JP4339059B2 - 変位拡大装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば積層圧電アクチュエータ等の微小変位アクチュエータを備えた微小変位装置における微小な変位量を拡大する変位拡大装置に関する。
従来、走査型プローブ顕微鏡のスキャナや電子顕微鏡内ステージ等のように微小範囲内で例えばnmオーダの精密な位置決め制御がなされる移動体を移動させる手段には、電圧印加に基づき所定方向へ微小変位する微小変位アクチュエータ(例えばピエゾ素子等の積層圧電アクチュエータ)を備えた微小変位装置が用いられている。しかし、この場合において微小変位アクチュエータ自体の長さ方向(積層方向)への変位量は、積層方向長さ10mmの積層圧電アクチュエータの場合で僅か10μmという積層方向長さに対して高々0.1%程度の変位量しか得られない。一方、前記スキャナやステージ等では100μm以上の移動量(変位量)が必要とされる場合もある。そのため、かかる場合には、前記積層圧電アクチュエータ(微小変位アクチュエータ)の積層方向長さを大きく(長く)することで比例的に前記変位量を増大できるものの、その一方で、前記微小変位アクチュエータが長くなる分だけ、省スペース化の要請には対応できないことになる。そこで、このような微小変位装置には、通常、微小変位アクチュエータ(積層圧電アクチュエータ)の長さを大きくすることなく、実用的な変位量を得るために、例えば特許文献1に記載されるような変位拡大装置が付設されている。
さて、特許文献1には、梃子式(レバー式)変位拡大装置の一例が開示されており、当該変位拡大装置は、積層圧電アクチュエータ(微小変位アクチュエータ)の変位(伸長)方向に延出された一対の脚部の先端にヒンジ部(支点)を介して設けられた一対のレバー状変位体を有している。両変位体には、これら両変位体を前記両ヒンジ部の中間で連結する変位受け部(力点)が設けられており、当該変位受け部が前記積層圧電アクチュエータの変位(伸長)方向の先端面に当接係合されている。そして、積層圧電アクチュエータが電圧印加に基づき変位(伸長)した場合には、前記変位受け部(力点)が押圧されることにより、レバー状をなす両変位体の各先端部(作用点)が前記各ヒンジ部を支点として積層圧電アクチュエータの変位(伸長)方向に対しほぼ直交し且つ互いに逆向きとなる方向へ移動(変位)するようになっている。従って、この特許文献1の変位拡大装置によれば、積層圧電アクチュエータが変位(伸長)した際における両変位体の先端部(作用点)の変位量(移動量)が、前記積層圧電アクチュエータ自体の変位量(伸長量)よりも大きなものとなるため、微小変位装置から得られる(出力される)変位量を拡大できるとしている。
ところが、特許文献1の変位拡大装置では、積層圧電アクチュエータの変位量(伸長量)との対比において前記変位体の先端部(作用点)の変位量(移動量)の変位拡大率を大きくしようとする場合、レバー状をなす変位体の長さを大きく(長く)する必要があった。そのため、積層圧電アクチュエータ(微小変位アクチュエータ)自体の長さは大きくならなくても、当該積層圧電アクチュエータの積層方向へレバー状をなして延びる変位体の長さが大きくなるため、やはり省スペース化の要請には対応できないという問題があった。そこで、近時においては、このような省スペース化の要請にも対応するべく、例えば特許文献2に記載されるような変位拡大装置が新たに提案されている。
この特許文献2の変位拡大装置は、積層圧電アクチュエータ(微小変位アクチュエータ)の長さ方向(積層方向)に沿うように当該積層圧電アクチュエータにおける全長以上の長さを有する弾性部材を備えた構成とされている。即ち、この弾性部材は、当該弾性部材の両端部を前記積層圧電アクチュエータにおける積層方向の両端部に連結固定されており、その全体形状が前記積層圧電アクチュエータの長さ方向(積層方向)に対して直交する横方向に撓んだ形状をなしている。従って、電圧の印加に基づき積層圧電アクチュエータが積層方向へ変位(伸長)した場合には、前記弾性部材の撓みが緩和されるため、当該弾性部材の中央部分が前記積層圧電アクチュエータの変位(伸長)方向に対して直交する横方向に所定の変位拡大率でもって変位(収縮移動)するものとされている。
特開平7−176156号公報(請求項1、図1) 特開平11−204848号公報(請求項1、図1)
ところが、特許文献2の変位拡大装置の場合にも依然として次のような問題がある。即ち、両端部を積層圧電アクチュエータの両端部に連結固定された状態で撓んだ形状をなす前記弾性部材の弾性力が常に積層圧電アクチュエータに加わった状態となるため、当該積層圧電アクチュエータにおける各圧電素子の積層部分にクリープ現象や疲労破壊が起こる可能性がある。従って、そのような場合には、微小変位装置における変位量の拡大を確実に図れない虞がある。また、積層圧電アクチュエータの長さ方向(積層方向)長さに対する弾性部材の変位量(収縮移動量)でもって表される変位拡大率についても、その最大発生変位は約1%であって、必ずしも十分なものとは言い難かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、省スペース化の要請に対応しつつ、必要十分な変位拡大率でもって微小変位アクチュエータの変位に基づいた微小変位装置における変位量の拡大を確実に実現することができる変位拡大装置を提供することにある。
