわち、光学フィルム122をパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができるという効果や、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができるという効果等)を得ることができる。
(2)光学フィルム貼付システム70は、第1貼付装置71及び第2貼付装置72によって、光学フィルム122をパネル110の第1面及び第2面のいずれか一方の面又は双方の面に選択的に転写することができる。
(3)光学フィルム貼付システム70は、パネル搬送機構81を中心にして、主要な構成要素(例えば、レーザ照射機構61a,61b、第1貼付装置71、第2貼付装置72、ターン機構82等)をその周囲に配置した構成になっている。また、光学フィルム貼付システム70は、比較的大型化な構成の2つの貼付装置(第1貼付装置71及び第2貼付装置72)が平行に配置された構成になっている。
このような光学フィルム貼付システム70は、比較的コンパクトなサイズで、パネル110の表裏面の反転処理やパネル110の配置方向の変更処理を実行することができる。また、光学フィルム貼付システム70は、各構成要素間でのパネル110の搬送時間を短縮することができる。
以上の通り、本実施形態5に係る光学フィルム貼付システム70によれば、実施形態1〜実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1,1A,1B,1Cと同様の効果(すなわち、光学フィルム122をパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができるという効果や、光学フィルム122の転写部分124のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができるという効果等)を得ることができる。
また、光学フィルム貼付システム70によれば、光学フィルム122をパネル110の第1面及び第2面のいずれか一方の面又は双方の面に選択的に転写することができる。
また、光学フィルム貼付システム70によれば、比較的コンパクトなサイズで、パネル110の表裏面の反転処理やパネル110の配置方向の変更処理を実行することができる。また、光学フィルム貼付システム70は、各構成要素間でのパネル110の搬送時間を短縮することができる。
[実施形態6]
実施形態1〜4に係る光学フィルム貼付装置1,1A,1B,1Cは、ロールフィルム120の上層部分を1乃至複数枚の転写部分124と不要部分125とに切断して、転写部分124をパネル110に転写する構成になっている。
これに対して、本実施形態6では、ロールフィルム120の上層部分を1枚分の大きさに切断してパネル110に転写し、その後に不要部分を除去する光学フィルム貼付装置1Dを提供する。
以下、図17及び図18を参照して、本実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dの構成につき説明する。図17は、光学フィルム貼付装置1Dの側面構成を示す図である。図18は、光学フィルム貼付装置1Dの上面構成を示す図である。
図17に示すように、本実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dは、実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1C(図12参照)と類似した構成になっている。ただし、本実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dは、実施形態4に係る光学フィルム貼付装置1Cと比較すると、(1)ハーフカット機構20の切断手段として、レーザ照射機構22の代わりに、ディスクカッター装置21bを備える点、(2)除去機構30の剥離巻取機構31として機能するガイドローラ17及び不要部分巻取部32が削除されている点、(3)ガイドローラ15bとステージ7との間にニップローラ18を有している点、及び、(4)レーザ照射機構61を切断機構25及び除去機構30として用いる点で相違している。
ディスクカッター装置21bは、回転刃で横方向に切断する機構である。本実施形態6では、光学フィルム貼付装置1Dは、ディスクカッター装置21bによって、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)をパネル110のサイズに合わせて1枚分の大きさに切断する。以下、切断された1枚分の大きさのロールフィルム120の上層部分を「切断光学フィルム120ct」と称する。
