JP6657463B1 - チタン酸化合物含有粒子、チタン酸化合物含有粒子の製造方法および、摩擦材 - Google Patents

チタン酸化合物含有粒子、チタン酸化合物含有粒子の製造方法および、摩擦材 Download PDF

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Abstract

【課題】使用時の人体への影響が少なく、安全性の高いチタン酸化合物含有粒子、チタン酸化合物含有粒子の製造方法および、摩擦材を提供する。【解決手段】この発明のチタン酸化合物含有粒子は、チタン酸アルカリ金属粒子と、結合剤層と、を有し、当該チタン酸化合物含有粒子の50%粒子径D50が40μm〜100μmであり、短径dが3μm以下かつ長径Lが5μm以上かつアスペクト比(L/d)が3以上のチタン酸化合物含有粒子の含有割合が0.05質量%以下であるチタン酸化合物含有粒子ものである。【選択図】なし

Description

この発明は、チタン酸アルカリ金属粒子を含むチタン酸化合物含有粒子、チタン酸化合物含有粒子の製造方法および、摩擦材に関するものであり、特に、使用上の健康安全性の向上に寄与することのできる技術を提案するものである。
自動車、鉄道車両、航空機及び産業機械類等における制動装置を構成するブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェージング等の摩擦摺動部材用の摩擦材として、従来は、アスベスト(石綿)を有機もしくは無機系の結合剤で結着させて使用されていた。しかるに、アスベストは、摩擦材に求められる耐熱性を含む所要の摩擦摩耗特性を十分に得ることができないだけでなく、発癌性等の人体や環境への有害性の問題があることから、これに代替する材料が希求されている。
このような状況の下、近年は、上述した摩擦材に、アスベストのような発癌性を示さないチタン酸カリウムに代表されるチタン酸アルカリ金属を用いることが検討されており、この代替材料の開発が進められている。特に、チタン酸アルカリ金属のなかでもチタン酸カリウムは、優れた耐熱性を有するとともに、摩擦ブレーキのフェード現象の防止や摩擦特性の熱安定性向上の効果がある。
この種の技術としては、たとえば特許文献1及び2に記載されたもの等がある。
特許文献1には、「細孔直径0.01〜1.0μmの範囲の積算細孔容積が5%以上であり、チタン酸塩化合物の結晶粒が結合してなる多孔質チタン酸塩化合物粒子であって、表面に疎水性表面処理剤からなる処理層が形成されていることを特徴とする、多孔質チタン酸塩化合物粒子」が開示されている。特許文献1では、この「多孔質チタン酸塩化合物粒子」によると、「摩擦材に用いた場合に優れた耐フェード性、防湿性を付与することができる。」とされている。
また、特許文献2には、「熱安定性が高い上、摩擦材用の基材繊維及び/又は摩擦調整材として優れた主に棒状、柱状、円柱状、短冊状、粒状及び/又は板状の形状を有するチタン酸アルカリからなる中空体粉末及びその製造方法、並びにこれを含有する摩擦材を提供する」ことを目的として、「棒状、柱状、円柱状、短冊状、粒状及び/又は板状の形状を有するチタン酸アルカリ粒子が結合した中空体の殻からなるチタン酸アルカリの中空体粉末」が提案されている。
国際公開第2017/051690号 特開2009−114050号公報
ところで、チタン酸アルカリ金属は、上述したように優れた特性を有することから、摩擦材等の所定の用途に用いることが有望であるも、そのチタン酸アルカリ金属の粒子には、特許文献1、2にも記載されているように、平均繊維長が10〜20μm、平均繊維径が0.1〜0.5μmの繊維状のものが含まれることがある。世界保健機関(WHO)は、いわゆるWHOファイバーと称される繊維の条件として、長さ(長径L)が5μmより長く、太さ(短径d)が3μm未満であり、長さと太さの比(アスペクト比)が3:1より大きいことを定めており、チタン酸アルカリ金属粒子は、このような環境衛生上の観点から更なる改善の余地がある。
特許文献1、2では、上記のようなチタン酸アルカリ金属の繊維状の微細な粒子を減じるための具体的な手法について十分に検討されているとは言い難い。
この発明は、このような問題に対処するべくなされたものであり、その目的は、使用時の人体への影響が少なく、安全性の高いチタン酸化合物含有粒子、チタン酸化合物含有粒子の製造方法および、摩擦材を提供することにある。
発明者らは鋭意検討の結果、チタン酸アルカリ金属粒子を予め、結合剤と混合させて、チタン酸アルカリ金属粒子に結合剤層をコーティングすることにより、粒子サイズが増大し、所定の用途で所要の特性を維持しながらも、人体への影響が少なくなって安全性が高まることを見出した。
このような知見に基づいた、この発明のチタン酸化合物含有粒子は、50%粒子径D50が30μm〜60μmであるチタン酸アルカリ金属粒子と、当該チタン酸アルカリ金属粒子の周囲の少なくとも一部を覆って形成された結合剤層と、を有し、当該結合剤層で前記チタン酸アルカリ金属粒子どうしが結合して凝集しており、当該チタン酸化合物含有粒子の50%粒子径D50が40μm〜100μmであり、短径dが3μm以下かつ長径Lが5μm以上かつアスペクト比(L/d)が3以上の当該チタン酸化合物含有粒子の含有割合が0.05質量%以下であり、当該チタン酸化合物含有粒子のSPAN値が0.1〜5.0であるものである。
