JP6652033B2 - 車体ルーフ構造 - Google Patents

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本発明は、車体のルーフ部を構成する車体ルーフ構造に関する。
自動車の車体におけるルーフ(屋根)部を構成する車体ルーフ構造として、特許文献1に記載のものが知られている。図7に示すように、同文献の車体ルーフ構造は、ルーフ部の外板材であるルーフパネル50と、同ルーフ部の内装材であるルーフライニング51とを備え、また、ルーフ側部におけるルーフパネル50とルーフライニング51との間の部分に、カーテンエアバッグ52が設置されたものとなっている。さらに、同車体ルーフ構造には、ルーフパネル50とルーフライニング51との間の部分におけるカーテンエアバッグ52よりも車幅方向内側の部分、及び車幅方向外側の部分にそれぞれ、発泡樹脂の成型品からなる衝撃吸収部材53、54が設置されている。なお、こうした衝撃吸収部材53、54は、車両衝突時に想定される強い衝撃を吸収できるように、ある程度よりも大きい衝撃荷重が加わった際に衝撃吸収効果を発揮するように構成されている。
特開2002−225658号公報
しかしながら、こうした従来の車体ルーフ構造では、下記のように、乗員頭部の衝突時の衝撃の吸収性に関して改善の余地がある。
上記従来の車体ルーフ構造において、衝撃吸収部材53の設置箇所には、衝突により車体が横転した場合などに、座席から投げ出された乗員の頭部が、顔を車幅方向外側に向けて衝突することがある。一方、人体の頚椎の椎間関節は、顔を縦に振る方向への可動性が高い構造となっている。そのため、同図に示すように、車幅方向外側に顔を向けた状態で、乗員の頭部55が、衝撃吸収部材53の設置箇所に衝突(一次衝突)した場合には、下記のようになる。すなわち、こうした場合の頭部55は、一次衝突後に、同図に二点鎖線で示すように、額の部分を中心として顎が前方に突き出す方向に回転し、その鼻の周辺部にて、車幅方向外側に位置する、もう一つの衝撃吸収部材54の設置箇所に再び衝突(二次衝突)するようになる。こうした場合において、一次衝突による衝撃を衝撃吸収部材53が吸収するよりも早く、もう一つの衝撃吸収部材54の設置箇所への二次衝突が発生すると、両衝撃吸収部材53、54に衝撃荷重が分散して、衝撃吸収部材53の変形が抑えられてしまう。そのため、一次衝突のみが発生した場合と、一次衝突に続き二次衝突が発生した場合とでは、衝撃吸収部材53が発揮する衝撃吸収効果に違いが生じてしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、車室内衝突時の乗員頭部の衝撃をより好適に吸収することのできる車体ルーフ構造を提供することにある。
上記課題を解決する車体ルーフ構造は、車体のルーフ(屋根)部を構成する構造であり、ルーフ部の外板材であるルーフパネルと、ルーフ部の内装材であるルーフライニングと、ルーフパネルに当接した状態で同ルーフパネルとルーフライニングとの間の部分に設置された衝撃吸収部材と、を備えている。
ここで、米国自動車安全基準第201号に規定する車室内衝突試験用のダミーヘッドにおける額に相当する位置から目に相当する位置までの距離をL1とし、同ダミーヘッドの額に相当する位置から鼻先に相当する位置までの距離をL2とする。このとき、上記車体ルーフ構造のルーフ部における衝撃吸収部材の設置箇所にあって、上記米国自動車安全基準第201号に規定するアッパルーフの外縁にあたる部分には、ルーフライニングに当接して衝撃吸収部材が設置されており、且つ上記設置箇所にあってアッパルーフの外縁にあたる位置からのルーフ部の外縁側への距離がL1となる位置から同距離がL2となる位置までの部分には、ルーフライニングを当接支持する構造物が存在しない空隙領域が設けられている。