図18は、ディスクカッター装置21bによってロールフィルム120の上層部分に切れ目ct1を入れることによって、切断光学フィルム120ctを形成することを示している。
光学フィルム貼付装置1Dは、転写機構40によって切断光学フィルム120ctをパネル110に転写(貼付)する。
この後、光学フィルム貼付装置1Dは、レーザ照射機構61のレーザ照射手段からレーザ64(図14B参照)を切断光学フィルム120ctに向けて照射する。このとき、レーザ照射手段は、切断光学フィルム120ctを切断させることができるものの、パネル110を傷付けることがない程度の出力でレーザ64を照射する。
そして、光学フィルム貼付装置1Dは、レーザ64(図14B参照)を切断光学フィルム120ctに照射しながら、必要部分126(図18参照)の形状に合わせて、ステージ7を矢印B11の方向に移動させるとともに、レーザ照射手段を矢印B12の方向に移動させる。これによって、図18に示すように、光学フィルム貼付装置1Dは、パネル110に転写された切断光学フィルム120ctを切断して、必要部分126(図18参照)とそれ以外の不要部分127(図18参照)とを形成する。ここで、「必要部分126」とは、転写部分としてパネル110に残す部分を意味している。
光学フィルム貼付装置1Dは、各必要部分126と不要部分127とを形成すると、レーザ照射手段の出力を落とす。そして、光学フィルム貼付装置1Dは、レーザ64(図14B参照)を不要部分127に照射する。このとき、レーザ照射手段は、切断光学フィルム120ctの不要部分127を気化させることができるものの、パネル110を傷付けることがない程度の出力でレーザ64を照射する。
そして、光学フィルム貼付装置1Dは、レーザ64(図14B参照)を不要部分127に照射しながら、レーザ64が不要部分127の全域に照射されるように、ステージ7を矢印B11の方向に移動させるとともに、レーザ照射機構61のレーザ照射手段を矢印B12の方向に移動させる。これによって、光学フィルム貼付装置1Dは、不要部分127を気化させて、不要部分127を除去する。その結果、図18に示すように、光学フィルム貼付装置1Dは、各必要部分(転写部分)126がパネル110の表面に転写(貼付)された光学フィルム結合体を製造することができる。
このような光学フィルム貼付装置1Dは、レーザ照射機構61を、切断光学フィルム120ctを切断することによって必要部分126を形成する切断機構25として用いるとともに、切断光学フィルム120ctの不要部分127を気化させることによって除去する除去機構30として用いている。
かかる構成において、光学フィルム貼付装置1Dは、表面に光学フィルム122が貼り合わされているロールフィルム120を、引き出し方向に沿ってトルクをかけた状態で展開し、その状態でロールフィルム120の上層部分をパネル110のサイズに合わせて1枚分の大きさの切断光学フィルム120ctに切断して、パネル110に転写し、その後に、切断光学フィルム120ctに必要部分126と不要部分127とを形成して、不要部分127を除去する。
このような光学フィルム貼付装置1Dは、切断光学フィルム120ctのパネル110への転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる。
しかも、光学フィルム貼付装置1Dは、ロールフィルム120を引き出し方向に沿ってトルクをかけた状態で展開するため、微細な歪みが切断光学フィルム120ctに発生することを抑制することができる。これにより、光学フィルム貼付装置1Dは、切断光学フィルム120ctを歪ませることなく、適正にパネル110に転写(貼付)することができる。そして、光学フィルム貼付装置1Dは、その状態で転写部分として残す必要部分126を形成することにより、切断光学フィルム120ctの必要部分(転写部分)126のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができる。その結果、光学フィルム貼付装置1は、製造する光学製品の品質を向上させることができる。
以上の通り、本実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dによれば、切断光学フィルム120ctをパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができる。また、光学フィルム貼付装置1Dによれば、切断光学フィルム120ctの必要部分(転写部分)126のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができる。
[実施形態7]
