JP6651474B2 - 線状ワークの矯正方法及びその装置 - Google Patents

線状ワークの矯正方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6651474B2
JP6651474B2 JP2017025032A JP2017025032A JP6651474B2 JP 6651474 B2 JP6651474 B2 JP 6651474B2 JP 2017025032 A JP2017025032 A JP 2017025032A JP 2017025032 A JP2017025032 A JP 2017025032A JP 6651474 B2 JP6651474 B2 JP 6651474B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
straightening
pressing
clamp
longitudinal direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017025032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018130731A (ja
Inventor
正嗣 永島
正嗣 永島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ESU-TECH CO.,LTD.
Original Assignee
ESU-TECH CO.,LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ESU-TECH CO.,LTD. filed Critical ESU-TECH CO.,LTD.
Priority to JP2017025032A priority Critical patent/JP6651474B2/ja
Publication of JP2018130731A publication Critical patent/JP2018130731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6651474B2 publication Critical patent/JP6651474B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、ワークの両端をクランプして引張り力を付与しながら加圧する線状ワークの矯正方法及びその装置に関する。
従来、所定長さのワーク(板)をクランプ(ジョー)によって両端を掴み、ワーク長手方向に引張り力を付与した状態で、押付け機構の矯正ラム(エッジプッシャ)によって歪み矯正方向に加圧力を付与しながら矯正するワークの矯正方法及びその装置が既に公知である。(例えば、特許文献1)
この矯正装置はクランプの移動によって金属板の長手方向内の歪み(そり)が0になるまで引張り、この状態において矯正ラムを矯正方向(板厚方向)に押し上げることにより、ワークの部分的な歪みに対し加圧力を付与して矯正作業を行うものである。
特開昭62−227524号公報
上記特許文献1の矯正装置は、長手方向内の歪みが0になるまで引張り、矯正ラムを矯正方向(板厚方向)に押し上げて部分歪みの矯正をするので、塑性変形をしたまま使用するアルミ板等のワークには適切に使用できる利点がある。
然しながら上記矯正方法は、例えば、製鉄所で生産される種々の鋼材料からなる線径5〜20ミリ程度の鋼線材として製造され、且つ工場出荷時の巻き線姿が直径1000ミリ程度に巻き線加工される各種線材を、引張り強度や組成を検査確認する試料用ワークとして直線状に矯正する場合には不適切になるものである。
即ち、巻き線姿の直径が1000ミリ程度になる線材を試験片長さ400〜600ミリ程度に切断すると、鋼線材片ワークの曲率半径は500ミリ程になるため、硬質で弾性係数の高い鋼線材片ワークをクランプして歪みが0になるまで引っ張ることは、大動力を要することから装置構造が大型化し、試験室内での使用が求められるコンパクトな検査用機械装置にすることが困難になる。また上記のような鋼線材片ワークは、歪みをゼロにする過大な引張り力のもとで矯正ラムによるスプリングバック目的の押付けを行うと、内部組織の変化に伴う各種鋼材特性の劣化や破断をする等の塑性変形によるトラブルを生じ易い欠点があり、塑性変形部分を有するワークでは正確な検査(試験)データを得ることができない等の問題がある。