上記目的を達成させるために、請求項1に記載の発明は、所定条件下で長さ方向へ伸長する微小変位アクチュエータと共に微小変位装置に装備され、微小変位アクチュエータの伸長時には、微小変位アクチュエータの自由端が長さ方向において変位する変位量よりも大きな変位量でもって微小変位アクチュエータの長さ方向と直交する方向へ変位する作用点部を有し、当該作用点部の変位量を微小変位装置の変位量として出力させる変位拡大装置において、該変位拡大装置は、微小変位アクチュエータの長さ方向に沿って形成された一対の孔と両孔間を繋ぐ長孔とからなる孔部と、前記長さ方向に沿う両側辺部の略中央寄り部分に長孔を挟んで対をなす切欠部とを備えた板体からなり、前記板体は、前記作用点部に加え、前記微小変位アクチュエータの自由端と共に変位可能とされる力点部と、前記微小変位アクチュエータの固定と共に固定支持される支点部と、前記作用点部と力点部及び支点部の各近傍にそれぞれ配置される複数のヒンジ部と、前記各ヒンジ部の間を剛体態様で連結するリンク部とを備え、前記微小変位アクチュエータの自由端と共に前記力点部が変位した際には、前記各ヒンジ部とリンク部とにより形成される低次対偶のリンク機構の動きに基づき前記作用点部が変位するようにしたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の変位拡大装置において、前記各ヒンジ部は、前記力点部の変位時において、前記微小変位アクチュエータの長さ方向へ変位する第1ヒンジ部と、前記微小変位アクチュエータの長さ方向と直交する方向へ変位する第2ヒンジ部とを含んで構成され、当該第2ヒンジ部が前記作用点部の近傍に配置されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の変位拡大装置において、前記リンク機構は、前記力点部と支点部とを結ぶ直線基準とし線対称の配置構成となるように設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記板体を長さ方向又は長さ方向に直交する方向に複数連結した形状として一体化されていることを要旨とする。
本発明によれば、省スペース化の要請に対応しつつ、必要十分な変位拡大率でもって微小変位アクチュエータの変位に基づいた微小変位装置における変位量の拡大を実現することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の圧電アクチュエータ(微小変位装置)10には、所定長さの積層型圧電素子(微小変位アクチュエータ)11が装備されており、当該積層型圧電素子11の長さ方向の両端面には、超硬アルミ合金からなる略直方体形状をなす一対の連結ブロック12が接合されている。前記各連結ブロック12の上面及び下面には、半円柱状をなす凸部(図1には上面のみ示す)12aが突設されており、当該連結ブロック12の凸部12aを介して所定長さの変位拡大装置13が前記積層型圧電素子11の長さ方向に沿うように組み付けられている。
前記積層型圧電素子11は、所定数のピエゾ素子(例えば圧電セラミック等)を長さ方向に積層したものであり、図示しない電極からの電圧の印加に基づき(即ち、所定条件の下で)、長さ方向に伸長するようになっている。但し、本実施形態の積層型圧電素子11では、図1において右方の端面に接合した連結ブロック12が図示しない外壁等に固定されており、積層型圧電素子11は当該連結ブロック12を接合した右方端が前記電圧の印加時において移動(変位)しない固定部である固定端11aとされている。その一方で、図1において左方の端面に接合された連結ブロック12は前記外壁等に固定されておらず、積層型圧電素子11は当該連結ブロック12を接合した左方端が前記電圧の印加時において移動(変位)自在な自由端11bとされている。従って、積層型圧電素子11に電圧が印加された場合には、前記左方端である自由端11bが、図1において左斜め下方向に移動(変位)するようになっている。
一方、前記変位拡大装置13は、可撓性を有する材料(例えばチタン合金等)からなる長板状の板体13aで構成されており、その幅方向寸法及び長さ方向寸法は前記積層型圧電素子11と略同一(具体的には、長さ方向寸法のみ連結ブロック12の分だけ長い)に形成されている。図2(a)に示すように、この板体13aには、当該板体13aの一方端側(図2(a)において左方端側)及び他方端側(図2(a)において右方端側)の各位置に一対の円孔14aが形成されている。また、前記板体13aには、両円孔14a間を繋ぐ長孔14bが、前記板体13aの長さ方向に沿うように形成されている。そして、前記両円孔14aと長孔14bにより略アレイ形状の孔部14が形成(画定)されている。なお、前記各円孔14aは、その直径が前記連結ブロック12の半円柱状の凸部12aを平面視した場合の弦の長さと同一寸法に形成されており、これら各円孔14aに前記凸部12aが嵌合係止されることで、変位拡大装置13(板体13a)は、積層型圧電素子11と共に圧電アクチュエータ10に装備されるようになっている。また、前記板体13aの長さ方向に沿う両側部(図2(a)において上辺及び下辺)の略中央寄り部分には、長さ方向において対応する上下各位置に、二対の半円状切欠部14cが形成されている。なお、この半円状切欠部14cの直径は、前記円孔14aの直径と同等の長さである。
