JP6658426B2 - X線ct分析用治具 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT分析用治具に関するものである。
X線CT(Computed Tomography)装置は、工業製品の内部構造を調べるための非破壊検査に利用されている。産業分野で使用されるX線CT装置においては、一般に、X線源とX線検出器の間に試料を配置し、試料を回転させたり移動させたりしながらその試料にX線を照射し、検出器にて試料を透過するX線を検出する。検出器にて検出されたX線のデータに基づいて試料の断層像を形成することにより、試料を破壊することなく試料の内部構造を分析することができる。
X線CT分析においては、測定対象の試料に張力が付与された状態で、その試料の内部構造の変化や挙動を分析したいというニーズが存在する。張力が付与された試料のX線CT分析を行うには、X線CT装置内に収容可能な小型の引張治具を準備する必要がある。また3次元形状を測定するためには、X線CT装置のサンプルステージに引張治具を配置し、そのサンプルステージを回転させたり移動させたりしながら、X線源から照射されるX線を引張治具に保持された試料に照射する必要がある。非特許文献1には、X線CT装置内に収容可能な小型の引張治具の一例が開示されている。
MicroTEST MT500CT,MT5KCT,MT25KCT[online].株式会社フレックス・サービス、[平成28年8月15日検索]、インターネット URL:www.flex−service.com/CT.html>.
張力を付与した状態でのX線CT分析が求められる試料の一つとして、鋼撚り線やケーブルなどの線状体がある。線状の試料を分析する場合には、試料の長手方向に沿って、試料の構造を特定するのに充分な広さの測定範囲を確保することが望まれる。さらに、X線CT分析を行うのに充分な精度を確保することが求められる。そのためには、試料とX線源、および試料とX線検出器をできるだけ近づける必要がある。したがって、張力を付与した状態で線状の試料のX線CT分析を実施する際に、充分な広さの測定範囲と充分な分析精度とが確保できるX線CT分析用治具の提供が求められている。
そこで、X線CT分析装置の内部に格納することが可能で、張力を付与した状態で線状の試料のX線CT分析を実施する際に、充分な広さの測定範囲と充分な分析精度とが確保できるX線CT分析用治具を提供することを目的の1つとする。
本願のX線CT分析用治具は、X線CT分析装置の内部において線状の試料の長手方向に張力を付与した状態で試料を保持するX線CT分析用治具であって、中空筒状の形状を有し、X線を透過する材料からなる筒状体と、筒状体の長手方向の一方の端部に接触して配置され、試料の一部である第1部分を保持するための第1保持部と、筒状体の長手方向の他方の端部に接触して配置され、試料の第1部分とは離れた一部である第2部分を保持するための第2保持部と、を備える。第1保持部は、筒状体の一方の端部に接触し、試料が貫通するための第1貫通孔を有する第1ベース部材と、第1ベース部材から見て筒状体とは反対側に配置され、試料の第1部分を把持する第1把持部と、第1把持部を第1ベース部材に対して支持する第1支持部と、を含む。第2保持部は、筒状体の他方の端部に接触し、試料が貫通するための第2貫通孔を有する第2ベース部材と、第2ベース部材から見て筒状体とは反対側に配置され、試料の第2部分を把持する第2把持部と、第2把持部を第2ベース部材に対して支持する第2支持部と、を含む。第1支持部は、第1把持部を第1ベース部材から離れる側に変位可能に支持することにより試料の長手方向に張力を付与することが可能である。
上記X線CT分析用治具によれば、X線CT分析装置の内部に格納することが可能で、張力を付与した状態で線状の試料のX線CT分析を実施する際に、充分な広さの測定範囲と充分な分析精度とが確保できるX線CT分析用治具を提供することが可能となる。
