(実施の形態の概要)
実施の形態の説明に先立って、本実施の形態の概要について説明する。図1は、本実施の形態にかかる物流拠点管理システム1の概要を示す模式図である。図1に示すように、物流拠点管理システム1は、物流拠点管理装置2と、可搬端末3とを有する。物流拠点管理装置2及び可搬端末3は、ネットワークを介して接続されている。
物流拠点管理装置2は、混雑判定部21と、混雑通知部22とを有する。混雑判定部21は、物流拠点内に滞在する運搬車両数の混雑度合いを判定する。また、混雑通知部22は、混雑判定部21により混雑状態と判定された場合に、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両に向けて、混雑状態であることを通知する。
可搬端末3は、混雑状態受信部31と、報知部32とを有する。混雑状態受信部31は、物流拠点管理装置2から混雑状態であることの通知を受信する。また、報知部32は、混雑状態受信部31が通知を受信した場合に、物流拠点が混雑状態である旨を報知する。
本実施の形態にかかる物流拠点管理システム1によれば、まだ入場していないが、これから入場する予定の運搬車両に向けて、物流拠点が混雑していることが通知される。このため、当該運搬車両の運転手は、入場を控えることが可能となり、物流拠点の混雑を抑制することができる。また、物流拠点管理装置2、可搬端末3、物流拠点管理装置2において実現される物流拠点管理方法及びプログラム、並びに可搬端末3において実現される物流拠点管理方法及びプログラムによっても、物流拠点の混雑を抑制することができる。
(第1の実施の形態の詳細)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の詳細について説明する。図2は、本実施の形態にかかる物流拠点管理システム1の詳細な構成の一例を示す模式図である。図2に示されるように、物流拠点管理システム1は、物流拠点管理装置2と、可搬端末3−1〜3−nと、入場用ビーコン発信機4と、退場用ビーコン発信機5と、拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mとを有する。なお、n及びmは、1以上の任意の整数である。物流拠点管理装置2と可搬端末3−1〜3−nとは、ネットワーク7を介して互いに接続されている。以下の説明において、可搬端末3−1〜3−nを区別しないで説明する場合、可搬端末3と総称する。また、拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mを区別しないで説明する場合、拠点内ビーコン発信機6と総称する。
ネットワーク7は、例えばLAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信網(通信回線)であり、無線通信網である。なお、ネットワーク7は、可搬端末3−1〜3−nが運搬車両の運転手に可搬された状態で通信可能であればよく、一部に有線通信網が含まれてもよい。また、ネットワーク7は、複数の異なるネットワークから構成されてもよい。例えば、ネットワーク7は、インターネット及びLANが接続されて構成されてもよい。また、ネットワーク7は、LAN及び電話回線が接続されて構成されてもよい。
入場用ビーコン発信機4は、物流拠点における、運搬車両の入場口に設けられている。入場用ビーコン発信機4は、固有の識別情報を含む信号を発信する。例えば、入場用ビーコン発信機4は、Bluetooth(登録商標)の省電力規格であるBLE(Bluetooth Low Energy)の通信機能を備えた装置である。なお、入場用ビーコン発信機4は、可搬端末3−1〜3−nと無線通信が可能であればよく、必ずしも通信方式がBluetoothでなくてもよい。入場用ビーコン発信機4は、例えば予め定められた時間間隔で、入場用ビーコン発信機4に固有の識別情報を含むフレームデータを入場用ビーコン発信機4の設置箇所の周囲に発信する。
退場用ビーコン発信機5は、物流拠点における、運搬車両の退場口に設けられている。退場用ビーコン発信機5も、固有の識別情報を含む信号を発信する。例えば、退場用ビーコン発信機5は、BLEの通信機能を備えた装置である。なお、退場用ビーコン発信機5は、可搬端末3−1〜3−nと無線通信が可能であればよく、必ずしも通信方式がBluetoothでなくてもよい。退場用ビーコン発信機5は、例えば予め定められた時間間隔で、退場用ビーコン発信機5に固有の識別情報を含むフレームデータを退場用ビーコン発信機5の設置箇所の周囲に発信する。
拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mは、物流拠点内の任意の地点に設けられている。例えば、拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mは、物流拠点内に設けられた運搬車両の待機場所、運搬車両に対する貨物の積み下ろし場所(バース)、運搬車両の移動経路などに設けられている。なお、後述するように、拠点内ビーコン発信機6は、物流拠点内における運搬車両の位置を特定するために用いられるため、拠点内ビーコン発信機6の設置場所が多ければ多いほど、物流拠点内における運搬車両の位置の特定において有利である。拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mも、それぞれ固有の識別情報を含む信号を発信する。例えば、拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mは、BLEの通信機能を備えた装置である。なお、拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mも、可搬端末3−1〜3−nと無線通信が可能であればよく、必ずしも通信方式がBluetoothでなくてもよい。
入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6は、例えば、固有の識別情報を発信する発信器により構成されている。この発信器は、例えば電池により駆動する。なお、電池での駆動の場合、省電力規格であるBLEを通信方式として採用することが好ましい。入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6による運搬車両の位置特定では、次のような利点がある。まず、入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6は、地中に埋設する必要がないので、地中にループコイルなどを埋設した車両検知センサなどに比べて、施工が容易である。また、電力供給のための配線、通信のための配線などを省略することが可能であるため、設置コストを低減することができる。また、車両検知センサでは、車両の有無のみが検知されるのに対し、ビーコン発信機を用いた場合、発信信号を受信した側の識別情報を用いることにより、どの運搬車両がどこに存在するかを把握することが可能となる。また、GPSによる位置情報の取得の場合、例えば、ビルの陰や屋内など、衛星からの電波が受信できないような場所では正確な位置情報の取得が困難であるが、ビーコン発信機による位置の特定ではそのような問題は起こらない。
