JP6650147B2 - 航空機パネル製造方法及び航空機パネル製造システム - Google Patents

航空機パネル製造方法及び航空機パネル製造システム Download PDF

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Description

本発明は、航空機パネル製造方法及び航空機パネル製造システムに関するものである。
航空機の胴体パネルは、曲面を有する板状のスキンと、胴体の長手方向に沿ってスキンに設けられる長尺状のストリンガーと、胴体の周方向に沿って設けられるフレームなどが組み合わされて構成される。
隣り合うスキン同士の重なり部分の結合や、スキン又はストリンガーに対するフレームの結合は、位置決め治具を用いて、各部品の位置を正確に決定してから行われている。部品間の結合はリベットが使用される。剛性の高い位置決め治具を用いることにより、剛性が低いスキンに対して正確な位置で各部品を結合できる。
従来、位置決め治具は、工場内の所定位置に固定されて用いられており、上述のスキン同士の結合やフレームの結合は所定位置で行われて胴体パネルが製造されている。製造中の胴体パネルは、一の工程の作業場所から次工程の作業場所へ移動される場合に、位置決め治具から取り外されて移動されており、位置決め治具自体が移動することはなかった。
所定位置に固定されて用いられている位置決め治具は、製造される胴体パネルの形状に応じて予め製作されている。胴体パネルは、長手方向が直線である単曲面の場合だけでなく、長手方向にも曲率を有する複曲面の場合もある。そのため、胴体パネルの形状に応じて、多数の種類の位置決め治具を製作しておく必要があり、治具の製作や管理にかかるコストも高くなる。
胴体パネルの製造工程において、リベットの締結作業を行う際、手作業による打鋲によって、隣り合うスキン同士の重なり部分の結合や、スキン又はストリンガーに対するフレームの結合を行っている。近年になって、これらの工程に自動打鋲機も採用されている。しかし、位置決め治具に固定されたパネルへの打鋲する際、自動打鋲機が、パネルを支持する位置決め治具の支持部材と干渉する場合があるため、自動打鋲機を適用できる範囲には限りがあった。
また、胴体パネルを一の工程の作業場所から次工程の作業場所へ移動する際に、一の工程の作業場所の位置決め治具から取り外し、次工程の作業場所の位置決め治具への取り付けを行う必要があり、工程間移動に伴う作業を要する。また、従来の位置決め治具は、胴体パネルのフレームの間隔に対応して多数の位置決め材が配置されているため、自動打鋲機を適用できる範囲が限られている。そのため、自動打鋲機を用いて締結できるリベット数の割合が全体のリベット数に比べて少なかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、治具の製作や管理を簡素化し、かつ、治具の製作や管理にかかるコストを抑制することが可能な航空機パネル製造方法及び航空機パネル製造システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の航空機パネル製造方法及び航空機パネル製造システムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る航空機パネル製造方法は、保持治具が、断面が曲線形状を有する複数の板状部材を有する航空機パネルを、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、第一の加工エリアで、前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材同士を重ね合わせてリベットによって重なり部分を結合するステップと、前記複数の板状部材が結合された前記航空機パネルが保持された前記保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに移動するステップと、前記第二の加工エリアで、移動された前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材に対し、前記航空機パネルの曲線形状に沿った曲線部材をリベットによって結合するステップとを有し、前記保持治具上に固定するステップでは、前記複数の板状部材の長手方向の周縁部のみを把持して固定し、前記保持治具は、前記第一の加工エリアと前記第二の加工エリアの間を、前記航空機パネルを把持した状態を維持して移動する
