JP6651142B2 - リニアモータのシャフト、およびその製造方法 - Google Patents

リニアモータのシャフト、およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、可動子をシャフトに沿って直線的に駆動させるシャフト型リニアモータのシャフト、およびその製造方法に関する。
近年、直線駆動する電気アクチュエータとしてシャフト型リニアモータが注目されている。この種リニアモータは、複数の棒状(円筒または円柱状)磁石が直列状に配列されたシャフト(固定子)と、該シャフトにスライド自在に外嵌する可動子とを備え、該可動子の内周部に設けられるコイルの励磁によって、可動子を直線的に駆動させるようになっている。このような構成によれば、コギングや速度ムラが少ないので、様々な分野での応用が検討されている。
一般に、リニアモータのシャフトは、非磁性材料からなるステンレス製の円筒パイプの内部に複数の棒状磁石を互いに磁極対向させて直列状に密接した状態で内装配列された構成となっており、円筒パイプの両端部に、それぞれスタートキャップやエンドキャップを挿入してカシメや接着、或いは溶着やネジ込みなどの固定手段を用いて、円筒パイプ内の磁石同士の反発磁力によって抜け出ないように強固に抜け止め固定する必要がある。
ところで従来、カシメ圧着により抜け止め固定したものとして、キャップに円筒パイプに挿入するための挿着部を形成し、この挿着部の外周面域に凹溝を形成して、挿入した円筒パイプの外周端を凹溝内にカシメ圧着するようにしたものが知られている(特許文献1の図4、特許文献2のFig9参照)。
また、カシメ圧着により抜け止め固定する際には、カシメ時に円筒パイプの外周端が円周方向に回転しながら凹溝内に絞り込まれる状態で圧着加工されるため、円筒パイプにカシメ方向の歪みが生じ、比較的脆い材質よりなる棒状磁石に対してキャップの挿着部端面が直接接触した状態でカシメると、回転を伴うカシメによる押圧応力が棒状磁石に加わって破損してしまうおそれがある。
そこで、特許文献1のものでは、キャップの挿着部を含む領域に全体が断面視U字状となるようボルト挿入孔を形成し、残された挿着部の先端にナット孔を形成したキャップを用いて、キャップの挿入端と先端または終端磁石との間に逃げ空間を形成し、カシメ圧着後にボルト(40f)を螺入することでボルト(40f)の先端を直接当接させて押圧することにより、磁石同士を密着させるようにしていたため、先端または終端磁石を破損させてしまう危惧がある。
一方、特許文献2のものでは、この様な危惧を解消するため、キャップの挿入先端と先端または終端磁石との間に、円筒パイプの内径よりも小径のクッション材となるパッキングプッシュブロック(45)を介在させて、ボルト(46)の先端による直接押圧を避けて間接的に押圧することで磁石同士を密着させるようにして破損を防止していた。
しかしながら、この種のシャフトは、円筒パイプは通常0.5mm程度の非磁性体ステンレス材にて成型されており、これらのいずれのものも、キャップの挿入端と先端または終端磁石との間に逃げ空間が形成されいるため、当該逃げ空間部位の強度が弱くなり、シャフトの両端を基台等が備える支持部にクランプ等で支持させて取着する際に、湾曲や挫屈による変形を生じやすく、かつシャフトが長くなるのに追随してその変形率も高くなるだけでなく、シャフト自体の自重で湾曲したり撓みを生じてしまうという構造上の問題点を有しており、円筒パイプ内に逃げ空間を設けることなく、円筒パイプ内部の棒状磁石が互いに密接保持した状態のまま、円筒パイプの端部をキャップの挿着部にカシメ圧着させて抜け止め固定しても端部の棒状磁石の破損を生じないものの出現が望まれていた。
再公表特許WO2008/013053号公報 公開特許US2010/0308669A1号公報
本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、円筒パイプの端部をキャップの挿着部にカシメ圧着により抜け止め固定するものでありながら、筒状スペーサが介在された円筒パイプの外周面域を含むシャフトの端部を好適に補強することができ、カシメ圧着する工程では、回動を伴う絞り込みによる圧接荷重を膨出部と筒状スペーサ部位との間でバランス良く受け止めて、挿着部に対して精度良くカシメ圧着することができると共に、挿着部の先端が棒状磁石の端面に直接接触して押圧することが回避され、棒状磁石の破損を防止することができ、円筒パイプ内部に棒状磁石を互いに密接保持させた状態であってもカシメ圧着による抜け止め固定を行うことができるようになり、作業工程の簡略化と作業時間の短縮が図られ、また、カシメ圧着後のシャフトは、そのパイプ端部が補強された支持端部として延出でき、基台等が備えるクランプ等の支持部に挟装して支持止め取着した際に、パイプ変形などの発生を防止し、しかも、筒状スペーサの配設個数によって非励磁領域を可変設定することができ、棒状磁石を削減してコスト低減が図られ、安価に製作することのできるリニアモータのシャフト、およびその製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明のリニアモータのシャフトは、非磁性材料からなる円筒パイプの内部に、複数の棒状磁石を互いに磁極対向させて直列状に内装配列し、