また大きな曲率で湾曲歪みを有する硬質鋼線材からなる試験片は、在来の矯正装置によって左右をクランプした状態で中途を単に押圧するとき、ラム押圧部での滑りや跳ね返り現象及びワーク破損等を伴い易く、これを防止しながら且つ塑性変形を生じさせないで矯正することが困難である。そのため上記のような矯正装置を用いるときは、複数の作業者によってワークを万力で掴みハンマを用いた掴み打撃手段も併用しながら部分矯正作業を行うため、打撃に伴う線材表面の劣化を招くと共に、手間と熟練を要するという課題がある。
上記課題を解決するための本発明の線状ワークの矯正方法及びその装置は、第1に、定長さのワークWを、両端をクランプしたクランプ16,16aによってワーク長手方向に引張り力を付与した状態で、押付け機構8の矯正ラム7によって歪み矯正方向に加圧力を付与しながら矯正し、押付け機構8の矯正ラム7が加圧力によってワークWをワーク長手方向に伸長させるとき、一方のクランプ16をワークWに塑性変形を生じさせない引張り力によってワーク長手方向に引っ張り移動させることにより矯正する線状ワークの矯正方法であって、前記矯正ラム7がワークWをワーク真直状態位置に押付けたとき、引張り機構17のクランプ16の移動をその場で停止した状態で、ワークWのスプリングバック加圧を付与することを特徴としている。
第2に、所定長さのワークWを、両端をクランプしたクランプ16,16aによってワーク長手方向に引張り力を付与した状態で、押付け機構8の矯正ラム7によって歪み矯正方向に加圧力を付与しながら矯正し、押付け機構8の矯正ラム7が加圧力によってワークWをワーク長手方向に伸長させるとき、一方のクランプ16をワークWに塑性変形を生じさせない引張り力によってワーク長手方向に引っ張り移動させることにより矯正する線状ワークの矯正方法であって、前記前記矯正ラム7がワークWをワーク真直状態位置から押付けてスプリングバック矯正加圧を行うとき、進退駆動部24をフリー動作又は所定量進動させると共に、クランプ16,16aの挟持を解除又は緩めた状態にすることにより、ワークWの引張り及び挟持を開放したのち矯正ラム7による押付けをすることを特徴としている。
第3に、所定長さのワークWの両端をクランプ16,16aによってクランプしながらワーク長手方向に引張り力を付与する引張り機構17と、クランプされたワークWを矯正方向に加圧力を付与する矯正ラム7を備える押付け機構8からなり、前記押付け機構8の矯正ラム7がワークWに加圧力を付与するとき、前記引張り機構17のクランプ16が、ワークWに塑性変形を生じさせることのない引張り力を有してワーク長手方向に引っ張り移動するように構成し、前記引張り機構17を、押付け機構8に対向するベッド2に着脱自在に取付け自在なテーブル14の両側に、歪みを有するワークWの両端をクランプするクランプ16,16aを支持間隔Lを有して配設すると共に、一方のクランプ16をワーク長手方向に引っ張り移動可能に構成したことを特徴としている。
第4に、前記両クランプ16,16aのクランプ口の下部側に、ワークWの両端を各受け支持するワーク受け座22を設けたことを特徴としている。
第5に、前記両クランプ16,16aの支持間隔L内に、ワークWに矯正後のワーク姿に沿って形成した矯正ゲージ26のゲージ部材26bを設けたことを特徴としている。
上記課題を解決するための本発明による線状ワークの矯正方法及びその装置は、次のような効果を奏する。
(1)矯正ラムによる矯正方向の加圧に伴って伸びるワークの伸び量を、クランプが塑性変形をさせることのない引張り力によってワークの長手方向移動を自由にするため、ワーク材質の組成を大きく劣化させることのない高精度の矯正作業を能率よく行うことができる。
(2)ワーク真直状態位置でクランプによって両端を固定したままスプリングバック加圧をするので、ワークは両端に掴み部曲がりを生ずるものの、その間では矯正効率のよい矯正を簡単且つ速やかに行うことができるため、矯正精度と矯正作業能率の高い矯正作業を行うことができる。
(3)プリングバック矯正加圧に先立ってワーク真直状態を維持したままワークの引張り力及び掴み力を開放し、両端を自由にした状態でスプリングバック加圧をするので、ワークにクランプ掴み部曲がりを生じさせることのない矯正作業を行うことができる。
(4)押付け機構の矯正ラムが加圧力によってワークをワーク長手方向に伸長させるとき、一方のクランプをワークに塑性変形を生じさせない引張り力によってワーク長手方向にスムーズに引っ張り移動させることができるので、ワークに塑性変形を生じさせたり圧縮歪みを伴うことのない簡潔で安価な高能率型の矯正装置にすることができる。
(5)支持間隔を有する両クランプと引張り機構とテーブルを一体化した引張りユニットとして構成するため、矯正ラムとワークとの押付け位置を変更自在にすることができると共に、異なる矯正仕様の引張りユニットを自在に選択して取付けることができ、多様な矯正作業を簡単且つ安価に行うことができる。
