JP6651076B1 - 振動式粘度計 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力抗力を低減させて、測定誤差の発生を抑制した振動式粘度計を提供することを目的とする。【解決手段】一対の棒状の振動子と、振動子を揺動可能に支持する支点部と、振動子の軸線方向の一側に配置され、振動子を振動させる駆動部と、振動子における軸線方向の他側部分に設けられる振動板と、を備える振動式粘度計において、振動子3は、支点部4から振動板8までの長さが、支点部4から駆動部5までの長さより短くなるように、支点部4に支持され、振動板8は、支点部4から振動子3の他側端までの間の位置で振動子3と連結され、振動板8の主面83を振動方向に沿うように配置している。【選択図】図1

Description

本発明は、粘性流体の粘度を測定する振動式粘度計に関する。
試料の粘度を測定する装置として、振動式粘度計、回転式粘度計などの各種形式が挙げられる。従来の振動式粘度計の中には、粘度計本体の上方に配置した保持部を介して装置全体が吊り下げ支持されているものがある。例えば、「粘度計全体は保持部50を介して図示しない装置本体により吊り下げ支持されており、保持部50には板ばね51を介して支持部材52が取り付けられ、この支持部材52の先端には感応板53が形成されており、各支持部材52には感応板53を振動させるための電磁駆動部54が設けられ、この電磁駆動部54に発生する電磁力と板ばね51の弾性とにより感応板53は試料L中で振動する」振動式粘度計が挙げられる。例えば特許文献1の如くである。
特許文献1に記載の振動式粘度計では、感応板53の主面と試料Lの間には粘性による摩擦抗力が働き、当該摩擦抗力の大きさにより感応板53の振幅値が変化する。振動式粘度計は、感応板53の振幅値を一定にするように電磁駆動部54を制御する際の電流値に基づき試料の粘度を測定する。
特開2000−283907公報
しかしながら、上記従来の振動式粘度計においては、板ばねを支点部として支持部材が揺動され、支持部材において支点部から最も離間した位置に感応板が配置されている。この場合、感応板は、振動子の支点部から感応板までの長さが長くなるほど、振動子の撓みにより主面の振動方向に対する傾きが増大する。その結果として、感応板は、主面に対する圧力抗力が増大し、圧力抗力に起因した測定誤差が発生する問題があった。
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、圧力抗力を低減させて、測定誤差の発生を抑制した振動式粘度計を提供することを目的とする。
即ち、第一の発明は、一対の棒状の振動子と、前記振動子を揺動可能に支持する支点部と、
前記振動子の軸線方向の一側に配置され、前記振動子を振動させる駆動部と、前記振動子における軸線方向の他側部分に設けられる振動板と、を備える振動式粘度計において、前記振動子は、前記支点部から前記振動板までの長さが、前記支点部から前記駆動部までの長さより短くなるように、前記支点部に支持され、前記振動板は、前記支点部から前記振動子の他側端までの間の位置で前記振動子と連結され、前記振動板の主面を振動方向に沿うように配置した、振動式粘度計である。
第二の発明は、前記振動子における前記支点部から前記振動板までの前記振動方向の曲げに関する最小の断面2次モーメントは、前記振動板における前記振動方向の曲げに関する最大の断面2次モーメントより大きい、振動式粘度計である。
第三の発明は、前記支点部は、前記振動子に一体形成された弾性変形可能な板状部材であり、前記粘度計の筐体に固定されている、振動式粘度計である。
第四の発明は、前記振動子は、複数枚の前記振動板を振動方向視で振動子の軸線を対称線とする線対称に配置する、振動式粘度計である。
