JP6650398B2 - アミノアルコキシシラン化合物でカップリングされ、鎖末端にアミン官能基を有するジエンエラストマーを含む変性ジエンエラストマー、およびそれを含むゴム組成物 - Google Patents

アミノアルコキシシラン化合物でカップリングされ、鎖末端にアミン官能基を有するジエンエラストマーを含む変性ジエンエラストマー、およびそれを含むゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、加水分解してもよい、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基で鎖の中央において官能化され、アミン基で鎖末端において官能化されたジエンエラストマーを主に含む変性ジエンエラストマーに関する。本発明はまた、そのような変性ジエンエラストマーを調製する方法、それを含む組成物、ならびにその組成物を含む半完成品およびタイヤにも関する。
燃料の節約および環境を保護する必要性が優先事項となってきたので、例えば下地層、側壁またはトレッドなどのタイヤケーシングの構成に関与する様々な半完成製品の製造において使用することができるゴム組成物の形で加工ができるために、かつ転がり抵抗を低減させたタイヤを得るために、良好な機械的特性、特に良好な剛性とできるだけ低いヒステリシスを有する混合物を生産することが望ましい。
混合物のヒステリシスの低減は進行中の目的であるが、混合物の特に生の状態での加工に対する適性を保持しながら達成されなければならない。
ヒステリシスの低下という目的を達成するために、すでに多くの解決策が試みられた。重合のためのジエンポリマーおよびコポリマーの構造の官能化剤によるまたは官能性開始剤の使用による変性を特筆することができるが、この目的は、こうして変性させたポリマーと、カーボンブラックであれ、無機補強充填剤であれ充填剤との間の良好な相互作用を得ることである。
この先行技術の例として、アミン官能基を有するアルコキシシラン化合物で官能化されたジエンエラストマーの使用を挙げることができる。
鎖末端における(ジアルキルアミノアルキル)トリアルコキシシランの化合物による官能化、さらにシリカまたはカーボンブラックをベースにしたゴム組成物を特許請求する仏国特許出願公開第2867477号を挙げることができる。また、窒素原子が置換または非置換の芳香族ヘテロ環に含まれている窒素ベース基を有するトリアルコキシシラン化合物による鎖末端における官能化を特許請求する米国特許第8071689号と、少なくとも1つのアルコキシシリル基および少なくとも2つの第三級アミン基を有する、アミン官能基を有するアルコキシシランによる鎖末端における官能化を特許請求する米国特許第8106130号も挙げることができる。最後に、第二級または第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン化合物による鎖の中央における官能化により、鎖末端における官能化と比べて、生での加工/ヒステリシスの妥協点を改善することが可能になることを示す国際公開第2009133068号を挙げることができる。
特許第4655706号には、ヒステリシスを最小限に抑制することを目的として、アミン官能基を有するアルコキシシラン型の化合物によるリビング鎖末端の官能化とアミン官能性アルキルリチウムによる開始を組み合わせることが記載されている。同様に、米国特許出願公開第20120245275号には、アミン官能基を有するアルコキシシラン型の化合物によるリビング鎖末端の官能化と、リチウムアミドによる開始、さらにはビニルアミノシラン型の官能性モノマーとの共重合と組み合わせることが記載されている。
これらの官能化エラストマーはヒステリシスを低減するのに有効であることが先行技術に記載されている。それでもなお、こうして変性させたエラストマーを含む組成物は必ずしも十分なヒステリシス、許容できる加工、およびタイヤトレッドとして使用するのに十分な機械的特性を示すとは限らないということがわかる。
こういう理由で、改善された生での加工/ヒステリシス/剛性の妥協点を有するゴム組成物を得るための他の官能化反応について様々な調査研究が実施された。
したがって、本発明の目的はそのような組成物を提供することである。特に、1つの目的は、官能化エラストマーであって、それを含むゴム組成物の補強充填剤と十分に相互作用して、特にタイヤトレッドでの使用のため、そのヒステリシスを、許容できる生での加工および十分な剛性を保持しながら最小限に抑制する官能化エラストマーを提供することである。
この目的は、驚くべきことに、本発明者らが調査研究中に、少なくとも1つの第三級アミン官能基および加水分解して、シラノールを生成しうるまたはしえないアルコキシシラン官能基を有する作用剤でカップリングすることによって変性され、その2つの鎖末端が少なくとも70mol%までアミン官能基で官能化されているジエンエラストマーは、それを含む組成物に、ヒステリシス/剛性/生での加工の妥協点の顕著で予想外な改善をもたらすことをまさに発見したという点で達成される。
一方では、そのような組成物のヒステリシス/剛性の妥協点が、鎖末端にアミン官能基を有しないエラストマーを含む組成物の妥協点に対して、特に少なくとも1つの第三級アミン官能基およびアルコキシシラン官能基を有する作用剤でカップリングすることによって変性されるが、鎖末端にアミン官能基を有しないジエンエラストマーを含む組成物の妥協点に対して改善されているからである。さらに、そのような組成物の生での加工は非官能化エラストマーを含む組成物の加工と同様であり、依然として許容できるものである。
したがって、本発明の主題は、部分加水分解または完全加水分解してシラノールを生成してもよい、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基で鎖の中央において官能化され、そのケイ素原子が2つの鎖を結合する単位を主に含む変性ジエンエラストマーであって、変性ジエンエラストマーの鎖末端が鎖末端のモル数に対して少なくとも70mol%までアミン官能基で官能化されている変性ジエンエラストマーである。
本発明の別の主題は前記変性ジエンエラストマーの合成方法である。
本発明の別の主題は、少なくとも1種の補強充填剤と少なくとも前記変性ジエンエラストマーを含むエラストマーマトリックスとをベースにした強化ゴム組成物である。
様々なジエンエラストマーを含む組成物の動力学的特性およびムーニー粘度を示す図である。 様々なジエンエラストマーを含む組成物の動力学的特性およびムーニー粘度を示す図である。
本文において、「第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン」および「アミノアルコキシシラン」という表現は同じ意味を有し、両方を区別なく用いることができる。
本明細書において、別段の明示がない限り、示された百分率(%)はすべて質量%である。さらに、「aとbの間」という表現で表された値の区間はいずれも、aを超える値からbを下回る値にわたる範囲を表す(すなわち、限界値aおよびbは含まれない)一方、「aからbまで」という表現で表された値の区間はいずれも、aからbまでの値にわたる範囲を意味する(すなわち、厳格な限界値aおよびbを含む)。
「アミン官能基による鎖末端の少なくとも70mol%までの官能化」という用語は、本発明によれば、鎖末端におけるモル官能化度が鎖末端のモル数に対して少なくとも70%であるという意味に解釈される。言い換えれば、モノマーの重合後、合成されたリビング鎖の少なくとも70mol%は、鎖の非反応性末端において重合開始剤に由来するアミン官能基を有する。
したがって、これは、本発明の主題である変性ジエンエラストマーの鎖末端の少なくとも70mol%がアミン官能基で官能化されていること、特に部分加水分解または完全加水分解してシラノールを生成してもよい、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基で鎖の中央において官能化され、そのケイ素原子が2つの鎖を結合する単位の鎖末端の少なくとも70mol%がアミン官能基で官能化されていることを意味する。
エラストマーが官能化剤とアニオン重合段階によって生ずるリビングエラストマーとの反応で変性されると、このエラストマーの変性単位の混合物が得られ、その組成が特にリビング鎖の数に対する官能化剤の反応部位の割合に依存することは当業者に公知であることを明記すべきである。この混合物は、鎖末端において官能化され、カップリングされ、星状分枝され、かつ/または非官能化された単位を含む。
本明細書において、第三級アミン官能基および加水分解して、シラノールを生成しうるまたはしえないアルコキシシラン官能基を有する作用剤で「カップリングされた単位」または「カップリングされたエラストマー」という用語は、エラストマー単位は官能基をそのエラストマー鎖内に有し、この基のケイ素原子がジエンエラストマーの2つの鎖を結合するという意味に解釈される。その上、エラストマーは、「鎖末端における」位置ではなく鎖の中央においてカップリングされ、または官能化されているといわれるが、基は正確にはエラストマー鎖の中央に位置していない。
