JP6652008B2 - スプール弁 - Google Patents
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Description
このスプール弁は、例えば、次のようなスリーブおよびスプールを備える。まず、スリーブは、流体が流入する入力ポート、および、流体が流出する出力ポートを有し、スリーブの内周面では、例えば、出力ポートの開口が入力ポートの開口の軸方向一方側に離れて存在する。また、スプールは、スリーブの内周で軸方向へ移動自在に収容され、例えば、電磁ソレノイドが発生する吸引力により、軸方向へ移動して入力ポートと出力ポートとの連通状態を変化させる。
このため、出力室は、第1、第2ランドにより、それぞれ軸方向他方側、一方側を区画されている。
また、出力室において、入力ポートから流入した流体は、スプールによって流れの方向を変えられて出力ポートから流出する。このため、スプールが流体に力を与えて流れの方向を変化させることの反作用として、流体がスプールに対して力を及ぼし、この力も、電磁ソレノイドの吸引力に対向するようにスプールに作用する。
そして、フローフォースを抑制してスプール弁の作動を安定させるため、スプールの軸部にくびれ形状を設ける構造が公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
これに対し、特許文献2には、くびれ形状を用いることなく、フローフォースを抑制する構造が開示されている。すなわち、特許文献2では、くびれ形状を用いた場合に、くびれ形状における流入角および流出角の制限から生じるフローフォース抑制効果の限界を超えて、更に、フローフォース抑制効果を高めるべく、次のような第1、第2の構成を開示する。
本発明は、この問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、静圧負荷の増加を抑制して、フローフォース抑制効果の更なる向上を達成することにある。
溝の内、軸方向一端を含む軸方向一方側の範囲は、軸方向一方側ほど溝底が外周側に盛り上がるように傾斜し、また、溝の内、軸方向他端を含む軸方向他方側の範囲は、軸方向他方側ほど溝底が外周側に盛り上がるように傾斜している。さらに、溝の軸方向他端は摺接部に存在する。
また、本願の第2発明によれば、溝は、摺接部の外周面にのみ存在する。
これにより、入力ポートから内部空間に流入した流体は、溝によって流れをガイドされる。また、臨界状態において、上述の特定延長条件が成立しているので、溝の軸方向一端から軸方向一方側に流出した流体は、第2ランドに衝突しにくくなるとともに、出力ポートに流入しやすくなる。このため、静圧負荷の増加を抑制して、フローフォース抑制効果の更なる向上を達成することができる(詳細は実施例にて説明する。)。
溝の内、軸方向一端を含む軸方向一方側の範囲は、軸方向一方側ほど溝底が外周側に盛り上がるように傾斜し、また、溝の内、軸方向他端を含む軸方向他方側の範囲は、軸方向他方側ほど溝底が外周側に盛り上がるように傾斜している。さらに、溝の軸方向他端は摺接部に存在する。
参考例1のスプール弁1は、例えば、図1に示すように、車両用自動変速機の摩擦要素2に供給する油圧を調圧するために用いられて車両用自動変速機の油圧制御装置3を構成し、主に、スリーブ4、スプール5および電磁ソレノイド6により構成されている(図3参照。)。
ここで、油圧ポンプ7は、例えば、内燃機関のトルクにより駆動される周知の機械式ポンプであり、マニュアルバルブ8は、例えば、乗員によるシフトレバー9の操作により、Dレンジ用の摩擦要素2とRレンジ用の摩擦要素2との間で油圧の供給先を切り替える周知の構成である。
そして、スプール弁1では、所定の電子制御ユニット(図示せず)により電磁ソレノイド6への通電量が制御され、通電量の制御により、摩擦要素2に供給される油圧(出力圧)が調圧される。
以下、スプール弁1について、図3〜図6を用いて詳細に説明する。
ここで、入力ポート12は、流体が流入するポートであり、油圧制御装置3においてマニュアルバルブ8の吐出側に接続され、油圧ポンプ7から吐出された作動油を、スプール弁1の内部に受け入れるために利用される。また、出力ポート13は、流体が流出するポートであり、摩擦要素2に接続され、スプール弁1の内部で調圧された作動油を摩擦要素2に供給するために利用される。