円筒パイプの始端側と終端側のそれぞれに、スタートキャップとエンドキャップが取着され、基台の支持部に両端支持されるシャフトと、該シャフトにスライド自在に外嵌され、その内周部に備えるコイルの励磁によって直線的に駆動する可動子とによって構成されるリニアモータのシャフトであって、前記スタートキャップとエンドキャップには、それぞれ前記円筒パイプの外径と略同径の膨出部と該膨出部から面落ちして円筒パイプ内に挿入される挿着部とを設け、かつ、少なくともエンドキャップの挿着部には、その略中央面域の外周面に、対向する円筒パイプの外周端を溝内にカシメ圧着するための終端凹溝を形成せしめると共に、前記挿着部と隣設する前記棒状磁石との間に、それぞれ円筒パイプの内周面に略密接状に挿入可能な外径をもって形成された硬質の筒状スペーサを介在せしめることで、該筒状スペーサは、当該筒状スペーサが介在された円筒パイプの外周面域を補強する補強部材としての機能と、その配設個数によってパイプ端部領域の可動子への非励磁領域を形成する非励磁領域設定部材としての機能とを兼ね備えるよう配設せしめ、前記終端凹溝を、カシメ幅よりも広幅に形成し、かつ、前記棒状磁石側となる片側溝面が上方に拡開する傾斜面を有して形成すると共に、前記円筒パイプの終端側は、前記円筒パイプの始端側をスタートキャップの挿着部に固着した状態で、前記終端凹溝に対してその棒状磁石側となる溝面に片寄り状にカシメ圧着させて一体的に固定してあることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために本発明のリニアモータのシャフト製造方法は、非磁性材料からなる円筒パイプの内部に、複数の棒状磁石を互いに磁極対向させて直列状に内装配列し、円筒パイプの始端側と終端側のそれぞれに、スタートキャップとエンドキャップが取着されたシャフトと、該シャフトにスライド自在に外嵌され、その内周部に備えるコイルの励磁によって直線的に駆動する可動子とによって構成されるリニアモータのシャフトを製造する方法であって、
円筒パイプ内の棒状磁石が互いに密接保持された状態で、円筒パイプの端部をエンドキャップにカシメ圧着により抜け止め固定するにあたり、前記スタートキャップとエンドキャップに、それぞれ前記円筒パイプの外径と略同径の膨出部と円筒パイプ内に挿入される挿着部とを設け、かつ、エンドキャップの挿着部の略中央面域の外周面に、対向する円筒パイプの外周端を溝内にカシメ圧着するための終端凹溝を形成せしめると共に、該終端凹溝は、カシメ幅よりも広幅に形成され、かつ、前記棒状磁石側となる片側溝面が上方に拡開する傾斜面を有して形成され、スタートキャップの挿着部に固定された円筒パイプ内に、該挿着部に隣接して、円筒パイプの内周面に略密接状に挿入可能な外径をもって形成された硬質の筒状スペーサを挿入しておき、所定数の棒状磁石とその終端に前記筒状スペーサを密接保持された状態で収容するよう、エンドキャップの挿着部を挿入し、当該挿入状態を維持したまま、前記膨出部と筒状スペーサの配置部位における円筒パイプとを、両者間に挿着部を配置させた状態でカシメ機の支持ローラ上に支持受けさせ、円筒パイプの終端側外周面を、その筒状磁石側となる前記終端凹溝の傾斜面に対してカシメ圧着させ、前記円筒パイプの終端側は、当該カシメ圧着に起因して、前記円筒パイプの始端側をスタートキャップの挿着部側に固着した状態で、前記終端凹溝の傾斜面に対してその棒状磁石側に片寄り状に押接させて一体的に固定することでシャフトを製造することを特徴とするものである。
本発明は、上記のように構成したことにより、円筒パイプの端部をキャップの挿着部にカシメ圧着により抜け止め固定するものでありながら、キャップの挿着部と隣設する棒状磁石との間に介在された筒状スペーサによって、その円筒パイプの外周面域を含むシャフトの端部を好適に補強することができ、カシメ圧着する工程では、膨出部と筒状スペーサが介在された円筒パイプの外周面域との間で、キャップの挿着部をカシメ機の支持ローラ上に均等に支持受けする支持受け部材として機能し、回動を伴う絞り込みによる圧接荷重をバランス良く受け止めて、キャップの挿着部と棒状磁石との端面同士が直接接触して押圧されることが回避され、棒状磁石の破損を防止することができ、円筒パイプ内部に棒状磁石を互いに密接保持させた状態であってもカシメ圧着による抜け止め固定を行うことができると共に、キャップの挿着部の外径を筒状スペーサの外径よりも僅かに小径に形成することができ、筒状スペーサを押圧する方向に応力を作用させつつ、キャップの膨出部と対向する円筒パイプ端部が離間する方向に変形応力を作用させて、反発する棒状磁石同士を密着させる方向に圧着力を作用させる均等なカシメ圧着が行え、抜け止め固定後に棒状磁石同士を密着させる別途作業を要することなく、作業工程の簡略化と作業時間の短縮を図ることができる。
しかも、円筒パイプの終端側は、始端側をスタートキャップの挿着部に固着した状態で、終端凹溝の傾斜面側に片寄り状にカシメ圧着させると、垂直面側が円筒パイプの終端部側の逃げ空域となって、軸方向となる傾斜面側に片寄り状の押圧力をもって、反発する筒状磁石同士を密着させる方向に圧着力を作用させて、密着精度を保持した状態で確りとカシメ固着することができる。また、カシメ圧着後のシャフトとしては、筒状スペーサが介在された部分の円筒パイプの外周面域を、基台が備える支持部に取着するための支持端部として延出する支持部材として機能し、クランプ等の支持部に挟装して支持止めする際にパイプ変形などの発生を防止することができ、しかも、シャフトの支持端部は、可動子の進退移動を要しない非励磁領域となるため、筒状スペーサの配設個数によって非励磁領域を可変設定することのできる部材としての機能をも併せ持ち、棒状磁石を削減してコスト低減が図られ、安価に製作することができる。