また、この発明のチタン酸化合物含有粒子は、前記チタン酸アルカリ金属粒子に含まれるアルカリ金属が、カリウム、ナトリウム及びリチウムからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
また、この発明のチタン酸化合物含有粒子は、前記結合剤層がフェノール樹脂を含み、当該チタン酸化合物含有粒子の全量に対する、前記フェノール樹脂の含有量が、1質量%〜10質量%であることが好ましい。
また、この発明のチタン酸化合物含有粒子は、前記フェノール樹脂が、レゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。
この発明のチタン酸化合物含有粒子の製造方法は、上述したいずれかのチタン酸化合物含有粒子を製造する方法であって、チタン化合物とアルカリ金属化合物を混合して混合物を得る原料混合工程と、前記混合物を加熱してチタン酸アルカリ金属粒子を得る焼成工程と、50%粒子径D50が30μm〜60μmである前記チタン酸アルカリ金属粒子を結合剤と混合して前記チタン酸アルカリ金属粒子の周囲の少なくとも一部を結合剤層で被覆して、前記結合剤層で前記チタン酸アルカリ金属粒子どうしが結合して凝集してなる当該チタン酸化合物含有粒子を得る結合剤コーティング工程と、を含むものである。
ここで、この発明のチタン酸化合物含有粒子の製造方法では、前記結合剤コーティング工程の後に当該チタン酸化合物含有粒子を乾燥する乾燥工程を含んでもよい。
なお、この発明のチタン酸化合物含有粒子の製造方法では、前記焼成工程で、前記混合物を800℃〜1300℃の温度範囲内に加熱し、当該温度を10分間〜10時間にわたって維持することが好ましい。
この発明のチタン酸化合物含有粒子の製造方法では、前記チタン酸アルカリ金属粒子に含まれるアルカリ金属を、カリウム、ナトリウム及びリチウムからなる群から選択される少なくとも一種とすることが好ましい。
この発明のチタン酸化合物含有粒子の製造方法では、前記結合剤コーティング工程で用いる前記結合剤を、レゾール型フェノール樹脂を含むものとすることが好ましい。
前記結合剤コーティング工程では、前記チタン酸アルカリ金属粒子と結合剤の混合に、混合機を用いることが好ましい。
また、この発明の摩擦材は、上記のいずれかのチタン酸化合物含有粒子を含有するものである。
この発明によれば、チタン酸化合物含有粒子が結合剤層を含み、チタン酸化合物含有粒子の50%粒子径D50が40μm〜100μmであって、所定の寸法のチタン酸化合物含有粒子の含有割合が0.05質量%以下であることにより、使用時に人体への影響が少なく、安全性を高めることができる。
実施例のチタン酸化合物含有粒子のコーティング前のチタン酸カリウム粒子のSEM画像である。 実施例1のチタン酸化合物含有粒子のSEM画像である。 実施例7のチタン酸化合物含有粒子のSEM画像である。 実施例8のチタン酸化合物含有粒子のSEM画像である。 実施例1のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。 実施例2のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。 実施例3のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。 実施例4のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。 実施例5のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。 実施例6のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。 実施例7のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。 実施例8のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布を示すグラフである。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態のチタン酸化合物含有粒子は、チタン酸アルカリ金属粒子と結合剤層とを有し、当該チタン酸化合物含有粒子の50%粒子径D50が40μm〜100μmであり、短径dが3μm以下かつ長径Lが5μm以上かつアスペクト比(L/d)が3以上のチタン酸化合物含有粒子の含有割合が0.05質量%以下である。このようなチタン酸化合物含有粒子は、詳細については後述するように、チタン酸アルカリ金属粒子を形成した後に、当該チタン酸アルカリ金属粒子を、所定の条件で結合剤と混合させることにより製造することができる。
(チタン酸化合物含有粒子)
チタン酸化合物含有粒子は、主としてチタン酸アルカリ金属を含有するチタン酸アルカリ金属粒子と、その周囲の少なくとも一部を覆って付着した結合剤層とを含んで構成される。
チタン酸アルカリ金属は、チタン酸化合物の一種であって、一般式M2O・nTiO2(式中、Mはアルカリ金属元素、nは1〜12の整数)で表されるものである。チタン酸アルカリ金属に含まれるアルカリ金属として具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられ、特に、カリウム、ナトリウム及びリチウムからなる群から選択される少なくとも一種とすることが好ましい。このうち、たとえば、一般式M2O・nTiO2(nは1〜12の整数)で示されるチタン酸アルカリ金属のなかでも具体的には、6チタン酸ナトリウム(Na2Ti613)、8チタン酸ナトリウム(Na2Ti817)、6チタン酸カリウム(K2Ti613)、8チタン酸カリウム(K2Ti817)、5チタン酸リチウム(Li4Ti512)等を挙げることができる。このうち、たとえば、6チタン酸カリウム(K2O・6TiO2)又は8チタン酸カリウム(K2O・8TiO2)は、トンネル構造の結晶構造を有し、これを含有させた摩擦材は特に耐熱性等に優れた特性を有する。
