JP6650680B2 - タイヤ摩耗量推定方法及びタイヤ摩耗量推定装置 - Google Patents

タイヤ摩耗量推定方法及びタイヤ摩耗量推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤトレッドの内面側に配置された加速度センサーの出力信号を用いて、当該タイヤの摩耗量を推定する方法とその装置に関するものである。
従来、タイヤの摩耗量を推定する方法として、タイヤのインナーライナー部のタイヤの幅方向中心に加速度センサーを設置し、加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向の加速度波形から踏み込み前の振動レベルの大きさである踏み込み前帯域値を算出するとともに、同じ加速度波形を微分した微分加速度波形の接地端におけるピーク値である微分ピーク値を算出し、この算出された踏み込み前帯域値と微分ピーク値とから、当該タイヤの摩耗量を推定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−169816号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の方法では、雪上路面を走行した場合には、タイヤ摩耗量の推定精度が低下してしまうといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、雪上路面においても、タイヤ摩耗量を精度よくかつ安定して推定できる方法とその装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、雪上路面(以下、雪路という)では、路面の凹凸により加速度波形が乱れ、その結果、踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値とに差が発生することから、このような乱れた加速度波形から算出された微分ピーク値を、摩耗量の推定に用いないようにすれば、タイヤ摩耗量の推定精度を一層向上させることができることを見出し本発明に到ったものである。
すなわち、本発明は、加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定する方法であって、タイヤトレッドの内面に配置された加速度センサーを用いて当該タイヤのタイヤ径方向加速度を検出するステップ(A)と、前記検出されたタイヤ径方向加速度から接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出するステップ(B)と、前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求めるステップ(C)と、前記微分加速度波形から当該微分加速度波形の2つの接地端部に出現するピークの大きさである踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値とを算出するステップ(D)と、前記ステップ(A)〜(D)を複数回繰り返して得られた踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値のそれぞれについて、踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値との比である微分ピーク比を算出し、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するステップ(E)と、前記ステップ(E)で抽出された複数の摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を算出するステップ(F)と、前記微分ピーク平均値から当該タイヤの摩耗量を推定するステップ(G)と、を備えることを特徴とする。
このように、タイヤ摩耗量の推定に、踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値との比である微分ピーク比が0.6〜1.2の範囲にあるデータのみを用いたので、雪上路面においても、タイヤ摩耗量を精度よく推定することができる。
また、ステップ(G)にて、タイヤ摩耗量を推定する際に、前記微分ピーク平均値と、予め求めておいた微分ピーク平均値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップとから、当該タイヤの摩耗量を推定したので、タイヤ摩耗量の推定精度が更に向上した。
また、タイヤ摩耗量を推定する際に、前記微分ピーク平均値と予め設定しておいた閾値とを比較して、当該タイヤの摩耗量を推定しても、タイヤ摩耗量の推定精度を更に向上させることができる。
また、本発明は 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤのトレッドの摩耗量を推定する方法であって、タイヤトレッドの内面に配置された加速度センサーを用いて当該タイヤのタイヤ径方向加速度を検出するステップ(a)と、前記検出されたタイヤ径方向加速度から接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出するステップ(b)と、前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出するステップ(c)と、前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求めるステップ(d)と、前記微分加速度波形から当該微分加速度波形の2つの接地端部に出現するピークの大きさである踏み込み端側微分ピーク値Vfと蹴り出し端側微分ピーク値Vkとを算出するステップ(e)と、前記ステップ(a)〜(e)を複数回繰り返して得られた踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値のそれぞれについて、踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値との比である微分ピーク比(R=Vf/Vk)を算出し、前記微分ピーク比Rの下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfzと蹴り出し側微分ピーク値Vkzのうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値Vzとして抽出するとともに、前記ステップ(c)で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出された踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するステップ(f)と、前記ステップ(f)で抽出された複数の摩耗推定用微分ピーク値Vzから当該タイヤの摩耗量を推定するステップ(g)と、を備え、前記ステップ(f)では、前記摩耗推定用微分ピーク値Vzを前記摩耗推定用帯域値Pz毎に抽出し、前記ステップ(g)では、前記摩耗推定用帯域値Pz毎に求められた摩耗推定用微分ピーク値Vzの平均値である微分ピーク平均値を前記摩耗推定用帯域値毎に算出した後、前記算出された微分ピーク平均値の平均値、もしくは、予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する微分ピーク平均値を算出してこれを基準微分ピーク値Vzsとし、前記基準微分ピーク値Vzsから当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とする。
このように、摩耗推定用帯域毎に摩耗推定用微分ピーク値の平均値を求めるとともに、微分ピーク平均値の平均値、もしくは、予め設定された基準踏み込み前帯域値に対応する微分ピーク平均値基準微分ピーク値とし、この算出された基準微分ピーク値から当該タイヤの摩耗量を推定するようにしたので、雪上路面においても、タイヤ摩耗量を精度よく推定することができる。
また、ステップ(g)にて、タイヤ摩耗量を推定する際に、前記基準微分ピーク値と、予め求めておいた基準微分ピーク値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップとから、当該タイヤの摩耗量を推定したので、タイヤ摩耗量の推定精度が更に向上した。
また、タイヤ摩耗量を推定する際に、前記基準微分ピーク値と予め設定しておいた閾値とを比較して、当該タイヤの摩耗量を推定しても、タイヤ摩耗量の推定精度を更に向上させることができる。
なお、摩耗推定用微分ピーク値を摩耗推定用帯域値Pz毎に計数する際には、一般に行われているように、摩耗推定用帯域値Pzを所定のレベル幅Δを有する離散的な摩耗推定用帯域値Pziとし、この離散的な摩耗推定用帯域値Pziを中心にした[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]の領域内に入るPzに対応する摩耗推定用微分ピーク値Vzを摩耗推定用帯域値Pziに対応する微分ピーク値Vziとして計数することはいうまでもない。