シャフト型リニアモータの全体斜視図である。 本発明の実施形態にかかるシャフトを示す(A)は筒状磁石を採用したシャフトの断面図、(B)は柱状磁石を採用したシャフトの断面図ある。 中心に穿設された孔を有するスタートキャップとエンドキャップの断面詳細図である。 円筒パイプ端部をカシメ圧着する状態を示す(A)はスタートキャップ側の説明図、(B)はエンドキャップ側の説明図である。 本発明の実施形態にかかるシャフトの製作手順を示し、(A)は組付け配置状態を示す分解説明図、(B)は仮組付けセット状態を示す説明図、(C)は円筒パイプ内に収容セットした状態を示す説明断面図である。
以下、本発明の実施の形態を好適な実施の形態として例示するリニアモータの可動子を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、シャフト型リニアモータの斜視図、図2(A)、(B)は、本発明の実施形態に係るシャフトの断面図、図3は、スタートキャップとエンドキャップの断面詳細図である。これら図に示すように、シャフト型リニアモータ1は、0.5mm程度の非磁性体ステンレス円筒パイプ21(アルミニウム合金、銅合金等でもよい)内に、その中心に孔が穿設された複数の棒状磁石2a(筒状磁石2a1または柱状磁石2a2)を互いの磁極が対向するように直列状に配列されたシャフト2と、該シャフト2にスライド自在に外嵌する可動子3とを備え、該可動子3の内周部に設けられるコイルの励磁により、可動子3を直線的に駆動させる。
シャフト2は、円筒パイプ21内における棒状磁石2a…の始端側と終端側に、それぞれ棒状磁石2aと同径の非磁性体よりなるアルミ製(樹脂等であっても良い)の硬質の筒状スペーサ2b、2bが介在され、その両端部に磁性体よりなるステンレス製のスタートキャップ22とエンドキャップ23が取着されて構成される。
筒状スペーサ2bは、円筒パイプ21の内周面にその外周面が略密接状に挿入可能な外径をもって形成され、その中心に筒状磁石2a1の軸孔と略同径の軸孔が穿設されており、その長さ幅は、後述するスタートキャップ22とエンドキャップ23の膨出部221、231と略同幅、若しくはそれ以上の長い幅の長さをもって広幅に形成されている。なお、本実施例においては、膨出部221、231の面取り加工部分を除く面域幅(支持ローラ51上での支持受け面域幅)よりも長い幅をもって形成されている。なお、筒状スペーサ2bの長さ幅は、配設された部位の円筒パイプ21の外周面が、カシメ加工時に支持ローラ51上で支持受けされた際に、膨出部221、231と共に、円筒パイプ21内周面側から回動を伴う絞り込みによる圧接荷重をバランス良く分担して受け止めて、円筒パイプ21が変形を受けることのない長さ幅に設定されたものであれば良い。
この様に筒状スペーサ2b、2bが配設されたシャフト2は、シャフト2の始端側と終端側に配設されたスペーサ2b、2bの円筒パイプ21部分は、基台等が備える例えばクランプ等の支持部に取着するための支持端部として延出する支持部材として機能し、クランプ等の支持部に挟装して支持止めする際にパイプ変形などの発生を防止することができ、パイプ端部の外周面域を補強してシャフト2自体の端部強度を向上させることができる補強部材として機能し、しかも、シャフトの支持端部は、可動子3の進退移動の推力を要しない非励磁領域となるため、筒状スペーサ2b、2bの配設個数によって非励磁領域を可変設定することのできる非励磁領域設定部材としての機能をも併せ持ち、棒状磁石2aを削減してその破損を未然に防止すると共にコスト低減が図られ、安価に製作することができる。
スタートキャップ22とエンドキャップ23は、それぞれ円筒パイプ21の外径と同径の広幅な外周面域をもって円筒パイプ21の開口端から突出する膨出部221、231と、この膨出部221、231から面落ちして円筒パイプ21に挿入される挿着部222、232と、該挿着部222、232の外周面に環状の始端凹溝22aと終端凹溝23aとを有して形成されると共に、挿着部222と232は、筒状スペーサ21の外径よりも僅かに小径に外観形成されている。また、スタートキャップ22の中心に、後述する筒状磁石2a1をセットする際に用いるスタッドボルト4を螺合するためのナット孔223が形成されており、また、エンドキャップ23の中心に、シャフト2よりも長尺なスタッドボルト4を挿通可能とするボルト挿通孔233が穿設されている。なお、本実施例においては、ボルト挿通孔233にはナット孔加工が施されている。
つまり、筒状磁石2a1を採用したシャフト2は、スタートキャップ22とエンドキャップ23を含めて中心に中空軸孔が連通形成されたものとして構成され、必要において、スタッドボルト4の螺合用のナット孔223とボルト挿通孔233を利用して孔塞ぎキャップを螺入し、シャフト2内部を密封状にしたものとして構成することで選択的な提供を行うことができるようになっている。また、締め付け治具により円筒パイプ21内に棒状磁石2aや筒状スペーサ2bを密着させてセットする場合には、図2(A)に示すものに換えて、ナット孔223やボルト挿通孔233を形成しない図2(B)に示すキャップを用いても良い。
