JP6917063B2 - 攪拌装置及び攪拌方法 - Google Patents

攪拌装置及び攪拌方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6917063B2
JP6917063B2 JP2017233651A JP2017233651A JP6917063B2 JP 6917063 B2 JP6917063 B2 JP 6917063B2 JP 2017233651 A JP2017233651 A JP 2017233651A JP 2017233651 A JP2017233651 A JP 2017233651A JP 6917063 B2 JP6917063 B2 JP 6917063B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displaced
actuator
length direction
stirring
hinge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017233651A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019103303A (ja
Inventor
慎 眞田
慎 眞田
道雄 戸巻
道雄 戸巻
敏明 菊地
敏明 菊地
Original Assignee
株式会社アクトラス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社アクトラス filed Critical 株式会社アクトラス
Priority to JP2017233651A priority Critical patent/JP6917063B2/ja
Publication of JP2019103303A publication Critical patent/JP2019103303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6917063B2 publication Critical patent/JP6917063B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)

Description

本発明は、被撹拌物を撹拌するための攪拌装置及び攪拌方法に関する。
特異性の高い抗体を用いてサンプル中の抗原(特定タンパク質)を検出する免疫染色が利用されている。免疫染色では、抗体による抗原の認識反応を可視化して、特定の物質のみを検出するために発色反応を組み合わせる。しかしながら、免疫染色では、組織の抽出、標本への固定、洗浄、ブロッキング、抗原抗体反応、発色液による発色等の一連の工程に時間を要するため、術中の迅速病理診断に不向きであった。
そこで、抗原抗体反応を促進させるために、抗体と抗原とを含む試料を撹拌する。この場合、回転する部材の回転力を利用して、試薬等を撹拌するボルテックスミキサーやマグネチックスターラーは、微少量液滴での撹拌は困難である。
そこで、微少液滴を撹拌する方法も検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された技術では、固有の表面張力波の周波数を持っている微少量の液滴を支持部の表面に置く。ピエゾ素子によって構成された振動部に交流電圧を印加して、周波数で液滴を振動させる。ここで、表面張力波の周波数と振動周波数とが近くなると、液滴に共振を発生させて撹拌することができる。
更に、免疫染色を術中迅速病理診断に適用するための技術も検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この文献に記載された技術では、試料載置側電極と対向電極との間に、組織標本に対して一次抗体を滴下した一次試料を試料室内に載置する。そして、対向電極が試料載置側電極よりもマイナスになるようにして変動電界を所定時間印加し、一次試料を非接触で撹拌する。非接触で撹拌された一次試料に対して標識でラベルした二次抗体を滴下した二次試料に、対向電極が試料載置側電極よりもマイナスになるように変動電界を印加して二次試料を非接触で撹拌する。
また、少量の被撹拌液を浅い収容部において撹拌する技術も検討されている(例えば、特許文献3を参照。)。この文献に記載された技術では、200μL以下の量の被撹拌液が収容され、1.5mm以下の深さを有する収容部を、電流の流れるコイルが磁界によって受ける力で上下方向に沿って振動するボイスコイルモータに接触させる。被振動部の共振周波数に基づき、予め設定された周波数範囲で変動させながら、ボイスコイルモータを振動させる。