チタン酸化合物含有粒子中のチタン酸アルカリ金属の含有量は、好ましくは50質量%〜99質量%、より好ましくは80質量%〜99質量%とする。チタン酸化合物含有粒子中のチタン酸アルカリ金属の含有量が上記範囲から外れた場合には、チタン酸化合物含有粒子を維持できなくなり、生産性の観点から好ましくない。
チタン酸アルカリ金属粒子の周囲の結合剤層は、チタン酸アルカリ金属粒子それ自体の粒子サイズを増大させ、また場合によってはチタン酸アルカリ金属粒子どうしを結合させるべくも機能し、それにより、人体に影響を及ぼし得る繊維状の微細な粒子を有効に低減させる。
結合剤層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアナートエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ビニルエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含むことができるが、なかでも、フェノール樹脂を含むことが好ましい。フェノール樹脂は、チタン酸化合物含有粒子を用いて摩擦材組成物等を作製する場合に配合される多数の材料のうちの一つとされることがある。それ故に、結合剤層がフェノール樹脂を含む場合は、粒子サイズの増大によって健康上の安全性を高めつつ、フェノール樹脂を含むことにより、摩擦材等の所要の要求性能が有効に確保される。結合剤層は一般に、チタン酸アルカリ金属粒子の周囲に直接付着していることがある。
結合剤層は、レゾール型フェノール樹脂やノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂を単独あるいは2種類以上を併用して使用することができる。
ここで、レゾール型フェノール樹脂とは、フェノール類とアルデヒド類とをアルカリ性触媒下で反応して得られるものである。通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)を1.3〜3.0として反応させて得ることができる。
レゾール型フェノール樹脂を製造するために使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、ハイドロキノン、tert−ブチルフェノール、フェニルフェノール、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等を挙げることができる。中でも反応性、価格の点からフェノールがよい。これらは単独または2種以上の混合物として使用することができる。
また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン等が挙げられる。
レゾール型フェノール樹脂の重量平均分子量は300〜3000の範囲であることが好ましい。
この重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として作成した検量線をもとに算出することができる。
ノボラック型フェノール樹脂とは、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合させて得られるものである。通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.5〜0.9として反応させて得ることができる。
ノボラック型フェノール樹脂を製造するために使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、ハイドロキノン、tert−ブチルフェノール、フェニルフェノール、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等を挙げることができ、これらは単独または2種以上の混合物として使用することができる。
また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン等が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は500〜10000の範囲であることが好ましい。 この重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として作成した検量線をもとに算出することができる。
また、ノボラック型フェノール樹脂を使用する場合、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを混合して用いることも可能である。
結合剤層に含まれ得るフェノール樹脂としては様々に変性されたものを用いることもできる。たとえば、NBR変性フェノール樹脂、SBR変性フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、アラルキル変性フェノール樹脂等がある。