なお、入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6は、必ずしも電池により駆動しなくてもよい。例えば、太陽光発電機能をビーコン発信機に搭載し、太陽光発電により生み出された電力により駆動してもよいし、他の電源から電線を介して供給された電力により駆動してもよい。
次に、物流拠点管理装置2の詳細について説明する。物流拠点管理装置2は、例えばコンピュータで構成される。図3は、物流拠点管理装置2の詳細な構成の一例について示すブロック図である。図3に示されるように、物流拠点管理装置2は、情報管理部201と、拠点外位置取得部202と、拠点内位置取得部203と、混雑判定部204と、通知対象抽出部205と、混雑通知部206と、表示部207と、作業計画設定部208と、誘導情報送信部209と、作業報告取得部210とを有する。なお、混雑判定部204、混雑通知部206は、それぞれ上述の混雑判定部21、混雑通知部22に対応している。
なお、物流拠点管理装置2が実現する各構成要素は、例えば、物流拠点管理装置2が備える演算装置(図示せず)の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、物流拠点管理装置2に含まれる記録媒体(図示せず)に格納されたプログラムをメモリ(図示せず)にロードし、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置の制御によってプログラムを実行して実現する。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。
情報管理部201は、物流拠点の運営に用いられる各種情報を管理している。情報管理部201は、例えば、作業計画情報、バース情報、車両情報、ビーコン発信機位置情報、運搬車両位置情報、可搬端末情報などを管理している。
作業計画情報は、物流拠点における時間ごとの作業内容の計画を示す情報である。例えば、作業計画情報には、いつ、どの運搬車両についての積み下ろし作業をどの積み下ろし場所で行うか、どの運搬車両をいつ待機場所に待機させるか、どの作業者をどこに配置して作業を進めるかなどの計画が示されている。また、作業計画情報には、作業の実績を示す情報が含まれてもよい。
バース情報は、物流拠点内に存在する積み下ろし場所ごとの特徴を示す情報である。例えば、バース情報には、積み下ろし場所ごとの許容可能な運搬車両の大きさ又は重量や、積み下ろし場所ごとに指定されている配送先が示されている。なお、積み下ろし場所ごとに指定されている配送先は、時間により可変であってもよい。
車両情報は、運搬車両ごとの特徴を示す情報である。例えば、車両情報には、運搬車両ごとの車両の大きさ、車両の重量などの情報が含まれている。また、車両情報は、運搬車両ごとの配送元と配送先を示す情報を含んでいる。また、車両情報は、運搬車両ごとの運搬対象の貨物を示す情報を含んでいる。すなわち、車両情報は、どの運搬車両がどの貨物を物流拠点内に搬入するか、どの運搬車両がどの貨物を物流拠点外へと搬出するかを示す情報を含んでいる。また、車両情報は、運搬車両ごとに、運搬車両が積載して物流拠点に搬入する貨物量と、運搬車両が積載して物流拠点から搬出する貨物量とを示す情報を含んでいる。
ビーコン発信機位置情報は、入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mの設置位置を示す位置情報である。
運搬車両位置情報は、運搬車両の現在地を示す情報である。運搬車両位置情報には、物流拠点外に存在する運搬車両の現在地についての情報と、物流拠点内に存在する運搬車両の現在地についての情報とが含まれる。なお、本実施の形態では、物流拠点内には、物流拠点の入場口及び退場口が含まれるものとする。また、本実施の形態では、後述するように、物流拠点外に存在する運搬車両の現在地の情報は、当該運搬車両とともに移動する可搬端末3がGPS(Global Positioning System)機能を用いることで得られる。また、物流拠点内に存在する運搬車両の現在地の情報は、当該運搬車両とともに移動する可搬端末3が入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5又は拠点内ビーコン発信機6−1〜6−mと通信することで得られる。
可搬端末情報は、可搬端末3と運搬車両との対応関係を示す情報である。すなわち、どの運搬車両にどの可搬端末が対応するかを示す情報である。具体的には、例えば、どの運搬車両の運転手がどの可搬端末を携帯しているかを対応付ける情報である。
以上、情報管理部201が管理する情報の具体例について、作業計画情報、バース情報、車両情報、ビーコン発信機位置情報、運搬車両位置情報、可搬端末情報という分類により説明したが、これら分類は一例であり、管理対象の情報は必ずしもこれらの分類に従わなくてもよい。
拠点外位置取得部202は、物流拠点外の運搬車両の位置情報を取得する。拠点外位置取得部202は、例えば、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両、すなわち未だ物流拠点に到着していない運搬車両の運転手に可搬された可搬端末3から送信された当該運搬車両の位置情報を、ネットワーク7を介して取得する。拠点外位置取得部202は、取得した位置情報を情報管理部201に出力する。なお、情報管理部201は、拠点外位置取得部202が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
拠点内位置取得部203は、物流拠点内の運搬車両の位置情報を取得する。具体的には、拠点内位置取得部203は、物流拠点内に存在する運搬車両の運転手に可搬された可搬端末3から送信された後述する入場信号、退場信号及び拠点信号を、ネットワーク7を介して受信することにより、物流拠点内に存在する運搬車両の位置を取得する。拠点内位置取得部203は、例えば、入場信号、退場信号又は拠点信号を受信すると、情報管理部201が管理するビーコン発信機位置情報を参照して、入場信号、退場信号又は拠点信号に対応するビーコン発信機の位置を取得することで、運搬車両の位置情報を取得する。なお、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