スタートキャップ22側に形成された始端凹溝22aは、底面22a1と、底面22a1から外方に向けて拡開状に45度の角度をもって傾斜する傾斜面22a2、22a2とによって断面視台形状に形成されており、エンドキャップ23側に形成された終端凹溝23aは、底面23a1と、底面23a1の内側に外方に向けて拡開状に45度の角度をもって傾斜する傾斜面23a2と、外側に底面23a1から90度折曲する垂直面23a3とによって、カシメ幅よりも広幅に形成されている。なお、傾斜面22a2、23a2の傾斜角度を45度に設定したが、角度設定は任意であり、挿着部222を予め円筒パイプ21に固定する場合には、カシメに換えて、接着或いは溶着やネジ込み、ビス止めなどの固定手段を用いてもよく、その場合には始端凹溝22aは不要となる。
次に、円筒パイプ21の両端部をスタートキャップ22とエンドキャップ23に固定する方法について、図4(A)(B)に基づいて説明する。図4(A)はスタートキャップ22側のカシメ状態を示し、図4(B)はエンドキャップ23側のカシメ状態を示す説明図である。固定の方法は、ネジ止め、溶接、カシメ等があるが、本実施例においてはこれら図に示すようにカシメによる固着方法を採用している。つまり、スタートキャップ22の挿着部222にその始端側が挿入された円筒パイプ21内に、筒状スペーサ2b、2b間に複数の棒状磁石2a…が互いに密接保持された状態で、円筒パイプ21の端部をカシメ圧着により抜け止め固定するには、膨出部221と筒状スペーサ2bが介在された部位をカシメ機5の支持ローラ51上に置き、外周が円弧状のカシメローラ52を始端凹溝22aの中心位置で下動させ、回転を繰り返しながら両ローラ51、52間に挟み込んで、円筒パイプ21の端部を始端凹溝22a内に徐々に絞り込み回動しつつ溝面に円弧状に圧着変形させて固定する。なお、本実施例では、円筒パイプ21内に後述する筒状磁石2a1をスタッドボルト4を介してセットした状態のもので例示したが、柱状磁石2a2を用いる場合には、締め付け治具を介してセットしておけばよい。また、円筒パイプ21内に棒状磁石2a(筒状磁石2a1、柱状磁石2a2)をセットしない状態でカシメ圧着を行う場合には、予めスタートキャップ22の挿着部222に隣接して筒状スペーサ2bを、接着により一体化するか、或いは、ナット孔223と筒状スペーサ2bの軸孔にボルトを挿通して膨出部221側でナット止めして一体化しておき、これを円筒パイプ21に挿入してカシメ圧着を行なった後、ボルトを取り外すようにすればよい。
この様に、筒状スペーサ2bを挿着部222に隣接して円筒パイプ21内に配設しておくと、筒状スペーサ2bが、カシメ圧着時の回動を伴う絞り込み圧接荷重を、円筒パイプ21の内部で確りと受け止めて、その外周面域における強度性を高めて圧接変形を防止する支持受け部材として機能し、挿着部222がその両側で、円筒パイプ21と同径の膨出部221と、筒状スペーサ2bが配設された円筒パイプ21の外周面域とによって、カシメ機5の支持ローラ51上にバランス良く分担支持受けされた状態で、筒状スペーサ2bの外周面を始端凹溝22a内に対して、回動を伴う絞り込みによる圧接荷重を均等に受け止めて、ガタツキ等を生じることなく精度良くカシメ圧着することができ、しかも、挿着部222と棒状磁石2aとの端面同士が直接接触して押圧されることが回避され、比較的脆い材質よりなる棒状磁石2aの破損を防止することができる。
また、挿着部222の外径が筒状スペーサ2bの外径よりも僅かに小径に形成されているので、円筒パイプ21の外周面を始端凹溝22a内にカシメる際に、筒状スペーサ2bの挿着部222間における幅面域をカシメ部位を中心に押圧する方向に湾曲応力を作用させつつ、膨出部221と対向する円筒パイプ21の端部が離間する方向と、反発する棒状磁石2a同士を密着させる方向に、それぞれ変形応力を均等に作用させたカシメ圧着が行え、変形応力が棒状磁石2aに直接加わることがなく、左右対称状に形成された始端凹溝22aの左右の傾斜面22a2、22a2に対して均等に精度良くカシメ圧着することができる。なお、スタートキャップ22側は、カシメ圧着によらなくとも、始端凹溝22aを形成せずに接着等による他の固定手段を採用しても良い。
一方、円筒パイプ21の終端側にエンドキャップ23を挿入した、所謂円筒パイプ21内部の棒状磁石2a…が互いに密接保持された状態で、円筒パイプ21の端部を挿着部232にカシメ圧着して抜け止め固定するには、膨出部231と筒状スペーサ2bが介在された部位をカシメ機5の支持ローラ51上に置き、カシメローラ52を終端凹溝23aの傾斜面23a2側に片寄らせた位置で下動させ、回転させながら両ローラ間に挟み込んで、円筒パイプ21の終端部を終端凹溝23a内に絞り込み回動しつつ、底面23a1と傾斜面23a2に円弧状に圧着変形させて固定する。その際、膨出部231と支持受け部材として機能する筒状スペーサ2bとが、支持ローラ51上で確りと支持受けされて、回動を伴う絞り込みによる圧接荷重がバランス良く受け止められ、変形応力が棒状磁石2aに直接加わることが回避され、比較的脆い材質よりなる棒状磁石2aの破損を防止することができる。その結果、一工程でカシメ作業を完了することができ、抜け止め固定後に棒状磁石2a同士を密着させる別途作業を要することなく、作業工程の簡略化と作業時間の短縮を図ることができる。
