JP6651960B2 - 管の偏肉検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は管の偏肉検出方法に係り、特に、3つの孔型ロールを用いて製造された継目無管の偏肉検出方法に関する。
図1は、継目無管の製造工程の一例を示した図である。加熱炉で加熱されたビレットは、まず図2に示す穿孔機によって穿孔圧延され中空素管10となる。中空素管10は、マンドレルバー11および複数のスタンドからなるマンドレルミル12を用いて延伸圧延され、さらにサイザ13等によって外径・肉厚の調整がなされ、定径圧延される。
継目無管の製造工程において問題となるのが、周方向の管の厚さに偏りが生じるいわゆる偏肉の問題である。偏肉が生じると、肉厚の薄い部分である薄肉部において強度不足となり、高圧環境下で使用する場合、パイプが潰れるいわゆる圧壊の原因ともなり得る。偏肉には、図3に示すように、発生原因に応じた種々の形状が存在する。
偏肉の発生原因の1つに、上記のマンドレルバーおよびマンドレルミルによる延伸圧延工程が挙げられる。図4は、管軸方向に見たマンドレルバー11および2つのスタンドのマンドレルミル12を示した図である。図4aに示されるのが2ロール式マンドレルミルである。2つの圧延ロール12aが対向するように配置されており、隣り合うスタンド同士で圧延ロール12aの圧下方向がそれぞれ90°ずれる構成となっている。一方、図4bに示されるのが3ロール式マンドレルミルである。3つの圧延ロール12aがそれぞれ圧下方向において120°をなすように配置されており、隣り合うスタンド同士で、圧延ロール12aの圧下方向がそれぞれ60°ずれる構成となっている。
偏肉のない管を製造するためには、各スタンドにおける圧延ロールが適切に配置されている必要がある。しかしながら、マンドレルミルを構成する圧延ロールの一部の圧下位置が、適切な配置からロールの圧下方向および/または軸方向にずれてしまうため、偏肉が発生することになる。
2ロール式マンドレルミルを用いた場合、1つのスタンドにおいて対向する圧延ロールの間隔を狭め、それと隣接するスタンドにおいて対向する圧延ロールの間隔を広げた場合、2次偏肉が生じる傾向にあり、両スタンドにおける圧延ロールの間隔をともに狭めるか広げた場合には、4次偏肉が生じる傾向にある。なお、2つの圧延ロールは対向しているため、軸方向のずれが生じないよう調整することは容易である。
上記の傾向から、2ロール式マンドレルミルの場合、圧延後の管の2次偏肉または4次偏肉の発生状況を調査し、その結果に基づいてフィードバック制御することによって、適切な圧下位置を導き、偏肉のない管を製造することが可能になる。
一方、3ロール式マンドレルミルの場合、圧延ロールの数が増えることから各ロールの位置関係の自由度が増し、圧下位置の制御が困難になる。また、各ロールの圧下位置の変化に伴い、3次偏肉または6次偏肉だけでなく、2次偏肉または4次偏肉等も生じる可能性があり、適切な圧下位置からのずれと偏肉状態との対応関係はより複雑になる。
管の肉厚は、使用するマンドレルバーの外径、マンドレルミルのロール孔型径およびマンドレルバーとマンドレルとの間隔によって決定される。偏肉が発生する度にマンドレルバーおよびマンドレルミルの変更を行うことは生産性の観点から現実的でない。そのため、マンドレルミルの各圧延ロールの圧下位置を適切な配置に調整し、マンドレルバーとマンドレルミルとの間隔を変更することによって、偏肉を解消する必要がある。
例えば、特許文献1には、各圧延ロールの溝底部から両フランジ部側にずれた部分に相当する位置である12箇所の被圧延材の肉厚を測定し、当該測定値に基づいて各圧延ロールの圧下位置を調整する圧延ロールの圧下位置調整方法が開示されている。
特開2005−131706号公報
船生豊、奥村精、松岡逸雄、村上昭一、シームレス鋼管用熱間肉厚計の開発、川崎製鉄技報、1982年、第14巻、第2号、p.156−164
図5は、継目無管の圧延装置の一例を概略的に示した図である。圧延装置は、3つの圧延ロール12aを有するスタンドが、管の進行方向に複数並んで配設された3ロール式マンドレルミル12とマンドレルバー11とを備える。また、隣り合うスタンド同士で、圧延ロール12aの圧下方向がそれぞれ略60°ずれる構成となっている。