実施形態5に係る光学フィルム貼付システム70は、ロールフィルム120の上層部分を1乃至複数枚の転写部分124と不要部分125とに切断して、転写部分124をパネル110に転写(貼付)する処理を、2つの実施形態2に係る光学フィルム貼付装置1Aを用いて、パネル110の第1面及び第2面に対して行う構成になっている。
これに対して、本実施形態7は、ロールフィルム120の上層部分を1枚分の大きさの切断光学フィルム120ctに切断してパネル110に転写(貼付)し、その後に不要部分127を除去する処理を、2つの実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dを用いて、パネル110の第1面及び第2面に対して行う光学フィルム貼付システム170を提供する。
<光学フィルム貼付システムの構成>
以下、図19を参照して、本実施形態7に係る光学フィルム貼付システム170の構成につき説明する。図19は、光学フィルム貼付システム170の構成を模式的に示す図である。
図19に示すように、本実施形態7に係る光学フィルム貼付システム170は、実施形態5に係る光学フィルム貼付システム70(図15参照)と比較すると、(1)実施形態5に係る第1貼付装置71及び第2貼付装置72の代わりに、第1貼付装置171及び第2貼付装置172を有する点、及び、(2)パネル搬送機構81の周囲にピーラ34a,34bを有する点で相違している。
第1貼付装置171及び第2貼付装置172は、実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1D(図17参照)によって構成されている。したがって、第1貼付装置171及び第2貼付装置172は、ロールフィルム120の上層部分(光学フィルム122及びカバーフィルム123)を、パネル110のサイズに合わせて1枚分の大きさの切断光学フィルム120ctに切断して、パネル110に転写する構成になっている。
ピーラ34a,34bは、パネル110から切断光学フィルム120ctの不要部分125を剥離させることによって、不要部分127を除去する剥離装置である。ピーラ34aは、パネル110の第1面から不要部分127を除去する除去機構30として機能する。一方、ピーラ34bは、パネル110の第2面から不要部分127を除去する除去機構30として機能する。以下、ピーラ34a,34bを総称する場合に、「ピーラ34」と称する。ピーラ34の構成については、後記する。
ピーラ34a,34bは、パネル搬送機構81の周囲の他の構成要素を避けた場所に配置されている。ピーラ34aは、好ましくは、第1貼付装置171に近い場所に配置されるとよい。また、ピーラ34bは、好ましくは、第2貼付装置172に近い場所に配置されるとよい。図19に示す例では、ピーラ34aは、第1貼付装置171と第2貼付装置172との間に配置されている。ピーラ34bは、第2貼付装置172とレーザ照射機構61bの間に配置されている。
なお、本実施形態7では、光学フィルム貼付システム170は、除去機構30として機能するピーラ34a,34bを有する代わりに、レーザ照射機構61を、除去機構30として機能させずに、切断機構25としてのみ機能させる構成になっている。
<光学フィルム貼付システムの動作>
以下、図19及び図20を参照して、光学フィルム貼付システム170の動作につき説明する。図20は、光学フィルム貼付システム170の動作を示すフローチャートである。
図20に示すように、本実施形態7に係る光学フィルム貼付システム170の動作は、実施形態5に係る光学フィルム貼付システム70の動作(図16参照)と比較すると、(1)ステップS120〜S135の処理の代わりに、ステップS120a〜S137の処理を行う点、及び、(2)ステップS220〜S235の処理の代わりに、ステップS220a〜S237の処理を行う点で相違している。
図20に示すように、光学フィルム貼付システム170では、まず、第1貼付装置171及び第2貼付装置172が、それぞれに対応するロールフィルム120a,120bを展開する(ステップS115)。
次に、パネル搬送機構181が、パネル110を供給部180から光学フィルム貼付システム170に搬送して(図19の矢印C1参照)、供給受付部80に載置する(ステップS116)。
パネル110が供給受付部80に載置されると、パネル搬送機構81が、パネル110を供給受付部80から取り出して、第1貼付装置171に搬送し、第1貼付装置171のステージ7(図17参照)に載置する(図19の矢印E1,E2参照)。
次に、第1貼付装置171のハーフカット機構20であるディスクカッター装置21b(図17参照)が、ロールフィルム120aの上層部分を1枚分の大きさに切断して、第1面への転写用の切断光学フィルム120ct(以下、「第1面用切断光学フィルム120ct1(図23A参照)」と称する)を形成する(ステップS120a)。
