JP6657227B2 - 二重遠心分離機のロータ - Google Patents
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Description
従来の遠心分離機では、試料は、単一の軸を中心にして回転するが、二重遠心分離機では、試料は、主軸を中心にして回転すると同時に、第2の軸を中心にして回転する。
結果として、高い向心力および遠心力が異なる面で作用することで、遠心分離時、特に試料の混合時、分離時、または、均質化時に、高い効率が実現される。
回転ユニットがロータ本体の止まり孔型の凹部に搭載され、モータの回転軸(主回転軸)とは異なる第2の回転軸を中心にして回転するように配置されている。
これらの回転ユニット用に独立した推進力が設けられており、回転ユニットの回転動作がロータ本体の推進力から独立して生成される。
よって、従来技術の解決策に比べて、はるかに長い動作時間を実現することができる。
これは、回転ユニットの回転時に生成される熱が凹部に蓄積し、それらの熱を放散させることができないからである。
さらに、装置のメンテナンス、修理、およびクリーニングに関しても、改善の余地がある。
特に、軸受外輪など、ロータ本体に一体化されている軸受部品へのアクセスは、凹部の寸法が非常に小さいため、困難である。
詳細には、メンテナンス、修理、およびクリーニングを目的とする回転ユニットおよび回転ユニットに関連する凹部へのアクセスを容易にし、長時間にわたる動作のための十分な冷却を提供する。
加えて、そのような切り離しにより、メンテナンスおよび冷却を最適化するための新たな設計の可能性が広がる。
回転ユニットは、軸受ユニットと、この軸受ユニットに連結されて回転ユニットに回転可能に取り付けられた回転ヘッドとを含み、この回転ヘッドが、別の回転機構を利用して、ロータヘッドに対して相対的に駆動される。
ここでは、回転ユニットおよび/または各回転ユニット用の凹部が設けられ、この凹部で回転ユニットおよび/または各回転ユニットが導入され、よって、軸受ユニットがロータヘッドに対して確実に取り付けられる。
本発明によると、回転ユニットは、軸受ユニットを収容し回転ヘッドにより係合される軸受箱を有し、軸受箱および回転ヘッドが、軸受ユニットと共に構造ユニットを形成し、軸受箱が、ロータヘッドに対して相対的に回転せず且つロータヘッドから取り外し可能となる態様でロータヘッドに取り付けられる。
これにより、運用が明らかに簡素化され、遠心分離機の態様年数が長くなる。
なぜなら、軸受箱をロータヘッドに取り外し可能に取り付けることで、回転ユニットの軸受ユニットのクリーニング、メンテナンス、および、修理が大幅に簡素化されるからである。
回転ユニットは、ロータヘッドから容易に取り除くことができ、ロータヘッドから独立してメンテナンスすることができる。
加えて、回転ユニットを容易に交換することが可能となり、それによって、メンテナンス関連のダウン時間が最小限に抑えられる。
取り付けられた回転ユニットは、凹部を貫通し、回転ユニットの軸受箱の下部が凹部から突出し、環境に露出する。
この配置により、凹部に熱が蓄積するのを防ぐことができ、露出した部分が回転時に流れる空気によって冷却される。
さらに、凹部が存在することで、回転ユニットの長さが、ロータ本体の寸法により制限されない。
ロータ本体の寸法が変わらなければ、たとえば、大きな試料容器用の大きな軸受ユニットを収容する長い回転ユニットを使用することが可能となる。
このことは、スペースおよびコストの節約にもなる。
この構成により、軸受箱の突出部分が空気の流れに対する良好な接触面を提供するため、冷却効果が向上する。
なぜなら、それによって、空気の流れの冷却効果と機械的な負荷/安全性の最適な比率が得られるからである。
ただし、さまざまな実験では、乱流によってより効率的な冷却が得られることが示された。
よって、冷却リブを回転方向に対して角度を成すように配置すると、有利である。
これにより、回転ユニットの取り付けおよびメンテナンスが簡素化される。
このフランジは、軸受箱を対応する凹部に軸受箱の縦軸方向で固定する役割を果たす。
これにより、軸受箱を、軸受箱の縦軸方向以外の方向でも固定することができ、よって遠心分離機の安全性が向上し、回転ユニットの耐用年数が長くなる。
これにより、軸受箱が上述したようにロータヘッドに対して確実に取り付けられることに加えて、軸受箱がそれ自体の軸を中心として不用意に回転するのを防ぐことができる。