X線CT分析用治具の一例を示す外観図である。 図1に示すX線CT分析用治具を別の方向から見た外観図である。 第1ベース部材を筒状体側から平面視した状態を示す平面概略図である。 第2ベース部材を筒状体側から平面視した状態を示す平面概略図である。 第1把持部を第1ベース部材側から平面視した状態を示す平面概略図である。 X線CT分析により得られる断層画像の一例である。 X線CT分析により得られる断層画像の一例である。 X線CT分析により得られる断層画像の一例である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願のX線CT分析用治具は、X線CT分析装置の内部において線状の試料の長手方向に張力を付与した状態で試料を保持するX線CT分析用治具であって、中空筒状の形状を有し、X線を透過する材料からなる筒状体と、筒状体の長手方向の一方の端部に接触して配置され、試料の一部である第1部分を保持するための第1保持部と、筒状体の長手方向の他方の端部に接触して配置され、試料の第1部分とは離れた一部である第2部分を保持するための第2保持部と、を備える。第1保持部は、筒状体の一方の端部に接触し、試料が貫通するための第1貫通孔を有する第1ベース部材と、第1ベース部材から見て筒状体とは反対側に配置され、試料の第1部分を把持する第1把持部と、第1把持部を第1ベース部材に対して支持する第1支持部と、を含む。第2保持部は、筒状体の他方の端部に接触し、試料が貫通するための第2貫通孔を有する第2ベース部材と、第2ベース部材から見て筒状体とは反対側に配置され、試料の第2部分を把持する第2把持部と、第2把持部を第2ベース部材に対して支持する第2支持部と、を含む。第1支持部は、第1把持部を第1ベース部材から離れる側に変位可能に支持することにより試料の長手方向に張力を付与することが可能である。
長手方向に張力を付与した状態で線状の試料をX線CT分析するには、試料の長手方向に沿って、試料の内部の状態を分析するのに充分な広さの測定範囲を確保することが求められる。また、線状の試料が把持される把持部の近傍では、把持による応力の歪みが生じる。そのため、把持部の近傍では本来の試料の状態とは異なる状態が観察されるおそれがある。把持部近傍に生じる応力の歪みによる影響を排除するには、把持部から離れた範囲で分析を行う必要がある。そのためにも、試料の長手方向に沿って測定範囲を広く確保することが必要である。
さらにX線CT分析を行うのに充分な精度を確保するために、試料にX線を照射するX線源と、試料を透過するX線を検出する検出器との距離を近づける必要がある。すなわち、試料とX線源、および試料とX線検出器をできるだけ近づけることが求められる。
本願のX線CT分析用治具においては、線状の試料を保持する第1保持部と第2保持部とが、それぞれ筒状体の長手方向の端部に接触して配置される。すなわち、第1保持部と第2保持部とは、測定範囲となる筒状体の両端部よりも長手方向外側の、筒状体の外部に配置される。したがって、第1保持部および第2保持部の大きさや形状による制約を受けることなく筒状体の形状を決定することができる。すなわち、筒状体の形状に関して設計の自由度が高い。例えば、筒状体を長くすることにより線状の試料の長手方向に沿って広い測定範囲を確保することができる。また筒状体の外径を小さくすることにより、X線源と試料との距離、および試料とX線検出器との距離を短くすることもできる。その結果、張力を付与した状態で線状の試料をX線CT分析するのに充分な広さの測定範囲と充分な分析精度とが確保できる。さらに、線状の試料を保持する第1保持部および第2保持部が測定範囲となる筒状体から離れた長手方向外側に配置されているために、把持部に生じる応力の歪みによる影響を低減することができる。