また、本発明は 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定する方法であって、タイヤトレッドの内面に配置された加速度センサーを用いて当該タイヤのタイヤ径方向加速度を検出するステップ(a)と、前記検出されたタイヤ径方向加速度から接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出するステップ(b)と、前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出するステップ(c)と、前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求めるステップ(d)と、前記微分加速度波形から当該微分加速度波形の2つの接地端部に出現するピークの大きさである踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出するステップ(e)と、前記ステップ(a)〜(e)を複数回繰り返して得られた踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のそれぞれについて、踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値との比である微分ピーク比を算出し、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するとともに、前記ステップ(c)で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出された踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するステップ(f)と、前記ステップ(f)で抽出された複数の摩耗推定用帯域値と摩耗推定用微分ピーク値とから、前記摩耗推定用帯域値と前記摩耗推定用微分ピーク値との関係を示す近似式、もしくは、前記摩耗推定用帯域値に対する前記摩耗推定用微分ピーク値をプロットして得られる近似線を求めるステップ(h)と、前記近似式もしくは近似線から予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する摩耗推定用微分ピーク値である基準微分ピーク推定値を算出するステップ(i)と、前記算出された基準微分ピーク推定値から当該タイヤの摩耗量を推定するステップ(j)と、を備え、 前記ステップ(f)では、前記摩耗推定用微分ピーク値を前記摩耗推定用帯域値毎に抽出する、ことを特徴とする。
このように、請求項4の基準微分ピーク値に代えて、近似式もしくは近似線を用いて算出した基準微分ピーク推定値を用いて当該タイヤの摩耗量を推定したので、雪上路面におけるタイヤ摩耗量の推定精度を確実に向上させることができる。
また、ステップ(j)にて、タイヤ摩耗量を推定する際に、前記基準微分ピーク推定値と、予め求めておいた基準微分ピーク推定値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップとから、当該タイヤの摩耗量を推定したので、タイヤ摩耗量の推定精度が更に向上した。
また、タイヤ摩耗量を推定する際に、前記基準微分ピーク推定値と予め設定しておいた閾値とを比較して、当該タイヤの摩耗量を推定しても、タイヤ摩耗量の推定精度を更に向上させることができる。
また、本願発明は、加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定するタイヤ摩耗量推定装置であって、タイヤトレッドの内面側に配置されてタイヤ径方向加速度を検出する加速度センサーと、前記加速度センサーの出力信号から、接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求める微分演算手段と、前記微分加速度波形における2つの接地端部のピーク値である踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値とを算出する微分ピーク値算出手段と、前記踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値の比である微分ピーク比を算出する微分ピーク比算出手段と、前記算出された踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値のうち、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するデータ抽出手段と、前記摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を算出する微分ピーク平均値算出手段と、予め求めておいた微分ピーク平均値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップを記憶する記憶手段と、前記算出された微分ピーク平均値と前記マップとから当該タイヤの摩耗量を推定する摩耗量推定手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成を採ることにより、雪路走行時においても、推定精度の高いタイヤ摩耗量推定装置を実現できる。
また、本願発明は、加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定するタイヤ摩耗量推定装置であって、タイヤトレッドの内面側に配置されてタイヤ径方向加速度を検出する加速度センサーと、前記加速度センサーの出力信号から、接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出する帯域値算出手段と、前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求める微分演算手段と、前記微分加速度波形における2つの接地端部のピーク値である踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値とを算出する微分ピーク値算出手段と、前記踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値の比である微分ピーク比を算出する微分ピーク比算出手段と、前記算出された踏み込み端側微分ピーク値と蹴り出し端側微分ピーク値のうち、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するとともに、前記帯域値算出手段で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出した踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するデータ抽出手段と、前記抽出された摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を、前記摩耗推定用帯域値毎に算出する微分ピーク平均値算出手段と、前記算出された微分ピーク平均値から、前記微分ピーク平均値の平均値、もしくは、予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する微分ピーク平均値である基準微分ピーク値を算出する基準微分ピーク値算出手段と、予め求めておいた基準微分ピーク値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップを記憶する記憶手段と、前記算出された基準微分ピーク平均値と前記マップとから当該タイヤの摩耗量を推定する摩耗量推定手段と、を備えることを特徴とする。
このように、請求項10に記載のタイヤ摩耗量推定装置に、帯域値算出手段を設けて踏み込み前帯域値を算出するとともに、摩耗推定用微分ピーク値を、踏み込み前帯域値のうちの摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出した踏み込み前帯域値である摩耗推定用帯域値毎に抽出して、摩耗推定用微分ピーク値の平均値を摩耗推定用帯域値帯域値毎に求め、この摩耗推定用帯域値毎の微分ピーク平均値を用いてタイヤ摩耗量を推定するようにしたので、タイヤ摩耗量の推定精度を更に向上させることができる。
