以下で説明する実施形態及び変形例に係る照明システム1、1Aは、照明機器10を制御する照明制御装置30、30Aと、照明制御装置30、30Aにおける照明機器10への操作に基づく操作情報を保存する外部サーバ(実施形態及び変形例においては「クラウドサーバ70、70A」)とを具備する。
また、以下で説明する実施形態及び変形例に係る照明システム1、1Aにおいて、外部サーバは、操作情報として、段階的な照明機器10の状態の制御において操作される操作部への操作に関する情報を保存する。
また、以下で説明する実施形態及び変形例に係る照明システム1、1Aにおいて、照明制御装置30、30Aは、外部サーバから取得した操作情報に基づいて照明機器10への操作を再現する。
また、以下で説明する変形例に係る照明システム1Aにおいて、照明制御装置30Aは、操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザの操作を受け付ける。外部サーバは、認証後のユーザ毎に操作情報を保存する。
また、以下で説明する変形例に係る照明システム1Aにおいて、外部サーバは、認証後のユーザに操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する学習する。照明制御装置30Aは、外部サーバから認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する。
[実施形態]
まず、本発明の実施形態に係る照明システム1を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、実施形態に係る照明システムを示す図である。具体的には、図1では、照明システム1において、照明制御装置30において所定の操作者OP1が行った操作に関する操作情報を収集し、外部サーバであるクラウドサーバ70に保存する例を示す。また、図2は、照明システム1において、クラウドサーバ70から操作履歴情報(以下、「履歴情報」とする)を取得した照明制御装置30において、履歴情報に基づく調光を再現する例を示す。
[照明システムの構成]
照明システム1は、第1照明機器10Aと、第2照明機器10Bと、ノード20と、照明制御装置30と、調光盤40と、監視装置50と、端末装置60と、クラウドサーバ70とを具備する。以下では、第1照明機器10Aと第2照明機器10Bについて、特に区別なく説明する場合には、照明機器10と記載する。
また、図1に示す照明システム1において、ノード20と、照明制御装置30と、調光盤40と、監視装置50とは、例えばイーサネット(登録商標)等による所定のネットワークNT1により通信可能に接続されるものとする。なお、ネットワークNT1は、照明システム1の導入先となるスタジオや劇場等の施設で使用されるLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)であってもよいし、インターネットであってもよい。
第1照明機器10Aは、例えばLED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子を光源とする照明機器10である。例えば、第1照明機器10Aは、バトン(図示省略)等により所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。また、例えば、第1照明機器10Aは、照明制御装置30からノード20を経由して送信される制御情報に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。また、第1照明機器10Aは、所定の通信プロトコル、例えばDMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM(Remote Device Management)規格に沿った通信方式LN1により、ノード20と双方向通信が可能である。
第2照明機器10Bは、例えばハロゲンランプ等を光源とする照明機器10である。例えば、第2照明機器10Bは、バトン等により所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。
ノード20は、例えばDMXノードやRDMノードと称され、第1照明機器10Aを接続する装置である。すなわち、ノード20は、所定の通信プロトコル、例えばDMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、第1照明機器10Aと双方向通信が可能である。また、ノード20は、照明制御装置30と双方向通信が可能である。また、ノード20は、DMX規格やRDM規格等に従って、照明制御装置30から送信される制御情報を第1照明機器10Aに送信する。
