JP7435409B2 - 車両指示装置、車両指示方法及び車両指示プログラム - Google Patents

Description

本発明は、配送車両に対して入庫の指示を行う車両指示装置、車両指示方法及び車両指示プログラムに関する。

特許文献１には、物流拠点の混雑を抑制することができる物流拠点管理装置が開示されている。当該物流拠点管理装置は、物流拠点内に滞在する運搬車両数の混雑度合いを判定し、混雑状態と判定された場合に、物流拠点へ滞在予定でありかつ物流拠点外に存在する運搬車両に向けて、混雑状態であることを通知する。

特開２０１８－１８８３１２号公報

特許文献１の物流拠点管理装置は、工場等の配送地に後から到着する配送車両の入場を一時的に規制することで、配送地における渋滞を抑制する。一方、配送地において在庫の少ない部品が存在する場合、当該部品が搭載された配送車両の入場が規制されることにより、在庫に欠品が生じる虞が生じる。

本発明は、在庫がひっ迫している物品を搭載した配送車両を優先して配送地に入庫させることを可能とする車両指示装置、車両指示方法及び車両指示プログラムを提供することを目的とする。

請求項１に記載の車両指示装置は、配送地における物品の在庫に係る在庫情報、配送車両による前記配送地に向けた前記物品の配送に係る配送計画、及び前記配送車両の配送状況に係る配送情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記在庫情報及び前記配送情報に基づいて、前記配送計画を更新する更新部と、前記更新部が更新した前記配送計画における前記物品の受け入れ優先度に基づいて、前記配送地への入庫の指示情報を生成する生成部と、前記生成部が生成した前記指示情報を前記配送車両に向けて通知する通知部と、を備え、前記生成部は、地図上に設定された仮想的なゲートを前記配送車両が通過した場合に前記配送地における駐車場所を含む指示情報を生成する。

請求項１に記載の車両指示装置では、取得部が在庫情報、配送計画及び配送情報を取得すると、更新部が在庫情報及び配送情報に基づいて配送計画を更新する。ここで、在庫情報は配送地で使用される物品の在庫に係る情報である。配送計画は、例えば、配送車両が配送する物品、配送地における物品の受け入れ優先度、及び配送車両が配送地に到着する時刻を含む。また、配送情報は、少なくとも配送車両の位置情報を含む。そして、生成部が更新された配送計画における優先度に基づいて、配送地への入庫の指示情報を生成すると、通知部が当該指示情報を配送車両に向けて通知する。当該車両指示装置によれば、物品に付された優先度を考慮することで、在庫がひっ迫している物品を搭載した配送車両を優先して配送地に入庫させることができる。加えて、請求項１に記載の車両指示装置では、生成部が地図上に設定された仮想的なゲートを配送車両が通過したタイミングで指示情報を生成する。当該車両指示装置によれば、配送車両が配送地に到着するタイミングで当該配送車両のドライバに対して駐車場所を提供することができる。

請求項２に記載の車両指示装置は、請求項１に記載の車両指示装置において、前記更新部は、少なくとも前記取得部が前記配送情報を取得する都度、前記配送計画を更新する。

請求項２に記載の車両指示装置によれば、配送車両の配送状況を配送計画に逐次反映させることにより、交通事情が変化しても配送の遅れを最小化することができる。

請求項３に記載の車両指示装置は、請求項１又は２に記載の車両指示装置において、前記生成部は、前記物品に対応する前記優先度が高い程、前記物品を配送する前記配送車両を前記物品の荷下ろし場所に近い駐車場所に案内する指示情報を生成する。

請求項３に記載の車両指示装置によれば、優先度が高い物品程、配送車両を当該物品の荷下ろし場所に近づけることにより、在庫がひっ迫する物品をできるだけ早く納品することができる。