ルーフ部の衝撃吸収部材の設置箇所におけるアッパルーフの外縁にあたる位置の近傍に乗員の頭部が衝突した場合、その衝突のしかたによっては、ルーフライニングへの最初の衝突(一次衝突)後に頭部が回転して再度の衝突(二次衝突)が発生することがある。このとき、上記車体ルーフ構造では、二次衝突の発生位置にあたる部分に、ルーフライニングを当接支持している構造物が存在しない空隙領域が設けられている。そのため、二次衝突が発生したときの衝撃吸収部材に加わる衝撃荷重の分散が生じにくくなる。よって、上記車体ルーフ構造では、二次衝突が発生する場合にも、一次衝突のみが発生する場合と同様に衝撃吸収効果を発揮できる。したがって、上記車体ルーフ構造によれば、車室内衝突時の乗員頭部の衝撃をより好適に吸収することができる。
第1実施形態の車体ルーフ構造が適用された車体の平面図。 同車体ルーフ構造におけるルーフ部の骨格構造を示す平面図。 図1の3−3線に沿った上記車体ルーフ構造の断面図。 同車体ルーフ構造の構成部品である衝撃吸収部材の斜視図。 同車体ルーフ構造の乗員頭部の車室内衝突時の状態を示す断面図。 第2実施形態の車体ルーフ構造の断面図。 従来の車体ルーフ構造の断面図。
(第1実施形態)
以下、車体ルーフ構造の第1実施形態を、図1〜図5を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、車体前方を矢印FRで、車体後方を矢印RRで、車体上方を矢印UPで、車体下方を矢印DWで、車体の車幅方向内側となる方向を矢印INで、車体の車幅方向外側となる方向を矢印OUTで、それぞれ示している。
図1に、本実施形態の車体ルーフ構造が適用される自動車における車体Bの平面構造を示す。本実施形態の車体ルーフ構造は、こうした車体Bのルーフ(屋根)部RFを構成する構造であり、ルーフ部RFの車体前方の部分における車幅方向両側に、衝撃吸収部材10が設置されたものとなっている。ルーフ部RFにおける衝撃吸収部材10の設置箇所の車室側の部分は、車体Bの前座席に座った乗員の頭部から見て、車体前方、且つ車幅方向外側に位置する箇所であり、車体Bの横転等により、前座席から投げ出された乗員の頭部の衝突が想定される箇所となっている。
図2に、ルーフ部RFを支える骨格材の構成を示す。ルーフ部RFの左右両側には、車体前後方向に延びるルーフサイドレール11がそれぞれ設置されている。ルーフ部RFの車体前方の端部、及び車体後方の端部には、車幅方向に延びるフロントヘッダ12及びリアヘッダ13が骨格材として設置されている。さらに、ルーフ部RFにおけるフロントヘッダ12及びリアヘッダ13の間の部分には、左右のルーフサイドレール11に架け渡された、車幅方向に延びる複数(同図では3つ)のリーンフォースメント14が間隔を置いて設置されている。
ところで、米国連邦自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standards)第201号(以下、FMVSS201と記載する)には、車室内衝撃に対する乗員保護に関する基準が規定されている。そして、FMVSS201には、そうした乗員保護に関する基準として、車体Bのルーフ部RFの外縁部を除いた部分であるアッパルーフ(upper roof)の内装に対しての乗員の頭部衝突に関する保護基準も規定されている。
アッパルーフURは、ルーフ部RFの車室側における下記の範囲の部分と規定されている。すなわち、アッパルーフURは、ルーフ部RFの車室側にあって、同ルーフ部RFの前端から「0.15×D1」の距離の位置よりも車体後側、ルーフ部RFの後端から「0.15×D1」の距離の位置よりも車体前側、且つルーフ部RFの両側から「0.15×D2」の距離の位置よりも車幅方向内側の部分である。なお、「D1」、「D2」は、ルーフ部RFの車体前後方向の長さ、車幅方向の長車幅さをそれぞれ表している。
