JP6652364B2 - 1,3−ブタジエンの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、エタノールから1,3−ブタジエンを製造する際、高い選択率を長時間維持できる1,3-ブタジエンの製造方法を提供することにある。
本発明の原料は少なくともエタノールを含む。前記エタノールとしては、特に限定されることが無く、例えば、サトウキビやトウモロコシなどのバイオマス由来のエタノールや、石油若しくは天然ガス由来のエタノールなどを挙げることができる。本発明においては、特に、バイオマス由来のエタノールを使用することが、多くの産業分野において重要な合成ゴムの原料である1,3−ブタジエンを、地球温暖化の主な原因とされている温室効果ガスの排出量を抑制しつつ製造することができる点で好ましい。
本発明の製造法で用いる触媒(以下、「本発明の触媒」と称する場合がある)は、マグネシウムシリケート構造を有する化合物とスズを含む含酸素無機化合物との組み合わせからなる。
本発明の1,3−ブタジエンの製造方法では、エタノールを含む原料を、上記の触媒に接触させることにより1,3−ブタジエンを得る。
0.1M硝酸水溶液、10mLに硝酸マグネシウム六水和物(関東化学(株)製)5.49gおよび尿素2.00gを加え溶解するまで攪拌した。得られた溶液にテトラエチルオルソシリケート(アルドリッチ製)5mLを加え、溶液が均一になるまで攪拌した。均一化した溶液を100mL圧力容器に移液し、密閉した後に、100℃で48時間加熱した。圧力容器中に形成したゲルを濾過で回収し、60℃で2日間、乾燥させ白色固体を得た。この固体を粉砕し、170℃で1時間、500℃で2時間焼成してマグネシウムシリケート結晶を得た。この粉末を打錠して固めた後に破砕し、10−20メッシュで分級して触媒(1)MgO−SiO2(水熱合成;Mg/Si=1)を得た。
0.1M硝酸水溶液、10mLに硝酸マグネシウム六水和物(関東化学(株)製)5.49g、塩化スズ(II)(和光純薬工業(株)製)0.14gおよび尿素2.00gを加え溶解するまで攪拌した。得られた溶液にテトラエチルオルソシリケート(アルドリッチ製)5mLを加え、溶液が均一になるまで攪拌した。均一化した溶液を100mL圧力容器に移液し、密閉した後に、100℃で48時間加熱した。圧力容器中に形成したゲルを濾過で回収し、60℃で2日間、乾燥させ白色固体を得た。この固体を粉砕し、170℃で1時間、500℃で2時間焼成してスズ−マグネシウムシリケート結晶を得た。この粉末を打錠して固めた後に破砕し、10−20メッシュで分級して触媒(2)SnO2−MgO−SiO2(水熱合成;Sn/Mg/Si=4/100/100)を得た。
塩化スズ(II)を0.23g用いた以外は調製例2と同様にして触媒(3)SnO2−MgO−SiO2(水熱合成;Sn/Mg/Si=6/100/100)を得た。
塩化スズ(II)を0.41g用いた以外は調製例2と同様にして触媒(4)SnO2−MgO−SiO2(水熱合成;Sn/Mg/Si=10/100/100)を得た。
塩化スズ(II)を0.81g用いた以外は調製例2と同様にして触媒(5)SnO2−MgO−SiO2(水熱合成;Sn/Mg/Si=20/100/100)を得た。
硝酸マグネシウム六水和物を2.74g用いた以外は調製例2と同様にして触媒(6)SnO2−MgO−SiO2(水熱合成;Sn/Mg/Si=4/50/100)を得た。
硝酸マグネシウム六水和物を7.85g用いた以外は調製例2と同様にして触媒(7)SnO2−MgO−SiO2(水熱合成;Sn/Mg/Si=20/143/100)を得た。
イオン交換水、10mLに塩化スズ(II)(和光純薬工業(株)製)0.14gを溶解するまで攪拌した。得られた溶液に調製例(1)で得られた触媒(1)MgO−SiO2(水熱合成;Mg/Si=1)を懸濁し、80℃で溶媒が蒸発するまで攪拌した後に60℃で2日間、乾燥させ白色粉末を得た。この粉末を、170℃で1時間、500℃で2時間焼成してスズ−マグネシウムシリケート結晶を得た。この粉末を打錠して固めた後に破砕し、10−20メッシュで分級して触媒(8)SnO2−MgO−SiO2(含浸;Sn/Mg/Si=4/100/100)を得た。
0.1M硝酸水溶液、10mLに塩化スズ(II)(和光純薬工業(株)製)4.06gおよび尿素2.00gを加え溶解するまで攪拌した。得られた溶液を100mL圧力容器に移液し、密閉した後に、100℃で48時間加熱した。圧力容器中に形成したゲルを濾過で回収し、60℃で2日間、乾燥させ白色固体を得た。この固体を粉砕し、170℃で1時間、500℃で2時間焼成して酸化スズ結晶を得た。この粉末を打錠して固めた後に破砕し、10−20メッシュで分級して触媒(9)SnO2(水熱合成)を得た。
調製例(1)で得られた触媒(1)MgO−SiO2(水熱合成;Mg/Si=1)2.15gと調製例(9)で得られた触媒(9)SnO2(水熱合成)0.12gを磨砕しながら乾式混合して触媒(10)SnO2−MgO−SiO2(物理混合;Sn/Mg/Si=4/100/100)を得た。
0.1M硝酸水溶液、10mLに塩化スズ(II)(和光純薬工業(株)製)0.81gおよび尿素2.00gを加え溶解するまで攪拌した。得られた溶液にテトラエチルオルソシリケート(アルドリッチ製)5mLを加え、溶液が均一になるまで攪拌した。均一化した溶液を100mL圧力容器に移液し、密閉した後に、100℃で48時間加熱した。圧力容器中に形成したゲルを濾過で回収し、60℃で2日間、乾燥させ白色固体を得た。この固体を粉砕し、170℃で1時間、500℃で2時間焼成してスズ−シリケート結晶を得た。この粉末を打錠して固めた後に破砕し、10−20メッシュで分級して触媒(11)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/5)を得た。
塩化スズ(II)を2.03g用いた以外は調製例11と同様にして触媒(12)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/2)を得た。
塩化スズ(II)を4.06g用いた以外は調製例11と同様にして触媒(13)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/1)を得た。
塩化スズ(II)を8.12g用いた以外は調製例11と同様にして触媒(14)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/0.5)を得た。