請求項４に記載の車両指示方法は、配送地における物品の在庫に係る在庫情報、配送車両による前記配送地に向けた前記物品の配送に係る配送計画、及び前記配送車両の配送状況に係る配送情報を取得し、取得した前記在庫情報及び前記配送情報に基づいて、前記配送計画を更新し、地図上に設定された仮想的なゲートを前記配送車両が通過した場合に、更新した前記配送計画における前記物品の受け入れ優先度に基づいて、前記配送地における駐車場所を含む前記配送地への入庫の指示情報を生成し、生成した前記指示情報を前記配送車両に向けて通知する、処理をコンピュータが実行する。

請求項４に記載の車両指示方法では、コンピュータが在庫情報、配送計画及び配送情報を取得すると、在庫情報及び配送情報に基づいて配送計画を更新する。ここで、在庫情報、配送計画及び配送情報とは、上述のとおりである。そして、当該コンピュータが更新された配送計画における優先度に基づいて、配送地への入庫の指示情報を生成すると、当該指示情報を配送車両に向けて通知する。当該車両指示方法によれば、物品に付された優先度を考慮することで、在庫がひっ迫している物品を搭載した配送車両を優先して配送地に入庫させることができる。加えて、請求項４に記載の車両指示方法では、地図上に設定された仮想的なゲートを配送車両が通過したタイミングで指示情報を生成する。当該車両指示方法によれば、配送車両が配送地に到着するタイミングで当該配送車両のドライバに対して駐車場所を提供することができる。

請求項５に記載の車両指示プログラムは、配送地における物品の在庫に係る在庫情報、配送車両による前記配送地に向けた前記物品の配送に係る配送計画、及び前記配送車両の配送状況に係る配送情報を取得し、取得した前記在庫情報及び前記配送情報に基づいて、前記配送計画を更新し、地図上に設定された仮想的なゲートを前記配送車両が通過した場合に、更新した前記配送計画における前記物品の受け入れ優先度に基づいて、前記配送地における駐車場所を含む前記配送地への入庫の指示情報を生成し、生成した前記指示情報を前記配送車両に向けて通知する、処理をコンピュータに実行させる。

請求項５に記載の車両指示プログラムでは、コンピュータが次の処理を実行する。すなわち、当該コンピュータが在庫情報、配送計画及び配送情報を取得すると、在庫情報及び配送情報に基づいて配送計画を更新する。ここで、在庫情報、配送計画及び配送情報とは、上述のとおりである。そして、当該コンピュータが更新された配送計画における優先度に基づいて、配送地への入庫の指示情報を生成すると、当該指示情報を配送車両に向けて通知する。当該車両指示プログラムによれば、物品に付された優先度を考慮することで、在庫がひっ迫している物品を搭載した配送車両を優先して配送地に入庫させることができる。加えて、請求項５に記載の車両指示プログラムでは、地図上に設定された仮想的なゲートを配送車両が通過したタイミングで指示情報を生成する。当該車両指示プログラムによれば、配送車両が配送地に到着するタイミングで当該配送車両のドライバに対して駐車場所を提供することができる。

本発明によれば、在庫がひっ迫している物品を搭載した配送車両を優先して配送地に入庫させることができる。

第１の実施形態に係る配送管理システムの概略構成を示す図である。 第１の実施形態の配送車両のハードウェア構成を示すブロック図である。 第１の実施形態のセンタサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 第１の実施形態のセンタサーバの機能構成を示すブロック図である。 第１の実施形態のセンタサーバにおいて実行される通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第１の実施形態のセンタサーバにおいて、（Ａ）取得された配送計画、及び（Ｂ）生成された指示情報の例である。 第１の実施形態のセンタサーバにおいて、（Ａ）更新された配送計画、及び（Ｂ）生成された指示情報の例である。 第２の実施形態のセンタサーバの機能構成を示すブロック図である。 第２の実施形態の仮想ゲートが設定された地図の例であって、配送車両との位置関係を示す図である。

本発明の車両指示装置を含む配送管理システムについて、図を用いて説明する。配送管理システムは、工場等の配送地における製品の製造に用いる物品を、トラック等の配送車両が当該配送地に向けて配送することを管理する。