図1では、二点鎖線で囲まれた部分がアッパルーフURの範囲を示しており、また同二点鎖線は、アッパルーフURの外縁を示している。なお、同図に示すように、上記2つの衝撃吸収部材10は、こうしたアッパルーフURの車体前方側の左右の隅部をそれぞれ含む部分に設置されている。
ちなみに、FMVSS201には、上記車室内衝撃に対する乗員頭部の保護性能の評価値となる頭部傷害値(HIC)の測定方法として、乗員の頭部を模したダミーヘッドを用いた車室内衝突試験による測定方法が規定されている。この車室内衝突試験は、FMVSS201に規定の車室内の各衝撃ポイントに対してダミーヘッドを衝突させることで行われる。FMVSS201には、この車室内衝突試験用のダミーヘッドの重量や寸法、形状が規定されている。
図3に、図1の3−3線に沿った車体ルーフ構造の断面構造を示す。なお、同図に示す断面は、車体右側の衝撃吸収部材10の設置箇所を含む断面となっている。
同図に示すように、本実施形態の車体ルーフ構造は、ルーフ部RFの外板材であるルーフパネル20と、ルーフ部RFの内装材であるルーフライニング21と、を備えている。ルーフパネル20は、上記ルーフ部RFの各骨格材(11〜14)の車体外側に接合されており、同図に示される部分では、車幅方向外側の端部においてルーフサイドレール11に接合されている。一方、ルーフライニング21は、上記ルーフ部RFの各骨格材(11〜14)の車室側に張り渡された状態で、ルーフパネル20から間隔を置いて設置されている。なお、本実施形態では、ルーフライニング21として不織布の成型品が採用されている。
上記衝撃吸収部材10は、これらルーフパネル20とルーフライニング21との間の部分に設置されている。ルーフ部RFの衝撃吸収部材10の設置箇所における同衝撃吸収部材10よりも車幅方向外側の部分には、車室側部への衝突に際して乗員を保護するためのカーテンエアバッグ22が、ルーフサイドレール11に固定され、且つ車室下側をルーフライニング21で覆われた状態で設置されている。
図4に、衝撃吸収部材10の斜視構造を示している。同図に示される各矢印は、車体に組み付けられた状態の衝撃吸収部材10において、車体の各方向に対応する方向を示している。なお、以下では、衝撃吸収部材10において、車体組付時に車体前方、車体後方、車体上方、車体下方となる側をそれぞれ、同衝撃吸収部材10の前側、後側、上側、下側と記載する。
衝撃吸収部材10は、樹脂製の板材からなり、平面状の受圧面部30を有している。また、衝撃吸収部材10における受圧面部30よりも同衝撃吸収部材10の前側の部分には、同衝撃吸収部材10の上側に向けて傾斜した傾斜面部31が設けられている。そして、その傾斜面部31よりも同衝撃吸収部材10の前側の部分には、受圧面部30と略平行な面である支持面部32が設けられている。
さらに、衝撃吸収部材10には、同衝撃吸収部材10の上側に向かって突出した円錐台形状の脚部33、34が4つ設けられている。これら4つ脚部33、34における衝撃吸収部材10の上側の端面(以下、上端面と記載する)は、支持面部32が位置する平面と同じ平面上に位置している。こうした脚部のうちの2つ(脚部34)は、全体が受圧面部30の部分に設けられている。これに対して残りの2つの脚部33は、受圧面部30と傾斜面部31とを跨ぐように設けられており、円錐台の側周面における傾斜面部31と交差する部分が欠損した形状となっている。
先の図3に示すように、衝撃吸収部材10は、受圧面部30がルーフライニング21に当接し、支持面部32及び各脚部33、34の上端面がルーフパネル20に当接した状態で設置されている。また、支持面部32は、ルーフサイドレール11との接合部分の近傍にて、ルーフパネル20に当接している。