また本願のX線CT分析用治具においては、第1支持部が、第1把持部を第1ベース部材から離れる側に変位可能に支持することにより試料の長手方向に張力を付与することができる。試料に張力が付与されると、その反作用により、第1保持部および第2保持部には筒状体を挟む力が生じる。その力により筒状体は容易に離脱しない程度に固定される。その結果、X線CT分析装置の内部においてX線CT分析用治具を回転させたり移動させたりしても筒状体は所定の位置に保持される。また筒状体の両端に対する力により筒状体が保持されることから、X線CT分析の際に障害物になり得る柱などの支持体を設置する必要がない。そのため、線状の試料の外周に沿った任意の方向から試料に対しX線を照射し、線状の試料全体を分析することができる。このように、本願のX線CT分析用治具によれば、張力を付与した状態で線状の試料のX線CT分析を実施する際に、充分な広さの測定範囲と充分な分析精度とが確保できるX線CT分析用治具を提供することが可能となる。
上記筒状体の長手方向の長さは50mm以上であってもよい。筒状体の長手方向の長さは50mm以上であれば、試料の長手方向に沿って充分に広い測定範囲を確保できる。
上記筒状体の外径は30mm以下であってもよい。外径が30mm以下であることで、X線源から試料を介して検出器に至るまでの距離を充分に短くでき、より高い分析精度でX線CT分析を実施することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本願のX線CT分析用治具の一実施の形態を、図1〜図6を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1は、X線CT分析用治具の一例を示す外観図である。図2は、図1に示すX線CT分析用治具を矢印Dに示す方向から見た外観図である。図1および図2は、X線CT分析用治具1に、線状の試料40が設置された状態を示す。X線CT分析の際には、X線CT分析用治具1により、線状の試料40の長手方向に張力を付与した状態で試料40が保持される。
図1および図2を参照して、本実施の形態におけるX線CT分析用治具1は、中空筒状の形状を有し、X線を透過する材料からなる筒状体30を備える。筒状体30は中空の円筒状の形状を有するのが好ましい。筒状体30が円筒状の形状を有する場合、線状の試料40の外周に沿った任意の方向から、試料40に対してX線を照射することができる。
筒状体30は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などのX線を透過する材料からなる。また、X線を透過する材料である限り、可視光に対して無色透明な材料であっても、有色の材料であってもよい。
筒状体30の長手方向の長さは、好ましくは50mm以上、より好ましくは100mm以上である。筒状体30の長手方向の長さが50mm以上であると、線状の試料40の長手方向に沿って、線状の試料40の構造を解析するのに充分な広さの測定範囲を確保することができる。
筒状体30の外径は30mm以下であるのが好ましく、20mm以下であるのがより好ましい。ここで、「外径」とは、長手方向に垂直な断面に対する外接円の直径を表す。筒状体30の外径が小さいと、X線源と試料40、および試料40と検出器との距離を小さくすることができる。その結果、高い精度で線状の試料40のX線CT分析を実施することができる。
筒状体30の外径と内径の差である肉厚は特に限定されず、筒状体30として必要とされる強度に応じて適宜設定される。ここで、「内径」とは、長手方向に垂直な断面に対する内接円の直径を表す。肉厚が大きくなるほど筒状体30の強度が高くなる。一方、筒状体30の肉厚が大きくなりすぎると、X線源と試料40、および試料40と検出器との距離も大きくなり、X線CT分析の精度が低下する。また筒状体30は、試料40と筒状体30の内壁とが接触しない状態で試料40が貫通可能な空間を有している必要がある。したがって、筒状体30の肉厚は、筒状体30の強度、X線CT分析の精度、および試料40を設置するのに必要な空間の大きさなどを考慮して適宜設定される。
X線CT分析用治具1は、筒状体30の長手方向の一方の端部に接触して配置され、試料40の一部である第1部分を保持するための第1保持部10と、筒状体30の長手方向の他方の端部に接触して配置され、試料40の第1部分とは離れた一部である第2部分を保持するための第2保持部20と、を備える。本実施の形態においては、第1部分および第2部分は、試料40の各端部に該当する。