混雑判定部204は、物流拠点内に滞在する運搬車両数の混雑度合いを判定する。具体的には、混雑判定部204は、物流拠点内に滞在している運搬車両数が、予め定められた台数に達した場合に、混雑状態と判定する。ここで、予め定められた台数は、物流拠点が許容可能な運搬車両の台数(許容可能台数)であってもよいし、許容可能台数を基準に設定された運搬車両の台数であってもよい。許容可能台数を基準に設定された運搬車両の台数の一例としては、例えば許容可能台数のXパーセントに相当する台数であってもよい。
混雑判定部204は、例えば、情報管理部201が管理する運搬車両位置情報に基づいて、物流拠点内に滞在している運搬車両数を獲得してもよい。また、混雑判定部204は、可搬端末3から送信された入場信号及び退場信号に基づいて、物流拠点内に滞在する運搬車両数の混雑度合いを判定してもよい。すなわち、混雑判定部204は、可搬端末3から送信された入場信号及び退場信号を監視することで、どの運搬車両が、物流拠点内に現在滞在中であるかを把握し、物流拠点内に滞在する運搬車両数を獲得し、この運搬車両数が予め定められた台数に達したか否かを判定してもよい。ここで、ある運搬車両に関する入場信号を拠点内位置取得部203が受信後、未だ当該運搬車両についての退場信号を拠点内位置取得部203が受信していない場合、当該運搬車両が、物流拠点内に現在滞在中であることがわかる。
また、混雑判定部204は、物流拠点における複数の積み下ろし場所ごとの混雑度合いを判定してもよい。すなわち、混雑判定部204は、積み下ろし場所ごとに、当該積み下ろし場所を利用予定でありかつ物流拠点内に滞在する運搬車両数の混雑度合いを判定してもよい。具体的には、混雑判定部204は、ある積み下ろし場所について、物流拠点内に滞在している運搬車両のうち当該積み下ろし場所を利用予定の運搬車両数が、当該積み下ろし場所に対して設定された予め定められた台数に達した場合に、混雑状態と判定する。ここで、積み下ろし場所に対して設定された予め定められた台数は、積み下ろし場所ごとに異なってもよいし、同じであってもよい。
なお、この場合、混雑判定部204は、例えば、情報管理部201が管理する作業計画情報及び運搬車両位置情報を参照し、物流拠点内に滞在している運搬車両のうち、注目する積み下ろし場所を利用するよう計画されている運搬車両数を獲得してもよい。
通知対象抽出部205は、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両のうち、予め定められた条件を満たす運搬車両を抽出することで、後述する混雑通知部206による通知範囲を選択する。なお、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両は、例えば、情報管理部201が管理する作業計画情報及び運搬車両位置情報を参照することで得られる。
例えば、通知対象抽出部205は、拠点外位置取得部202により取得された位置情報に基づいて、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両のうち、物流拠点から予め定められた範囲内に存在する運搬車両を抽出してもよい。物流拠点が混雑状態にある場合、新たな運搬車両の入場を一時的に抑制することで、混雑状態の緩和が期待される。しかしながら、物流拠点に入場予定の運搬車両は、近々、物流拠点に到着するものもあれば、そうでないものもある。物流拠点からあまりに離れた場所に位置している運搬車両が物流拠点に到着する頃には、状況が変化し、混雑状態ではないことも想定される。通知対象を、物流拠点から予め定められた範囲内に存在する運搬車両に限定することで、現在の混雑状態の緩和に寄与しうる範囲に通知先を限定することができる。
この場合、具体的には、通知対象抽出部205は、例えば情報管理部201が管理する運搬車両位置情報を参照し、物流拠点から予め定められた範囲内に存在する運搬車両を抽出する。
また、混雑判定部204が、物流拠点における複数の積み下ろし場所ごとの混雑度合いを判定する場合、通知対象抽出部205は、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両のうち、混雑判定部204により混雑状態であると判定された積み下ろし場所を利用予定の運搬車両を抽出してもよい。これにより、混雑していない積み下ろし場所を利用予定の運搬車両に対し、通知されることを防ぐことができる。
この場合、具体的には、通知対象抽出部205は、例えば情報管理部201が管理する作業計画情報を参照し、混雑判定部204により混雑状態であると判定された積み下ろし場所を利用するよう計画されている運搬車両を抽出する。
また、混雑判定部204が、物流拠点における複数の積み下ろし場所ごとの混雑度合いを判定する場合、通知対象抽出部205は、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両のうち、混雑判定部204により混雑状態であると判定された積み下ろし場所が許容可能な運搬車両の大きさ又は重量に合致する運搬車両を抽出してもよい。物流拠点による作業計画は、状況に応じて変更されることがある。このため、ある積み下ろし場所が混雑状態である場合、当該積み下ろし場所を利用する可能性がある運搬車両は、通知時のタイミングで利用予定であると計画されている運搬車両に限られない。混雑状態の積み下ろし場所が許容可能な運搬車両の大きさ又は重量に合致する運搬車両を抽出することにより、当該積み下ろし場所を利用する可能性のある運搬車両を通知範囲に設定することができる。
この場合、具体的には、通知対象抽出部205は、例えば情報管理部201が管理するバース情報及び車両情報を参照し、混雑判定部204により混雑状態であると判定された積み下ろし場所が許容可能な運搬車両の大きさ又は重量に合致する運搬車両を抽出する。
また、混雑判定部204が、物流拠点における複数の積み下ろし場所ごとの混雑度合いを判定する場合、通知対象抽出部205は、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両のうち、混雑判定部204により混雑状態であると判定された積み下ろし場所に対し予め指定されている配送先の貨物を積載する運搬車両を抽出してもよい。このようにすることで、上述と同様、混雑状態の積み下ろし場所を利用する可能性のある運搬車両を通知範囲に設定することができる。
この場合、具体的には、通知対象抽出部205は、例えば情報管理部201が管理するバース情報及び車両情報を参照し、混雑判定部204により混雑状態であると判定された積み下ろし場所に対して指定されている配送先の貨物を積載する運搬車両を抽出する。
