JP6655905B2 - 高熱伝導難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、絶縁性、難燃性及び放熱性に優れる樹脂組成物に関する。
近年、携帯電話、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の電気、電子機器に使用されるディスプレイでは、電気、電子機器の高機能化に伴う発熱量の増加に対応するため、放熱技術の開発が大きな課題となっている。また、電気、電子機器の低価格化及び軽量化の要請から、構成部材を金属材料から樹脂材料に置き換えることが検討されている。
樹脂材料は熱伝導率が低いため、金属材料を樹脂材料に置換するには、樹脂材料を高熱伝導化する必要がある。樹脂材料を高熱伝導率化する方法として、例えば、樹脂に導電性フィラーを添加する方法がある。しかしながら、電気部品や照明部品周辺では、使用材料に絶縁性が要求されるため、絶縁性が必要な部品には使用できないという問題があった。
熱可塑性樹脂にフィラー等を配合することにより、熱伝導性を向上する技術は、例えば、特許文献1及び2に開示されている。しかしながら、難燃剤を添加することで熱伝導率が低下する場合があった。また、エンジニアリングプラスチックを使用しているため、300℃程度の高温で成形する必要があった。
特開2012−122057号公報 特開2012−188579号公報
本発明の目的は、絶縁性、難燃性及び放熱性に優れる樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供することである。
本発明によれば、以下の樹脂組成物等が提供される。
1.ポリオレフィン樹脂(A)を100重量部と、無機フィラー(B)を30重量部以上200重量部以下と、ハロゲン系難燃剤、及び、水酸化化合物を除くノンハロゲン系難燃剤の少なくとも一方の難燃剤(C)を1重量部以上80重量部以下と、を含み、体積固有抵抗値が1.0×1013Ω・m以上であり、熱伝導率が2.0W/m・K以上である、樹脂組成物。
2.前記ポリオレフィン樹脂(A)が、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂の少なくとも一方を含有する、1に記載の樹脂組成物。
3.前記無機フィラー(B)が、セラミックスである、1又は2に記載の樹脂組成物。
4.前記セラミックスが、金属酸化物又は金属窒化物である、3に記載の樹脂組成物。
5.前記セラミックスが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上である、3又は4に記載の樹脂組成物。
6.前記無機フィラー(B)が球状である、1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
7.前記難燃剤(C)がハロゲン系難燃剤である、1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
8.さらに難燃助剤(D)を含む、1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物
9.1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を含むペレット。
10.1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
11.照明器具用筐体である、10に記載の成形体。
12.バッテリー用筐体である、10に記載の成形体。
本発明によれば、絶縁性、難燃性及び放熱性に優れる樹脂組成物が提供できる。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)及びハロゲン系難燃剤及び水酸化化合物を除くノンハロゲン系難燃剤の少なくとも一方の難燃剤(C)を含むことを特徴とする。
本発明では、ポリオレフィン樹脂(A)を使用するため、比較的低い温度で成形加工できる。また、無機フィラー(B)と所定の難燃剤(C)を組み合わせて使用することにより、難燃剤の添加による熱伝導率の低下を抑制できる。その結果、本発明の樹脂組成物では、高い難燃性を有しつつ、体積固有抵抗値を1.0×1013Ω・m以上、かつ、熱伝導率を2.0W/m・K以上にすることができる。尚、体積固有抵抗値及び熱伝導率は高いほどよいが、通常、体積固有抵抗値は約1018Ω・m以下であり、熱伝導率は約7W/m・K以下である。
以下、各成分について説明する。
[ポリオレフィン樹脂(A)]
本発明で使用するポリオレフィン樹脂(A)は、ポリプロピレン系樹脂及び/又はポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとのブロック共重合体等が挙げられる。
エチレン以外のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂の密度は、0.910g/cm以上0.965g/cm以下であることが好ましい。また、190℃でのメルトマスフローレートは、0.01g/10分以上50g/10分以下であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[無機フィラー(B)]
本発明の樹脂組成物において、無機フィラー(B)は、樹脂組成物に放熱性を付与するために添加される。無機フィラー(B)の配合量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対し、30重量部以上200重量部以下とする。この範囲であれば、十分な放熱性を有し、かつ、成形性も良好な樹脂組成物が得られる。無機フィラー(B)の配合量が30重量部未満の場合、目的の放熱性を付与することができない。一方、200重量部を超えると、成形性が著しく低下する。無機フィラー(B)の配合量は、50重量部以上185重量部以下であることが好ましく、80重量部以上150重量部以下であることがより好ましい。