しかも、終端凹溝23aがカシメ幅よりも広幅に形成されているので、垂直面23a3側が円弧状に絞り込まれた円筒パイプ21の終端部側の逃げ空域23bとなって、軸方向となる傾斜面23a2側に片寄り状の押圧力をもってカシメることができ、円筒パイプ21の終端部側がエンドキャップ23により筒状スペーサ2bを押さえつける状態で絞り込み変形され、挿着部232の外径が筒状スペーサ2bの外径よりも僅かに小径に形成されされていることに起因する、膨出部231と円筒パイプ21の端部が離間する方向への変形応力の作用と相まって、反発する棒状磁石2a同士を更に密着させる方向に圧着力を作用させることができ、密着精度を保持した状態で傾斜面23a2に対して精度良く確りとカシメ固着することができる。
続いて、筒状磁石2a1を用いたシャフト2の製造方法を図5に基づいて説明する。図5(A)は組付け配置状態を示す分解説明図、(B)は仮組付けセット状態を示す説明図、(C)は円筒パイプ21内に収容セットした状態を示す説明断面図である。これら図において、先ず、シャフト2よりも充分に長尺な組付け用のスタッドボルト4を用意し、その一端側にスタートキャップ22をナット孔223を介して螺合しておく。この状態で、図5(B)に示す如く、スタッドボルト4の他端側から筒状スペーサ2b、円筒パイプ21内に収容すべき全個数分の棒状磁石2a…、円筒パイプ21、筒状スペーサ2b、エンドキャップ23を順次に挿入してセットし、最後にナット41を螺入して仮組付け状態とする。その際、各棒状磁石2a…は、互いに磁極反発した離間状態で円筒パイプ21の終端側から数個分が露出した状態で挿入セットされる。なお、円筒パイプ21のセット順位は、棒状磁石2aを挿入する前工程でスタートキャップ22に予めセットし、または、棒状磁石2aの挿入途中、或いは全個数挿入後であっても良く、これらの何れかを任意に選択してセットすることが可能である。
次いで、スタートキャップ22とエンドキャップ23の挿着部222、232が円筒パイプ21内に挿入されるまで、離間状態の各棒状磁石2a…同士を互いの磁極反発に抗してナット41を締め付け操作して行き、筒状スペーサ2b、2bを介して両挿着部222、232間に挟み込んで密着せしめることにより、図5(C)に示す如く、円筒パイプ21内に収容する。その際、各棒状磁石2a…同士の磁極反発力はかなり強いものとなるが、ナット41の締め付け操作により均等な間隔をもって徐々に密着させて行くことができ、円筒パイプ21内への収容を容易かつスムーズに行うことができる。しかる後に、円筒パイプ21の始端側外周面を、始端凹溝22aに対してカシメ圧着すると共に、円筒パイプ21の終端側外周面を、終端凹溝23aに対してその棒状磁石2a側となる溝面に片寄り状にカシメ圧着させてシャフト2を形成し、最後に、ナット41とスタッドボルト4を取り外せば中空軸孔を有するリニアモータのシャフト2を製造することができる。なお、円筒パイプ21の始端側外周面を、予めスタートキャップ22にカシメまたは他の手段により固定しておいても良い。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、円筒パイプ21の内部に、複数の棒状磁石2a…が互いに磁極対向して直列状に密接保持された状態で、円筒パイプ21の端部をスタートキャップ22とエンドキャップ23の挿着部222、232にカシメ圧着により抜け止め固定するのであるが、本発明におけるシャフト2は、特に、エンドキャップ23側をカシメ圧着するにあたり、スタートキャップ22とエンドキャップ23には、それぞれ円筒パイプ21の外径と略同径の膨出部221、231と該膨出部221、231から面落ちして円筒パイプ21内に挿入される挿着部222、232とを設け、かつ、少なくともエンドキャップ23の挿着部232には、その略中央面域の外周面に、対向する円筒パイプ21の外周端を溝内にカシメ圧着するための終端凹溝23aを形成せしめると共に、挿着部232と隣設する棒状磁石2aとの間に、それぞれ円筒パイプ21の内周面に略密接状に挿入可能な外径をもって形成された筒状スペーサを介在せしめることで、該筒状スペーサ2b、2bは、当該筒状スペーサ2bが介在された円筒パイプ21の外周面域を補強する補強部材としての機能と、その配設個数によってパイプ端部領域の可動子への非励磁領域を形成する非励磁領域設定部材としての機能とを兼ね備えるよう配設せしめ、終端凹溝23aを、カシメ幅よりも広幅に形成し、かつ、棒状磁石2a側となる片側溝面が上方に拡開する傾斜面23a2を有して形成すると共に、円筒パイプ21の終端側は、円筒パイプ21の始端側をスタートキャップ22の挿着部222に固着した状態で、終端凹溝23aに対してその棒状磁石2a側となる溝面に片寄り状にカシメ圧着させて一体的に固定してある。