また、微小な変位量を拡大する変位拡大装置も検討されている(例えば、特許文献4を参照。)。この文献に記載された変位拡大装置は、圧電素子と長さ方向寸法及び幅方向寸法が略同一に形成された長板状の板体から構成されている。板体の一端部側には圧電素子の固定端に支持される支点部が設けられ、板体の他端部側には圧電素子の自由端に支持される力点部が設けられる。そして、板体の上辺及び下辺の各中央部には作用点部が設けられる。従って、電圧印加に基づき圧電素子が伸長すると、板体内に形成されたハニカム状周期構造をなすリンク機構の働きにより、作用点部が圧電素子の長さ方向と直交する方向へ大きな変位拡大率でもって変位する。
特開2001−327846号公報 特開2012−13598号公報 特開2017−119243号公報 特開2005−94920号公報
しかしながら、微少量の溶液では重力下における反応から液滴の表面張力が支配的となり、液滴内部の撹拌が起こりにくいことが知られている。超音波による撹拌方法は、20〜40kHzの超音波を照射することによって分子の運動が促進されて撹拌効果が認められるが、キャビテーションによる液温の上昇が起こり、被撹拌物の温度変化が生じる。また、超音波によって生じるキャビテーションにより、被撹拌物の飛散や被撹拌物への損傷が生じる場合もある。また、共振周波数を利用する場合、撹拌に適した振動数とならない場合もある。
上記課題を解決するための振動装置は、振動条件により長さ方向へ伸縮するアクチュエータと、前記アクチュエータが固定支持される支点部と、前記アクチュエータの自由端と共に変位可能とされる力点部と、前記アクチュエータの自由端が長さ方向において変位する変位量よりも大きな変位量で前記長さ方向に対して直交する方向へ変位する作用点部と、前記作用点部、前記力点部及び前記支点部の各近傍にそれぞれ配置される複数のヒンジ部と、前記各ヒンジ部の間を剛体態様で連結するリンク部とを備える。そして、前記アクチュエータの自由端と共に前記力点部を前記振動条件で変位させ、前記各ヒンジ部と前記リンク部とにより形成される低次対偶のリンク機構の動きに基づき前記作用点部に接触させた被撹拌物を振動させる。
本発明によれば、被撹拌物を効率的に撹拌することができる。
本実施形態の振動装置の斜視図。 本実施形態の変位拡大装置の説明図。 本実施形態の変位拡大装置の作用の説明図であって、(a)はリンク機構、(b)はリンク機構の変位態様、(c)は変位拡大装置の変形の説明図。 本実施形態の撹拌時の説明図。 本実施形態の電圧供給の説明図であって、(a)は機能ブロック、(b)は供給する交流電圧の説明図。 他の実施形態の撹拌処理の説明図であって、(a)は粉末の比重が軽い場合の第1の態様、(b)は第1の態様における交流電圧、(c)は粉末の比重が重い場合の第2の態様、(d)は第2の態様における交流電圧、(e)は周波数を変更した場合の交流電圧、(f)は撹拌状態に応じた振動条件を用いる制御装置の説明図。 他の実施形態の変位拡大装置の説明図であって、(a)は複数段の変位拡大装置、(b)は複数段の変位拡大装置の変位態様、(c)は平面方向、上下方向に複数配置した変位拡大装置の説明図。
図1〜図5に従って、本実施形態の振動装置及び振動方法を説明する。ここでは、粉末を溶液中に分散させるための撹拌を行なう。
図1に示すように、本実施形態では、振動装置10上に載置して固定されたスライドガラス40を用いて、このスライドガラス40上の溶液を撹拌する。この溶液は、スライドガラス40の上面に突設されたガイド41に収納される。
振動装置10には、所定長さの積層型の圧電素子11(アクチュエータ)が装備されており、圧電素子11の長さ方向の両端面には、超硬アルミ合金からなる略直方体形状をなす一対の連結ブロック12が接合されている。各連結ブロック12の両側面には、半円柱状をなす凸部12aが突設されている。そして、この凸部12aを介して所定長さの変位拡大装置13が圧電素子11の長さ方向に沿うように組み付けられている。
圧電素子11は、所定数のピエゾ素子(例えば圧電セラミック等)を長さ方向に積層したものであり、電極からの電圧の印加に基づき、長さ方向に伸長する。
変位拡大装置13は、可撓性を有する材料(例えばチタン合金等)からなる長板状の板体13aで構成されており、その幅方向寸法及び長さ方向寸法は、圧電素子11と略同一(具体的には、長さ方向寸法のみ連結ブロック12の分だけ長い)に形成されている。
本実施形態では、図1に示すように、変位拡大装置13の下側が机上等に設置される。圧電素子11の両側の連結ブロック12は固定されておらず(自由端)、圧電素子11は、電圧の印加時において移動(変位)自在となっている。
図2に示すように、この板体13aには、略アレイ形状の孔部14が形成されている。孔部14は、一対の円孔14aと長孔14bとからなる。各円孔14aは、板体13aの両端側(図2において左右端側)の各位置に配置される。また、長孔14bは、前記板体13aの長さ方向に沿うように形成され、両円孔14a間を繋ぐ。なお、各円孔14aは、その直径が連結ブロック12の半円柱状の凸部12aを平面視した場合の弦の長さと同一寸法に形成されている。そして、これら各円孔14aに凸部12aが嵌合係止される。また、板体13aの長さ方向に沿う両側部(図2において上辺及び下辺)の略中央寄り部分には、長さ方向において対応する上下各位置に、二対の半円状の切欠部14cが形成されている。なお、この切欠部14cの直径は、円孔14aの直径と同等の長さである。