本発明によるエラストマーは、アミノアルコキシシラン基で官能化されたまたは官能化されていない他の単位も含むことができる。官能基が鎖末端に位置している場合、単位は鎖末端において官能化されているといわれる。この基のケイ素原子はジエンエラストマーの鎖に直接結合している。官能基が中央にあり、それにn個のエラストマー鎖または分枝(n>2)が結合して、エラストマーの星状分枝構造が形成されている場合、単位は星状分枝されているといわれる。この基のケイ素原子は変性ジエンエラストマーのn個の分枝同士を結合する。
本特許出願において、化合物に関連する「主に」または「主な」は、この化合物が組成物中の同じタイプの化合物のうち主である、すなわち同じタイプの化合物のうち最大の質量分率を示す化合物であることという意味に解釈される。したがって、例えば主なエラストマーは、組成物中のエラストマーの全質量に対して最大の質量分率を示すエラストマーである。同様に、「主な」充填剤は、組成物の組み合わせた充填剤の全質量に対して最大の質量分率を示すものである。また、変性ジエンエラストマーの「主な」官能単位はジエンエラストマーを構成する官能化単位のうち、変性ジエンエラストマーの全質量に対して最大の質量分率を示すものである。あるタイプの化合物を1種だけ含む系において、本発明で意味する範囲内でこの化合物は主である。
「〜をベースにした組成物」という表現は、使用された様々な構成成分の混合物および/または反応生成物を含む組成物を意味すると解釈されるべきであり、これらの基本構成成分のいくつかは、少なくとも一部が組成物の製造の様々な相において、特にその架橋または加硫時において相互に反応することができ、または反応するよう意図されている。
上記に説明するように、本発明の主題は、第三級アミン官能基および加水分解して、シラノールを生成しうるまたはしえないアルコキシシラン官能基を有する作用剤でカップリングされた単位を主に含み、ケイ素原子が2つの鎖を結合し、その2つの鎖末端が少なくとも70mol%までアミン官能基で官能化されている変性ジエンエラストマーである。
「ジエンエラストマー」という用語は、公知のように、少なくとも一部(すなわち、ホモポリマーまたはコポリマー)がジエンモノマー(共役または非共役炭素−炭素二重結合を2個有するモノマー)に由来する(1種または複数と解釈される)エラストマーを意味すると解釈されるべきである。さらに詳細には、「ジエンエラストマー」という用語は、4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られた任意のホモポリマー、あるいは1種もしくは複数の共役ジエン同士または1種もしくは複数の共役ジエンと8〜20個の炭素原子を有する1種もしくは複数のビニル芳香族化合物との共重合によって得られた任意のコポリマーという意味に解釈される。コポリマーについて、後者はジエン単位20質量%〜99質量%およびビニル芳香族単位1質量%〜80質量%で構成される。
特に以下のものは、本発明による方法で使用することができる共役ジエンとして適している。1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、例えば2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエンまたは2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエンなどの2,3−ジ(C1−C5アルキル)−1,3−ブタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンおよび2,4−ヘキサジエンなど。
特に以下のものはビニル芳香族化合物として適している。スチレン、オルト−、メタ−またはパラ−メチルスチレン、「ビニルトルエン」市販混合物、パラ−(tert−ブチル)スチレン、メトキシスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼンおよびビニルナフタレンなど。
本発明による組成物のジエンエラストマーは、ポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブタジエンコポリマー、特にブタジエンとビニル芳香族モノマーのコポリマー、イソプレンコポリマー、およびこれらのエラストマーの混合物からなる高度不飽和ジエンエラストマーの群から選択されることが好ましい。そのようなコポリマーは、さらに詳細にはブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)である。これらのコポリマーのうち、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)が特に好ましい。
部分加水分解または完全加水分解してシラノールを生成してもよい、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基で鎖の中央において官能化され、そのケイ素原子が2つの鎖を結合し、鎖末端が少なくとも70mol%までアミン官能基で官能化されている単位は、好ましくは次式(I)
式(I)
(式中、
− 記号Eは、鎖末端において少なくとも70mol%までアミン官能基で官能化されたジエンエラストマーを表し、
− R1は、加水分解度に応じて、水素原子または直鎖状もしくは分枝状C1−C10、好ましくはC1−C8のアルキル基、より好ましくはC1−C4アルキル基、より好ましくは水素原子またはエチルもしくはメチル基を表し、
− R2は、飽和もしくは不飽和で環式もしくは非環式の2価C1−C18脂肪族炭化水素基またはC6−C18芳香族炭化水素基、好ましくは飽和で直鎖状または分枝状の2価C1−C10、さらにはC1−C6脂肪族炭化水素基、より好ましくは飽和直鎖状2価C3脂肪族炭化水素基であり、
− R3およびR4は同一かまたは異なり、直鎖状または分枝状C1−C18、好ましくはC1−C10、より好ましくはC1−C4アルキル基、特にメチルまたはエチル基、より好ましくはメチル基を表し、あるいはR3およびR4はそれらが結合しているNと一緒になって、窒素原子と少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を含むヘテロ環を形成する)
に相当する。
好ましいまたは好ましくない先行する様々な態様を互いに組み合わせることができる。
本発明の有利な代替形態によれば、以下の3つの特性の少なくとも1つが認められ、好ましくは3つが認められる。
− R3およびR4基は同一であり、メチルまたはエチル基であり、好ましくはメチル基であり、
− R2基は飽和で直鎖状または分枝状の2価C1−C6脂肪族炭化水素基、より好ましくは飽和直鎖状2価C3脂肪族炭化水素基であり、
− R1基は水素原子であり、または直鎖状C1−C4アルキル基、好ましくはメチルもしくはエチル基であり、より好ましくはR1は水素原子である。
好ましい実施形態によれば、本発明による変性ジエンエラストマーは、部分加水分解または完全加水分解してシラノールを生成してもよい、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基で鎖の中央において官能化され、鎖末端において少なくとも70mol%までアミン官能基で官能化された単位を変性ジエンエラストマーに対して少なくとも50質量%、より好ましくは少なくとも70質量%含む。
先行する実施形態と組み合わせることができる別の実施形態によれば、部分加水分解または完全加水分解してシラノールを生成してもよい、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基で鎖の中央において官能化されたジエン単位は、鎖末端において100%までアミン官能基で官能化されている。
本発明による変性ジエンエラストマーは、リビングジエンエラストマーと適切な官能化剤、すなわちいずれかの少なくとも二官能価の分子との反応によるエラストマーの変性を含めて、カップリングする方法に従って調製することができ、官能基は、リビング鎖末端と反応することが当業者に公知である任意のタイプの化学基である。そのような方法も、本発明の主題を構成するものである。
したがって、本発明によれば、変性ジエンエラストマーは、
− アミン官能基を有する重合開始剤の存在下において、少なくとも1種の共役ジエンモノマーをアニオン重合する段階と、
− 前段階で得られた活性部位を有するリビングジエンエラストマーを、少なくとも1つの第三級アミン官能基および加水分解して、シラノールを生成しうるまたはしえないアルコキシシラン官能基を有するエラストマー鎖をカップリングすることができる官能化剤によって変性させる段階であって、官能化剤対重合開始剤のモル比が0.35〜0.65の値である段階と
を用いることによって得られる。
アミン官能基を含む重合開始剤によって、鎖の非反応性末端にアミン基を有するリビング鎖になる。