［第１の実施形態］
図１に示されるように、第１の実施形態の配送管理システム１０は、複数の配送車両１２と、車両指示装置としてのセンタサーバ３０と、在庫管理サーバ４０と、物流管理サーバ５０と、を含んで構成されている。各配送車両１２には、それぞれ車載器２０が搭載されている。

在庫管理サーバ４０は、配送地である工場等に設置されるサーバである。在庫管理サーバ４０は、当該工場において製造される製品の製造数、及び当該製品の製造に使用される物品の在庫数を少なくとも管理する。製造に使用される物品は、製品を成形のための素材、及び製品に組み付けるアセンブリ等を含む。本実施形態の在庫管理サーバ４０は、物品の在庫に関する在庫情報をセンタサーバ３０に提供する。在庫情報とは、例えば、工場における生産計画に基づいた消化率などを加味した正味在庫数を含む情報である。

物流管理サーバ５０は、配送車両１２を管理する事業者の事業所等に設置されるサーバである。物流管理サーバ５０は、配送車両１２を使用して物品を、出荷地である配送センタ及び当該物品の製造元等から配送地に向けて配送する場合における配送計画を立案する。配送計画は、配送車両１２に積載する物品の総数量、一又は複数の配送地に配送する物品の数量、及び配送車両１２の配送経路等を加味して立案される。配送計画は、使用する配送車両１２、配送する物品、物品に対応する優先度、配送地への到着時刻が、少なくとも規定されている（図６（Ａ）及び図７（Ａ）参照）。なお、優先度については後述する。本実施形態の物流管理サーバ５０は、立案された配送計画をセンタサーバ３０に提供する。

複数の車載器２０、センタサーバ３０、在庫管理サーバ４０、及び物流管理サーバ５０は、ネットワークＮを通じて相互に接続されている。なお、図１では、１つのセンタサーバ３０に対して、３つの車載器２０、１つの在庫管理サーバ４０、及び１つの物流管理サーバ５０がそれぞれ接続されているが、車載器２０、在庫管理サーバ４０、及び物流管理サーバ５０の接続数はこの限りではない。

（車両）
図２に示されるように、本実施形態に係る配送車両１２は、車載器２０と、モニタ２２と、スピーカ２４と、ＧＰＳ装置２６と、を含んで構成されている。

車載器２０は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）２０Ａ、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）２０Ｂ、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）２０Ｃ、無線通信Ｉ／Ｆ２０Ｅ及び入出力Ｉ／Ｆ２０Ｆを含んで構成されている。ＣＰＵ２０Ａ、ＲＯＭ２０Ｂ、ＲＡＭ２０Ｃ、無線通信Ｉ／Ｆ２０Ｅ及び入出力Ｉ／Ｆ２０Ｆは、内部バス２０Ｇを介して相互に通信可能に接続されている。

ＣＰＵ２０Ａは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、ＣＰＵ２０Ａは、ＲＯＭ２０Ｂからプログラムを読み出し、ＲＡＭ２０Ｃを作業領域としてプログラムを実行する。

ＲＯＭ２０Ｂは、各種プログラム及び各種データを記憶している。本実施形態のＲＯＭ２０Ｂには、車載器２０を制御するための制御プログラムが記憶されている。

ＲＡＭ２０Ｃは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。

無線通信Ｉ／Ｆ２０Ｅは、センタサーバ３０と通信するための無線通信モジュールである。当該無線通信モジュールは、例えば、５Ｇ、ＬＴＥ、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）等の通信規格が用いられる。無線通信Ｉ／Ｆ２０Ｅは、ネットワークＮに対して接続されている。

入出力Ｉ／Ｆ２０Ｆは、配送車両１２に搭載されるモニタ２２、スピーカ２４、及びＧＰＳ装置２６と通信するためのインタフェースである。

モニタ２２は、インストルメントパネル、ダッシュボード等に設けられ、後述する指示情報を表示するための液晶モニタである。また、本実施形態のモニタ２２はタッチパネルを有しており、例えば、配送車両１２のドライバの操作による情報の入力を可能としている。