また、本願発明は、加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定するタイヤ摩耗量推定装置であって、タイヤトレッドの内面側に配置されてタイヤ径方向加速度を検出する加速度センサーと、前記加速度センサーの出力信号から、接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出する帯域値算出手段と、前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求める微分演算手段と、前記微分加速度波形における2つの接地端部のピーク値である踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出する微分ピーク値算出手段と、前記踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値の比である微分ピーク比を算出する微分ピーク比算出手段と、前記算出された踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のうち、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するとともに、前記帯域値算出手段で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出した踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するデータ抽出手段と、前記抽出された摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を算出する微分ピーク平均値算出手段と、前記摩耗推定用帯域値と前記微分ピーク平均値とから、前記摩耗推定用帯域値と前記微分ピーク平均値との関係を示す近似式、もしくは、前記摩耗推定用帯域値に対する前記微分ピーク平均値をプロットして得られる近似線を求め、前記近似式もしくは近似線から予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する微分ピーク平均値である基準微分ピーク推定値を算出する基準微分ピーク推定値算出手段と、予め求めておいた基準微分ピーク推定値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップを記憶する記憶手段と、前記算出された基準微分ピーク推定値と前記マップとから当該タイヤの摩耗量を推定する摩耗量推定手段と、を備えることを特徴とする。
このように、請求項11に記載の基準微分ピーク値算出手段に代えて、基準微分ピーク推定値算出手段を設けて、基準微分ピーク推定値を算出するとともに、この算出された基準微分ピーク推定値を用いて当該タイヤの摩耗量を推定したので、雪上路面におけるタイヤ摩耗量の推定精度を確実に向上させることができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本実施の形態1に係るタイヤ摩耗量推定装置の構成を示す図である。 加速度センサーの取付け例を示す図である。 加速度波形と微分加速度波形の一例を示す図である。 雪上路面走行時における加速度波形と微分波形の一例を示す図である。 乾燥路と雪路におけるピーク比の分布を示す図である。 本実施の形態1に係るタイヤ摩耗量推定方法のフローチャートである。 微分ピーク平均値の算出方法を説明するための図である。 新品タイヤと摩耗タイヤの微分ピーク平均値を比較した図である。 zs−Mマップ10Mの一例を示す図である。 本実施の形態2に係るタイヤ摩耗量推定装置の構成を示す図である。 基準微分ピーク推定値の算出方法を説明するための図である。 本実施の形態2に係るタイヤ摩耗量推定方法のフローチャートである。 近似線を用いたタイヤ摩耗量の推定方法を示す図である。 本実施の形態3に係るタイヤ摩耗量推定装置の構成を示す図である。 本実施の形態3に係るタイヤ摩耗量推定方法のフローチャートである。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係るタイヤ摩耗量推定装置10の構成を示す機能ブロック図で、同図において、11は加速度センサー、12は加速度波形抽出手段、13は帯域値算出手段、14は微分加速度波形演算手段、15は微分ピーク値算出手段、16は微分ピーク比算出手段、17はデータ抽出手段、18は基準微分ピーク値算出手段、19はタイヤ摩耗量推定手段、MRは記憶手段、である。
加速度センサー11がセンサー部10Aを構成し、加速度波形抽出手段12からタイヤ摩耗量推定手段19までの各手段、及び、記憶手段MR21が記憶・演算部10Bを構成する。
記憶・演算部10Bを構成する各手段は、例えば、コンピュータのソフトウェア及びRAM等の記憶装置により構成され、図示しない車体側に配置される。
加速度センサー11は、図2に示すように、タイヤ1のインナーライナー部2の同図のCLで示すタイヤ幅方向中心に、検出方向がタイヤ径方向になるように配置されて、タイヤトレッド3のセンター部4の内面に作用するタイヤ径方向加速度を検出する。なお、加速度センサー11の出力信号を記憶・演算部10Bに送る構成としては、例えば、図2に示すように、インナーライナー部2もしくはホイール5に送信器11Fを設置して、加速度センサー11の出力信号をそれぞれ図示しない増幅器で増幅した後、無線にて車体側に配置された記憶・演算部10Bに送信する構成とすることが好ましい。なお、記憶・演算部10Bをタイヤ1側に設けてタイヤ摩耗量推定手段19で推定した摩耗量のデータを車体側の図示しない車両制御装置に送信する構成としてもよい。
加速度波形抽出手段12は、加速度センサー11から出力されるタイヤトレッド3のセンター部4に作用するタイヤ径方向加速度の大きさを表す信号からセンター部4におけるタイヤ接地面近傍のタイヤ径方向加速度の時系列波形であるタイヤ径方向加速度波形(以下、加速度波形という)を抽出する。加速度波形としては、必ずしもタイヤ1周分の波形である必要はなく、接地面近傍の波形を含んでいれば、例えば、1周の60%程度の長さであってもよい。
帯域値算出手段13は、加速度波形抽出手段12で抽出された加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値Pを算出して記憶手段MRに送る。
図3(a)は、加速度センサー11で検出した径方向加速度波形の一例を示す図で、横軸は時間[sec.]、縦軸は加速度の大きさ[G]である。加速度波形では、同図の左側の丸印に示す踏み込み端Efと右側の丸印に示す蹴り出し端Ekの2つの接地端において加速度の大きさが0となる。
踏み込み前帯域値Pは、加速度波形のうちの同図の一点鎖線で囲った、踏み込み端Efよりも前の所定の時間領域(踏み込み前領域)の加速度波形を抽出し、この抽出された加速度波形にバンドパスフィルタ(50Hz〜1000Hz)をかけて取出した波形のRMS平均をとることで得られる。
なお、踏み込み端Efの位置及び蹴り出し端Ekの位置については、図3(a)に示す加速度波形のゼロクロス点から求めるよりは、図3(b)に示す微分加速度波形のピークの位置から求める方が精度が高い。
微分加速度波形演算手段14は、加速度波形抽出手段12で抽出された加速度波形を時間微分して微分加速度波形を求める。
微分ピーク値算出手段15は、微分加速度波形から微分加速度波形の接地端部に出現するピークの大きさである微分ピーク値を算出して記憶手段MRに送る。
図3(b)は、前記の図3(a)に示した加速度波形を微分して得られた微分加速度波形で、横軸は時間[sec.]、縦軸は微分加速度の大きさ[G/sec.]である。同図に示すように、微分加速度波形には、踏み込み側の接地端Efと蹴り出し側の接地端Ekにそれぞれ大きなピークが出現する。
以下、踏み込み側の接地端Efにおける微分加速度の大きさを踏み込み側微分ピーク値Vf、蹴り出し側の接地端Ekにおける微分加速度の大きさを蹴り出し側微分ピーク値Vkという。
微分ピーク比算出手段16は、記憶手段MRに記憶された踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの比である微分ピーク比(R=Vf/Vk)を算出して記憶手段MRに送る。
データ抽出手段17では、微分ピーク値算出手段15で算出され記憶手段MRに記憶された踏み込み側微分ピーク値Vfのうち、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfのみを抽出し、この微分ピーク値Vfを摩耗推定用微分ピーク値Vzとして記憶手段MRに送るとともに、帯域値算出手段13で算出され記憶手段MRに記憶された踏み込み前帯域値Pのうち、摩耗推定用微分ピーク値Vzを算出する微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出された踏み込み前帯域値Pを、摩耗推定用帯域値Pzとして記憶手段MRに送る。
ところで、図4(a)に示すように、雪上路面を走行した場合でも、通常は、踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとは、ほぼ同じ値になるが、雪が踏み固められるなどして、雪上の凹凸がある程度以上大きくなると、図4(b),(c)の上の図に示すように、加速度波形が乱れ、その結果、図4(b),(c)の下の図に示すように、踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの差が大きくなる。