そのような閉じた軸受空間は、試料容器のガラスが破損したときに、考えられる汚染物質をより確実に封じ込めることができるという利点を有する。
結果として、軸受ユニットから逃げる潤滑剤は、遠心分離期間中に軸受箱内に包含され、軸受ユニットの領域で利用可能となる。
これにより、軸受ユニットが焼き付く恐れが大幅に低減する。
さらに、ロータヘッドが潤滑剤で汚れることがなくなる。
結果として、軸受ユニットは、稼働時間を通じて潤滑され、軸受ユニットの焼き付きが実質的に防止される。
これにり、軸受ユニットの過剰な潤滑が防止される。
これにより、回転ユニットからロータヘッドへの最適な熱放散が実現する。
図1bは、図1aに示されたロータ10の断面図である。
ロータヘッド12は、底部15と、底部15を囲み上方に延長する周壁14とを備えている。
ロータヘッド12の中心13を駆動軸Aが垂直に通っている。
図面に示されていない駆動シャフトが、底部15に設けられ駆動軸Aと同心である凹部18を駆動シャフトの自由端が通る態様で、延長している。
凹部18の上方には、底部15と一体に形成され、ロータヘッド12を駆動シャフト上でセンタリングして垂直に固定する受領管20が設けられている。
駆動軸Aを挟んで向かい合って配置され、周壁14の垂直部14aおよび周壁14の傾斜部14bを部分的に通って延長する2つの凹部16が設けられている。
回転ユニット22は、各凹部16に収容される。
さらに、回転ユニット22の駆動軸Aと反対の方向を向く自由端、すなわち、以下で説明する軸受箱26が、周壁14の傾斜部14bの領域で外被から突出している。
この軸受箱26に、回転ヘッド24が、回転ヘッド24の軸受箱26に面する側に設けられた軸受シャフト25により係合する。
軸受シャフト25の一部を、図2および図5bで確認することができる。
軸受箱26は、回転軸R1、R2と同心の壁26aを備えている。
回転ヘッド24の直径は軸受箱26の直径よりも大きく、よって、外壁24aと壁26aとの間に肩部28が形成され、図1aに示すように、この肩部28によって回転ユニット22が対応する凹部16に部分的に係合する。
軸受箱26とロータヘッド12とを回転不可能な態様で確実に連結するために、回転軸R1、R2に平行な溝が、軸受箱26に形成され、この溝に対応する突起が、ロータヘッド12に設けられている。
明確性の観点から、溝および突起は、図面に示されていない。
また、溝と突起の配置は、逆であってもよい。
さらに、軸受箱26を円筒状の設計ではなく多角形状の設計にして、軸受箱26を回転ヘッド24に回転不可能な態様で確実に取り付けられるようにすることも考えられる。
同様に、閉鎖ノブ32が閉鎖キャップ30に同心に配置される。
閉鎖ノブ32は、回転動作により閉鎖キャップ30をロック解除して取り外し、および/またはロック解除方向と逆方向の回転動作により閉鎖キャップ30を配置してロックするためのハンドルとして機能する。
周突起34は、回転軸R1、R2に対して同心の配置で外壁24aに回転不可能に連結される歯36を確実に取り付ける。
回転ユニット22の回転軸R1、R2を中心とした回転ヘッド24の回転動作を伝達するために、各回転ヘッド24用の歯車がロータヘッド12の下部に設けられる。
この歯車は、明確性の観点から、図面に示されていない。
この歯車は、歯36に係合するとともに、回転可能なロータヘッド12に対向する図示されていないモータ筐体にねじ連結等で回転不可能に連結した中央歯車40に係合する。
そのような回転動作の伝達は、公知であり、先行技術で説明されているため、ここで詳しく説明する必要はない。
ロータヘッド12を取り外した状態で、歯車(図示せず)および中央歯車40を容易に交換することができる。
よって、歯車(図示せず)および中央歯車40の直径を変えることで、速度比を簡単に変更することができる。
冷却リブ42は、ロータヘッド12の回転方向に対して垂直に並べられている。
突起34の全周に凹部34aが等間隔で並べられており、この凹部34を図1aに示すように歯36の下側に設けられたねじ36aが通って延長し、歯36の対応するねじ切り穴に係合する。
凹部34aを通って延長するねじ36aは、歯36を外壁24aおよび回転ヘッド24に確実に取り付け、詳細には、歯を回転ヘッド24に対して回転不可能な態様で確実に取り付ける。
壁44は、遠心分離される材料用の図3に示すアダプタ50を確実に取り付けるようになされている。
壁44は、図3のアダプタ50の外側プロファイルに一致する内側プロファイルを画定する。