この構成によれば、航空機パネルを構成する複数の板状部材が、重なり部分でリベットによって締結された後、異なる場所に移動され、航空機パネルの板状部材に対してリベットによって曲線部材が取り付けられる。
上記発明において、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、前記航空機パネルが保持された前記保持治具を移動するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップとを通じて、前記航空機パネルが前記保持治具に保持された状態を維持する。
この構成によれば、各工程を通じて保持治具に航空機パネルが保持された状態を維持して保持治具を移動させるので、位置決め治具からの取り外し作業や位置決め治具への取り付け作業を省くことが可能となる。
上記発明において、前記保持治具が航空機パネルを保持するステップにおいては、前記保持治具は複数の把持部を有し、前記複数の把持部が前記複数の板状部材の周縁部のみを把持して前記航空機パネルを保持してもよい。
この構成によれば、組み立てにおいて精度が要求される周縁部の形状を適切に維持しつつ、保持治具の構造において板状部材の中央部を支持する構造部材を省くことができるため、保持治具の重量を軽量化することができる。これにより保持治具の移動に伴う動力を低減することができる。また、保持治具の構造において板状部材の中央部を支持する構造部材を省くことで、自動打鋲機と保持治具との干渉を減らすことができ、自動打鋲機の適用できる範囲を拡げることができる。
上記発明において、前記保持治具は、前記航空機パネルの対向する2辺の端部を把持する複数の把持部を有し、前記複数の把持部が前記複数の板状部材の周縁部を把持して前記航空機パネルを保持してもよい。上記発明において、前記対向する2辺は、前記航空機パネルの上に凸の曲線形状を有する断面に垂直な方向に延在する2辺であり、前記保持治具に保持された状態で航空機パネルの下側周縁部となる。
この構成によれば、上に凸の曲線形状を有する前記航空機パネルを下側周縁部で把持して支えることとなるため、剛性の小さい航空機パネルを安定して保持できる。これにより組み立てにおいて精度が要求される周縁部の形状を適切に維持しつつ、保持治具の構造において板状部材の中央部を支持する構造部材を省くことができる。
上記発明において、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップの少なくともいずれか一方において、前記リベットの結合は、自動打鋲機が行う。
この構成によれば、上述の順番によって精度の良い航空機パネルを製造できることから、手動によるリベット締結ではなく、自動打鋲機を用いて締結することで作業の省力化を図ることができる。
上記発明において、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップの少なくともいずれか一方の後で、バッファスペースに前記保持治具を固定するステップを更に備え、前記バッファスペースにて、前記自動打鋲機が前記リベットの結合を行う。
この構成によれば、自動打鋲機によるリベット締結作業の後に、バッファスペースが設けられ、保持治具がそこで固定され、場合によっては、自動打鋲機がリベットの結合を行うことから、航空機パネルの種類によって生じる作業時間の時間差を吸収できる。
上記発明において、前記保持治具は、搬送用軌道に沿って一方向に移動し、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、前記曲線部材をリベットによって結合するステップとでは、前記保持治具が各加工スペースで固定されている。
この構成によれば、搬送用軌道が設けられて、搬送用軌道に沿って保持治具が一方向に移動し、各作業スペースでは、保持治具が固定されて、航空機パネルに対しリベット締結作業等が行われる。すなわち、作業が行われる間は、航空機パネルが固定され、作業スペース間で搬送されるときのみ航空機パネルが移動する。
上記発明において、前記保持治具は、前記航空機パネルの対向する2辺の端部を把持する複数の把持部と、前記複数の把持部によって把持される前記航空機パネルに対応して設けられ、前記複数の把持部を一体的に支持する支持材とを備え、前記支持材は、一軸方向に沿って、前記航空機パネルの対向する2辺の各辺に対応して1本ずつ設けられる第1枠材を有し、前記第1枠材に支持された前記複数の把持部は、前記一軸方向に沿った前記航空機パネルの対向する2辺の端部で前記航空機パネルを把持しつつ、前記一軸方向に対して垂直方向に切断した断面が、上側に凸の曲線形状となるように前記航空機パネルを保持し、前記航空機パネルを保持した状態で搬送され得る構成を有する。