(6)ワークの湾曲した中途部を上位にして垂れ下がり状に湾曲した端部側を、各ワーク受け座に支持した状態でクランプ口内に挿入することができるので、クランプの締板によってワークの適正高さ位置を確実に挟持締着し矯正作業を行い易くすることができる。
(7)ワークの歪みや矯正の程度を目視で確認する場合に、ゲージ部材を基準にしてワークの姿を対比的に観ることができるので、ワークの初期セット状態や矯正された状況を誤りなく簡単に確認することができる。
本発明が適用される矯正装置を示す全体正面図である。 図1の右側面図である。 図1の矯正作業部の構成を示す平面図である。 矯正ラムとゲージ部材の拡大右側面図である。 押付け機構と引張りユニットの構成を示す正面図である。 クランプにワークをセットする態様を示す平面図である。 クランプがワークを挟持した態様を示す平面図である。 ワークのスプリングバック加圧の態様を示す正面図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように矯正装置1は、土台部分を有するベッド部2とその後方に立設されるコラム部3とにより装置フレーム4を構成し、ベッド2の水平面に本発明に係る引張りユニット6を取付け位置調節自在に設けると共に、コラム部3に矯正ラム7を有するプレス装置等からなる押付け機構8を備え、引張りユニット6と矯正ラム7とによって矯正作業部9を構成している。
この矯正装置1は、装置の運転を司る運転部としての操作盤11bと装置近隣に配設されるパソコン11aを連係させて設置している。そして、前記矯正作業部9の前方下部の左右には、両手押し型のスタートボタン12,12と両者の間に停止ボタン13とを設けている。
先ず、図示する歪み矯正対象であるワークWは、製鉄所において炭素鋼や合金鋼線材として熱間又は冷間圧延加工によって線径5〜20ミリで製造され、この所定長さの線材を直径1000ミリ程度の巻き線姿に加工して出荷されるものである。
そして、巻き線荷姿の線材は製造ロット毎或いはユーザ側の要請等により、抜き取り検査によって鋼材機能特性や材質等の確認検査(試験)が行われる。この線材試験では、巻き線材の端部が試験片長さ400〜600ミリ程度に切断されて、曲率半径500ミリ程の湾曲歪みを有する切断線材がワークWとして供給され、該ワークWは本発明に係る矯正方法が可能な矯正装置1によって直線状に矯正されるものである。
尚、矯正装置1に供給されるワークWは、歪み取り矯正作業によって直線加工される直線許容誤差は5ミリ以内であり、直線加工された矯正ワークWは試料検査工程(試験工程)に移行され、引張り試験や各種の検査分析を受けることになる。
また装置による矯正対象になるワークWは、主として金属製の円形断面形状の棒状体や軸体であるが、断面の形状や大きさ材質は任意であり且つ長さ方向における部分断面を異にしていてもよい。
次に、矯正装置1の各部の構成について説明する。先ず、引張りユニット6は図1〜図4に示すように、ベッド面に取付け自在な平面視方形状の厚板からなるテーブル14と、該テーブル14の上面左右にワークWを掴み支持(挟持)する支持間隔Lを有して対向配設される丸棒用楔型のクランプ16,16aと、一方(左側)のクランプ16をワーク伸ばし方向に進退移動させる引張り機構17等によって構成している。上記各クランプ16,16aは、市販されている電動又は油圧駆動方式の楔型チャックを一部改良することによって、使用し易く安価で小型な装置構造にするようにしている。
即ち、各クランプ16,16aは、クランプベース18に形成される平面視2等辺三角形状の溝室内に、矯正作業部9の前後で一対の楔型の締板19を前後方向に対向させて収容している。そして、クランプベース18の端部に固設される油圧シリンダ等によるクランプ駆動部21から、ロッド等の開閉部材21aを介して両締板19を前後方向に同時開閉動作をするように構成されている。これによりクランプ16,16aは、各上方及び側方を開放するクランプ口内に、上方向からワークWの挿入と取出しを容易にする。
上記クランプ16,16aは、クランプ口内でのワーク受け面をクランプベース溝室の底面にすることができるが、クランプ口の側方(支持間隔L側)で溝室底部より高い位置にワーク端部側の中途を受け支持できるワーク受け座22を設けている。
この構成によりワークWは、湾曲した頂部を上位にして両側に垂れ下がり状に湾曲している端部(ワーク端)を左右のクランプ口内に差し入れるとき、左右のワーク端の先端角部(エッジ部)をクランプベース18の底面に接当させることなく、クランプ口の高さ(縦長さ)のできるだけ下方位置で支持することができ、ワークWの両端は締板19,19によって前後方向から等しく同条件的に挟持締着することができる。従って、曲がり形状が種々に異なる各ワークWの両端をワーク受け座22に速やかにセットでき、且つワークWはワーク端より内側寄りクランプ口の適正高さ位置で常に支持されるため矯正精度も高めることができる。