そして、スリーブ4の内周面では、これら4つのポートの開口は、軸方向一方側に向かって、F/Bポート15→入力ポート12→出力ポート13→ドレンポート14の順に設けられている。
また、スプール5は、スリーブ4の内周面に摺接しながら移動する3つのランド19A、19B、19Cを有する。そして、3つのランド19A〜19Cの内、軸方向に関して中間にあるランド19Aが入力ポート12の開口12aを開閉することで、入力ポート12と出力ポート13との連通状態が変化する。
以上により、スプール弁1は、電磁ソレノイド6が非通電の時に油圧が出力されないノーマリークローズ型である(以下、内部空間21を出力室21と呼ぶことがある。)。
なお、電磁ソレノイド6は、コイル6a、固定コア6b、可動コア6c、ヨーク6dおよび出力シャフト6e等を有する周知の構成である。
参考例1のスプール弁1の特徴を、図3〜図6を用いて説明する。
スプール5の外周面には、軸方向に所定の長さを有して内周側に窪む溝25が存在する。また、溝25の軸方向他端はランド19Aに存在し、溝25はランド19Aと軸部20とに跨っている。このため、溝25の内、ランド19Aに存在する部分は、出力圧の調圧時にスプール5の自励振動を抑制するためのノッチをなす。
ここで、溝25の軸方向他端における溝25の傾斜角は、後記する数式1における流入角θ1に相当し、溝25の軸方向一端における溝25の傾斜角は、後記する数式1における流出角θ2に相当する(図5参照。)。
参考例1のスプール弁1の作用効果を、図3〜図6および図20を用いて説明する。
ここで、作用効果の説明にあたり、次のとおりフローフォースに関して定義する。まず、出力室21に流入した流体が、電磁ソレノイド6の吸引力に対向するようにスプール5に及ぼす力をフローフォースと定義する。また、流体がスプール5に与える反作用に伴って発生するフローフォース、流体がランド19Bに衝突することで発生するフローフォースを、それぞれフローフォースF1、F2と定義する。
なお、比較例は、出力室108において、くびれ形状100により径方向外側に流体の流れの向きを変化させることで、流体の第2ランド106への衝突を抑制して(つまり、フローフォースF2を低減して)、スプール弁の作動を安定させることを意図するものであり、特許文献1に記載の構造に相当する。
〔数1〕F1=ρ・Q1・v1・cosθ1−(ρ・Q2・v2・cosθ2+ρ・Q3・v3・cosθ3)
この内、流入角θ1は、Misesの理論値により、69度が上限である。
すなわち、ノッチ109が存在する方位からくびれ形状100に流入した流体は、くびれ形状100において、出力ポート102が存在する方位に向かわず、他の方位にこぼれ落ちて分散してしまう。このため、流速v2が低下したり、流出角θ2に従って出力ポート102の方に流れる流体が少なくなったりするので、結果として、フローフォースF1の低減に対してρ・Q2・v2・cosθ2の項が有効に活用できていない。
これにより、参考例1のスプール弁1によれば、特許文献1相当のくびれ構造100よりも、フローフォース抑制効果を更に向上することができるので、上記した特許文献2の第1、第2の構成(つまり、静圧負荷が高くなる可能性がある構成)を用いなくても、フローフォース抑制効果を高めることができる。このため、参考例1のスプール弁1によれば、静圧負荷の増加を抑制して、フローフォース抑制効果の更なる向上を達成することができる。
参考例2のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
参考例2のスプール弁1によれば、図7に示すように、出力ポート13は、次のリセス16Cと筒路17Cとからなる。すなわち、リセス16Cは、軸方向に関してリセス16Aとリセス16Bとの間に存在し、筒路17Cは、リセス16Cに接続してスリーブ4の外周側とリセス16C内とを連通する。また、出力ポート13の開口13aは、リセス16Cの最内周により形成される。また、筒路17Cは、周方向に関して180°離れて2つ存在しており、180°離れてリセス16Cに接続する。
実施例1のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例1のスプール弁1によれば、図8に示すように、出力ポート13は参考例2の態様と同様であり、特定延長条件も参考例2の態様と同様である。そして、実施例1の軸部20は、溝25の軸方向一端において段をなして縮径している。すなわち、軸部20は、溝25の軸方向一端において内周側に切り立っている。
