JP2010274171A - 公転・自転撹拌機 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な構成で公転及び自転を確実に行うばかりか公転及び自転をそれぞれ別々に制御可能であり、また、回転負荷が大きくなく操作性や保守などにも優れ、駆動源が一定の回転であっても自転速度を変化させることが可能な公転・自転撹拌機を提供する。
【解決手段】基体に軸支した公転軸に固着されて水平面内で回転する回転体と、その回転体の回転中心から半径方向に距離を置いた位置に前記回転体の回転中心方向に傾斜した中心軸を中心に自転する撹拌容器を支持する公転・自転撹拌機において、公転軸が中空であるとともに前記公転軸に差し込まれた中心軸の上方突出端に円錐体が備えられ、撹拌容器と円錐体との間に回転体に支持された支軸に回転ローラが軸着された伝動部材が配置され、回転ローラが円錐体と撹拌容器とに接触して撹拌容器が自転するものとする。
【選択図】図1
【解決手段】基体に軸支した公転軸に固着されて水平面内で回転する回転体と、その回転体の回転中心から半径方向に距離を置いた位置に前記回転体の回転中心方向に傾斜した中心軸を中心に自転する撹拌容器を支持する公転・自転撹拌機において、公転軸が中空であるとともに前記公転軸に差し込まれた中心軸の上方突出端に円錐体が備えられ、撹拌容器と円錐体との間に回転体に支持された支軸に回転ローラが軸着された伝動部材が配置され、回転ローラが円錐体と撹拌容器とに接触して撹拌容器が自転するものとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、撹拌容器を公転ならびに自転させて生じる複合遠心力を利用した公転・自転撹拌機に関するものである。
従来、撹拌容器の公転および自転の合成遠心力を利用して撹拌容器内で混練、粉砕、分離、脱泡、脱水、着色等の加工を行うために用いられる公転・自転撹拌機が知られており、例えば特開昭61−290946号公報、実公平5−32110号公報などに提示されている。
ところが、前記公報に提示されている従来の公転・自転撹拌機は、駆動モータより回転体に公転力を付与し、遊星歯車や伝動ベルト等を介して、回転体に軸着された撹拌容器を自転させるものである。そのため、高い精度や耐久性が必要であり高価で複雑な機構が必要であるばかりか公転および自転の回転数が一定であることから利用できる範囲が限られるという問題があった。
また、公転及び自転を別々に制御可能な公転・自転撹拌機が例えば特開平10−43567号公報に提示されているが、これらは公転用及び自転用にそれぞれ専用の駆動源(モーター)を備えたものであり、価格が高くなるばかりか自転用の駆動源により回転体の重量が嵩み回転が安定しないばかりか回転体も嵩み基体も堅牢な構造にしなければならない。
そこで、比較的簡単な構成で公転及び自転を別々に制御可能な公転・自転撹拌機が特開平8−243371号公報に提示されている。この公転・自転撹拌機は、図7に示すように、中空軸としたモ−タ1aの回転軸2aに水平に撹拌容器取付用のア−ム3aを取付け、ア−ム3aに回転可能に脱泡撹拌又は遠心分離すべき溶液等の試料を収容する撹拌容器4aを装着し、回転軸1aの内部に固定軸5aをその先端部を突出させて収装すると共に先端部にクラッチ6aを介在させて截頭円錐形状等のロ−ラ7aをクラッチ6aの切換により固定または回転自在に取付けて、前記ロ−ラ7aを固定状態にし前記撹拌容器4aをロ−ラ7aに接触させたものである。
しかしながら、この公報に提示されている公転・自転撹拌機は、截頭円錐形状等のロ−ラ7aを撹拌容器4aに接触させて自転させるものであり、必然的に公転方向と自転方向とが同一方向になり充分な混合効果を得ることができず、用途が限られてしまうという問題がある。また、その駆動機構は回転負荷が大きいとともに截頭円錐形状等のロ−ラ7aは表面に摩擦体を被覆したりクラッチを内蔵するなど構造が複雑で保守や修理が困難であり、また、使用時に截頭円錐形状等のロ−ラ7aと撹拌容器4aとが遠心力により離れることもあり図8に示すように重錘8aを付ける必要あり、さらに、撹拌容器4aにおける自転の回転数は一定であることから少しでも回転数を変化させる必要がある場合にも駆動源を電気的に制御することになりそのための設備が必要であるなどの問題点がある。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、比較的簡単な構成で公転及び自転を確実に行うばかりか公転及び自転をそれぞれ別々に制御可能であり、また、回転負荷が大きくなく操作性や保守などにも優れ、駆動源が一定の回転であっても自転速度を変化させることが可能な公転・自転撹拌機を提供するものである。