第1保持部10は、第1ベース部材52と、第1把持部54と、第1支持部とを備える。第1ベース部材52は、円盤状の形状を有し、X線CT分析用治具1が組み立てられた状態において、一方の主面52Aで筒状体30の一方の端部と接触する。第1ベース部材52の主面52Aには、図1〜図3に示すように、第1ベース部材52と接する側の端部における筒状体30の内径よりも幾分小さい直径を有する円盤状の凸部50が設けられている。凸部50には筒状体30の一方の端部を嵌めこむことが可能である。凸部50に筒状体30の一方の端部を嵌めこむことにより、筒状体30を所定の位置に保持することが容易となる。また図3に示すように、第1ベース部材52は、試料40が貫通するための、円形の第1貫通孔48を有する。
図1および図2において、第1支持部は、円盤状の形状を有する基部62と、基部62の一方の主面62A上に設置された円筒状の第1支持軸68と、主面62A上に配置され、第1のベース部材52の他方の主面52Bと接続された支柱56,58,60とを含む。第1把持部54は、第1支持軸68により支持されている。このような構成を有することにより、第1支持部は、第1把持部54を第1ベース部材52に対して支持する。第1支持軸68は、円筒状の形状を有する第1開閉操作部64を備える。第1開閉操作部64は周方向に回転可能であり、回転により第1把持部54を開放した状態(試料40の把持を解除した状態)または閉鎖した状態(試料40を把持する状態)とを切り替えることができる。
第1把持部54は、第1ベース部材52から見て筒状体30とは反対側に配置される。第1把持部54は、試料40の第1部分である一方の端部を把持する。第1把持部54は、例えば図5に示すような3つ爪チャック機構を備えていてもよい。図5を参照して、爪部91,92,93は、第1ベース部材52から見て、周方向において等間隔に配置されている。第1把持部54に試料40をセットするには、まず挿入孔94に試料40の一方の端部を挿入する。その状態で第1開閉操作部64を所定の方向に回転させると、挿入孔94を閉鎖するように爪部91,92,93が径方向中心側に移動し、試料40を掴んで固定する。試料40を開放するには、上記所定の方向とは逆の方向に第1開閉操作部64を回転させる。これにより、爪部91,92,93が径方向外側に移動し、試料40が開放される。
第2保持部20は、第2ベース部材72と、第2把持部78と、第2支持部とを備える。第2ベース部材72は、円盤状の形状を有し、X線CT分析用治具1が組み立てられた状態において、筒状体30の、第1ベース部材52に接する側とは逆側の端部と、一方の主面72Aで接触する。第2ベース部材72の主面72Aには、図1、図2および図4に示すように、第2ベース部材72と接する側の端部における筒状体30の内径よりも幾分小さい直径を有する円盤状の凸部70が設けられている。第1のベース部材52に設けられた凸部50と同様に、凸部70には、筒状体30の、第1ベース部材52に接する側とは逆側の端部を嵌めこむことが可能である。凸部70に筒状体30のもう一方の端部を嵌めこむことにより、筒状体30を所定の位置に保持することが容易となる。また図4に示すように、第2ベース部材72は、試料40が貫通するための、円形の第2貫通孔88を有する。
図1および図2において、第2支持部は、円盤状の天板80と、天板80の一方の主面80Aに接続された円筒状の第2支持軸84と、主面80Aに接触し、第2のベース部材72の主面72Bと接続された支柱74,76とを含む。第2把持部78は、第2支持軸84により支持されている。このような構成を有することにより、第2支持部は、第2把持部78を第2ベース部材72に対して支持する。第2支持軸84は、張力検出デバイス82と、円筒状の形状を有する第2開閉操作部86を備える。張力検出デバイス82は、試料40に付与される長手方向の張力を検出する。検出された張力のデータは、信号送信用ケーブル81を通じて張力表示装置(図示せず)に送信される。第2開閉操作部86は周方向に回転可能であり、回転により第2把持部78を開放した状態(試料40の把持を解除した状態)または閉鎖した状態(試料40を把持する状態)とを切り替えることができる。