これにより、溝25の軸方向一端では、段をなす面と溝底25aとのなす角度が鋭角になって流れの剥離が発生しやすくなる。このため、作動油が溝25からランド19Bへ向かって流れるのを抑制することができる。この結果、実施例1のスプール弁1によれば、更にフローフォースF2を抑制することができる。
実施例2のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例2のスプール弁1によれば、図9に示すように、出力ポート13は参考例2、実施例1の態様と同様であり、特定延長条件も参考例2、実施例1の態様と同様である。また、実施例2の軸部20は、実施例1と同様に、溝25の軸方向一端において段をなして縮径している。
そして、実施例2のスプール弁1によれば、軸部20の内、溝25の軸方向一端よりも軸方向一方側の部分は、次の第1、第2部分20a、20bからなる。
これにより、出力室21において筒路17Cが存在しない方位に流れ込んだ作動油は、第1部分20aの外周とリセス16Cとで挟まれた空間を通って出力ポート13に流入しやすくなり、ランド19Bの方に向かうのが抑制される。このため、実施例2のスプール弁1によれば、更にフローフォースF2を抑制することができる。
実施例3のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例3のスプール弁1によれば、図10および図11に示すように、特定延長条件は参考例2、実施例1、2の態様と同様である。また、実施例3の軸部20は、実施例2の態様と同様である。
そして、実施例3のスプール弁1によれば、一方の出力ポート13は、筒路17Cを有さず、周方向に関し180°の広がりを有して径方向に貫通している。
これにより、スプール5が軸の周りに回転しても、溝25からの作動油の流れを、ほぼ確実に出力ポート13に導くことができるので、低コストでフローフォースF2を低減することができる。
参考例3のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
参考例3のスプール弁1は、図12に示すように、スリーブ4に対してスプール5が周方向に相対回転するのを規制する回転規制部27を備える。ここで、回転規制部27は、ランド19Cに設けた平面27aと、スリーブ4の内周に挿入したピン27bとにより構成されている。
これにより、スリーブ4に対してスプール5の周方向への回転が規制されるため、溝25と出力ポート13との周方向に関する位置ずれが抑制される。このため、フローフォースF2の低減効果が経時的に変動するのを抑制することができる。
実施例4のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例4のスプール弁1によれば、図13に示すように、特定延長条件は参考例2、実施例1〜3の態様と同様である。
そして、実施例4のスプール弁1によれば、溝25はランド19Aの外周面にのみ存在し、溝25の軸方向一端はランド19Aの軸方向一端に存在する。
これにより、スプール5が軸方向他方側に大きく変位しても、入力ポート12と出力室21とは、溝25が存在する方位のみで連通し、他の方位では連通しない。このため、更に、こぼれ落ちを抑制してフローフォースF1を低減することができる。
実施例5のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例5のスプール弁1によれば、図14に示すように、軸部20は、実施例2、3の態様と同様である。そして、溝25の内、ランド19Aに存在する範囲25αでは、溝25の周方向の幅が軸方向一方側ほど大きい。より具体的には、範囲25αを真上から見ると、範囲25αの軸方向他端縁は、軸方向他方側に凸をなす円弧として見える。
これにより、入力ポート12と出力室21との連通状態が開側に拡大していくときに、出力圧の急激な上昇を、より一層抑制することができる。このため、出力圧の調圧時におけるスプール5の自励振動を、更に抑制することができる。
実施例6のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例6のスプール弁1によれば、図15に示すように、軸部20は、実施例2、3、5の態様と同様である。そして、溝25の内、軸部20に存在する範囲25βでは、溝25の周方向の幅が軸方向他方側ほど大きい。