従来は、複雑な構造を有する治具によって、一箇所の作業スペースで、複数の隣り合うスキン同士を重ね合わせながら、フレームをスキンやストリンガーに取り付けていた。しかし、航空機パネルの板状部材の両端部を保持し、かつ、板状部材の断面が上に凸の曲線形状となるように保持する治具であるため、その後の別の工程で、他の曲線部材(例えばフレーム)を、板状部材(例えばスキン)、又は、スキンに設けられたストリンガーに取付けることができる。よって、簡素な治具で航空機パネルの組み立てを行うことができる。
本発明に係る航空機パネル製造方法は、複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造方法であって、前記航空機パネルを構成する複数の板状部材を保持治具に載置し、前記航空機パネルの周縁部を把持して前記保持治具上に固定するステップと、前記保持治具を第一の加工エリアに搬送するステップと、前記第一の加工エリアで、前記複数の板状部材同士を重ね合わせて仮留めして、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、前記航空機パネルが載置された前記保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに搬送するステップと、前記第二の加工エリアで、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップとを有し、前記保持治具上に固定するステップでは、前記複数の板状部材の長手方向の周縁部のみを把持して固定し、前記保持治具は、前記第一の加工エリアと前記第二の加工エリアの間を、前記航空機パネルを把持した状態を維持して移動することを特徴とする。
本発明に係る航空機パネル製造方法は、複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造方法であって、前記航空機パネルを構成する複数の板状部材を保持治具に載置し、前記航空機パネルの周縁部を把持して前記保持治具上に固定するステップと、前記保持治具を第一の加工エリアに搬送するステップと、前記第一の加工エリアで、前記保持治具と、第一の加工エリアに設置された形状保持治具とを組み合わせるステップと、前記形状保持治具によって、前記複数の板状部材の形状の調整を行うステップと、前記複数の板状部材同士を重ね合わせて仮留めして、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、前記航空機パネルが載置された前記保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに搬送するステップと、前記第二の加工エリアで、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップとを有する。
本発明に係る航空機パネル製造方法は、複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造方法であって、第一の加工エリアで、前記航空機パネルを構成する複数の板状部材同士を重ね合わせて仮留めして、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、前記航空機パネルが載置された前記保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに搬送するステップと、前記第二の加工エリアで、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、前記航空機パネルが載置された前記保持治具を前記第二の加工エリアから第三の加工エリアに搬送するステップと、前記第三の加工エリアで、前記保持治具上の前記航空機パネルに他の部材を取り付けるステップとを有する。
本発明に係る航空機パネル製造方法は、複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造システムであって、第一の加工エリアと第二の加工エリアの間を、前記航空機パネルを把持した状態を維持して移動する保持治具と、前記第一の加工エリアに設置され、前記保持治具と組み合わせて用いられる形状保持治具と、前記第二の加工エリアに設置され、前記保持治具上の前記航空機パネルに対しリベットの締結を行う打鋲装置とを備え、前記保持治具は、前記複数種類の航空機パネルに共通する共通部分を有する治具枠と、前記治具枠の内側に設けられた支持材と、前記支持材に設けられ、前記航空機パネルの長手方向の周縁部を把持する把持部とを有し、前記把持部のみによって、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持する。
