JP6650960B2 - 光ファイバの製造方法および紡糸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの製造方法および紡糸装置に関する。
従来から、下記特許文献1に示されるような、光ファイバを製造するための紡糸装置が知られている。この紡糸装置は、炉心管と、炉心管の上端開口部に設けられたシール部と、を備えている。シール部は、光ファイバ母材に向けて付勢された複数の封止要素を有している。この封止要素によって、炉心管の内部と外部とを遮断することで、外気が炉心管内に混入することを防ぎ、炉心管内の雰囲気を安定させている。
特開2014−13135号公報
上記特許文献1の構成では、封止要素を光ファイ母材の表面に接触させている。このため、光ファイバ母材の外周面に傷が生じたり、封止要素が削れて削れ粉が発生したりする場合がある。光ファイバ母材の表面に傷が生じたり、封止要素の削れ粉が光ファイバ母材に付着したりすると、光ファイバの品質の低下につながる。
本発明はこのような事情を考慮してなされ、封止要素を光ファイバ母材に接触させることに起因する、光ファイバの品質の低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る光ファイバの製造方法は、炉心管の上端開口部に環状のガイド部材を配置し、前記ガイド部材が有する複数の収容空間の内部にそれぞれ封止要素を配置し、前記封止要素を光ファイバ母材に向けて付勢し、前記封止要素の内部に設けられた径方向に延びるガス流路にシールガスを供給し、前記封止要素と前記光ファイバ母材とを接触させない。
また、本発明の第2の態様に係る紡糸装置は、炉心管と、前記炉心管の上端開口部に設けられたシール部と、を備え、前記シール部は、複数の収容空間が形成された環状のガイド部材と、径方向内側に向けて付勢されることが可能な状態で、前記複数の収容空間の内部にそれぞれ配置された複数の封止要素と、前記封止要素の内部に設けられたガス流路に、シールガスを供給する供給管と、を有する。
本発明の上記態様によれば、封止要素を光ファイバ母材に接触させることに起因する、光ファイバの品質の低下を抑制することができる。
紡糸装置の縦断面図である。 第1実施形態のシール部の部分斜視図である。 図2のガイド部材および封止要素の部分斜視図である。 図3のガイド部材および封止要素の横断面図である。 (a)は、第1実施形態の変形例に係る封止要素を、径方向内側から見た図である。(b)は、(a)のB−B断面矢視図である。 第2実施形態のガイド部材および封止要素の横断面図である。 第3実施形態のシール部の縦断面を示す模式図である。 第3実施形態の変形例を示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の紡糸装置および光ファイバの製造方法について、図面に基づいて説明する。
図1は、光ファイバを製造する際に用いられる紡糸装置1の模式図である。紡糸装置1は、筐体2と、ヒータ3と、炉心管4と、シール部10と、を備えている。紡糸装置1は、光ファイバ母材20を加熱溶融させて細径化して引き出し、光ファイバ裸線を製造するための線引き炉である。
(方向定義)
ここで本実施形態は、炉心管4の中心軸線Oに沿う方向を上下方向という。また、上下方向から見た平面視において、中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線Oまわりに周回する方向を周方向という。
なお、本明細書では、中心軸線Oに沿う方向の断面を縦断面といい、中心軸線Oに直交する方向の断面を横断面という。図1は紡糸装置1の縦断面図である。
光ファイバ母材20は、本体部21と、本体部21の上端部に設けられた把持部22と、を有する。光ファイバ母材20は、例えば石英ガラスによって形成されている。光ファイバ母材20を、炉心管4内でヒータ3によって例えば約2000℃に加熱し、溶融紡糸することで光ファイバ裸線が得られる。また、光ファイバ裸線の周囲に被覆層を設けることで、光ファイバ素線が得られる。なお、本明細書では、光ファイバ裸線および光ファイバ素線を総称して「光ファイバ」という。