次に、上記のように構成された変位拡大装置13(板体13a)の力学的構造について説明すると、以下のようになる。即ち、前記板体13aにおいて、前記各円孔14a及び半円状切欠部14cの中心Oを夫々通って板体13aの長さ方向と直交する方向へ延びる各直線Y1〜Y4上の位置には、複数(本実施形態では8つ)のヒンジ部15a〜15hが設けられる。各ヒンジ部15a〜15hは、板体13aに対して長さ方向に作用する力が加わった際に、板体13aの所定部位を変位させて当該板体13aを変形させるための弾性ヒンジとして機能する部位となる。なお、図2(b)に示すように、各ヒンジ部(例えばヒンジ部15e)は、前記円孔14a若しくは半円状切欠部14cの円弧縁と前記各直線Y1〜Y4(例えば直線Y4)との交点に設けられるのでなく、前記板体13aにおいて各直線Y1〜Y4により切断される最小断面部の中央部よりも上辺(又は下辺)寄りの位置に設けられるようになっている。因みに、図2(b)は図2(a)においてヒンジ部15eの近傍を囲み示した点線部分を拡大したものである。
また、図2(a)に示すように、板体13aの長さ方向において互いに隣り合うヒンジ部15a〜15h同士は、剛体態様で機能するリンク部16a〜16hによって連結されている。具体的には、ヒンジ部15aとヒンジ部15bはリンク部16a、ヒンジ部15bとヒンジ部15cはリンク部16b、ヒンジ部15cとヒンジ部15dはリンク部16c、ヒンジ部15dとヒンジ部15eはリンク部16dによって夫々連結されている。また、ヒンジ部15eとヒンジ部15fはリンク部16e、ヒンジ部15fとヒンジ部15gはリンク部16f、ヒンジ部15gとヒンジ部15hはリンク部16g、ヒンジ部15hとヒンジ部15aはリンク部16hによって夫々連結されている。そして、本実施形態では、各ヒンジ部15a〜15hと各リンク部16a〜16hとで低次対偶のハニカム状周期構造をなすリンク機構16が構成される。即ち、リンク機構16を構成する各ヒンジ部15a〜15h及び各リンク部16a〜16hは、板体13aに対して長さ方向に作用力が加わった際に、当該板体13aの所定部位を図2において紙面と直交する方向には変位(移動)させることなく、当該紙面と平行な方向に変位(移動)させるように機能する。なお、ハニカム状周期構造について、一般には正六角形セル又は正四角形セルからなる蜂の巣状構造のことをいうが、本明細書においては、図2(a)に例示するリンク機構16のような周期構造を有する多角形セル構造のものをハニカム状周期構造というものとする。
また、板体13a内に前述したような低次対偶のハニカム状周期構造をなすリンク機構16が形成されたことにより、当該板体13a(変位拡大装置13)には以下に記載するような支点部17と力点部18及び作用点部19が設けられることになる。即ち、前記板体13aにおいて、積層型圧電素子11の固定端11aに右方の連結ブロック12を介して支持される右方端側(図2において右方端側)の部位には、支点部17が設けられる。その一方で、前記板体13aにおいて、積層型圧電素子11の自由端11bに左方の連結ブロック12を介して支持される左方端側(図2において左方端側)の部位には、当該積層型圧電素子11の自由端11bと共に変位可能とされる力点部18が設けられる。
従って、前記積層型圧電素子11への電圧印加に基づき、当該積層型圧電素子11が伸長して前記自由端11bが長さ方向へ変位(移動)すると、前記板体13aの力点部18には同じ方向(図2(a)において−X方向となる左方向)に向けて作用力が加わることになる。そのため、前記板体13aにおいては、力学的に、各ヒンジ部15a〜15hに夫々予め決められた方向(図2(a)において矢印で各々示す方向)に作用力が働き、当該各方向に各ヒンジ部15a〜15hが変位(移動)することになる。その結果、板体13aの上辺側では前記2つの半円状切欠部14cと位置対応する2つのヒンジ部15f,15gの近傍部位であって両ヒンジ部15f,15gの略中間となる部位が作用点部19となり、該作用点部19が板体13aの長さ方向と直交する方向(図2(a)においてY方向となる上方向)へ変位(移動)する。また同様に、板体13aの下辺側では前記2つの半円状切欠部14cと位置対応する2つのヒンジ部15b,15cの近傍部位であって両ヒンジ部15b,15cの略中間となる部位が作用点部19となり、該作用点部19が板体13aの長さ方向と直交する方向(図2(a)において−Y方向となる下方向)へ変位(移動)する。
なお、その際における各ヒンジ部15a〜15h及び各リンク部16a〜16hの具体的な変位(移動)の態様は次のようになる。即ち、図2(a)からも理解されるように、前記各ヒンジ部15a〜15h及び各リンク部16a〜16hからなる低次対偶のリンク機構16は、前記支点部17と力点部18とを結ぶ直線Pを基準とした場合に線対称の配置構成となるように構成されている。そして、各ヒンジ部15a〜15h間を連結する各リンク部16a〜16hは、リンク機構16に作用力が加わった場合に剛体態様で機能するようになっている。従って、図2(a)の状態において−X方向へ前記力点部18が変位(移動)すると、この力点部18を左側から囲むように位置する剛体態様のリンク部16hが同様に−X方向へ変位(移動)する。そして、このリンク部16hの変位(移動)に追随するように、前記直線Pよりも上辺側及び下辺側に位置する各ヒンジ部15a〜15h及び残りの各リンク部16a〜16gが上辺側及び下辺側の夫々において同一の変位(移動)態様となるように変位(移動)する。