前記課題を解決するためになされた本発明は、基体に軸支した公転軸に固着されて水平面内で回転する回転体と、その回転体の回転中心から半径方向に距離を置いた位置に前記回転体の回転中心方向に傾斜した中心軸を中心に自転する撹拌容器を支持する公転・自転撹拌機において、前記公転軸が中空であるとともに前記公転軸に差し込まれた中心軸の上方突出端に円錐体が備えられ、前記撹拌容器と前記円錐体との間に前記回転体に支持された支軸に回転ローラが軸着された伝動部材が配置され、前記回転ローラが前記円錐体と前記撹拌容器とに接触して前記撹拌容器が自転することを特徴とする。
また、本発明において、前記円錐体が上下方向へ所定の範囲で移動可能に且つ上方へ向けて付勢されており前記円錐体と回転ローラとが圧接した状態に接することにより円錐体からの駆動力が回転ローラ更には撹拌容器へと確実に伝達され、前記伝動部材を形成する回転ローラが弾性体により形成されている場合にはさらに摩擦力が増加するばかりか制振並びに防音効果も発揮する。
さらに、伝動部材の固定位置が軸線方向に移動可能で且つ交換可能な場合には、伝動部材の固定位置が軸線方向に変化させることにより駆動源を制御することなしに自転速度だけを変化させることができ、前記円錐体の固定位置が変化可能で且つ交換可能であれば径の異なる回転ローラに変更することで撹拌容器の径も変えることもできる。
さらにまた、前記公転軸に駆動源が連結されているとともに前記円錐体を軸着している中心軸の下方にその回転を制御するクラッチ機構が配置されており、このクラッチ機構を開閉して中心軸を回転させまたは回転を停止させることにより撹拌容器の自転を制御することができ、1つの駆動源で公転と自転を制御することができるが、前記クラッチ機構を設けずに公転軸と中心軸とにそれぞれ異なる駆動源が連結されているとともに前記各駆動源を個別に制御する場合には公転または自転を個別に制御することもできる。
本発明によれば、比較的簡単な構成で公転及び自転を伴う撹拌を確実に行うばかりか公転及び自転をそれぞれ別々に制御可能であり、特に、公転と自転とが逆回転であることから充分な混練や混合が可能であり、また、回転負荷が大きくなく操作性や保守などにも優れ、駆動源が一定の回転であっても自転速度を変化させることが可能である。
図1乃至図5は本発明の好ましい実施の形態を示すものであり、例えば箱状の基体1の頂面11に立設した縦方向に延びる軸受け12に中空の公転軸2が軸支されており、その上部には頂面を開口しているとともに底面が細長矩形状を呈する箱状の回転体3がその中心において固着されている。
そして、前記回転体3の回転中心から半径方向に距離を置いた位置には回転体3の回転中心軸(公転軸)X方向に傾斜した中心軸Y,Yを中心に自転する撹拌容器4,4がを支持されている。
また、前記公転軸2の前記基体1内の部分には基体1内に配置した駆動源(モータ)5の駆動軸51に固着したプーリ52に対向してプーリ21が固着されており、これらのプーリ52,21にベルト53が巻掛けられて駆動源(モータ)5により回転体3が回転(公転)する。
さらに、前記公転軸2の中空部22には中心軸6が回転可能に差し込まれているとともに、前記中心軸6の前記回転体3の上方突出端に円錐体7が止めねじ61により固定されて備えられいる。特に本実施の形態では円錐体7はガイドピン71にガイドされて所定の範囲において上下方向に移動可能に且つ内装された弾発コイルばね72により上方へ向けて付勢されている。尚、前記円錐体7の傾斜面73は前記撹拌容器4の傾斜と等しい傾斜を有しており、必要であれば表面に摩擦部材を付設する。
前記回転体3には前記円錐体7と撹拌容器4との間に伝動部材8が配置されている。この伝動部材8は回転体3に前記撹拌容器4と等しい傾斜に支持され支軸81とこの支軸81に軸着された回転ローラ82から構成され、回転ローラ82は表面にゴム材等の弾性材83が被覆されており、回転ローラ82が円錐体7と撹拌容器4とに接触しており、円錐体7の回転が制動状態にあるときに回転体が公転すると円錐体7の接触部を回転ローラー82が転動回転して撹拌容器4,4が自転を行い、円錐体7の回転が非制動状態(自由に回転可能な状態)にあるときに回転体3が公転したとしても接触している回転ローラー82が接触抵抗により円錐体7が連動して回転する為、撹拌容器4,4の自転は停止する。