結合剤層に用いるフェノール樹脂は液体状で使用される。この際、樹脂固形分は10質量%〜60質量%であることが好ましい。この結合剤層に使用される溶媒は水以外に有機溶媒を使用してもよい。この際の有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。中でも乾燥性の面で低沸点の有機溶媒が好ましい。
結合剤層がフェノール樹脂を含む場合、チタン酸化合物含有粒子中のフェノール樹脂の含有量(つまり、チタン酸化合物含有粒子の全量に対する、フェノール樹脂の含有量)は、好ましくは1質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜5質量%であり、さらに好ましくは2質量%〜4質量%である。フェノール樹脂の含有量が上記下限値よりも少ない場合には、粒子サイズ増大の効果が十分に得られないおそれがあり、この一方で、フェノール樹脂の含有量が上記上限値よりも多い場合には、粒子サイズが大きくなりすぎる、あるいは均一な混合が困難となる可能性がある。フェノール樹脂の含有量は、550℃で5時間焼成後の重量減少率により測定する。
さらにチタン酸化合物含有粒子は、たとえば鉱石由来等の珪素を含むことがあるが、珪素を含む場合であっても、その珪素含有量は、たとえば3質量%以下、好ましくは2質量%以下である。
その他、チタン酸化合物含有粒子は、たとえば鉱石由来等のFe、Mg、Al、Vからなる群から選択される少なくとも一種の元素をさらに含むことがある。これらの元素の含有量は合計、たとえば4質量%以下、典型的には3質量%以下である。
上述したようなチタン酸化合物含有粒子は、結合剤層が存在することに起因して、当該粒子の多くが、丸みを帯びた球等の形状になる傾向がある。これは、人体への影響が懸念される繊維状の粒子が少ないことを意味するので、健康上の安全性の観点から望ましい。
チタン酸化合物含有粒子の50%粒子径D50は、40μm〜100μmであり、40μm〜80μmであることが好ましい。また、チタン酸化合物含有粒子の10%粒子径D10は、10μm〜50μm、さらに10μm〜40μmであることが好適である。そしてまた、チタン酸化合物含有粒子の90%粒子径D90は、好ましくは40μm〜150μmであり、より好ましくは50μm〜130μmである。また、チタン酸化合物含有粒子の最大粒子径Dmaxの好ましい範囲は、70μm〜250μm、特に80μm〜210μmである。チタン酸化合物含有粒子の各粒子径が上記範囲から外れた場合には、チタン酸化合物含有粒子を自動車、鉄道車両、航空機及び産業機械類等における制動装置を構成するブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェージング等の摩擦摺動部材用の摩擦材に適用する場合に、摩擦材の配合設計や原材料管理の困難性の観点から好ましくない可能性がある。
そして、チタン酸化合物含有粒子のSPAN値は、0.1〜5.0、さらに0.2〜2.5であることが好適である。このSPAN値は、粒度分布のシャープさを示す指標であり、式:SPAN値=(D90−D10)/D50で表されるものである。チタン酸化合物含有粒子のSPAN値が上記範囲から外れた場合には、チタン酸化合物含有粒子を自動車、鉄道車両、航空機及び産業機械類等における制動装置を構成するブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェージング等の摩擦摺動部材用の摩擦材に適用する場合に、摩擦材の配合設計や原材料管理の困難性の観点から好ましくない可能性がある。
なお、上述した50%粒子径D50、10%粒子径D10、90%粒子径D90及び最大粒子径Dmaxは、1万個以上のチタン酸化合物含有粒子について、粒度・形状分布測定器を用いて各粒子の投影像の面積を測定し、各粒子の体積を、その面積と同じ面積を有する円と等しい直径の球の体積と仮定し、その体積頻度分布から、累積体積が10%、50%、90%又は100%になる直径を求める。
チタン酸化合物含有粒子は、短径が3μm以下かつ長径が5μm以上かつアスペクト比が3以上であるものの含有割合が0.05質量%以下、好ましくは0.025質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。短径dが3μm以下かつ長径Lが5μm以上かつアスペクト比(L/d)が3以上であるチタン酸化合物含有粒子(以下、「繊維状粒子」ともいう。)の含有割合の測定は、次のようにして行う。まず、粒度・形状分布測定器を用いて、1万個以上の各チタン酸化合物含有粒子の投影像で、その投影像の輪郭線上の任意の二点間の最大長さを長径Lとし、前記長径に垂直な方向の最小長さを短径dとして、繊維状粒子を特定する。そして、粒度・形状分布測定器を用いて、上記のようにして特定された繊維状粒子の投影像の周長を測定し、その周長と同じ円周を有する円を断面とする球の体積と、チタン酸アルカリ金属(チタン酸カリウム等)の真密度の理論値から、各繊維状粒子の質量を求める。その後、各繊維状粒子の質量を積算して繊維状粒子の合計質量を算出し、この繊維状粒子の合計質量が、測定に使用したチタン酸化合物含有粒子の全質量に占める割合を、繊維状粒子の含有割合とする。粒度・形状分布測定器としては、株式会社セイシン企業製のPITA−3型を用いることができる。なお、チタン酸化合物含有粒子には、比較的少量のフェノール樹脂等の結合剤層が均一に分散して含まれ得ることから、上記の真密度として、結合剤層を考慮せずにチタン酸アルカリ金属の真密度を用いても、繊維状粒子の含有割合の算出結果に大きな影響を及ぼさない。