好ましくは、アミン官能基を含む重合開始剤として、有機リチウム化合物、好ましくはアルキルリチウム化合物と非環式または環式、好ましくは環式の第二級アミンとの反応生成物であるリチウムアミドを挙げることができる。
開始剤を調製するために使用することができる第二級アミンとして、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ(n−ブチル)アミン、ジ(sec−ブチル)アミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(n−オクチル)アミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジアリルアミン、モルホリン、ピペラジン、2,6−ジメチルモルホリン、2,6−ジメチルピペラジン、1−エチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1−ベンジルピペラジン、ピペリジン、3,3−ジメチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、1−メチル−4−(メチルアミノ)ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、アゼチジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、5−ベンジルオキシインドール、3−アザスピロ[5.5]ウンデカン、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、カルバゾール、ビストリメチルシリルアミン、ピロリジンおよびヘキサメチレンアミンを挙げることができる。
第二級アミンが環式の場合、ピロリジンおよびヘキサメチレンアミンから選択されることが好ましい。
アルキルリチウム化合物は、エチルリチウム、n−ブチルリチウム(n−BuLi)、イソブチルリチウムなどが好ましい。
アミン官能基を含む重合開始剤は、溶媒和剤を使用することなく炭化水素溶媒に可溶であることが好ましい。
アミン官能基を含む重合開始剤は、アルキルリチウム化合物と第二級アミンの反応生成物である。アルキルリチウム化合物対第二級アミンのモル比に応じて、反応生成物は残留アルキルリチウム化合物を含むことがある。したがって、重合開始剤はリチウムアミドおよび残留アルキルリチウム化合物の混合物から構成されることがある。この残留アルキルリチウム化合物によって、鎖末端にアミン基を有しないリビング鎖が形成される。本発明によれば、重合開始剤には30%を超えるアルキルリチウム化合物は含まれない。この値を超えると、所望の技術的効果、特にヒステリシスおよび剛性の特性の妥協点における改善が十分ではない。本方法の代替形態によれば、重合開始剤はアルキルリチウム化合物を含まない。
重合は不活性な炭化水素溶媒の存在下で実施されることが好ましい。不活性な炭化水素溶媒は、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサンもしくはメチルシクロヘキサンなどの脂肪族もしくは脂環式炭化水素、またはベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素とすることができる。
重合は連続式または回分式で実施することができる。重合は一般に20℃から150℃の間の温度、好ましくはおよそ30℃〜110℃で実施される。
ジエンエラストマーは任意の微細構造を有することができ、その微細構造は使用した重合条件によって決まる。エラストマーは、ブロックエラストマー、統計的エラストマー、シーケンシャルエラストマー、マイクロシーケンシャルエラストマーおよび同類のエラストマーとすることができ、分散系または溶液として調製することができる。このエラストマーの微細構造は、変性剤および/またはランダム化剤の有無ならびに変性剤および/またはランダム化剤の使用量によって決めることができる。
本発明による方法の第2の段階は、アニオン重合段階の終わりに得られたリビングジエンエラストマーを、ジエンエラストマーと適切な官能化剤とのカップリング反応を促進する操作条件に従って変性させることからなる。この段階によって、カップリングされた単位を主に含む変性ジエンエラストマーが合成される。
第1の段階の終わりに得られたリビングジエンエラストマーの変性反応は、加水分解して、シラノールを生成しうるまたはしえない、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基を形成することができる非重合性官能化剤のリビングポリマー鎖への添加またはその逆の添加によって、−20℃から100℃の間の温度で行うことができ、ケイ素原子がエラストマー2つの鎖を結合する。この非重合性カップリング剤によって、特に上述の式(I)の構造を得ることが可能になる。特に、加水分解して、シラノールを生成しうるまたはしえない少なくとも1つのアルコキシシラン官能基、およびリビングエラストマーと反応する2つの官能基であって、それぞれケイ素原子に直接結合しているこれら2つの官能基、さらには第三級アミン官能基を有する官能化剤である。
したがって、本発明の方法の代替形態によれば、官能化剤は式
式(II)
(式中、
− R2は、飽和もしくは不飽和で環式もしくは非環式の2価C1−C18脂肪族炭化水素基またはC6−C18芳香族炭化水素基、好ましくは直鎖状または分枝状の2価C1−C10、好ましくはC1−C6脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは飽和直鎖状2価C3脂肪族炭化水素基であり、
− R3およびR4は同一かまたは異なり、直鎖状または分枝状C1−C18、好ましくはC1−C10、より好ましくはC1−C4アルキル基、特にメチルまたはエチル基、より好ましくはメチル基を表し、あるいはR3およびR4はそれらが結合しているNと一緒になって、窒素原子と少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を含むヘテロ環を形成し、
− 直鎖状または分枝状R’基は互いに同一かまたは異なり、C1−C10、好ましくはC1−C8アルキル基、さらに好ましくはC1−C4アルキル基、より好ましくはメチルおよびエチル基を表す)
に相当する。
例えば、式(II)に相当する官能化剤として、N,N−ジアルキルアミノプロピルトリアルコキシシランを挙げることができる。
好ましくは、窒素原子上に存在するR3およびR4は直鎖状または分枝状であり、1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有し、より好ましくはメチルおよびエチルである。
OR’基で形成されたアルコキシ置換基は加水分解性であることが好ましい。
好ましくは、官能化剤は、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジプロピルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジプロピルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジブチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジブチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジペンチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジペンチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジヘキシルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(ヘキサメチレンイミノプロピル)トリメトキシシランまたは3−(ヘキサメチレンイミノプロピル)トリエトキシシランから選択される。官能化剤は3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランがより好ましい。
リビングジエンポリマーと官能化剤の混合は、適切な手段であればいずれでも実施することができる。リビングジエンポリマーとカップリング剤の反応時間は10秒から2時間の間とすることができる。
リビングポリマー鎖の官能化剤対開始剤のモル比は0.35から0.65まで、好ましくは0.40から0.60まで、より好ましくは0.45から0.55まで様々である。
本発明による変性ジエンエラストマーの合成方法は、それ自体が公知である方式で変性エラストマーの回収段階により継続することができる。
本方法の代替形態によれば、これらの段階は、前の段階によって生じたエラストマーを乾燥した形で回収するためのストリッピング段階を含む。このストリッピング段階は特に、変性ジエンエラストマーの加水分解性アルコキシシラン官能基をシラノール官能基に変換するためにそれらの全部または一部分を加水分解する効果をもたらすことができる。