この様に構成すると、円筒パイプ21の端部をスタートキャップ22および/またはエンドキャップ23の挿着部222、232にカシメ圧着により抜け止め固定するものでありながら、スタートキャップ22とエンドキャップ23の挿着部222、232と隣設する棒状磁石2a、2aとの間に介在された筒状スペーサ2b、2bによって、その円筒パイプ21の外周面域を含むシャフト2の端部を好適に補強することができ、カシメ圧着する工程では、膨出部231(または221)と筒状スペーサ2bが介在された円筒パイプ21の外周面域との間で、エンドキャップ23(またはスタートキャップ22)の挿着部232(または222)をカシメ機5の支持ローラ51上に均等に支持受けする支持受け部材として機能し、回動を伴う絞り込みによる圧接荷重をバランス良く受け止めて、挿着部232(または222)と棒状磁石2aとの端面同士が直接接触して押圧されることが回避され、棒状磁石2aの破損を防止することができ、円筒パイプ21内部の棒状磁石2a…が互いに密接保持された状態であってもカシメ圧着による抜け止め固定を行うことができると共に、挿着部222、232の外径を筒状スペーサ2bの外径よりも僅かに小径に形成することができ、筒状スペーサ2bを押圧する方向に応力を作用させつつ、膨出部221、231と対向する円筒パイプ21端部が離間する方向に変形応力を作用させて、反発する棒状磁石同士を密着させる方向に圧着力を作用させる均等なカシメ圧着が行え、一工程で作業が完了されシャフト2を製造することができ、抜け止め固定後に棒状磁石2a同士を密着させる別途作業を要することなく、作業工程の簡略化と作業時間の短縮を図ることができる。
しかも、円筒パイプ21の終端側は、始端側をスタートキャップ22の挿着部222に固着した状態で、終端凹溝23aの傾斜面23a2側に片寄り状にカシメ圧着させると、垂直面23a3側が円筒パイプ21の終端部側の逃げ空域となって、軸方向となる傾斜面23a2側に片寄り状の押圧力をもって、反発する筒状磁石2a、2a…同士を密着させる方向に圧着力を作用させて、密着精度を保持した状態で確りとカシメ固着することができる。
一方、カシメ圧着後のシャフト2としては、筒状スペーサ2bが介在された部分の円筒パイプ21の外周面域を、基台が備える支持部に取着するための支持端部として延出する支持部材として機能し、クランプ等の支持部に挟装して支持止めする際にパイプ変形などの発生を防止することができ、しかも、シャフト2の支持端部は、可動子の進退移動の推力を要しない非励磁領域となるため、筒状スペーサ2bの配設個数によって非励磁領域を可変設定することのできる部材としての機能をも併せ持ち、棒状磁石2aを削減してコスト低減が図られ、シャフト2を安価に製作することができる。
また、挿着部222、232は、筒状スペーサ2bの外径よりも僅かに小径に形成されているので、円筒パイプ21の外周面を始端凹溝22a内にカシメる際には、始端凹溝22aがその両側溝面が上方に拡開する左右の傾斜面22a2、22a2を有してカシメ幅と略同幅に形成されており、筒状スペーサ2bの挿着部222間における幅面域をカシメ部位を中心に押圧する方向に湾曲応力を作用させつつ、膨出部221と対向する円筒パイプ21の端部が離間する方向と、反発する棒状磁石2a同士を密着させる方向に、それぞれ変形応力を均等に作用させたカシメ圧着が行え、変形応力が棒状磁石2aに直接加わることがなく、左右対称状に形成された始端凹溝22aの傾斜面22a2、22a2に対して均等に精度良くカシメ圧着することができる。
また、円筒パイプ21の外周面を終端凹溝23a内にカシメる際には、終端凹溝23aがカシメ幅よりも広幅に形成されているので、カシメローラ52を傾斜面23a2側に片寄らせた位置で、底面23a1と傾斜面23a2に円弧状に圧着変形させてカシメ圧着させると、垂直面23a3側が円筒パイプ21の終端部側の逃げ空域23bとなって、軸方向となる傾斜面23a2側に片寄り状の押圧力をもってカシメることができ、円筒パイプ21の終端部側がエンドキャップ23により筒状磁石2aを押さえつける状態で絞り込み変形され、反発する筒状磁石2a同士を密着させる方向に圧着力を作用させて、密着精度を保持した状態で傾斜面23a2に対して確りとカシメ固着することができる。つまり、膨出部231と円筒パイプ21の端部が離間する方向への変形応力の作用を、挿着部232の外径が筒状スペーサ2bの外径よりも僅かに小径に形成されされていることに起因する作用と、逃げ空域23bが形成された終端凹溝23aの形状に起因する作用との共同作用により、始端側のカシメに比し、膨出部231と筒パイプ21の端部の離間幅がより大きくなって、反発する棒状磁石2a同士を更に密着させる方向に圧着力を作用させることができ、密着精度を保持した状態で傾斜面23a2に対して精度良く確りとカシメ圧着することができる。
また、膨出部221、231と筒状スペーサ2bとは、広幅で略同幅の長さをもって形成されているので、カシメローラ52により絞り込みによるカシメ加工をする際に、カシメローラ52による圧接荷重を、膨出部221、231と筒状スペーサ2bが配設された円筒パイプ21の外周面域とによって、支持ローラ51上でバランス良く分担支持受けされた状態で均等に受け止めて、ガタツキ等を生じることなく精度良くカシメ圧着することができる。