スピーカ２４は、インストルメントパネル、センタコンソール、フロントピラー、又はダッシュボード等に設けられ、音声を出力するための装置である。なお、スピーカ２４は、モニタ２２に設けられていてもよい。スピーカ２４は、指示情報の読み上げ音声を出力する。

ＧＰＳ装置２６は配送車両１２の現在位置を測定する装置である。ＧＰＳ装置２６は、ＧＰＳ衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを含んでいる。なお、ＧＰＳ装置２６は、図示しないカーナビゲーションシステムを経由して車載器２０に接続されていてもよい。

本実施形態の車載器２０は、ＧＰＳ装置２６によって取得された配送車両１２の位置情報、並びに、配送車両１２に積載された物品及びその数量を含む配送情報をセンタサーバ３０に提供する。なお、配送車両１２に積載されている物品の数量は、モニタ２２のタッチパネルに対しドライバが所定の操作をすること変更してもよいし、ドライバが有する配送用の携帯端末（図示省略）から取得してもよい。

また、本実施形態の車載器２０は、センタサーバ３０から、配送車両１２を配送地に誘導し、入庫させるための指示情報を受信する。指示情報は、配送車両１２毎に、配送車両１２が配送地に到着する到着時刻、及び駐車場所等の情報を少なくとも含む。

（センタサーバ）
図３に示されるように、センタサーバ３０は、ＣＰＵ３０Ａ、ＲＯＭ３０Ｂ、ＲＡＭ３０Ｃ、ストレージ３０Ｄ、及び通信Ｉ／Ｆ３０Ｅを含んで構成されている。ＣＰＵ３０Ａ、ＲＯＭ３０Ｂ、ＲＡＭ３０Ｃ、ストレージ３０Ｄ及び通信Ｉ／Ｆ３０Ｅは、内部バス３０Ｇを介して相互に通信可能に接続されている。ＣＰＵ３０Ａ、ＲＯＭ３０Ｂ、ＲＡＭ３０Ｃ及び通信Ｉ／Ｆ３０Ｅの機能は、上述した車載器２０のＣＰＵ２０Ａ、ＲＯＭ２０Ｂ、ＲＡＭ２０Ｃ及び無線通信Ｉ／Ｆ２０Ｅと同じである。

記憶部としてのストレージ３０Ｄは、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）又はＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）により構成され、各種プログラム及び各種データを記憶している。

ＣＰＵ３０Ａは、ストレージ３０Ｄからプログラムを読み出し、ＲＡＭ３０Ｃを作業領域としてプログラムを実行する。

本実施形態のストレージ３０Ｄには、処理プログラム１００、在庫情報ＤＢ（データベース）１１０、配送計画ＤＢ１２０、及び指示情報ＤＢ１３０が記憶されている。

車両指示プログラムとしての処理プログラム１００は、センタサーバ３０が有する各機能を実現するためのプログラムである。

在庫情報ＤＢ１１０は、在庫管理サーバ４０から提供され、取得した一又は複数の在庫情報を集約したデータベースである。例えば、在庫情報ＤＢ１１０には、工場毎、物品毎の在庫数が記憶されている。

配送計画ＤＢ１２０は、物流管理サーバ５０から提供され、取得した一又は複数の配送計画を集約したデータベースである。例えば、配送計画ＤＢ１２０には、配送車両１２毎の配送計画が記憶されている。

指示情報ＤＢ１３０は、後述する生成部２２０において生成された配送車両１２毎の指示情報を集約したデータベースである。

図４に示されるように、本実施形態のセンタサーバ３０では、ＣＰＵ３０Ａが、処理プログラム１００を実行することで、取得部２００、更新部２１０、生成部２２０及び通知部２３０として機能する。

取得部２００は、在庫情報、配送計画及び配送情報を取得する機能を有している。取得部２００は、在庫管理サーバ４０から通信により在庫情報を取得し、物流管理サーバ５０から通信により配送計画を取得し、車載器２０から通信により配送情報を取得する。