この明細書では、実際のWHOファイバーの定義に関わらず、短径dが3μm以下かつ長径Lが5μm以上かつアスペクト比(L/d)が3以上であるチタン酸化合物含有粒子を対象とし、当該チタン酸化合物含有粒子を繊維状粒子とする。したがって、この発明には、WHOファイバーの含有割合によらず、当該繊維状粒子の含有割合が0.05質量%以下であるものが含まれる。
(製造方法)
上述したようなチタン酸化合物含有粒子を製造するには、たとえば、チタン化合物とアルカリ金属化合物を混合して混合物を得る原料混合工程と、前記混合物を加熱してチタン酸アルカリ金属粒子を得る焼成工程と、必要に応じて前記焼成物を粉砕して粉末状にする粉砕工程と、前記チタン酸アルカリ金属粒子を結合剤と混合させ、チタン酸アルカリ金属粒子の周囲の少なくとも一部を結合剤層で被覆してチタン酸化合物含有粒子を得る結合剤コーティング工程とを行う。なお、チタン酸化合物含有粒子の製造においては、必要に応じて結合剤コーティング工程で得られたチタン酸化合物含有粒子を乾燥する乾燥工程を含んでいてもよい。
原料混合工程では、原料として、チタン化合物とアルカリ金属化合物を用いる。
チタン化合物としては、たとえば、二酸化チタン、亜酸化チタン、オルトチタン酸もしくはその塩、メタチタン酸もしくはその塩、水酸化チタン及び、ペルオクソチタン酸もしくはその塩等からなる群から選択される一種を、又は二種種以上を組み合せて用いることができる。これらのなかでも二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンはアルカリ金属化合物との混合性及び反応性に優れ、また比較的安価であることによる。二酸化チタンを用いる場合、その結晶形がルチル型またはアナターゼ型であるものが好ましい。
チタン化合物は一般に、粒子状、なかでも、顆粒を含む凝集体又は造粒体の形態で用いられる。なお、この凝集体とは、一次粒子が凝集した二次粒子や、二次粒子が凝集した三次粒子、それ以上の次数の粒子等の粗大粒子が形成されたものを意味する。特に二酸化チタンの凝集体又は造粒体が好適である。
チタン化合物の平均粒子径は、均一な混合を効率的に行うため、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは0.5〜1mmとする。但し、平均粒子径が10mmを超える大きな凝集体又は造粒体であっても、解砕ないし粉砕により平均粒子径を10mm以下にして用いることは可能である。なおここで、平均粒子径は、JIS K0069の化学製品のふるい分け試験方法に従って測定した値を意味する。後述するアルカリ金属化合物の平均粒子径についても同様である。
チタン化合物の凝集体としては、硫酸チタンや硫酸チタニルから製造される硫酸法酸化チタン、四塩化チタンを気相で酸化もしくは加水分解して製造される気相法酸化チタン、又は、四塩化チタン水溶液もしくはアルコキシチタンを中和もしくは加水分解して製造されるもの等を使用することができる。また、チタン化合物の凝集体に代えて、チタン化合物の造粒体を用いることもできる。チタン化合物の造粒体は、市販の微粒酸化チタンをスプレードライにより造粒したり、バインダーを添加して混練して造粒したりすること等により得ることができる。
アルカリ金属化合物は、カリウム化合物、ナトリウム化合物およびリチウム化合物からなる群から選択される少なくとも一種とすることが好ましい。より具体的には、カリウム、ナトリウム及び/又はリチウムの酸化物、炭酸塩、水酸化物又はシュウ酸塩等とすることができるが、焼成で溶融する炭酸塩又は水酸化物が特に好適である。
なお、チタン酸アルカリ金属粒子としてチタン酸カリウム粒子を得る場合、酸化チタンなどのチタン化合物と炭酸カリウムなどのカリウム化合物を混合させるが、この場合、炭酸リチウム等のリチウム化合物をカリウム化合物に混合することによって、得られるチタン酸カリウムが望ましい形状に制御される。
アルカリ金属化合物は粒子状のものとすることができる。アルカリ金属化合物の平均粒子径は、取扱いが容易なことから、好ましくは0.1mm〜10mm、より好ましくは0.5mm〜10mm、さらに好ましくは0.5mm〜1mmとする。
チタン化合物とアルカリ金属化合物の混合比率については、例えば、合成しようとするチタン酸アルカリ金属がチタン酸カリウムである場合、カリウム化合物中のカリウム原子のモル数に対するチタン化合物中のチタン原子のモル数のモル比が2.6〜3.3、さらには2.6〜3.0となる比率とすることが好適である。
なお、チタン化合物とアルカリ金属化合物の混合物に、必要に応じて、粉末状の金属チタン及び/又は水素化チタンを、たとえばチタン化合物中のチタン原子1モルに対して0.01モル〜0.2モルで含ませることもできる。この場合、上述したチタン化合物とアルカリ金属化合物の混合比率におけるチタン化合物のチタン源には、このような金属チタン又は水素化チタンも含めて調整する。また混合時に、マグネシウム化合物やバリウム化合物等のアルカリ土類金属化合物を添加してもよい。アルカリ土類金属化合物の添加により、繊維状の粒子の生成を抑制することができる。また、混合物は、チタン酸アルカリ金属の生成に影響を及ぼさない程度の微量で、Fe23、Al23、SiO2、CeO2、WO3、ZrO2、Zr(CO32、CaCO3等の無機酸化物その他の化合物を含むものとすることもできる。