第五の発明は、前記振動板は、前記振動方向に突出する頂部を有する形状である、振動式粘度計である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第一の発明においては、振動子は、支点部から振動板までの長さが、支点部から駆動部までの長さより短くなるように、支点部に支持される。また、振動板は、支点部から振動子の他側端までの間の位置で振動子と連結される。さらに、振動板の主面は振動方向に沿うように配置される。これにより、振動式粘度計は、振動子の剛性を高めることで、振動子が捩れて振動板の主面が振動方向以外の方向に沿うことを抑制した。その結果として、測定誤差の要因となる圧力抗力を低減することができる。
第二の発明においては、振動板を支持する振動子の剛性を振動板よりも高めた。これにより、振動式粘度計は、振動子の振動方向の曲げに対する剛性を高めることで、振動子が捩れて振動板の主面が振動方向以外の方向に沿うことを抑制した。その結果として、測定誤差の要因となる圧力抗力を低減することができる。
第三の発明においては、振動子は、振動子と一体に形成された支点部によって支持されている。これにより、振動式粘度計は、支点部と振動子を一体に形成して支点部の剛性を高めることで、振動子の捩れを抑制した。その結果として、測定誤差の要因となる圧力抗力を低減することができる。
第四の発明においては、振動子は、複数枚の振動板が振動方向視で振動子の軸線を対称線とする線対称に配置されている。これにより、振動式粘度計は、振動子を中心として振動板が配置されているので、振動子に対する振動板のバランスが均等になり、振動子が捩れて振動板の主面が振動方向以外の方向に沿うことを抑制した。その結果、測定誤差の要因となる圧力抗力を低減することができる。
第五の発明においては、振動板は、振動方向に突出する頂部を有する形状である。これにより、振動式粘度計は、振動方向に対する振動板の圧力抗力が低減される。その結果、測定誤差の要因となる圧力抗力を低減することができる。
図1は、本発明の振動式粘度計の正面断面図を示す。 図2は、本発明の振動式粘度計の側面図を示す。 図3は、本発明の振動式粘度計の制御ブロック図を示す。 図4は、本発明の振動式粘度計の支点部が弾性変形している概略図を示す。(A)は、支点部が弾性変形する前の状態を示し、(B)は、支点部が弾性変形している状態を示す。 図5は、本発明の振動式粘度計と本発明以外の振動式粘度計において、支点部に対する振動子の配置態様の概略図を示す。(A)は、本発明以外の振動式粘度計において支点部が振動子の上方側に配置されている態様を示し、(B)は、本発明の振動式粘度計において支点部が振動子の下方側に配置されている態様を示す。 図6は、本発明の振動式粘度計と本発明以外の振動式粘度計において、振動板と試料とが圧力抗力と摩擦抗力が生じている概略図を示す。(A)は、本発明以外の振動式粘度計において振動板の主面が振動方向に沿わない場合の圧力抗力と摩擦抗力が生じている状態を示し、(B)は、本発明の振動式粘度計において振動板の主面が振動方向に沿う場合の圧力抗力と摩擦抗力が生じている状態を示す。 図7は、振動板の配置態様の相違に応じた圧力抗力の大きさに基づく振動板の傾きの有無の概略図を示す。(A)は、1つの振動子に対して、振動板を1枚取り付けたときの態様を示し、(B)は、1つの振動子に対して、振動子の軸線を対称線とする線対称に振動板を2枚取り付けたときの態様を示す。 図8は、振動板の端面が振動方向に突出する頂部を備えているか否かにより、圧力抗力の大きさが変わることを説明した概略図を示す。(A)は、振動板の端面が振動方向に突出する頂部を備えていない態様を示し、(B)と(C)は、振動板の端面が振動方向に突出する頂部を備えた態様を示す。
初めに、図1と図2を用いて、本発明に係る振動式粘度計の一実施形態である振動式粘度計1について説明する。なお、下記において上方側(特許請求の範囲における「振動子の軸線方向の一側」)とは、振動式粘度計1において振動子3の駆動部5側を意味し、下方側(特許請求の範囲における「振動子の軸線方向の他側」)とは、振動式粘度計1において振動板8側を意味する。また、「振動方向」とは、隣り合う振動子3の軸線に対して互いに略直交する方向をいう。