更新部２１０は、配送計画を更新する機能を有している。具体的に、更新部２１０は、取得部２００が取得した在庫情報と、配送情報とに基づいて配送計画を更新する。例えば、物品の在庫数が所定数を下回った場合、更新部２１０は、当該物品の配送を早める、すなわち配送車両１２の配送地への到着時刻が早まるように配送計画を更新する。また例えば、渋滞により配送車両１２の配送地への到着時刻が大幅に遅れるような場合、更新部２１０は、配送車両１２の配送地への到着時刻を更新し、同じ物品を搭載した他の配送車両１２の配送地への到着時間が早まるように配送計画を更新する。更新部２１０は、少なくとも取得部２００が配送情報を取得する都度、配送計画を更新する。つまり、更新部２１０は、配送車両１２の位置情報、及び物品の搭載量を、逐次配送計画に反映させる。

生成部２２０は、配送車両１２に対する指示情報を生成する機能を有している。具体的に、生成部２２０は、更新部２１０が更新した配送計画を参照し、物品の受け入れ優先度に基づいて指示情報を生成する。ここで、優先度とは、製品の製造における物品の重要度、代替性、消費期限等、又はこれらの組み合わせに基づいて、予め設定されたレベルである。例えば、優先度が重要度に基づく場合、物品が製品にとって主要な部品であるほど優先度を高くする。また例えば、優先度が代替性に基づく場合、代替可能な汎用部品であるほど優先度を低くする。また例えば、優先度が消費期限に基づく場合、消費期限が短いほど優先度を高くする。

また、本実施形態の生成部２２０は、物品に対応する優先度が高い程、物品を配送する配送車両１２を当該物品の荷下ろし場所に近い駐車場所に案内する指示情報を生成する。

通知部２３０は、生成部２２０が生成した指示情報を配送車両１２に向けて通知する機能を有している。

（制御の流れ）
本発明の車両指示方法であって、本実施形態のセンタサーバ３０において実行される通知処理の流れについて、図５のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ＣＰＵ３０Ａが、取得部２００、更新部２１０、生成部２２０及び通知部２３０として機能することで実現される。

図５のステップＳ１００において、センタサーバ３０のＣＰＵ３０Ａは在庫情報を取得する。すなわち、ＣＰＵ３０Ａは、在庫管理サーバ４０又は既に在庫情報ＤＢ１１０に記憶されている在庫情報を取得する。

ステップＳ１０１において、ＣＰＵ３０Ａは配送計画を取得する。すなわち、ＣＰＵ３０Ａは、物流管理サーバ５０又は既に配送計画ＤＢ１２０に記憶されている配送計画を取得する。

ステップＳ１０２において、ＣＰＵ３０Ａは配送情報を取得する。すなわち、ＣＰＵ３０Ａは、車載器２０から配送情報を取得する。

ステップＳ１０３において、ＣＰＵ３０Ａは配送計画を更新する。具体的にＣＰＵ３０Ａは、取得した在庫情報及び配送情報に基づいて、配送計画を更新する。

ステップＳ１０４において、ＣＰＵ３０Ａは、指示情報を変更する必要があるか否かの判定を行う。具体的に、ＣＰＵ３０Ａは指示情報における到着時刻及び駐車場所の少なくとも一方を変更する必要があるか否かの判定を行う。ＣＰＵ３０Ａは指示情報を変更する必要があると判定した場合（ステップＳ１０４でＹＥＳの場合）、ステップＳ１０５に進む。一方、ＣＰＵ３０Ａは指示情報を変更する必要がないと判定した場合（ステップＳ１０４でＮＯの場合）、ステップＳ１００に戻る。なお、これまで、指示情報が生成されていなかった場合は、指示情報を変更する必要があるとして、ステップＳ１０５に進む。

ステップＳ１０５において、ＣＰＵ３０Ａは指示情報を生成する。すなわち、到着時刻及び駐車場所の変更に応じて、新たな到着時刻及び／又は新たな駐車場所を含む指示情報が生成される。