本発明によれば、航空機パネルのうち板状部材の形状が定まった後、曲線部材が板状部材に固定されることから、簡素な治具で組立を行うことができ、治具の製作や管理を簡素化し、かつ、治具の製作や管理にかかるコストを抑制することができる。また、リベットの締結作業について、自動打鋲機を適用できる範囲を増加させることができる。
本発明の一実施形態に係る胴体パネル製造システムを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る胴体パネル製造システムを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る胴体パネル製造システムを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る保持治具と、保持治具に載置された胴体パネルと、保持治具が載置される固定台を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る保持治具を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る初期形状保持治具を示す斜視図である。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。図1から図3は、本発明の一実施形態に係る胴体パネル製造システムを示す斜視図である。図1及び図2において、矢印Aでは搬送用軌道2が連続していることを示し、図2及び図3において、矢印Bでは搬送方法が変更されることを示している。
まず、本発明の一実施形態に係る胴体パネル製造システムについて説明する。
胴体パネル製造システムは、図1及び図2に示すように、胴体パネル10が保持される保持治具1と、保持治具1が搬送される搬送用軌道2を備える。本実施形態では、搬送用軌道2は、複数の作業スペースを通過するように一方向に形成される。
胴体パネル10は、航空機の略円筒形状の胴体部分が、機軸方向及び周方向に分割された形状である。したがって、胴体パネル10は、機軸方向に対して垂直方向の断面が円弧形状を有する。胴体パネル10において、機軸方向に対して平行又は斜めの対向する2辺は、直線であり、保持治具1によって胴体パネル10が保持されたとき、胴体パネル10の下端に位置する。また、胴体パネル10において、機軸方向に対し垂直な面に収まる対向する2辺は、円弧形状であり、保持治具1によって胴体パネル10が保持されたとき、胴体パネル10の側端に位置する。
搬送用軌道2には、例えば、チェーンコンベヤ、ベルトコンベヤ等の搬送装置が設けられる。保持治具1は、搬送装置に載置されて、搬送用軌道2の一端側から他端側へ搬送される。搬送装置は、チェーン又はベルト等がモーターによって駆動され、チェーン又はベルト等は、保持治具1の水平材6に対して平行に巻かれて設けられる。
保持治具1は、例えば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製である。保持治具1に胴体パネル10が保持されるとき、胴体パネル10は、上側に凸となるように保持される。なお、図示した保持治具1は、一例にすぎず、本発明で用いられる保持治具は、この構成を有するものに限定されない。
搬送用軌道2は、分割パネル取付けスペース11、スキン重ね合わせのための自動打鋲スペース12、バッファスペース13、手動打鋲スペース14、フレーム32を取り付けるためのフレーム取付けスペース15、フレーム32をスキン又はストリンガーに結合するための自動打鋲スペース16を、保持治具1が順に通過するように設けられている。分割パネル取付けスペース11、自動打鋲スペース12、バッファスペース13、手動打鋲スペース14、フレーム取付けスペース15、自動打鋲スペース16については、後述する。
なお、本実施形態では、分割パネル取付けスペース11には、分割パネル取付けロボット21が設置され、スキン重ね合わせのための自動打鋲スペース12には、門型フレームを備える門型自動打鋲機22が設置されている。また、フレーム取付けスペース15には、フレーム取付け用ロボット24が設置され、フレーム32をスキン又はストリンガーに結合するための自動打鋲スペース16には、自動打鋲機25が設置されている。