なお、同図に示されるルーフライニング21上の点「RM」は、ルーフ部RFの側部外縁からの距離が「0.15×D2」となる位置、すなわち、同図に示される断面におけるアッパルーフURの外縁にあたる位置を示している。また、同図には、一点鎖線により、上記車室内衝突試験用のダミーヘッドDHが、同図に示す断面におけるアッパルーフURの外縁RMにあたる位置に同ダミーヘッドDHの額に相当する部分が接触した状態で示されている。なお、同図におけるL1は、ダミーヘッドDHにおける額に相当する位置から目に相当する位置までの距離を、L2は、同ダミーヘッドDHにおける額に相当する位置から鼻先に相当する位置までの距離を、それぞれ示している。
本実施形態の車体ルーフ構造では、ルーフ部RFにおける衝撃吸収部材10の設置箇所にあって、アッパルーフURの外縁RMにあたる部分には、受圧面部30においてルーフライニング21に当接した状態で衝撃吸収部材10が設置されている。一方、ルーフ部RFにおいて、衝撃吸収部材10における受圧面部30の車幅方向外側の端からカーテンエアバッグ22までの部分は、ルーフライニング21を当接支持している構造物が存在しない領域(以下、空隙領域23と記載する)となっている。ここで、アッパルーフURの外縁RMから受圧面部30の車幅方向外側の端までの距離は、ダミーヘッドDHにおける額に相当する位置から目に相当する位置までの距離L1よりも短くなっている。また、アッパルーフURの外縁RMからカーテンエアバッグ22までの距離は、ダミーヘッドDHにおける額に相当する位置から鼻先に相当する位置までの距離L2よりも長くなっている。よって、本実施形態の車体ルーフ構造では、アッパルーフURの外縁からのルーフ部RFの外縁側に向かっての距離がL1となる位置から同距離がL2となる位置までの部分には、ルーフライニング21を当接支持している構造物が存在しない領域である空隙領域23が設けられている。
ちなみに、同図に示す空隙領域23内の領域Cは、ケーブルやワイヤハーネスの配線スペースとなっている。なお、ケーブルやワイヤハーネスは、あまり高い張力を持って配線されていないため、ルーフライニング21に触れていたとしても、ルーフライニング21を当接支持している構造物には該当しない。
(第1実施形態の作用効果)
続いて、以上のように構成された本実施形態の車体ルーフ構造の作用効果を説明する。
ルーフ部RFにおける衝撃吸収部材10の設置箇所の車室側の部分には、車体Bが横転したとき等に、前座席から投げ出された乗員の頭部が衝突する可能性がある。このとき、本実施形態の車体ルーフ構造では、ルーフライニング21に当接して設置された衝撃吸収部材10の受圧面部30が衝撃荷重を受けることになる。衝撃荷重は、衝撃吸収部材10の脚部33、34を介してルーフパネル20に伝わり、これにより、ルーフパネル20が車体上方に弾性変形する。
ルーフパネル20における衝撃吸収部材10の脚部33、34との当接部分は、骨格材であるルーフサイドレール11との接合箇所に近い、剛性が高い部分となっている。そのため、このときのルーフパネル20の弾性変形は限られたものとなり、ルーフライニング21とルーフパネル20との間で、衝撃吸収部材10の脚部33、34や傾斜面部31等が圧縮される。そしてその圧縮により、脚部33、34や傾斜面部31等が変形して、衝撃荷重を吸収するようになる。このように、衝撃吸収部材10は、ルーフサイドレール11に近く、ルーフパネル20の剛性が高い部位への乗員頭部の車室内衝突に対して、衝撃吸収効果を発揮する。
なお、衝撃吸収部材10は、各脚部33、34の上端面に加え、支持面部32においてもルーフパネル20に当接した状態で設置されている。ルーフパネル20における支持面部32との当接部分は、各脚部33、34の上端面との当接部分よりもルーフサイドレール11との接合箇所に近く、より剛性が高い部分となっている。そのため、受圧面部30への衝撃荷重の入力時に、ルーフパネル20側において衝撃吸収部材10が強固に支持されることになり、車室内衝突時の衝撃吸収部材10の変形が、ひいてはその変形による衝撃荷重の吸収が促進されることになる。