照明制御装置30は、各照明機器10に対して制御を行う操作者による操作を受付ける。例えば、照明制御装置30は、調光卓と称される装置である。照明制御装置30は、操作者による操作等に応じて、各照明機器10の調光等を制御する情報(信号)をノード20や調光盤40に送信する。
調光盤40は、所定の送電ケーブルLN2により第2照明機器10Bに電力を供給する。また、調光盤40は、位相制御式の調光制御方式により第2照明機器10Bの調光を制御する。例えば、調光盤40は、照明制御装置30から制御内容を示す制御信号(又は、制御情報)を受信すると、制御信号(又は制御情報)に応じて、第2照明機器10Bに供給する電源電圧を変動させることにより、第2照明機器10Bの調光を制御する。例えば、調光盤40は、照明制御装置30から制御信報を受信すると、第2照明機器10Bの調光レベルに応じて、各第2照明機器10Bに印加する電圧を、例えば0V〜100Vで調整して出力する。また、例えば、調光盤40には各第2照明機器10B用の位相制御式の調光器が設けられており、照明制御装置30からの制御信号に応じた各調光器の制御により、各調光器に対応した第2照明機器10Bが一括して調光制御されてもよい。
監視装置50は、照明システム1の導入先に設けられ、ノード20や照明制御装置30や調光盤40等の動作を監視する装置である。例えば、監視装置50は、ノード20や照明制御装置30や調光盤40の動作を監視してもよい。また、照明システム1の導入先における管理者等は、監視装置50と所定のネットワークNT2により通信可能な端末装置60により、照明システム1の動作状況を確認してもよい。なお、ネットワークNT1とネットワークNT2とは共通のネットワークであってもよい。
クラウドサーバ70は、照明システム1の導入先から遠隔にあるサービス提供者側の所定の地点に設けられる装置である。具体的には、クラウドサーバ70は、照明制御装置30における照明機器10への操作に基づく操作情報を保存する外部サーバである。また、クラウドサーバ70は、監視装置50と所定のネットワークNT3により双方向通信が可能である。例えば、ネットワークNT3は、専用通信回線や仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network)であってもよいし、インターネットであってもよい。また、クラウドサーバ70は、監視装置50が収集した情報を取得し保有する。クラウドサーバ70は、管理端末80A、及びタブレット端末やスマートフォン等の携帯端末80Bと所定のネットワークNT4により通信可能である。また、サービス提供者側の管理者A1は、管理端末80Aや携帯端末80B等により、クラウドサーバ70に収集された情報を確認し管理する。
[照明システムにおける処理例]
まず、図1を用いて照明システム1における照明機器10の接続関係について説明する。図1に示すように、第1照明機器10Aは、電力供給のために用いるプラグPG11をコンセント装置JC11の電力供給用のジャックPS11に接続する(ステップS11)。これにより、第1照明機器10Aには、例えば商用電源CPから電力が供給される。なお、第1照明機器10Aには、調光盤40等から電力が供給されてもよい。また、第1照明機器10Aは、情報の送受信のために用いるプラグPG12をコンセント装置JC11の情報送受信用のジャックJC11−1に接続する(ステップS12)。これにより、第1照明機器10Aには、ノード20を介して照明制御装置30との情報の送受信が可能となる。
また、第2照明機器10Bは、プラグPG21をコンセントCN20−1のジャックJC21に接続する(ステップS13)。これにより、第2照明機器10Bには、調光盤40からの電源電圧が供給される。また、コンセントCN20−1は、ネットワークNT1により照明制御装置30と情報の送受信が可能であってもよい。例えば、コンセントCN20−1には、NFCタグの情報を読み出し可能なNFCリーダライタが設けられてもよい。この場合、コンセントCN20−1のNFCリーダライタは、プラグPG21に設けられたNFCタグの情報を読み出して照明制御装置30へ送信してもよい。なお、図1に示すステップS11〜S13は、説明のための順序であり、例えば、ステップS13における第2照明機器10Bの接続は、ステップS11及びS12における第1照明機器10Aの接続よりも前に行われてもよい。
また、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34(図3参照)への操作に応じて、ノード20を経由して制御情報を第1照明機器10Aへ送信する(ステップS14)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34のフェーダ34−1(図3参照)への操作に応じた制御情報を第1照明機器10Aへ送信する。ノード20を経由して照明制御装置30から制御情報を受信した第1照明機器10Aは、制御情報に従って、調光を制御する(ステップS15)。具体的には、第1照明機器10Aは、制御情報に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させる。