また、スキン重ね合わせのための自動打鋲スペース12には、複数、例えば3台の門型自動打鋲機22が設置されており、フレーム32をスキン又はストリンガーに結合するための自動打鋲スペース16には、複数、例えば2台の自動打鋲機25が設置されている。
次に、上述した胴体パネル製造システムを用いた胴体パネル10の製造方法について説明する。
まず、台車26に載置された保持治具1を搬送用軌道2まで移動させ、保持治具1を搬送用軌道2に移動させる。
次に、保持治具1を分割パネル取付けスペース11に移動し、保持治具1に胴体パネル10を保持させる。保持治具1が分割パネル取付けスペース11の所定位置に固定された後、取り付け作業が開始される。保持治具1に胴体パネル10を保持させる場合、まず、分割パネル取付けロボット21等によって、分割パネル31を保持治具1の所定位置に載置する。分割パネル31とは、胴体パネル10がリベットによって締結される前の部材であり、胴体パネル10が複数に分割された部材である。分割パネル31は、例えば機軸方向に対して平行方向に長く、胴体パネル10の周方向に複数に分割された部材である。分割パネル31は、胴体パネル10が例えば周方向に三つに分割されたものである。
胴体パネル10の分割パネル31は、保持治具1に設けられた把持部3によって固定される。なお、このとき、分割パネル31の形状を保持するため、保持治具1以外の初期形状保持治具51(図6参照)を用いて、胴体パネル10を下側から保持する。また、航空機のドアに該当する位置等であって、胴体パネル10に開口部が形成される場合、開口部の縁部に沿って開口部補強材(図示せず。)が設けられる。この場合、開口部補強材を保持する治具が、上述の初期形状保持治具51に設けられてもよい。初期形状保持治具51は、分割パネル取付けスペース11に固定されている。
複数の分割パネル31は、保持治具1に載置されたとき、保持治具1上で隣り合う分割パネル31同士のスキンが、端部近傍で重ね合わされる。すなわち、一つの分割パネル31のスキンの上に、他の分割パネル31のスキンが載置される。そして、スキン同士は、重なり合う部分が、リベットで仮留めされる。そして、仮留めされた胴体パネル10は、保持治具1に設けられた把持部3によって固定された状態が維持される。
仮留めされ、把持部3によって固定された胴体パネル10は、保持治具1に設置された状態で次工程の自動打鋲スペース12に移動される。保持治具1の移動は、例えば、保持治具1の底部に位置するコンベヤによって行われる。保持治具1を移動する際、初期形状保持治具51は胴体パネル10から外される。この状態でも、完成された胴体パネル10の形状が保持されるように、保持治具1は、胴体パネル10を固定している。
次に、保持治具1を自動打鋲スペース12に移動し、保持治具1に載置された隣り合う分割パネル31のスキン同士をリベットによって締結する。保持治具1が自動打鋲スペース12の所定位置に固定された後、打鋲作業が開始される。隣り合うスキン同士の重なり部分を結合するための門型自動打鋲機22は、保持治具1をまたぐように設置され、門型自動打鋲機22は、保持治具1に載置された分割パネル31の上方から下方に向けて打鋲を行う。
門型自動打鋲機22は、胴体パネル10の半径方向に打鋲が可能である。門型自動打鋲機22は、連続的にリベットを締結する。これにより、胴体パネル10の半径方向に打鋲が行われ、隣り合う分割パネル31が重ね合わせ部分で結合される。
また、門型自動打鋲機22は、保持治具1及び胴体パネル10の機軸方向、すなわち、搬送用軌道2に対して平行に移動可能であり、門型自動打鋲機22が、固定された保持治具1及び胴体パネル10の機軸方向に沿って移動する。したがって、保持治具1を固定したまま、門型自動打鋲機22が移動することにより、1領域の重ね合わせ部分の打鋲が完了した後、他の領域の重ね合わせ部分の打鋲を行うことができる。
打鋲が完了した胴体パネル10は、保持治具1に設置された状態で、隣の自動打鋲スペース12に移動される。保持治具1の移動は、例えば、保持治具1の底部に位置するコンベヤによって行われる。
自動打鋲スペース12は、例えば3箇所設けられ、それぞれに1台の門型自動打鋲機22が設けられることで、合計3台の門型自動打鋲機22が設置される。また、自動打鋲スペース12の下流側には、バッファスペース13が少なくとも1箇所設けられる。3箇所の自動打鋲スペース12と1箇所のバッファスペース13には、胴体パネル10を1台ずつ設置できる。門型自動打鋲機22をバッファスペース13に移動させることもでき、バッファスペース13において、胴体パネル10に対して、門型自動打鋲機22によるリベット締結作業を行うこともできる。また、3台の門型自動打鋲機22が打鋲するリベットの種類を異ならせることで、1台の門型自動打鋲機22においてリベットの種類を交換する場合に比べて、交換作業の手間を省略することができる。