例えば、板体13aの上辺側における各ヒンジ部及びリンク部の変位(移動)態様は次のようなものとなる。即ち、前述したように、前記力点部18と共にリンク部16hが−X方向へ変位(移動)した場合、図3に示すように、当該リンク部16hに連結されたヒンジ部15hは変位量Uだけ−X方向に変位(移動)することになる。すると、このヒンジ部15hにリンク部16gを介して連結されたヒンジ部15gは、リンク部16gが剛体態様の連結要素として機能し両ヒンジ部15h,15g間の距離(長さ)を変化させないため、図3に示すように、変位量VだけY方向に変位(移動)することになる。なお、この場合において、長さ方向(−X方向)の変位量Uと幅(高さ)方向(Y方向)の変位量Vとの比率(変位拡大率)は、V/U=cotθの式で表される。そして、この場合は、各リンク部16a〜16hが剛体態様で機能するため、リンク部が伸びた場合に発生する変位拡大率の頭打ちというものがなくなり、図3においてリンク部16gがX方向に対してなす角度(リンク機構16の特性角θ)を小さな鋭角(例えば7度程度等)にしてやれば、変位拡大率を増大することが可能となる。また、前記両変位量U,Vにより表される板体13aにおける長さ方向と幅(高さ)方向の単位長さ当りの変位(ひずみ)の関係を示すポアソン比は、アクチュエーション方向となる幅(高さ)方向において幅狭になる縮み変位でなく幅広になる伸び変位となるため負の値となり、前記リンク機構16は負のポアソン比を有することになる。
その結果、このような負のポアソン比を有するリンク機構16にあっては、前記板体13aの上辺側において、ヒンジ部15gにリンク部16fを介して連結されたヒンジ部15fがヒンジ部15gの変位に伴い同様に変位量VだけY方向に変位する結果、前記作用点部19が同様に変位量VだけY方向に変位する。なお、その際において、ヒンジ部15fにリンク部16e介して連結されたヒンジ部15eは、ヒンジ部15fの変位に伴い、一定量だけX方向に変位しようとするが、当該ヒンジ部15eの近傍には前記支点部17が設けられているため、ヒンジ部15eは−X方向に所定の変位量(<U)だけ変位することなる。同様に、板体13aの下辺側においても、各ヒンジ部15a〜15d及び各リンク部16a〜16cが上辺側の前記各ヒンジ部15e〜15h及び各リンク部16e〜16gと同一の変位(移動)態様となるように変位(移動)する。従って、この下辺側に設けられた作用点部19も前記リンク機構16は負のポアソン比に基づき−Y方向へ前記変位量Vと同量の変位量でもって変位(移動)する。
このように、本実施形態における各ヒンジ部15a〜15hは、前記積層型圧電素子11の自由端11bと共に力点部18が積層型圧電素子11の長さ方向に沿う方向に変位した際に、積層型圧電素子11の長さ方向へ変位する第1ヒンジ部と、当該積層型圧電素子11の長さ方向と直交する方向へ変位する第2ヒンジ部に分類される。具体的には、各ヒンジ部15a,15d,15e,15hが積層型圧電素子11の長さ方向へ変位する第1ヒンジ部として機能し、各ヒンジ部15b,15c,15f,15gが積層型圧電素子11の長さ方向と直交する方向へ変位する第2ヒンジ部として機能するようになっている。そして、図2(a)に示すように、第2ヒンジ部となる各ヒンジ部15b,15c,15f,15gが作用点部19の近傍に配置されるようになっている。
次に、以上のように構成された圧電アクチュエータ10の作用について説明する。
さて、積層型圧電素子11に電圧が印加される前は、図4に二点鎖線で示すように、変位拡大装置13を構成する板体13aは何ら変位(変形)していないが、その状態において、積層型圧電素子11に所定電圧(例えば、150ボルト)が印加されると、積層型圧電素子11は自由端11bが長さ(積層)方向に伸長する。すると、積層型圧電素子11の自由端11bと共に板体13aの力点部18が同方向へ変位する結果、リンク機構16の第1ヒンジ部15a,15d,15e,15hが同じく長さ(積層)方向に変位し、その一方、第2ヒンジ部15b,15c,15f,15gが長さ(積層)方向と直交する方向(アクチュエーション方向)に変位する。その結果、変位拡大装置13(板体13a)は、図4に実線で示すような形状に変位(変形)する。
具体的には、図4に示すように、変位拡大装置13(板体13a)の上辺側は、当該上辺側に設けられた作用点部19を中心としてY方向に反るような形状になる。また、板体13aにおける孔部14は長孔14bの上側縁がY方向に反るような形状になる。一方、変位拡大装置13(板体13a)の下辺側は、当該下辺側に設けられた作用点部19を中心として−Y方向に反るような形状になる。また、板体13aにおける孔部14は長孔14bの下側縁が−Y方向に反るような形状になる。そのため、変位拡大装置13(板体13a)は、電圧印加に基づく積層型圧電素子11の伸長に伴い、当該積層型圧電素子11の長さ(積層)方向と直交する方向に、前記積層型圧電素子11の長さ(積層)方向への変位(移動)量を所定の変位拡大率でもって拡大した変位量だけ変位(移動)するようになる。