また、通知対象抽出部205は、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両のうち、積載する貨物量が予め定められた閾値を超える運搬車両を抽出してもよい。このようにすることにより、積み下ろし作業に特に時間を要する運搬車両を通知対象にすることができる。すなわち、他の運搬車両と比較して、より混雑を招きやすい運搬車両を通知対象とすることができる。
この場合、具体的には、通知対象抽出部205は、例えば情報管理部201が管理する車両情報を参照し、積載する貨物量が予め定められた閾値を超える運搬車両を抽出する。
なお、以上、通知対象抽出部205による種々の抽出条件について説明したが、通知対象抽出部205は、これらのうち一つの抽出条件を用いて抽出してもよいし、任意の複数の抽出条件を組み合わせて抽出を行ってもよい。
混雑通知部206は、混雑判定部204により混雑状態と判定された場合に、物流拠点へ滞在予定であるものの物流拠点外に存在し、未だ物流拠点に入場していない運搬車両のうち、通知対象抽出部205により抽出された運搬車両を通知対象として、混雑状態であることを通知する。すなわち、混雑通知部206は、通知対象抽出部205により抽出された運搬車両の運転手に対して、混雑状態であることを通知することとなる。より具体的には、混雑通知部206は、通知対象抽出部205により抽出された運搬車両の運転手に携帯された可搬端末3を、情報管理部201が管理する可搬端末情報を参照して特定し、特定された可搬端末3に対して情報を送信する。ここで、送信される情報には、テキストデータや音声データ、画像データなどが該当する。また、物流拠点が混雑状態である旨の通知には、混雑しているため物流拠点への入場を一時的に控えるよう要請する旨の通知が含まれてもよい。
なお、本実施の形態では、通知対象抽出部205により抽出された運搬車両を通知対象としているが、必ずしも通知対象を通知対象抽出部205により抽出された運搬車両に限定しなくてもよい。すなわち、混雑通知部206が、未だ物流拠点に入場していない運搬車両全てに対して通知するよう構成されていてもよい。
また、混雑通知部206は、混雑判定部204により混雑状態が解消されたと判定された場合に、混雑判定部204により混雑状態と判定された際の通知対象に対し、混雑状態が解消された旨を通知してもよい。また、混雑状態が解消された旨の通知には、物流拠点への入場制限を解消する旨の通知が含まれてもよい。
表示部207は、情報管理部201が管理する情報を物流拠点管理装置2に接続された図示しないディスプレイなどの表示装置に表示するよう制御する。例えば、表示部207は、作業計画や作業実績などの情報を表示する。また、例えば、表示部207は、可搬端末3から送信された入場信号と退場信号と拠点信号とに基づいて、物流拠点内の存在状態を表示してもよい。ここで、存在状態には、物流拠点内に存在するか否かの状態に加え、物流拠点内の存在位置が含まれてもよい。また、表示部207は、ネットワーク7を介して可搬端末3から取得した位置情報に基づいて、物流拠点外の運搬車両の位置を表示してもよい。なお、運搬車両の位置の表示のため、表示部207は、例えば情報管理部201が管理する運搬車両位置情報を参照する。
作業計画設定部208は、図示しないユーザインタフェースを介したユーザの操作指示に従って、作業計画情報の登録、修正、削除などの設定を行う。ユーザは、例えば、表示部207が表示する表示内容を確認して、作業計画情報の登録、修正、削除などの操作を行うことができる。
誘導情報送信部209は、可搬端末3に、この可搬端末3を携帯する運転者が運転する運搬車両を誘導するため誘導情報を送信する。誘導情報には、誘導先を示す情報が含まれている。誘導情報送信部209は、図示しないユーザインタフェースを介したユーザの操作指示に従って、誘導情報を送信する。この場合、ユーザは、例えば、表示部207が表示する表示内容を確認して、誘導情報の内容及び送信先を決定することができる。なお、誘導情報送信部209が、情報管理部201が管理する作業計画情報を参照して、作業計画に沿うタイミングで誘導情報を送信してもよい。また、誘導情報送信部209は、さらに、待機場所など物流拠点内の任意の場所に設けられた図示しない表示装置に誘導情報を送信してもよい。
作業報告取得部210は、可搬端末3からネットワーク7を介して送信された作業報告についての情報を取得する。作業報告取得部210は、例えば、運搬車両の運転手が可搬端末3のユーザインタフェースを介して操作入力した、作業(運行)実績、作業(運行)の遅延状況などを含む報告事項を取得する。また、情報管理部201は、作業報告取得部210が取得した情報に基づいて、作業計画情報などの各種情報を更新してもよい。
次に、可搬端末3の詳細について説明する。可搬端末3は、例えばコンピュータで構成される。可搬端末3は、運搬車両の運転者に携帯される。可搬端末3は、具体的には、例えば、スマートフォン、タブレット端末などである。図4は、可搬端末3の詳細な構成の一例について示すブロック図である。図4に示されるように、可搬端末3は、位置情報取得部301と、拠点外位置発信部302と、ビーコン受信部303と、入退場発信部304と、拠点信号発信部305と、混雑状態受信部306と、誘導情報受信部307と、報知部308と、作業報告送信部309とを有する。なお、混雑状態受信部306、報知部308は、それぞれ上述の混雑状態受信部31、報知部32に対応している。
なお、可搬端末3が実現する各構成要素は、例えば、可搬端末3が備える演算装置(図示せず)の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、可搬端末3に含まれる記録媒体(図示せず)に格納されたプログラムをメモリ(図示せず)にロードし、CPU等の演算装置の制御によってプログラムを実行して実現する。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。
位置情報取得部301は、GPS機能を用いて、可搬端末3の位置情報を取得する。位置情報取得部301は、取得した位置情報を拠点外位置発信部302に出力する。なお、可搬端末3は、位置情報取得部301により取得された位置情報により特定される位置に応じて、入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6と通信する無線機能のオンオフを切り替えてもよい。例えば、物流拠点から予め定められた距離以内に侵入した場合には、無線通信機能をオンにし、物流拠点から予め定められた距離以上に離れた場合には、無線通信機能をオフにしてもよい。