このような光ファイバ母材20は、VAD法やOVD法などによって得られた円柱状の本体部21の上端に、把持部22を接続することにより得られる。把持部22は、本体部21を炉心管4の内部に挿入する際に、把持装置などによって把持される部分である。把持部22は、本体部21よりも細く形成されている。
炉心管4は、上方に位置する上部4aと、下方に位置する下部4bと、を有している。上部4aの内径は下部4bの内径よりも大きく、上部4aの外径は下部4bの外径よりも大きい。これにより炉心管4は、2段の円筒状に形成されている。上部4aと下部4bとは、隙間なく接続されていてもよいし、隙間が設けられていてもよい。上部4aの上端(炉心管4の上端開口部)は、外部に向けて開口している。
炉心管4は、例えばカーボン材によって形成されている。炉心管4は、光ファイバ母材20とともにヒータ3によって加熱される。このため、炉心管4の内部に酸素が存在すると、炉心管4が加熱された際にカーボン材が酸化して消耗する。このため、炉心管4の内部にはアルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの不活性ガスが充填されている。さらに、炉心管4内に外気が進入しないように、炉心管4の内部は陽圧に保たれている。
また、炉心管4内におけるガスの流れは、溶融紡糸して得られる光ファイバ裸線の外径に影響を与える。特に、炉心管4内のガスの流れに乱れが生じると、光ファイバ裸線の外径が変動しやすくなる。したがって、炉心管4内のガスの流れは、安定した層流状態であることが好ましい。そしてシール部10は、炉心管4内に外気が進入することを防ぎつつ、炉心管4内のガスの流れを安定させるために設けられている。
(シール部)
シール部10は、炉心管4の上端開口部に設けられている。シール部10は、図2に示すように、ガイド部材11(上側ガイド部材)と、ガイド部材12(下側ガイド部材)と、封止要素13(上側封止要素)と、封止要素14(下側封止要素)と、を有している。ガイド部材11およびガイド部材12は、上下方向から見た平面視で環状に形成されている。ガイド部材11、12の内径は、光ファイバ母材20の本体部21の外径よりも大きい。このため、ガイド部材11、12と本体部21との間には、径方向の隙間が設けられている。
封止要素13、14の材質は、特に限定されないが、例えばグラファイトまたはガラスなどを用いることができる。封止要素13、14は、表裏面が上方および下方を向く板状に形成されている。封止要素13、14は、平面視において、周方向の幅よりも径方向の幅が大きい長方形状に形成されている。封止要素13および封止要素14は、周方向に間隔を空けて複数配置されている。複数の封止要素13は、複数の封止要素14よりも上方に位置している。平面視において、封止要素13は、封止要素14に対して異なる角度で配置されている。ある封止要素13と、その封止要素13に隣接する封止要素14とは、平面視において少なくとも一部が互いに重なるように配置されている。
図3に示すように、ガイド部材12には、その上面から下方に向けて窪む複数の収容空間12aが形成されている。収容空間12aは、封止要素14を収容するための空間である。各収容空間12aは、径方向に延びるとともに、周方向に間隔を空けて並べて配置されている。このように、複数の収容空間12aは、中心軸線Oを中心として放射状に配置されている。各収容空間12aは、径方向内側に向けて開口している。
また、ガイド部材12の上面には、下方に向けて窪む環状溝12bおよび接続溝12cが形成されている。環状溝12bは、複数の収容空間12aを径方向外側から囲むように、環状に形成されている。環状溝12bは、収容空間12aから径方向に離れて配置されている。環状溝12bと各収容空間12aとの間にそれぞれ、接続溝12cが配置されている。すなわち、各接続溝12cは、各収容空間12aから径方向外側に向けて延びている。各接続溝12cのうち、径方向内端は収容空間12aに向けて開口し、径方向外端は環状溝12bに向けて開口している。これにより、接続溝12cは、収容空間12aと環状溝12bとを接続している。
環状溝12bには、不図示の付勢ガス供給源が接続されている。付勢ガス供給源は、封止要素14を付勢するための付勢ガスを、環状溝12bに供給する。環状溝12bに供給された付勢ガスは、接続溝12cを通って収容空間12a内に流入して、収容空間12a内で封止要素14を径方向内側に向けて付勢する。なお、付勢ガス供給源は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