そして、図6は、マンドレルバー11の軸方向に垂直な方向における、マンドレルバー11および3つの圧延ロール12aの断面を示した図である。図6に模式的に示しているように、各圧延ロールの圧下位置が適切な配置からずれることによって、偏肉が生じる。
したがって、偏肉の状況、すなわち、加工後の管の肉厚分布を把握することによって、圧延ロールのロール軸方向およびロール圧下方向におけるずれを求めることが可能になる。そのため、肉厚分布を把握するため、γ線を利用した肉厚測定器を用いて周方向の全周にわたって複数個所を測定する方法が用いられている(非特許文献1を参照。)。
しかしながら、上記のγ線肉厚測定器を用いる場合、管の全周にわたる肉厚を連続的に測定することはできず、少ない数の離散的なデータしか得ることができない。また、放射線を用いるため、安全性の面からも課題が残されている。
そこで、本発明者は、安全でかつほぼ連続的に肉厚データを取得することが可能なスウィング式超音波肉厚計を用いることによって、肉厚分布を把握し、偏肉状況を検知する方法について検討を行った。その結果、本発明者は以下に示す新たな課題に直面するに至った。
図7は、管の軸方向から見た場合の、スウィング式超音波肉厚計によって管の肉厚を測定する様子を模式的に示した図である。図7に示すように、スウィング式超音波肉厚計が有するスウィングアーム14が管20の外側を回転しながら管軸中心方向に超音波を入射し、反射波を検出することによって肉厚を測定する。
この際、管20が止まっていれば管20の軸方向に垂直な一断面の周方向における肉厚をほぼ連続的に測定することが可能である。そして、一断面における肉厚の測定値に対してフーリエ解析を行うことによって、偏肉状況を把握することができる。しかしながら、実際には搬送されている状態の管20の肉厚を測定する必要がある。そのため、圧延装置の出口付近に設置したスウィング式超音波肉厚計を用いて、軸方向に移動する管20の肉厚を測定する場合、スウィングアーム14が回転する間に管20は前方へと移動することとなる。すなわち、図8に示すように、肉厚の測定箇所は管20の軸方向に垂直な一断面上とはならず、管20の長手方向に螺旋状に変化する結果となる。
ところで、継目無管を製造するに際しては、上述の図2に示しているように、例えばビレットをコーン型ロール15およびプラグ16を備えた穿孔機によって穿孔圧延することによって中空素管10とする。この時に、ビレットを回転させながら穿孔圧延するため、管の長手方向のねじれを伴う偏芯偏肉が生じる場合がある。すなわち、図9に模式的に示すように、偏芯偏肉による管の肉厚が長手方向において変動する。
そのため、例えば、図10に示すような状況での測定が行われた場合、得られた肉厚分布を解析したとしても、管20の長手方向に変化しない二次偏肉(図10a)の成分と、長手方向にねじれを伴う偏芯偏肉(図10b)の成分とを区別できないという問題がある。すなわち、測定対象となる管20が二次偏肉を有する場合であっても、ねじれを伴う偏芯偏肉を有する場合であっても、スウィングアーム14が管20の外側を180°回転する間に、厚肉部、薄肉部、厚肉部が順に観察されることになる。
本発明は、上記課題を解決し、スウィング式超音波肉厚計を用いて軸方向に移動する管の肉厚を測定する場合であっても、ねじれを伴う偏芯偏肉の影響を受けずに、管の偏肉状況を的確に把握することが可能な管の偏肉検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、下記の管の偏肉検出方法を要旨とする。
(1)スウィングアームユニットを有し、該スウィングアームユニットが軸方向に移動する管の外側を周方向に往復運動しながら管の肉厚を測定するスウィング式超音波肉厚計を用いて、ねじれを伴う偏芯偏肉成分が影響しないように管の偏肉を検出する方法であって、