さらに、このクランプ16,16aは、左右の締板19がクランプ口の高さ内でワーク端をできるだけ下部にしながら上方側の垂れ下がり湾曲した一部を確実に挟持することができる。つまり、ワークWの両端は、クランプ口内で上下方向の挟持長さを十分に有して締着し強固な掴み把持がなされるため、側面視におけるワークWの矯正姿勢を鉛直方向の起立姿勢に安定的に保持することができる。従って、矯正ラム7が起立姿勢のワークWの湾曲した頂部に強い押圧力を付加した場合でも、鉛直方向の適正押圧力を受けることができワークWの前後方向への姿勢傾倒を規制するので、鋼材に強いバネ反力(矯正反力)が生じても矯正ラム7からワーク頂部の外れ(線状ワーク外れ現象)、つまりラム押圧部での滑りや跳ね返り現象を防止したスムーズな矯正作業を可能にする。
尚、上記構造においてクランプ16,16aのクランプ口内には、ワーク径より小さいワーク挿入ガイド(図示せず)を、クランプ口の先端から基部側の所定位置にクランプベース18側から立設することが望ましく、この場合には、左右のワーク挿入ガイドを指標として、その間にワークWを入れることにより該ワークWはクランプ口内の定位置に位置決め誘導されるため、ワークWのクランプ作業を目視や感に頼ることなく両端の挟持長さを常に等しくすることができる。
次に、引張りユニット6に構成される引張り機構17について、図3,図5を参照し説明する。この引張り機構17は、テーブル14の左側で左右方向に位置決め調節自在に設けられる移動ベース23に、レール構造を介してクランプ16のクランプベース18を左右移動自在に取付け、且つ移動ベース23の左端に固設した油圧シリンダ等の進退駆動部24とクランプベース18とを、ロッド等の連結部材24aを介して連結している。
これにより引張りユニット6は、右側に取付固定されるクランプ16aに対し、引張り機構17を介し左方のクランプ16を遠近移動自在にすると共に、後述する制御手段によって矯正作業中にワークWの矯正量に伴う引張移動(退動)を所定の引張力によって自動的に行うようにしている。
また上記構成される引張りユニット6は必要により、図3,図5に示すような矯正作業補助機器としての矯正ゲージ26を、テーブル14又はベッド2等に着脱又は進退切換移動可能に設けることができる。図示する矯正ゲージ26は、テーブル14の奥側寄りに立設される進退切換機構26aによって、平板状のゲージ部材26bを正面視で水平姿勢になるように支持しており、該ゲージ部材26bの前部直線側をワークWに近接又はワーク下方に臨ませ、歪みの程度を目視で容易に確認することができる。
図示例のゲージ部材26bは、進退切換機構26aの支持軸に回動自在に支持し且つスプリングによって上方付勢した状態で、ストッパによって所定のゲージ姿勢に位置決め保持するように設けることが望ましい。
この構成による矯正ゲージ26は、クランプされたワークWに近接可能にしているため、ゲージ部材26bの水平直線板面を介して線状体下縁の湾曲量を目視して歪みの程度を速やかに判断することができる。また矯正ラム7の下降に伴う矯正作業中に、ゲージ部材26bはスプリングの付勢力に抗して下方に向けて退動したのちは、矯正ラム7の上昇に伴い速やかにゲージ姿勢になるため、矯正作業に支障をきたすことなく目視確認を容易にする等の利点がある。
尚、上記ゲージ部材26bの動作や作動量は、エンコーダ等の電気的検知手段や表示手段によって認知可能にしてもよい。またゲージ構造は図示例の直線平板の構成に限ることなく、横向きに張設される紐状部材でもよい。またワークWの矯正姿が例えば所定の曲がり形状等である場合は、ゲージ形状を矯正後のワーク形状に合わせたライン状ゲージにすることができる。
次に、コラム部3に設置される押付け機構8及び矯正ラム7について図1,図4,図5を参照し説明する。この押付け機構8は、油圧制御ユニットを備える油圧シリンダ等からなり、昇降動作をする押動軸8aの下端に各種の押付け形状をなす矯正ラム7を着脱交換自在に取付けている。
実施形態の矯正ラム7は図4,5に示すように、正面視で下向き扇形状をなし下辺を所定幅を有して湾曲させた押圧部7aを形成している。また押圧部7aは側面視において、3角形又は半円弧状をなす凹溝を形成することにより、ワークWの前後両面に等しく接当する押圧面7bを形成している。
上記構成による矯正ラム7は、押圧部7aを前記クランプ16,16aによる支持間隔Lの2分の1以上の円弧状押付け幅を有する凹溝状で両側押圧面7bを備えた形状にすると、矯正作業時にワークWの湾曲頂部に押圧部7aの湾曲頂部が接当するとき、両側押圧面7bがワークWの周面両側に確実に接当する両面接当押圧作用によって押付けを開始する。これにより押圧初期に大きく生ずる押圧負荷と初期弾性負荷等の矯正反力によって、矯正ラム7の下降による押付け量に伴い両面接当押圧作用の範囲(面積)を、押圧部7aの全長を利用して応力集中をさせることなく矯正作用を効率よく行うことができ、またワークWの頂部が押圧部7aからずれて外れる前記線状ワーク外れ現象を防止することができる。