本方法の他の代替形態によれば、これらの段階は、変性ジエンエラストマーの加水分解性アルコキシシラン官能基をシラノール官能基に変換するためにそれらの全部または一部分の加水分解専用の特定の加水分解段階を含む。この段階の完全加水分解または部分加水分解は、それ自体が公知である方式で酸性または塩基性化合物を添加することにより実施することができる。そのような加水分解段階は、例えば欧州特許出願公開第2266819号に記載されている。
本発明のさらに他の代替形態によれば、本発明による変性ジエンエラストマーのさらなる星状分枝を行うことも可能である。この星状分枝は、エラストマーマトリックスの生の流れ(raw flow)を低減するために実施することが有利である。次いで、一実施形態によれば、本発明による変性ジエンエラストマーの調製方法は一般的に変性段階より前に星状分枝単位の形成段階を含む。この星状分枝段階は、例えばスズもしくはケイ素をベースにしたそれ自体公知の星状分枝剤との反応によって実施することができ、または官能化剤対重合開始剤のモル比として0.33以下の値で第三級アミン官能基を有するトリアルコキシシランタイプの同じ星状分枝剤との反応によっても実施することができる。
これらの様々な代替形態の段階を互いに組み合わせることができる。
本発明の別の主題は、少なくとも1種の補強充填剤と少なくとも1種の上記変性ジエンエラストマーを含むエラストマーマトリックスとをベースにした強化ゴム組成物である。ゴム組成物は、これらの本発明による変性ジエンエラストマーのうちの1種または複数を含むことができると解釈されるべきである。
本発明による強化ゴム組成物は、架橋された状態または架橋されていない、言い換えれば架橋可能な状態で提供することができる。
様々な代替形態によれば、本発明による変性ジエンエラストマーは、星状分枝され、カップリングされ、それとも官能化されていようがいまいが組成物中単独でまたは少なくとも1種の他の通常のジエンエラストマーとのブレンドとして使用することができる。好ましくは、本発明で使用されるこの他のジエンエラストマーは、ポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる高度不飽和ジエンエラストマー群から選択される。そのようなコポリマーは、より好ましくはブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなる群から選択される。ジエンエラストマーを除くいずれかの合成エラストマーとのブレンド、さらにはエラストマーを除くいずれかのポリマー、例えば熱可塑性ポリマーとのブレンドを想定することも可能である。
本発明による組成物の特性における改善は、この組成物中で本発明の変性ジエンエラストマーと異なるエラストマーの割合が低くなるにつれて大きくなることに留意されたい。
したがって、好ましくは、エラストマーマトリックスは主に本発明による変性ジエンエラストマーを含む。
ブレンドする際に使用される通常のエラストマーが天然ゴムおよび/あるいは例えばポリブタジエン、ポリイソプレンまたはブタジエン/スチレンもしくはブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーなどのモノマーまたは複数のジエンポリマーである場合、変性または未変性のこのエラストマーまたはこれらのエラストマーは、本発明による変性ジエンエラストマー100質量部当たり1〜70質量部で存在することができる。
より好ましくは、エラストマーマトリックスは本発明による変性ジエンエラストマーのみから構成される。
本発明のゴム組成物は、上述のような少なくとも1種のエラストマーマトリックスに加えて、少なくともモノマーの補強充填剤を含む。
タイヤトレッドの製造に使用することができるゴム組成物を補強する能力で知られている任意のタイプの補強充填剤を使用してもよく、例えばカーボンブラック、シリカなどの無機補強充填剤をカップリング剤と公知のように組み合わせて、またはこれらの2つのタイプの充填剤の混合物を使用してもよい。
個別にまたは混合物の形で使用されるすべてのカーボンブラック、特にタイヤのトレッドで通常使用されるHAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック(「タイヤグレード」のブラック)が、カーボンブラックとして適している。後者のうち、さらに詳細には例えばN115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラックなどの100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック(ASTMグレード)が挙げられる。カーボンブラックは、例えばイソプレンエラストマーにマスターバッチの形ですでに組み込まれていることがある(例えば、国際公開第97/36724号または国際公開第99/16600号を参照のこと)。
本特許出願では「無機補強充填剤」は定義により、その色およびその起源(天然または合成)がどうであれ、それ自体単独で、中間カップリング剤を除く手段を用いることなく、タイヤの製造向けのゴム組成物を補強することができる任意の無機または鉱物充填剤と解釈されるべきである。一般的に、そのような充填剤は、公知のようにヒドロキシル(OH)基がその表面に存在していることを特徴とする。
シリカ質タイプの鉱物充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナタイプの鉱物充填剤、特にアルミナ(Al23)が特に無機補強充填剤として適している。使用されるシリカは、当業者に公知である任意の補強用シリカ、特にBET比表面積およびCTAB比表面積が共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/g、特に60から300m2/gの間を示す任意の沈降シリカまたはヒュームドシリカとすることができる。アルミナタイプの鉱物充填剤、特にアルミナ(Al23)または水酸化アルミニウム(オキシド)、あるいは例えば米国特許第6610261号および米国特許第6747087号に記載されている補強用酸化チタンも挙げられる。
また、補強充填剤として適しているのは、別の性質の補強充填剤、特にカーボンブラックである。ただし、これらの補強充填剤がシリカ質層で覆われている、またはこれらの表面に官能性部位、特にヒドロキシル部位を含み、充填剤とエラストマーの間の結合を確立するためにカップリング剤の使用を必要とすることを条件とする。例として、例えばタイヤ用のカーボンブラック、具体的には例えば国際公開第96/37547号および国際公開第99/28380号に記載されているものを挙げることができる。
無機補強充填剤が提供される物理的状態は、無機補強充填剤が粉末の形であれ、ミクロビーズの形であれ、顆粒の形であれ、ビーズの形であれ、または他の任意の適切な高密度化された形であれ、重要でない。当然、「無機補強充填剤」という用語も、様々な補強充填剤、特に上述のような高分散性シリカ質充填剤の混合物という意味に解釈される。
好ましくは、全補強充填剤(カーボンブラックおよび/またはシリカなど他の補強充填剤)の量は10から200phrの間、より好ましくは30から150phrの間、さらにより好ましくは70から130phrの間であり、最適量は、標的とされた特定の用途に応じて公知のように異なる。
本発明の代替形態によれば、補強充填剤は主にカーボンブラック以外であり、すなわち充填剤の全質量の50質量%を超える、カーボンブラックを除く1種または複数の充填剤、特にシリカなどの無機補強充填剤を含む。実際、まさにそのような充填剤のみから構成されている。
この代替形態によれば、カーボンブラックも存在する場合、20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば、0.5から20phrの間、特に1〜10phr)の含有量で使用することができる。
本発明の別の代替形態によれば、主にカーボンブラックを含み、シリカまたは別の無機充填剤を含んでもよい補強充填剤が使用される。
補強充填剤が充填剤とエラストマーの間の結合を確立するためにカップリング剤の使用を必要とする充填剤を含む場合、本発明によるゴム組成物は、さらに通常、この結合を効果的に形成することができる作用剤を含む。シリカが組成物中に補強充填剤として存在している場合、カップリング剤としてオルガノシラン、特にアルコキシシランポリスルフィドまたはメルカプトシランを使用してよく、あるいは少なくとも二官能価のポリオルガノシロキサンも使用してよい。
本発明による組成物において、カップリング剤の含有量は20phr未満であることが有利であり、カップリング剤を可能な限り少ししか使用しないことが一般的に望ましいと解釈される。その含有量は0.5から12phrの間が好ましい。カップリング剤の存在は、無機補強充填剤の存在に依存する。その含有量は当業者によってこの充填剤の含有量に応じて容易に調整される。これは、典型的には、カーボンブラックを除く無機補強充填剤の量に対して0.5質量%〜15質量%程度である。