(変位拡大装置13の力学的構造)
次に、図3を用いて、変位拡大装置13の力学的構造について説明する。
板体13aにおいて、複数(本実施形態では8つ)のヒンジ部15a〜15hが設けられる。各ヒンジ部は、各円孔14a及び切欠部14cの中心をそれぞれ通って、板体13aの長さ方向と直交する方向へ延びる各直線上の位置に存在する。各ヒンジ部15a〜15hは、板体13aに対して長さ方向に作用する力が加わった際に、板体13aの所定部位を変位させて、板体13aを変形させるための弾性ヒンジとして機能する部位となる。
また、図3(a)に示すように、板体13aの長さ方向において互いに隣り合うヒンジ部15a〜15h同士は、剛体態様で機能するリンク機構16によって連結されている。このリンク機構16は、リンク部16a〜16hにより構成される。具体的には、リンク部16aはヒンジ部15a及びヒンジ部15b、リンク部16bはヒンジ部15b及びヒンジ部15c、リンク部16cはヒンジ部15c及びヒンジ部15d、リンク部16dはヒンジ部15dと及びヒンジ部15eを連結する。また、リンク部16eはヒンジ部15e及びヒンジ部15f、リンク部16fはヒンジ部15f及びヒンジ部15g、リンク部16gはヒンジ部15g及びヒンジ部15h、リンク部16hはヒンジ部15h及びヒンジ部15aを連結する。ここで、ヒンジ部15e,15f間の水平方向(板体13aの長さ方向)の長さを「L1」、鉛直(板体13aの長さ方向と直交方向)の長さを「L2」とする。
リンク機構16を構成する各ヒンジ部15a〜15h及び各リンク部16a〜16hは、板体13aに対して長さ方向に作用力が加わった場合、板体13aの所定部位を紙面と直交する方向には変位させることなく、紙面と平行な方向に変位させるように機能する。なお、ハニカム状周期構造は、一般には正六角形セル又は正四角形セルからなる蜂の巣状構造を意味するが、本実施形態では、例示したリンク機構16のような周期構造を有する多角形セル構造のものを意味する。
板体13a内に、低次対偶のハニカム状周期構造をなすリンク機構16が形成されたことにより、板体13aには、支点部17、力点部18及び作用点部19が設けられることになる。板体13aの下辺は接地され、支点部17が設けられる。圧電素子11の連結ブロック12を介して支持される左右端側は、共に変位可能とされる力点部18が設けられる。
圧電素子11に電圧が印加された場合、圧電素子11が伸長して長さ方向へ変位すると、板体13aの力点部18に向けて作用力が加わる。そのため、板体13aにおいては、力学的に、各ヒンジ部15a〜15hに、それぞれ予め決められた方向に作用力が働き、各方向に各ヒンジ部15a〜15hが変位することになる。その結果、板体13aの上辺側では2つの切欠部14cと位置が対応する2つのヒンジ部15f,15gの近傍部位(両ヒンジ部15f,15gの略中間となる部位)が作用点部19となる。そして、作用点部19が、板体13aの長さ方向に対して直交する方向(上方向)へ変位する。同様に、板体13aの下辺側では、2つの切欠部14cと位置対応する2つのヒンジ部15b,15cの近傍部位(両ヒンジ部15b,15cの略中間となる部位)が支点部17となり、支点部17が、板体13aを方向(上方向)へ持ち上げる。
低次対偶のリンク機構16は、力点部18間を結ぶ直線を基準とした場合に線対称となるように構成されている。そして、各ヒンジ部15a〜15h間を連結する各リンク部16a〜16hは、リンク機構16に作用力が加わった場合に剛体態様で機能する。従って、水平方向へ力点部18が変位すると、この力点部18を囲むように位置する剛体態様のリンク部16d,16hが水平方向へ変位する。そして、このリンク部16d,16hの変位に追随するように、上辺側及び下辺側に位置する各ヒンジ部15a〜15h及び残りの各リンク部16a〜16c,リンク部16e〜16gが上辺側及び下辺側において同一の変位態様となるように変位する。
図3(b)に示すように、板体13aの上辺側においては、力点部18と共にリンク部16dが水平方向へ変位した場合、リンク部16dに連結されたヒンジ部15eは変位量uだけ水平方向に変位する。この場合、このヒンジ部15eにリンク部16eを介して連結されたヒンジ部15fは、リンク部16eが剛体態様の連結要素として機能し、両ヒンジ部15e,15f間の距離(長さ)を変化させないため、変位量vだけ鉛直方向に変位する。なお、この場合において、長さ方向の変位量uと幅(高さ)方向の変位量vとの比率(変位拡大率)は、v/u=cotθ1の式で表される。
