JP6650728B2 - ダイエット用の製剤 - Google Patents

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本発明は、ダイエット用の製剤に関する。
生活習慣の変化や食生活の変化により、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病などのいわゆる生活習慣病患者が増加している。生活習慣病の対策として肥満の改善が重要であることは論を待たない。また、美容などの点からも肥満を改善しようとする高い欲求があり、いわゆるダイエットを目的とした肥満の改善に対する関心が高まっている。
従来から行われている肥満の対策として、食事療法(食事制限や絶食)、運動療法(運動によるエネルギー消費の促進)、薬物療法等が挙げられる。特に、食事管理はダイエットを成功させるために特に重要と考えられている。
また、食事中に含まれる栄養成分の吸収を抑制するような物質を摂取して、食事療法と併用することも行われている。栄養成分の吸収を阻害する物質としては、インゲンマメエキスなどのアミラーゼ阻害成分、緑茶ポリフェノールやウーロン茶ポリフェノールなどのリパーゼ阻害成分、ギムネマ酸などの糖吸収レセプターT1R2/T1R3受容体の阻害成分が代表的なものとして利用されている。しかし、これらの療法は、過度に行うと健康を損なう場合があり、さらにリバウンドによる体重増加が起こるため、継続的、長期的な実行が困難である。したがって、従来のダイエット用の製剤は、体重の増加や体脂肪の増
加を抑制することはできるが、これのみで体重の減少や、体脂肪を低下させることは困難であり、これを達成するためには、ダイエット用の製剤の摂取に加えて、運動の併用や厳密な食事管理を必要とすることが常識となっている。
また、乳酸菌等の微生物を用いたダイエットも提案されている。特許文献1にはビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274株又はビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700株を用いた耐糖能改善剤及び抗肥満剤が記載されている。特許文献2には通常の食事をとりながら脂質の体内吸収を抑制することのできるラクトバチルス・ラムノーサスATCC53103株を用いた抗肥満食品が記載されている。特許文献3には、α−グルコシダーゼ阻害剤とビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌、酪酸菌から選択される1種以上の菌を配合した脂質代謝改善剤及び抗肥満剤が記載されている。非特許文献1には、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株を含むヨーグルトの摂取により、腸内の微生物叢に影響を及ぼし、腸内のビフィズス菌を増加させることが記載されている。しかし、このヨーグルトがダイエットに効果を示すことは記載されていない。乳酸菌など微生物、特にビフィズス菌をダイエットに用いる場合には、一日一回当り5×1010CFU以上の生菌数を摂取する必要があり(非特許文献2)、有効量を日常的、継続的に摂取することは難しく、特にヨーグルトなどの食品として日常的に摂取することは困難であった。またビフィズス菌の胃内での生残率を高めることが必要であった。
特許第4834798号公報 特開2011−206057号公報 WO2012/011174号公報
Bioscience Microflora Vol.16(2).73−77,1977 Journal of Nutritional Science Vol.4,e17,2015
本発明らは、厳重な食事管理や運動の併用が必要のない、健康的に体重減少効果を示すダイエット用及び/又は腸内菌叢改善用の製剤の提供を課題とする。
本発明者らは、検討を行った結果、ビフィドバクテリウム・ブレーベとビフィドバクテリウム・ロンガムとN−アセチルグルコサミンを同時に摂取し、且つ前記の菌株が腸内に生菌のまま到達できるようにした製剤の摂取が、肥満状態にあるヒトの体重を減少させることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の構成である。
(1)ビフィドバクテリウム・ブレーベB−3株1×10 CFU〜1×10 10 CFUを含む培養物、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株2×10 CFU〜2×10 10 CFUを含む培養物、N−アセチルグルコサミン100mg〜500mgヒドロキシプロピルセルロース粉末を生菌質量に対して3〜20質量%、炭酸カルシウム粉末を生菌質量に対して0.5〜15質量%、乳タンパク消化物を生菌質量に対して10〜30質量%と硬化油脂を生菌質量に対して20〜40質量%を耐酸性ハードカプセルに内包したことを特徴とする、食事制限なしで成人の体重と体脂肪を減少させるための製剤および腸内菌叢改善用の製剤。
本発明によれば、食事制限や運動管理をせずに体重・体脂肪率の低下及び腹部脂肪の蓄積抑制効果を有するダイエット用の製剤が提供することができる。また本発明の製剤の投与により、腸内菌叢をダイエットに適した構成比に改善することができる。