ここで例えば、長さ方向寸法が50mmであって、幅方向寸法(高さ方向寸法、アクチュエーション方向寸法ともいう。)が14mmの板体13aにより変位拡大装置13を構成し、この変位拡大装置13(板体13a)を連結ブロック12を介して積層型圧電素子11に組み付けて圧電アクチュエータ10を構成したとする。そして、その積層型圧電素子11に対して150Vの電圧を印加した場合、前記リンク機構16による低次対偶でのリンク動作に基づき作用点部19が図4の二点鎖線で示す位置から実線で示す位置へと変位した場合の変位量を有限要素解析により求めてみたところ400μmという解析結果を得ることができた。従って、アクチュエーション方向たる幅(高さ)方向の14mmを単位高さとすると、その単位高さ当りの伸び(変位)は400μm/14mm≒3%となる。因みに、特許文献2における弾性部材について、本実施形態の前記板体13aと長さ方向寸法及び幅方向寸法を略同一の設定条件にした場合の変位量を同じく有限要素解析により求めてみたところ、−206μm(−となるのはポアソン比が正の値であるため)という解析結果になった。従って、この特許文献2においては単位高さ当りの伸び(変位)が−206μm/14mm≒−1.2%となり、この特許文献2との比較結果からも、電圧の印加に基づく積層型圧電素子11の変位量が同じとした場合において本実施形態の変位拡大装置13(板体13a)の変位拡大率が如何に優れて大きなものであるかが理解される。
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電圧印加に基づき積層型圧電素子11が長さ方向へ変位(伸長)した際、変位拡大装置13(板体13a)は作用点部19が低次対偶のリンク機構16の動きにより積層型圧電素子11の長さ方向と直交する方向(アクチュエーション方向)へ、約3%という大きな単位高さ当りの伸び(変位)でもって変位する。即ち、従来技術(例えば特許文献2)との対比において非常に大きな変位拡大率でもって積層型圧電素子11の変位量を実用的な変位量に拡大して変換出力することができる。従って、省スペース化の要請に対応しつつ、必要十分な変位拡大率でもって積層型圧電素子11(微小変位アクチュエータ)の変位に基づいた圧電アクチュエータ10(微小変位装置)における変位量の拡大を確実に実現することができる。
(2)変位拡大装置13(板体13a)において剛体態様の各リンク部16a〜16hと共にリンク機構16を構成する各ヒンジ部15a〜15hについては、力点部18の変位時に変位する方向の違いにより第1ヒンジ部と第2ヒンジ部に分類されている。つまり、積層型圧電素子11の長さ方向へ変位する第1ヒンジ部15a,15d,15e,15hと、積層型圧電素子11の長さ方向と直交する方向(アクチュエーション方向)へ変位する第2ヒンジ部15b,15c,15f,15gとに分類され、第2ヒンジ部(15b等)が板体13a内で作用点部19の近傍に配置されるようにした。従って、第2ヒンジ部15b,15c,15f,15gの変位をダイレクトに作用点部19のアクチュエーション方向への変位に反映させることができる。
(3)板体13a内に設けられるリンク機構16は力点部18と支点部17とを結ぶ直線Pを基準とした場合に線対称の配置構成となるハニカム状周期構造をなしているため、板体13aの長さ方向に沿う両側部(上辺側及び下辺側)において各ヒンジ部及び各リンク部が同一の変位態様にて変位する。従って、変位拡大機能を安定的に発揮することができる。
(4)しかも、変位拡大装置13は、可撓性材料からなる長板状の板体13aに一対の円孔14aと両円孔14a間を繋ぐ長孔14bとで画定される孔部14、及び複数の半円状切欠部14cを設けるだけであるため、変位拡大装置13の構成は非常に簡単なものとなる。従って、変位拡大装置13の製造コストを非常に安価なものとできる。
(5)また、各ヒンジ部15a〜15hの間は、剛体態様のリンク部16a〜16hによって連結されているため、積層型圧電素子11が伸長した場合に、一つのヒンジ部(例えばヒンジ部15a)の変位動作が他の全てのヒンジ部15b〜15hに必ず伝達されるようになっている。従って、リンク機構16における各ヒンジ部15a〜15hに対し所定方向に変位(移動)させるための作用力を確実に伝達させることができる。
(6)また、変位拡大装置13(板体13a)に設けられたリンク機構16は、負のポアソン比を有するハニカム状周期構造をなすリンク機構であるため、積層型圧電素子11の伸長時に力点部18に加わる作用力を極力有効に利用することができる。即ち、前記作用力に基づく変位拡大装置13の変位(移動)方向(即ち、アクチュエーション方向)を板体13aの幅(高さ)方向外側へ向けて出力することができる。つまり、収縮型のアクチュエーションでなく伸長型のアクチュエーションを得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5及び図6に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成には同一符号を付す等して、その重複した説明を省略又は簡略する。