複数の封止要素14は、収容空間12aの内部に、径方向に移動可能に配置されている。封止要素14と収容空間12aの内面との間には、封止要素14がスムーズに移動できる範囲内で、微小な隙間が設けられている。封止要素14の径方向外端部には、供給管15が接続されている。供給管15は、ガイド部材12の内部を通って、シール部10の外部に配置されたシールガス供給源に接続されている。シールガス供給源は、後述するシールガスを、供給管15に供給する。シールガスは、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスであることが好ましい。なお、1つのシールガス供給源から、各封止要素13、14に向けてシールガスを供給してもよいし、各封止要素13,14に対応する複数のシールガス供給源を用いてもよい。
図4に示すように、各封止要素14の内部には、径方向に延びるガス流路14bが形成されている。本実施形態のガス流路14bは、封止要素14を径方向に貫通する貫通孔である。ガス流路14bの径方向内側の開口部(流出口14a)は、光ファイバ母材20の本体部21に向けて開口している。ガス流路14bの径方向外側の開口部(流入口14c)は、供給管15に接続されている。この構成により、シールガス供給源によって供給されたシールガスは、供給管15およびガス流路14bを通って、流出口14aから光ファイバ母材20の本体部21に向けて噴出する。
なお、図示は省略するが、ガイド部材11もガイド部材12と同様の構成を有しており、封止要素13も封止要素14と同様の構成を有している。つまり、ガイド部材11には、封止要素13を収容する収容空間と、環状溝および接続溝と、が形成されている。そして、封止要素13は付勢ガスによって径方向内側に向けて付勢されている。また、封止要素13には供給管15が接続されており、流出口13a(図2参照)からシールガスが光ファイバ母材20に向けて噴出するように構成されている。
ここで本実施形態では、収容空間12aに供給される付勢ガスの圧力P1よりも、流出口14aから噴出するシールガスの圧力P2のほうが小さくなるように設定されている。このため、封止要素13、14を光ファイバ母材20に向けて付勢しつつ、光ファイバ母材20と封止要素13、14との接触を防止することができる。また、光ファイバ母材20と封止要素13,14との間には隙間が生じるが、流出口13a、14aから流出するシールガスにより、この隙間を封止(シール)することができる。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバの製造方法では、炉心管4の上端開口部に環状のガイド部材11、12を配置し、ガイド部材11、12が有する複数の収容空間12aの内部にそれぞれ封止要素13、14を配置し、封止要素13、14を光ファイバ母材20の本体部21に向けて付勢ガスで付勢する。そして、封止要素13、14の内部に設けられたガス流路14bに、供給管15からシールガスを供給し、封止要素13、14と光ファイバ母材20の本体部21とを接触させない。
この構成により、封止要素13、14と光ファイバ母材20とを接触させる場合と比較して、光ファイバ母材20の外周面に傷が生じたり封止要素13、14が削れたりすることを抑止できる。したがって、光ファイバの品質の低下を抑制することができる。
また、シールガスとして不活性ガスを用いることで、シールガスが炉心管4の内部に流入したとしても、安定して光ファイバ母材20を溶融紡糸することができる。
また、本実施形態の紡糸装置1は、炉心管4と、炉心管4の上端開口部に設けられたシール部10と、を備える。そしてシール部10は、複数の収容空間12aが形成されたガイド部材12と、径方向内側に向けて付勢されることが可能な状態で複数の収容空間12a内にそれぞれ配置された複数の封止要素14と、ガス流路14bにシールガスを供給する供給管15と、を有する。
この構成により、上記光ファイバの製造方法を実現することができる。