アダプタ50は、互いに直交して同心回転される2つの重ねられた長方形からなる十字型の底面を有している。
壁44は、安定性を高めるために、部分的に相互連結される。
4つの壁44のうち、2つずつがペアとして互いに対向して配置され、それぞれが、外壁24aと同心の態様で湾曲して形成された外側プロファイル44aを有している。
外壁24aは、その上縁に隣接して等間隔で配置された4つの穴24cを有している。
穴24cは、対応する突起を有する閉鎖キャップ30をロックするようになされている。
アダプタ50は、上述した十字型の底面の周囲に、垂直に設けられた一体型の外壁52を有している。
外壁52の内部に、5つの長方形の凹部56が設けられている。
これらの凹部56は、仕切り壁54によって相互に区切られ、凹部56の垂直方向の長さが、回転ヘッド24の外壁24aの垂直方向の長さに対応している。
凹部56は、図面に示されていない試料容器を受け取るために使用され、試料容器の形状に適応している。
この支承面58は、アダプタ50が挿入された状態で、壁44の自由上縁の上に載る。
支承面58は、外側輪郭60を有する。
外側輪郭60は、回転ヘッド24の壁24aと実質的に同心であり、周囲に等間隔で配置された4つの凸部62を有する。
凸部62は、回転ヘッド24への挿入または取り外しの際にアダプタ50の取り扱いを簡素化する。
ここでは、明確性の観点から図示されていない駆動シャフトが、軸受ユニット70を通って同心に延長している。
軸受ユニット70の上記すべての要素は、同心の穴を有し、これらの穴を回転ヘッド24の軸受シャフト25が遊びのない態様で通って延長する。
軸受箱26は、回転ヘッド24に対応する側に、フランジ84を有している。
フランジ84は、凹部82に対応する一定間隔で並べられた8つの凹部86を有している。
各円筒ねじ88が、カバーディスク80の凹部82に係合し、フランジ84の対応する凹部86を通って延長する。
5つの凹部82aと、それらの凹部82aに対応する5つの凹部86aとが設けられている。
円筒ねじ88は、軸受箱26とカバーディスク80をねじ連結し、それによって、軸受箱26およびカバーディスク80は、図2の軸受シャフト25と共に、潤滑剤が漏れない態様で外部からカプセル化された軸受空間(64)を画定する(図5bを参照)。
弁ラインを有する潤滑剤補充弁92が、底板24bとアンギュラ玉軸受74bとの間の壁26aに設けられている。
必要に応じて、この潤滑剤補充弁92を使用して、潤滑剤が漏れない態様で外部からカプセル化された軸受空間64に潤滑剤を補充することができる。
軸受箱26の外側の壁26aに配置された潤滑剤レベルインジケータ90は、潤滑剤レベルを点検するために使用される。
12 ・・・ロータヘッド
13 ・・・中心
14 ・・・周壁
14a・・・垂直部
14b・・・傾斜部
15 ・・・底部
16 ・・・凹部
18 ・・・凹部
20 ・・・受領管
22 ・・・回転ユニット
24 ・・・回転ヘッド
24a・・・外壁
24b・・・底板
24c・・・穴
25 ・・・軸受シャフト
26 ・・・軸受箱
26a・・・壁
28 ・・・肩部
30 ・・・閉鎖キャップ
32 ・・・閉鎖ノブ
34 ・・・突起
34a・・・凹部
36 ・・・歯
36a・・・ねじ
40 ・・・中央歯車
42 ・・・冷却リブ
44 ・・・壁
44a・・・外側プロファイル
50 ・・・アダプタ
52 ・・・外壁
54 ・・・仕切り壁
56 ・・・凹部
58 ・・・支承面
60 ・・・外側輪郭
62 ・・・凸部
64 ・・・軸受空間
70 ・・・軸受ユニット
72 ・・・締付ユニット
74a、b・・・アンギュラ玉軸受
76 ・・・外座金
78 ・・・内座金
80 ・・・カバーディスク
82 ・・・凹部
82a・・・凹部
84 ・・・フランジ
86 ・・・凹部
86a・・・凹部
88 ・・・円筒ねじ
90 ・・・潤滑剤レベルインジケータ
92 ・・・潤滑剤補充弁
A ・・・駆動軸
R1、R2 ・・・回転軸
Claims (14)
- ロータヘッド(12)と該ロータヘッド(12)に設けて回転ユニット(22)に用いる追加回転機構とを有し、
前記回転ユニット(22)は、前記ロータヘッド(12)に対して相対的に固定されるように前記回転ユニット(22)を収容するロータヘッド(12)の凹部(16)に配置された軸受ユニット(70)と、該軸受ユニット(70)に連結して前記回転ユニット(22)に回転可能に取り付けられるとともに前記追加回転機構により前記ロータヘッド(12)に対して相対的に駆動される回転ヘッド(24)とを含み、