無機フィラー(B)としては、電気絶縁性が高いことからセラミックスが好ましい。セラミックスとしては、金属酸化物、金属窒化物等が挙げられる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等が好ましい。
無機フィラー(B)の形状としては、球状、粉体、繊維等が使用できる。本発明では球状が好ましい。球状の無機フィラーを使用すると、樹脂組成物の耐衝撃性が向上する場合がある。
無機フィラー(B)は、工業的に販売されているものが使用できる。その中でも、金属酸化物は入手容易性の観点から特に好ましい。
無機フィラー(B)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。混合して使用する場合は、特に限定されないが、酸化アルミニウムと窒化ホウ素等の組み合わせが好ましい。
[難燃剤(C)]
難燃剤(C)は樹脂組成物に難燃性を付与するために添加される。難燃剤(C)の配合量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対し、1重量部以上80重量部以下とする。難燃剤(C)の配合量が1重量部未満の場合、目的の難燃性を付与することができない。一方、80重量部を超えると、樹脂組成物の成形性が著しく低下する。難燃剤(C)の配合量は、10重量部以上70重量部以下であることが好ましく、20重量部以上50重量部以下であることがより好ましい。
本発明で使用する難燃剤(C)は、ハロゲン系難燃剤又は水酸化化合物を除くノンハロゲン系難燃剤である。
ハロゲン系難燃剤は、特に限定されない。例えば、テトラブロモビスフェノールA及びその誘導体、テトラブロモビスフェノールS及びその誘導体、エチレンビスペンタブロモジフェニル及びその誘導体、トリス(ブロモネオペンチル)ホスフェート及びその誘導体、エチレンビステトラブロモフタルイミド及びその誘導体、トリアリルイソシアヌレート誘導体が挙げられる。
特に好ましいハロゲン系難燃剤は、エチレンビスペンタブロモジフェニル及びその誘導体である。
ノンハロゲン系難燃剤は特に限定されないが、例えば、リン酸塩化合物及びその誘導体又はこれらの混合物、硫酸メラミン、赤燐、アルコキシイミノ基ヒンダードアミン系化合物及びその誘導体が挙げられる。
特に好ましいノンハロゲン系難燃剤は、リン酸塩化合物及びその誘導体である。
ハロゲン系難燃剤とノンハロゲン系難燃剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。混合する場合は、特に限定されないが、エチレンビスペンタブロモジフェニルとリン酸塩化合物の組み合わせ等が挙げられる。
本発明では、難燃剤としての効果の高さから、ハロゲン系難燃剤が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上述したポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)及び難燃剤(C)以外に他の成分を含んでもよいし、実質的にポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)及び難燃剤(C)のみからなっていてもよい。
本発明において「実質的」とは、組成物の90重量%以上100重量%以下(好ましくは95重量%以上100重量%以下)がポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)及び難燃剤(C)であることを意味する。
他の成分としては、後述する難燃助剤(D)、他の樹脂成分及び添加剤等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、上述したポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)及び難燃剤(C)の他に、難燃助剤(D)を含有することが好ましい。難燃助剤(D)の含有量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対し、好ましくは5重量部以上30重量部以下であり、特に好ましくは10重量部以上20重量部以下である。
難燃助剤(D)としては、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ポリテトラフルオロエチレン、二酸化ケイ素ハイドロタルサイト、重炭酸マグネシウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン及びその表面処理品、メラミン、メラミンシアヌレート、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、モノペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。難燃助剤(D)は、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ポリテトラフルオロエチレン、二酸化ケイ素が好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)には、特に限定されないが、ビニル系樹脂、ジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、熱可塑性エラストマー等の他の樹脂成分を添加してもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビニル系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のモノマーを1種以上重合させて得られる重合物等)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等)等が挙げられる。
ジエン系ゴムとしては、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−エチレンブロック共重合体、及び、これらを水添した誘導体等が挙げられる。