管の軸方向に略垂直な一断面の周方向における肉厚の変化に関する情報、または、ねじれを伴う偏芯偏肉成分を除去できるような管の所定長さの範囲の周方向における肉厚の変化に関する情報に基づいて、管の偏肉を検出する、管の偏肉検出方法。
(2)前記スウィング式超音波肉厚計が、前記管の移動方向に従って移動しながら管の軸方向に略垂直な前記一断面の全周にわたる肉厚を所定間隔で測定し、得られた前記肉厚に基づいて管の偏肉を検出する、上記(1)に記載の管の偏肉検出方法。
(3)前記スウィングアームユニットが、前記管の外側を周方向にn回(但し、nは1以上の自然数)往復運動しながら、周方向において所定間隔で設定された複数の測定位置における肉厚を全周にわたって測定し、
n回往復運動することによって得られた周方向の各測定位置の肉厚に基づいて、各測定位置での平均肉厚を求め、
得られた前記平均肉厚に基づいて管の偏肉を検出する、上記(1)に記載の管の偏肉検出方法。
(4)前記スウィングアームユニットが、g個(但し、gは2以上の自然数)のスウィングアームを含み、各スウィングアームが前記管の周方向に等間隔に配置され、かつ、各スウィングアームが360°/gの範囲を往復運動する、上記(3)に記載の管の偏肉検出方法。
(5)前記スウィングアームユニットが、前記管の外側を周方向にm回(但し、mは1以上の自然数)往復運動しながら、周方向において所定間隔で設定された複数の測定位置における肉厚を全周にわたって測定し、
前記スウィングアームユニットが、h個(但し、hは3以上の自然数)のスウィングアームを含み、各スウィングアームが前記管の周方向に等間隔に配置され、
前記h個のスウィングアームが、それぞれ所定時間ごとに肉厚を測定し、
各測定時におけるh箇所の測定位置での肉厚から、該h箇所の測定位置に対応する前記管の内周面上の位置をそれぞれ求め、
各測定時において、前記h箇所の内周面上の位置を通る円の中心位置を求め、
管の軸中心を原点とし、軸方向に垂直な仮想的な座標平面において、原点から前記中心位置までの距離および位相とからなる複素数を、測定時間または管の軸方向の位置の関数とした複素関数について複素フーリエ変換解析を行い、ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を除去した後、逆変換して、各測定時または管の軸方向の各位置における各測定位置での補正肉厚を求め、
得られた前記補正肉厚に基づいて管の偏肉を検出する、上記(1)に記載の管の偏肉検出方法。
(6)前記中心位置を測定時間の関数とした複素関数を、A(t)exp(iθ(t))として表し、前記ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を、A(t)exp(iωt)として表す、上記(5)に記載の管の偏肉検出方法。
但し、A(t)は測定時tにおける原点から中心位置までの距離、θ(t)は測定時tにおける中心位置の位相、iは虚数、ωは偏芯偏肉成分のねじれの角速度を意味する。
(7)前記中心位置を管の軸方向における位置の関数とした複素関数を、A(x)exp(iθ(x))として表し、前記ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を、A(x)exp(iωx)として表す、上記(5)に記載の管の偏肉検出方法。
但し、A(x)は管の軸方向における位置xにおける原点から中心位置までの距離、θ(x)は管の軸方向における位置xにおける中心位置の位相、iは虚数、ωは偏芯偏肉成分のねじれの角速度を意味する。
(8)前記スウィングアームユニットに含まれる各スウィングアームが360°/hの範囲を往復運動する、上記(5)から(7)までのいずれかに記載の管の偏肉検出方法。
本発明によれば、スウィング式超音波肉厚計を用いて軸方向に移動する管の肉厚を測定する場合であっても、ねじれを伴う偏芯偏肉の影響を受けずに、管の偏肉状況を的確に把握することが可能となる。