拠点外位置発信部302は、位置情報取得部301に取得された位置情報を、ネットワーク7を介して物流拠点管理装置2に送信する。具体的には、例えば、拠点外位置発信部302は、位置情報取得部301に取得された、物流拠点外における可搬端末3の位置情報を、当該可搬端末3を携帯する運転手が運転する運搬車両の位置情報として物流拠点管理装置2に送信する。また、拠点外位置発信部302は、位置情報に加えて、例えば、可搬端末3の識別情報、可搬端末3を携帯する運転手の識別情報または可搬端末3を携帯する運転手が運転する運搬車両の識別情報を発信する。物流拠点管理装置2の拠点外位置取得部202は、例えば、このような識別情報を用いて、情報管理部201により管理された識別情報を参照することで、どの運搬車両についての位置であるかを対応付ける。
ビーコン受信部303は、入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6が発信した信号を受信する。ビーコン受信部303は、入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6と同様、例えば、BLE規格に準拠して通信を行う。ビーコン受信部303は、入場用ビーコン発信機4及び退場用ビーコン発信機5から受信した信号を入退場発信部304に出力する。また、ビーコン受信部303は、拠点内ビーコン発信機6から受信した信号を拠点信号発信部305に出力する。
入退場発信部304は、ビーコン受信部303が入場用ビーコン発信機4から信号を受信した場合に入場信号を、ネットワーク7を介して物流拠点管理装置2に送信する。ここで、入場信号は、入場用ビーコン発信機4から信号を受信したことを示す信号であり、退場信号、拠点信号と区別可能な信号である。入場信号に、入場用ビーコン発信機4が発信した識別情報を含むことで区別可能としてもよい。また、入退場発信部304は、ビーコン受信部303が退場用ビーコン発信機5から信号を受信した場合に退場信号を、ネットワーク7を介して物流拠点管理装置2に送信する。ここで、退場信号は、退場用ビーコン発信機5から信号を受信したことを示す信号であり、入場信号、拠点信号と区別可能な信号である。退場信号に、退場用ビーコン発信機5が発信した識別情報を含むことで区別可能としてもよい。また、入退場発信部304は、入場信号又は退場信号に加えて、例えば、可搬端末3の識別情報、可搬端末3を携帯する運転手の識別情報または可搬端末3を携帯する運転手が運転する運搬車両の識別情報を発信する。物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は、例えば、このような識別情報を用いて、情報管理部201により管理された情報を参照することで、どの運搬車両についての入退場であるかを対応付ける。
拠点信号発信部305は、ビーコン受信部303が拠点内ビーコン発信機6から信号を受信した場合に送信元の拠点内ビーコン発信機6の設置位置に応じた拠点信号を、ネットワーク7を介して物流拠点管理装置2に送信する。すなわち、拠点信号発信部305により発信される拠点信号は、送信元の拠点内ビーコン発信機6を区別可能な信号である。拠点信号に、拠点内ビーコン発信機6が発信した識別情報を含むことで区別可能としてもよい。なお、入場信号及び退場信号を、拠点信号の一形態と捉えることも可能である。また、拠点信号発信部305は、拠点信号に加えて、例えば、可搬端末3の識別情報、可搬端末3を携帯する運転手の識別情報または可搬端末3を携帯する運転手が運転する運搬車両の識別情報を発信する。物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は、例えば、このような識別情報を用いて、情報管理部201により管理された情報を参照することで、どの運搬車両についての位置であるかを対応付ける。
入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6が発するそれぞれの信号は、例えば到達範囲が重複しないよう送信されるので、可搬端末3によるこれらの信号の受信を検出することで、運搬車両の位置が特定されることとなる。なお、入場用ビーコン発信機4、退場用ビーコン発信機5及び拠点内ビーコン発信機6が発するそれぞれの信号の到達範囲が相互に重複する場合には、いずれのビーコン発信機からの信号が最も受信強度が高いかを判定することにより、受信位置に最も近いビーコン発信機を特定することができる。
混雑状態受信部306は、物流拠点管理装置2から、物流拠点の混雑度合いに関する情報を受信する。具体的には、物流拠点管理装置2の混雑通知部206による通知を受信する。例えば、混雑状態受信部306は、混雑状態であることの通知や物流拠点が混雑しているため物流拠点への入場を一時的に控えるよう要請する旨の通知を受信する。混雑状態受信部306は、受信した通知内容を報知部308に出力する。
誘導情報受信部307は、物流拠点管理装置2からネットワーク7を介して送信された上述の誘導情報を受信する。誘導情報受信部307は、受信した誘導情報を報知部308に出力する。
報知部308は、混雑状態受信部306が受信した通知内容を報知する。また、報知部308は、誘導情報受信部307が受信した誘導情報を報知する。報知部308は、報知内容を可搬端末3のディスプレイなどの出力装置に表示出力してもよいし、スピーカを用いて音声出力してもよい。例えば、報知部308は、混雑通知部206から送信されたテキストデータや音声データ、画像データなどにしたがって、報知を行う。図5及び図6は、報知部308による表示出力例を示しており、図5は、混雑状態受信部306が受信した通知内容の報知例であり、図6は、誘導情報の報知例である。
作業報告送信部309は、物流拠点管理装置2へネットワーク7を介して作業報告についての情報を送信する。作業報告送信部309は、例えば、運搬車両の運転手が可搬端末3のユーザインタフェースを介して操作入力した、作業(運行)実績、作業(運行)の遅延状況などを含む報告事項を送信する。
次に、運搬車両の物流拠点外及び物流拠点内における位置の管理に関する、物流拠点管理システム1の動作の一例について説明する。図7は、運搬車両の位置の管理に関する物流拠点管理システム1の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、図7で示した一例では、未だ物流拠点に到着していない運搬車両が、物流拠点に到着後、一旦、待機場所で待機し、その後、積み下ろし場所に移動し、最後に物流拠点から退場する状況での処理を例示している。また、本例において、物流拠点は混雑状態であるものとして説明する。また、拠点内ビーコン発信機6−pは所定の待機場所に設置された拠点内ビーコン発信機であり、拠点内ビーコン発信機6−qは所定の積み下ろし場所に設置された拠点内ビーコン発信機であるものとする。