また、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34への操作に応じて、調光盤40へ第2照明機器10Bを制御するための制御信号を送信する(ステップS16)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34のフェーダ34−2(図3参照)への操作に応じた制御信号を調光盤40へ送信する。照明制御装置30から制御信号を受信した調光盤40は、対応する第2照明機器10Bへ電圧信号を送る(ステップS17)。また、第2照明機器10Bは、調光盤40からの電圧信号により、調光を制御する(ステップS18)。なお、図1に示すステップS14〜S17は、説明のための順序であり、例えば、ステップS16における制御信号の送信は、ステップS14における制御情報の送信よりも前に行われてもよい。
また、照明制御装置30は、ステップS14〜S18において照明機器10に行った調光制御に関する操作情報をクラウドサーバ70へ送信する(ステップS19)。例えば、照明制御装置30は、操作部34における操作に関するアナログのレベル値等の情報をクラウドサーバ70へ送信する。なお、上記例においては説明のために、ステップS19において、照明制御装置30がクラウドサーバ70へ操作情報を送信する場合を示すが、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34への操作が行わる度に、随時クラウドサーバ70へ操作情報を送信してもよい。また、照明制御装置30は、第1照明機器10Aや第2照明機器10B(コンセントCN20−1)等から制御結果に関する情報を受信し、その情報も操作情報としてクラウドサーバ70へ送信してもよい。
ここで、操作情報の内容としては、操作対象となったフェーダやサブマスタ(SM)等のレベル値、制御対象となる照明機器のDMXアドレス、照明機器に設定された照度や色彩等、操作対象又は制御対象と関連する任意の情報が操作情報としてクラウドサーバ70へ送信される。また、操作情報には、例えば、シーン、キュー(CUE)、サブマスタ(SM)等、複数の照明装置を同時に制御するための情報が含まれていてもよい。例えば、照明制御装置30は、操作者OP01によって所定のシーンを再現するボタンが押下された場合は、かかるボタンを識別する情報、制御対象となる照明機器のDMXアドレス、各照明機器に対して設定される照明の照度や色彩等を対応付けた調光情報を操作情報としてクラウドサーバ70へ送信してもよい。また、照明制御装置30は、操作者OP01によってサブマスタフェーダが操作された場合は、サブマスタフェーダのレベル、制御対象となる照明機器のDMXアドレス、各照明機器に対して設定される照明の照度や色彩等を対応付けた調光情報を操作情報としてクラウドサーバ70へ送信してもよい。すなわち、照明制御装置30は、シーンやキュー(CUE)やサブマスタ(SM)等を操作した際に複数の照明機器を制御するための調光情報と、フェーダ等の操作対象を示す情報とともにクラウドサーバ70へ送信してもよい。
照明制御装置30から操作情報を受信したクラウドサーバ70は、受信した操作情報を保存する(ステップS20)。これにより、照明システム1は、クラウドサーバ70に保存された操作情報を操作履歴情報(履歴情報)として読み出し可能となる。
次に、図2を用いて照明システム1における履歴情報に基づく調光の再現について説明する。図2に示すように、照明制御装置30において、操作者OP1は、クラウドサーバ70に履歴情報を要求する(ステップS21)。図2の例では、操作者OP1は、クラウドサーバ70にステップS19において送信した操作情報(履歴情報)を要求するものとして、以下説明する。
照明制御装置30から履歴情報の要求を受け付けたクラウドサーバ70は、要求に対応する履歴情報を抽出する(ステップS22)。例えば、クラウドサーバ70は、ステップS20で保存した履歴情報を、照明制御装置30からの要求に対応する履歴情報として抽出する。その後、クラウドサーバ70は、ステップS22において抽出した履歴情報を照明制御装置30へ送信する(ステップS23)。
クラウドサーバ70から送信された履歴情報を照明制御装置30が受信した後、操作者OP1は、照明制御装置30において操作を再現する(ステップS24)。なお、ここでいう、操作の再現とは、受信した履歴情報を参照しつつ操作者OP1が操作部34を操作することにより行われてもよいし、受信した履歴情報に基づいて照明制御装置30が自動で行ってもよい。例えば、照明制御装置30は、図1中のステップS14〜S18において照明機器10に行った調光制御を再現することができる。