調製例(1)で得られた触媒(1)MgO−SiO2(水熱合成;Mg/Si=1)2.15gと調製例(11)で得られた触媒(11)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/5)0.34gを磨砕しながら乾式混合して触媒(15)SnO2−MgO−SiO2(物理混合;Sn/Mg/Si=4/100/120)を得た。
調製例(1)で得られた触媒(1)MgO−SiO2(水熱合成;Mg/Si=1)2.15gと調製例(12)で得られた触媒(12)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/2)0.21gを磨砕しながら乾式混合して触媒(16)SnO2−MgO−SiO2(物理混合;Sn/Mg/Si=4/100/108)を得た。
調製例(1)で得られた触媒(1)MgO−SiO2(水熱合成;Mg/Si=1)2.15gと調製例(13)で得られた触媒(13)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/1)0.16gを磨砕しながら乾式混合して触媒(17)SnO2−MgO−SiO2(物理混合;Sn/Mg/Si=4/100/104)を得た。
調製例(1)で得られた触媒(1)MgO−SiO2(水熱合成;Mg/Si=1)2.15gと調製例(14)で得られた触媒(14)SnO2−SiO2(水熱合成;Sn/Si=1/0.5)0.14gを磨砕しながら乾式混合して触媒(18)SnO2−MgO−SiO2(物理混合;Sn/Mg/Si=4/100/102)を得た。
表1〜5中に記載の触媒を、固定床式気相連続流通反応装置(反応器)に接続した6mmφのSUS製反応管に充填し、100mL/minのN2流通下で電気炉により500℃に加熱した。
1時間の前処理を行った後に電気炉温度を400℃に保持し、6.5%エタノール/N2ガスをW/F=0.03g・min・mL-1の速度で反応器に流通させて、反応させた。反応器出口ガスは気液分離した後にクーラーにて冷却し凝縮液を回収した。
反応開始後10分、370分の各反応器出口ガス組成をガスクロマトグラフおよびカールフィッシャー水分計にて分析した。
なお、触媒としては、比較例1は調製例1、実施例1〜6は調製例2〜7、実施例7、8は調製例8、10で得られた触媒を使用した。実施例9は調製例9(前層)と調製例1(後層)で得られた触媒を重量比で1/18.7になるように2層充填して使用した。比較例2〜5は調製例11〜14、比較例6は調製例9、実施例10〜13は調製例15〜18で得られた触媒を使用した。結果を表1〜5に示す。表中、「COx」は一酸化炭素及び二酸化炭素を示し、「ブタジエン」は1,3−ブタジエンを示し、「HTS」は水熱合成を意味する。
Claims (9)
- エタノールを含む原料を、マグネシウムシリケート構造を有する化合物とスズを含む含酸素無機化合物との組み合わせからなる触媒に接触させることにより1,3−ブタジエンを得ることを特徴とする1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記マグネシウムシリケート構造を有する化合物におけるマグネシウムとケイ素の元素比(モル比:Mg/Si)が0.5〜2.0である請求項1記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記スズを含む含酸素無機化合物が、スズシリケート構造を有する化合物及び/又は酸化スズである請求項1又は2に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記スズシリケート構造を有する化合物におけるスズとケイ素の元素比(モル比:Sn/Si)が0.01〜10である請求項3記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記触媒が、マグネシウム化合物及び/又はスズ化合物とケイ素化合物とを含む酸性水溶液を、尿素とともに加圧下で加熱して調製される化合物を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記触媒が、(1)マグネシウム化合物、スズ化合物及びケイ素化合物から水熱合成法により得られるシリケート構造を有する化合物の粉粒体からなる触媒、(2)マグネシウム化合物及びケイ素化合物から水熱合成法により得られるマグネシウムシリケート構造を有する化合物の粉粒体の表面に、酸化スズが担持された触媒、(3)マグネシウム化合物及びケイ素化合物から水熱合成法により得られるマグネシウムシリケート構造を有する化合物の粉粒体と、スズ化合物及びケイ素化合物から水熱合成法により得られるスズシリケート構造を有する化合物の粉粒体との組み合わせからなる触媒、又は(4)マグネシウム化合物及びケイ素化合物から水熱合成法により得られるマグネシウムシリケート構造を有する化合物の粉粒体と、酸化スズを含む粉粒体との組み合わせからなる触媒である請求項1〜5の何れか1項に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記触媒が、該触媒を構成する元素として、マグネシウム、ケイ素、スズ以外の金属又は半金属元素を含有する請求項1〜6の何れか1項に記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記マグネシウム、ケイ素、スズ以外の金属又は半金属元素が、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、銀及びインジウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項7記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
- 前記コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、銀及びインジウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素の総含有量が、触媒全体の0.1〜5重量%である請求項8記載の1,3−ブタジエンの製造方法。
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