そして、矯正装置1は前記引張り機構17と押付け機構8との油圧ユニットと電気制御ユニットとを連係制御可能に備えると共に、両者の制御盤11は装置カバー内適所に設置され、前記仕様のワークWを本発明に係る矯正方法によって矯正作業を行うための機械的仕様を次様にしている。即ち、引張りユニット6は、進退駆動部24の油圧シリンダ仕様を水平引張式で略50ミリストロークとし、最大引張力を略200KNにしている。また押付け機構8の油圧シリンダ仕様を上下駆動式で略250ミリストローク制御式とし、最大加圧力を200KN程度にしている。
一方、制御仕様は、試料(試験片)毎データを備える自動制御と手動操作可能なタイプとし、データパターンは、ワーク毎の例えば、試料機能材料データ表、降伏応力と矯正に係る各種関数(加圧力・線径毎押下げ量等)をパソコン入力しマトリックス等マニュアル表として作成し、作成検証に基づき試験片毎の制御項目を自動的に表示できる自動読み出し方式にしている。これにより作業者は、例えば制御盤11又はパソコン11aに試験片の線径を入力するだけで、前記押付け量(スプリングバック押付け距離S等)を速やかに把握し矯正装置1による矯正作業を能率よく行うことができる。尚、矯正ラム7及び引張り機構17の作業動作は、所定パターンによるインチング動作可能に構成することが望ましく、この場合も試験片毎データに基づきインチングパターンを選択することができる。
次に、以上のように構成される矯正装置1によって、前記仕様のワークWを矯正する作業態様並びに矯正方法について説明する。先ず、作業者はあらかじめパソコンに入力されたデータに基づき、自動動作或いは手動動作を選択しパソコン或いはマトリックス等から取得した、試験片毎の押付け量等をインプットし確認する。これにより矯正装置1は、ワークW毎に設定された矯正動作パターンと加圧力及び引張力並びに押付け量や各速度、また工程毎時間等が選択され矯正作業開始状態になる。
次いで、作業者は装置カバーを開け図6に示すように、把持したワークWを矯正作業室9内でクランプ16,16aの各クランプ口に挿入し位置決めする。そして、扉を占めたのち両手でスタートボタン12,12(図1〜3参照)を押し操作し矯正作業を開始する。
この際の基本的な装置動作は、第1に、クランプ駆動部21の油圧シリンダの進動によって、クランプ16,16aの締板19が閉動作しワーク両端を掴みワークWを所定の起立矯正姿勢に保持する(図7,図1)。こののち引張り機構17の油圧シリンダが連係動作し、クランプ16を退動(左方移動)して第1引張り状態に支持する。
次いで、押付け機構8が油圧シリンダの全ストローク進動により、矯正ラム7を図1の実線で示す待機位置から下降し図4に実線で示す接当矯正状態位置になってワークWの矯正を始め、ワークWが略直線状になる図5で示すワーク真直状態位置を経て、図1の2点鎖線と図8で示す、スプリングバック加圧を所定の速度と時間を有して図8で示すスプリングバック状態位置まで加圧する。そして、押付け機構8の油圧シリンダの退動により、矯正ラム7は設定された復帰工程速度によって上昇し元の待機位置に復帰停止する。
このようにワークWは、図4に実線で示す接当矯正状態位置から矯正が始まり、図5で示すワーク真直状態位置を経て真直姿勢になり、ここから前記マトリックスで試験片毎に指示される押付け量の下限位置、つまり前記スプリングバック押付け距離Sまで押下げられて図8で示すスプリングバック状態位置になり、矯正ラム7によるスプリングバック加圧による矯正が行われ一連の矯正加圧工程を完了する。
尚、加圧工程において矯正ラム7が、接当矯正状態位置からスプリングバック状態位置になる前記ワークWの押付け量(押下げ量)は、前記入力されたパソコン11aから取得されるが、手動運転の場合には複数回の目視による押付けトライによって、スプリングバック押付け距離S等を定めることができる。
一方、ワークWの両端をクランプするクランプ引張り機構17は、上記矯正加圧工程において、矯正ラム7の押下げ量と矯正加圧に伴い伸長するワーク伸び量に連係する進退駆動部24の油圧シリンダが、クランプ16を自動的に退動移動させるため、そのワーク長手方向移動に伴いワークWに塑性変形を生じさせない引張り力によって引張り支持する。
つまり、引張り機構17は、矯正ラム7が前記接当矯正状態位置から湾曲歪みを有するワークWの歪みを略ゼロにするワーク真直状態位置でワーク伸び量が最大になるように変形させるとき、クランプ16が伸長するワークWに塑性変形を生じさせることのない引張り力を作用(付加)させながら、材質毎に最適設定される所定の引張り力(退動力)を所望時間をかけて引張り作動することができる。