継目無管の製造工程の一例を示した図である。 穿孔機の一例を概略的に示した図である。 種々の偏肉の形状を説明するための図である。 管軸方向に見たマンドレルバーおよびマンドレルミルを示した図である。 圧延装置の一例を概略的に示した図である。 マンドレルバーおよび圧延ロールの断面を示した図である。 管の軸方向から見た場合の、スウィング式超音波肉厚計によって管の肉厚を測定する様子を模式的に示した図である。 スウィング式超音波肉厚計による管の肉厚の測定箇所を説明するための図である。 偏芯偏肉による管の肉厚が長手方向において変動する様子を模式的に示した図である。 管の長手方向に変化しない二次偏肉(a)の成分と、長手方向にねじれを伴う偏芯偏肉(b)の成分とが区別できないことを説明するための図である。 本発明の一実施形態における、スウィングアームの動作を説明するための図である。 管の長手方向に変化しない三次偏肉(a)の成分と、長手方向にねじれを伴う偏芯偏肉(b)の成分とが区別できないことを説明するための図である。 管の長手方向に変化しない二次偏肉(a)の成分と、長手方向にねじれを伴う偏芯偏肉(b)の成分とが区別できないことを説明するための図である。 本発明の他の実施形態における、スウィングアームの動作を説明するための図である。 管のみかけの偏芯偏肉を求める方法を説明するための図である。
本発明に係る管の偏肉検出方法においては、スウィング式超音波肉厚計を用いて管の偏肉を検出する。スウィング式超音波肉厚計は、1つ以上のスウィングアーム14を含むスウィングアームユニットを有し、該スウィングアームユニットが軸方向に移動する管20の外側を周方向に往復運動しながら管の肉厚を測定するものである。
この際、ねじれを伴う偏芯偏肉成分が影響しないように管の偏肉を検出する必要がある。本発明においては、上記の目的を達成するために、スウィング式超音波肉厚計を用いて管の周方向における肉厚の変化に関する情報を取得するに際して、下記の(A)または(B)のいずれかの機構を採用する。
(A)管の軸方向に略垂直な一断面の周方向における肉厚の変化に関する情報に基づいて、管の偏肉を検出する。
(B)ねじれを伴う偏芯偏肉成分を除去できるような管の所定長さの範囲の周方向における肉厚の変化に関する情報に基づいて、管の偏肉を検出する。
各機構について、以下により具体的に説明する。
1.上記(A)の機構について
前述のように、圧延装置の出口付近に設置したスウィング式超音波肉厚計を用いて、軸方向に移動する管の肉厚を測定する場合、スウィングアームユニットが回転する間に管は前方へと移動することとなる。そのため、肉厚の測定箇所は管の軸方向に垂直な一断面上とはならず、管の長手方向に螺旋状に変化する結果となる。
しかしながら、管が移動していたとしてもスウィング式超音波肉厚計と管との相対速度がゼロであれば、その状態でスウィング式超音波肉厚計が有するスウィングアームユニットが管の外側を回転しながら肉厚を測定することによって、管の軸方向に略垂直な前記一断面の全周にわたる肉厚を測定することが可能になる。
上記(A)の機構を実現するための具体的な実施形態として、図11に示すように、スウィング式超音波肉厚計が、前記管の移動方向に従って移動しながら管の軸方向に略垂直な一断面の全周にわたる肉厚を測定する方法を採用することができる。すなわち、本実施形態においては、スウィング式超音波肉厚計を、管の移動速度と同じ速度で移動させる必要がある。なお、本実施形態においては、スウィングアームユニットが1つのスウィングアーム14からなる例を用いているが、複数個のスウィングアーム14を有していても良い。
図11aに示すように、スウィング式超音波肉厚計の移動に伴い、スウィングアーム14は、X地点からY地点まで移動しながら、管の外側を回転しながらwでの肉厚を測定する。wでの肉厚測定が終了した後、図11bに示すように、再びX地点まで戻り、次にwでの肉厚の測定を開始する。したがって、本実施形態においては、wおよびwのように、所定間隔毎に管の軸方向に略垂直な前記一断面の全周にわたる肉厚を測定する。そして、得られた前記肉厚に基づいて管の偏肉を検出する。
2.上記(B)の機構について
上記(B)の機構では、スウィング式超音波肉厚計を移動させずに管の偏肉を検出する。すなわち、管の軸方向に垂直な一断面上での肉厚変化に関する情報を得ることはできず、管の所定長さの範囲の周方向における肉厚の変化に関する情報が得られることとなる。