そして、各リンク部16a〜16hが剛体態様で機能するため、リンク部が伸びた場合に発生する変位拡大率は頭打ちしない。リンク部16gが水平方向に対してなす角度(リンク機構16の特性角θ1)を小さな鋭角(例えば7度程度等)に設定した場合、変位拡大率を増大することが可能となる。また、両変位量u,vにより表される板体13aにおける長さ方向と幅(高さ)方向の単位長さ当りの変位(ひずみ)の関係を示すポアソン比は、アクチュエーション方向となる幅(高さ)方向において幅狭になる縮み変位でなく幅広になる伸び変位となるため負の値となり、リンク機構16は負のポアソン比を有することになる。
その結果、図3(c)に示すように、このような負のポアソン比を有するリンク機構16の下辺部においても、同様の変位が生じるが、支点部17は接地されているため、板体13aを方向(上方向)へ持ち上げる。
このように、各ヒンジ部15a〜15hは、圧電素子11が長さ方向に沿う方向に変位した際に、圧電素子11の長さ方向へ変位する第1ヒンジ部と、圧電素子11の長さ方向と直交する方向へ変位する第2ヒンジ部に分類される。具体的には、各ヒンジ部15a,15d,15e,15hが圧電素子11の長さ方向へ変位する第1ヒンジ部として機能し、各ヒンジ部15b,15c,15f,15gが圧電素子11の長さ方向と直交する方向へ変位する第2ヒンジ部として機能する。そして、第2ヒンジ部となる各ヒンジ部15f,15gが作用点部19の近傍に配置される。
(リンク機構16の作用)
ここで、長さ方向寸法が50mm(≒L1×2)であって、高さ方向寸法が14mm(≒L2×2)の板体13aを備えた変位拡大装置13を用いる場合を想定する。この圧電素子11に対して150Vの電圧を印加した場合、リンク機構16による低次対偶でのリンク動作に基づき作用点部19が400μmという解析結果を得た。従って、高さ方向の14mmを単位高さとすると、その単位高さ当りの伸び(変位)は400μm/14mm≒3%となる。
(撹拌処理)
図4に示すように、スライドガラス40のガイド41に、溶液M1を滴下する。この場合、粉末M2を混入させておく。このスライドガラス40を、振動装置10上に載置して固定することにより、作用点部に被撹拌物を接触させる。なお、スライドガラス40が作用点部と連動すれば、固定方法は限定されるものではない。
そして、図5(a)に示すように、制御装置50から圧電素子11に交流電圧を供給する。ここでは、図5(b)に示すように、0〜120V間で振動する正弦波を供給する。この電圧は、撹拌状況によって、適宜選択する。この場合、上述したリンク機構16により、上下振動生じ、粉末M2が溶液M1内に撹拌される。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、電圧印加に基づき圧電素子11が長さ方向へ伸長した場合、変位拡大装置13は作用点部19が低次対偶のリンク機構16の動きにより圧電素子11の長さ方向に対して直交する方向(アクチュエーション方向)に大きく変位する。これにより、省スペース化を図りながら、上下方向に、比較的大きな振幅の振動を得ることができる。従って、振動装置10を平面に平置きした場合にも、圧電素子11の長さ方向の伸縮を上下方向の振動に変換して、安定して撹拌を行なうことができる。
(2)本実施形態では、変位拡大装置13において剛体態様のリンク機構16により、ヒンジ部15b,15c,15f,15gの変位を、作用点部19のアクチュエーション方向(上下方向)の変位に反映させることができる。
(3)本実施形態では、リンク機構16はハニカム状周期構造を有しているため、板体13aの長さ方向に沿う両側部(上辺側及び下辺側)において各ヒンジ部15a〜15h及び各リンク部16a〜16hが同一の変位態様にて変位する。これにより、安定した変位拡大機能により撹拌を行なうことができる。
(4)本実施形態では、変位拡大装置13を、可撓性材料からなる長板状の板体13aに一対の円孔14aと、両円孔14a間を繋ぐ長孔14bとからなる孔部14、及び複数の切欠部14cにより構成する。これにより、比較的簡易な構成で振動装置を実現することができる。
(5)本実施形態では、リンク機構16は、負のポアソン比を有するハニカム状周期構造で構成される。これにより、圧電素子11の伸長時に力点部18に加わる作用力を、上下振動に有効利用することができる。
(6)本実施形態では、上下振動により溶液を撹拌する。超音波振動を利用した撹拌と異なり、溶液の飛散を抑制することができる。また、機械的な振動により撹拌するため、溶液に対する影響(例えば、温度変化)を低減することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、粉末を溶液中に分散させるための撹拌を行なう。撹拌の用途は、これに限定されるものではない。例えば、試料中の抗原に対して結合する抗体を含む試薬溶液を使用する免疫染色を行なう場合にも適用できる。この場合、分子量の大きな抗体分子を試料中の抗原の場所まで移動させるために撹拌を行なう。分子量の大きな抗体分子の拡散では、十分な染色を行うためには必然的に時間がかかり、一定の環境条件(温度、湿度)の維持が困難であるが、振動装置10を用いることにより、迅速に染色を行なうことができる。