これによりワークWは、支持間隔Lを有する接当矯正状態位置からワーク真直状態位置で最大長さに伸長する各位置において、加圧力による内部圧縮歪みや引張り力による試料塑性変形を生ずることなく伸びる量を逐次保持しながら矯正が安定的に行われる。
従って、ワークWの材質組成を大きく変化させたり劣化させることのない、高精度の矯正作業を能率よく行うことができる。
また前記矯正ラム7がワークWの押付けを行うときと略同時又は直前において、引張り機構17がワークWにワークWに塑性変形を生じさせない引張り力を付与するので、矯正ラム7が下降し加圧力によって湾曲頂部からクランプ16,16a側に加わる圧縮方向の力を、クランプ16の引張り移動によって線材内に生ずる圧縮歪みの発生を矯正初期に確実に防止することができる。また矯正ラム7の加圧に連係して線材をスムーズに伸ばしてワークWの矯正を無理なく行う等の利点がある。
そして、矯正装置1は矯正ラム7によるスプリングバック加圧を、パソコンに入力したデータに基づく自動動作或いはパソコンから取得した線材毎の押付け量等によって、ワーク真直状態位置(図5)から図8に示すスプリングバック矯正加圧を所定の加圧力と設定距離を有して所定量だけ行うことができ、この場合に加圧に先立って進退駆動部24をフリー動作又は所定量進動させると、ワークWの引張り応力を開放することができる。
またクランプ16,16aの挟持を一時的に解除又は緩めた状態にすると、引張り力及び挟持力(掴み力)を開放することができ、またワークWの矯正中途姿も確認し易くすることができる。これによりワークWは、その両端を自由にしながらスプリングバック加圧をされるクランプ開放加圧方式の矯正作業を行うことができると共に、ワークWの両端にクランプ掴み部の曲がりを生じさせることのない矯正作業を行うことができる。
他方、矯正装置1は上記矯正態様のほか、両端に十分なクランプ掴み部の曲がり代を有する長さワークWが試験片であるときは、これに対応し必要によりクランプ掴み加圧方式のスプリングバック加圧を選択した矯正作業をすることができる。この場合には、例えば、前記矯正ラム7がワークWをワーク真直状態位置に押付けたとき、引張り機構17のクランプ16の移動をその場で停止した状態で、ワークWのスプリングバック加圧を付与するクランプ固定加圧方式を行うことができる。従って、この場合にはワークWの両端を固定したまま加圧するので、両端に掴み部の曲がりを生ずるものの両者間では矯正効率のよい加圧力及び押付け量を選択して矯正を簡単且つ速やかに行うことができる利点がある。
このように矯正装置1は、多様なスプリングバック加圧を選択することができると共に、矯正ラム7の退動(上昇)に伴う加圧解除と復帰動作によりスプリングバック加工時の塑性変形(永久変形)のない矯正作業を行うことができ、また可能な限り正姿にした矯正誤差内の矯正作業が完了される。
そして、この後は機械停止と表示操作器11bの報知と共に扉を開き矯正作業室9からワークWを取り出し、次位の検査工程に移行させることにより一連の矯正作業と次工程段取りを終了することができる。
以上のように本発明によるワークの矯正方法は、矯正ラム7がワークWを加圧しワーク長手方向に伸長させる伸び量を、一方のクランプ16をワークWに塑性変形を生じさせない引張り力によってワーク長手方向に移動させて引っ張りながら加圧することにより、真直に矯正する非塑性引張り加圧方式にすることができるため、従来のワーク塑性引張り加圧矯正技術に比しワークWの組成を大きく劣化させることのない所定形状の矯正を可能にする。従って、矯正された試験片はJISで定められている検査工程において、強度等各種性能検査や材料特性検査に誤りデータを伴うことのない検査を行い易くすることができる等の特徴がある。
尚、ワークWは実施形態では丸棒や軸状の線材について説明したが、これに限ることなく矯正装置1は例えば角材や平板材等のワークWに対しても適応させることができる。また実施形態の引張り機構17は、一方のクランプ16のみを引張り移動させるため簡潔で安価な構成にする利点があるが、必要により両方のクランプ16,16aを引張り移動させるようにしてもよい。
1 矯正装置
2 ベッド
7 矯正ラム
8 押付け機構
14 テーブル
16,16a クランプ
17 引張り機構
18 クランプベース
22 ワーク受け座
26 矯正ゲージ
26b ゲージ部材
L 支持間隔
W ワーク

Claims (5)