自動打鋲スペース12で自動打鋲が完了した後は、保持治具1をバッファスペース13に移動し、手動打鋲スペース14で作業員による打鋲が行われるまで、胴体パネル10が設置された保持治具1を一時的に固定しておいてもよい。バッファスペース13を設けておくことで、自動打鋲スペース12や手動打鋲スペース14などそれぞれにおける作業時間の時間差を吸収でき、順番待ちによって生産ラインの中で作業が行われないスペースを減らすことができる。
次に、保持治具1を手動打鋲スペース14に移動し、門型自動打鋲機22及び自動打鋲機25では打鋲しにくい部分のリベットの締結作業を行う。保持治具1が手動打鋲スペース14の所定位置に固定された後、作業員によって打鋲作業が開始される。
手動によるリベット締結作業は、例えば、胴体パネル10に取り付けられる航空機ドアのヒンジ取り付け、配線配管用ブラケット又はセンサ設置用ブラケットの取り付けなどに対して行われる。
手動打鋲スペース14は、例えば2箇所設けられる。すなわち、1箇所の手動打鋲スペース14で作業が完了した後、隣の手動打鋲スペース14へ保持治具1を移動させる。手動打鋲スペース14が複数に分けて設けられていることにより、手動によるリベット締結作業の作業量が多く、手動打鋲スペース14が1箇所のみでは対応できない胴体パネル10についても作業を完了させることができる。
手動打鋲スペース14での打鋲が完了した胴体パネル10は、保持治具1に設置された状態で、隣のフレーム取付けスペース15に移動される。保持治具1の移動は、前工程と同様に、例えば、保持治具1の底部に位置するコンベヤによって行われる。
フレーム取付けスペース15では、スキン又はストリンガーに対しフレーム32が取り付けられる。保持治具1が自動打鋲スペース16の所定位置に固定された後、打鋲作業が開始される。スキン又はストリンガーに対するフレーム32の取り付けは、例えばフレーム取付け用ロボット24によって行われる。フレーム取付け用ロボット24は、保持治具1に載置された胴体パネル10よりも下方に位置するように配置される。フレーム取付け用ロボット24は、取り付けるフレーム32を把持し、スキン又はストリンガーにおける所定位置まで搬送する。搬送されたフレーム32は、スキン又はストリンガーにおける所定位置でリベットによって仮留めされる。
フレーム32が仮留めされた胴体パネル10は、保持治具1に設置された状態で次工程の自動打鋲スペース16に移動される。保持治具1の移動は、例えば、保持治具1の底部に位置するコンベヤによって行われる。
次に、保持治具1を自動打鋲スペース16に移動し、保持治具1に載置された胴体パネル10のスキン又はストリンガーに対しフレーム32をリベットによって締結する。保持治具1が自動打鋲スペース16の所定位置に固定された後、打鋲作業が開始される。スキン又はストリンガーを結合するための自動打鋲機25は、保持治具1に載置された胴体パネル10よりも下方に位置するように配置される。自動打鋲機25は、例えば、保持治具1に載置された胴体パネル10のストリンガーと、ストリンガーに仮留めされたフレーム32に対し、フレーム32の板面に対してほぼ垂直方向(すなわち、胴体パネルのスキンの板面に対してほぼ平行方向)に向けてリベットを締結する。
保持治具1を固定したまま、自動打鋲機25が打鋲位置へ移動することにより、複数のフレーム32に対し打鋲を行うことができる。
打鋲が完了した胴体パネル10は、保持治具1に設置された状態で、隣の自動打鋲スペース16に移動される。
自動打鋲スペース16は、例えば2箇所設けられ、例えば合計2台の自動打鋲機25が設置される。2台の自動打鋲機25が設置されることで、二つの胴体パネル10を同時に打鋲することができる。2台の自動打鋲機25が打鋲するリベットの種類を異ならせることで、1台の自動打鋲機25においてリベットの種類を交換する場合に比べて、交換作業の手間を省略することができる。また、自動打鋲スペース16で、自動打鋲機25による打鋲を行わない場合は、自動打鋲機25をバッファスペース17に移動させた後、自動打鋲スペース16で作業が完了しなかった胴体パネル10に対して、自動打鋲機25によるリベット締結作業を行うこともできる。
自動打鋲スペース16で自動打鋲が完了した後は、保持治具1をバッファスペース17に移動、又は、保持治具1を搬送用軌道2から台車26へ移動させる。これにより、保持治具1は、胴体パネル10が載置された状態で台車26に載せられ、胴体パネル10は、台車26と共に移動可能となる。
