JP6658337B2 - 誘電体組成物及び電子部品 - Google Patents
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Description
化学式a{K(Ba1−xSrx)2Nb5O15}+b{(Ca1−ySry)TiSiO5}で表される主成分を有する誘電体組成物において、
前記x、yが、0.35≦x≦0.75、0.40≦y≦0.85であり、
前記aとbとの関係が、a+b=1.00であり、0.37≦a≦0.62
であることを特徴とする。
K(Ba1−xSrx)2Nb5O15は、出発原料として平均粒子径が1.0μm以下のK2CO3、BaCO3、SrCO3、Nb2O5粉末を準備する。(Ca1−ySry)TiSiO5は、出発原料として平均粒子径が1.0μm以下のCaCO3、SrCO3、TiO2、SiO2粉末を準備する。これら出発原料を所定の割合に秤量した後、ボールミル等を用いて所定の時間、湿式混合を行う。混合粉を乾燥後、大気中において1000℃以下の熱処理を行い、平均粒径が0.5μm〜2.0μmのa{K(Ba1−xSrx)2Nb5O15}+b{(Ca1−ySry)TiSiO5}の仮焼き粉末を得ても良い。また、上記の出発原料を用い、1000℃以下の熱処理を行い、K(Ba1−xSrx)2Nb5O15の仮焼き粉末と、(Ca1−ySry)TiSiO5の仮焼き粉末とを別々に準備し、その後、仮焼き粉末を混合し、平均粒径が0.5μm〜2.0μmのa{K(Ba1−xSrx)2Nb5O15}+b{(Ca1−ySry)TiSiO5}の仮焼き粉末を得ても良い。
前記K(Ba1−xSrx)2Nb5O15または(Ca1−ySry)TiSiO5構成されている結晶粒子の面積割合を高める場合、以下のように誘電体組成物を製造する。
実施例1では、上記の誘電体組成物の製造方法1に従い、誘電体組成物の仮焼き粉末を作製した場合について記載した。
まず、出発原料として平均粒径1.0μm以下のK2CO3、BaCO3、SrCO3、CaCO3、Nb2O5、TiO2、SiO2粉末を準備し、化学式a{K(Ba1−xSrx)2Nb5O15}+b{(Ca1−ySry)TiSiO5}において、表1の各試料番号に記載のx、y、a、bを満足するように秤量した。その後、分散媒としてのエタノールを用いでボールミルにより17時間湿式混合した。その後、得られた混合物を乾燥して混合原料粉末を得た。その後、大気中で保持温度950℃、保持時間24時間の条件で熱処理を行い、誘電体組成物原料粉末を得た。
昇温速度:100℃/時間
保持温度:400℃
温度保持時間:8.0時間
雰囲気ガス:加湿したN2とH2との混合ガス
(焼成)
昇温速度:500℃/時間
保持温度:1100℃〜1350℃
温度保持時間:2.0時間
冷却速度:100℃/時間
雰囲気ガス:加湿したN2とH2との混合ガス
酸素分圧:10−5〜10−9Pa
(アニール処理)
保持温度:800℃〜1000℃
温度保持時間:2.0時間
昇温、降温速度:200℃/時間
雰囲気ガス:加湿したN2ガス
積層セラミックコンデンサ試料に対し、250℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4284A)にて、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの信号を入力し、静電容量を測定した。そして、比誘電率(単位なし)を、誘電体層の厚みと、有効電極面積と、測定の結果得られた静電容量Cとに基づき算出した。比誘電率は高いほうが好ましく、300以上を良好であると判断した。
積層セラミックコンデンサ試料に対し、250℃において、100V/sec昇圧速度で直流電圧を印加し、漏れ電流が10mAを超えたところを直流耐電圧とした。直流耐電圧は、50V/μm以上あることが好ましく、100V/μm以上あることを良好と判断した。より好ましく直流耐電圧としては150V/μm以上である。
高温負荷寿命試験は、各試料番号の試料200個について、温度250℃で、誘電体層の厚みに対し20V/μmとなるように直流電圧を印加して、絶縁抵抗の経時変化を測定した。絶縁抵抗が1桁劣化した試料を故障と判定し、故障時間のワイブル解析から50%の平均故障時間(MTTF)を求めた。本発明では、平均故障時間(MTTF)を高温負荷寿命とした。高温負荷寿命は長い方が好ましく、80時間以上、より好ましくは120時間以上を良好であると判断した。