本発明によるゴム組成物は、カップリング剤以外に、カップリング活性化剤、充填剤の被覆剤、またはより一般的にゴムマトリックスにおける充填剤の分散の改善および組成物の粘度の低下のおかげで公知のように生の状態で加工される能力を改善することができる加工助剤も含むことができ、これらの作用剤は、例えばアルキルアルコキシシランなどの加水分解性シラン、ポリオール、ポリエーテル、第一級、第二級もしくは第三級アミン、またはヒドロキシル化ポリオルガノシロキサンもしくは加水分解性ポリオルガノシロキサンである。
本発明によるゴム組成物は、上述のカーボンブラックまたは他の無機補強充填剤の全部または一部分に代えて用いることができる有機補強充填剤も含むことができる。有機補強充填剤の例としては、国際公開第2006/069792号、国際公開第2006/069793号、国際公開第2008/003434号および国際公開第2008/003435号に記載されているものなどの官能化ポリビニル有機充填剤を挙げることができる。
本発明によるゴム組成物は、例えば顔料、非補強充填剤、耐オゾン性ワックス、化学的オゾン亀裂防止剤または酸化防止剤などの保護剤、疲労防止剤、可塑化剤、補強用もしくは可塑化用樹脂、例えば国際公開第02/10269号に記載されたものなどのメチレン受容体(例えば、フェノールノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えば、HMTまたはH3M)、イオウまたはイオウ供与体および/または過酸化物および/またはビスマレイミドをベースにした架橋系、加硫促進剤または加硫活性化剤など、タイヤの製造向けのエラストマー組成物で一般的に使用される通常の添加剤の全部または一部分も含むことができる。
組成物は、適切なミキサー中、当業者に周知である連続する2つの調製期、すなわち110℃から190℃の間、好ましくは130℃から180℃の間の最高温度までの高温で熱機械加工するまたは捏和する第1期(「非生産的」期)と、その後に続いて典型的には110℃未満、例えば40℃から100℃の間のより低い温度に至るまで機械加工し、その仕上げ期において架橋系を組み込む第2期(「生産的」期)を使用して製造される。
本発明による組成物の調製方法は一般に、
(i)130℃から200℃の間の最高温度で、架橋系を除いて、本発明による変性ジエンエラストマーおよび補強充填剤を含む組成物の構成要素を熱機械加工する第1ステップの実施、次いで
(ii)前記第1ステップの前記最高温度より低い温度で機械加工し、その間に前記架橋系を組み込む第2ステップの実施
を含む。
本方法は、上記の段階(i)および(ii)の実施より前に、上述の方法に従って、第三級アミン官能基を有し、ケイ素原子を介してジエンエラストマーに結合しているアルコキシシラン基で主にカップリングされたジエンエラストマーの調製段階を含むこともできる。
本発明の別の主題は、架橋可能なもしくは架橋された本発明によるゴム組成物を含むまたはそのような組成物から構成されたタイヤ用のゴムで作製された半完成品である。
こうして得られた最終組成物は、引き続いて、例えばタイヤ向けの半完成ゴム製品として使用することができるゴム型出しエレメント(rubber profiled element)を形成するために、例えばシートもしくはプラックの形にカレンダー加工することができ、または押出することもできる。そのような半完成製品も本発明の主題をなす。
本発明による強化ゴム組成物を特徴付けるヒステリシス/生での加工/剛性の妥協点における改善によって、そのような組成物はタイヤの任意の半完成製品、極めて具体的にはトレッドを構成することができ、特にその転がり抵抗を低減し、耐摩耗性を改善することに留意されたい。
したがって、本発明の最後の主題は、本発明による半完成品、特にトレッドを含むタイヤである。
本発明の上記特性、さらには他の特性は、制限なしに例として記載された本発明のいくつかの実施例について以下の説明を読むとよく理解される。
変性エラストマーの調製例
ポリマーAの調製:SBR 非官能性−対照
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中n−ブチルリチウム535mlを添加する。重合は50℃で実施される。
40分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、0.15mol.l-1 メタノールのトルエン溶液530mlを添加する。引き続いて、エラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
ポリマーのムーニー粘度は60である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、192000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.07である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して59%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ポリマーBの調製:SBR 鎖末端にてアミン官能性−対照
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中リチウムヘキサメチレンアミン(lithium hexamethyleneamine)1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
32分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.l-1で25℃にて測定して、1.10dl.g-1である。0.1mol.l-1 ジメチルジクロロシランのメチルシクロヘキサン溶液268mlを添加する。50℃で20分間反応した後、エラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.80dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.63である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は59である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、188000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.09である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ポリマーCの調製:SBR 鎖の中央にてアミノアルコキシシラン官能性−対照
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中n−ブチルリチウム1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
30分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.dl-1で25℃にて測定して、1.11dl.g-1である。0.1mol.l-1 3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランのメチルシクロヘキサン溶液268mlを添加する。50℃で20分間反応した後、引き続いて、エラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.78dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.60である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は59である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、187000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.13である。
カップリングされた単位の質量百分率は高分解能SEC技法で決定して、85%である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ストリッピング/乾燥後の残留SiOCH3官能基の含有量は1H NMRで決定して、65%である。
ポリマーDの調製:SBR 鎖の中央にてシラノール官能性−対照
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中n−ブチルリチウム1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