なお、図4の例では、封止要素14に形成された1本の貫通孔がガス流路14bとして機能したが、ガス流路14bの形態は適宜変更可能である。例えば図5(a)、(b)に示すように、封止要素14の内部で、ガス流路14bが分岐していてもよい。図5(a)、(b)の例では、ガス流路14bが径方向内側で3本に分岐しており、3つの流出口14aが設けられている。これらの流出口14aは、周方向に間隔を空けて配置されている。この構成によれば、封止要素14を通じて光ファイバ母材20に向けて供給されるシールガスの、周方向における供給量をより均一にすることができる。これにより、より確実に炉心管4の上端開口部をシールすることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、封止要素13、14に設けられるガス流路の形態が第1実施形態と異なる。なお、以下では主として封止要素14の構成を説明するが、封止要素13(図2参照)も以下の説明と同様の構成を有する。
図6に示すように、本実施形態の封止要素14の内部には、多孔体16が設けられている。多孔体16としては、例えば多孔石英ガラス、多孔カーボンなどを用いることができる。多孔体16は、封止要素14における上下方向および周方向の中央部に設けられている。多孔体16は、封止要素14から径方向内側および径方向外側に向けて開口している。多孔体16の径方向外端部(流入口16b)は、供給管15に接続されている。多孔体16の径方向内端部(流出口16a)は、光ファイバ母材20に向けて開口している。この構成により、供給管15から供給されたシールガスは、多孔体16の内部に形成された空洞を通って、流出口16aから光ファイバ母材20の本体部21に向けて流出する。
このように本実施形態では、多孔体16に形成された空洞が、封止要素14の内部に設けられて径方向に延びるガス流路として機能する。
ここで、流出口16aの周方向における幅は、比較的大きく、例えば封止要素14の周方向における幅の1/2よりも大きい。このため、シールガスは周方向に均等に広がった状態で、流出口16aから光ファイバ母材20に向けて流出する。つまり、封止要素13、14から光ファイバ母材20に向けて供給されるシールガスの、周方向における供給量をより均一にすることができる。したがって、より確実に炉心管4の上端開口部をシールすることができる。また、光ファイバ母材20の本体部21と封止要素13、14との間の隙間の大きさを、より微小量に調整することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、図7に示すように、封止要素13、14を中心軸線Oに対して傾けて配置している。なお、図7および図8は、封止要素13、14の構成をわかりやすくするために、周方向におけるそれぞれの中央部で封止要素13、14を切断した模式図である。実際には、図2で示したように、封止要素13、14は周方向で互い違いに配置されている。
図7に示すように、本実施形態の封止要素13(上側封止要素)は、径方向内側に向かうに従って上方に向かうように傾斜して配置されている。また、封止要素14(下側封止要素)は、封止要素13よりも下方に位置し、径方向内側に向かうに従って下方に向かうように傾斜して配置されている。
なお、ガイド部材11(上側ガイド部材)およびガイド部材12(下側ガイド部材)は、上記のように封止要素13、14を傾斜して配置することができるように構成されている。
具体的には、ガイド部材11の収容空間11aは、全体として直方体状に形成されるとともに、径方向内側に向かうに従って上方に向かうように傾斜している。このような構成のガイド部材11は、例えば収容空間11aを境界として上下に2分割された部材を組み合わせることで得ることができる。
ガイド部材12の収容空間12aは、全体として直方体状に形成されるとともに、径方向内側に向かうに従って下方に向かうように傾斜している。ガイド部材12は、例えば収容空間12aを境界として上下に2分割された部材を組み合わせることで得ることができる。
上記のように封止要素13、14を傾斜して配置した場合、上方に位置する封止要素13の流出口13aから供給されたシールガスが、光ファイバ母材20の本体部21の外周面に沿って上方に向かう。そして、下方に位置する封止要素14の流出口14aから供給されたシールガスが、本体部21の外周面に沿って下方に向かう。