さて、図5に示すように、本実施形態の変位拡大装置20は可撓性を有する材料からなる板体20aで構成されており、この変位拡大装置20(板体20a)は、前記第1の実施形態における変位拡大装置13(板体13a)を長さ方向と直交する方向に複数(2枚)連結させて一体化したものとされている。即ち、前記一対の変位拡大装置13(板体13a)を作用点部19同士が互いに接合される連結態様に連結して一体化した構成とされている。従って、図示はしないが、図5における板体20aの紙面と直交する方向の下側には、第1の実施形態における積層型圧電素子11が図5における上下方向へ並列状をなすように一対配置され、それら一対の積層型圧電素子11の長さ方向の両端部には連結ブロック12がそれぞれ接合されている。但し、この第2の実施形態においては、全ての連結ブロック12が外壁等に固定されておらず、一対の積層型圧電素子11はそれぞれの両端部が電圧印加時に変位(移動)自在な自由端として構成されている。
また、図5に示すように、本実施形態の板体20aは、その上辺に形成された二対の半円状切欠部14c及び下辺に形成された二対の半円状切欠部14cと当該板体20aの長さ方向において夫々対応する位置に二の円孔14aが形成されている。これら各円孔14aは第1の実施形態における板体13aを並列状に連結したことにより、当該一対の板体13aにおける上辺側及び下辺側の半円状切欠部14c同士が繋がって形成されたものである。そして、前記二の円孔14aからは板体20aの両端部に向けて当該板体20aの長さ方向に沿うスリット14dがそれぞれ切欠形成されている。さらに、前記第1の実施形態の場合と同様に板体20a内には複数のヒンジ部15a〜15hと複数のリンク部16a〜16hからなる低次対偶でハニカム状周期構造をなすリンク機構16が当該板体20aの上側半分と下側半分にそれぞれ設けられている。
そして、このような板体20aにて構成される本実施形態の変位拡大装置20では、支点部17と力点部18及び作用点部19が次のような配置構成になっている。即ち、図5に示すように、支点部17は板体20aの下辺中央部に設けられており、この支点部17となる部位が図示しない外壁等に固定支持されて固定部となる。従って、前述した一対の積層型圧電素子11が電圧印加に基づいてそれぞれ長さ方向に伸長すると、両積層型圧電素子11は長さ方向の両端が全て自由端となっているため、前記板体20aの左右両端に設けられた4つの円孔14a近傍が夫々力点部18として機能することになる。また、前記板体20aの上辺中央部には、前記支点部17から板体20aの長さ方向と直交する方向へ延びる直線Pと交差する部位に作用点部19が設けられている。従って、本実施形態における前記リンク機構16は、作用点部19と支点部17とを結ぶ直線Pを基準とした場合に線対称の配置構成となるように構成されている。
そこで次に、以上のように構成された第2の実施形態における圧電アクチュエータの作用について説明する。
さて、本実施形態においても、前記一対の積層型圧電素子11に電圧が印加される前は、図6に二点鎖線で示すように、変位拡大装置20を構成する板体20aは何ら変位(変形)していないが、その状態において、電圧の印加がなされると、各積層型圧電素子11は各両端部(自由端)が長さ(積層)方向に変位する。即ち、図6において右方向及び左方向に同程度伸長する。すると、各積層型圧電素子11の各両端部(自由端)と共に板体20aにおける4つの力点部18が各々連動して同方向へ変位するため、リンク機構16の第1ヒンジ部15a,15d,15e,15hは板体20aの長さ方向に変位し、第2ヒンジ部15b,15c,15f,15gは板体20aの長さ方向と直交する方向に変位する。その結果、変位拡大装置20(板体20a)は、図6に2点鎖線で示す形状から実線で示す形状へ変位(変形)する。しかも、本実施形態では、変位拡大装置20(板体20a)における作用点部19(具体的には上辺の作用点部19)の変位量が、前記第1の実施形態の変位拡大装置13(板体13a)における作用点部19の変位量と比して4倍程度となる。その理由は、板体20aにおける下側半分での変位量が上側半分における変位量に重畳的に作用するからであり、その結果、本実施形態での変位拡大率は更に大きなものとなる。
従って、第2の実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果(1)〜(6)とほぼ同様の効果を得ることができる上に、さらに前記(1)の効果における変位拡大率については、第1の実施形態の変位拡大装置13における作用点部19の変位量との対比で4倍程度という飛躍的な拡大を図ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図7に従って説明する。なお、本実施形態でも、既に説明した第1の実施形態と同一構成には同一符号を付す等して、その重複した説明を省略又は簡略する。