30分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.l-1で25℃にて測定して、1.10dl.g-1である。0.1mol.l-1 メチルトリクロロシランのメチルシクロヘキサン溶液268mlを添加する。0℃で20分間反応した後、ポリマー鎖上に存在するSiCl官能基を加水分解するために、過剰量の水を添加する。引き続いて、エラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−ジ(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.80dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.64である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は60である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、190000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.10である。
カップリングされた単位の質量百分率は高分解能SEC技法で決定して、82%である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ポリマーEの調製:SBR 鎖の中央にてエポキシド+アルコキシシラン官能性−対照
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中n−ブチルリチウム1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
30分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.dl-1で25℃にて測定して、1.10dl.g-1である。0.1mol.l-1 3−(グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランのメチルシクロヘキサン溶液268mlを添加する。50℃で20分間反応した後、引き続いてエラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.77dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.61である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は58である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、186000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.14である。
カップリングされた単位の質量百分率は高分解能SEC技法で決定して、86%である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ポリマーFの調製:SBR 鎖の中央にてシラノール+ポリエーテル官能性−対照
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中n−ブチルリチウム1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
30分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.dl-1で25℃にて測定して、1.10dl.g-1である。0.1mol.l-1 ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル),α−[3−(ジクロロメチルシリル)プロピル]−ω−[3−(ジクロロメチルシリル)プロポキシ]のジエチルエーテル溶液268mlを添加する。50℃で90分間反応した後、ポリマー鎖上に存在するSiCl官能基を中和するために、過剰量の水を添加する。引き続いて、エラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.76dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.60である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は59である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、186000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.15である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ポリマーGの調製:SBR 鎖末端にてシラノール官能性−対照
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中n−ブチルリチウム535mlを添加する。重合は50℃で実施される。
40分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、0.1mol.l-1 ヘキサメチルシクロトリシロキサンのメチルシクロヘキサン溶液134mlを添加する。60℃で30分間経過した後、次いで0.15mol.l-1 メタノールのトルエン溶液535mlを添加する。引き続いて、エラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
ポリマーのムーニー粘度は59である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、190000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.05である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して59%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ポリマーHの調製:本発明によるSBR 鎖末端にてアミン官能性および鎖の中央にてアミノアルコキシシラン官能性(官能化剤:ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1 メチルシクロヘキサン中リチウムヘキサメチレンアミン1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
32分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.dl-1で25℃にて測定して、1.10dl.g-1である。0.1mol.l-1 3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランのメチルシクロヘキサン溶液268mlを添加する。50℃で20分間反応した後、引き続いてエラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.79dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.63である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は59である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、189000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.13である。
カップリングされた単位の質量百分率は高分解能SEC技法で決定して、79%である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ストリッピング/乾燥後の残留SiOCH3官能基の含有量は1H NMRで決定して、45%である。
ポリマーIの調製:本発明によるSBR 鎖末端にてアミン官能性および鎖の中央にてアミノアルコキシシラン官能性(官能化剤:ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン)
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1メチルシクロヘキサン中リチウムヘキサメチレンアミン1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