図2の例で、照明制御装置30は、履歴情報に基づいて、ノード20を経由して制御情報を第1照明機器10Aへ送信する(ステップS25)。例えば、照明制御装置30は、図1中のステップS14における制御情報と同様の制御情報を第1照明機器10Aへ送信する。ノード20を経由して照明制御装置30から制御情報を受信した第1照明機器10Aは、制御情報に従って、調光を制御する(ステップS26)。例えば、第1照明機器10Aは、図1中のステップS15において行った調光制御と同様の調光制御を行うことにより、明るさ、範囲、色彩等を変化させる。
また、照明制御装置30は、履歴情報に基づいて、調光盤40へ第2照明機器10Bを制御するための制御信号を送信する(ステップS27)。例えば、照明制御装置30は、図1中のステップS16における制御信号と同様の制御信号を調光盤40へ送信する。照明制御装置30から制御信号を受信した調光盤40は、対応する第2照明機器10Bへ電圧信号を送る(ステップS28)。また、第2照明機器10Bは、調光盤40からの電圧信号により、調光を制御する(ステップS29)。例えば、第2照明機器10Bは、図1中のステップS18において行った調光制御と同様の調光制御を行うことにより、明るさ、範囲、色彩等を変化させる。
このように、照明制御装置30は、照明機器10に行った調光制御に関する操作情報をクラウドサーバ70に保存し、保存した履歴情報をクラウドサーバ70から取得することにより、過去に行った調光制御を再現することができる。照明システム1は、操作者OP1の操作情報を保存することにより、照明システム1において不具合等が発生した場合に、保存した操作情報を用いることにより、故障解析が容易になる。このように、照明システム1は、照明制御装置30における操作情報を適切に管理することができる。
例えば、舞台やスタジオでの照明制御においては、複数の操作者OP01が同一の照明制御を行おうとしても、各操作者OP01の熟練度によりそれぞれ異なる雰囲気になりうる。また、操作者OP01によっては、舞台やスタジオの状態に応じて、シーンやキューとして設定された照明態様をその場で、すなわちアドリブで編集する場合も考えられる。このため、シーン、キュー、もしくはマスタフェーダの設定のみでは、照明態様を正確に再現することが困難となる。そこで、情報制御装置30は、照明機器の制御内容と共に操作部34の操作内容を履歴情報としてクラウドサーバ70に保持させ、クラウドサーバ70が保持した履歴情報を用いて照明機器の制御を行うことで、照明態様の正確な再現を実現することができる。
[照明制御装置の構成例]
次に、図3を用いて、実施形態に係る照明制御装置30の構成について説明する。図3は、実施形態に係る照明制御装置の構成を示す図である。図3に示すように、照明制御装置30は、通信部31と、記憶部32と、表示部33と、操作部34と、制御部35とを有する。
通信部31は、照明機器10やノード20や調光盤40や監視装置50等との間の通信を制御する機能を有し、例えば、NIC等により実現される。
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部32は、図3に示すように、操作部情報記憶部32−1と、調光情報記憶部32−2とを有する。
操作部情報記憶部32−1には、操作部34が有する複数のフェーダ34−1〜34−3等と制御アドレス(対象アドレス)との対応が記憶される。ここで、制御アドレスについて説明する。照明機器10には、1つまたは複数の制御アドレスが予め設定されており、その制御アドレスを用いた制御に従って、照度、照明する光の色彩、照明する向き等の制御対象を変更する。すなわち、照明機器10には、制御対象のそれぞれに対して異なる制御アドレスが設定されており、自装置に設定された制御アドレスを示す制御信号を受信した場合は、その制御アドレスが示す制御対象を、受信した制御信号に従って制御態様を変更する。なお、照明機器10の制御対象としては、赤、青、緑、シアン、白(R:Red, G:Green, B:Blue, C:Cyan, W:Whyte)といった照明する光の色彩や、照度(Intensity)、照明する位置や照明装置10自体の位置を移動させる移動(Moving)等が採用される。各制御アドレスに対応するフェーダ34−1〜34−3等は、照明機器10の制御対象に対応付けられる。
例えば、図4は、実施形態に係る操作部情報記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。図4に示す例では、操作部情報記憶部32−1には、各フェーダ34−1〜34−3を識別する操作部IDと制御アドレスとが対応付けて登録されている。例えば、図4に示す例では、各操作部ID「34−1」〜「34−2」等に制御アドレス「AD1」〜「AD2」等が対応付けて登録されている。