第2把持部78は、第2ベース部材72から見て筒状体30とは反対側に配置される。第2把持部78は、試料40の第2部分である、第1把持部54に把持された側とは反対側の端部を把持する。第2把持部78は、例えば図5に示す3つ爪チャック機構を備える第1把持部54と同様の3つ爪チャック機構を備える。第2把持部78の開閉は、第1把持部54と同様に、第2開閉操作部86を所定の方向に回転させることにより行う。
第1支持部は、第1の把持部54および第2の把持部78により両端が把持された試料40に対し、第1把持部54を第1ベース部材52から離れる側に変位可能に支持することにより試料40の長手方向に張力を付与することができる。第1支持部の第1支持軸68には、試料40の長手方向に張力を付与するための張力付与レバー66が配置されている。例えば張力付与レバー66を固定軸に対して時計回りに回転すると試料40の長手方向に張力が付与される。試料40の長手方向に張力が付与されると、その反作用の力により、第1保持部10および第2保持部20には、筒状体30の長手方向に沿って筒状体30を挟む向きの圧力が生じる。その結果、第1保持部10および第2保持部20に挟まれるようにして筒状体30が固定される。
図3および図4を参照して、第1ベース部材52は、試料40が貫通するための第1貫通孔48を有する。また第2ベース部材72は、試料40が貫通するための第2貫通孔88を有する。試料40と第1貫通孔48および第2貫通孔88とが接触しないように、第1貫通孔48と第2貫通孔88とは、第1把持部54と第2把持部78とを結ぶ直線と第1ベース部材52または第2ベース部材72とが交差する位置にそれぞれ設けられる。第1貫通孔48および第2貫通孔88は、それぞれ、試料40を測定位置に設置したときに第1貫通孔48および第2貫通孔88の内壁と試料40とが接触しないような大きさを有するように形成される。
第1ベース部材52の第1貫通孔48の中心軸と、凸部50の中心軸とは一致することが好ましい。また第2ベース部材72の第2貫通孔88の中心軸と、凸部70の中心軸とは一致することが好ましい。それぞれの貫通孔の中心軸と凸部の中心軸が一致する場合、X線源と試料40との距離、および試料40とX線検出器との距離を近づけてもその距離を一定にすることが容易となる。また第1ベース部材52の第1貫通孔48の中心軸と、凸部50の中心軸と、第2ベース部材72の第2貫通孔88の中心軸と、凸部70の中心軸とは、第1把持部54と第2把持部78とを結ぶ直線上に存在することが好ましい。この場合、X線源と試料40との距離、および試料40とX線検出器との距離を近づけてもその距離を一定にすることが一層容易となる。その結果、試料40の外周に沿って均一な分析を行うことができる。
X線CT分析においては、X線CT分析装置内部のサンプルステージ上に試料40を設置したX線CT分析用治具1が載置され、X線源に対してX線CT分析用治具1を回転させたり移動させたりしてX線の照射位置を変更することで試料40を多面的に分析する。このとき、筒状体30が固定されていなければ測定中に筒状体30が離脱してしまうため、適切にX線CT分析を行うことができない。本実施の形態におけるX線CT分析用治具1においては、上述のように第1保持部10および第2保持部20に挟まれるようにして筒状体30が保持される。そのため、X線CT分析の間に筒状体30が脱離することがなく、X線CT分析を行うことが可能となる。加えて、筒状体30の周囲には筒状体30を保持するための柱などの障害物が存在しないことから、試料40の外周に沿った任意の方向から試料40に対しX線を照射し、線状の試料40全体を分析することができる。
第1保持部10および第2保持部20の大きさや形状は、測定する試料40に合わせて適宜変更することができる。また筒状体30の長さや径についても適宜変更可能である。したがって設計の自由度が高い。たとえば、X線CT分析装置の内部の空間の大きさを考慮して、その空間内に収まるようX線CT分析用治具1を設計することが容易である。