他の樹脂成分の添加量は、ポリオレフィン樹脂(A)及び他の樹脂成分の合計の30重量%以下とすることが好ましく、特に20重量%以下とすることが好ましい。
尚、樹脂組成物に上述した他の樹脂成分を添加する場合、樹脂組成物における添加量は、ポリオレフィン樹脂(A)及び他の樹脂成分の合計量が樹脂成分(A)として、100重量部となるようにする。
本発明の樹脂組成物は、上述した各成分の他に、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、結晶核剤、軟化剤、帯電防止剤、金属不活性化剤、抗菌・抗カビ剤、顔料等の添加剤を配合していてもよい。添加剤の含有量は、本発明の樹脂組成物の特性が損なわれない範囲であれば特に制限はない。
紫外線吸収剤は、樹脂成分の劣化を促進する紫外線を吸収する成分である。紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ベンゾフェノン化合物、トリアゾール化合物、ベンゾエート化合物等が挙げられる。
光安定剤は、樹脂成分の劣化を促進するラジカルを取り込む成分である。光安定剤としては、特に限定されないが、N−H型ヒンダードアミン化合物、N−メチル型ヒンダードアミン化合物、N−O−R型ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
尚、紫外線吸収剤及び光安定剤は、それぞれ単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。樹脂成分の劣化をより防止できるという観点から、混合して用いることが好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
滑剤としては、特に限定されないが、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪酸金属塩系滑剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶核剤としては、特に限定されないが、ソルビトール類、リン系核剤、ロジン類、石油樹脂類等が挙げられる。
軟化剤としては、特に限定されないが、流動パラフィン、鉱物油系軟化剤(プロセスオイル)、非芳香族系ゴム用鉱物油系軟化剤(プロセスオイル)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
帯電防止剤としては、特に限定されないが、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤、ノニオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤、グリセリン脂肪酸モノエステル等の脂肪酸部分エステル類が挙げられる。
金属不活性化剤としては、特に限定されないが、ヒドラジン系金属不活性化剤、窒素化合物系金属不活性化剤、亜リン酸エステル系金属不活性化剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
抗菌・抗カビ剤としては、特に限定されないが、有機化合物系抗菌・抗カビ剤、天然物有機系抗菌・抗カビ剤、無機物系抗菌・抗カビ剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、特に限定されないが、無機顔料、有機顔料等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、上述したポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)及び難燃剤(C)と、必要に応じて配合される任意の添加剤等を、溶融混錬することにより製造できる。例えば、押出成形機等により上記成分の混合物を溶融混錬し、ペレタイザーにて造粒することにより、ペレットに加工できる。
また、本発明の樹脂組成物又はペレットを各種成形機にて賦形することにより、成形体とすることができる。成形方法は、特に限定されず、射出成形、異形押出成形、シート押出成形等、公知の方法が適用できる。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形してなるものであり、十分な難燃性を有し、放熱性かつ絶縁性が優れている。そのため、本発明の成形体は、照明器具用筐体、バッテリー用筐体、電気、電子部品等として好適に用いることができる。尚、本発明の成形体の用途は、これに限定されない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜9、比較例1〜8
(1)樹脂組成物ペレットの作製
表1及び2に示す配合で各成分を混合し原料混合物とした。二軸押出成形機(株式会社CTE,HTM38、スクリュー口径38mm)を用い、シリンダー温度を220〜250℃にして原料混合物を溶融混練した。ダイスから吐出されたストランドを冷却バスにより冷却し、ペレタイザーにて切断することにより、樹脂組成物のペレットを作製した。
(2)試験片の作製
上記(1)で得たペレットを、シリンダー温度を210℃、金型温度を50℃に設定した射出成形機にて成形し、下記の試験片を作製した。
・比重及び難燃性評価用の試験片
縦:127mm、横:12.7mm、厚み:1.6mm
・放熱性評価用及び絶縁性評価用の試験片
縦:100mm、横:100mm、厚み:3.0mm
・IZOD衝撃試験用の試験片
縦:63.5mm、横:12.7mm、厚み:3.2mm
作製した試験片を、下記の方法で評価した。結果を表1及び2に示す。
(1)比重
ASTM D792に準拠する方法で測定した。
(2)難燃性
UL94垂直燃焼試験に準拠する方法で評価した。尚、表1において、UL94の規格外であったものを「Not V」と示す。また、試料を5本燃焼させ、燃焼時間の合計を測定した。
(3)放熱性(熱伝導率)
熱伝導率をASTM E1461に準拠する方法で評価した。
(4)絶縁性(体積固有抵抗値)