これにより、溝25における作動油の流速は、ベルヌーイの法則に従って軸方向一方側ほど(下流側ほど)大きくなる。このため、数式1における流速v2の低下を更に抑制することができるので、より一層、フローフォースF1を低減することができる。
実施例7のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例7のスプール弁1によれば、図16に示すように、軸部20は実施例2の態様と同様である。また、実施例7のスプール弁1によれば、溝25は、周方向に関し90°間隔で離れて4つ存在する。つまり、これら4つの溝25には、180°間隔で向かい合う組合せが2組存在する。
これにより、スプール5の軸方向位置と出力圧との相関特性の設定に関し、自由度を高めることができる。
実施例8のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例8のスプール弁1によれば、図17に示すように、軸部20は実施例2の態様と同様である。そして、実施例8のスプール弁1によれば、それぞれの溝25は、自身の周方向の中央およびスプール5の軸を含む面を対称面とする鏡像対称性を有さないが、2つの溝25は、スプール5の軸を含む別の面を対称面として、互いに鏡像対称性を有する。
実施例9のスプール弁1を参考例1のスプール弁1と異なる点を中心に説明する。
実施例9のスプール弁1は、図18に示すように、入力ポート12から出力ポート13に向かう作動油の流れを2段階で絞って出力圧を調圧する。
すなわち、実施例9のスプール弁1によれば、スプール5においてランド19A、19Bの間に追加のランド19Dが存在し、ランド19Dは、ランド19A、19Bと同径である。そして、ランド19A、19D間、ランド19D、19B間それぞれに軸部20A、20Bが存在し、ランド19Aと軸部20Aとに跨って溝25Aが存在し、さらに、ランド19Dと軸部20Bとに跨って溝25Bが存在する。
また、スリーブ4の内周は、ランド19Aが摺接する範囲とランド19Dが摺接する範囲との間において拡径している。
そして、この臨界状態では、溝25Bにおいて、溝底25aの軸方向一端における軸方向に対する傾斜と同じ傾斜で溝底25aの軸方向一端から、周方向に向きを変えることなく軸方向一方側かつ外周側に直線L1を伸ばすと、直線L1はリセス16Cの壁面に突き当たる。これにより、臨界状態において特定延長条件が成立するので、実施例9のスプール弁1でも、参考例1等のスプール弁1と同様の作用効果を得ることができる。
本願発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形例を考えることができる。
例えば、参考例1等のスプール弁1によれば、出力ポート13は周方向に関して180°離れて2つ存在していたが、出力ポート13が1つしか存在しない場合でもフローフォースを低減する効果を得ることができる。
また、複数の溝25の中に、周方向の幅が異なる組合せを存在させても、同様の作用効果を得ることができる。
Claims (13)
- 流体が流入する入力ポート(12)、および、流体が流出する出力ポート(13)が開口する円筒状の空間に、軸方向へ移動自在に収容されて前記入力ポートと前記出力ポートとの連通状態を変化させるスプール(5)を備え、
前記円筒状の空間を形成する内壁面では、前記出力ポートの開口(13a)と前記入力ポートの開口(12a)とが軸方向に離れて存在し、
前記スプールは、前記内壁面に摺接しながら移動して前記入力ポートの開口を開閉する摺接部(19A)を有し、この摺接部の軸方向への移動により、前記入力ポートと前記出力ポートとの連通状態を変化させるスプール弁(1)において、
前記スプールでは、前記摺接部よりも小径の小径部(20)が前記摺接部の軸方向に連続し、前記出力ポートの開口は、前記小径部の外周面と前記内壁面との間に形成される内部空間(21)に対して開放されており、
前記摺接部は、軸方向への移動により前記内部空間に対し前記入力ポートの開口を開放することで、前記入力ポートと前記出力ポートとを連通させ、
前記スプールの外周面には、軸方向に所定の長さを有して内周側に窪む溝(25)が存在し、