ステップＳ１０６において、ＣＰＵ３０Ａは通知対象の配送車両１２に向けて指示情報を送信する。そして、ステップＳ１００に戻る。

本実施形態の通知処理では、少なくとも、配送情報を取得する都度、配送計画が更新され、到着時刻及び駐車場所の少なくとも一方に変更がある場合、通知対象の配送車両１２（詳しくは、車載器２０）に向けて指示情報が送信される。これに対して、指示情報を受信した配送車両１２では、指示情報の内容がモニタ２２及びスピーカ２４を通じてドライバに通知される。

（配送情報が更新される例）
本実施形態のセンタサーバ３０において実行される通知処理の結果として、配送情報が更新される例について、図６及び図７を用いて説明する。

図６（Ａ）は、物流管理サーバ５０から最初に取得した配送計画の例を示す。同図の配送計画では、配送車両１２の車両名、配送する物品名、優先度、及び到着時刻を含む情報が、到着時刻順に記憶されている。なお、配送車両１２は配送地に向けて走行する車両Ａ～車両Ｈの８台の車両、物品は配送地に配送する部品Ｓ～部品Ｚの８種類の部品がある。

また、優先度はＡ～Ｃの３段階に設定されており、ＡからＣに向かうにつれて優先度が低くなる。部品Ｓ及び部品Ｔは優先度がＡに設定され、部品Ｕ、部品Ｖ及び部品Ｗは優先度がＢに設定され、部品Ｘ、部品Ｙ及び部品Ｚは優先度がＣに設定されている。

図６（Ａ）に示される配送計画に基づいて、図６（Ｂ）に示す指示情報が生成される。同図の指示情報では、配送車両１２の車両名、到着時刻、及び駐車場所を含む情報が、到着時刻順に記憶されている。なお、指示情報における到着時刻には、配送計画の到着時刻が、そのまま付与される。

また、駐車場所は配送地の敷地内における配送車両１２の到着地に相当する。本実施形態の駐車場所は駐車スペース１～駐車スペース３、並びに、待機場所４及び待機場所５の５か所が用意されている。駐車スペース１は部品Ｓ、部品Ｗ及び部品Ｚの最寄りの荷下ろし場所であり、駐車スペース２は部品Ｔ、部品Ｖ及び部品Ｙの最寄りの荷下ろし場所であり、駐車スペース３は部品Ｕ及び部品Ｘの最寄りの荷下ろし場所である。各駐車場所には配送車両１２が１台しか駐車できないこととする。待機場所４及び待機場所５は、何れの部品の荷下ろし場所でもない、駐車専用スペースである。

図７（Ａ）は、新たに取得した在庫情報及び配送情報に基づいて更新された配送計画の例である。同図の配送計画は、配送地である工場において部品Ｔの在庫が想定よりも少なくなることでひっ迫し、車両Ａの到着が到着時刻よりも遅れている場合の例である（図６（Ａ）参照）。

まず、車両Ａの到着時刻が当初の１０：００から１０：１０に遅れた結果、車両Ａ及び車両Ｃの到着時刻と重複したとする。当初の指示情報における車両Ａ及び車両Ｃの駐車場所はいずれも駐車スペース３であるため、車両Ａの到着が遅れた結果、到着時刻に加えて駐車場所も重複する。この場合、車両Ａが配送する部品Ｘの優先度は、車両Ｃが配送する部品Ｕの優先度よりも低いため、部品Ｕの荷下ろしを優先させるように新たな指示情報が生成される。すなわち、車両Ｃの駐車場所はそのままに、車両Ａの駐車場所を駐車スペース３から待機場所４に変更する。この結果、車両Ａから部品Ｘを荷下ろしする時刻は遅くなるものの、部品Ｘの優先度は部品Ｕの優先度よりも低いため、部品Ｕの荷下ろしが遅れるよりは製造に与える影響は小さい。