前述のように、図10に示すような状況での測定が行われた場合、得られた肉厚分布を解析したとしても、管20の長手方向に変化しない二次偏肉(図10a)の成分と、長手方向にねじれを伴う偏芯偏肉(図10b)の成分とを区別できない。
上記の問題は、図12および13に示すように、複数個のスウィングアーム14を含むスウィングアームユニットを備えるスウィング式超音波肉厚計を用いて肉厚を測定した場合においても生じる。図12に示すように、スウィングアーム14を2つ用いて測定したとしても、管20の長手方向に変化しない三次偏肉(図12a)の成分と、長手方向にねじれを伴う偏芯偏肉(図12b)の成分とを区別できない場合がある。また、図13に示すように、スウィングアーム14を3つ用いて測定したとしても、管20の長手方向に変化しない二次偏肉(図13a)の成分と、長手方向にねじれを伴う偏芯偏肉(図13b)の成分とを区別できない場合がある。
このように、スウィングアームユニットが一方向のみに回転する方式では、スウィング式超音波肉厚計の測定結果から偏芯偏肉成分を除去できない。そのため、ねじれを伴う偏芯偏肉成分を除去できるような肉厚の変化に関する情報を得るため、上記(B)の機構においては、図14に示すように、スウィングアームユニットは、管の外側を周方向に往復運動する。
そして、スウィングアームユニットは、往復運動しながら周方向において所定間隔で設定された複数の測定位置における肉厚を全周にわたって測定する。すなわち、例えば、周方向にα°ずつ肉厚測定してβ往復する場合、(360/α)箇所の測定位置が存在し、各測定位置において、2β回の測定を行うこととなる。
当該肉厚測定結果からねじれを伴う偏芯偏肉成分を除去する方法として、具体的に以下に示す(B1)および(B2)の機構が考えられる。
2−1.上記(B1)の機構について
上述のようにn回往復運動しながら肉厚を全周にわたって測定すると、周方向の同一位相(所定の測定位置)における肉厚を2n回測定することとなる。この時、管の長手方向に変化しない偏肉成分は、同一位相において一定となるが、ねじれを伴う偏芯偏肉成分は、同一位相であっても長手方向に増減を繰り返す。そのため、測定回数が十分に多い場合には、同一位相で複数回測定された肉厚の測定値を平均化すれば、ねじれを伴う偏芯偏肉成分は、統計学における大数の法則により0に近づく。
したがって、本実施形態においては、n回往復運動することによって得られた各測定位置の肉厚に基づいて、各測定位置での平均肉厚を求める。そして、得られた各測定位置での平均肉厚に基づいて管の偏肉を検出する。ここで、ねじれを伴う偏芯偏肉成分が0に十分近づくためには、nは1以上の自然数とすることが好ましく、3以上の自然数とすることがより好ましい。
なお、図14に示す例においては、スウィングアームユニットは1つのスウィングアームからなるが、複数個のスウィングアームを有していても良い。例えば、スウィングアームユニットが、g個(但し、gは2以上の自然数)のスウィングアームを含み、各スウィングアームが管の周方向に等間隔に配置される構成とすることができる。その場合、各スウィングアームが360°/gの範囲を往復運動すれば、管の肉厚を全周にわたって測定することが可能である。
2−2.上記(B2)の機構について
(B2)の機構においては、スウィングアームユニットは、h個(但し、hは3以上の自然数)のスウィングアームを含み、各スウィングアームを管の周方向に等間隔に配置する。その場合、各スウィングアームが360°/hの範囲を往復運動すれば、管の肉厚を全周にわたって測定することが可能である。上記の構成にすることによって、所定時間ごとに、管の軸方向に略垂直な一断面において3箇所以上の肉厚を測定することが可能となる。
そして、一断面において3箇所以上の肉厚が求まれば、図15に示すように、管20のみかけの偏芯偏肉を求めることが可能である。管20のみかけの偏芯偏肉の具体的な求め方について、図15を参照しながら詳しく説明する。なお、図15に示す例では、測定位置が3箇所であるが、これに限定されるものではなく、3箇所以上であれば良い。