加速度波形が乱れた場合としては、図4(b)の下の図に示すように、Vf>Vkとなる場合と、図4(c)の下の図に示すように、Vf<Vkとなる場合とがある。
このような、乱れた加速度波形から得られた微分ピーク値を、摩耗量推定用のデータとして用いると、摩耗量の推定精度が低下するおそれがある。そこで、本例では、データの信頼性のメジャーとして、踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの比である微分ピーク比(R=Vf/Vk)を用いた。
図5(a)に示すように、DRY路面を走行した場合には、同図の右側に示す摩耗が進展しているタイヤであっても同図の右側に示す新品タイヤと同様に、微分ピーク比R=Vf/Vkは0.6〜1.2の範囲に入っている。これに対して、雪路を走行した場合には、図5(b)に示すように、同図の左側に示す新品タイヤも同図の右側に示す摩耗が進展しているタイヤも、微分ピーク比R=Vf/Vkのバラツキが大きい。
そこで、本例では、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にあるデータのみを摩耗推定に使用するようにした。
基準微分ピーク値算出手段18は、記憶手段MRに記憶された摩耗推定用微分ピーク値Vzを踏み込み前帯域値Pz毎に計数する計数部18aと、摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を算出する平均値算出部18bと、基準微分ピーク値算出部18cとを備える。
摩耗推定用微分ピーク値Vzは摩耗推定用帯域値Pz毎に得られるが、計数部18aでは、摩耗推定用微分ピーク値Vzの数を計数する際に、摩耗推定用帯域値Pzを所定のレベル幅Δを有する離散的な摩耗推定用帯域値Pzi(i=1〜n)とし、この離散的な摩耗推定用帯域値Pziを中心にした[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]の領域内の摩耗推定用帯域値Pzに対応する摩耗推定用微分ピーク値Vzを、摩耗推定用帯域値Pziに対応する摩耗推定用微分ピーク値Vzij として計数する。
平均値算出部18bでは、計数された微分ピーク値Vzij が予め設定された個数であるN個に達したときに、N個の微分ピーク値Vzijの平均値である微分ピーク平均値Vzi-aveを算出する。ここで、Vzi-ave=(Vzi1+Vzi2+……+Vzij+……+VziN)である。
微分ピーク平均値Vzi-ave摩耗推定用帯域値Pzi毎にそれぞれ算出する。
基準微分ピーク値算出部18cは、基準微分ピーク値算出手段18で算出された、摩耗推定用帯域値Pzi毎の微分ピーク平均値Vzi-aveの平均値を算出し、この平均値を基準微分ピーク値Vzsとして、タイヤ摩耗量推定手段19に送る。
ここで、Vzs=(Vz1-ave+Vz2-ave+……+Vzi-ave+……+Vzn-ave)である。
記憶手段MRは、踏み込み前帯域値P、踏み込み側微分ピーク値Vf、蹴り出し側微分ピーク値Vk、微分ピーク比R、摩耗推定用微分ピーク値Vz、及び、摩耗推定用帯域値Pzを記憶するとともに、予め求めておいた基準微分ピーク値Vzs とタイヤの摩耗量Mとの関係を示すVzs−Mマップ10Mを記憶する。
タイヤ摩耗量推定手段19では、基準微分ピーク値算出手段18で算出された基準微分ピーク値Vzsと、予め記憶手段MRに記憶しておいたVzs−Mマップ10Mとから当該タイヤ1の摩耗量を推定する。
次に、タイヤ摩耗量推定装置10を用いてタイヤ摩耗量の推定方法について、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、加速度センサー11により、タイヤトレッド3の変形に伴って変形するインナーライナー部2内面におけるタイヤ径方向加速度を検出して増幅した後、これら検出されたタイヤ径方向加速度をインナーライナー部2に設置された送信器11Fから車体側に配置された記憶・演算部10Bに送信する(ステップS10)。
記憶・演算部10Bでは、加速度センサー11から連続して出力されるタイヤトレッド3に作用するタイヤ径方向加速度の大きさを表す信号から加速度波形を抽出し(ステップS11)、この抽出された加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域(例えば、50Hz〜1000Hz)の振動レベルである踏み込み前帯域値Pを算出する(ステップS12)。
次に、加速度波形を時間微分して微分加速度波形を微分演算により求めた後、微分加速度波形から踏み込み端側のピーク値である踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し端側微分ピーク値である蹴り出し側微分ピーク値Vkとを算出する(ステップS13)。
そして、踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの比である微分ピーク比R=Vf/Vk)を算出し(ステップS14)た後、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値のみを摩耗推定用微分ピーク値Vzとして抽出するとともに、ステップS12で算出された踏み込み前帯域値Pのうち、摩耗推定用微分ピーク値Vzを算出する微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出された踏み込み前帯域値Pを、摩耗推定用帯域値Pzとして抽出する(ステップS15)。
次に、摩耗推定用微分ピーク値Vzを踏み込み摩耗推定用帯域値Pz毎に計数する(ステップS16)。
図7(a)に示すように、横軸を摩耗推定用帯域値Pzi 、縦軸を摩耗推定用微分ピーク値Vzとしたグラフを作成すると、摩耗推定用帯域値Pziを中心にしたレベル幅がΔの領域、すなわち、領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]内に入る摩耗推定用微分ピーク値Vziの数は摩耗推定用帯域値Pziにより異なる。そこで、本例では、図7(b)に示すように、各領域内に入る摩耗推定用微分ピーク値Vziの数を揃えるため、横軸を摩耗推定用帯域値Pzi、縦軸を各領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]内に入る摩耗推定用微分ピーク値Vziとしたヒストグラムを作成して、各領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]内に入る摩耗推定用微分ピーク値Vziの数をカウントする(但し、i=1〜m;mは摩耗推定用帯域値Pzi の数)。
ステップS17では、領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]内に入る摩耗推定用微分ピーク値Vziの数nがN個に達したかどうかを各領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]毎に判定し、N個に達した領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]がある場合には、図7(c)に示すように、当該領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]におけるN個の摩耗推定用微分ピーク値Vziの平均値である微分ピーク平均値V zi-aveを算出する。
一方、領域内に入る摩耗推定用微分ピーク値Vzの数が予め設定した数Nになっていない領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]がある場合には、ステップS11に戻って、加速度波形の抽出を継続する。
すなわち、本例では、摩耗推定用微分ピーク値Vziの平均を求める際に、摩耗推定用微分ピーク値Vziを摩耗推定用帯域値Pzi毎に計数し、計数された摩耗推定用帯域値Pzi毎の摩耗推定用微分ピーク値Vziの数がそれぞれ予め設定された個数であるN個に全て達するまで、ステップS11〜ステップS16までの操作を繰り返し、全ての摩耗推定用帯域値Pziについて微分ピーク平均値Vzi-aveを計算する。
なお、微分ピーク平均値Vzi-aveの算出は、各領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]において摩耗推定用微分ピーク値Vziの数が全てN個になってから行ってもよい。
全ての領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]において微分ピーク平均値Vzi-aveの計算が終了した後には、ステップS18に進んで、摩耗推定用帯域値Pzi毎に求めた微分ピーク平均値Vzi-aveの平均値である基準微分ピーク値Vzsを算出する。
