JP6650796B2 - 作業機用エンジン - Google Patents
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Description
すなわち、クランクシャフトと平行にカムシャフトが設けられ、カムシャフトに従動タイミングプーリが同軸上に形成され、駆動タイミングプーリおよび従動タイミングプーリにタイミングベルトが掛け渡される(例えば、特許文献1参照。)。
このため、吸気系部品や排気系部品を小型にして作業機用エンジンを軽量化することが難しい。さらに、吸気系部品や排気系部品を効率よくまとめて作業機用エンジンをコンパクト化ことが難しい。
ここで、「クランクシャフトに対して交差する」とは、クランクシャフトに対して直交、あるいは、クランクシャフトに対して任意の角度を持つように配置されることをいう。
これにより、吸気系部品、排気系部品の配置位置の自由度を高めることができ、各系部品を小型化することやコンパクトに配置することが可能になり、作業機用エンジンの軽量化、コンパクト化が図れる。
また、吸気バルブ、排気バルブの開閉のタイミングはクランクシャフトの回転と同期する。よって、第1ベベルギヤと第2ベベルギヤとの歯数を同じにすると、圧縮ばねの反力が各ベベルギヤの特定の歯に作用する。このため、第1ベベルギヤと第2ベベルギヤとの疲労限度や摩耗の進展などの観点から考慮の余地がある。
よって、吸気バルブ、排気バルブを開閉する際に、圧縮ばねの反力が第1ベベルギヤと第2ベベルギヤとの特定の歯に作用することを防止できる。すなわち、圧縮ばねの反力を各ベベルギヤの任意の歯に分散させることができる。
そこで、請求項2において、第1ベベルギヤの歯数N1、第2ベベルギヤの歯数N2の関係がN1<N2の条件を満たすようにした。第2ベベルギヤの回転数を減らすことが可能になり、従動タイミングプーリの歯数N4を減らすことができる。
よって、従動タイミングプーリのピッチ円直径を小さく抑えることができる。これにより、シリンダヘッドのコンパクト化や、冷却性能の向上が図れる。
なお、図中に示す「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は発電機10の操作盤33側を前(Fr)とする。
ここで、本発明に係る作業機用エンジン20を実施例において発電機10に適用する例について説明するが、作業機用エンジン20を草刈機、除雪機、耕耘機などの他の作業機に適用することも可能である。
また、本発明に係る作業機用エンジン20を「エンジン20」と略記する。
図1、図2に示すように、発電機10は、発電機10の外枠を形成する外装ケース12と、外装ケース12の内部13に収納されるエンジン20と、エンジン20の前側に設けられる発電部(作業部)21と、発電部21の前側に設けられる冷却ファン22と、冷却ファン22の前側に設けられるリコイルスタータ23とを備える。
マフラー37は排気ポート27にボルト38で連結される。
さらに、ベルトケース47の左側壁47aの下部に支持部(いわゆる、ボス)48が一体形成される。
以下、構成の理解を容易にするために「単体のブロック構造41」を「ユニブロック41」と称す。
ここで、第1分割面43aと第2分割面44aとの合わせ面は、ノックピン(図示せず)を用いることにより精度よく位置決めされる。
また、コンロッド56の小端部56bがピストンピン62を介してピストン55に連結される。
また、第1ベベルギヤ64および第2ベベルギヤ65が、クランクケース42の内部53に収納される(図5も参照)。
ここで、「クランクシャフト49に対して交差する」とは、クランクシャフト49に対して直交、あるいは、クランクシャフト49に対して任意の角度を持つように配置されることをいう。
そこで、第2ベベルギヤ65、駆動タイミングプーリ66を支持軸69で支持し、支持軸69を第1ケース43に取り付けるようにした。この第1ケース43には、クランクシャフト49の出力軸49aが取り付けられる。また、第2ケース44には、クランクシャフト49の支持軸49b(図3参照)が取り付けられる。
この状態において、クランクシャフト49の出力軸49aが第1ケース43の取付部43bで支持される。また、クランクシャフト49の支持軸49bが第2ケース44の取付部44bで支持される。
よって、第1ケース43の取付部43bと第2ケース44の取付部44bとが精度よく位置決めされる。すなわち、第1ケース43に対してクランクシャフト49が精度よく取り付けられる。