次に、第1貼付装置171の転写機構40(図17参照)が、ロールフィルム120aに形成された第1面用切断光学フィルム120ct1をパネル110の第1面に転写する(ステップS130a)。
第1面用切断光学フィルム120ct1がパネル110の第1面に転写されると、パネル搬送機構81が、パネル110を第1貼付装置171のステージ7(図17参照)から取り出して、レーザ照射機構61aに搬送する(図19の矢印E3,E4参照)。
次に、レーザ照射機構61aが、第1面用切断光学フィルム120ct1の必要部分126の形成処理を行う(ステップS135a)。このとき、レーザ照射機構61aは、パネル110に予め形成されている各貼付領域114の形状に合わせて、レーザ61(図14B参照)を第1面用切断光学フィルム120ct1に照射する。これによって、レーザ照射機構61aは、第1面用切断光学フィルム120ct1に区切る切れ目ct2(図21(a)参照)を形成して、第1面用切断光学フィルム120ct1に必要部分126と不要部分127とを形成する。
第1面用切断光学フィルム120ct1の必要部分126の形成処理が行われると、パネル搬送機構81が、パネル110をレーザ照射機構61aから取り出して、ピーラ34aに搬送する(図19の矢印E5,E6参照)。
次に、ピーラ34aが、第1面用切断光学フィルム120ct1の不要部分127の除去処理を行う(ステップS137)。
第1面用切断光学フィルム120ct1の不要部分127の除去処理が行われると、パネル搬送機構81が、パネル110をピーラ34aから取り出して、ターン機構82に搬送する(図19の矢印E7,E8参照)。
次に、ターン機構82が、パネル110の上面を第1面から第2面にターンさせる(ステップS140)。
パネル110がターンされると、パネル搬送機構81が、パネル110をターン機構82から取り出して、第2貼付装置172に搬送し、第2貼付装置172のステージ7(図17参照)に載置する(図19の矢印E9,E10参照)。
次に、第2貼付装置172のハーフカット機構20であるディスクカッター装置21b(図17参照)が、ロールフィルム120bの上層部分を1枚分の大きさに切断して、第2面への転写用の切断光学フィルム120ct(以下、「第2面用切断光学フィルム120ct2(図23D参照)」と称する)を形成する(ステップS220a)。
次に、第2貼付装置172の転写機構40(図17参照)が、ロールフィルム120bに形成された第2面用切断光学フィルム120ct2をパネル110の第2面に転写する(ステップS230a)。
第2面用切断光学フィルム120ct2がパネル110の第2面に転写されると、パネル搬送機構81が、パネル110を第2貼付装置172のステージ7(図17参照)から取り出して、レーザ照射機構61bに搬送する(図19の矢印E11,E12参照)。
次に、レーザ照射機構61bが、レーザ照射機構61aによるステップS135aの処理と同様に、第2面用切断光学フィルム120ct2の必要部分126の形成処理を行う(ステップS235a)。
第2面用切断光学フィルム120ct2の必要部分126の形成処理が行われると、パネル搬送機構81が、パネル110をレーザ照射機構61bから取り出して、ピーラ34bに搬送する(図19の矢印E13,E14参照)。
次に、ピーラ34bが、第2面用切断光学フィルム120ct2の不要部分127の除去処理を行う(ステップS237)。
第2面用切断光学フィルム120ct2の不要部分127の除去処理が行われると、パネル搬送機構81が、パネル110をピーラ34bから取り出して、ターン機構82に搬送する(図19の矢印E15,E16参照)。
次に、ターン機構82が、パネル110の上面を第2面から第1面にターンさせる(ステップS240)。
パネル110がターンされると、パネル搬送機構81が、パネル110をターン機構82から取り出して、集積部83に搬送し、集積部83に載置する(ステップS241)(図19の矢印E17,E18参照)。
ステップS241の後、パネル搬送機構181が、パネル110を集積部83から取り出して、分割機構190に搬送する(図19の矢印C2参照)。
分割機構190は、各貼付領域114(図14A参照)に合わせて、パネル110を複数の光学フィルム結合体に分割する(ステップS335)。その結果、光学製品としての複数の光学フィルム結合体131(図23H参照)が製造される。
なお、分割機構190が光学フィルム貼付システム170の内部に設けられている場合に、ステップS335の処理は、光学フィルム貼付システム170によって行うことができる。