図8(a)は、微分ピーク比Rによるデータ制限を行わなかった場合の微分ピーク値の平均値Vi-aveの分布を示す図で、図8(b)は、摩耗推定用微分ピーク値Vziの平均値である微分ピーク平均値V zi-aveの分布を示す図である。各図の横軸は摩耗推定用帯域値Pzi(a)図の縦軸は微分ピークの平均値Vi-ave(b)図の縦軸は微分ピーク平均値V zi-ave である。また、図中の◆印は新品タイヤで、▲印は摩耗品である。
(a)図と(b)図とを比較してわかるように、微分ピークの平均値Vi-aveの分布はバラツキが大きいが、微分ピーク平均値V zi-aveの分布はバラツキが小さい。したがって、基準微分ピーク値Vzsをタイヤ摩耗量のゲージとして用いる際には、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfのみを用いて算出した微分ピーク平均値Vzi-aveの平均値である基準微分ピーク値Vzsを用いるようにすれば、タイヤ摩耗量を精度よく推定できる。
最後に、基準微分ピーク値Vzsと、予め記憶手段MRに記憶しておいたVzs−Mマップ10Mとから当該タイヤ1の摩耗量を推定する(ステップS19)。
図9はVzs−Mマップ10Mの一例を示す図で、基準微分ピーク値算出手段18で算出された基準微分ピーク値をVzspとすると、図の横軸の丸印で示した基準微分ピーク値Vzspに対応するタイヤ摩耗量Mpが、当該タイヤ1の摩耗量である。
なお、Vzs−Mマップ10Mは、加速度センサーを搭載して新品タイヤ及び複数の異なる摩耗量Mを有するタイヤを試験タイヤとし、これらの試験タイヤを搭載した車両を様々な路面状態の路面で走行させることで、各試験タイヤにおける基準微分ピーク値Vzsを求めることで作成できる。
量が大(摩耗量が5mm以上)であると判定すればよい。
なお、前記実施の形態1では、摩耗推定用微分ピーク値Vzとして、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfを用いたが、微分ピーク比Rが0.6〜1.2の範囲にある蹴り出し側微分ピーク値Vkを用いてもよいし、微分ピーク比Rが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの平均値(絶対値の平均値)などの演算値を摩耗推定用微分ピーク値Vzとしてもよい。
また、前記例では、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfを摩耗推定用微分ピーク値Vzとしたが、本発明はこれに限るものではなく、微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8の範囲にあり、上限値が1.0〜1.2の範囲にあればよい。
また、前記実施の形態1では、基準微分ピーク値VzsとVzs−Mマップ10Mとからタイヤ摩耗量を推定したが、基準微分ピーク値Vzsと予め設定された閾値とを比較して、タイヤ摩耗量を推定してもよい。
具体的には、基準微分ピーク値算出手段18で算出された基準微分ピーク値Vzsと予め設定しておいた閾値Kとを比較し、Vzs<Kなら、摩耗量が小(例えば、摩耗量5mm未満)であると推定し、Vzs≧Kなら、当該タイヤ1の摩耗量が大(例えば、摩耗量5mm以上)であると推定すればよい。
あるいは、例えば、K1<K2のように、閾値を複数設定し、Vzs<K1なら摩耗量が小(摩耗量が3mm未満)、K1≦Vzs<K2なら摩耗量が中(摩耗量が3mm以上5mm未満)、Vzs≧K2なら摩耗量が大(摩耗量が5mm以上)であると判定すればよい。
また、前記例では、摩耗推定用帯域値Pzi毎の微分ピーク平均値Vzi-aveの平均値を基準微分ピーク値Vzsとしたが、予め設定された基準摩耗推定用帯域値Pznに対応する微分ピーク平均値Vzn-aveを基準微分ピーク値Vzsとしてもよい。
また、前記例では、加速度センサー11をタイヤ1のインナーライナー部2のタイヤ幅方向中心に1個設けたが、なお、加速度センサー11を複数個設けてもよい。特に、タイヤトレッド3のタイヤ幅方向中心に溝部が形成されているタイヤでは、インナーライナー部2のタイヤ幅方向中心から左右対称の位置にある陸部のタイヤ径方向内側に設け、右側の加速度センサーで検出した加速度波形から推定したタイヤ摩耗量と左側の加速度センサーで検出した加速度波形から推定したタイヤ摩耗量とから、タイヤの摩耗量を推定することが好ましい。
また、前記例では、踏み込み前領域の加速度波形にバンドパスフィルタ(50Hz〜1000Hz)をかけ、RMS平均をとることで踏み込み前帯域値Pを求めたが、踏み込み前領域の加速度波形をFFT処理して周波数帯域が50Hz〜1000Hzの周波数成分の大きさを求め、この周波数成分の大きさを踏み込み前帯域値としてもよい。
実施の形態2.
前記実施の形態1では、摩耗推定用帯域値Pzi毎に求めた微分ピーク平均値Vzi-aveの平均値である基準微分ピーク値Vzsと、Vzs−Mマップとからタイヤ摩耗量を推定したが、摩耗推定用帯域値Pziと微分ピーク平均値Vzi-aveとの関係を示す近似式、もしくは、摩耗推定用帯域値Pziに対する摩耗推定用微分ピーク値Vzi-aveをプロットして得られる近似線を求め、この近似式もしくは近似線から求められる基準微分ピーク推定値Vzkを用いてタイヤ摩耗量を推定すれば、摩耗量の推定精度を更に向上させることができる。
図10は、本実施の形態2に係るタイヤ摩耗量推定装置20の構成を示す図で、タイヤ摩耗量推定装置20は、加速度センサー11と、加速度波形抽出手段12と、帯域値算出手段13と、微分加速度波形演算手段14と、微分ピーク値算出手段15と、微分ピーク比算出手段16と、データ抽出手段17と、基準微分ピーク推定値算出手段21と、タイヤ摩耗量推定手段22と、記憶手段MRと、を備える。
実施の形態1のタイヤ摩耗量推定装置10と同じ符号を付した、加速度センサー11〜データ抽出手段17までの各手段及び記憶手段MRは、タイヤ摩耗量推定装置10と同じである。
加速度センサー11は、タイヤ1のインナーライナー部2のタイヤ幅方向中心に、検出方向がタイヤ径方向になるように配置されて、タイヤトレッド3のセンター部4の内面に作用するタイヤ径方向加速度を検出する。
加速度波形抽出手段12は、加速度センサー11から出力されるタイヤ径方向加速度の大きさを表す信号から加速度波形を抽出する。
微分加速度波形演算手段14は、加速度波形抽出手段12で抽出された加速度波形を時間微分して微分加速度波形を求める。
微分ピーク値算出手段15は、微分加速度波形から微分加速度波形の接地端部に出現するピークの大きさである微分ピーク値を算出して記憶手段MRに送る。
微分ピーク比算出手段16は、記憶手段MRに記憶された踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの比である微分ピーク比(R=Vf/Vk)を算出して記憶手段MRに送る。
データ抽出手段17では、微分ピーク値算出手段15で算出され記憶手段MRに記憶された踏み込み側微分ピーク値Vfのうち、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfのみを抽出し、この微分ピーク値Vfを摩耗推定用微分ピーク値Vzとして記憶手段MRに送るとともに、帯域値算出手段13で算出され記憶手段MRに記憶された踏み込み前帯域値Pのうち、摩耗推定用微分ピーク値Vzを算出する微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出された踏み込み前帯域値Pを、摩耗推定用帯域値Pzとして記憶手段MRに送る。
基準微分ピーク推定値算出手段21は、記憶手段MRに記憶された摩耗推定用微分ピーク値Vz摩耗推定用帯域値Pz毎に計数する計数部21aと、摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を算出する平均値算出部21bと、近似線作成部21cと、基準微分ピーク推定値算出部21dとを備える。
計数部21aでは、摩耗推定用帯域値Pzを所定のレベル幅Δを有する離散的な摩耗推定用帯域値Pzi(i=1〜n)とし、この離散的な摩耗推定用帯域値Pziを中心にした[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]の領域内に入る摩耗推定用帯域値Pzに対応する摩耗推定用微分ピーク値Vzを、摩耗推定用帯域値Pziに対応する摩耗推定用微分ピーク値Vzijとして計数する。
平均値算出部21bでは、計数された微分ピーク値Vzijが予め設定された個数であるN個に達したときに、N個の微分ピーク値Vzijの平均値である微分ピーク平均値Vzi-aveを算出する。ここで、Vzi-ave=(Vzi1+Vzi2+……+Vzij+……+VziN)である。
微分ピーク平均値Vzi-ave摩耗推定用帯域値Pzi毎にそれぞれ算出する。
近似線作成部21cは、横軸を摩耗推定用帯域値P zi、縦軸を微分ピーク平均値V zi-aveとして摩耗推定用帯域値Pziと微分ピーク平均値V zi-aveとをプロットしたグラフを作成し、摩耗推定用帯域値Pziと微分ピーク平均値V zi-aveとの関係を表す近似線を求める。