なお、図4に示す例では、対応付けられた操作部IDと制御アドレスとに異なる値が設定されていたが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、1つの操作部IDに対して複数の制御アドレスを対応付けることにより、複数の制御アドレスに対して共通の制御信号を与えてもよい。このような対応付けを行った場合は、例えば、一つのフェーダにより複数の照明機器10を同時に制御することができる。
また、調光情報記憶部32−2には、例えばシーンやキュー(CUE)やサブマスタ(SM)等と称される調光情報が記憶される。例えば、図5は、実施形態に係る調光情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。図5に示す例では、調光情報記憶部32−2には、各調光情報を識別する調光IDと対応する調光情報において制御される照明機器10の制御対象に対応する制御アドレス等が記憶されている。なお、図5では、図示することは省略するが、調光情報には、照明機器10の制御対象に対する具体的な制御内容を示す情報が含まれる。例えば、調光情報には、制御アドレス「AD1」に対応付けられた照明機器10の制御対象を出力50%にすることや、照明する光の色彩を示す色情報、色をどのように変化させること等、照明機器10に対して設定する各種の情報が含まれる。
図3に戻り説明を続ける。表示部33は、例えば、液晶モニタ等により実現され、各種情報を表示する。表示部33は、後述する制御部35による制御に従い、照明制御装置30が収集した情報を表示する。
操作部34は、各照明機器10に対する操作を受付けるものである。例えば、複数のフェーダ34−1〜34−3等を有する。各フェーダ34−1〜34−3等は、例えば各照明機器10の照度、色彩、照明する向き、動き等の操作を受付けるスライダである。なお、操作部34はタッチパネル等を利用して構成することもできる。また、操作部34は、各調光情報を対応付けるボタンやスイッチ等を有してもよい。
制御部35は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを記憶するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、受信部35−1、送信部35−2、及び操作制御部35−3を有する。
受信部35−1は、外部からの各種情報を受信する。例えば、受信部35−1は、クラウドサーバ70から履歴情報を受信する。また、例えば、受信部35−1は、第1照明機器10Aから機器情報を受信してもよい。
送信部35−2は、各種情報を送信する。例えば、送信部35−2は、第1照明機器10Aに制御情報を送信する。また、例えば、送信部35−2は、調光盤40に制御信号を送信する。また、送信部35−2は、クラウドサーバ70へ操作情報を送信する。
操作制御部35−3は、操作者OP1がフェーダ34−1〜34−3等を操作した場合、操作されたフェーダ34−1〜34−3等の操作部IDと対応する制御アドレス(対象アドレス)を操作部情報記憶部32−1から取得し、取得した制御アドレスを含む制御情報を出力することで、操作されたフェーダ34−1〜34−3等と対応する照明機器10の制御を行う。
例えば、操作制御部35−3は、フェーダID「34−1」であるフェーダ34−1を操作者OP1が操作した場合は、フェーダID「34−1」と対応付けられた制御アドレス「AD1」に対応する照明機器10の制御対象が操作される。
[クラウドサーバの構成例]
次に、図6を用いて、実施形態に係るクラウドサーバ70の構成について説明する。図6は、実施形態に係るクラウドサーバの構成を示す図である。図6に示すように、クラウドサーバ70は、通信部71と、記憶部72と、制御部73とを有する。
通信部71は、照明システム1における導入先の各装置(例えば照明制御装置30や監視装置50等)との間の通信を制御する機能を有し、例えば、NIC等により実現される。
記憶部72は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部72は、図6に示すように、操作履歴情報記憶部72−1を有する。
操作履歴情報記憶部72−1には、照明システム1の照明制御装置30において行われた調光制御に関する操作情報が記憶される。
例えば、図7は、実施形態に係る操作履歴情報記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。図7に示す例では、操作履歴情報記憶部72−1には、履歴IDと操作情報とが対応付けて登録されている。履歴IDは、取得した操作情報を識別するための情報である。例えば、図7に示す例では、各履歴ID「LG1」〜「LG2」等の各々に操作情報が対応付けられて、履歴情報として登録されている。例えば、図7に示す例では、履歴情報には、操作対象や操作開始時刻等の情報が含まれる。