次に、保持治具1に載置された胴体パネル10を台車26によって検査・手直しスペース18に移動する。検査・手直しスペース18では、打鋲が完了した胴体パネル10について適切な打鋲が施されているか否かの検査が行われ、手直しが必要な場合は作業員によってリベットが取り外され再度リベットが締結される。
検査が完了した胴体パネル10は、保持治具1から、クレーン等によって吊り上げられて取り外される。保持治具1から取り外された胴体パネル10は、胴体パネル10の周方向に約90°回転されて、台車27に直接載置される。台車27に載置された胴体パネル10は、手作業スペース19に移動され、種々の手作業、例えば、フロアビームの取付け、ドアのはみ出し部分の切断、ドアヒンジの取付けなどが行われる。その後、サンディング・清掃スペース20に移動され、そこで、胴体パネル10に塗装を行う前の下地処理としてサンディングが行われ、胴体パネル10に表面処理が施される。
その後、胴体パネル10は、塗装スペース41に移動され、例えば塗装用ロボット28などによって胴体パネル10全体に塗装が施される。塗装が完了した胴体パネル10は、完成品として例えばコンテナ29に格納されて出荷される。
上述したとおり、複数の分割パネル31のスキン同士の重なり部分をリベットによって結合する工程と、胴体パネル10が保持された保持治具1を移動する工程と、フレーム32をリベットによって結合する工程とを通じて、胴体パネル10が保持治具1に保持された状態を維持する。これにより、各工程を通じて保持治具1に胴体パネル10が保持された状態を維持して保持治具1を移動させるので、位置決め治具からの取り外し作業や位置決め治具への取り付け作業を省くことが可能となる。
次に、本実施形態に係る胴体パネル製造システムで用いられる保持治具1の一例について説明する。
航空機の胴体パネル10は、図4に示すように、曲面を有する板状のスキン33と、胴体の機軸方向(長手方向)に沿ってスキン33に設けられる長尺状のストリンガー34と、胴体の周方向に沿って設けられるフレーム(図示せず。)などが組み合わされて構成される。胴体パネル10は、例えばアルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、サイズの一例は、長手方向長さが10m、弦長さが6mであり、板厚が2mmから5mmである。
本実施形態に係る保持治具1が胴体パネル10を保持する工程において、胴体パネル10は、航空機の略円筒形状の胴体部分が、機軸方向及び周方向に分割された形状である。したがって、胴体パネル10は、機軸方向に対して垂直方向の断面が円弧形状を有する。胴体パネル10において、機軸方向に対して平行又は斜めの対向する2辺は、直線であり、保持治具1によって胴体パネル10が保持されたとき、胴体パネル10の下端に位置する。また、胴体パネル10において、機軸方向に対し垂直な面に収まる対向する2辺は、円弧形状であり、保持治具1によって胴体パネル10が保持されたとき、胴体パネル10の側端に位置する。
製造する航空機の胴体の機軸方向の一部分が、機軸方向に沿って曲率が全て同じである単曲面である場合、複数の胴体パネル10についても、機軸方向に沿って曲率が全て同じである。一方、製造する胴体パネル10が、機軸方向に沿って曲率が変化する複曲面である場合、下端支持材8の延在方向は、水平材6の延在方向に対し斜めである。
保持治具1は、搬送可能な構成を有しており、例えば、チェーンコンベヤ、ベルトコンベヤ等を備える搬送装置(図示せず。)に載置されて、一端側から他端側へ搬送される。搬送装置は、チェーン又はベルト等が保持治具1の水平材6に対して平行に巻かれて設けられ、チェーン又はベルト等は、モーターの駆動によって回転される。図4では、保持治具1は、固定台60に固定されている状態を示している。
保持治具1では、複数の把持部3は、支持材5によって支持され、相対位置が固定されて一体化されており、2本の水平材6の底部が同一面内に収まる形状を有する。これにより、保持治具1は、搬送装置によって搬送可能である。
本実施形態に係る保持治具1は、図4及び図5に示すように、枠材4と、支持材5と、把持部3などを備える。保持治具1に胴体パネル10が保持されるとき、胴体パネル10は、上側に凸となるように保持される。
枠材4は、一方向に延在する直線状の2本の水平材6と、2本の水平材6間に設置され、アーチ状に形成された2本のアーチ材7などからなる。枠材4の水平材6及びアーチ材7は、後述する支持材5を支持する。