近似線の求め方としては、例えば、図11(a)に示すように、周知の最小自乗法などを用いて摩耗推定用帯域値Pziと微分ピーク平均値 zi-aveとの一次回帰線を求めてこれを近似線とすればよい。
基準微分ピーク推定値算出部21dでは、図11(b)に示すように、前記のグラフに近似線を書き込むとともに、予め設定された基準摩耗推定用帯域値Pzkに対応する近似線上の微分ピーク平均値Vzkを算出し、このVzkを基準微分ピーク推定値Vzkとしてタイヤ摩耗量推定手段22に出力する。
記憶手段MRは、踏み込み前帯域値P、踏み込み側微分ピーク値Vf、蹴り出し側微分ピーク値Vk、微分ピーク比R、摩耗推定用微分ピーク値Vz、及び、摩耗推定用帯域値Pzを記憶するとともに、予め求めておいた基準微分ピーク値Vzkタイヤの摩耗量Mとの関係を示すV zk −Mマップ20Mを記憶する。
タイヤ摩耗量推定手段22では、基準微分ピーク推定値算出手段21で算出された基準微分ピーク推定値Vzkと記憶手段MRに記憶されたVzk−Mマップ20Mとから、当該タイヤ1の摩耗量を推定する。
次に、タイヤ摩耗量推定装置20を用いてタイヤ摩耗量の推定方法について、図12のフローチャートを参照して説明する。
なお、ステップS10の「タイヤ径方向加速度の検出」から、ステップS17の微分ピーク平均値Vzi-aveの計算が終了したか否かの判定までは、前記実施の形態1と同じであるので、その説明を省略する。
すなわち、ステップS17において、摩耗推定用微分ピーク値Vzの数がN個に達していない領域[Pzi−Δ/2,Pzi+Δ/2]がある場合(微分ピーク平均値Vzi-aveの計算が終了していないと判定された場合)には、ステップS11に戻って、加速度波形の抽出を継続する。
一方、微分ピーク平均値Vzi-aveの計算が終了した場合には、ステップS21に進んで、図13(a)に示すような、踏み込み前帯域値Pziと微分ピーク平均値Vzi-aveとの関係を表す近似線を作成する。
次に、そして、予め設定された基準踏み込み前帯域値Pzkに対応する近似線上の微分ピーク平均値を求めてこれを基準微分ピーク推定値Vzkとする(ステップS22)。
最後に、図13(b)に示すように、算出された基準微分ピーク推定値zkと記憶手段MRに記憶されたVzk−Mマップ20Mとから、当該タイヤ1の摩耗量 p を推定する(ステップS23)。
なお、Vzk−Mマップ20Mも、Vzs−Mマップ18Mと同様に、加速度センサーを搭載して新品タイヤ及び複数の異なる摩耗量を有するタイヤを搭載した車両を様々な路面状態の路面で走行させることで、各試験タイヤにおける基準微分ピーク値Vzkを求めることで作成できる。
また、前記実施の形態1,2では、摩耗推定用帯域値Pzi毎の摩耗推定用微分ピーク値Vziの数がN個に全て達するまで、摩耗推定用微分ピーク値Vziを抽出する操作を繰り返したが、抽出したタイヤ径方向加速度波形の個数N0個に達した時点(踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkのデータ数がN0個に達した時点)でデータの収集を終了し、得られた踏み込み側微分ピーク値Vfの中から、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfのみを抽出し、この微分ピーク値Vfを摩耗推定用微分ピーク値Vzとしてもよい。
この場合、摩耗推定用帯域値Pzi毎の摩耗推定用微分ピーク値Vziの個数は一定とはならないが、N0をNよりも十分に大きく設定しておけば、摩耗量の推定精度が低下することはない。
実施の形態3.
前記実施の形態1では、摩耗推定用帯域値Pzと摩耗推定用微分ピーク値Vzとを用いてタイヤ摩耗量を推定したが、図14に示す構成のタイヤ摩耗量推定装置30を用いれば、摩耗推定用微分ピーク値Vzのみを用いてタイヤ摩耗量を推定することができる。
タイヤ摩耗量推定装置30は、加速度センサー11と、加速度波形抽出手段12と、微分加速度波形演算手段14と、微分ピーク値算出手段15と、微分ピーク比算出手段16と、データ抽出手段31と、微分ピーク平均値算出手段32と、タイヤ摩耗量推定手段33と、記憶手段MRとを備える。
実施の形態1のタイヤ摩耗量推定装置10と同じ符号を付した、加速度センサー11〜微分ピーク比算出手段16までの各手段及び記憶手段MRは、タイヤ摩耗量推定装置10と同じものである。
加速度センサー11は、タイヤ1のインナーライナー部2のタイヤ幅方向中心に、検出方向がタイヤ径方向になるように配置されて、タイヤトレッド3のセンター部4の内面に作用するタイヤ径方向加速度を検出する。
加速度波形抽出手段12は、加速度センサー11から出力されるタイヤ径方向加速度の大きさを表す信号から加速度波形を抽出する。
微分加速度波形演算手段14は、加速度波形抽出手段12で抽出された加速度波形を時間微分して微分加速度波形を求める。
微分ピーク値算出手段15は、微分加速度波形から微分加速度波形の接地端部に出現するピークの大きさである微分ピーク値を算出して記憶手段MRに送る。
微分ピーク比算出手段16は、記憶手段MRに記憶された踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの比である微分ピーク比(R=Vf/Vk)を算出して記憶手段MRに送る。
データ抽出手段31では、微分ピーク値算出手段15で算出され記憶手段MRに記憶された踏み込み側微分ピーク値Vfのうち、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfのみを抽出し、この微分ピーク値Vfを摩耗推定用踏み込み側微分ピーク値Vzとして記憶手段MRに送る。
なお、摩耗推定用微分ピーク値Vzとしては、微分ピーク比Rが0.6〜1.2の範囲にある蹴り出し側微分ピーク値Vkを用いてもよいし、微分ピーク比Rが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの平均値などの演算値でもよい。
微分ピーク平均値算出手段32は、記憶手段MRに記憶された摩耗推定用微分ピーク値Vzを計数する計数部32aと、摩耗推定用微分ピーク値Vzの平均値V A を算出する平均値算出部32bとを備える。
計数部32aでは、摩耗推定用微分ピーク値Vzの数を計数する。
平均値算出部32bは、計数された微分ピーク値Vzjが予め設定された個数であるn個に達したときに、n個の微分ピーク値Vzjの平均値である微分ピーク平均値V A を算出し、この微分ピーク平均値V A をタイヤ摩耗量推定手段33に送る。
ここで、V A =(Vz1+Vz2+……+Vzj+……+Vzn)である。
記憶手段MRは、踏み込み前帯域値P、踏み込み側微分ピーク値Vf、蹴り出し側微分ピーク値Vk、微分ピーク比R、及び、摩耗推定用踏み込み側微分ピーク値Vzを記憶するとともに、予め求めておいた微分ピーク平均値V A とタイヤの摩耗量Mとの関係を示すV A −Mマップ30Mを記憶する。
タイヤ摩耗量推定手段33では、微分ピーク平均値算出手段32で算出された微分ピーク平均値V A と、予め記憶手段MRに記憶しておいたV A −Mマップ30Mとから当該タイヤ1の摩耗量を推定する。
なお、タイヤ摩耗量推定装置30は、タイヤ摩耗量の推定精度については、実施の形態1,2のタイヤ摩耗量推定装置10,20よりも低くなるが、装置構成が簡単であり、扱うデータ数も少ないという利点を有する。
次に、タイヤ摩耗量推定装置30を用いてタイヤ摩耗量を推定する方法について、図15のフローチャートを参照して説明する。
まず、加速度センサー11によりタイヤ径方向加速度を検出する(ステップS30)。
次に、タイヤ径方向加速度の大きさを表す信号から加速度波形を抽出する(ステップS31)。
次に、加速度波形を時間微分して微分加速度波形を微分演算により求め(ステップS32)、微分加速度波形から踏み込み端側のピーク値である踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し端側微分ピーク値である蹴り出し側微分ピーク値Vkとを算出する(ステップS33)。
そして、踏み込み側微分ピーク値Vfと蹴り出し側微分ピーク値Vkとの比である微分ピーク比R=Vf/Vk)を算出し(ステップS34)た後、微分ピーク比R=Vf/Vkが0.6〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値のみを摩耗推定用微分ピーク値Vzとして抽出する(ステップS35)。
次に、摩耗推定用微分ピーク値Vzを計数して、摩耗推定用微分ピーク値Vzの数がn個に達したかどうか判定する(ステップS36)。
n個に達した場合には、n個の摩耗推定用微分ピーク値Vziの平均値を算出し、この平均値を基準微分ピーク値V A とする(ステップS37)。
一方、微分ピーク値の個数が予め設定した個数nになっていない場合には、ステップS31に戻って、加速度波形の抽出を継続する。
最後に、基準微分ピーク値V A と、予め記憶手段MRに記憶しておいたV A −Mマップとから当該タイヤのトレッドの摩耗量を推定する(ステップS38)。