32分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.dl-1で25℃にて測定して、1.12dl.g-1である。0.1mol.l-1 3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシランのメチルシクロヘキサン溶液268mlを添加する。50℃で20分間反応した後、引き続いてエラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.80dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.61である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は61である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、192000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.14である。
カップリングされた単位の質量百分率は高分解能SEC技法で決定して、81%である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
ストリッピング/乾燥後の残留SiOCH3官能基の含有量は1H NMRで決定して、65%である。
ポリマーJの調製:本発明に従って加水分解されたSBR 鎖末端にてアミン官能性および鎖の中央にてアミノアルコキシシラン官能性(官能化剤:ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)
約2バールの窒素圧下で維持された、44.7kgのメチルシクロヘキサンが入っている90リットルの反応器に、1.8kgのスチレンおよび4.9kgのブタジエンを注入し、さらに0.1mol.l-1 テトラヒドロフルフリルエーテルのメチルシクロヘキサン溶液395mlも注入する。重合させる溶液中の不純物をn−ブチルリチウムの添加により中和した後、0.05mol.l-1メチルシクロヘキサン中リチウムヘキサメチレンアミン1.07lを添加する。重合は50℃で実施される。
32分後、モノマーの転換度は90%に達する。この含有量は、200mmHgの減圧下に140℃で乾燥させた抽出物を秤量することによって決まる。次いで、対照試料を反応器から取り除き、次いでリチウムに対して過剰量のメタノールを用いて止める。固有粘度(「初期」粘度)はトルエン中0.1g.dl-1で25℃にて測定して、1.10dl.g-1である。0.1mol.l-1 3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランのメチルシクロヘキサン溶液268mlを添加する。50℃で20分間反応した後、0.1mol.l-1 塩酸水溶液(リチウムに対して2mol当量のHCl)を添加し、溶液を30分撹拌する。引き続いて、エラストマー100部当たり0.8部(phr)の4,4’−メチレンビス(2,6−(tert−ブチル)フェノール)およびエラストマー100部当たり0.2部(phr)のN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを添加することにより、溶液を酸化防止処理する。こうして処理されたコポリマーをスチームストリッピング操作によりその溶液から分離し、次いで開放型ミルで100℃にて15分間乾燥する。
測定された「最終」固有粘度は1.79dl.g-1である。前記「最終」粘度対前記「初期」粘度の比と定義される粘度の上昇はこの場合1.63である。こうしてカップリングされたポリマーのムーニー粘度は61である。
このコポリマーの数平均モル質量MnはSEC技法で決定して、190000g.mol-1であり、多分散指数PIは1.15である。
カップリングされた単位の質量百分率は高分解能SEC技法で決定して、81%である。
このコポリマーの微細構造はNIR法によって決まる。1,2−単位の含有量はブタジエン単位に対して60%である。スチレンの質量含有量は25%である。
このコポリマーのガラス転移温度は−24℃である。
加水分解/ストリッピング/乾燥後の残留SiOCH3官能基の含有量は1H NMRで決定して、0である。
ゴム組成物の比較例
使用する測定法および試験法
サイズ排除クロマトグラフィー
SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)技法により、多孔質ゲルを充填したカラムに通して、溶液状態の高分子をそれらのサイズに応じて分離することが可能になる。高分子をそれらの流体力学的容積に応じて分離するが、最も嵩高いものが最初に溶離される。
絶対的な方法ではないが、SECにより、ポリマーのモル質量の分布を理解することが可能になる。様々な数平均モル質量(Mn)および質量平均モル質量(Mw)は市販の標準品から決定することができ、多分散指数(PI=Mw/Mn)は「ムーア」較正により算出することができる。
分析する前に、ポリマー試料を特に処理することはない。ポリマー試料を溶離溶媒に約1g.l-1の濃度で溶解するだけである。次いで、溶液を注入前に、0.45μmの空隙を有するフィルターで濾過する。
使用する装置は「Waters Alliance」クロマトグラフラインである。溶離溶媒は、テトラヒドロフランまたはテトラヒドロフラン+1容量%のジイソプロピルアミン+1容量%のトリエチルアミンであり、流速は1ml.分-1であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は30分である。販売名「Styragel HT6E」というWatersカラム2本セットを使用する。ポリマー試料溶液の注入容量は100μlである。検出器は「Waters 2410」示差屈折計であり、クロマトグラフデータを利用するためのソフトウェアは「Waters Empower」システムである。
算出した平均モル質量は、以下の微細構造を有するSBRについて作成された較正曲線に比例する。スチレンタイプの単位25質量%、1,2−タイプの単位23質量%およびtrans−1,4−タイプの単位50質量%。
高分解能サイズ排除クロマトグラフィー
高分解能SEC技法を使用して、ポリマー試料に存在している鎖の様々な集団の質量百分率を決定する。
分析する前に、ポリマー試料を特に処理することはない。ポリマー試料を溶離溶媒に約1g.l-1の濃度で溶解するだけである。次いで、溶液を注入前に、0.45μmの空隙を有するフィルターで濾過する。
使用する装置は「Waters Alliance 2695」クロマトグラフラインである。溶離溶媒はテトラヒドロフランであり、流速0.2ml.分-1であり、システムの温度は35℃である。連続した同一のカラム3本セットを使用する(Shodex、長さ300mm、直径8mm)。カラムのセットの理論段数は22000より高い。ポリマー試料溶液の注入容量は50μlである。検出器は「Waters 2414」示差屈折計であり、クロマトグラフデータを利用するためのソフトウェアは「Waters Empower」システムである。
算出したモル質量は、以下の微細構造を有するSBRについて作成された較正曲線に比例する。スチレンタイプの単位25質量%、1,2−タイプの単位23質量%およびtrans−1,4−タイプの単位50質量%。
ムーニー粘度
ポリマーおよびゴム組成物について、ムーニー粘度ML(1+4)100℃をASTM D−1646規格に従って測定する。
ASTM D−1646規格に記載されているような振動式コンシストメーター(oscillating consistometer)を使用する。ムーニー可塑度測定は以下の原理に従って実施される。生の状態(すなわち、硬化前)の組成物を、100℃に加熱された円柱状チャンバー中で成形する。1分間予熱した後、回転子は供試体内で2回転/分で回転し、4分間回転した後、この運動を維持するための使用トルクを測定する。ムーニー可塑度ML(1+4)を「ムーニー単位」(MU、1MU=0.83N.m)で表す。
示差熱測定
エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計を使用して決定される。
近赤外(NIR)分光法
エラストマーの微細構造は近赤外(NIR)分光技法によって特徴付けられる。
近赤外分光法(NIR)を使用して、エラストマー中のスチレンの質量含有量を定量し、さらにその微細構造も決定する(1,2−、trans−1,4−およびcis−1,4−ブタジエン単位の相対分布)。方法の原理は、多成分系について定式化されたランベルト・ベールの法則に基づく。方法は間接法であるので、13C NMRで決定された組成を有する標準エラストマーを使用して実施された多変量較正を必要とする[Vilmin, F., Dussap, C. and Coste, N., Applied Spectroscopy, 2006, 60, 619-29]。次いで、スチレン含有量および微細構造を、厚さ約730μmのエラストマーフィルムのNIRスペクトルから算出する。スペクトルは、ペルティエ効果によって冷却されたInGaAs検出器を装備したBruker Tensor 37フーリエ変換近赤外分光計を使用して、伝送モード、4000から6200cm-1の間、分解能2cm-1で取得する。
プロトン核磁気共鳴(1H NMR)