棒状磁石2aとして筒状磁石2a1を用い、スタートキャップ22の中心に、筒状磁石2a1をセットするためのスタッドボルト4に螺合可能なナット孔223を形成する一方、エンドキャップ23の中心に、シャフト2よりも長尺なスタッドボルトを挿通可能とするボルト挿通孔233を形成すると共に、スタッドボルト4には、その一端側にスタートキャップ22が螺合され、他端側からシャフト2内に収容すべき全個数の各筒状磁石2a1…を互いに磁極反発した離間状態で順次に挿入セット状態で、筒状磁石2a1…に外嵌される円筒パイプ21と、スタッドボルト4に挿入されるエンドキャップ23と、スタッドボルト4に螺合されるナット41とをそれぞれ配設せしめ、ナット41の締め付け操作で各筒状磁石2a1…同士を密着させて、円筒パイプ21の外周端部をスタートキャップ22とエンドキャップ23にそれぞれ固着することでシャフト2を形成し、該シャフト2は、エンドキャップ23側に突出するナット41とスタッドボルト4を取り外し可能に構成されている。
この様に構成すると、円筒パイプ21の内部に複数の筒状磁石2a1…を互いに磁極対向させて直列状に配設されたシャフト2でありながら、特殊な治具を必要とすることなく、円筒パイプ21内に収容すべき全個数分の筒状磁石2a1…を、長尺なスタッドボルト4に対して、予め互いに磁極反発した離間状態で、かつ円筒パイプ21の終端側から数個分が露出した状態で挿入セットできるようになり、このものにエンドキャップ23を挿入させて、ナット41を締め付け操作するだけの簡単な組付け作業によって、筒状磁石2a1…同士を確実に密着させ、その密着精度を保持した状態で円筒パイプ21内に収容することができるだけでなく、円筒パイプ21内へ磁極反発に抗して1つずつ押し込みセットする煩雑な作業が完全に解消され、円筒パイプ21の長さに追随して増加する棒状磁石2a…の配列個数とその磁極反発力の強さに何ら影響されることなく、スタッドボルト4を取り外した中心に中空軸孔を有するシャフト2を極めて容易に製作することが可能となり、作業時間の短縮と軽量化によるコスト低減が図られ、安価に製作することができる。
しかも、円筒パイプ21は、そのセット順位を、筒状磁石2a1を挿入する前工程でスタートキャップ22に予めセットし、または、筒状磁石2a1の挿入途中、或いは全個数挿入後にセットすることができ、これらの何れかを任意に選択して組付け作業を行うことが可能となるばかりか、予めスタートキャップ22にカシメ圧着した固定状態からも組付け作業を行うことができ、更には、要望に応じてナット孔223やボルト挿通孔233を利用して、専用孔を設けることなく、中空軸孔に別途軸芯材を螺装させたシャフト2として、或いは、孔塞ぎキャップを螺入することでシャフト2内部を密封状にしたものとしてバリエーション化を図ることができ、これらの選択的な提供を行うことができると共に、基台等が備える支持部に取着する際に、両端側から取付けネジを螺合して引っ張り力をもって締め付け固定することもできるので、シャフト2が長くなるに追随して、その自重で湾曲したり撓みを生じてしまうことなどの影響を軽減または防止することができる。
また、スタートキャップ22の挿着部222には、その両側溝面が上方に拡開する傾斜面22a2、22a2を有する始端凹溝22aが形成されており、終端凹溝23aは、カシメ幅よりも広幅に形成され、かつ、棒状磁石2a側となる片側溝面が上方に拡開する傾斜面23a2に形成されているので、左右対称状に形成された始端凹溝22aに対して、円筒パイプ21の始端側外周面が、両傾斜面22a2、22a2に均等に絞り込まれて圧着させることができる。一方、棒状磁石2a…が円筒パイプ21内に密着された状態で、円筒パイプ21の終端側外周面を、終端凹溝23aの傾斜面23a2に対して片寄り状にカシメ圧着させると、カシメ幅よりも広幅に形成された終端凹溝23aの垂直面23a3側が円筒パイプ21の終端部側の逃げ空域23bとなって、軸方向となる傾斜面23a2側に片寄り状の押圧力をもってカシメることができるので、円筒パイプ21の終端部側がエンドキャップ23により棒状磁石2aを押さえつける状態で絞り込み変形され、反発する棒状磁石2a同士を密着させる方向に圧着力を作用させて、スタッドボルト4を取り外した後においても、密着精度を保持した状態で傾斜面23a2に対して確りとカシメ固着することができる。
1 シャフト型リニアモータ
2 シャフト
2a 棒状磁石
2a1 筒状磁石
2a2 柱状磁石
2b 筒状スペーサ
21 円筒パイプ
22 スタートキャップ
221 膨出部
222 挿着部
22a 始端凹溝
22a1 底面
22a2 傾斜面
223 ナット孔
23 エンドキャップ
231 膨出部
232 挿着部
23a 終端凹溝
23a1 底面
23a2 傾斜面
23a3 垂直面
23b 空域
233 ボルト挿通孔
3 可動子
4 スタッドボルト
41 ナット
5 カシメ機
51 支持ローラ
52 カシメローラ

Claims (7)

  1. 非磁性材料からなる円筒パイプの内部に、複数の棒状磁石を互いに磁極対向させて直列状に内装配列し、円筒パイプの始端側と終端側のそれぞれに、スタートキャップとエンドキャップが取着され、基台の支持部に両端支持されるシャフトと、該シャフトにスライド自在に外嵌され、その内周部に備えるコイルの励磁によって直線的に駆動する可動子とによって構成されるリニアモータのシャフトであって、