図1と図2に示すように、本発明の振動式粘度計1は、例えば、容器に貯溜される試料(液体、または液体と気体の混合物等)の粘度を測定する装置である。本実施形態における振動式粘度計1は、粘度計本体2と、一対の振動子3と、支点部4と、駆動部5と、変位センサー6と、制御部7と、振動板8とを備える。
振動式粘度計1の筐体である粘度計本体2は、ステンレス製の全体視円柱状であり、下方側に開口部を有している。粘度計本体2の内部には、一対の振動子3、支点部4、駆動部5、及び変位センサー6が収納されている。なお、粘度計本体2の形状は、円柱状に限定されず、直方体などでもよい。また、粘度計本体2の材質は、ステンレス等の金属製に限らず、合成樹脂製、セラミックス製、又はこれらの複合材でもよい。
振動子3は、振動板8を振動させる部材である。振動子3は、ステンレス製の全体視円柱状に形成されている。振動子3は、上方側振動子31と下方側振動子32とから構成されている。振動子3は、下方側振動子32の上方側先端と上方側振動子31の下方側先端との間に支点部4が配置されている。粘度計本体2の内部には、一対の振動子3として2本の振動子3が隣り合うようにして配置されている。一対の振動子3は、それぞれの軸線が平行になるように配置されている。
なお、振動子3の形状は、円柱状に限定されず、楕円形、断面視多角形状でもよい。また、振動子3の材質は、ステンレス等の金属製に限らず、合成樹脂製、セラミックス製、又はこれらの複合材でもよい。
支点部4は、一対の振動子3を揺動可能に支持する部材である。支点部4は、ステンレス製で円形の板状部材である。支点部4は、粘度計本体2の開口部と略同一の形状に形成されている。支点部4は、粘度計本体2の下方側の開口部を被覆するように、粘度計本体2に固定されている。支点部4における粘度計本体2の内側(上方側)の板面には、上方側振動子31の下方側端が連結されている。支点部4の粘度計本体2の外側(下方側)の板面には、下方側振動子32の上方側端が連結されている。すなわち、支点部4は、上方側振動子31と下方側振動子32とが一体に形成されている。支点部4は、一体に形成された上方側振動子31と下方側振動子32とを支持している。また、支点部4は、駆動部5で駆動される上方側振動子31の揺動動作が下方側振動子32に伝達されるように弾性変形可能に形成されている。支点部4は、例えば、1.5mm以上2.0mm以下の板厚に形成されている。支点部4は、一対の振動子3の軸線が互いに平行な中立位置になるように一対の振動子3に弾性力を作用させる。このように、支点部4は、粘度計本体2、上方側振動子31、及び下方側振動子32と其々一体形成されることで、振動子3の支点部4における剛性を向上させている。
なお、本実施形態の振動式粘度計1において、粘度計本体2の下方側の開口部は、支点部4によりすべて被覆されている必要はなく、一部開口しているものでもよい。また、本実施形態において、支点部4の材質は、ステンレス等の金属製であるが、合成樹脂製、又はこれらの複合材でもよい。
駆動部5は、一対の振動子3を電磁力により振動させるアクチュエータである。駆動部5は、ムービングマグネット方式を採用しており、電磁コイルと永久磁石であるフェライト磁石とから構成されている。電磁コイルは、粘度計本体2に設けられている。電磁コイルは、一対の振動子3の間に配置されている。フェライト磁石は、一対の振動子3の上方側端部にそれぞれ設けられている。駆動部5は、電磁コイルに対して制御部7からの電流が印加されることにより、電磁力が発生する。駆動部5は、電磁コイルの近傍に配置されているフェライト磁石が、電磁力によって電磁コイルに引きつけられることで、一対の振動子3の上方側端部を互いに近接させる方向に揺動させる駆動力(加振力を意味する。以下同様。)を発生させる。駆動部5は、駆動力によって、一対の振動子3の上方側端部が互いに近接した近接位置に振動子3を揺動させる。