このように、ガス流路13b、14bから光ファイバ母材20に向けて噴き出したシールガスの少なくとも一部を、封止要素13と光ファイバ母材20との間の隙間から上方に向けて流出させることで、外気の炉心管4内への混入をより確実に抑制することができる。
また、ガス流路13b、14bから光ファイバ母材20に向けて噴き出したシールガスを、封止要素13、14と光ファイバ母材20との間の隙間から、上方および下方に向けて分岐して流出させることで、外気の炉心管4内への混入を抑制しながら、シールガスの一部を炉心管4の内部に流入させることができる。そして炉心管4の内部に流入したシールガスは、炉心管4内で層流を発生させるためのガスとして用いることができる。
なお、シールガスを上下に分岐させるための構成は、適宜変更可能である。例えば図8に示すように、封止要素13、14の内部で、ガス流路13b、14bが上下に分岐していてもよい。この場合、複数の流出口13a、14aを、各封止要素13、14に上下に並べて配置することが可能となり、シールガスを上方および下方に向けてより確実に分岐して流出させることができる。
以下、具体的な実施例を用いて、上記実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
炉心管4の上端開口部に、図2〜図4に示すようなシール部10を設けた。16枚の封止要素13を、中心軸線Oに直交する第1平面上に、周方向で等間隔に並べて配置した。16枚の封止要素14を、中心軸線Oに直交して第1平面よりも下方に位置する第2平面上に、周方向で等間隔に並べて配置した。封止要素13、14の材質は石英ガラスとした。封止要素13、14の中心部にそれぞれ、径方向に延びる直径2mmの貫通孔(ガス流路13b、14b)を形成した。これらの貫通孔の径方向外端に、供給管15を接続した。供給管15の内径は、貫通孔の内径と同様に2mmとした。供給管15は、封止要素13、14が径方向で移動可能となるように、可撓性を持たせて、形状が拘束されていない状態とした。
供給管15に供給するシールガスの圧力と、封止要素13、14の収容空間に供給する付勢ガスの圧力とは、光ファイバ母材20の本体部21に封止要素13,14が接触せず、かつ封止要素13、14の径方向内端と本体部21との隙間が0.5mm未満となるように調整した。具体的には、封止要素13、14の径方向内端と本体部21との隙間を目視し、ほとんど隙間がない状態とし、光ファイバ母材20を上下に移動させたあとで光ファイバ母材20の表面を観察して、封止要素13、14が接触することによる傷がないことを確認した。
光ファイバ母材20の本体部21の外径は150mmとし、図1に示すような紡糸装置1により、外径125μmの光ファイバ裸線を線引きした。シール部10が充分なシール性を有さない場合、ヒータ3によって炉心管4を加熱した後、外気が炉心管4内に混入することによる炉心管4の熱劣化が生じたり、炉心管4内のガスの流れが乱れて乱流となることで、光ファイバ裸線の外径の変動が生じたりする。しかしながら本実施例では、そのような異常は見られず、長手方向で安定した外径を有する光ファイバ裸線が得られた。
また、この光ファイバ裸線を用いて得られた光ファイバ素線について、IEC60793−1−30に準拠したプルーフ試験を行い、光ファイバ素線の破断強度を検査した。ここで、破断強度は、上記プルーフ試験によって破断した回数(回)を、試験を実施した光ファイバ裸線の長さ(km)とした。この結果、破断強度は0.001回/kmであった。このように実施例1では、第1実施形態のシール部10を用いて、良好な破断強度を有する光ファイバ素線を得ることができた。
(実施例2)
実施例1の封止要素13、14に代えて、図6に示すように、内部に多孔体16が設けられた封止要素13、14を用いた。封止要素13、14の材質はカーボンとし、多孔体16の材質は多孔カーボンとした。多孔体16の形状は、径方向内側から見たときに一辺が10mmの正方形であり、この形状が径方向に連なるような直方体とした。その他の条件は実施例1と同様である。
この条件のもと、本体部21の外径が150mmの光ファイバ母材20を線引きしたところ、問題なく光ファイバ素線を製造することができた。また、得られた光ファイバ素線の破断強度は0.001回/kmであった。このように実施例2では、第2実施形態のシール部10を用いて、良好な破断強度を有する光ファイバ素線を得ることができた。