なお上記実施の形態において、張力検出デバイス82は第2支持軸84に配置されていたが、第1支持軸68側に配置されていてもよい。また張力検出デバイス82を省略することも可能である。たとえばX線CT分析用治具1とは別の装置により張力を検出するようにしてもよい。
上記実施形態においては、円盤状の形状を有する第1のベース部材52および第2のベース部材72を用いたが、第1のベース部材52および第2のベース部材72の形状は特に限定されない。また凸部50および凸部70については適宜省略することも可能である。また凸部に代えて、筒状体30の外径よりも幾分大きな直径を有し、筒状体30を収容する凹部を設けてもよい。さらに、凸部50および凸部70に代えて、筒状体30の保持を補助するための他の機構を設けてもよい。
図1および図2においては、試料40の長手方向に張力を付与する機構および張力付与レバー66を支持部10側に設置した例を示したが、上記機構および張力付与レバーは支持部20側に配置されていてもよい。この場合には、支持部20が第1の支持部となる。
本実施の形態に係るX線CT分析用引張治具1に用いたX線CT分析により分析される線状の試料40の例としては、鋼撚り線や鋼単線等の鋼線、銅線、電力ケーブルなどのケーブルが挙げられる。
[X線CT分析におけるX線CT分析用引張治具1の使用方法]
X線CT分析用引張治具1を用いたX線CT分析を行う場合の使用方法の一例を示す。まず鋼撚り線などの線状の試料40を準備する。第1開閉操作部64および第2開閉操作部86を所定の方向に回転させることにより第1把持部54および第2把持部78をそれぞれ開放する。線状の試料40の一方の端部を第2把持部78の挿入孔94に挿入し、第2把持部78が閉鎖する方向に第2開閉操作部86を回転させて試料40の一方の端部を固定する。次に線状の試料40の固定されていない側の端部を、第2ベース部材72の第2貫通孔88、筒状体30の中空部分、第1ベース部材52の第1貫通孔48の順に通過させる。このとき、筒状体30の両端を、第1ベース部材52の凸部50および第2ベース部材72の凸部70にはめ込む。次に、第2把持部78に把持された側とは反対側の試料40の端部を第1把持部54の挿入孔94に挿入し、第1把持部54が閉鎖する方向に第1開閉操作部64を回転させて試料40のもう一方の端部を固定する。張力付与レバー66を中心軸に対して時計方向に回転させて張力を付与する。張力は張力検出デバイス82を通じて検出される。必要に応じて、検出される張力の値を見ながら張力付与レバー66を操作し所定の張力に調整する。この状態においては、第1保持部10および第2保持部20には、上記張力の反作用として、筒状体30を両側から挟むように圧力が生じる。この圧力により、筒状体30は容易には脱離しない程度に第1保持部10と第2保持部20との間に固定される。
このように筒状体30が固定され、試料40が保持されたCT分析用引張治具1を、X線CT分析装置の内部の、上下運動および回転運動が可能なサンプルステージの上に載置する。X線CT分析装置内においては、X線源により出射されたX線が、図1の矢印Dの方向から試料40に対し照射される。試料40を透過したX線は、試料40を挟んでX線源と対向する側に配置された検出器によって検出される。矢印Dの方向からX線を照射しながら、サンプルステージを上下運動または回転運動させることにより、試料40全体に対する透過X線のデータが得られる。その透過X線のデータを解析することにより、試料40の内部の断層画像を得ることができる。なお、X線CT分析装置、サンプルステージ、X線源および検出器は図面内に図示していない。
[測定例]
本実施の形態に係るX線CT分析用治具1を用いたX線CT分析により得られる断層画像の一例を図6〜図8に示す。図6〜図8は鋼撚り線のX線CT分析により得られる断層画像である。断層画像内に見られる白い円状の部分は撚り線内の被覆ゴムを示す。図7は試料40の長手方向に10Nの張力を付与した状態における撚り線内部の構造を示す断層画像の拡大図である。また図8は試料40の長手方向に70Nの張力を付与した状態における鋼撚り線内部の構造を示す断層画像の拡大図である。図7と図8を比較して、長手方向に70Nの張力を付与した状態を示す図8の画像の方が素線同士の間隔が近接していることがわかる。このように、張力を付与することにより鋼撚り線の試料40内部の構造に変化が生じていることが確認できる。以上の通り、本実施の形態の本実施の形態に係るX線CT分析用治具1を用いてX線CT分析を行うと、試料40の長手方向に付与される張力の違いによる内部構造の変化が確認できた。