変位センサー6は、振動子3の振幅値を検出するものである。変位センサー6は、粘度計本体2内部の上方側に配置されている。
制御部7は、振動式粘度計1を制御する装置である。制御部7は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御部7には、駆動部5に電流を供給するアンプが含まれている。制御部7には、駆動部5、変位センサー6等の動作を制御するために種々のプログラムやデータが格納されている。
制御部7は、駆動部5に接続され、駆動部5に電流を供給することができる。
制御部7は、変位センサー6に接続され、変位センサー6から振動子3の振幅値を取得することができる。
制御部7は、変位センサー6から取得した振幅値が目標振幅値になるように、駆動部5への電流を制御することができる。
振動板8は、試料の粘度を測定するために、試料との間に摩擦を生じさせるものである。振動板8は、L字形状に短寸部分81と長寸部分82を形成するように屈曲されている。振動板8の長寸部分82において、面積が最も大きい面である主面83(薄墨部分)とそれ以外の面である端面84は、其々平面状に形成されている。振動板8は、支点部4から下方側振動子32の先端までの間の任意の位置に、振動板8の短寸部分81が連結されている。振動板8の長寸部分82は、振動子3の軸線方向に沿うように下方側に延びている。振動板8は、一対の振動子3の軸線に対して互いに直交する方向に主面83が沿うように配置されている。
このように構成される振動式粘度計1は、支点部4に上方側振動子31と下方側振動子32とが其々一体形成されることで、振動子3の支点部4における剛性を向上させている。また、振動式粘度計1は、駆動部5で電磁力を発生さることで、一対の振動子3の上方側端部を互いに近接した近接位置に引き寄せる。また、振動式粘度計1は、駆動部5の電磁力を消失させることで、引き寄せられた一対の振動子3を支点部4の弾性力で一対の振動子3の軸線が互いに平行な中立位置に移動させる。これにより、振動式粘度計1は、振動子3の下方側端部に設けられている一対の振動板8を逆位相、且つ同一の振動数及び同一の振幅で振動させる。
図3と図4を用いて、本発明に係る振動式粘度計1の作動態様を説明する。図3に示すように、本実施形態の振動式粘度計1は、制御部7、駆動部5、及び変位センサー6に基づいて制御されている。
図4(A)に示すように、制御部7は、試料中に浸漬された振動板8が目標振幅値で振動するように、駆動部5に対して電流を供給する。駆動部5は、電磁コイルから発生した電磁力によって、振動子3に設けられたフェライト磁石を引き付ける。
図4(B)に示すように、駆動部5は、一対の振動子3を中立位置から近接位置に振動させる。次に、制御部7は、駆動部5に対して電流の供給を停止する。駆動部5は、振動子3に設けられたフェライト磁石を引き付ける力が消失する。これにより、一対の振動子3は、支点部4の弾性力によって中立位置に移動される。次に、制御部7は、再び、駆動部5に対して電流を供給する。以上の過程を繰り返すことで、振動式粘度計1は、一対の振動子3が逆位相、且つ同一の振動数及び同一の振幅で振動する。このとき、振動式粘度計1は、変位センサー6によって振動子3の実振幅値を検出する。制御部7は、変位センサー6が検出した実振幅値を取得する。
制御部7は、取得した実振幅値と目標振幅値を比較する。実振幅値が目標振幅値より小さい場合(目標振幅値>実振幅値)、制御部7は、振幅値を目標振幅値まで増大させるために駆動部5に対して供給する電流値を増加させる。
実振幅値が目標振幅値より大きい場合(実振幅値>目標振幅値)、制御部7は、振幅値を目標振幅値まで減少させるために駆動部5に供給する電流を減少させる。
制御部7は、変位センサー6が検出する実振幅値が、目標振幅値に収束するように駆動部5に供給する電流値の制御を行う。制御部7は、実振幅値と目標振幅値との差が所定の範囲内であるときの電流値から試料の粘度を算出する。