<ピーラの構成及び動作>
(ピーラの概略構成及び動作)
以下、図21を参照して、ピーラ34の概略構成及び動作につき説明する。図21は、本実施形態7で用いる剥離装置であるピーラ34の概略構成を示す図である。
図21(a)に示すように、ピーラ34は、ニップローラ35ea,35eb、及び、フィルムクランパ35faを備えている。
ニップローラ35ea,35ebは、パネル110を挟み込むローラである。
フィルムクランパ35faは、パネル110に転写(貼付)された切断光学フィルム120ctの不要部分127を把持(クランプ)するフィルムクランプ手段である。
切断光学フィルム120ctには、レーザ照射機構61a(又はレーザ照射機構61b)によって、必要部分(転写部分)126と不要部分127とを区切る切れ目ct2が形成されている。
ピーラ34は、ニップローラ35ea,35ebでパネル110を挟み込むとともに、フィルムクランパ35faで切断光学フィルム120ctの不要部分127の端部を把持(クランプ)し、その状態でパネル110を移動させる。このとき、切断光学フィルム120ctは、切れ目ct2に沿って、必要部分(転写部分)126と不要部分127とに分離する。そのため、ピーラ34は、パネル110から不要部分127のみを剥離させることができる。その結果、図21(b)に示すように、ピーラ34は、必要部分(転写部分)126のみをパネル110に残すことができる。
(ピーラの詳細な構成及び動作)
以下、図22A〜図22Fを参照して、ピーラ34の詳細な構成及び動作につき説明する。図22A〜図22Fは、ピーラ34の動作例を示す図である。
ピーラ34は、前記したニップローラ35ea,35ebとフィルムクランパ35faとに加え、コンベア35a(図22A参照)、パネルクランパ35b(図22A参照)、粘着テープ35ca(図22C参照)、及び、粘着テープローラ35da(図22C参照)を備えている。
コンベア35a(図22A参照)は、パネル110を搬送する機構である。
パネルクランパ35b(図22A参照)は、パネル110の端部を把持(クランプ)するパネルクランプ手段である。
粘着テープ35ca(図22C参照)は、露出面が粘着面になっているテープである。
粘着テープローラ35da(図22C参照)は、粘着テープ35caを上下動させるローラである。粘着テープローラ35daは、粘着テープ35caを移動可能に保持する粘着テープ保持手段として機能する。
図22Aに示すように、図20のステップS137又はステップS237の処理時(「(第1面用又は第2面用)切断光学フィルムの不要部分の除去」時)において、ピーラ34は、コンベア35aでパネル110を搬送して、パネル110の端部をパネルクランパ35bで挟み込むことが可能な位置に配置する。パネルクランパ35bは、上部部材35baと下部部材35bbとを備えており、上部部材35baと下部部材35bbとでパネル110を挟み込む構成になっている。
次に、図22Bに示すように、ピーラ34は、パネルクランパ35bの上部部材35baを下降させる(矢印G11参照)とともに、パネルクランパ35bの下部部材35bbを上昇させて(矢印G12参照)、パネルクランパ35bを閉じさせる。これによって、ピーラ34は、パネルクランパ35bでパネル110の端部(厳密には、パネル110の端部に形成されている基板の露出部分)を挟み込み、パネル110を固定する。
次に、図22Cに示すように、ピーラ34は、粘着テープローラ35daを下降させて(矢印G13参照)、粘着テープ35caの粘着面(露出面)をパネル110の上面の端部付近に押し付ける。これにより、ピーラ34は、切断光学フィルム120ctの不要部分127の端部付近を粘着テープ35caに粘着させる。
なお、粘着テープローラ35daは、図22Dに示すように、ニップローラ35eaとパネルクランパ35bの上部部材35baとの間に配置されている。粘着テープ35caは、図示せぬ付勢機構によってパネル110から離間する方向(図22Cに示す例では上方向)に付勢されている。粘着テープローラ35daは、図示せぬ付勢機構の付勢力に抗して、粘着テープ35caをパネル110に近接する方向(図22Cに示す例では下方向)に押圧する。
次に、図22Dに示すように、ピーラ34は、ニップローラ35eaを下降させる(矢印G15参照)とともに、ニップローラ35ebを上昇させて(矢印G16参照)、ニップローラ35ea,35ebでパネル110を挟み込む。この後、ピーラ34は、粘着テープローラ35daを上昇させる(矢印G17参照)。このとき、切断光学フィルム120ctの不要部分127の端部付近は、粘着テープ35caに粘着しているため、パネル110の上面から剥離する。