  1. 所定長さのワーク(W)を、両端をクランプしたクランプ(16),(16a)によってワーク長手方向に引張り力を付与した状態で、押付け機構(8)の矯正ラム(7)によって歪み矯正方向に加圧力を付与しながら矯正し、押付け機構(8)の矯正ラム(7)が加圧力によってワーク(W)をワーク長手方向に伸長させるとき、一方のクランプ(16)をワーク(W)に塑性変形を生じさせない引張り力によってワーク長手方向に引っ張り移動させることにより矯正する線状ワークの矯正方法であって、前記矯正ラム(7)がワーク(W)をワーク真直状態位置に押付けたとき、引張り機構(17)のクランプ(16)の移動をその場で停止した状態で、ワーク(W)のスプリングバック加圧を付与する線状ワークの矯正方法。
  2. 所定長さのワーク(W)を、両端をクランプしたクランプ(16),(16a)によってワーク長手方向に引張り力を付与した状態で、押付け機構(8)の矯正ラム(7)によって歪み矯正方向に加圧力を付与しながら矯正し、押付け機構(8)の矯正ラム(7)が加圧力によってワーク(W)をワーク長手方向に伸長させるとき、一方のクランプ(16)をワーク(W)に塑性変形を生じさせない引張り力によってワーク長手方向に引っ張り移動させることにより矯正する線状ワークの矯正方法であって、前記前記矯正ラム(7)がワーク(W)をワーク真直状態位置から押付けてスプリングバック矯正加圧を行うとき、進退駆動部(24)をフリー動作又は所定量進動させると共に、クランプ(16),(16a)の挟持を解除又は緩めた状態にすることにより、ワーク(W)の引張り及び挟持を開放したのち矯正ラム(7)による押付けをする線状ワークの矯正方法。
  3. 所定長さのワーク(W)の両端をクランプ(16),(16a)によってクランプしながらワーク長手方向に引張り力を付与する引張り機構(17)と、クランプされたワーク(W)を矯正方向に加圧力を付与する矯正ラム(7)を備える押付け機構(8)からなり、前記押付け機構(8)の矯正ラム(7)がワーク(W)に加圧力を付与するとき、前記引張り機構(17)のクランプ(16)が、ワーク(W)に塑性変形を生じさせることのない引張り力を有してワーク長手方向に引っ張り移動するように構成し、前記引張り機構(17)を、押付け機構(8)に対向するベッド(2)に着脱自在に取付け自在なテーブル(14)の両側に、歪みを有するワーク(W)の両端をクランプするクランプ(16),(16a)を支持間隔(L)を有して配設すると共に、一方のクランプ(16)をワーク長手方向に引っ張り移動可能に構成した線状ワークの矯正装置。
  4. 前記両クランプ(16),(16a)のクランプ口の下部側に、ワーク(W)の両端を各受け支持するワーク受け座(22)を設けた請求項記載の線状ワークの矯正装置。
  5. 前記両クランプ(16),(16a)の支持間隔(L)内に、ワーク(W)に矯正後のワーク姿に沿って形成した矯正ゲージ(26)のゲージ部材(26b)を設けた請求項3又4記載の線状ワークの矯正装置。
JP2017025032A 2017-02-14 2017-02-14 線状ワークの矯正方法及びその装置 Active JP6651474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017025032A JP6651474B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 線状ワークの矯正方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017025032A JP6651474B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 線状ワークの矯正方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018130731A JP2018130731A (ja) 2018-08-23
JP6651474B2 true JP6651474B2 (ja) 2020-02-19

Family

ID=63249134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017025032A Active JP6651474B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 線状ワークの矯正方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6651474B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114160612B (zh) * 2021-11-29 2024-02-23 深圳市长龙铁路电子工程有限公司 一种轨道交通维护结构