振動式粘度計1は、流体中で振動板8を振動させた際に、振動板8に作用する摩擦抗力F1に基づいて流体の粘度を測定する。この際、振動板8には、摩擦抗力F1に加えて、圧力抗力F2が作用する。「摩擦抗力F1」とは、流体中で振動する振動板8と流体との間に作用する摩擦による抵抗力である。つまり、振動板8の表面に作用するせん断応力による抵抗力である。摩擦抗力F1は、振動板8の振動を抑制する方向(振動方向の逆方向)に作用する。摩擦抗力F1は、流体の粘度が高いほど大きくなる。すなわち、摩擦抗力F1は、流体の粘度に応じて振動板8の振幅値を変動させる。
また、「圧力抗力F2」とは、振動板8の面(例えば端面84)に作用する圧力による抵抗力である。圧力抗力F2は、振動板8の振動を抑制する方向(振動方向の逆方向)に作用する。圧力抗力F2は、流体の密度及び振動板8の圧力が作用する表面の面積が大きいほど大きくなる。すなわち、圧力抗力F2は、流体の密度と圧力が作用する振動板8の面積に応じて振動板8の振幅値を変動させる。
振動式粘度計1は、流体である試料中で振動板8を目標振幅値で振動させる。振動板8の主面83には、振動板8の振動を抑制する方向に作用する摩擦抗力F1が生じる。振動板8の実振幅値は、摩擦抗力F1によって振動板8の目標振幅値よりも小さくなる。また、振動板8の端面84には、振動板8の振動を抑制する方向に作用する圧力抗力F2が生じている。振動板8の実振幅値は、圧力抗力F2によってさらに小さくなる。振動式粘度計1は、振動板8の実振幅値を目標振幅値にするため、駆動部5に供給する電流を増大させる。振動式粘度計1は、増大させた電流値から試料の粘度を算出する。このように、振動式粘度計1の測定値には、試料の粘度を間接的に表す摩擦抗力F1に基づく測定値と試料の粘度の測定に関係のない圧力抗力F2に基づく測定値とが含まれている。このため、振動式粘度計1は、粘度の測定誤差の要因となる圧力抗力F2を抑制するため、圧力抗力F2が生じやすい振動方向に沿わない(平行でない)面の面積を小さくする必要がある。
図5(A)に示すように、振動式粘度計1は、下方側振動子32と上方側振動子31との間に支点部4が配置されている。そして、振動子3は、支点部4から下方側振動子32と連結している振動板8までの長さ(M1)が、支点部4から駆動部5までの長さ(M2)より短くなるように、支点部4に支持されている。
振動式粘度計1は、振動子3が上方側端部で支持され、支点部4から振動板8までの長さ(M1)が、支点部4から駆動部5までの長さ(M2)より長い振動式粘度計(図5(B)参照)に比べて、振動板8を支持している下方側振動子32の剛性が高まる。
また、振動子3における支点部4から振動板8までの振動方向の曲げ変形、及び振動板8における振動方向の曲げ変形は、振動子3と振動板8の其々の断面2次モーメントに依存する。本実施形態の振動式粘度計1において、振動子3における支点部4から振動板8までの振動方向の曲げに関する最小の断面2次モーメントは、振動板8における振動方向の曲げに関する最大の断面2次モーメントより大きいように設定されている。このように構成することで、振動式粘度計1は、振動板8を支持している下方側振動子32が振動板8よりも高い剛性を有している。
このように、振動式粘度計1は、一対の振動子3を振動板8に近接した位置で支点部4によって支持するとともに、弾性変形を利用して一対の振動子3を支持することで、一対の振動子3の剛性が向上するので、振動板8の振動時に振動板8の主面83が振動方向以外の方向に傾いて振動することが抑制される。これにより、振動式粘度計1は、振動板8の主面83に圧力抗力F2が生じにくい。