・上記実施形態では、制御装置50から圧電素子11に正弦波の交流電圧を供給する。圧電素子11を伸縮できる電圧であれば、これに限定されるものではない。例えば、溶液M1と粉末M2との比重に応じて、交流電源の波形を変えてもよい。
図6(a)に示すように、粉末M2の比重が溶液M1の比重より大きく、粉末M2が浮遊する場合には、例えば、図6(b)に示す波形(立上がりに比べて立下りの急峻な鋸波)を用いる。
図6(c)に示すように、粉末M2の比重が溶液M1の比重より小さく、粉末M2が沈殿する場合には、例えば、図6(d)に示す波形(立下りに比べて立上がりの急峻な鋸波)を用いる。
また、図6(e)のように、交流電圧の周波数を変更してもよい。特定の周波数で撹拌できない場合にも、他の周波数で撹拌を行なうことができる。
・上記実施形態では、制御装置50から圧電素子11に0〜120Vの正弦波の交流電圧を供給する。この場合、撹拌状態を確認しながら、圧電素子11に供給する交流電圧を変更してもよい。
この場合、図6(f)に示すように、センサ60を制御装置50に接続する。そして、センサ60を用いて、試料の撹拌状態を確認する。例えば、センサ60として、受光器を用いて、制御装置50は、溶液M1の透過率を算出する。また、センサ60として撮像装置を用い、画像により撹拌状態を確認するようにしてもよい。そして、制御装置50は、交流電圧の電圧、周波数、波形の少なくとも何れか一つを変更して、透過率の変化に応じた撹拌状態を検出する。この場合、センサ60で撹拌状態を検知しながら、撹拌に適した(状態変化が大きい)電圧、周波数、波形を用いるようにしてもよい。そして、制御装置50は、撹拌状態に基づいて撹拌状態の完了を検出した場合、交流電圧の供給を停止する。
・上記実施形態では、変位拡大装置13を、板体13aに一対の円孔14aと、両円孔14a間を繋ぐ長孔14bとからなる孔部14、及び複数の切欠部14cにより構成する。ここで、複数の変位拡大装置13を連結させて一体化した構成を用いてもよい。例えば、板体13aの長さ方向と直交する方向(上段、下段)に変位拡大装置13を配置する。
この場合、図7(a)に示すように、上段の板体13aの支点部17を、下段の板体13aの作用点部19が互いに接合される態様に連結して一体化されている。そして、最上段の板体13aの作用点部19に、スライドガラス40等の容器を載置して固定する。
この場合、上下方向に配置されたすべての変位拡大装置13の圧電素子11には、同じ位相の交流電圧を供給する。これにより、図7(b)に示すように、段数に応じた上下方向の変位(振幅)を得ることができる。
・上記実施形態では、板体13aに一つの作用点部19を設けたが、作用点部19の数は一つに限定されるものではない。例えば、同じ形態の複数の変位拡大装置13を、平面上に配置するようにしてもよい。
例えば、図7(c)に示すように、平面方向、上下方向に複数の変位拡大装置13を連結させて一体化したものを用いることも可能である。この場合、平面方向に並べられた変位拡大装置13の力点部18同士が互いに接合される態様で連結する。連結された上段の板体13aの支点部17を、下段の板体13aの作用点部19が互いに接合される連結態様に連結して一体化されている。そして、最上段の板体13aの作用点部19に、スライドガラス40等の容器を載置して固定する。
この場合、平面方向、上下方向に配置されたすべての変位拡大装置13の圧電素子11には、同じ位相の交流電圧を供給する。これにより、段数に応じた上下方向の変位(振幅)を得るとともに、広い面積での撹拌を行なうことができる。
・上記実施形態では、変位拡大装置13の板体13aにおいて、長さ方向に沿う両側部(上辺及び下辺)に二対の半円状の切欠部14cを形成する。切欠部の形状は半円状でなく、例えば三角形状の切欠部でもよい。
・上記実施形態では、変位拡大装置13の板体13aにおいて、長孔14bと共に孔部14を画定する円孔14aが形成されているが、この円孔14aは円形以外の形状でもよい。例えば、楕円形状、四角形状等の孔で円孔14aの代わりとしてもよい。
・上記実施形態では、変位拡大装置13において、可撓性を有する板体13aに複数の円孔14a等を形成する。リンク機構の構成はこれに限定されるものではない。回動自在な複数のヒンジ部(例えば軸受等)と各ヒンジ部を連結する複数の剛体態様のリンク棒(リンク部)で構成してもよい。即ち、この変位拡大装置13は、第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部の間が剛体態様のリンク部(棒)によりハニカム状周期構造をなすように連結する。
10…振動装置、11…圧電素子、12…連結ブロック、12a…凸部、13…変位拡大装置、13a…板体、14a…円孔、14b…長孔、15a〜15h…ヒンジ部、16…リンク機構、16a〜16h…リンク部、17…支点部、18…力点部、19…作用点部、40…スライドガラス、41…ガイド、50…制御装置、M2…粉末、M1…溶液。