ところで、前座席よりも車幅方向外側に位置する上記衝撃吸収部材10の設置箇所には、図5に示すように、車両方向外側に顔を向けた状態で、乗員の頭部MHが衝突することがある。なお、同図には、乗員の頭部MHにおける額の部分が、アッパルーフURの外縁RMにあたる位置に衝突したときの状態が示されている。
こうした場合には、まず、頭部MHにおける額の部分がルーフライニング21に衝突することになる。以下、このときの額の部分での頭部MHの衝突を一次衝突と記載する。ちなみに、こうしたルーフ部RFへの頭部MHの一次衝突は、車体Bの衝突から時間を置いて発生するため、一次衝突の発生時には、カーテンエアバッグ22は、既に展開済みとなっている。
こうした頭部MHの一次衝突による衝撃荷重は、頭部MHが衝突したルーフライニング21から、これに当接する受圧面部30を介して衝撃吸収部材10に伝わり、さらにその衝撃吸収部材10を介してルーフパネル20に伝わる。そして、衝撃荷重が伝わったルーフパネル20が、同図に一点鎖線で示すように弾性変形するようになる。
その後も、頭部MHが姿勢を維持したまま衝突方向に進めば、やがてルーフパネル20の弾性変形は限界に達し、衝撃吸収部材10がルーフパネル20とルーフライニング21との間で圧縮されるため、脚部33、34等が変形して、衝撃荷重を吸収するようになる。
ただし、人体の頚椎の椎間関節は、顔を縦に振る方向への可動性が高い構造となっている。そのため、一次衝突後に頭部MHは、同図に二点鎖線で示すように、額の部分を中心として、顎を前に突き出す方向に回転するようになる。そして、その回転により、頭部MHが、額よりも下側の部分において再びルーフライニング21に衝突するようになる。以下、このときの頭部MHの再衝突を二次衝突と記載する。こうした二次衝突は、多くの場合、頭部MHにおける目から鼻先までの部分において発生すると考えられる。
ここで、同図に破線で示すように、二次衝突の発生位置まで受圧面部30が延伸されているように衝撃吸収部材10を構成した場合を考える。この場合、一次衝突の衝撃による衝撃吸収部材10の変形が生じるよりも早く、二次衝突が発生すると、一次衝突の発生箇所と二次衝突の発生箇所とに衝撃荷重が分散して、衝撃吸収部材10における一次衝突の発生箇所にあたる部分の変形が抑えられてしまう。このように、ルーフ部RFにおける二次衝突が生じる位置に、ルーフライニング21を当接支持している構造物が存在していると、一次衝突のみが発生する場合と、一次衝突に続いて二次衝突が発生する場合とでは、衝撃吸収部材10が発揮する衝撃吸収効果に違いが生じてしまう。
ちなみに、ルーフ部RFにおける、上記点RMよりもある程度の距離以上、車幅方向外側の部分で一次衝突が発生した場合、ルーフライニング21への二次衝突が発生する前に、顎の部分が車室側部に衝突する。また、上記点RMよりもある程度の距離以上、車幅方向内側の部分では、前座席に着座した乗員の頭上に近く、垂直に近い角度で、頭頂部付近にて頭部MHが衝突する。そのため、上記のような頭部MHの回転による二次衝突は、アッパルーフURの外縁RMの近傍の限られた範囲において一次衝突が発生した場合以外は、殆ど生じない。
これに対して、本実施形態の車体ルーフ構造では、アッパルーフURの外縁RMの近傍の部分で一次衝突が発生したときの、二次衝突の発生箇所となる部分には、ルーフライニング21を当接支持している構造物が存在しない空隙領域23が設けられている。そのため、一次衝突後における頭部MHのより大きな回転が許容されることになり、その分、衝撃吸収部材10が一次衝突の衝撃を吸収するための時間的な余裕が生まれることになる。したがって、本実施形態の車体ルーフ構造では、上記のような二次衝突が生じる場合にも、車室内衝突時の乗員頭部の衝撃をより好適に吸収することができる。