本発明のダイエット用の製剤およびプラセボを24週間摂取した臨床試験における体重の推移を示すグラフである。 本発明のダイエット用の製剤およびプラセボを24週間摂取した臨床試験におけるBMIの推移を示すグラフである。 本発明のダイエット用の製剤およびプラセボを24週間摂取した臨床試験における体脂肪率(DEXA法によって測定)の推移を示すグラフである。 本発明のダイエット用の製剤およびプラセボを24週間摂取した臨床試験における総脂肪面積の変化を示すグラフである。 本発明のダイエット用の製剤およびプラセボを24週間摂取した臨床試験における内臓脂肪面積の推移を示すグラフである。 本発明のダイエット用の製剤およびプラセボを24週間摂取した臨床試験における皮下脂肪面積の推移を示すグラフである。
本発明に用いるビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)は、種々の株が分離されている。ビフィドバクテリウム・ロンガムに属する株であれば、本発明の目的である体重の減少と体脂肪の低下に効果を有するが、特に好ましくはビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株(以下「BB536株」:例えば、ATCC BAA−999株が公的機関から分譲されている。)が好ましい。BB536株は森永乳業からヨーグルト用の乳酸菌として市販されている。また大量に培養したBB536の生菌粉末も、前記森永乳業から市販されており、これらを本発明に用いることができる。なお、腸内にBB536株が定着することで免疫機能が改善されて花粉症に対する抵抗力が増加することが知られている。
通常ビフィドバクテリウム・ロンガムを培養して生菌末を調製する場合は次のような操作で調製することができる。
12%グルコ−スを添加したGAM液体培地(ニッスイ社製)にビフィドバクテリウム・ロンガムを接種し、37℃で12時間培養する。培養終了後、培養液から遠心分離により集菌し、水洗し、再度集菌し、この湿菌体を10%濃度に調整した脱脂粉乳の水溶液を使用して、菌体固形分濃度10%の懸濁液を調製する。この懸濁液を、10%水酸化ナトリウム溶液によりpHを7.0に調整し、凍結乾燥機を使用して30℃で15時間凍結乾燥する。この凍結乾燥物を粉砕し、マルトデキストリンと重量比1:1の割合で混合し、1g当りに含有されるビフィズス菌生菌数が3×1010個であるビフィズス菌生菌末を製造することができる。
本発明が用いるビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)も、種々の株が分離されている。本発明に用いる株としてはビフィドバクテリウム・ブレーベB−3株(以下「B−3株」)が好ましい。B−3株は森永乳業から市販されている。また大量に培養したB−3株の生菌粉末が、前記森永乳業から市販されており、これらを本発明に用いることができる。なお、腸内にB−3株が定着することでメタボリックシンドロームの改善効果を示すことが知られている。
ビフィドバクテリウム・ブレーベもビフィドバクテリウム・ロンガムと同様の操作で、乾燥生菌粉末とすることができる。
N−アセチルグルコサミン(以下、「NAG」という)は、砂糖の約2分の1程度の良質な甘味を有する吸湿性の少ない白色の結晶性粉末である。天然型のNAGは、カニやエビなどの甲殻類の外殻を由来とする天然多糖類キチンを酸及び/又は酵素により加水分解して得られる。また、同じくキチンを完全酸加水分解して得られるD−グルコサミン塩酸塩を化学合成によりアセチル化してNAGを得ることもできる。NAGは、キチンを酸及び/又は酵素により加水分解する方法、例えば、特許第1822027号公報に示された方法などにより製造された天然型のNAGが市販されており、これを本発明においては用いることができる。
前記のビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベをはじめとして、いわゆるビフィズス菌は、経口で摂取すると、胃内で死滅してしまうため、本発明の効果を得ることができない。これを防ぐため、NAGとビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベを腸溶性の製剤とする必要がある。腸溶性とするためには、NAGとビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生菌を混合し、造粒子、打錠後にシェラックなどの腸溶性を有する物質でコーティングするか、あるいは耐水性の腸溶性の耐酸性カプセルに充填することが必要である。ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生存率を高めるためには腸溶性のカプセルに充填することが好ましい。以下の説明は腸溶性の耐酸性カプセルを用いた場合の態様を中心に説明する。
腸溶性のカプセルは、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、NAGをヒドロキシルメチルセルロースなどの耐水性を有するカプセルに充填した後、さらにフィルムコーティングや硬化油脂コーティングして、耐酸性を付与して、カプセルに腸溶性を付与する。あるいは、あらかじめ腸溶性加工が施されたカプセルを使用することもできる。このような腸溶性の耐酸性カプセルとしては、カプスゲルジャパン株式会社の販売するDRcaps(登録商標)を例示することができる。
ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベは腸溶性の耐酸性カプセルに内包されているため、胃酸による影響を受けず腸内で放出されて、NAGと共存することで、本発明の効果を発揮することができる。本発明のダイエット用の製剤が目的とする効果を発揮するためには、一回当りの有効量として、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの配合量を、それぞれビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株を用いる場合には生菌数として2×109CFU〜2×1010CFU、ビフィドバクテリウム・ブレーベB−3株を用いる場合には生菌数として1×109CFU〜1×1010CFU、さらにNAGを100mg〜500mg配合するようにして製剤を調整する。
また、耐水性のカプセルに充填する場合、さらにビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生残性(生残率)を高めるため、補助成分を添加することが好ましい。このような補助成分としてヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及び炭酸カルシウムを配合して、ハードカプセルに充填し、ハードカプセル製剤を製造する。
HPCは、カプセル製剤の内容物を固めて、内容物の散逸を防止し、浸水を抑制する作用を有する。HPCとヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、共に浸水抑制作用を有し、胃酸耐性を付与する効果が期待される。HPCの方がHPMCに比べて浸
水速度が小さく、浸水抑制効果が高い。また、HPMCは浸水時の膨潤度が高く、膨らんだカプセル内容物がカプセルから飛び出してしまうが、HPCは浸水時にも膨潤せず、より高い胃酸耐性を付与することができる。
HPCは、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベに対して、好ましくは、3質量%〜20質量%、さらに好ましくは、5質量%〜15質量%、特に好ましくは、8質量%〜10質量%の量で用いることが好ましい。
炭酸カルシウムは、カプセル内に浸入してくる胃酸を中和させ、酸性で消化力の強いペプシンの作用を消滅、低下させる作用を有する。本発明においては、炭酸カルシウムをHPCと組み合わせて用いることにより、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの耐酸性を向上させ、生残性を向上することができる。
本発明において、炭酸カルシウムは、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生菌に対して、好ましくは、0.5質量%〜10質量%の量、さらに好ましくは、1質量%〜5質量%、特に好ましくは、3質量%〜5質量%の量で用いることが好ましい。
また、本発明においては、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生残性を高めるために、乳タンパク消化物を用いることが好ましい。乳タンパク消化物としては、低pH環境下で凝固する性質を有し、浸水を抑制する性質を有するものであれば特に限定されない。このような乳タンパク消化物としては、森永乳業社製のGFR−Powder(N)等を特に好ましい例として挙げることができる。
本発明において、乳タンパク消化物は、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生菌量当り、10質量%〜30質量%の量で用いることが好ましく、15質量%〜20質量%の量で用いることが特に好ましい。
さらにまた、本発明においては、硬化油脂を配合することでビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生残性を高めることができる。硬化油脂は、製剤中への浸水を抑制する作用を有し、サプリメント、機能性食品、医薬品において使用できるものであれば限定されない。
硬化油脂は、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生菌重量当り、20質量%〜40質量%の量で用いることが好ましく、20質量%〜30質量%の量で用いることが特に好ましい。
本発明のダイエット用の製剤をハードカプセル製剤とする場合、その製造方法は、限定されず、公知の方法により製造することができる。すなわち、機能成分または有効成分と基剤成分を常法により配合してカプセル内容物を調製し、それを常法によりハードカプセルに充填する方法により製造することができる。
ハードカプセル製剤とする場合、その他の成分としては、賦形剤や滑沢剤等を配合することができる。なお、その種類は通常許容されるものであればよい。