図6(A)に示すように、振動板の主面が振動方向に沿っていない(平行でない)状態で白塗り矢印の方向に移動(振動)された場合、試料には、振動板の主面に沿って移動する流れと、振動板の端面及び振動方向に向いている振動板の主面に衝突する流れとが生じる。振動板の主面には、主面に沿って流れる試料による摩擦抗力F1が生じる。一方、振動板の端面と、振動方向に向いている振動板の主面には、衝突する試料による圧力抗力F2が生じる。この場合、測定される粘度には、端面と振動板において大きな割合を占める主面とに生じている圧力抗力F2に基づく測定誤差が含まれている。
図6(B)に示すように、本発明の振動式粘度計1では、一対の振動子3の剛性が向上されているので、振動板8の主面83が振動方向に沿った状態で白塗り矢印の方向に移動される。この場合、試料には、振動板8の主面83に沿って移動する流れと、振動板8の端面84に衝突する流れとが生じる。振動板8の主面83には、主面83に沿って流れる試料による摩擦抗力F1が生じる。一方、振動板8の端面84には、衝突する試料による圧力抗力F2が生じる。この場合、測定される粘度には、振動板8において小さな割合しか占めない端面84に生じている圧力抗力F2に基づく測定誤差のみが含まれるので振動板8の主面83が振動方向に沿っていない状態よりも測定誤差が抑制される。
なお、本実施形態の振動式粘度計1は、各振動子3に対して1枚ずつ設けられているが、下記に説明するように、1つの振動子3に対して2枚以上の振動板8を設けてもよい。
図7(A)に示すように、1つの振動子3に対して振動子3の軸線からオフセット量X1だけオフセットした位置に1枚の振動板8を設けている場合、振動子3には、オフセット量X1の位置の振動板8に加わる圧力抗力F2によって振動子3の軸線回りのモーメントが生じる。振動板8の主面83は、モーメントにより振動方向に沿わない状態で白塗り矢印の方向に移動される。これにより、振動板8には、端面84に加えて主面83に圧力抗力F2が生じる。
図7(B)に示すように、1つの振動子3に対して振動子3の軸線を挟んだ両側であって、オフセット量X2だけオフセットした位置に振動子3をそれぞれ設けた場合、振動子3には、振動板8に加わる圧力抗力F2によって振動子3の軸線を中心とする時計回りのモーメントと反時計回るのモーメントが生じる。2枚の振動板8は、振動方向視で1つの振動子3の軸線に対して線対称になるように配置されている。従って、振動子3に加わる時計回りのモーメントと反時計回るのモーメントは、回転方向が逆方向、且つ同じ大きさなで互いに打ち消しあう。振動板8の主面83は、振動方向に沿った状態で白塗り矢印の方向に移動される。これにより、振動板8は、主面83が振動方向に沿って振動するので、端面84のみに圧力抗力F2が生じる。このように、振動式粘度計1は、振動方向視で振動子3の軸線に対して振動板8のバランスが均等になるように線対称に配置することで、振動板8の主面83が振動方向以外の方向に沿うことが抑制されて、測定誤差の要因となる圧力抗力F2の発生が低減される。
なお、図8に示すように、振動板8の端面84は、平面状に限らず、振動方向に突出する頂部Tを有する形状、例えば、頂部を有する曲面状、傾斜面状、尖形状などの振動方向に対する振動板8の圧力抗力が低減される形状でもよい。
図8(A)に示すように、振動板8の端面84は、振動方向に突出する頂部を備えておらず、平面状になっている。平板状の端面84を有する振動板8が白塗り矢印の方向に移動(振動)された場合、試料には、振動板8の端面84に衝突する流れが生じる。端面84には、衝突する試料による圧力抗力F2が生じる。端面84は、試料の流れに対して全面が対向しているので、端面84の全面に試料が衝突することによる圧力抗力F2が生じている。
図8(B)と図8(C)における振動板8の端面84は、振動方向に突出する頂部Tを備えている。図8(B)に示すように、振動板8の端面84は、曲面状になっている。曲面状の端面84を有する振動板8が白塗り矢印の方向に移動(振動)された場合、端面84には、衝突する試料による圧力抗力F2が生じる。端面84は、試料の流れに対して端面84の曲率に応じた角度を持って対向しているので、端面84の曲率に応じた角度で試料が衝突する。すなわち、端面84には、衝突角度に応じた分力による圧力抗力F2が生じている。そのため、曲面状の端面84に生じる圧力抗力F2は、平面状の端面84に生じる圧力抗力F2よりも低減される。