さて、図7に示すように、本実施形態の変位拡大装置21(板体21a)は、第1の実施形態の変位拡大装置13(板体13a)を図7において長さ方向と直交する方向に複数(4枚)、及び、その長さ方向に複数(2枚)というように、複数(合計8枚)の板体13aを夫々単一のセルとして連結することで一体化した構成としている。即ち、長さ方向において連結される板体13a同士は力点部18同士が互いに接合される連結態様とされ、長さ方向と直交する方向において連結される板体13a同士は作用点部19同士が互いに接合される連結態様とされている。そして、図7において右半分で一番下側の板体13aの右方端の円孔14a近傍に支点部17が設けられている。そして、各板体13a(セル)毎にそれぞれ前記第1の実施形態の場合と同様にハニカム状周期構造をなすリンク機構16が各ヒンジ部15a〜15h及び各リンク部16a〜16hにより設けられている。従って、本実施形態の場合は、前記変位拡大装置21(板体21a)を連結形成する各板体13aの下側に配設された複数(合計8つ)の積層型圧電素子11に対する電圧の印加を選択的に行うと、板体21aの上辺に設けられた作用点部19を積層型圧電素子11の長さ方向に対して斜め方向へ変位させることも可能となる。
なお、前記各実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・前記第3の実施形態では、複数ある積層型圧電素子11毎に選択的に電圧を印加させることで作用点部19の変位の方向(板体21aの長さ方向に対する斜め方向等)を決定しているが、各積層型圧電素子11への電圧の印加量を個別に制御することで作用点部19の変位の方向を決定するようにしてもよい。このように構成することで、より高精度な変位を提供することができる。
・前記第2の実施形態においては、第1の実施形態における変位拡大装置13の板体13aを長さ方向と直交する方向へ2つ並列状の連結態様とすることで、変位拡大装置20の板体20aを構成しているが、2つに限らず3つ以上を並列状に連結態様で板体20aを構成してもよい。
・前記各実施形態では、変位拡大装置13,20,21の板体13a,20a,21aの長さ方向に沿う両側部(上辺及び下辺)に二対の半円状切欠部14cが形成されているが、これらの半円状切欠部14cは二対に限らない。即ち、図8に示す変位拡大装置113(板体113a)のようにしてもよい。つまり、この板体113aでは両端部の円孔114a間を繋ぐ長孔114bにより孔部114が画定されると共に、この孔部114を囲むように複数のヒンジ部115a,115b,115d,115e,115g,115h及びリンク部116a,116c,116d,116e,116g,116hが配設されている。そして、第2ヒンジ部115b,115gと対応する位置に、一対の半円状切欠部114cが形成されている。なお、切欠部の形状は半円状でなく、例えば三角形状の切欠部でもよい。
・前記各実施形態では、長孔14bと共に孔部14を画定する円孔14aが形成されているが、この円孔14aの形状は円形以外の形状でもよい。例えば、楕円形状、四角形状等の孔で円孔14aの代わりとしてもよい。
・前記第1の実施形態では、変位拡大装置13(板体13a)の支点部17を、当該変位拡大装置13(板体13a)の右方端側に設けているが、図2における下辺の中央部に設けてもよい。なお、その際には力点部18が両端部に設けられるようになる。このように構成すると、作用点部19が図2における上辺の中央部のみとなり、積層型圧電素子11が伸長した際の作用点部19の変位量が前記第1の実施形態の場合に比して2倍程度となる。
・前記第1の実施形態では、変位拡大装置13を可撓性を有する板体13aに複数の円孔14a等を形成することで構成したが、図9に示す変位拡大装置213のように、回動自在な複数のヒンジ部(例えば軸受等)と当該各ヒンジ部を連結する複数の剛体態様のリンク棒(リンク部)で構成してもよい。即ち、この変位拡大装置213は、第1ヒンジ部215a,215d,215e,215h及び第2ヒンジ部215b,215gの間が剛体態様のリンク部(棒)216a,216c,216d,216e,216g,216hによりハニカム状周期構造をなすように連結されている。
・前記各実施形態では、積層型圧電素子11の伸長に伴って各変位拡大装置13,20,21を拡大変位させるために、第2ヒンジ部15b,15c,15f,15gは、第1ヒンジ部15a,15d,15e,15hに対して変位拡大装置13が負のポアソン比を有するように配置されている。しかし、変位拡大装置が正のポアソン比を有するような位置に第2ヒンジ部15b,15c,15f,15gを配置してもよい。このように構成すると、積層型圧電素子11が伸長した場合、変位拡大装置は収縮するようになり、アクチュエーション方向が収縮方向において得たい場合に対応できる。
・前記各実施形態においては、微小変位アクチュエータとして積層型圧電素子11を用いたが、その他の微小変位アクチュエータを用いてもよい。例えば、マイクロマシーンやMEMS(微小機械電子システム)を用いてもよい。
・前記第3の実施形態において、長さ方向において連結される板体13a同士を支点部17同士が互いに接合される連結態様としてもよい。即ち、板体21aの左半分と右半分の各下側に夫々配設される積層型圧電素子11を、板体21aの中央部分に位置する端部が固定端11aとなるようにし、その反対側の端部が自由端11bとなるようにする。そして、板体21aの長さ方向における左端部及び右端部を前記各自由端11bに支持するようにする。このように構成すると、各支点部17が板体21aの中央付近に配置されるため、前記板体21aの長さ方向の両端側(図7において右端及び左端側)に設けられた8つの円孔14a近傍が夫々力点部18として機能するようになる。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)長さ方向寸法が微小変位アクチュエータの長さ方向寸法と略同一の可撓性材料からなる板体を有し、当該板体の長さ方向の一方端側に前記力点部が設けられると共に、当該板体の長さ方向の他方端側に前記支点部が設けられ、当該板体の長さ方向に沿う両側部のうち少なくとも一方の側部に前記作用点部が設けられた請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の変位拡大装置。