例えば、履歴ID「LG1」により識別される履歴情報には、操作開始時刻「T1」に調光情報「M1」による調光制御(例えば、図5に示した調光ID「M1」と対応する調光情報による制御)が開始されたことや、操作開始時刻「T2」に制御アドレス「AD1」に対応付けられた照明機器10の制御対象に対する調光制御が開始されたことを示す履歴情報が含まれる。なお、図7では、図示することは省略するが、履歴情報には、照明制御装置30から取得した情報であればどのような情報が含まれてもよい。例えば、履歴情報には、照明機器10の制御対象に対する具体的な制御内容を示す情報が含まれる。例えば、履歴情報には、制御アドレス「AD1」に対応付けられた照明機器10の制御対象を出力50%にすることや、色を変化させること等を示す情報が含まれてもよい。
図6に戻り説明を続ける。制御部73は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを記憶するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、受信部73−1、抽出部73−2、及び送信部73−3を有する。
受信部73−1は、外部からの各種情報を受信する。例えば、受信部73−1は、照明制御装置30から操作情報を受信する。また、例えば、受信部73−1は、受信した操作情報を操作履歴情報記憶部72−1に記憶する。また、受信部73−1は、照明制御装置30から履歴情報の要求を受信する。
抽出部73−2は、受信部73−1が受信した要求に応じて、操作履歴情報記憶部72−1から履歴情報を抽出する。例えば、抽出部73−2は、要求に対応する履歴IDに基づいて、操作履歴情報記憶部72−1から履歴情報を抽出する。例えば、抽出部73−2は、日付が指定された要求に応じて、対応する日付の操作開始時の操作が含まれる履歴情報を操作履歴情報記憶部72−1から抽出する。
送信部73−3は、各種情報を送信する。例えば、送信部73−3は、抽出部73−2により抽出された履歴情報を照明制御装置30へ送信する。
[照明機器の調光の再現]
次に、照明機器の調光の再現の一例を示す図である。図8は、実施形態に係る照明機器の調光の再現の一例を示すシーケンス図である。
まず、照明制御装置30において操作者OP1は、照明機器10の調光を操作する(ステップS101)。例えば、操作者OP1は、照明制御装置30における操作部34のフェーダ34−1〜34−3等を操作することにより、照明機器10の調光を制御する。
その後、照明制御装置30は、操作情報をクラウドサーバ70へ送信する(ステップS102)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による指示に応じて操作情報をクラウドサーバ70へ送信する。
操作情報を受信したクラウドサーバ70は、操作情報を履歴情報として保存する(ステップS103)。例えば、クラウドサーバ70は、受信した操作情報を履歴情報として操作履歴情報記憶部72−1に記憶する。
その後、照明制御装置30は、情報の要求をクラウドサーバ70へ送信する(ステップS104)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による指示に応じてクラウドサーバ70へステップS102において送信した操作情報に対応する履歴情報の要求を送信する。
情報の要求を受信したクラウドサーバ70は、要求に応じた履歴情報を抽出し、抽出した履歴情報を照明制御装置30へ送信する(ステップS105)。例えば、クラウドサーバ70は、ステップS103において保存した履歴情報を照明制御装置30へ送信する。
履歴情報を受信した照明制御装置30は、受信した履歴情報に基づいて照明機器10の調光を再現する(ステップS106)。例えば、照明制御装置30は、ステップS101において行われた調光制御を再現する。
[変形例]
なお、照明システムは、操作者を認証する機能を有してもよい。この点について、図9〜図12を用いて説明する。なお、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。具体的には、図9では、照明システム1Aにおいて、所定の操作者OP1が照明制御装置30A−1において行った操作に関する操作情報を、他の照明制御装置30A−3において利用する例を示す。
[照明システムの構成]
照明システム1Aは、複数の照明制御装置30A−1〜30A−3等とクラウドサーバ70Aとを具備する。以下では、照明制御装置30A−1〜30A−3等について、特に区別なく説明する場合には、照明制御装置30Aと記載する。なお、照明システム1Aは、照明制御装置30Aに対応する照明機器やノード20や調光盤40や監視装置50や端末装置60等を具備するが、図示を省略する。
照明制御装置30Aは、操作者の認証を受け付ける。また、照明制御装置30Aは、各照明機器10に対して制御を行う操作者による操作を受付ける。例えば、照明制御装置30Aは、調光卓と称される装置である。照明制御装置30Aは、操作者による操作等に応じて、各照明機器10の調光等を制御する情報(信号)をノード20や調光盤40に送信する。