なお、実施の形態1と同様に、微分ピーク平均値V A と予め設定しておいた閾値K、もしくは、K1<K2のような複数の閾値K1,K2を複数設定し、これらの閾値K、もしくは、閾値K1,K2と、算出された微分ピーク平均値V A とを比較して、当該タイヤ1のトレッドの摩耗量を推定してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
1 タイヤ、2 インナーライナー部、3 タイヤトレッド、4 センター部、
5 ホイール、
10 タイヤ摩耗量推定装置、10A センサー部、10B 記憶・演算部、
11 加速度センサー、11F 送信機、12 加速度波形抽出手段、
13 帯域値算出手段、14 微分加速度波形演算手段、15 微分ピーク値算出手段、16 微分ピーク比算出手段、17 データ抽出手段、
18 基準微分ピーク値算出手段、18a 計数部、18b 平均値算出部、
18c 基準微分ピーク値算出部、19 タイヤ摩耗量推定手段、
MR 記憶手段、10M Vzs−Mマップ。

Claims (12)

  1. 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定する方法であって、
    タイヤトレッドの内面に配置された加速度センサーを用いて当該タイヤのタイヤ径方向加速度を検出するステップ(A)と、
    前記検出されたタイヤ径方向加速度から接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出するステップ(B)と、
    前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求めるステップ(C)と、
    前記微分加速度波形から当該微分加速度波形の2つの接地端部に出現するピークの大きさである踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出するステップ(D)と、
    前記ステップ(A)〜(D)を複数回繰り返して得られた踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のそれぞれについて、踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値との比である微分ピーク比を算出し、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するステップ(E)と、
    前記ステップ(E)で抽出された複数の摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を算出するステップ(F)と、
    前記微分ピーク平均値から当該タイヤの摩耗量を推定するステップ(G)と、
    を備えることを特徴とするタイヤ摩耗量推定方法。
  2. 前記ステップ(G)では、前記微分ピーク平均値と、予め求めておいた微分ピーク平均値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップとから、当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ摩耗量推定方法。
  3. 前記ステップ(G)では、前記微分ピーク平均値と予め設定しておいた閾値とを比較して、当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ摩耗量推定方法。
  4. 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定する方法であって、
    タイヤトレッドの内面に配置された加速度センサーを用いて当該タイヤのタイヤ径方向加速度を検出するステップ(a)と、
    前記検出されたタイヤ径方向加速度から接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出するステップ(b)と、
    前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出するステップ(c)と、
    前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求めるステップ(d)と、
    前記微分加速度波形から当該微分加速度波形の2つの接地端部に出現するピークの大きさである踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出するステップ(e)と、
    前記ステップ(a)〜(e)を複数回繰り返して得られた踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のそれぞれについて、踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値との比である微分ピーク比を算出し、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するとともに、前記ステップ(c)で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出された踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するステップ(f)と、
    前記ステップ(f)で抽出された複数の摩耗推定用微分ピーク値から当該タイヤの摩耗量を推定するステップ(g)と、を備え、
    前記ステップ(f)では、
    前記摩耗推定用微分ピーク値を前記摩耗推定用帯域値毎に抽出し、
    前記ステップ(g)では、
    前記摩耗推定用帯域値毎に求められた摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を前記摩耗推定用帯域値毎に算出した後、前記算出された微分ピーク平均値の平均値、もしくは、予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する微分ピーク平均値算出してこれを基準微分ピーク値とし、前記基準微分ピーク値から当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とするタイヤ摩耗量推定方法。
  5. 前記ステップ(g)では、前記基準微分ピーク値と、予め求めておいた基準微分ピーク値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップとから、当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とする請求項4に記載のタイヤ摩耗量推定方法。
  6. 前記ステップ(g)では、前記基準微分ピーク値と予め設定しておいた閾値とを比較して、当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とする請求項4に記載のタイヤ摩耗量推定方法。
  7. 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定する方法であって、
    タイヤトレッドの内面に配置された加速度センサーを用いて当該タイヤのタイヤ径方向加速度を検出するステップ(a)と、
    前記検出されたタイヤ径方向加速度から接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出するステップ(b)と、
    前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出するステップ(c)と、
    前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求めるステップ(d)と、
    前記微分加速度波形から当該微分加速度波形の2つの接地端部に出現するピークの大きさである踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出するステップ(e)と、
    前記ステップ(a)〜(e)を複数回繰り返して得られた踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のそれぞれについて、踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値との比である微分ピーク比を算出し、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するとともに、前記ステップ(c)で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出された踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するステップ(f)と、