カプセルに配合するその他の賦形剤としては、例えば、セルロース、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、粉末還元麦芽糖水あめ、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、D−ソルビトール、マルトース、デンプンおよびデンプン誘導体、アスパルテーム、グリチルリチン酸およびその塩、サッカリンおよびその塩、ステビアおよびその塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、リン酸水素カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストリン、グァーガム、アラビアガム、トラガント、アルギン酸およびその塩、プルラン、カラギーナン、ゼラチン、寒天、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。その中でも、デンプンが好ましい。これらの賦形剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて、任意の配合量で用いることができる。
また、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油等が挙げられ、その中でもステアリン酸カルシウムが好ましい。これらの滑沢剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて任意の配合量で用いることができる。
次に、本発明のダイエット用の製剤の調製例、試験例を示して本発明を更に詳細に説明する。
1.ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生残性
<試験サンプル調製方法>
下記表1の組成で本発明のダイエット用の製剤を調製した。
Figure 0006650728
表1に示す原材料のうち、ステアリン酸カルシウム以外の原料を量り取り、V型混合器(筒井理化学器械社製:ミクロ型透視式混合器)で10分間混合した後、ステアリン酸カルシウムを加え、5分間混合し、カプセル充填用内容物を得た。次いで、カプセル充填機(Feton international社製:CAPSULE FILLER&LOADER)を使用し、1カプセル当り260mgの内容物を充填し試験試料を調製した。
なお表1において用いる原材料の詳細は下記の通りである。
(有効成分)
・ビフィズス菌末(1)(森永乳業社製:高濃度ビフィズス菌末BB536−EX)生菌末(BB536株培養物)
・ビフィズス菌末(2)(森永乳業社製:森永ビフィズス菌末B−3−EX)生菌末(B−3株培養物)
・N−アセチルグルコサミン(焼津水産化学工業社製:マリンスウィート(R)YSK)
(賦形剤)
・ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製:セルニーH微粉)
・炭酸カルシウム(キユーピー社製:カルホープ)
・乳タンパク消化物(森永乳業社製:GFR−Powdr(N))
・硬化油脂(川研ファインケミカル社製:ラブリワックス−102H)
(滑沢剤)
・ステアリン酸カルシウム(堺化学工業社製:食品添加物ステアリン酸カルシウム)(カプセル)
・耐酸性ハードカプセル(CAPSUGEL社製:DRcaps)
<腸溶性及び耐酸性確認試験(ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生残性)>
崩壊試験機(富山産業社製:NT−40HS)を使用し、37℃の日本薬局方1液(pH1.2)中でカプセルを120分間遊泳させた。その後カプセルを取り出し、下記方法で培養し、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベの生残性を確認した。
すなわち、取り出したカプセル内容物を、生理食塩水を用いてサンプル調製し、TOSプロピオン酸寒天培地(ヤクルト薬品工業社製)へ混釈培養した。アネロパウチ・ケンキ(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気状態にし、37℃、72時間の培養後コロニー数をカウントした。1カプセル当りの生菌数は1.8×109CFUであった。
なお、試験前の初発ビフィズス菌数は、1カプセル当り2.0×1010CFUであった。この製剤は耐酸性を有し、投与するビフィズス菌が腸内に生菌で投与されることが確
認できた。
2.ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びN−アセチルグルコサミンを含むダイエット用の製剤のヒト臨床効果試験
<試験方法の概要>
上記の試験結果に基づき、表1に記載の組成の、耐酸性カプセルに内包されたダイエット用の製剤とビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びN−アセチルグルコサミンをデンプンで置換したプラセボ剤(偽薬)を用いて、二重盲検試験によって、本発明の、ヒトにおけるダイエット効果を確認する臨床試験を実施した。
二重盲検平行群間比較試験
<臨床試験対象>
年齢50歳〜69歳の健康な男女で、BMI(ボディーマスインデックス)25kg/m2以上30kg/m2未満(肥満傾向にある)と診断され、さらに慢性的な便秘または軟便傾向の者(排便機能を改善したいと感じている者)を問診によって選別し、60名を選択した。試験対象者は、試験開始前に身長、体重、CT検査による腹部内臓脂肪面積、皮下脂肪面積、総脂肪面積を測定した。また、被験者の選別時に予め糞便を回収し腸内菌叢の構成比を分析した。
<投与方法及び検査>