ステップ10(S10)において、可搬端末3−rの位置情報取得部301が位置情報を取得し、ステップ11(S11)において、可搬端末3−rの拠点外位置発信部302が位置情報を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点外位置取得部202は、位置情報を取得する。ステップ12(S12)において、情報管理部201は、拠点外位置取得部202が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
ステップ13(S13)において、物流拠点管理装置2の混雑判定部204が、物流拠点内に滞在する運搬車両数の混雑度合いを判定する。本例では、物流拠点は混雑状態であると判定される。ステップ14(S14)において、物流拠点管理装置2の通知対象抽出部205が、通知対象を抽出する。
ステップ15(S15)において、物流拠点管理装置2の混雑通知部206がステップ14で抽出された通知対象に対応する可搬端末3に対し、通知を行う。これにともない、通知対象に含まれている可搬端末3−rの混雑状態受信部306が通知を受信する。ステップ16(S16)において、可搬端末3−rの報知部308がステップ15における通知にしたがって運転手に対し報知を行う。これにより、可搬端末3−rを携帯する運転手は、時間をあけて物流拠点に入場するよう運行を調整する。
その後、可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が物流拠点の入場口に到着すると、ステップ17(S17)において、入場用ビーコン発信機4から発信された信号が、可搬端末3−rにより受信される。ステップ18(S18)において、可搬端末3−rの入退場発信部304は、入場信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は発信信号を受信し、入場口に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS19(S19)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
ステップ20(S20)において、物流拠点管理装置2の誘導情報送信部209が、可搬端末3−rに、運搬車両を誘導するため誘導情報を送信する。この例では、誘導情報送信部209は、物流拠点内の所定の待機場所に移動するよう誘導する情報を送信するものとする。これにともない、可搬端末3−rの誘導情報受信部307が誘導情報を受信する。ステップ21(S21)において、可搬端末3−rの報知部308が誘導情報を報知する。これにより、可搬端末3−rを携帯する運転手は、誘導情報により示される待機場所へと運搬車両を移動させる。
その後、可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が待機場所に到着すると、ステップ22(S22)において、拠点内ビーコン発信機6−pから発信された信号が、可搬端末3−rにより受信される。ステップ23(S23)において、可搬端末3−rの拠点信号発信部305は、拠点信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は拠点信号を受信し、待機場所に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS24(S24)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
ステップ25(S25)において、物流拠点管理装置2の誘導情報送信部209が、可搬端末3−rに、運搬車両を誘導するため誘導情報を送信する。この例では、誘導情報送信部209は、物流拠点内の所定の積み下ろし場所に移動するよう誘導する情報を送信するものとする。これにともない、可搬端末3−rの誘導情報受信部307が誘導情報を受信する。ステップ26(S26)において、可搬端末3−rの報知部308が誘導情報を報知する。これにより、可搬端末3−rを携帯する運転手は、誘導情報により示される積み下ろし場所へと運搬車両を移動させる。
可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が指定された積み下ろし場所に到着すると、ステップ27(S27)において、拠点内ビーコン発信機6−qから発信された信号が、可搬端末3−rにより受信される。ステップ28(S28)において、可搬端末3−rの拠点信号発信部305は、拠点信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は拠点信号を受信し、指定された積み下ろし場所に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS29(S29)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
積み下ろし場所での作業終了後、可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が物流拠点の退場口に到着すると、ステップ30(S30)において、退場用ビーコン発信機5から発信された信号が、可搬端末3−rにより受信される。ステップ31(S31)において、可搬端末3−rの入退場発信部304は、退場信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は退場信号を受信し、退場口に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS32(S32)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
本実施の形態にかかる物流拠点管理システム1によれば、物流拠点が混雑状態である場合に、入場予定の運搬車両に向けて通知することができる。したがって、物流拠点に更に運搬車両が流入することを抑えることに寄与することができる。また、物流拠点内の運搬車両の位置を、ビーコン発信機による信号の受信に基づいて特定しているため、GPSなどの他の位置情報の取得方法に比べて、より高精度の位置情報を取得することができる。
(第2の実施の形態の詳細)
次に、以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態の詳細について説明する。図8は、本実施の形態にかかる物流拠点管理システム1の詳細な構成の一例を示す模式図である。図8に示されるように、本実施の形態にかかる物流拠点管理システム1は、物流拠点管理装置2と、可搬端末3−1〜3−nと、車載用ビーコン発信機8−1〜8−nと、入場用ビーコン受信機9と、退場用ビーコン受信機10と、拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mとを有する。なお、n及びmは、1以上の任意の整数である。物流拠点管理装置2と可搬端末3−1〜3−nとは、ネットワーク7を介して互いに接続されている。以下の説明において、可搬端末3−1〜3−nを区別しないで説明する場合、可搬端末3と総称する。また、車載用ビーコン発信機8−1〜8−nを区別しないで説明する場合、車載用ビーコン発信機8と総称し、拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mを区別しないで説明する場合、拠点内ビーコン受信機11と総称する。