また、照明制御装置30A−1は、クラウドサーバ70Aと所定のネットワークNT11により双方向通信が可能である。また、照明制御装置30A−2は、クラウドサーバ70Aと所定のネットワークNT12により双方向通信が可能である。また、照明制御装置30A−3は、クラウドサーバ70Aと所定のネットワークNT13により双方向通信が可能である。例えば、ネットワークNT11〜NT13は、専用通信回線や仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network)であってもよいし、インターネットであってもよい。また、各照明制御装置30Aは、同じ導入先において使用される照明制御装置30Aであってもよいし、異なる導入先において使用される照明制御装置30Aであってもよい。例えば、照明制御装置30A−1〜30A−3が同じ導入先において使用される場合、ネットワークNT11〜NT13は共通のネットワークであってもよい。
クラウドサーバ70Aは、照明システム1Aの導入先から遠隔にあるサービス提供者側の所定の地点に設けられる装置である。具体的には、クラウドサーバ70Aは、照明制御装置30Aにおける照明機器10への操作に基づく操作情報を保存する外部サーバである。
[照明システムにおける処理例]
まず、操作者OP1は、照明制御装置30A−1において操作者に関する認証(以下、「操作者認証」とする場合がある)を受ける(ステップS31)。これにより、照明制御装置30A−1は、入力される操作を操作者OP1の操作として受け付ける。なお、操作者認証は、例えば、パスワードを入力することにより行われてもよいし、指紋等の所定の生体情報に基づいて行われてもよい。
その後、照明制御装置30A−1は、操作者OP1が行った操作情報(以下、「操作情報LG11」とする)をネットワークNT11を経由して、クラウドサーバ70Aへ送信する(ステップS32)。このとき、照明制御装置30A−1は、操作情報LG11に関する操作を行った操作者が操作者OP1であることを示す情報も送信する。
照明制御装置30A−1から操作情報を受信したクラウドサーバ70Aは、受信した操作情報を保存する(ステップS33)。例えば、クラウドサーバ70Aは、操作情報LG11を操作者OP1が行った操作に関する情報として保存する。これにより、照明システム1Aは、クラウドサーバ70Aに保存された操作履歴情報(履歴情報)を操作者OP1が行った操作に関する情報として読み出し可能となる。
ここから、操作者OP1が照明制御装置30A−1から他の照明制御装置30Aへ移動した場合を例に以下説明する。操作者OP1は照明制御装置30A−1から照明制御装置30A−3へ移動する(ステップS34)。
そして、操作者OP1は、照明制御装置30A−3において操作者認証を受ける(ステップS35)。これにより、照明制御装置30A−3は、入力される操作を操作者OP1の操作として受け付ける。
その後、照明制御装置30A−3は、ネットワークNT13を経由して、操作者OP1が行った操作に関する操作情報(履歴情報)を要求する(ステップS36)。図9では、照明制御装置30A−3は、操作者OP1が照明制御装置30A−1において行った操作に関する操作情報LG11を要求する。例えば、照明制御装置30A−3は、操作者OP1による指示に応じて、操作者OP1が行った操作に関する操作情報(履歴情報)を要求する。
照明制御装置30A−3から操作情報(履歴情報)の要求を受け付けたクラウドサーバ70Aは、要求に対応する操作情報(履歴情報)を抽出する(ステップS37)。例えば、クラウドサーバ70Aは、ステップS33で保存した操作情報LG11を、照明制御装置30A−3からの要求に対応する操作情報(履歴情報)として抽出する。その後、クラウドサーバ70Aは、ステップS37において抽出した履歴情報を照明制御装置30A−3へ送信する(ステップS38)。
クラウドサーバ70Aから送信された操作情報LG11を照明制御装置30A−3が受信した後、操作者OP1は、照明制御装置30A−3において操作を再現する(ステップS39)。
このように、照明システム1Aにおいては、各照明制御装置30Aは、操作者の認証機能を有する。これにより、各照明制御装置30Aは、操作を行った操作者を判別可能となる。また、各照明制御装置30Aは、操作者OP1が照明機器10に行った調光制御に関する操作情報を操作者OP1と対応付けてクラウドサーバ70Aに保存する。これにより、照明システム1Aにおける操作者OP1は、使用する照明制御装置30Aにおいてクラウドサーバ70から操作情報(履歴情報)を取得することにより、他の照明制御装置30Aにおいて過去に行った調光制御を再現することができる。