前記ロータヘッド(12)は、底部(15)と該底部(15)を囲んで上方に延長する周壁(14)とを備え、前記周壁(14)が、垂直部(14a)と前記ロータヘッド(12)の中心(13)を垂直に通る前記追加回転機構の駆動軸Aに向かって下方に傾斜した傾斜部(14b)とを有する、分離と均質化のための二重遠心分離機のロータ(10)であって、
前記回転ユニット(22)が、前記軸受ユニット(70)を収容して前記回転ヘッド(24)と係合する軸受箱(26)を有し、
前記軸受箱(26)と回転ヘッド(24)とが、前記軸受ユニット(70)とともに構造ユニットを形成し、
前記軸受箱(26)が、前記ロータヘッド(12)に対して相対的に回転せず且つ前記ロータヘッド(12)から取り外し可能に取り付けられていることを特徴とする、ロータ(10)。 - 前記凹部(16)が、前記ロータヘッド(12)の一部を通って延長し、
前記ロータヘッド(12)に取り付けた前記回転ユニット(22)が、前記凹部(16)を通って延長し、
前記回転ユニット(22)の軸受箱(26)の下部が、前記凹部(16)から突出して露出していることを特徴とする、請求項1に記載のロータ(10)。 - 前記ロータヘッド(12)が、外被を画定する回転対称な基本形状を有し、
前記軸受箱(26)の下部が、前記外被を超えて突出していることを特徴とする、請求項2に記載のロータ(10)。 - 前記軸受箱(26)の高さの少なくとも30%が、前記外被を超えて突出していることを特徴とする、請求項3に記載のロータ(10)。
- 前記軸受箱(26)の下部が、冷却リブ(42)を有していることを特徴とする、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のロータ(10)。
- 前記回転ユニット(22)が、解放可能なクイックファスナまたはねじ連結により前記ロータヘッド(12)に連結されていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のロータ(10)。
- 前記ロータヘッド(12)によって支えられるフランジ(84)が、前記軸受箱(26)の冷却リブ(42)から離れた側に設けられていることを特徴とする、請求項5から請求項6のいずれか一項に記載のロータ(10)。
- 前記凹部(16)と軸受箱(26)とが、相互に適合していることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のロータ(10)。
- 前記軸受箱(26)の断面形状と前記凹部(16)の断面形状とが、回転防止手段を形成していることを特徴とする、請求項8に記載のロータ(10)。
- 前記軸受箱(26)と前記回転ヘッド(24)の駆動シャフト(25)のための中央穴を備えた軸受箱カバー(80)とが、前記駆動シャフト(25)のための軸受ユニット(70)を含む軸受空間(64)を画定していることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のロータ(10)。
- 前記軸受空間(64)が、潤滑剤が漏れないように外部からカプセル化されていることを特徴とする、請求項10に記載のロータ(10)。
- 前記軸受空間(64)が、該軸受空間(64)の高さの最大50%まで潤滑剤で満たされていることを特徴とする、請求項11に記載のロータ(10)。
- 前記回転ユニット(22)の表面の可能な限り大きい部分が、熱放散のために前記ロータヘッド(12)と接触していることを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のロータ(10)。
- 前記軸受ユニット(70)と、前記軸受ユニット(70)に連結して前記回転ユニット(22)に回転可能に取り付けられるとともに前記追加回転機構により前記ロータヘッド(12)に対して相対的に駆動される回転ヘッド(24)とを含み、
前記軸受ユニット(70)を収容して前記回転ヘッド(24)と係合する軸受箱(26)を有し、前記軸受箱(26)と回転ヘッド(24)とが、前記軸受ユニット(70)とともに構造ユニットを形成していることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のロータ(10)の回転ユニット(22)。
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