よって、第1ベベルギヤ64に対して第2ベベルギヤ65を精度よく位置決めできる。特に、第2ベベルギヤ65を軸方向に対して精度よく位置決めできる。
さらに、第1ベベルギヤ64に対して第2ベベルギヤ65を精度よく位置決めすることにより、管理工数の削減も可能になる。
第1ベベルギヤ64および第2ベベルギヤ65を樹脂材で形成し、各歯部64a,65aの歯型をスパイラル形状に形成する理由について後で説明する。
第2ベベルギヤ65の歯部65aはピッチ円P1(図7参照)に形成される。また、歯部65aのピッチ円P1の直径はPD1である。
すなわち、エンジン20の駆動中にクランクシャフト49が回転する。さらに、クランクシャフト49の回転に追従してコンロッド56およびピストン55が作動する。クランクシャフト49の回転に追従してコンロッド56が作動することにより、コンロッド56の大端部56a側がピストンピン62を支点にして左右側に作動する。
この第2ベベルギヤ65の内部85にコンロッド56の作動軌跡84を進入可能とした。
よって、第1ベベルギヤ64および第2ベベルギヤ65をクランクケース42の内部53にコンパクトに収納できる。これにより、エンジン20の軽量化、コンパクト化を図ることができる。
また、従動タイミングプーリ67がカムシャフト71に支持される。カムシャフト71はシリンダヘッド46およびベルトケース47(図5参照)に回転自在に支持される。この状態において、駆動タイミングプーリ66および従動タイミングプーリ67にカム駆動ベルト68が掛け渡される。
カムシャフト71が回転することにより、カムシャフト71のカム71a(図5参照)で吸気バルブ72、排気バルブ73が作動する。吸気バルブ72の作動で吸気ポート25が開閉され、排気バルブ73の作動で排気ポート27が開閉される。
すなわち、吸気バルブ72で開閉する吸気ポート25や、排気バルブ73で開閉する排気ポート27の配置位置を任意に選択できる。
具体的には、吸気ポート25がエンジン20の前側に配置され、排気ポート27がエンジン20の後側に配置される。
よって、吸気ポート25や排気ポート27の配置位置を任意に選択可能とすることにより、吸気系26の気化器91や、排気系28のマフラー37の配置位置を選択する際の自由度を高めることができる。
これにより、吸気系26、排気系28を小型にすることや、効率よくまとめて配置することが可能になり、エンジン20の軽量化、コンパクト化が図れる。
また、排気ポート27がエンジン20の後側に配置されることにより、排気系28のマフラー37がエンジン20の後側に配置される。
すなわち、エンジン20と冷却ファン22との間に気化器91が配置され、エンジン20の後側にマフラー37が配置される。
これにより、発電部21やシリンダ45の冷却に加えて、気化器91やマフラー37などを効率よく冷却できる。したがって、冷却ファン22の小型化が図れ、さらに、冷却ファン22の低損失、低騒音を確保できる。
これにより、冷却ファン22(図9参照)から送風される冷却風の流れをカム駆動ベルト68で遮ることを抑制できる。よって、冷却風によるエンジン20(特に、シリンダ45など)やマフラー37への冷却効果を高めることができる。
したがって、発電部21やエンジン20を少量の冷却風で効率よく冷却でき、冷却ファン22の小型化が図れる。
また、空間96を経た冷却風をマフラー37に導いて、マフラー37を一層効率よく冷却できる。
このため、第1ベベルギヤ64の特定の歯部65a、第2ベベルギヤ65の特定の歯部65aの疲労限度や摩耗の進展などの観点から考慮の余地がある。
N1=0.5×(N2/N3)×N4 ……(1)
N1<N2 ………(2)
とした。
荷重作用頻度=2×Nr×(G.C.D)/N2………(3)
となる。
但し、Nr:クランクシャフト49の回転数
G.C.D:歯数N1、歯数N2の最大公約数
第1ベベルギヤ64の歯数N1:42
第2ベベルギヤ65の歯数N2:48
駆動タイミングプーリ66の歯数N3:16
従動タイミングプーリ67の歯数N4:28
と設定した場合、歯数N1、歯数N2のG.C.D=6となり、式(3)から荷重作用頻度は、
荷重作用頻度=2×Nr×6/48 ………(4)
となる。
この状態において、第1ベベルギヤ64の特定の歯部65bは元の位置に戻る。一方、第2ベベルギヤ65の特定の歯部65bは下方位置に配置される。すなわち、第1ベベルギヤ64の特定の歯部65aに対して第2ベベルギヤ65の特定の歯部65aが噛み合わない位置に配置される。