なお、照明システム1Aは、操作者OP01が照明制御装置30A−1に対して行った各種の設定を履歴情報としてクラウドサーバ70Aに保持させてもよい。例えば、照明システム1Aは、操作者OP01がどのフェーダにどのDMXアドレスを対応付けたか、どのフェーダにどの照明機器を対応付けたか、どのマスタフェーダにどの照明機器を対応付けたか、どのようなキュー又はシーンを設定したか等をクラウドサーバ70Aに保持させてもよい。このような情報をクラウドサーバ70Aに保持させた場合、照明システム1Aは、照明制御装置30A−1と同様の設定内容を照明制御装置30A−3に履歴情報として送信し、照明制御装置30A−3に設定を反映させる。この結果、操作者OP01は、移動先となるスタジオや舞台で設定を再度行わずとも、移動元となるスタジオや舞台と同様の操作により、照明態様を再現することができる。
また、照明システム1Aは、操作情報と操作を行った操作者とを対応付けて保存することにより、照明システム1Aにおいて不具合等が発生した場合に、どの操作者の操作が不具合等の原因かの判別が容易になる。すなわち、照明システム1Aは、照明制御装置30における操作情報を適切に管理することができる。なお、操作者と対応付けてクラウドサーバ70Aに保存する情報は、操作情報に限らず、目的に応じて種々の情報であってもよい。例えば、操作者と対応付けてクラウドサーバ70Aに保存する情報は、フェーダ34−1〜34−3等への制御アドレスの割当て等の情報であってもよい。
また、クラウドサーバ70Aは、操作情報と操作を行った操作者とを対応付けに基づいて、認証後のユーザに操作情報に基づいてユーザの操作に関する学習を行ってもよい。例えば、クラウドサーバ70Aは、認証後のユーザに操作情報に基づいて、ユーザの操作に適した操作部34への制御アドレス等の割当に関する学習を行ってもよい。また、各照明制御装置30Aは、クラウドサーバ70Aから認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得してもよい。これにより、各照明制御装置30Aは、クラウドサーバ70Aにおける学習結果に基づいて、ユーザに適した設定を行うことが可能となる。
[照明制御装置の構成例]
次に、図10を用いて、変形例に係る照明制御装置30Aの構成について説明する。図10は、変形例に係る照明制御装置の構成を示す図である。図10に示すように、照明制御装置30Aは、通信部31と、記憶部32と、表示部33と、操作部34と、制御部35とを有する。変形例に係る照明制御装置30Aは、制御部35に認証部35−4を有する点において、照明制御装置30と相違する。
認証部35−3は、照明制御装置30Aを利用する操作者を認証する。例えば、認証部35−3は、パスワードや指紋等の所定の生体情報により照明制御装置30Aを利用する操作者を認証する。例えば、認証部35−3がパスワードにより操作者を認証する場合、照明制御装置30Aは、記憶部32に各操作者に対応するパスワードを記憶してもよい。なお、照明システム1Aが、ネットワークNT11〜NT13等を経由してクラウドサーバ70Aにおいて操作者の認証を行う場合、照明制御装置30Aは、認証部35−3を有しなくてもよい。
[クラウドサーバの構成例]
次に、図11を用いて、変形例に係るクラウドサーバ70Aの構成について説明する。図11は、変形例に係るクラウドサーバの構成を示す図である。図11に示すように、クラウドサーバ70Aは、通信部71と、記憶部72と、制御部73とを有する。変形例に係るクラウドサーバ70Aは、記憶部72の操作履歴情報記憶部72−1Aに操作者に関する情報を記憶する点において、クラウドサーバ70と相違する。
変形例に係る記憶部72は、操作履歴情報記憶部72−1Aを有する。操作履歴情報記憶部72−1Aには、照明システム1Aの照明制御装置30Aにおいて行われた調光制御に関する操作情報がその操作を行った操作者と対応付けて記憶される。
例えば、図12は、変形例に係る操作履歴情報記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。図12に示す例では、操作履歴情報記憶部72−1Aには、履歴IDと操作情報とが対応付けて登録されている。履歴IDは、取得した操作情報を識別するための情報である。例えば、図12に示す例では、各履歴ID「LG11」〜「LG12」等の各々に操作情報が対応付けられて、履歴情報として登録されている。例えば、図12に示す例では、履歴情報には、操作対象や操作開始時刻等の情報が含まれる。例えば、履歴ID「LG11」により識別される履歴情報に関する操作は、操作者ID「OP1」により識別される操作者により行われたことを示す。このように、操作履歴情報記憶部72−1Aには、履歴情報が対応する操作を行った操作者に対応付けて記憶される。
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、この実施形態や変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。