    前記ステップ(f)で抽出された複数の摩耗推定用帯域値と摩耗推定用微分ピーク値とから、前記摩耗推定用帯域値と前記摩耗推定用微分ピーク値との関係を示す近似式、もしくは、前記摩耗推定用帯域値に対する前記摩耗推定用微分ピーク値をプロットして得られる近似線を求めるステップ(h)と、
    前記近似式もしくは近似線から予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する摩耗推定用微分ピーク値である基準微分ピーク推定値を算出するステップ(i)と、
    前記算出された基準微分ピーク推定値から当該タイヤの摩耗量を推定するステップ(j)と、を備え、
    前記ステップ(f)では、
    前記摩耗推定用微分ピーク値を前記摩耗推定用帯域値毎に抽出することを特徴とするタイヤ摩耗量推定方法。
  8. 前記ステップ(j)では、前記基準微分ピーク推定値と、予め求めておいた基準微分ピーク値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップとから、当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とする請求項7に記載のタイヤ摩耗量推定方法。
  9. 前記ステップ(j)では、前記基準微分ピーク推定値と予め設定しておいた閾値とを比較して、当該タイヤの摩耗量を推定することを特徴とする請求項7に記載のタイヤ摩耗量推定方法。
  10. 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定するタイヤ摩耗量推定装置であって、
    タイヤトレッドの内面側に配置されてタイヤ径方向加速度を検出する加速度センサーと、
    前記加速度センサーの出力信号から、接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、
    前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求める微分演算手段と、
    前記微分加速度波形における2つの接地端部のピーク値である踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出する微分ピーク値算出手段と、
    前記踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値の比である微分ピーク比を算出する微分ピーク比算出手段と、
    前記算出された踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のうち、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するデータ抽出手段と、
    前記摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を算出する微分ピーク平均値算出手段と、
    予め求めておいた微分ピーク平均値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップを記憶する記憶手段と、
    前記算出された微分ピーク平均値と前記マップとから当該タイヤの摩耗量を推定する摩耗量推定手段と、
    を備えることを特徴とするタイヤ摩耗量推定装置。
  11. 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定するタイヤ摩耗量推定装置であって、
    タイヤトレッドの内面側に配置されてタイヤ径方向加速度を検出する加速度センサーと、
    前記加速度センサーの出力信号から、接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、
    前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出する帯域値算出手段と、
    前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求める微分演算手段と、
    前記微分加速度波形における2つの接地端部のピーク値である踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出する微分ピーク値算出手段と、
    前記踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値の比である微分ピーク比を算出する微分ピーク比算出手段と、
    前記算出された踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のうち、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するとともに、前記帯域値算出手段で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出した踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するデータ抽出手段と、
    前記抽出された摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を、前記摩耗推定用帯域値毎に算出する微分ピーク平均値算出手段と、
    前記算出された微分ピーク平均値から、前記微分ピーク平均値の平均値、もしくは、予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する微分ピーク平均値である基準微分ピーク値を算出する基準微分ピーク値算出手段と、
    予め求めておいた基準微分ピーク値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップを記憶する記憶手段と、
    前記算出された基準微分ピーク平均値と前記マップとから当該タイヤの摩耗量を推定する摩耗量推定手段と、
    を備えることを特徴とするタイヤ摩耗量推定装置。
  12. 加速度センサーを用いて検出したタイヤ径方向加速度からタイヤトレッドの摩耗量を推定するタイヤ摩耗量推定装置であって、
    タイヤトレッドの内面側に配置されてタイヤ径方向加速度を検出する加速度センサーと、
    前記加速度センサーの出力信号から、接地面近傍を含むタイヤ径方向加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、
    前記タイヤ径方向加速度波形の踏み込み前領域の波形から、予め設定した特定周波数帯域の振動レベルである踏み込み前帯域値を算出する帯域値算出手段と、
    前記タイヤ径方向加速度波形を微分して微分加速度波形を求める微分演算手段と、
    前記微分加速度波形における2つの接地端部のピーク値である踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値とを算出する微分ピーク値算出手段と、
    前記踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値の比である微分ピーク比を算出する微分ピーク比算出手段と、
    前記算出された踏み込み端側の微分ピーク値と蹴り出し端側の微分ピーク値のうち、前記微分ピーク比の下限値が0.6〜0.8で上限値が1.0〜1.2の範囲にある踏み込み側微分ピーク値と蹴り出し側微分ピーク値のうちの一方の微分ピーク値もしくは前記踏み込み側微分ピーク値と前記蹴り出し側微分ピーク値との演算値を摩耗推定用微分ピーク値として抽出するとともに、前記帯域値算出手段で算出された踏み込み前帯域値のうちの前記摩耗推定用微分ピーク値を算出した微分加速度波形を微分する前の加速度波形から算出した踏み込み前帯域値を摩耗推定用帯域値として抽出するデータ抽出手段と、
    前記抽出された摩耗推定用微分ピーク値の平均値である微分ピーク平均値を、前記摩耗推定用帯域値毎に算出する微分ピーク平均値算出手段と、
    前記摩耗推定用帯域値と前記微分ピーク平均値とから、前記摩耗推定用帯域値と前記微分ピーク平均値との関係を示す近似式、もしくは、前記摩耗推定用帯域値に対する前記微分ピーク平均値をプロットして得られる近似線を求め、前記近似式もしくは近似線から予め設定された基準摩耗推定用帯域値に対応する微分ピーク平均値である基準微分ピーク推定値を算出する基準微分ピーク推定値算出手段と、
    予め求めておいた基準微分ピーク推定値とタイヤの摩耗量との関係を示すマップを記憶する記憶手段と、
    前記算出された基準微分ピーク推定値と前記マップとから当該タイヤの摩耗量を推定する摩耗量推定手段と、
    を備えることを特徴とするタイヤ摩耗量推定装置。
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