焼成して得られた積層セラミックコンデンサ試料に対して、FIB(集束イオンビーム:Focused Ion Beam)を用いてマイクロサンプリングを行い、誘電体層のTEM試料を作製した。このTEM試料に対しJEOL製の走査透過電子顕微鏡であるJEM2200FSを用いSTEM−EDS(Scanning Transmission Electron Microscopy―Energy Dispersive X−ray Spectrometry)マッピング行った。マッピングの視野は、7μm×7μmとし、各試料に対し10視野以上マッピングを行った。これらの方法で得られた元素マップを用いて、K(Ba1−xSrx)2Nb5O15の元素であるK、Ba、Sr、Nbと、(Ca1−ySry)TiSiO5の元素であるCa、Sr、Ti、Siの面積を特定し、各10視野以上の結果の平均面積を用いて、K(Ba1−xSrx)2Nb5O15で構成される結晶粒子の面積割合をα(%)と、(Ca1−ySry)TiSiO5で構成される結晶粒子の面積割合をβ(%)とを算出した。本実施形態では、高い直流耐電圧と良好な高温負荷寿命とを得るため、0.60≦α/β≦1.60、かつ、80%≦α+βであることを良好とした。
ここでは、上記に示した誘電体組成物の製造方法2を用いて、前記K(Ba1−xSrx)2Nb5O15または(Ca1−ySry)TiSiO5で構成されている結晶粒子の面積割合を高めた場合について検証した結果を示した。
昇温速度:100℃/時間
保持温度:400℃
温度保持時間:8.0時間
雰囲気ガス:加湿したN2とH2との混合ガス
(焼成)
昇温速度:2000℃/時間
保持温度:1100℃〜1350℃
温度保持時間:1.0時間
冷却速度:200℃/時間
雰囲気ガス:加湿したN2とH2との混合ガス
酸素分圧:10−2〜10−5Pa
(アニール処理)
保持温度:500℃〜1000℃
温度保持時間:2.0時間
昇温、降温速度:200℃/時間
雰囲気ガス:加湿したN2ガス
このように、誘電体組成物の材料組成を制御するだけでは無く、同時に誘電体組成物を構成している結晶粒子の組成も制御することで、これまで実現することが困難であった250℃において高い高温負荷寿命と高い直流耐電圧とを両立できることが分かった。
実施例2と同様な方法を用いて、表5に示す誘電体組成物原料粉末を作製した。
2 誘電体層
3 内部電極層
4 外部電極
10 コンデンサ素子本体
Claims (4)
- 化学式a{K(Ba1−xSrx)2Nb5O15}+b{(Ca1−ySry)TiSiO5}で表される主成分を有する誘電体組成物において、
前記x、yが、0.35≦x≦0.75、0.40≦y≦0.85であり、
前記aとbとの関係が、a+b=1.00であり、0.37≦a≦0.62
であることを特徴とする誘電体組成物。 - 前記誘電体組成物は複数の結晶粒子で構成され、前記誘電体組成物を構成している結晶粒子全体の面積割合を100%とした場合に、K(Ba1−xSrx)2Nb5O15で構成される結晶粒子の面積割合をα(%)、(Ca1−ySry)TiSiO5で構成される結晶粒子の面積割合をβ(%)とした場合、前記αとβとの関係が、0.60≦α/β≦1.60であり、80%≦α+βであることを特徴とする請求項1に記載の誘電体組成物。
- 前記x、y、α、βが、0.35≦x≦0.50、0.55≦y≦0.75、0.60≦α/β≦1.10、90%≦α+βであることを特徴とする請求項2に記載の誘電体組成物。
- 誘電体層と内部電極層とを有する電子部品であって、前記誘電体層が、請求項1から請求項3のいずれかに記載の誘電体組成物より成ることを特徴とする電子部品。
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US15/632,955 US10186379B2 (en) | 2016-06-28 | 2017-06-26 | Dielectric composition and electronic component |
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JP2016127386A JP6658337B2 (ja) | 2016-06-28 | 2016-06-28 | 誘電体組成物及び電子部品 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016127386A Active JP6658337B2 (ja) | 2016-06-28 | 2016-06-28 | 誘電体組成物及び電子部品 |
Country Status (1)
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