次に、図22Eに示すように、ピーラ34は、フィルムクランパ35faで切断光学フィルム120ctの不要部分127の端部を把持(クランプ)させる(矢印G19参照)。
次に、図22Fに示すように、ピーラ34は、フィルムクランパ35faを上昇させてから、フィルムクランパ35faを切断光学フィルム120ctの不要部分127の剥離方向に移動させる(矢印G21参照)。同時に、ピーラ34は、パネルクランパ35bの上部部材35baを上昇させ(矢印G23参照)、パネルクランパ35bの下部部材35bbを下降させて(矢印G24参照)、パネルクランパ35b(図22A参照)を開けさせ、さらに、コンベア35aでパネル110をパネルクランパ35b(図22A参照)側に搬送する(矢印G25参照)。これによって、ピーラ34は、切断光学フィルム120ctの不要部分127をパネル110の上面から剥離させる。
以下、図23A〜図23Hを参照して、光学フィルム貼付システム170の動作例につき説明する。図23A〜図23Hは、光学フィルム貼付システム170の動作例を示す図である。図23A〜図23Hは、それぞれ、パネル110の上面視構成と側面視構成とを、上下に並べて示している。
図23Aに示すように、図20のステップS130aの処理時(「1枚分の第1面用切断光学フィルムの転写(貼付)」時)において、光学フィルム貼付システム170は、第1面用切断光学フィルム120ct1をパネル110の第1面(基板100aの表面)に転写(貼付)する。
次に、図23Bに示すように、図20のステップS135aの処理時(「第1面用切断光学フィルムの必要部分の形成」時)において、光学フィルム貼付システム170は、第1面用切断光学フィルム120ct1に切れ目ct2を形成して、第1面用切断光学フィルム120ct1に必要部分126と不要部分127とを形成する。
次に、図23Cに示すように、図20のステップS137の処理時(「第1面用切断光学フィルムの不要部分の除去」時)において、光学フィルム貼付システム170は、パネル110の第1面用切断光学フィルム120ct1から不要部分127を剥離させる。
次に、図23Dに示すように、図20のステップS140の処理時(「第1面から第2面へのターン」時)において、光学フィルム貼付システム170は、パネル110の上面を第1面(基板100aの表面)から第2面(基板100bの表面)にターンさせる。そして、図20のステップS230aの処理時(「1枚分の第2面用切断光学フィルムの転写(貼付)」時)において、光学フィルム貼付システム170は、第2面用切断光学フィルム120ct2をパネル110の第2面(基板100bの表面)に転写(貼付)する。
次に、図23Eに示すように、図20のステップS235aの処理時(「第2面用切断光学フィルムの必要部分の形成」時)において、光学フィルム貼付システム170は、第2面用切断光学フィルム120ct2に切れ目ct2を形成して、第2面用切断光学フィルム120ct2に必要部分126と不要部分127とを形成する。
次に、図23Fに示すように、図20のステップS237の処理時(「第2面用切断光学フィルムの不要部分の除去」時)において、光学フィルム貼付システム170は、パネル110の第2面用切断光学フィルム120ct2から不要部分127を剥離させる。
次に、図23Gに示すように、図20のステップS240の処理時(「第2面から第1面へのターン」時)において、光学フィルム貼付システム170は、パネル110の上面を第2面(基板100bの表面)から第1面(基板100aの表面)にターンさせる。この後、パネル110は、光学フィルム貼付システム170から分割機構190に搬送される。
次に、図23Hに示すように、図20のステップS335の処理時(「分割」時)において、分割機構190は、各貼付領域114(図14A参照)に合わせて、パネル110を複数の光学フィルム結合体に分割する。このとき、パネル110の不要部分が取り除かれる。その結果、光学製品としての複数の光学フィルム結合体131が製造される。
<ピーラの変形例>
ピーラ34は、例えば、図24A〜図24Fに示すピーラ134のように変形することができる。ピーラ134は、パネル110の両面(第1面及び第2面)から同時に不要部分125を剥離させることができる剥離装置である。光学フィルム貼付システム170は、変形例に係るピーラ134を用いる場合に、ピーラ34a,34bを1つに統合することができる。
以下、図24A〜図24Fを参照して、変形例に係るピーラ134の動作につき説明する。図24A〜図24Fは、ピーラ134の動作例を示す図である。