Claims (5)

  1. 振動条件により長さ方向へ伸縮するアクチュエータと、
    前記アクチュエータが固定支持される支点部と、
    前記アクチュエータの自由端と共に変位可能とされる力点部と、
    前記アクチュエータの自由端が長さ方向において変位する変位量よりも大きな変位量で前記長さ方向に対して直交する方向へ変位する作用点部と、
    前記作用点部、前記力点部及び前記支点部の各近傍にそれぞれ配置される複数のヒンジ部と、前記各ヒンジ部の間を剛体態様で連結するリンク部とを備え、
    前記アクチュエータの自由端と共に前記力点部を前記振動条件で変位させ、
    前記各ヒンジ部と前記リンク部とにより形成される低次対偶のリンク機構の動きに基づき前記作用点部に接触させた被撹拌物を振動させることを特徴とする振動装置と、
    当該振動装置上に載置して固定され、上面に突設され滴下された溶液を収納するガイドが設けられたスライドガラスとを備え、当該スライドガラス上の溶液を撹拌する攪拌装置。
  2. 前記各ヒンジ部は、前記力点部の変位時において、前記アクチュエータの長さ方向へ変位する第1ヒンジ部と、前記アクチュエータの長さ方向に対して直交する方向へ変位する第2ヒンジ部とを含んで構成され、前記第2ヒンジ部を前記作用点部の近傍に配置したことを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
  3. 振動条件により長さ方向へ伸縮するアクチュエータと、
    前記アクチュエータが固定支持される支点部と、
    前記アクチュエータの自由端と共に変位可能とされる力点部と、
    前記アクチュエータの自由端が長さ方向において変位する変位量よりも大きな変位量で前記長さ方向に対して直交する方向へ変位する作用点部と、
    前記作用点部、前記力点部及び前記支点部の各近傍にそれぞれ配置される複数のヒンジ部と、前記各ヒンジ部の間を剛体態様で連結するリンク部とを備えた振動装置と、当該振動装置上に載置して固定され、上面に突設され滴下された溶液を収納するガイドが設けられたスライドガラスとを備え、当該スライドガラス上の溶液を撹拌する攪拌装置を用いた攪拌方法であって、
    前記作用点部に被撹拌物を接触させ、
    前記アクチュエータの自由端と共に前記力点部を振動条件で変位させ、
    前記各ヒンジ部と前記リンク部とにより形成される低次対偶のリンク機構の動きに基づき前記作用点部に接触させた被撹拌物を振動させることを特徴とする攪拌方法。
  4. 前記被撹拌物の比重に応じて、前記振動条件を変更することを特徴とする請求項3に記載の攪拌方法。
  5. 前記被撹拌物の撹拌状況を検出し、前記撹拌状況に応じて、前記振動条件を変更することを特徴とする請求項3又は4に記載の攪拌方法。
JP2017233651A 2017-12-05 2017-12-05 攪拌装置及び攪拌方法 Active JP6917063B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233651A JP6917063B2 (ja) 2017-12-05 2017-12-05 攪拌装置及び攪拌方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233651A JP6917063B2 (ja) 2017-12-05 2017-12-05 攪拌装置及び攪拌方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019103303A JP2019103303A (ja) 2019-06-24
JP6917063B2 true JP6917063B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=66974417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233651A Active JP6917063B2 (ja) 2017-12-05 2017-12-05 攪拌装置及び攪拌方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6917063B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7020694B2 (ja) * 2019-08-30 2022-02-16 株式会社アクトラス 攪拌方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4339059B2 (ja) * 2003-09-17 2009-10-07 幹夫 村岡 変位拡大装置