    前記スタートキャップとエンドキャップには、それぞれ前記円筒パイプの外径と略同径の膨出部と該膨出部から面落ちして円筒パイプ内に挿入される挿着部とを設け、かつ、少なくともエンドキャップの挿着部には、その略中央面域の外周面に、対向する円筒パイプの外周端を溝内にカシメ圧着するための終端凹溝を形成せしめると共に、
    前記挿着部と隣設する前記棒状磁石との間に、それぞれ円筒パイプの内周面に略密接状に挿入可能な外径をもって形成された硬質の筒状スペーサを介在せしめることで、
    該筒状スペーサは、当該筒状スペーサが介在された円筒パイプの外周面域を補強する補強部材としての機能と、その配設個数によってパイプ端部領域の可動子への非励磁領域を形成する非励磁領域設定部材としての機能とを兼ね備えるよう配設せしめ
    前記終端凹溝を、カシメ幅よりも広幅に形成し、かつ、前記棒状磁石側となる片側溝面が上方に拡開する傾斜面を有して形成すると共に、前記円筒パイプの終端側は、前記円筒パイプの始端側をスタートキャップの挿着部に固着した状態で、前記終端凹溝に対してその棒状磁石側となる溝面に片寄り状にカシメ圧着させて一体的に固定してあることを特徴とするリニアモータのシャフト。
  2. 請求項1において、前記補強部材として機能する筒状スペーサは、円筒パイプの端部を前記挿着部にカシメ圧着する際に、前記膨出部との間で、カシメ機の支持ローラ上に均等に支持受けするための支持受け部としての機能と、前記シャフトをその端部を介して前記支持部に持設する際に、前記膨出部と共にシャフト端部を支持可能に面域延出する支持部としての機能とによって、パイプ端部を補強すべく配設されていることを特徴とするリニアモータのシャフト。
  3. 請求項1または2において、前記挿着部は、前記筒状スペーサの外径よりも僅かに小径に形成されていることを特徴とするリニアモータのシャフト。
  4. 請求項1乃至の何れかにおいて、前記膨出部と筒状スペーサとは、広幅で略同幅の長さをもって形成されていることを特徴とするリニアモータのシャフト。
  5. 請求項1乃至の何れかにおいて、前記スタートキャップの挿着部には、その両側溝面が上方に拡開する傾斜面を有してカシメ幅と略同幅の始端凹溝が形成されていることを特徴とするリニアモータのシャフト。
  6. 請求項1乃至の何れかにおいて、前記棒状磁石として筒状磁石を用い、前記スタートキャップの中心に、筒状磁石をセットするためのスタッドボルトに螺合可能なナット孔を形成する一方、前記エンドキャップの中心に、前記シャフトよりも長尺なスタッドボルトを挿通可能とするボルト挿通孔を形成すると共に、前記スタッドボルトには、その一端側に前記スタートキャップが螺合され、他端側からシャフト内に収容すべき全個数の前記各筒状磁石を互いに磁極反発した離間状態で順次に挿入セット状態で、筒状磁石に外嵌される前記円筒パイプと、スタッドボルトに挿入される前記エンドキャップと、スタッドボルトに螺合されるナットとをそれぞれ配設せしめ、前記ナットの締め付け操作で各筒状磁石同士を密着させて、前記円筒パイプの外周端部を前記スタートキャップとエンドキャップにそれぞれ固着することでシャフトを形成し、該シャフトは、前記エンドキャップ側に突出する前記ナットとスタッドボルトを取り外し可能に構成されていることを特徴とするリニアモータのシャフト。
  7. 非磁性材料からなる円筒パイプの内部に、複数の棒状磁石を互いに磁極対向させて直列状に内装配列し、円筒パイプの始端側と終端側のそれぞれに、スタートキャップとエンドキャップが取着されたシャフトと、該シャフトにスライド自在に外嵌され、その内周部に備えるコイルの励磁によって直線的に駆動する可動子とによって構成されるリニアモータのシャフトを製造する方法であって、
    円筒パイプ内の棒状磁石が互いに密接保持された状態で、円筒パイプの端部をエンドキャップにカシメ圧着により抜け止め固定するにあたり、
    前記スタートキャップとエンドキャップに、それぞれ前記円筒パイプの外径と略同径の膨出部と円筒パイプ内に挿入される挿着部とを設け、かつ、エンドキャップの挿着部の略中央面域の外周面に、対向する円筒パイプの外周端を溝内にカシメ圧着するための終端凹溝を形成せしめると共に、
    該終端凹溝は、カシメ幅よりも広幅に形成され、かつ、前記棒状磁石側となる片側溝面が上方に拡開する傾斜面を有して形成され、
    スタートキャップの挿着部に固定された円筒パイプ内に、該挿着部に隣接して、円筒パイプの内周面に略密接状に挿入可能な外径をもって形成された硬質の筒状スペーサを挿入しておき、所定数の棒状磁石とその終端に前記筒状スペーサを密接保持された状態で収容するよう、エンドキャップの挿着部を挿入し、
    当該挿入状態を維持したまま、前記膨出部と筒状スペーサの配置部位における円筒パイプとを、両者間に挿着部を配置させた状態でカシメ機の支持ローラ上に支持受けさせ、円筒パイプの終端側外周面を、その筒状磁石側となる前記終端凹溝の傾斜面に対してカシメ圧着させ、
    前記円筒パイプの終端側は、当該カシメ圧着に起因して、前記円筒パイプの始端側をスタートキャップの挿着部側に固着した状態で、前記終端凹溝の傾斜面に対してその棒状磁石側となる溝面に片寄り状に押接させて一体的に固定することでシャフトを製造することを特徴とするリニアモータのシャフト製造方法。
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