CN115532985B (zh) * 2022-10-20 2023-06-02 天王电子(深圳)有限公司 校脚装置
CN117324433B (zh) * 2023-11-01 2024-05-07 江苏瑞格高合金材料有限公司 一种高速钢矫直器械

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5236510B2 (ja) * 1972-08-09 1977-09-16
JPS6343722A (ja) * 1986-08-08 1988-02-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 棒鋼材のプレス矯正方法
JPH0466220A (ja) * 1990-07-02 1992-03-02 Showa Alum Corp アルミニウム押出型材の捩れ・曲り矯正方法
JPH06269857A (ja) * 1993-03-24 1994-09-27 Toshiba Corp 矯正装置
JP4013269B2 (ja) * 1996-11-21 2007-11-28 日本精工株式会社 長尺部材の変形矯正方法
JP2002001433A (ja) * 2000-06-20 2002-01-08 Toho Mechanic:Kk 歪み矯正装置
JP4382385B2 (ja) * 2003-04-28 2009-12-09 トヨタ自動車株式会社 歪矯正方法及び装置
JP5273005B2 (ja) * 2009-10-06 2013-08-28 新日鐵住金株式会社 レールの矯正方法及び矯正装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018130731A (ja) 2018-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6651474B2 (ja) 線状ワークの矯正方法及びその装置
US5174004A (en) Radiator clamping jig
KR101225294B1 (ko) 봉재 굽힘시험용 지그
JP7103157B2 (ja) 引張試験機のコーンチャック装置、コーン装着用治具、およびコーン取出し用治具
JP4889551B2 (ja) 薄板鋼板の肌付治具
JP2002192236A (ja) 長尺材の曲げ加工装置
JP2003236609A (ja) 引き延ばされる線材の製造装置
PL1824641T3 (pl) Element mocujący do części obrabianych, zwłaszcza imadło
JP3131241U (ja) バイスおよび材料試験機
EP2366471A3 (de) Verfahren zum Herstellen von Schlitzrohren aus Blechtafeln auf einer Rohrbiegepresse und Rohrbiegepresse
CN209841518U (zh) 钢丝绳破断拉伸试验装置
US20090308127A1 (en) Stretching device
CN113145691B (zh) 一种料棒单侧夹持型校直装置及校直方法
JP2016112568A (ja) バンパーリインフォースメントの曲げ加工装置及びバンパーリインフォースメントの曲げ加工方法
AU705381B2 (en) Method and apparatus for securing connector elements to the ends of belts, especially conveyor belts
CN213380039U (zh) 一种下铰底座压紧工装
US3990288A (en) Stretch-draw metal forming
JPH09206833A (ja) 自動車修理用パネル板金引出し工具並びに金属ピン及びそれを使用したパネル板金引出し方法
JP2535486B2 (ja) フランジ立てロ―ラ―加工方法および該方法に用いられる装置
JP4105995B2 (ja) 線材の据え込み加工方法および装置
JP4772389B2 (ja) ストレッチベンダー機を用いた湾曲長尺材の製造方法、及びストレッチベンダー機
CN217515439U (zh) 一种打包带折弯装置
CN216791891U (zh) 一种夹紧效果好的液压万能试验机
JP2811281B2 (ja) 細径金属管の曲げ加工装置
JP6957780B1 (ja) 異形棒材の把持装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6651474

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250