(比較例)
実施例1の封止要素13、14に代えて、内部にガス流路が形成されておらず、供給管15が接続されていない封止要素を用いた。その他の条件は実施例1と同様である。
封止要素は、付勢ガスによる圧力によって、光ファイバ母材20の本体部21に押し付けられた。封止要素の径方向内端と本体部21とは接触しており、光ファイバ母材20を上下に移動させたあとで本体部21の表面を観察すると、封止要素が接触したことによる傷が生じていた。本体部21の外径が150mmの光ファイバ母材20を線引きしたところ、光ファイバ素線を製造することができたが、得られた光ファイバ素線の破断強度は0.003回/kmであった。これにより、実施例1、2の優位性を確認することができた。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、付勢ガスを用いて封止要素13、14を付勢したが、例えばバネなどの付勢部材によって封止要素13、14を径方向内側に向けて付勢してもよい。
また、前記実施形態のシール部10は、上下に重ねて配置された封止要素13、14を有していたが、シール部10に含まれる封止要素は上下に重ねられていなくてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…紡糸装置 4…炉心管 10…シール部 11、12…ガイド部材 12a…収容空間 13、14…封止要素 14b…ガス流路(貫通孔) 15…供給管 16…多孔体 20…光ファイバ母材

Claims (7)

  1. 炉心管の上端開口部に環状のガイド部材を配置し、
    前記ガイド部材が有する複数の収容空間の内部にそれぞれ封止要素を配置し、
    前記封止要素を光ファイバ母材に向けて付勢し、
    前記封止要素の内部に設けられたガス流路にシールガスを供給し、
    前記封止要素と前記光ファイバ母材とを接触させない、光ファイバの製造方法において、
    前記ガス流路は、前記封止要素に形成された貫通孔であり、前記封止要素の内部で分岐し、1つの流入口に対して複数の流出口が設けられている、光ファイバの製造方法
  2. 前記シールガスが、不活性ガスである、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記ガス流路から前記光ファイバ母材に向けて噴き出した前記シールガスの少なくとも一部を、前記封止要素と前記光ファイバ母材との間の隙間から上方に向けて流出させる、請求項1または2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記ガス流路から前記光ファイバ母材に向けて噴き出した前記シールガスを、前記隙間から上方および下方に向けて分岐して流出させる、請求項に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 複数の前記封止要素には、上側封止要素と、前記上側封止要素よりも下方に位置する下側封止要素と、が含まれ、
    前記上側封止要素は、径方向内側に向かうに従って上方に向かうように傾斜して配置され、
    前記下側封止要素は、径方向内側に向かうに従って下方に向かうように傾斜して配置されている、請求項に記載の光ファイバの製造方法。
  6. 前記ガス流路が前記封止要素の内部で上下に分岐することで、前記封止要素には前記シールガスの前記複数の流出口が上下に並べて配置されている、請求項に記載の光ファイバの製造方法。
  7. 炉心管と、
    前記炉心管の上端開口部に設けられたシール部と、を備え、
    前記シール部は、
    複数の収容空間が形成された環状のガイド部材と、
    径方向内側に向けて付勢されることが可能な状態で、前記複数の収容空間の内部にそれぞれ配置された複数の封止要素と、
    前記封止要素の内部に設けられたガス流路に、シールガスを供給する供給管と、を有し、
    前記ガス流路は、前記封止要素に形成された貫通孔であり、前記封止要素の内部で分岐し、1つの流出口に対して複数の流出口が設けられている、紡糸装置。
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