混合物は、固形分換算したときに、チタン化合物およびカリウム化合物を、85質量%〜100質量%、さらには85質量%〜97質量%で含むものとすることが好ましい。
原料混合工程では、乾式混合又は湿式混合のいずれも採用してもよいが、工程を簡略化できる点で乾式混合が好ましい。
ここで混合手段としては、振動ミル、振動ロッドミル、振動ボールミル、ビーズミル、ターボミル、遊星ボールミルなどの機械的粉砕手段を採用することができる。特に、粉砕メディアとして棒状のロッドを充填した振動ロッドミルが好ましい。振動ロッドミル等の振動ミルでチタン化合物とアルカリ金属化合物を粉砕・混合する場合、ミル内部でのチタン化合物の付着ないし固着を抑制するため、メタノールもしくはエタノール等のアルコールを、たとえば混合物の重量に対して0.1〜3.0重量%程度で添加することができる。また、振動ミルなどの混合容器内でのチタン化合物の凝集や固着を抑制するため、凝集防止剤や潤滑剤などの添加剤として、たとえば木粉、パルプ粉もしくは天然繊維粉等を添加してもよい。
なお、湿式混合を採用する場合、溶媒として、純水、アルコールやアセトン、MEK、THF等の一般的な有機溶媒等を用いることができ、混合粉末の分散性を向上させて均一に混合させるため、界面活性剤や分散剤を併用することが好ましい。
次いで、上述した原料混合工程で得られる混合物を、たとえばロータリーキルン等に装入して流動させながら、所定の温度に加熱する焼成工程を行う。これにより、混合物が焼成されて、チタン酸アルカリ金属粒子が得られる。ロータリーキルン以外の炉もしくは反応容器等を用いることも可能であるが、ロータリーキルンは生産性の点で好適である。
ここでは、反応を促進させるとともに、チタン酸アルカリ金属粒子を合成するため、加熱時の最高温度として温度を、800℃以上、さらに900℃より高くするとともに、1300℃以下とすることが好ましい。
また、上記の温度範囲内に保持する時間は、10分間〜10時間、好ましくは30分間〜10時間とすることが、反応促進の観点から好適である。
焼成工程の後は、必要であれば粉砕工程を行ってもよい。ここでは、上述したように混合物を加熱して得られる焼成物を粉砕して、チタン酸アルカリ金属粒子とすることができる。この粉砕工程では、振動ミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、ビーズミル、ターボミル、遊星ボールミル、さらにハンマーミルやパルベライザ、ピンミルなどの衝撃式粉砕機等を用いることができる。なかでも振動ロッドミルが好適である。振動ロッドミルを用いる場合、振幅幅を2mm〜8mmとすることができる。粉砕後は、必要に応じて分級処理または篩分け処理を行う。
以上の工程で得られるチタン酸アルカリ金属粒子の50%粒子径D50は、30μm〜60μmであることが好ましく、さらに30μm〜50μmであることがより一層好ましい。また、チタン酸アルカリ金属粒子の10%粒子径D10は、1μm〜40μm、さらに5μm〜30μmであることが好適である。そしてまた、チタン酸アルカリ金属粒子の90%粒子径D90は、好ましくは40μm〜90μmであり、より好ましくは50μm〜70μmである。また、チタン酸アルカリ金属粒子の最大粒子径Dmaxの好ましい範囲は、50μm〜110μm、特に70μm〜90μmである。チタン酸アルカリ金属粒子の50%粒子径D50、10%粒子径D10、90%粒子径D90及び最大粒子径Dmaxは、チタン酸化合物含有粒子について先述した粒子径の測定方法と同様に測定する。
その後、上述したようにして得たチタン酸アルカリ金属粒子を結合剤と混合させ、前記チタン酸アルカリ金属粒子の周囲の少なくとも一部を、結合剤層で被覆する結合剤コーティング工程を行う。結合剤は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアナートエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ビニルエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一種とすることが好ましい。特に、所定のフェノール樹脂を含む結合剤がより一層好ましいことについては、先に述べたとおりである。
チタン酸アルカリ金属粒子と結合剤の混合には、たとえば、混合機を用いることができる。混合機としては、電動コーヒーミル、レーディゲミキサー(「レーディゲ」は登録商標)、ヘンシェルミキサー等の、各種混合機を使用することができる。例えば、電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)を用いる場合、チタン酸アルカリ金属粒子と液体状等の結合剤を投入し、それらを1分間混合させる。これにより、チタン酸アルカリ金属粒子の周囲でその少なくとも一部を覆って結合剤層が形成されるとともに、当該結合剤層でチタン酸アルカリ金属粒子どうしが結合して凝集し、チタン酸化合物含有粒子になる。
混合機から取り出した、結合剤コーティング工程で得られたチタン酸化合物含有粒子は、必要に応じて、乾燥工程において、80℃〜200℃の温度を30分〜5時間にわたって維持して乾燥させることができる。
このようにして製造されるチタン酸化合物含有粒子は、所望の摩擦摩耗特性を有する可能性があることから、自動車、鉄道車両、航空機及び産業機械類等における制動装置を構成するブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフェージング等の摩擦摺動部材用の摩擦材に用いて好適なものであると考えられる。また、このチタン酸化合物含有粒子は上述したように粒子サイズが大きく、人体への影響がほぼないことから、摩擦材等を製造する際の作業者の健康の安全性を高めることができる。