(ロ)長さ方向寸法が微小変位アクチュエータの長さ方向寸法と略同一の可撓性材料からなる板体を有し、当該板体の長さ方向の一方端側及び他方端側に前記力点部がそれぞれ設けられると共に、当該板体の長さ方向に沿う両側部のうち一方の側部に前記支点部が設けられ、当該板体の長さ方向に沿う両側部のうち他方の側部に前記作用部が設けられた請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の変位拡大装置。
(ハ)前記板体には当該板体の長さ方向の一方端側及び他方端側に位置する一対の円孔と当該板体の長さ方向に沿うように延びて前記両円孔間を繋ぐ長孔とで画定される略アレイ形状の孔部が形成されると共に、前記板体の長さ方向に沿う両側部には長さ方向において対応する位置に二対の半円状切欠部が形成されており、前記各ヒンジ部は、前記板体の長さ方向と直交する方向へ前記各円孔及び各半円状切欠部の各中心をそれぞれ通って延びる各直線上に位置するように設けられている技術的思想イ又は技術的思想ロに記載の変位拡大装置。
(ニ)前記力点部同士、前記支点部同士、又は前記作用点部同士が互いに接合される連結態様に複数の板体を連結して一体化した技術的思想イ〜技術的思想ハのうち何れか一項に記載の変位拡大装置。
第1の実施形態における圧電アクチュエータを示す斜視図。 (a)は第1の実施形態における変位拡大装置を示す正面図、(b)はその一部拡大図。 リンク機構のヒンジ部及びリンク部の変位態様を示す説明図。 第1の実施形態における変位拡大装置の変位(変形)を示す説明図。 第2の実施形態における変位拡大装置の正面図。 第2の実施形態における変位拡大装置の変位(変形)を示す説明図。 第3の実施形態における変位拡大装置の正面図。 第1の実施形態における変位拡大装置の別例を示す正面図。 第1の実施形態における変位拡大装置の他の別例を示す正面図。
符号の説明
10…圧電アクチュエータ(微小変位装置)、11…積層型圧電素子(微小変位アクチュエータ)、11a…固定端、11b…自由端、13,20,21,113,213…変位拡大装置、13a,20a,21a,113a…板体、14,114…孔部、14a,114a…円孔、14b,114b…長孔、14c,114c…半円状切欠部、15a,15d,15e,15h,115a,115d,115e,115h,215a,215d,215e,215h…第1ヒンジ部、15b,15c,15f,15g,115b,115g,215b,215g…第2ヒンジ部、16…リンク機構、16a〜16h,116a,116c,116d,116e,116g,116h,216a,216c,216d,216e,216g,216h…リンク部、17…支点部、18…力点部、19…作用点部、O…中心、U,V…変位量、Y1〜Y4,P…直線。

Claims (4)

  1. 所定条件下で長さ方向へ伸長する微小変位アクチュエータと共に微小変位装置に装備され、微小変位アクチュエータの伸長時には、微小変位アクチュエータの自由端が長さ方向において変位する変位量よりも大きな変位量でもって微小変位アクチュエータの長さ方向と直交する方向へ変位する作用点部を有し、当該作用点部の変位量を微小変位装置の変位量として出力させる変位拡大装置において、
    該変位拡大装置は、微小変位アクチュエータの長さ方向に沿って形成された一対の孔と両孔間を繋ぐ長孔とからなる孔部と、前記長さ方向に沿う両側辺部の略中央寄り部分に長孔を挟んで対をなす切欠部とを備えた板体からなり、
    前記板体は、前記作用点部に加え、前記微小変位アクチュエータの自由端と共に変位可能とされる力点部と、前記微小変位アクチュエータの固定と共に固定支持される支点部と、前記作用点部と力点部及び支点部の各近傍にそれぞれ配置される複数のヒンジ部と、前記各ヒンジ部の間を剛体態様で連結するリンク部とを備え、
    前記微小変位アクチュエータの自由端と共に前記力点部が変位した際には、前記各ヒンジ部とリンク部とにより形成される低次対偶のリンク機構の動きに基づき前記作用点部が変位するようにした変位拡大装置。
  2. 前記各ヒンジ部は、前記力点部の変位時において、前記微小変位アクチュエータの長さ方向へ変位する第1ヒンジ部と、前記微小変位アクチュエータの長さ方向と直交する方向へ変位する第2ヒンジ部とを含んで構成され、当該第2ヒンジ部が前記作用点部の近傍に配置される請求項1に記載の変位拡大装置。
  3. 前記リンク機構は、前記力点部と支点部とを結ぶ直線基準とし線対称の配置構成となるように設けられている請求項1又は請求項2に記載の変位拡大装置。
  4. 前記板体を長さ方向又は長さ方向に直交する方向に複数連結して一体化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変位拡大装置。
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