図8(C)に示すように、振動板8の端面84は、傾斜面状になっている。傾斜面状の端面84を有する振動板8が白塗り矢印の方向に移動(振動)された場合、振動板8の端面84には、衝突する試料による圧力抗力F2が生じる。端面84は、試料の流れに対して端面84の傾斜角を持って対向しているので、端面84の傾斜角で試料が衝突する。すなわち、端面84には、衝突角度に応じた分力による圧力抗力F2が生じている。そのため、傾斜面状の端面84に生じる圧力抗力F2は、平面状の端面84に生じる圧力抗力F2よりも低減される。
以上より、振動板8の振幅値が一定の場合、摩擦抗力F1の大きさは、図8(A)の振動板8と図8(B)と図8(C)の振動板8では等しい。これに対して、圧力抗力F2の大きさは、図8(A)の振動板8の方が図8(B)と図8(C)の振動板8よりも大きい。このように、振動式粘度計1は、圧力抗力F2が生じる端面84に振動方向に突出する頂部Tを設けることで、端面84に生じる圧力抗力F2を抑制することができる。
なお、本実施形態の振動板8は、正面視L字形状、平面視矩形状に形成されているが、これに限定されることなく、平面視円形状でもよい。また、本実施形態の振動式粘度計1において、一対の振動子3、及び振動板8は共に測定時、試料中に浸漬されているが、振動板8のみの浸漬でもよい。
なお、本実施形態の振動式粘度計1において計測する試料の種類としては、例えば、水、食塩水、アルコール、一般溶剤などの「ニュートン流体」の他に、澱粉の水溶液、流砂、粘度スラリーなどのダイラタント流体、コロイド溶液、高分子溶液、エマルジョンなどの擬塑性流体、マーガリン、トマトケチャップ、卵白などのビンガム流体、半田ペースト、グリース、印刷インクなどのチクソトロピーを含めた「非ニュートン流体」が挙げられる。
上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 振動式粘度計
2 粘度計本体
3 振動子
4 支点部
5 駆動部
6 変位センサー
7 制御部
8 振動板

Claims (5)

  1. 一対の棒状の振動子と、
    前記振動子を揺動可能に支持する支点部と、
    前記振動子の軸線方向の一側に配置され、前記振動子を振動させる駆動部と、
    前記振動子における軸線方向の他側部分に設けられる振動板と、を備える振動式粘度計において、
    前記振動子は、前記支点部から前記振動板までの長さが、前記支点部から前記駆動部までの長さより短くなるように、前記支点部に支持され、
    前記振動板は、前記支点部から前記振動子の他側端までの間の位置で前記振動子と連結され、前記振動板の主面を振動方向に沿うように配置した、振動式粘度計。
  2. 前記振動子における前記支点部から前記振動板までの前記振動方向の曲げに関する最小の断面2次モーメントは、前記振動板における前記振動方向の曲げに関する最大の断面2次モーメントより大きい、請求項1に記載の振動式粘度計。
  3. 前記支点部は、前記振動子に一体形成された弾性変形可能な板状部材であり、前記粘度計の筐体に固定されている、請求項1又は2に記載の振動式粘度計。
  4. 前記振動子は、複数枚の前記振動板を振動方向視で振動子の軸線を対称線とする線対称に配置する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の振動式粘度計。
  5. 前記振動板は、前記振動方向に突出する頂部を有する形状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動式粘度計。
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