なお、一次衝突後の頭部MHの回転に応じて、衝撃吸収部材10の受圧面部30における頭部MHからの衝撃荷重を受ける部分は、車幅方向外側に次第に移動するようになる。これに対して、衝撃吸収部材10では、4つの脚部33、34のうち、車幅方向外側に設けられた脚部33が、車幅方向外側の側周面が部分的に欠損した形状となっており、受圧面部30における車幅方向外側の部分への荷重の入力に対して衝撃吸収部材10の変形が生じ易くなっている。そのため、一次衝突後の回転を伴うかたちで頭部MHが衝突した場合に、衝撃吸収部材10の変形が促進されて、衝撃荷重をより効果的に吸収することができる。
このように本実施形態では、ルーフ部RFにおける衝撃吸収部材10の車幅方向外側に適度な幅の空隙領域23を設けることで、車室内衝突に対する乗員頭部の保護性能を高めている。なお、上述したように、空隙領域23は、ケーブルやワイヤハーネスの配線スペースとしても利用することが可能である。
(第2実施形態)
次に、車体ルーフ構造の第2実施形態を、図6を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1実施形態では、脚部33、34が設けられた樹脂製の板材により衝撃吸収部材を構成していたが、衝撃を吸収可能な部材であれば、それ以外の部材を衝撃吸収部材として採用することができる。本実施形態の車体ルーフ構造は、発泡樹脂の成型品を衝撃吸収部材として採用したものとなっている。
図6に示すように、本実施形態の車体ルーフ構造は、衝撃吸収部材の構成以外は、第1実施形態のものと同様の構成となっている。本実施形態の車体ルーフ構造に採用された衝撃吸収部材40は、上述したように発泡樹脂の成型品であり、下記の形状をなしている。
すなわち、衝撃吸収部材40は、対向する2面がそれぞれ、ルーフパネル20に当接するパネル当接面41、ルーフライニング21に当接するライニング当接面42となった略ブロック形状とされている。なお、衝撃吸収部材40における、ルーフ部RFに組み付けられた際に車幅方向外側となる側の端部には、ライニング当接面42側からパネル当接面41側に凹んだ段部43が設けられている。
本実施形態の車体ルーフ構造では、こうした発泡樹脂の成型品からなる衝撃吸収部材40が、パネル当接面41にてルーフパネル20に当接した状態で、ルーフパネル20とルーフライニング21との間の部分に設置されている。ルーフ部RFにおけるアッパルーフURの外縁RMにあたる位置では、ライニング当接面42にてルーフライニング21に当接した状態で衝撃吸収部材40が設置されている。一方、ルーフ部RFに組み付けられた状態の衝撃吸収部材40において、アッパルーフURの外縁RMにあたる位置からライニング当接面42における車幅方向外側の端までの距離は、ダミーヘッドDHにおける額に相当する位置から目に相当する位置までの距離L1よりも短くなっている。また、第1実施形態の車体ルーフ構造と同様に、アッパルーフの外縁RMにあたる位置からカーテンエアバッグ22までの車幅方向の距離は、ダミーヘッドDHにおける額に相当する位置から鼻先に相当する位置までの距離L2よりも長くなっている。そのため、本実施形態の車体ルーフ構造でも、ルーフ部RFにおける衝撃吸収部材40の設置箇所にあって、アッパルーフURの外縁RMからのルーフ部RFの外縁側に向かっての距離がL1となる位置から同距離がL2となる位置までの部分には、ルーフライニング21を当接支持している構造物が存在しない領域である空隙領域44が設けられている。
こうした本実施形態の車体ルーフ構造でも、アッパルーフURの外縁RMの近傍の位置にて乗員頭部の一次衝突が発生したときの、二次衝突の発生位置となる部分には、ルーフライニング21を当接支持している構造物が存在しない空隙領域44となっている。そのため、ルーフライニング21に対する頭部MHの二次衝突が生じる場合にも、車室内衝突時の乗員頭部の衝撃をより好適に吸収することができる。