ネットワーク7は、第1の実施の形態で説明した構成と同じである。
車載用ビーコン発信機8は、車両に搭載する、又は、運転手が携帯するビーコン発信機であり、固有の識別情報を含む信号を発信する。例えば、車載用ビーコン発信機8は、Bluetooth(登録商標)の省電力規格であるBLE(Bluetooth Low Energy)の通信機能を備えた装置である。なお、車載用ビーコン発信機8は、入場用ビーコン受信機9、退場用ビーコン受信機10、拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mと無線通信が可能であればよく、必ずしも通信方式がBluetoothでなくてもよい。車載用ビーコン発信機8は、例えば予め定められた時間間隔で、車載用ビーコン発信機8に固有の識別情報を含むフレームデータを車載用ビーコン発信機8の周囲に発信する。
入場用ビーコン受信機9は、物流拠点における、運搬車両の入場口に設けられ、退場用ビーコン受信機10は、物流拠点における、運搬車両の退場口に設けられている。また、拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mは、物流拠点内の任意の地点に設けられており、例えば、物流拠点内に設けられた運搬車両の待機場所、運搬車両に対する貨物の積み下ろし場所(バース)、運搬車両の移動経路などに設けられている。なお、拠点内ビーコン受信機11は、物流拠点内における運搬車両の位置を特定するために用いられるため、拠点内ビーコン受信機11の設置場所が多ければ多いほど、物流拠点内における運搬車両の位置の特定において有利である。
入場用ビーコン受信機9、退場用ビーコン受信機10、拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mは、車載用ビーコン発信機8が発信した信号を受信する。入場用ビーコン受信機9、退場用ビーコン受信機10、拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mは、車載用ビーコン発信機8同様、例えば、BLE規格に準拠して通信を行う。入場用ビーコン受信機9、退場用ビーコン受信機10、拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mは、車載用ビーコン発信機8から受信した信号を物流拠点管理装置2に送信する。
次に、物流拠点管理装置2については、第1の実施の形態と異なる構成についてのみ説明する。まず、情報管理部201は、例えば、作業計画情報、バース情報、車両情報、ビーコン受信機位置情報、運搬車両位置情報、可搬端末情報、などを管理している。このうち、第1の実施の形態と異なるビーコン受信機位置情報、可搬端末情報について説明する。
ビーコン受信機位置情報は、入場用ビーコン受信機9、退場用ビーコン受信機10及び拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mの設置位置を示す位置情報である。
可搬端末情報は、可搬端末3と運搬車両、車載用ビーコン発信機8−1〜8−nとの対応関係を示す情報である。すなわち、どの運搬車両にどの可搬端末が対応するか、どの可搬端末がどの車載用ビーコン発信機と対応するか、を示す情報である。具体的には、例えば、どの運搬車両の運転手がどの可搬端末、どの車載用ビーコン発信機を携帯しているかを対応付ける情報である。
以上、情報管理部201が管理する情報の具体例について、特に第1の実施の形態とは異なるビーコン受信機位置情報、可搬端末情報という分類について説明したが、これら分類は第1の実施の形態の場合と同様に一例であり、管理対象の情報は必ずしもこれらの分類に従わなくてもよい。
拠点内位置取得部203は、物流拠点内の運搬車両の位置情報を取得する。具体的には、本実施の形態にかかる拠点内位置取得部203は、物流拠点内に存在する運搬車両の車載用ビーコン発信機8からの信号を受信した入場用ビーコン受信機9、退場用ビーコン受信機10及び拠点内ビーコン受信機11−1〜11−mから送信された入場信号、退場信号及び拠点信号を、ネットワーク7を介して受信することにより、物流拠点内に存在する運搬車両の位置を取得する。なお、本実施の形態において入場信号は、車載用ビーコン発信機8から信号を受信したことを示す信号であり、退場信号、拠点信号と区別可能な信号である。入場信号に、入場用ビーコン受信機9の識別情報を含むことで区別可能としてもよい。また、本実施の形態において退場信号は、車載用ビーコン発信機8から信号を受信したことを示す信号であり、入場信号、拠点信号と区別可能な信号である。退場信号に、退場用ビーコン受信機10の識別情報を含むことで区別可能としてもよい。さらに、本実施の形態において拠点内ビーコン受信機11から送信される拠点信号は、送信元の拠点内ビーコン受信機11を区別可能な信号である。拠点信号に、拠点内ビーコン受信機11の識別情報を含むことで区別可能としてもよい。入場用ビーコン受信機9、退場用ビーコン受信機10及び拠点内ビーコン受信機11は、入場信号、退場信号又は拠点信号に加えて、例えば、可搬端末3の識別情報、可搬端末3を携帯する運転手の識別情報、可搬端末3を携帯する運転手が運転する運搬車両の識別情報、又は車載用ビーコン発信機8の識別情報を発信する。拠点内位置取得部203は、例えば、入場信号、退場信号又は拠点信号を受信すると、情報管理部201が管理するビーコン受信機位置情報を参照して、入場信号、退場信号又は拠点信号に対応するビーコン受信機の位置を取得することで、運搬車両の位置情報を取得する。なお、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
次に、可搬端末3について説明する。可搬端末3は、第1の実施の形態で説明した構成と同じだが、ビーコン受信部303、入退場発信部304及び拠点信号発信部305がなくてもよい。