次に部品Ｔの在庫がひっ迫したため、配送計画において車両Ｆの到着時刻を当初の１０：３５から１０：２０に繰り上げた結果、車両Ｄの到着時刻と重複したとする。当初の指示情報における車両Ｄ及び車両Ｆの駐車場所はいずれも駐車スペース２であるため、車両Ｆの到着を繰り上げた結果、到着時刻に加えて駐車場所も重複する。この場合、車両Ｆが配送する部品Ｔの優先度は、車両Ｄが配送する部品Ｙの優先度よりも高いため、部品Ｔの荷下ろしを優先させるように新たな指示情報が生成される。すなわち、車両Ｆの駐車場所はそのままに、車両Ｄの駐車場所を駐車スペース２から待機場所５に変更する。この結果、車両Ｄから部品Ｙを荷下ろしする時刻は遅くなるものの、ひっ迫している部品Ｔの荷下ろしを速やかに行うことができる。

（実施形態のまとめ）
本実施形態のセンタサーバ３０では、取得部２００が在庫情報、配送計画及び配送情報を取得すると、更新部２１０が在庫情報及び配送情報に基づいて配送計画を更新する。そして、生成部２２０が更新された配送計画における優先度に基づいて、配送地への入庫の指示情報を生成すると、通知部２３０が当該指示情報を配送車両に向けて通知する。

ところで、各サプライヤーから発車した配送車両１２において、事前に配送計画に従って配送地への到着時刻が計画されていても、実際には交通状況などによって到着時刻は変動する。そして、実際に配送地に到着した際に受け入れの配送車両１２が渋滞していると、サプライヤーの異なる配送車両１２のドライバ同士では受け入れの優先順位が分からない。そのため、ドライバの判断では、ひっ迫している物品を搭載した配送車両１２を優先して入庫させることができない。これに対して本実施形態によれば、優先度を考慮して在庫がひっ迫している物品を搭載した配送車両１２を優先して配送地に入庫させることができる。

特に、本実施形態によれば、優先度が高い物品程、配送車両１２を当該物品の荷下ろし場所に近づけることにより、在庫がひっ迫する物品の荷下ろしをできるだけ早く行うことができる。

また、本実施形態によれば、配送車両１２の配送状況を配送計画に逐次反映させることにより、交通事情が変化しても配送の遅れを最小化することができる。

［第２の実施形態］
第１の実施形態のセンタサーバ３０では、到着時刻及び駐車場所の少なくとも一方を変更する必要がある場合に、指示情報が生成されたが、第２の実施形態では、配送車両１２が配送地の手前に設けられた仮想ゲートＧを通過した場合に指示情報の生成を行う。以下、第１の実施形態との相違点について説明する。なお、同一の説明には同一の符号を付しており説明は割愛する。

図８に示されるように、本実施形態のセンタサーバ３０では、ＣＰＵ３０Ａが、処理プログラム１００を実行することで、取得部２００、更新部２１０、設定部２１５、生成部２２０及び通知部２３０として機能する。

図９に示されるように、設定部２１５は、地図Ｍ上に仮想的なゲートである仮想ゲートＧを設定する機能を有している。仮想ゲートＧは、例えば、配送地を示す目的地Ｐへの到着前、所定時間の地点（例えば、到着まで５分の地点）、目的地Ｐから所定距離の地点（例えば、経路上の距離が３ｋｍの地点）に設定される。

本実施形態の生成部２２０は、仮想ゲートＧを配送車両１２が通過した場合に指示情報を生成する。補足すると、生成部２２０は、地図Ｍにおいて配送車両１２を示すターゲットＴが仮想ゲートＧに到達したことを契機に指示情報を生成する。この指示情報は、少なくとも配送地における駐車場所を含む。

以上のように構成される本実施形態では、生成部２２０が地図Ｍ上に設定された仮想ゲートＧを配送車両１２が通過したタイミングで指示情報を生成する。そのため、本実施形態によれば、配送車両１２が配送地に到着するタイミングで当該配送車両１２のドライバに対して駐車場所を提供することができる。