SiOCH3官能基の含有量は1H NMRによって決定する。NMR分析は、5mm BBIz「ブロードバンド」プローブを装備したBruker 500MHz分光計で実施する。定量1H NMR実験については、シークエンスで30°パルスおよび繰り返し時間2秒を用いる。試料を二硫化炭素(CS2)に溶解する。ロックシグナルのために、重水素化シクロヘキサン(C612)100μlを添加する。
固有粘度
エラストマーの25℃における固有粘度は、以下の原理に従って0.1g.dl-1 エラストマーのトルエン溶液で決定される。
固有粘度は、毛細管中のポリマー溶液の流動時間tおよびトルエンの流動時間t0を測定することによって決定される。
トルエンの流動時間および0.1g.dl-1ポリマー溶液の流動時間は、25±0.1℃で自動温度調節された浴槽内に置かれたUbbelohde管(毛細管の直径0.46mm、容量18〜22ml)で測定される。
固有粘度は以下の関係式によって得られる。
式中、
C:ポリマーのトルエン溶液の濃度、単位g/dl-1
t:ポリマーのトルエン溶液の流動時間、単位秒
0:トルエンの:流動時間、単位秒、
ηinh:固有粘度、単位dl.g-1で表される
動力学的特性
動力学的特性G*およびtan(δ)maxは、ASTM D 5992−96規格に従って粘度分析器(Metravib VA4000)で測定される。ASTM D 1349−99規格に従って、標準温度条件(40℃)下に10Hzの周波数で単純交互正弦せん断応力(simple alternating sinusoidal shear stress)にかけた加硫組成物の試料(厚さ2mmおよび断面積79mm2の円筒状供試体)の応答を記録する。歪み振幅掃引は、0.1%〜50%ピーク間(アウトワードサイクル(outward cycle))、次いで50%〜0.1%ピーク間(戻りサイクル)で行われる。利用される結果は、複素動的せん断弾性率(complex dynamic shear modulus、G*)および損失係数tan(δ)である。戻りサイクルでは、観測され、tan(δ)maxと表されるtan(δ)の最大値を示す。この値は、材料のヒステリシスの代表であり、本件では転がり抵抗の代表である。tan(δ)maxの値が小さくなるほど、転がり抵抗が低くなる。40℃で測定されたG*値は剛性、すなわち耐変形性を表す。G*値が高いほど、材料の剛性が高くなり、したがって耐摩耗性が高くなる。
組成物
下記の表1に記載の10個の組成物を比較する。これらのうち7つ(組成物4から10)は、本発明によって推奨される組成物に一致しない。処方は、エラストマー100質量部当たりの質量百分率(phr)で表す。
次の手順を、以下に続く試験に使用する。
組成物はそれぞれ、第1のステップにおいて熱機械加工することにより、次いで第2の仕上げステップにおいて機械加工することにより製造される。
エラストマー、シリカの2/3、カップリング剤、ジフェニルグアニジンおよびカーボンブラックを、「Banbury」タイプの容量400cm3の実験室用インターナルミキサーに導入する。ミキサーは72%満たされ、初期温度は90℃である。
熱機械加工は、ブレードによって実施される。その平均速度は50回転/分であり、温度は90℃である。
1分後、最後の1/3のシリカ、酸化防止剤、ステアリン酸、耐オゾン性ワックス、MES油および樹脂を、やはり熱機械加工下に導入する。
2分後、酸化亜鉛を導入する。ブレードの速度は50回転/分である。
最大落下温度約160℃まで、熱機械加工をさらに2分間行う。
こうして得られた混合物を回収し、冷却し、次いで外部ミキサー(ホモフィニッシャー(homofinisher))中で、イオウとスルフェンアミドを30℃で添加し、合わせた混合物を3〜4分間さらに混合する(機械加工の第2ステップ)。
こうして得られた組成物を、引き続いてそれらの物理的または機械的特性の測定のためプラック(厚さ2〜3mm)もしくは薄いゴムのシートの形にカレンダー加工し、または所望の寸法に裁断および/もしくは組み立てた後、例えばタイヤ、特にトレッド用の半完成製品として直接使用することができる型出しエレメントの形にカレンダー加工する。
架橋は、150℃で40分間実施する。
結果を表2ならびに図1および2に示す。
図1から、鎖末端においてアミン官能性であり、鎖の中央においてアミノアルコキシシラン官能性であるSBRを含む組成物1、2および3(それぞれ、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン(ポリマーH)、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(ポリマーI)および加水分解されたジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン(ポリマーJ))が、対照ポリマーA(非官能性)を含む組成物4より、対照ポリマーB(鎖末端においてアミン官能性)を含む組成物5より、かつ対照ポリマーC(鎖の中央においてアミノアルコキシシラン官能性(ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン))、ポリマーD(鎖の中央においてシラノール官能性)、ポリマーE(鎖の中央においてエポキシド+アルコキシシラン官能性)、ポリマーF(鎖の中央においてシラノール+ポリエーテル官能性)およびポリマーG(鎖末端にシラノール官能性)をそれぞれ含む組成物6、7、8、9および10より、低いtan(δ)max40℃値を示すことが明らかである。これはヒステリシスの改善を反映している。
それにもかかわらず、組成物1、2および3の加工は、特にタイヤの調製向けの半完成製品の処方で一般的に使用される非官能性エラストマーを含む組成物Aを考慮して、依然として完全に許容できる。
図2から、組成物1、2および3は、他の組成物に対して、特に対照ポリマーC(鎖の中央においてアミノアルコキシシラン官能性)を含む組成物6に対して、オフセットするtan(δ)max40℃/G*10%,40℃の妥協点を示すことが明らかである。これは、本発明による変性ポリマーを含む組成物1、2および3について剛性/ヒステリシスの妥協点の改善を反映している。

Claims (5)

  1. 次式(I)に相当する、部分加水分解または完全加水分解してシラノールを生成してもよい、第三級アミン官能基を有するアルコキシシラン基で鎖の中央において官能化され、そのケイ素原子が2つの鎖を結合する単位を、変性共役ジエンエラストマーに対して少なくとも70質量%含む変性共役ジエンエラストマーであって、変性共役ジエンエラストマーの鎖末端が鎖末端のモル数に対して少なくとも70mol%アミン官能基で官能化されている変性共役ジエンエラストマー。
    式(I)
    (式中、
    − 記号Eは、鎖末端において少なくとも70mol%アミン官能基で官能化されたジエンエラストマーを表し、
    − R1は、加水分解度に応じて、水素原子または直鎖状もしくは分枝状C1−C10アルキル基を表し、
    − R2は、飽和もしくは不飽和で環式もしくは非環式の2価C1−C18脂肪族炭化水素基またはC6−C18芳香族炭化水素基であり、
    − R3およびR4は同一かまたは異なり、直鎖状または分枝状C1−C18アルキル基を表す)
  2. 請求項1に記載の変性共役ジエンエラストマーの調製方法であって、
    − アミン官能基を有する重合開始剤の存在下において、少なくとも1種の共役ジエンモノマーをアニオン重合する段階と、
    − 前段階で得られた活性部位を有するリビングジエンエラストマーを、少なくとも1つの第三級アミン官能基および加水分解して、シラノールを生成しうるアルコキシシラン官能基を有するエラストマー鎖をカップリングすることができる官能化剤によって変性させる段階であって、官能化剤対重合開始剤のモル比が0.35〜0.65の値である段階とを含み、前記官能化剤が次式に相当する、前記調製方法。
    式(II)
    (式中、
    − R2は、飽和もしくは不飽和で環式もしくは非環式の2価C1−C18脂肪族炭化水素基またはC6−C18芳香族炭化水素基であり、
    − R3およびR4は同一かまたは異なり、直鎖状または分枝状C1−C18アルキル基を表し、
    − 直鎖状または分枝状R’基は互いに同一かまたは異なり、C1−C10アルキル基を表す)
  3. 少なくとも1種の補強充填剤と請求項1に記載の少なくとも1種の変性共役ジエンエラストマーを含むエラストマーマトリックスとをベースにする強化ゴム組成物。
  4. 請求項3に記載の強化ゴム組成物を含むことを特徴とするタイヤ用のゴムで作製された半完成品。
  5. 請求項4に記載の半完成品を含むことを特徴とするタイヤ。
JP2016532342A 2013-08-09 2014-08-04 アミノアルコキシシラン化合物でカップリングされ、鎖末端にアミン官能基を有するジエンエラストマーを含む変性ジエンエラストマー、およびそれを含むゴム組成物 Active JP6650398B2 (ja)

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