次に、運搬車両の物流拠点外及び物流拠点内における位置の管理に関する、物流拠点管理システム1の動作の一例について説明する。図9は、運搬車両の位置の管理に関する物流拠点管理システム1の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、図9で示した一例では、未だ物流拠点に到着していない運搬車両が、物流拠点に到着後、一旦、待機場所で待機し、その後、積み下ろし場所に移動し、最後に物流拠点から退場する状況での処理を例示している。また、本例において、物流拠点は混雑状態であるものとして説明する。また、拠点内ビーコン受信機11−pは所定の待機場所に設置された拠点内ビーコン受信機であり、拠点内ビーコン受信機11−qは所定の積み下ろし場所に設置された拠点内ビーコン受信機であるものとする。
ステップ10(S10)において、可搬端末3−rの位置情報取得部301が位置情報を取得し、ステップ11(S11)において、可搬端末3−rの拠点外位置発信部302が位置情報を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点外位置取得部202は、位置情報を取得する。ステップ12(S12)において、情報管理部201は、拠点外位置取得部202が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
ステップ13(S13)において、物流拠点管理装置2の混雑判定部204が、物流拠点内に滞在する運搬車両数の混雑度合いを判定する。本例では、物流拠点は混雑状態であると判定される。ステップ14(S14)において、物流拠点管理装置2の通知対象抽出部205が、通知対象を抽出する。
ステップ15(S15)において、物流拠点管理装置2の混雑通知部206がステップ14で抽出された通知対象に対応する可搬端末3に対し、通知を行う。これにともない、通知対象に含まれている可搬端末3−rの混雑状態受信部306が通知を受信する。ステップ16(S16)において、可搬端末3−rの報知部308がステップ15における通知にしたがって運転手に対し報知を行う。これにより、可搬端末3−rを携帯する運転手は、時間をあけて物流拠点に入場するよう運行を調整する。
その後、可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が物流拠点の入場口に到着すると、ステップ17(S17)において、車載用ビーコン発信機8−sから発信された信号が、入場用ビーコン受信機9により受信される。ステップ18(S18)において、入場用ビーコン受信機9は、入場信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は発信信号を受信し、入場口に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS19(S19)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
ステップ20(S20)において、物流拠点管理装置2の誘導情報送信部209が、可搬端末3−rに、運搬車両を誘導するため誘導情報を送信する。この例では、誘導情報送信部209は、物流拠点内の所定の待機場所に移動するよう誘導する情報を送信するものとする。これにともない、可搬端末3−rの誘導情報受信部307が誘導情報を受信する。ステップ21(S21)において、可搬端末3−rの報知部308が誘導情報を報知する。これにより、可搬端末3−rを携帯する運転手は、誘導情報により示される待機場所へと運搬車両を移動させる。
その後、可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が待機場所に到着すると、ステップ22(S22)において、車載用ビーコン発信機8−sから発信された信号が、拠点内ビーコン受信機11−pにより受信される。ステップ23(S23)において、拠点内ビーコン受信機11−pは、拠点信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は拠点信号を受信し、待機場所に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS24(S24)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
ステップ25(S25)において、物流拠点管理装置2の誘導情報送信部209が、可搬端末3−rに、運搬車両を誘導するため誘導情報を送信する。この例では、誘導情報送信部209は、物流拠点内の所定の積み下ろし場所に移動するよう誘導する情報を送信するものとする。これにともない、可搬端末3−rの誘導情報受信部307が誘導情報を受信する。ステップ26(S26)において、可搬端末3−rの報知部308が誘導情報を報知する。これにより、可搬端末3−rを携帯する運転手は、誘導情報により示される積み下ろし場所へと運搬車両を移動させる。
可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が指定された積み下ろし場所に到着すると、ステップ27(S27)において、車載用ビーコン発信機8−sから発信された信号が、拠点内ビーコン受信機11−qにより受信される。ステップ28(S28)において、拠点内ビーコン受信機11−qは、拠点信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は拠点信号を受信し、指定された積み下ろし場所に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS29(S29)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
積み下ろし場所での作業終了後、可搬端末3−rを携帯する運転手が運転する運搬車両が物流拠点の退場口に到着すると、ステップ30(S30)において、車載用ビーコン発信機8−sから発信された信号が、退場用ビーコン受信機10により受信される。ステップ31(S31)において、退場用ビーコン受信機10は、退場信号を物流拠点管理装置2に送信する。これにともない、物流拠点管理装置2の拠点内位置取得部203は退場信号を受信し、退場口に運搬車両が到着したことを示す位置情報を取得する。ステップS32(S32)において、情報管理部201は、拠点内位置取得部203が取得した位置情報に基づいて、運搬車両位置情報を更新する。
本実施の形態にかかる物流拠点管理システム1によれば、物流拠点が混雑状態である場合に、入場予定の運搬車両に向けて通知することができる。したがって、物流拠点に更に運搬車両が流入することを抑えることに寄与することができる。また、物流拠点内の運搬車両の位置を、ビーコン発信機による信号の受信に基づいて特定しているため、GPSなどの他の位置情報の取得方法に比べて、より高精度の位置情報を取得することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、各プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。