CN105709311A (zh) * 2016-01-18 2016-06-29 华南农业大学 一种基于压电转换的无针注射器及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019103303A (ja) 2019-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Viefhues et al. DNA dielectrophoresis: Theory and applications a review
Leibacher et al. Acoustophoretic cell and particle trapping on microfluidic sharp edges
Park et al. Particle trapping in high-conductivity media with electrothermally enhanced negative dielectrophoresis
US7108137B2 (en) Method and apparatus for separating particles by size
Hart et al. Enhancement of heterogeneous immunoassays using AC electroosmosis
JPH04363665A (ja) 撹拌子
JP4015021B2 (ja) 少量の液体を操作する方法及び装置
JP2013156258A (ja) 撹拌装置及び自動分析装置
US20090322260A1 (en) Electrostatic microactuator
US11298701B2 (en) Microtiter plate mixing control system
JP6917063B2 (ja) 攪拌装置及び攪拌方法
US20140216935A1 (en) Dielectrophoretic Tweezers as a Platform for Molecular Force Spectroscopy in a Highly Parallel Format
Silva et al. Nematic director reorientation at solid and liquid interfaces under flow: SAXS studies in a microfluidic device
US20090288479A1 (en) Standing wave fluidic and biological tools
Sahore et al. Flat flow profiles achieved with microfluidics generated by redox-magnetohydrodynamics
WO2006027602A1 (en) Liquid mixing/reactor device and method
Endo et al. Spherical spontaneous capillary-wave resonance on optically trapped aerosol droplet
Hu et al. Fluid flow and mixing induced by AC continuous electrowetting of liquid metal droplet
van Noort et al. Mapping electrostatic forces using higher harmonics tapping mode atomic force microscopy in liquid
Dey et al. Dynamics of electrically modulated colloidal droplet transport
Wang et al. Manipulation of a nonconductive droplet in an aqueous fluid with AC electric fields: droplet dewetting, oscillation, and detachment
JP2016109636A (ja) 電界撹拌装置、抗原抗体反応装置、抗原抗体反応方法
JP5839526B1 (ja) 微小液滴を形成する反応デバイス及びこれを用いた電界撹拌方法
WO2019074080A1 (ja) 液滴移動装置及び液滴の移動方法
Tang et al. Contactless discharge-driven droplet motion on a nonslippery polymer surface

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6917063

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150