なお、仮想ゲートＧの位置は、固定化される必要はなく、交通状況、配送時刻、気象情報に応じて変えてもよい。一方、仮想ゲートＧの位置は固定してもよく、この場合、地図データに予め仮想ゲートの位置情報を記憶させることで、設定部２１５は不要となる。

［備考］
なお、上記実施形態でＣＰＵ２０Ａ、３０Ａがソフトウェア（プログラム）を読み込んで実行した各種処理を、ＣＰＵ以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ－Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｇａｔｅ Ａｒｒａｙ）等の製造後に回路構成を変更可能なＰＬＤ（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｌｏｇｉｃ Ｄｅｖｉｃｅ）、及びＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した受付処理を、これらの各種のプロセッサのうちの１つで実行してもよいし、同種又は異種の２つ以上のプロセッサの組み合わせ（例えば、複数のＦＰＧＡ、及びＣＰＵとＦＰＧＡとの組み合わせ等）で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。

また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶（インストール）されている態様で説明した。例えば、車載器２０における制御プログラムはＲＯＭ２０Ｂに、センタサーバ３０における処理プログラム１００はストレージ３０Ｄに予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｃ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＤＶＤ－ＲＯＭ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、及びＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。

上記実施形態における処理は、１つのプロセッサによって実行されるのみならず、複数のプロセッサが協働して実行されるものであってもよい。上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。

１２ 配送車両
３０ センタサーバ（車両指示装置）
１００ 処理プログラム（車両指示プログラム）
２００ 取得部
２１０ 更新部
２２０ 生成部
２３０ 通知部
Ｇ 仮想ゲート（仮想的なゲート）
Ｍ 地図

Claims (5)

1. 配送地における物品の在庫に係る在庫情報、配送車両による前記配送地に向けた前記物品の配送に係る配送計画、及び前記配送車両の配送状況に係る配送情報を取得する取得部と、
   前記取得部が取得した前記在庫情報及び前記配送情報に基づいて、前記配送計画を更新する更新部と、
   前記更新部が更新した前記配送計画における前記物品の受け入れ優先度に基づいて、前記配送地への入庫の指示情報を生成する生成部と、
   前記生成部が生成した前記指示情報を前記配送車両に向けて通知する通知部と、を備え、
   前記生成部は、
   地図上に設定された仮想的なゲートを前記配送車両が通過した場合に前記配送地における駐車場所を含む指示情報を生成する、
   車両指示装置。
2. 前記更新部は、
   少なくとも前記取得部が前記配送情報を取得する都度、前記配送計画を更新する請求項１に記載の車両指示装置。
3. 前記生成部は、
   前記物品に対応する前記優先度が高い程、前記物品を配送する前記配送車両を前記物品の荷下ろし場所に近い駐車場所に案内する指示情報を生成する請求項１又は２に記載の車両指示装置。
4. 配送地における物品の在庫に係る在庫情報、配送車両による前記配送地に向けた前記物品の配送に係る配送計画、及び前記配送車両の配送状況に係る配送情報を取得し、
   取得した前記在庫情報及び前記配送情報に基づいて、前記配送計画を更新し、
   地図上に設定された仮想的なゲートを前記配送車両が通過した場合に、更新した前記配送計画における前記物品の受け入れ優先度に基づいて、前記配送地における駐車場所を含む前記配送地への入庫の指示情報を生成し、
   生成した前記指示情報を前記配送車両に向けて通知する、
   処理をコンピュータが実行する車両指示方法。
5. 配送地における物品の在庫に係る在庫情報、配送車両による前記配送地に向けた前記物品の配送に係る配送計画、及び前記配送車両の配送状況に係る配送情報を取得し、
   取得した前記在庫情報及び前記配送情報に基づいて、前記配送計画を更新し、
   地図上に設定された仮想的なゲートを前記配送車両が通過した場合に、更新した前記配送計画における前記物品の受け入れ優先度に基づいて、前記配送地における駐車場所を含む前記配送地への入庫の指示情報を生成し、
   生成した前記指示情報を前記配送車両に向けて通知する、
   処理をコンピュータに実行させるための車両指示プログラム。