まず、各測定時における3箇所の測定位置での肉厚t,t,tから、3箇所の測定位置に対応する管20の内周面上の位置p,p,pをそれぞれ求める。そして、内周面上の位置p,p,pを通る円の中心位置Pを求める。
次に、管の軸中心を原点Oとし、軸方向に垂直な仮想的な座標平面において、原点Oから中心位置Pまでの距離Aおよび位相θとからなる複素数を測定時間tまたは管の軸方向の位置xの関数とした複素関数として表す。例えば、A(t)exp(iθ(t))またはA(x)exp(iθ(x))として表すことができる。ただし、iは虚数である。
その後、当該複素関数について複素フーリエ変換解析を行い、ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を除去する。ねじれを伴う偏芯偏肉は、偏肉量は一定で、位相が一定角速度ωで回転する。そのため、例えば、ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を、A(t)exp(iωt)またはA(x)exp(iωx)として表すことができる。
そして、ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を除去した後、逆変換して、各測定時または管の軸方向の各位置における各測定位置での補正肉厚を求め、得られた補正肉厚に基づいて管の偏肉を検出する。
なお、本実施形態においては、スウィングアームユニットが、管の外側を周方向にm回往復運動しながら、肉厚を全周にわたって測定するが、測定精度向上の観点から、mは1以上の自然数とすることが好ましく、3以上の自然数とすることがより好ましい。
3.偏肉の検出方法について
ねじれを伴う偏芯偏肉成分が除去された管の肉厚分布から、偏肉を検出する方法については、特に制限はない。例えば、得られた肉厚分布から、フーリエ解析を用いることによって、周方向に周期的に厚肉部が生じる正弦波の量およびその方向を算出することができる。滑らかに連続しているあらゆる関数は、正弦波の重ね合わせで表現でき、フーリエ解析によって、各正弦波の振幅および位相が得られることが知られている。
管断面の肉厚分布のフーリエ解析にこれを当てはめると、正弦波の位相は、各偏肉の厚肉部と解釈できる。フーリエ解析によって得られた各正弦波の振幅および位相が、それぞれ正弦波の量およびその方向となる。肉厚分布から正弦波の量およびその方向を算出する方法については、特に制限は設けないが、例えば、以下に示す方法を用いることが可能である。
管の軸方向に略垂直な一断面における肉厚の測定数をNとし、j番目の測定箇所における肉厚測定値をWT(j)とすると、前記垂直断面を一周する間に肉厚が周期的にk回変動するk次偏肉の複素フーリエ成分の実部R(k)および虚部I(k)は、それぞれ、下記(i)式および(ii)式で表される。
Figure 0006651960
Figure 0006651960
そして、k次偏肉の正弦波の量(両振幅)G(k)および正弦波の方向arg(k)は、それぞれ、下記(iii)式および(iv)式で表される。
Figure 0006651960
Figure 0006651960
なお、上述のように、Nは管の軸方向に略垂直な一断面における肉厚の測定数であり、上記の計算式では、測定間隔が一定の例を示しているが、特に一定でない場合であっても、フーリエ変換式を用いて同様に計算すればよい。
本発明によれば、スウィング式超音波肉厚計を用いて軸方向に移動する管の肉厚を測定する場合であっても、ねじれを伴う偏芯偏肉の影響を受けずに、管の偏肉状況を的確に把握することが可能となる。
10.中空素管
11.マンドレルバー
12.マンドレルミル
12a.圧延ロール
13.サイザ
14.スウィングアーム
15.コーン型ロール
16.プラグ
20.管

Claims (7)

  1. スウィングアームユニットを有し、該スウィングアームユニットが軸方向に移動する管の外側を周方向に往復運動しながら管の肉厚を測定するスウィング式超音波肉厚計を用いて、ねじれを伴う偏芯偏肉成分が影響しないように管の偏肉を検出する方法であって、