上記チタン酸化合物含有粒子は、ブレーキ用摩擦材の素材として、好適に用いられる。例えば、上記チタン酸化合物含有粒子をブレーキ用摩擦材の素材として用いる場合、上記チタン酸化合物含有粒子を15〜25質量%、フェノール樹脂を9〜11質量%、黒鉛(人造黒鉛)を7〜9質量%、硫酸バリウム(バライト)を25〜30質量%、珪酸ジルコニウムを6〜8質量%、三硫化アンチモンを2〜4質量%、銅繊維および粉末を0〜9質量%、カシューダストを4〜6質量%、ラバーパウダーを1〜3質量%、アラミド繊維を3〜5質量%、雲母(マイカ)を4〜6質量%、クロム鉄鉱(クロマイト)を0〜2質量%を含有する摩擦材用原料混合物を、ブレーキの摩擦材の形状に成形し、面圧10〜400kgf/cm2、熱成型70〜250℃の温度で加圧して、ブレーキ用摩擦材を得る。
次に、この発明のチタン酸化合物含有粒子を試作し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、これに限定されることを意図するものではない。
<試験例1>
(製造方法)
(原料混合工程)
平均粒子径0.8mmの酸化チタンの凝集体350.6g、平均粒子径0.5mmの炭酸カリウム粉末108.3g、チタン粉末9.6gおよび、木屑(木質ペレット)19.1gを、振動ロッドミル(中央化工機株式会社製の試験研究用小型振動ミル)中に充填し、さらにここにメタノールを0.5質量%添加して、振幅5mm、15分間処理することにより、原料混合物を得た。なお、上記の振動ロッドミルは、内容積1リットル、直径19mm、長さ218mm、464gのロッドを有するものであり、ステンレス鋼(SS)製の円柱状ロッドメディア11.6kgを用いた。
(焼成工程)
上記の操作を繰り返して得られた原料混合物20kgを、制御温度1180℃のロータリーキルンへ15kg/時の流量で供給した。このロータリーキルン内でチタン酸カリウムへの合成反応が起こり、焼成物となってキルンから排出された。排出された焼成物を室温まで急冷し、次の粉砕工程の原料とした。
(粉砕工程)
これにより得られた焼成物を振動ロッドミル(中央化工機株式会社製のMB−1)で粉砕した後、分級機を内蔵した衝撃式粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製、ACMパルベライザ)で粉砕し、平均粒子径43μmのチタン酸カリウム粒子を得た。ここで得られたチタン酸カリウム粒子は、X線粉末回折測定の結果、6チタン酸カリウム単相であることが解かった。
(結合剤コーティング工程)
その後、上記のチタン酸カリウム粒子を結合剤でコーティングし、チタン酸カリウム粒子の周囲に結合剤層が形成されたチタン酸化合物含有粒子を作製した。ここで、コーティングは、電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)を用いて行った。チタン酸アルカリ金属粒子と液体状の結合剤について、それぞれ下記表1に示した量を電動コーヒーミルに投入し、1分間それらを混合させた。
(乾燥工程)
その後、実施例1、4、6及び8については、混合機電動コーヒーミルから取り出したチタン酸化合物含有粒子を、120℃の温度で1時間にわたって乾燥させた。
ここでは、表1に示すように、結合剤の種類および配合量、ならびに乾燥の有無について異なる実施例1〜8のチタン酸化合物含有粒子を製造した。
また、表1に示した結合剤のAタイプは、群栄化学工業株式会社製レゾール型フェノール樹脂「PL−5614」(重量平均分子量373、樹脂固形分33質量%)を減圧濃縮により樹脂固形分を60質量%に調製したものである。表1に示した結合剤のBタイプは、「PL−5614」を純水で樹脂固形分を30質量%に調製したものである。また、表1に示した結合剤のCタイプは、群栄化学工業株式会社製レゾール型フェノール樹脂「PL−2211」(重量平均分子量2650、樹脂固形分58質量%)をメタノールで樹脂固形分を30質量%に調製したものである。
フェノール樹脂の質量平均分子量は、GPC測定装置(東ソー株式会社製、HLC8320GPC)およびカラム(東ソー株式会社製、TSKgel G3000HXL+G2000HKL+G2000HKL)を使用し、標準物質にポリスチレンを用いて測定した。
参考までに、コーティング前のチタン酸カリウム粒子のSEM画像を図1に、また実施例1、7及び8のSEM画像を図2〜4にそれぞれ示す。
(評価)
先に述べた方法に従い、粒度・形状分布測定器として株式会社セイシン企業製のPITA−3型を用いて、コーティング後の実施例1〜8のチタン酸化合物含有粒子のそれぞれの50%粒子径D50、10%粒子径D10、90%粒子径D90及び最大粒子径Dmaxならびに、SPAN値を算出した。実施例1〜8のチタン酸化合物含有粒子の体積頻度分布をそれぞれ、図5〜12に示す。
また、太さが3μm以下、長さが5μm以上かつアスペクト比が3以上であるチタン酸化合物含有粒子を繊維状粒子とし、チタン酸カリウム粒子及び実施例1〜8のチタン酸化合物含有粒子中の繊維状粒子の個数及び割合も、先に述べた方法にて算出した。ここでは、粒度・形状分布測定器として、株式会社セイシン企業製のPITA−3型を用いた。