特に、本実施の形態では、図2に示すように公転軸2と中心軸6との間にクラッチ機構9が備えられている。このクラッチ機構9は、基体1に付設した基部13に中心軸6方向に進退可能に配置した操作部材91と中心軸6に固着した外周面に係止突起92を突設した係止部材93とからなり、操作部材91を進退操作してその先端を係止部材93の係止突起92に係脱するものであり、簡単な構成で確実に機能し、さらに電気的な駆動制御も可能であるが、円錐体7を軸着した中心軸の回転を制御可能なものであればよく他の構成であってもよいことはいうまでもない。
以上の構成を有する本実施の形態は、撹拌容器4,4内に直接或いは試料を収容した容器を挿入し(図示せず)、撹拌処理を行う場合には前記クラッチ機構9を接続した状態として駆動源4を駆動させて公転軸2を回転させると回転体3が公転すると同時に円錐体7に圧接している回転ローラ82が円錐体7の傾斜面に沿って回転するので撹拌容器4,4が自転し、撹拌が行われる。
このとき、本実施の形態では、撹拌容器4,4が回転ローラ82を介して公転する円錐体7に圧接しているので、撹拌容器4,4の自転方向が公転方向と逆回転となり混合、混練効果が大きい。また、円錐体7は弾発コイルばね72により上方へ向けて付勢されているとともに、回転ローラ82は表面にゴム材等の弾性材83が被覆されていることから滑ることなく確実に圧接して自転を行う。
また、前記クラッチ機構を切断することにより前述の如く自転が停止して回転体3の公転だけが行われ撹拌容器4,4に遠心力だけが作用するので脱泡処理などをすることができる。
また、前記伝動部材8の固定位置が軸線方向に移動可能である場合には回転ローラ82の円錐体7の外周面への接触高さ位置が変化するので駆動速度を変化させることなしに自転速度を変化させることができるので高価な電気的な制御機器が不要であり、伝動部材8の固定位置が変更可能で且つ交換可能である場合には回転ローラ82の異なる伝動部材8に変更することで複数種類の径を有する(容量の異なる)撹拌容器4,4に対応することが可能で使い勝手がよくなるとともに基本的な部分を共通化することができるので生産の面でもきわめて有利である。
図5は本発明の異なる実施の形態を示すものであり、全体の構成は前記図1乃至図4に示した実施の形態とほぼ同様であるが、前記クラッチ機構9を備えておらず、公転用の駆動源5に加えて中心軸6を個別に回転させるための駆動源41を併設したものである。
本実施の形態によれば、公転用と自転用にそれぞれ備えた駆動源4,41を制御することにより公転、自転のON/OFF操作並びに各回転速度を自由に変化させることができるので所望の条件を簡単な操作で且つ迅速に選択することができる。
1 基体、2 公転軸、3 回転体、4 撹拌容器、6 中心軸、7 円錐体、8 伝動部材、9 クラッチ機構、 81 支軸、82 回転ローラ、41 駆動源
Claims (6)
- 基体に軸支した公転軸に固着されて水平面内で回転する回転体と、その回転体の回転中心から半径方向に距離を置いた位置に前記回転体の回転中心方向に傾斜した中心軸を中心に自転する撹拌容器を支持する公転・自転撹拌機において、前記公転軸が中空であるとともに前記公転軸に差し込まれた中心軸の上方突出端に円錐体が備えられ、前記撹拌容器と前記円錐体との間に前記回転体に支持された支軸に回転ローラが軸着された伝動部材が配置され、前記回転ローラが前記円錐体と前記撹拌容器とに接触して前記撹拌容器が自転することを特徴とする公転・自転撹拌機。
- 前記円錐体が上下方向へ所定の範囲で移動可能に且つ上方へ向けて付勢されており前記円錐体と回転ローラとが圧接した状態に接することを特徴とする請求項1記載の公転・自転撹拌機。
- 前記伝動部材を形成する回転ローラが弾性体により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の公転・自転撹拌機。
- 前記伝動部材の固定位置が軸線方向に移動可能で且つ伝動部材が交換可能であることを特徴とする請求項1,2または3記載の公転・自転撹拌機。
- 前記公転軸に駆動源が連結されているとともに前記中心軸の下方にクラッチ機構が配置されており、前記公転軸が回転しているときに前記クラッチを開閉して前記中心軸を回転させまたは回転を停止させることにより撹拌容器の自転を制御することを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の公転・自転撹拌機。
- 前記公転軸と中心軸とにそれぞれ異なる駆動源が連結されているとともに前記各駆動源を個別に制御して公転または自転を個別に制御することを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の公転・自転撹拌機。
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