前記溝の内、軸方向一端を含む軸方向一方側の範囲は、軸方向一方側ほど溝底(25a)が外周側に盛り上がるように傾斜し、また、前記溝の内、軸方向他端を含む軸方向他方側の範囲は、軸方向他方側ほど溝底が外周側に盛り上がるように傾斜し、さらに、前記溝の軸方向他端は、前記摺接部に存在し、
前記入力ポートの開口の軸方向一端と前記溝の軸方向他端との位置が軸方向に関して一致する臨界状態を想定すると、
この臨界状態では、前記溝底の軸方向一端における軸方向に対する傾斜と同じ傾斜で前記溝底の軸方向一端から、周方向に向きを変えることなく軸方向かつ外周側に直線(L1)を伸ばすと、この直線は、前記出力ポートの開口を通って前記出力ポートの壁面に突き当たり、
前記溝は前記摺接部と前記小径部とに跨っており、前記溝の軸方向一端は前記小径部に存在し、
前記小径部は、前記溝の軸方向一端において、縮径していることを特徴とするスプール弁。 - 請求項1に記載のスプール弁において、
前記スプールでは、前記小径部の軸方向一方側に、前記内壁面に摺接しながら移動する別の摺接部(19B)が存在し、
前記別の摺接部の内、前記内壁面に摺接する摺接面の軸方向他端は、前記臨界状態において、前記出力ポートの壁面で前記直線が突き当たる位置よりも軸方向一方側に存在することを特徴とするスプール弁。 - 請求項1または請求項2に記載のスプール弁において、
前記スプールでは、前記小径部の軸方向一方側に、前記内壁面に摺接しながら移動する別の摺接部が存在し、
前記内部空間は、軸方向に関して前記摺接部と前記別の摺接部との間に広がり、
前記小径部の内、前記溝の軸方向一端よりも軸方向一方側の部分は、前記溝が存在している部分よりも小径である第1部分(20a)と、この第1部分よりも大径、かつ、前記別の摺接部よりも小径であって前記第1部分の軸方向一方側に存在する第2部分(20b)とを有することを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記出力ポートは、前記内壁面において径方向外側に窪む凹所であるリセス(16C)、および、前記リセスから外周側に伸びる通路(17C)を有し、
前記直線は、前記リセスの壁面に突き当たることを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記溝は、周方向に関して180°離れて2つ存在し、
前記出力ポートは、周方向に関し180°の広がりを有して径方向に貫通していることを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項5の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記内壁面に対して前記スプールが周方向に相対回転するのを規制する回転規制部(27)を備えることを特徴とするスプール弁。 - 流体が流入する入力ポート(12)、および、流体が流出する出力ポート(13)が開口する円筒状の空間に、軸方向へ移動自在に収容されて前記入力ポートと前記出力ポートとの連通状態を変化させるスプール(5)を備え、
前記円筒状の空間を形成する内壁面では、前記出力ポートの開口(13a)と前記入力ポートの開口(12a)とが軸方向に離れて存在し、
前記スプールは、前記内壁面に摺接しながら移動して前記入力ポートの開口を開閉する摺接部(19A)を有し、この摺接部の軸方向への移動により、前記入力ポートと前記出力ポートとの連通状態を変化させるスプール弁(1)において、
前記スプールでは、前記摺接部よりも小径の小径部(20)が前記摺接部の軸方向に連続し、前記出力ポートの開口は、前記小径部の外周面と前記内壁面との間に形成される内部空間(21)に対して開放されており、
前記摺接部は、軸方向への移動により前記内部空間に対し前記入力ポートの開口を開放することで、前記入力ポートと前記出力ポートとを連通させ、
前記スプールの外周面には、軸方向に所定の長さを有して内周側に窪む溝(25)が存在し、
前記溝の内、軸方向一端を含む軸方向一方側の範囲は、軸方向一方側ほど溝底(25a)が外周側に盛り上がるように傾斜し、また、前記溝の内、軸方向他端を含む軸方向他方側の範囲は、軸方向他方側ほど溝底が外周側に盛り上がるように傾斜し、さらに、前記溝の軸方向他端は、前記摺接部に存在し、
前記入力ポートの開口の軸方向一端と前記溝の軸方向他端との位置が軸方向に関して一致する臨界状態を想定すると、