また、衝撃吸収部材40では、ルーフパネル20におけるルーフサイドレール11との接合箇所の近くまでパネル当接面41が延伸されている。そのため、ルーフパネル20にあって、ルーフサイドレール11近傍の剛性の高い部分において衝撃荷重を受けることができ、車室内衝突時の衝撃吸収部材10の変形を、ひいてはその変形による衝撃荷重の吸収を促進できるようになる。
なお、上記のような段部43を有した衝撃吸収部材40では、ライニング当接面42における車幅方向外側の部分に一定以上の衝撃荷重が入力された場合、断面積が変化する段部43の付け根部分に応力が集中して、同付け根部分にて衝撃吸収部材40が破断するようになる。そしてその破断によっても、衝撃荷重が吸収されるようになる。そのため、一次衝突後の回転を伴うかたちで頭部MHが衝突した場合に、衝撃荷重をより効果的に吸収することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、ルーフ部RFにおける車幅方向外側の部分に衝撃吸収部材を設けるようにしていたが、ルーフ部RFにおける前座席の車体前方の部分に衝撃吸収部材を設けるなど、衝撃吸収部材をルーフ部RFにおける上記実施形態とは異なる部分に設置するようにしてもよい。いずれにせよ、下記(a)(b)を共に満たすように衝撃吸収部材が設置されていれば、一次衝突後の頭部の回転による二次衝突が発生する場合にも、乗員の頭部に加わる衝撃を好適に緩和できるようになる。(a)ルーフ部RFにおける衝撃吸収部材の設置箇所にあって、アッパルーフURの外縁RMにあたる位置には、ルーフライニング21に当接して衝撃吸収部材が設置されていること。(b)ルーフ部RFにおける衝撃吸収部材の設置箇所にあって、アッパルーフURの外縁RMからのルーフ部RFの外縁側への距離がL1となる位置から同距離がL2となる位置までの部分(以下、二次衝突発生領域)には、ルーフライニング21を当接支持している構造物が存在しない空隙領域が設けられていること。
・ルーフ部RFにおいて、ルーフライニング21に当接して衝撃吸収部材が設置されている部分の範囲は、アッパルーフURの外縁RMにあたる位置を含み、且つ二次衝突発生領域に空隙領域が設けられる限りにおいて、適宜に変更してもよい。また、ルーフ部RFにおいて、空隙領域が設けられている部分の範囲についても、上記二次衝突発生領域を含み、アッパルーフURの外縁RMにあたる位置ではルーフライニング21に当接して衝撃吸収部材が設置される限りにおいて、適宜に変更してもよい。
10,40…衝撃吸収部材、20…ルーフパネル、21…ルーフライニング、23,44…空隙領域、RF…ルーフ部、UR…アッパルーフ、DH…ダミーヘッド、MH…乗員の頭部、RM…アッパルーフの外縁。

Claims (1)

  1. 車体のルーフ部を構成する構造であって、前記ルーフ部の外板材であるルーフパネルと、前記ルーフ部の内装材であるルーフライニングと、前記ルーフパネルに当接した状態で同ルーフパネルと前記ルーフライニングとの間の部分に設置された衝撃吸収部材と、を備える車体ルーフ構造において、
    米国自動車安全基準第201号に規定する車室内衝突試験用のダミーヘッドにおける額に相当する位置から目に相当する位置までの距離をL1とし、同ダミーヘッドの額に相当する位置から鼻先に相当する位置までの距離をL2としたとき、
    前記ルーフ部における前記衝撃吸収部材の設置箇所にあって、前記米国自動車安全基準第201号に規定するアッパルーフの外縁にあたる部分には、前記ルーフライニングに当接した状態で前記衝撃吸収部材が設置されており、
    且つ前記設置箇所にあって、前記アッパルーフの外縁にあたる位置からの前記ルーフ部の外縁側への距離がL1となる位置から同距離がL2となる位置までの部分には、前記ルーフライニングを当接支持している構造物が存在しない空隙領域が設けられている
    ことを特徴とする車体ルーフ構造。
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