以上のように、本実施の形態におけるX線CT分析用治具1は、設計の自由度が高く、張力を付与した状態で線状の試料40をX線CT分析するのに充分な広さの測定範囲と充分な分析精度とが確保できる。また測定範囲に該当する筒状体30、および筒状体30を挟むようにして保持する第1の保持部10および第2の保持部20を備えることで、X線CT分析の際にX線CT分析用治具1を回転させたり移動させたりしても筒状体30が固定されたまま保持される。加えて、筒状体30の周囲に柱などの障害物が存在しないことから、線状の試料40の外周に沿った任意の方向から、試料40に対してX線を照射し、線状の試料40全体を分析することができる。このようにして、X線CT分析装置の内部に格納することが可能で、張力を付与した状態で線状の試料のX線CT分析を実施する際に、充分な広さの測定範囲と充分な分析精度とが確保できるX線CT分析用治具を提供することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願のX線CT分析用治具は、張力を付与した状態での線状の試料のX線CT分析が求められる技術分野において、特に有利に適用され得る。
1 X線CT分析用治具
10 第1保持部
20 第2保持部
30 筒状体
40 試料
48 第1貫通孔
50 凸部
52 第1ベース部材
52A,52B 主面
54 第1把持部
56,58,60 支柱
62 基部
62A 主面
64 第1開閉操作部
66 張力付与レバー
68 第1支持軸
70 凸部
72 第2ベース部材
74,76 支柱
78 第2把持部
80 天板
80A 主面
81 信号送信用ケーブル
82 張力検出デバイス
84 第2支持軸
86 第2開閉操作部
88 第2貫通孔
91,92,93 爪部
94 挿入孔

Claims (3)

  1. X線CT分析装置の内部において線状の試料の長手方向に張力を付与した状態で前記試料を保持するX線CT分析用治具であって、
    中空筒状の形状を有し、X線を透過する材料からなる筒状体と、
    前記筒状体の長手方向の一方の端部に接触して配置され、前記試料の一部である第1部分を保持するための第1保持部と、
    前記筒状体の長手方向の他方の端部に接触して配置され、前記試料の前記第1部分とは離れた一部である第2部分を保持するための第2保持部と、を備え、
    前記第1保持部は、
    前記筒状体の前記一方の端部に接触し、前記試料が貫通するための第1貫通孔を有する第1ベース部材と、
    前記第1ベース部材から見て前記筒状体とは反対側に配置され、前記試料の前記第1部分を把持する第1把持部と、
    前記第1把持部を前記第1ベース部材に対して支持する第1支持部と、を含み、
    前記第2保持部は、
    前記筒状体の前記他方の端部に接触し、前記試料が貫通するための第2貫通孔を有する第2ベース部材と、
    前記第2ベース部材から見て前記筒状体とは反対側に配置され、前記試料の前記第2部分を把持する第2把持部と、
    前記第2把持部を前記第2ベース部材に対して支持する第2支持部と、を含み、
    前記第1支持部は、前記第1把持部を前記第1ベース部材から離れる側に変位可能に支持することにより前記試料の長手方向に張力を付与可能となっている、X線CT分析用治具。
  2. 前記筒状体の長手方向の長さは50mm以上である、請求項1に記載のX線CT分析用治具。
  3. 前記筒状体の外径は30mm以下である、請求項1又は請求項2に記載のX線CT分析用治具。
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