これらの結果を表2に示す。
表2に示す結果から、実施例1〜8のチタン酸化合物含有粒子では、コーティング前のチタン酸カリウム粒子と比較して、繊維状粒子の個数及び割合が大幅に低減されていることが解かる。
したがって、この発明によれば、使用時の人体への影響が少なく、安全性の高まることが解かった。
<試験例2>
試験例1における実施例4のチタン酸化合物含有粒子と、コーティング前のチタン酸カリウム粒子のそれぞれについて、摩擦材を作製してブレーキ試験を行った。
具体的には、実施例4のチタン酸化合物含有粒子又はコーティング前のチタン酸カリウム粒子と、フェノール樹脂、人造黒鉛、硫酸バリウム、珪酸ジルコニウム、三硫化アンチモン、銅繊維、銅粉、カシューダスト、ラバーパウダー、アラミド繊維、雲母(マイカ)及びクロム鉄鉱とを、表3に示す割合で混合し、これを混合粉とした。この混合粉を200kgf/cm2で予備成形し、それにより得られた予備成形物を70℃で2時間予熱した後、180℃、400kgf/cm2で熱成形を行った。次いで、250℃の温度の下、10kgf/cm2で3時間にわたって熱処理を施して、成形体を得た。この成形体から、縦10mm、横50mm、厚み10mmの摩擦材を作製した。
上記の摩擦材の摩擦係数を、公益社団法人自動車技術会の規格であるJASO−C406に準拠して測定した。第2フェードリカバリ試験の第2フェード試験の摩擦係数の平均値は、コーティング前のチタン酸カリウム粒子を用いた摩擦材では0.343であったのに対し、実施例4のチタン酸化合物含有粒子を用いた摩擦材では0.350であった。したがって、結合剤でコーティングを施したチタン酸化合物含有粒子も、コーティングを施さないチタン酸カリウム粒子と同程度のブレーキ性能が得られることが解かった。

Claims (12)

  1. チタン酸化合物含有粒子であって、
    50%粒子径D50が30μm〜60μmであるチタン酸アルカリ金属粒子と、
    当該チタン酸アルカリ金属粒子の周囲の少なくとも一部を覆って形成された結合剤層と、を有し、
    当該結合剤層で前記チタン酸アルカリ金属粒子どうしが結合して凝集しており、
    当該チタン酸化合物含有粒子の50%粒子径D50が40μm〜100μmであり、
    短径dが3μm以下かつ長径Lが5μm以上かつアスペクト比(L/d)が3以上の当該チタン酸化合物含有粒子の含有割合が0.05質量%以下であり、
    当該チタン酸化合物含有粒子のSPAN値が0.1〜5.0である
    チタン酸化合物含有粒子。
  2. 前記チタン酸アルカリ金属粒子に含まれるアルカリ金属が、カリウム、ナトリウム及びリチウムからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載のチタン酸化合物含有粒子。
  3. 前記結合剤層がフェノール樹脂を含み、
    当該チタン酸化合物含有粒子の全量に対する、前記フェノール樹脂の含有量が、1質量%〜10質量%である請求項1又は2に記載のチタン酸化合物含有粒子。
  4. 前記フェノール樹脂が、レゾール型フェノール樹脂である請求項3に記載のチタン酸化合物含有粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のチタン酸化合物含有粒子を製造する方法であって、
    チタン化合物とアルカリ金属化合物を混合して混合物を得る原料混合工程と、
    前記混合物を加熱してチタン酸アルカリ金属粒子を得る焼成工程と、
    50%粒子径D50が30μm〜60μmである前記チタン酸アルカリ金属粒子を結合剤と混合して前記チタン酸アルカリ金属粒子の周囲の少なくとも一部を結合剤層で被覆して、前記結合剤層で前記チタン酸アルカリ金属粒子どうしが結合して凝集してなる当該チタン酸化合物含有粒子を得る結合剤コーティング工程と、
    を含むチタン酸化合物含有粒子の製造方法。
  6. 前記結合剤コーティング工程の後に当該チタン酸化合物含有粒子を乾燥する乾燥工程を含む請求項5に記載のチタン酸化合物含有粒子の製造方法。
  7. 前記チタン酸アルカリ金属粒子の10%粒子径D10を1μm〜40μmとし、前記チタン酸アルカリ金属粒子の90%粒子径D90を40μm〜90μmとする請求項5又は6に記載のチタン酸化合物含有粒子の製造方法。
  8. 前記焼成工程で、前記混合物を800℃〜1300℃の温度範囲内に加熱し、当該温度を10分間〜10時間にわたって維持する請求項5〜のいずれか一項に記載のチタン酸化合物含有粒子の製造方法。
  9. 前記チタン酸アルカリ金属粒子に含まれるアルカリ金属を、カリウム、ナトリウム及びリチウムからなる群から選択される少なくとも一種とする請求項5〜のいずれか一項に記載のチタン酸化合物含有粒子の製造方法。
  10. 前記結合剤コーティング工程で用いる前記結合剤を、レゾール型フェノール樹脂を含むものとする請求項5〜のいずれか一項に記載のチタン酸化合物含有粒子の製造方法。
  11. 前記結合剤コーティング工程で、前記チタン酸アルカリ金属粒子と結合剤の混合に、混合機を用いる請求項5〜10のいずれか一項に記載のチタン酸化合物含有粒子の製造方法。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のチタン酸化合物含有粒子を含有することを特徴とする摩擦材。
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