ピーラ134は、ピーラ34(図22C及び図22E参照)と比較すると、粘着テープ35cb(図24C参照)、粘着テープローラ35db(図24C参照)、及び、フィルムクランパ35fb(図24E参照)を備える点で相違している。
粘着テープ35cb(図24C参照)は、粘着テープ35caと同様に、露出面が粘着面になっているテープである。
粘着テープローラ35db(図24C参照)は、粘着テープ35cbを上下動させるローラである。粘着テープローラ35dbは、粘着テープ35cbを移動可能に保持する粘着テープ保持手段として機能する。
フィルムクランパ35fb(図24E参照)は、パネル110の下面側に転写(貼付)された切断光学フィルム120ct2の不要部分127を把持(クランプ)するフィルムクランプ手段である。
粘着テープ35cb、粘着テープローラ35db、及び、フィルムクランパ35fbは、それぞれ、粘着テープ35ca、粘着テープローラ35da、及び、フィルムクランパ35faに対向して、パネル110の下面側に配置されている。
図24Aに示すように、図20のステップS137又はステップS237の処理時(「(第1面用又は第2面用)切断光学フィルムの不要部分の除去」時)において、ピーラ134は、コンベア35aでパネル110を搬送して、パネル110の端部をパネルクランパ35bで挟み込むことが可能な位置に配置する。パネル110は、第1切断光学フィルム120ct1と第2切断光学フィルム120ct2とが上面と下面とに転写(貼付)されている。
次に、図24Bに示すように、ピーラ134は、ピーラ34と同様に、パネルクランパ35bでパネル110の端部を挟み込む。
次に、図24Cに示すように、ピーラ134は、粘着テープローラ35daを下降させて(矢印G13参照)、粘着テープ35caの粘着面(露出面)をパネル110の上面の端部付近に押し付ける。また、ピーラ134は、粘着テープローラ35dbを上昇させて(矢印G14参照)、粘着テープ35cbの粘着面(露出面)をパネル110の下面の端部付近に押し付ける。これにより、ピーラ134は、第1切断光学フィルム120ct1の不要部分127の端部付近を粘着テープ35caに粘着させるとともに、第2切断光学フィルム120ct2の不要部分127の端部付近を粘着テープ35cbに粘着させる。
次に、図24Dに示すように、ピーラ134は、ニップローラ35eaを下降させる(矢印G15参照)とともに、ニップローラ35ebを上昇させて(矢印G16参照)、ニップローラ35ea,35ebでパネル110を挟み込む。この後、ピーラ134は、粘着テープローラ35daを上昇させる(矢印G17参照)とともに、粘着テープローラ35dbを下降させる(矢印G18参照)。これにより、ピーラ134は、上面側の第1切断光学フィルム120ct1の不要部分127の端部をパネル110の上面から剥離させるとともに、下面側の第2切断光学フィルム120ct2の不要部分127の端部をパネル110の下面から剥離させる。
次に、図24Eに示すように、ピーラ134は、フィルムクランパ35faで上面側の第1切断光学フィルム120ct1の不要部分127の端部を把持(クランプ)させる(矢印G19参照)とともに、フィルムクランパ35fbで下面側の第2切断光学フィルム120ct2の不要部分127の端部を把持(クランプ)させる(矢印G20参照)。
次に、図24Fに示すように、ピーラ134は、フィルムクランパ35faを上昇させてから、フィルムクランパ35faを第1切断光学フィルム120ct1の不要部分127の剥離方向に移動させる(矢印G21参照)とともに、フィルムクランパ35fbを下降させてから、フィルムクランパ35fbを第2切断光学フィルム120ct2の不要部分127の剥離方向に移動させる(矢印G22参照)。同時に、ピーラ134は、パネルクランパ35bの上部部材35baを上昇させ(矢印G23参照)、パネルクランパ35bの下部部材35bbを下降させて(矢印G24参照)、パネルクランパ35b(図24A参照)を開けさせ、さらに、コンベア35aでパネル110をパネルクランパ35b(図24A参照)側に搬送する(矢印G25参照)。これによって、ピーラ134は、上面側の第1切断光学フィルム120ct1の不要部分127をパネル110の上面から剥離させるとともに、下面側の第2切断光学フィルム120ct2の不要部分127をパネル110の下面から剥離させる。
以下、図25A〜図25Dを参照して、変形例に係るピーラ134を用いた場合の光学フィルム貼付システム170の動作例につき説明する。図25A〜図25Dは、変形例に係るピーラ134を用いた場合の光学フィルム貼付システム170の動作例を示す図である。図25A〜図25Dは、それぞれ、パネル110の上面視構成と側面視構成とを、上下に並べて示している。