60名を無作為に2群にわけ、表1の試験試料1と同じ製剤を、1日1回朝食後4粒、24週間連続で服用した。服用期間は医師の管理下で、通常の食生活及び活動を継続した。途中8週、16週、及び24週経過時に体重測定及びCTによる腹部内臓脂肪面積、皮下脂肪面積、総脂肪面積、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA法)による体脂肪率を測定した。また、腸内菌叢の分析は、次世代シークエンス法により門レベル解析と属レベル解析を行なった。便の採取は採便キット((株)テクノスルガ・ラボ ブラシ型採便キット)を検査事前に配布し、採便・提出されたものを用いた。便検体から抽出したDNAは、16S リボソーマルRNA遺伝子のV3-4領域を対象とした次世代シークエンス解析(イルミナ社,Miseq)によって行った。本発明の製剤を服用する場合、ビフィドバクテリウム・ロンガム生菌1×1010CFU、ビフィドバクテリウム・ブレーベ5×109CFU、NAG250mgを一日当り摂取することとなる。
なおすべての試験は、臨床試験に係るヘルシンキ宣言に則って実施した。
<結果>
A.体重変化及びBMI値の変化
図1、図2に投与開始時点からの体重変化、及び体重と身長から求めたBMIの変化を示す。本発明品を服用した場合、体重及びBMIは減少に転じ、一方プラセボ群は、増加に転じ、24週経過後、プラセボ投与群との間に危険率0.05で有意差が確認された。
B.DEXA法、CT測定による体脂肪変化の評価
図3、4、5、6にDEXA法による体脂肪率の変化、及びCT画像から求めた総脂肪面積、腹部内臓脂肪面積、皮下脂肪面積の被験者選抜の際に測定した値からの変化値をそれぞれ示した。
本発明品を服用した群の、体脂肪率は24週経過後明らかに減少し、一方プラセボ群は変化が認められなかった。
24週経過後の両群は統計的に有意な差(p<0.05)が生じていた。
総脂肪面積は、24週経過後わずかに減少し、一方プラセボ群は増加した。24週経過後、両群は統計的に有意な差(p<0.05)が生じていた。
本発明品を服用した群の腹部内臓脂肪面積は、24週経過後変化が認められなかったが、一方プラセボ群は増加した。24週経過後、両群は統計的に有意な差(p<0.05)が生じていた。
本発明品を服用した群の皮下脂肪面積は、24週経過後減少したが、一方プラセボ群は増加した。24週経過後、両群は統計的に有意な差(p<0.05)が生じていた。
脂肪組織、特に内臓脂肪の過剰な蓄積は、アディポサイトカインの合成・分泌に変異をきたし、インスリン抵抗性の悪化、高コレステロール血症、高血圧など、いわゆるメタボリックシンドローム発症・悪化に繋がることが知られている。本試験で、体重・体脂肪率の低減や腹部脂肪の減少・蓄積抑制作用が見られたことは、メタボリックシンドロームの発症抑制や各疾病の改善に寄与することが期待できる。
属レベル解析では、菌叢の占有率が0.1%以上かつ群内比較または群間比較において有意な変動が検出された。変動を示した菌について表2に示す。
本発明品投与群では、Lachnospiraceae sp.、Roseburia属の有意な増加とFusobacterium属、Prevotella属、Enterobacteriaceae sp.の有意な減少が確認された。またプラセボ投与群ではBacteroides属の有意な減少とLachnospiraceae sp.の有意な増加が見られた。Prevotella属とEnterobacteriaceae sp.は、投与24週経過後で、本発明品とプラセボ投与群間で有意差がみられ、いずれも本発明品投与群の方が有意に低値を示した。すなわち本発明品は、腸内菌叢の改善に有効であった。
Figure 0006650728
本発明品の肥満改善作用のメカニズムは、短鎖脂肪酸の関与が大きいと考えられる。すなわち、摂取したビフィズス菌が産生する酢酸と、腸内フローラ解析で増加が確認された酪酸産生菌の一種であるRoseburia属が産生する酪酸により、体内の短鎖脂肪酸濃度が上昇し、これらの短鎖脂肪酸がGRP41、GRP43に作用し脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑制し肥大化を防ぐとともに、交感神経系を介してエネルギー消費を促しエネルギー収支バランスを改善した事によると推察される。
以上の臨床試験の成績から、本発明のダイエット用の製剤は、食事制限や運動管理をせずに、体重と体脂肪の減少に効果を有することが明らかとなった。また、それは腸内菌叢の改善による効果が大きかったものと考えられた。

Claims (1)

  1. ビフィドバクテリウム・ブレーベB−3株1×10 CFU〜1×10 10 CFUを含む培養物、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株2×10 CFU〜2×10 10 CFUを含む培養物、N−アセチルグルコサミン100mg〜500mgヒドロキシプロピルセルロース粉末を生菌質量に対して3〜20質量%、炭酸カルシウム粉末を生菌質量に対して0.5〜15質量%、乳タンパク消化物を生菌質量に対して10〜30質量%と硬化油脂を生菌質量に対して20〜40質量%を耐酸性ハードカプセルに内包したことを特徴とする、食事制限なしで成人の体重と体脂肪を減少させるための製剤および腸内菌叢改善用の製剤。
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