体積固有抵抗値をJIS C 2139に準拠する方法で評価した。
(5)耐衝撃性
IZOD衝撃値をASTM D 256に準拠する方法で評価した。
Figure 0006655905
Figure 0006655905
表1及び2に記載の各成分は以下のとおりである。
(樹脂)
・樹脂A−1:ポリプロピレン系樹脂「日本ポリプロ株式会社製、ニューコン NBC03HR」(プロピレンエチレンブロック重合体、密度0.91g/cm、230℃でのメルトマスフローレート30g/10分)
・樹脂A−2:ポリエチレン系樹脂「日本ポリエチレン株式会社製、ノバテックLJ902」(単独重合体、密度0.915g/cm、190℃でのメルトマスフローレート45g/10分)
(フィラー)
・無機フィラーB−1:酸化アルミニウム(球状、平均粒径7μm)「電気化学工業製、DAM07」
・無機フィラーB−2:窒化ホウ素(鱗片状、平均粒径50μm)「Momentive Performance Materials Worldwide Inc社製、PT−110」
・無機フィラーB−3:酸化マグネシウム(不定形、平均粒径2μm)「タテホ化学工業社製、COOLFILLERCF-6」
・無機フィラーB−4:金属シリコン(不定形、平均粒径11μm)「キンセイマテック社製、T2」
・導電フィラー:黒鉛粒子(鱗片状、平均粒径60μm)「伊藤黒鉛工業株式会社、鱗片状黒鉛、Z−100」
・無機フィラーB−5:炭酸カルシウム(不定形、平均粒径3μm)「カルファイン社製、KS1300」
(難燃剤)
・ハロゲン系難燃剤C−1:エチレンビスペンタジブロモフェニル「アルベマール株式会社製、SAYTEX 8010」
・ノンハロゲン系難燃剤C−2:リン酸塩「株式会社ADEKA製、アデカスタブFP2100J」
・ノンハロゲン系難燃剤C−3:水酸化マグネシウム「協和化学工業株式会社製、キスマ5A」
(難燃助剤)
・難燃助剤D−1:三酸化アンチモン「錫鉱山閃星アンチモン(金へんに弟)業有限責任公司製、TWINKLING STAR」
・難燃助剤D−2:ポリテトラフルオロエチレン「三菱レーヨン株式会社製、メタブレンA3800」
本発明の樹脂組成物は、製品の軽量化や低価格化を目的とする金属代替材料として好適である。例えば、照明器具、バッテリー、電気、電子部品等の構成部材として好適に使用できる。

Claims (12)

  1. プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の1種のα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとプロピレン以外の1種のα−オレフィンとのブロック共重合体、エチレン単独重合体、エチレンとエチレン以外の1種のα−オレフィンとのランダム共重合体、及び、エチレンとエチレン以外の1種のα−オレフィンとのブロック共重合体からなる群から選択される1以上の樹脂を100重量部と、
    無機フィラー(B)を30重量部以上200重量部以下と、
    テトラブロモビスフェノールA及びその誘導体、
    テトラブロモビスフェノールS及びその誘導体、
    エチレンビスペンタブロモジフェニル及びその誘導体、
    トリス(ブロモネオペンチル)ホスフェート及びその誘導体、
    エチレンビステトラブロモフタルイミド及びその誘導体、
    ハロゲン系難燃剤であるトリアリルイソシアヌレート誘導体、並びに
    リン酸塩化合物及びその誘導体又はこれらの混合物からなる群から選択される1以上の難燃剤(C)を1重量部以上80重量部以下と、
    を含み、
    体積固有抵抗値が1.0×1013Ω・m以上であり、熱伝導率が2.0W/m・K以上である、樹脂組成物。
  2. 前記無機フィラー(B)が、セラミックスである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記セラミックスが、金属酸化物又は金属窒化物である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記セラミックスが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上である、請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記無機フィラー(B)が球状である、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記無機フィラー(B)の含有量が80重量部以上200重量部以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. さらに難燃助剤(D)を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. ポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)及び難燃剤(C)のみ、
    ポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)、難燃剤(C)及び難燃助剤(D)のみ、
    ポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)、難燃剤(C)及び不可避不純物のみ、又は、
    ポリオレフィン樹脂(A)、無機フィラー(B)、難燃剤(C)、難燃助剤(D)及び不可避不純物のみからなる、
    請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を含むペレット。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
  11. 照明器具用筐体である、請求項10に記載の成形体。
  12. バッテリー用筐体である、請求項10に記載の成形体。
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