図25Aに示すように、光学フィルム貼付システム170は、第1面用切断光学フィルム120ct1及び第2面用切断光学フィルム120ct2をパネル110の第1面(基板100aの表面)及び第2面(基板100bの表面)に転写(貼付)する。
次に、図25Bに示すように、光学フィルム貼付システム170は、第1面用切断光学フィルム120ct1及び第2面用切断光学フィルム120ct2に切れ目ct2を形成して、第1面用切断光学フィルム120ct1及び第2面用切断光学フィルム120ct2に必要部分126と不要部分127とを形成する。
次に、図25Cに示すように、光学フィルム貼付システム170は、パネル110の第1面用切断光学フィルム120ct1及び第2面用切断光学フィルム120ct2から不要部分127を剥離させる。この後、パネル110は、光学フィルム貼付システム170から分割機構190に搬送される。
次に、図25Dに示すように、分割機構190は、各貼付領域114(図14A参照)に合わせて、パネル110を複数の光学フィルム結合体に分割する。このとき、パネル110の不要部分が取り除かれる。その結果、光学製品としての複数の光学フィルム結合体131が製造される。
<光学フィルム貼付システムの主な特徴>
本実施形態7に係る光学フィルム貼付システム170は、以下の特徴を有している。
(1)光学フィルム貼付システム170は、第1貼付装置171及び第2貼付装置172を有しており、第1貼付装置171及び第2貼付装置172が実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dによって構成されている。
そのため、光学フィルム貼付システム170は、実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dと同様の効果(すなわち、切断光学フィルム120ctをパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができるという効果や、切断光学フィルム120ctの必要部分(転写部分)126のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができるという効果等)を得ることができる。
(2)光学フィルム貼付システム170は、第1貼付装置171及び第2貼付装置172によって、切断光学フィルム120ctをパネル110の第1面及び第2面のいずれか一方の面又は双方の面に選択的に転写することができる。
(3)光学フィルム貼付システム170は、パネル搬送機構81を中心にして、主要な構成要素(例えば、レーザ照射機構61a,61b、第1貼付装置171、第2貼付装置172、ターン機構82等)をその周囲に配置した構成になっている。
このような光学フィルム貼付システム170は、実施形態5に係る光学フィルム貼付システム70と同様に、比較的コンパクトなサイズで、パネル110の表裏面の反転処理やパネル110の配置方向の変更処理を実行することができる。また、光学フィルム貼付システム170は、各構成要素間でのパネル110の搬送時間を短縮することができる。
以上の通り、本実施形態7に係る光学フィルム貼付システム170によれば、実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dと同様の効果(すなわち、切断光学フィルム120ctをパネル110に転写(貼付)する転写処理を、複数枚分の製品単位で1回行うことにより、光学製品として、複数枚の光学フィルム結合体を同時に製造することができるという効果や、切断光学フィルム120ctの必要部分(転写部分)126のパネル110への位置合わせ精度を向上させることができるという効果等)を得ることができる。
また、光学フィルム貼付システム170によれば、切断光学フィルム120ctをパネル110の第1面及び第2面のいずれか一方の面又は双方の面に選択的に転写することができる。
また、光学フィルム貼付システム170によれば、比較的コンパクトなサイズで、パネル110の表裏面の反転処理やパネル110の配置方向の変更処理を実行することができる。また、光学フィルム貼付システム170は、各構成要素間でのパネル110の搬送時間を短縮することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dは、レーザ照射機構61を除去機構30として用いている。しかしながら、実施形態6に係る光学フィルム貼付装置1Dは、実施形態7で説明したピーラ34(図21、図22A〜図22F参照)又はピーラ134(図24A〜図24F参照)を有しており、ピーラ34又はピーラ134を除去機構30として用いる構成であってもよい。