これにより、荷重作用頻度を少なく抑えることができる。
具体的には、
第1ベベルギヤの歯数N5:43
第2ベベルギヤの歯数N6:43
駆動タイミングプーリの歯数N7:16
従動タイミングプーリの歯数N8:32
と設定すると、荷重作用頻度は、
荷重作用頻度=2×Nr
となり、式(4)の荷重作用頻度=2×Nr×6/48より大きくなる。
荷重作用頻度=2×Nrの場合、例えば、第1ベベルギヤ64の特定の歯部65b、第2ベベルギヤ65の特定の歯部65bに荷重が作用した状態から、クランクシャフト49が2回転(すなわち、エンジン20が1サイクル)した後、第1ベベルギヤ64の特定の歯部65bに第2ベベルギヤ65の特定の歯部65bが噛み合わされる。
これにより、荷重作用頻度が多くなる。
すなわち、第1ベベルギヤ64の任意の歯部65aと第2ベベルギヤ65の任意の歯部65aとに圧縮ばねの反力を分散させることができる。
また、第1ベベルギヤ64、第2ベベルギヤ65の摩耗の進展を抑えることにより、第1ベベルギヤ64、第2ベベルギヤ65(すなわち、エンジン20)の長寿命化が図れる。
この状態において、第1ベベルギヤの歯数N1、第2ベベルギヤの歯数N2の関係が
N1<N2
の条件を満たす。
よって、従動タイミングプーリ67のピッチ円直径を小さく抑えることができる。これにより、シリンダヘッド46のコンパクト化が図れる。さらに、シリンダヘッド46をコンパクト化することにより冷却性能の向上が図れる。
さらに、図7に示すように、第1ベベルギヤ64の歯部64aおよび第2ベベルギヤ65の歯部65aをスパイラル形状に湾曲形成した。これにより、排気バルブ73、吸気バルブ72を開くときの衝撃荷重(衝撃力)を一層良好に低減できる。
例えば、前記実施例で示した発電機、エンジン、クランクケース、クランクシャフト、コンロッド、第1ベベルギヤ、第2ベベルギヤ、駆動タイミングプーリ、従動タイミングプーリ、カム駆動ベルトおよびカムシャフトなどの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
20 エンジン(作業機用エンジン)
42 クランクケース
49 クランクシャフト
53 クランクケースの内部
56 コンロッド(コネクティングロッド)
64 第1ベベルギヤ
65 第2ベベルギヤ
66 駆動タイミングプーリ
67 従動タイミングプーリ
68 カム駆動ベルト
71 カムシャフト
84 コンロッドの作動軌跡
85 第2ベベルギヤの内部(第2ベベルギヤのピッチ円の内部)
P1 第2ベベルギヤのピッチ円
Claims (2)
- クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝えるカム駆動ベルトを備える作業機用エンジンにおいて、
前記クランクシャフトに同軸に設けられる駆動用の第1ベベルギヤと、
該第1ベベルギヤに噛み合い、前記クランクシャフトに対して交差するように支持される従動用の第2ベベルギヤと、
該第2ベベルギヤと同軸上に支持される駆動タイミングプーリと、
該駆動タイミングプーリの上方に設けられ、前記クランクシャフトに対して交差するように支持される従動タイミングプーリと、
前記クランクシャフトにピストンを連結するコンロッドと、を備え、
前記駆動タイミングプーリおよび前記従動タイミングプーリに前記カム駆動ベルトが掛け渡され、
前記第1ベベルギヤを歯数N1、前記第2ベベルギヤを歯数N2、前記駆動タイミングプーリを歯数N3、前記従動タイミングプーリを歯数N4とし、
N1=0.5×(N2/N3)×N4とし、
前記第2ベベルギヤは中空の円錐台状に形成され、前記第2ベベルギヤの内部空間に前記コンロッドの作動軌跡が進入することを特徴とする作業機用エンジン。 - 前記第1ベベルギヤの歯数N1、前記第2ベベルギヤの歯数N2が、
N1<N2の条件を満たす、請求項1記載の作業機用エンジン。
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JP2016046814A JP6650796B2 (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 作業機用エンジン |
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