    前記スウィング式超音波肉厚計が、前記管の移動方向に従って移動しながら管の軸方向に略垂直な一断面の全周にわたる肉厚を所定間隔で測定し、得られた前記肉厚に基づいて管の偏肉を検出する、管の偏肉検出方法。
  2. スウィングアームユニットを有し、該スウィングアームユニットが軸方向に移動する管の外側を周方向に往復運動しながら管の肉厚を測定するスウィング式超音波肉厚計を用いて、ねじれを伴う偏芯偏肉成分が影響しないように管の偏肉を検出する方法であって、
    前記スウィングアームユニットが、前記管の外側を周方向にn回(但し、nは1以上の自然数)往復運動しながら、周方向において所定間隔で設定された複数の測定位置における肉厚を全周にわたって測定し、
    n回往復運動することによって得られた周方向の各測定位置の肉厚に基づいて、各測定位置での平均肉厚を求め、
    得られた前記平均肉厚に基づいて管の偏肉を検出する、管の偏肉検出方法。
  3. 前記スウィングアームユニットが、g個(但し、gは2以上の自然数)のスウィングアームを含み、各スウィングアームが前記管の周方向に等間隔に配置され、かつ、各スウィングアームが360°/gの範囲を往復運動する、請求項に記載の管の偏肉検出方法。
  4. スウィングアームユニットを有し、該スウィングアームユニットが軸方向に移動する管の外側を周方向に往復運動しながら管の肉厚を測定するスウィング式超音波肉厚計を用いて、ねじれを伴う偏芯偏肉成分が影響しないように管の偏肉を検出する方法であって、
    前記スウィングアームユニットが、前記管の外側を周方向にm回(但し、mは1以上の自然数)往復運動しながら、周方向において所定間隔で設定された複数の測定位置における肉厚を全周にわたって測定し、
    前記スウィングアームユニットが、h個(但し、hは3以上の自然数)のスウィングアームを含み、各スウィングアームが前記管の周方向に等間隔に配置され、
    前記h個のスウィングアームが、それぞれ所定時間ごとに肉厚を測定し、
    各測定時におけるh箇所の測定位置での肉厚から、該h箇所の測定位置に対応する前記管の内周面上の位置をそれぞれ求め、
    各測定時において、前記h箇所の内周面上の位置を通る円の中心位置を求め、
    管の軸中心を原点とし、軸方向に垂直な仮想的な座標平面において、原点から前記中心位置までの距離および位相とからなる複素数を、測定時間または管の軸方向の位置の関数とした複素関数について複素フーリエ変換解析を行い、ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を除去した後、逆変換して、各測定時または管の軸方向の各位置における各測定位置での補正肉厚を求め、
    得られた前記補正肉厚に基づいて管の偏肉を検出する、管の偏肉検出方法。
  5. 前記中心位置を測定時間の関数とした複素関数を、A(t)exp(iθ(t))として表し、前記ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を、A(t)exp(iωt)として表す、請求項に記載の管の偏肉検出方法。
    但し、A(t)は測定時tにおける原点から中心位置までの距離、θ(t)は測定時tにおける中心位置の位相、iは虚数、ωは偏芯偏肉成分のねじれの角速度を意味する。
  6. 前記中心位置を管の軸方向における位置の関数とした複素関数を、A(x)exp(iθ(x))として表し、前記ねじれを伴う偏芯偏肉成分である複素フーリエ成分を、A(x)exp(iωx)として表す、請求項に記載の管の偏肉検出方法。
    但し、A(x)は管の軸方向における位置xにおける原点から中心位置までの距離、θ(x)は管の軸方向における位置xにおける中心位置の位相、iは虚数、ωは偏芯偏肉成分のねじれの角速度を意味する。
  7. 前記スウィングアームユニットに含まれる各スウィングアームが360°/hの範囲を往復運動する、請求項から請求項までのいずれかに記載の管の偏肉検出方法。
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