この臨界状態では、前記溝底の軸方向一端における軸方向に対する傾斜と同じ傾斜で前記溝底の軸方向一端から、周方向に向きを変えることなく軸方向かつ外周側に直線(L1)を伸ばすと、この直線は、前記出力ポートの開口を通って前記出力ポートの壁面に突き当たり、
前記溝は、前記摺接部の外周面にのみ存在することを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項7の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記溝の内、軸方向他端から軸方向一方側に連続する所定の範囲(25α)では、前記溝の周方向の幅が軸方向一方側ほど大きいことを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項8の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記溝の内、軸方向一端から軸方向他方側に連続する所定の範囲(25β)では、前記溝の周方向の幅が軸方向他方側ほど大きいことを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項9の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記溝は、周方向に関して離れた位置に、複数、存在し、
この複数の溝の中には、軸方向他端の軸方向位置が異なる組合せが存在することを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項10の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記溝は、周方向に関して離れた位置に、複数、存在し、
この複数の溝の中には、周方向の幅が異なる組合せが存在することを特徴とするスプール弁。 - 流体が流入する入力ポート、および、流体が流出する出力ポートが開口する円筒状の空間に、軸方向へ移動自在に収容されて前記入力ポートと前記出力ポートとの連通状態を変化させるスプールを備え、
前記円筒状の空間を形成する内壁面では、前記出力ポートの開口が前記入力ポートの開口の軸方向一方側に離れて存在し、
前記スプールは、前記内壁面に摺接しながら移動して前記入力ポートの開口を開閉する摺接部を有し、この摺接部の軸方向への移動により、前記入力ポートと前記出力ポートとの連通状態を変化させるスプール弁において、
前記スプールでは、前記摺接部よりも小径の小径部(20A)が前記摺接部の軸方向一方側に連続し、前記小径部の軸方向一方側には、前記内壁面に摺接しながら移動する別の摺接部(19D)が存在し、さらに、前記別の摺接部の軸方向一方側には、前記別の摺接部よりも小径の別の小径部(20B)が存在し、
前記出力ポートの開口は、前記別の小径部の外周面と前記内壁面との間に形成される内部空間に対して開放されており、前記摺接部と前記別の摺接部との間には、別の内部空間(29)が形成され、
前記スプールは、前記摺接部の軸方向他方側への移動により前記別の内部空間に対し前記入力ポートの開口を開放するとともに、前記別の摺接部の軸方向他方側への移動により前記内部空間に対し前記別の内部空間を開放することで、前記入力ポートと前記出力ポートとを連通させ、
前記スプールの外周面には、軸方向に所定の長さを有して内周側に窪む溝(25A)が存在し、
前記溝の内、軸方向一端を含む軸方向一方側の範囲は、軸方向一方側ほど溝底(25a)が外周側に盛り上がるように傾斜し、また、前記溝の内、軸方向他端を含む軸方向他方側の範囲は、軸方向他方側ほど溝底(25a)が外周側に盛り上がるように傾斜し、さらに、前記溝の軸方向他端は、前記摺接部に存在し、
前記入力ポートの開口の軸方向一端と前記溝の軸方向他端との位置が軸方向に関して一致する臨界状態を想定すると、
この臨界状態では、前記溝底の軸方向一端における軸方向に対する傾斜と同じ傾斜で前記溝底の軸方向一端から、周方向に向きを変えることなく軸方向一方側かつ外周側に直線(L2)を伸ばすと、この直線は、前記別の内部空間を形成する壁面の内、前記スプール以外の部品により構成される領域に突き当たることを特徴とするスプール弁。 - 請求項1ないし請求項12の内のいずれか1つに記載のスプール弁において、
前記溝底は、湾曲しながら滑らかに連続していることを特徴とするスプール弁。
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