水平材6は、保持治具1に設置される胴体パネル10の機軸方向に沿って、例えば、胴体パネル10の機軸方向に対して平行に配置される。水平材6の一端部と他端部には、アーチ材7の下端が結合して設けられる。これにより、保持治具1は、2本の水平材6と2本のアーチ材7とによって、ほぼ鞍形の形状を有する。
なお、本実施形態の保持治具1では、2本の水平材6の一端部同士又は他端部同士を結合し、水平材6に対し垂直方向に延在する桁材は、設けられない。これにより、保持治具1に胴体パネル10が設けられた場合において、胴体パネル10の下部で、桁材に妨害されることなく、機軸方向に沿って通過可能な作業空間を確保できる。
水平材6の長さは、リベット締結によって製造される胴体パネル10の機軸方向の長さよりも長く、2本の水平材6の配置間隔は、リベット締結によって製造される胴体パネル10の弦長さよりも長い。
アーチ材7は、曲線形状を有する枠材4であり、保持治具1に設置される胴体パネル10の機軸方向に対して垂直方向の面内に配置される。アーチ材7は、水平材6の一端側と他端側にそれぞれ一つずつ設けられ、2本の水平材6と結合される。これにより、枠材4は、水平材6とアーチ材7が一体化した構成を有する。アーチ材7の曲線形状、例えば曲率は、製造する胴体パネル10の曲率にほぼ対応して設けられる。
支持材5は、機軸方向に延在する直線状の2本の下端支持材8と、2本の下端支持材8間に設置され、アーチ状に形成された2本の側端支持材9などからなる。
下端支持材8は、把持部3を介して、胴体パネル10の下端を支持する。下端支持材8は、枠材4の水平材6よりも上方に位置し、保持治具1に設置される胴体パネル10の機軸方向に沿って、例えば、胴体パネル10の機軸方向に対して平行又は斜め方向になるように配置される。下端支持材8は、保持治具1に設置される胴体パネル10の対向する2辺の各辺に対応して配置される。例えば、下端支持材8は、胴体パネル10の直線状の対向する2辺の端部に沿うように配置される。
例えば、製造する胴体パネル10が、機軸方向に沿って曲率が全て同じである単曲面である場合、胴体パネル10の機軸が水平面に対して平行になるように、胴体パネル10が保持治具1に設置されたとき、下端支持材8と水平材6の延在方向は平行である。一方、製造する胴体パネル10が、機軸方向に沿って曲率が変化する複曲面である場合、胴体パネル10の機軸が水平面に対して平行になるように、胴体パネル10が保持治具1に設置されたとき、下端支持材8の延在方向は、水平材6の延在方向に対し斜めである。
また、製造する胴体パネル10が、複曲面である場合、胴体パネル10の機軸を水平面に対して斜めにして、保持治具1上における胴体パネル10の最上部が機軸方向に沿って水平面に対してほぼ平行になるように、胴体パネル10が保持治具1に設置されてもよい。すなわち、胴体パネル10の横断面のうち半径の小さい側の中心が、半径の大きい側の中心よりも高くなるように、胴体パネル10が保持治具1に設置される。これにより、門型自動打鋲機22から胴体パネル10までの距離が、胴体パネル10の機軸方向でほぼ等しくなる。
なお、2本のアーチ材7が同一半径を有する場合について例示したが、本発明はこの例に限定されず、2本のアーチ材7の半径を異ならせてもよい。
下端支持材8は、例えば、水平材6との間に設けられた補助材42を介して、水平材6によって支持される。補助材42は、一端部が水平材6と連結し、他端部が下端支持材8と連結する部材であり、水平材6及び下端支持材8の長手方向に沿って複数本が配置される。
下端支持材8には、複数の把持部3が互いに間隔を空けて配置される。下端支持材8の長さは、製造する胴体パネル10の機軸方向の長さよりも長く、2本の下端支持材8の配置間隔は、製造する胴体パネル10の弦長さよりも長い。また、把持部3が胴体パネル10の下端部を下方から支持するように、下端支持材8は、保持される胴体パネル10よりも下方に位置する。
下端支持材8の長手方向の一端部と他端部には、側端支持材9の下端が結合して設けられる。
側端支持材9は、把持部3を介して胴体パネル10の側端を支持する。側端支持材9は、曲線形状を有する部材であり、保持治具1に設置される胴体パネル10の機軸方向に対して垂直方向の面内に配置される。側端支持材9は、保持治具1に設置される胴体パネル10の対向する2辺の各辺に対応して配置される。
側端支持材9は、下端支持材8の長手方向の一端側と他端側にそれぞれ一つずつ設けられ、2本の下端支持材8と結合される。これにより、支持材5は、下端支持材8と側端支持材9が一体化した構成を有する。側端支持材9の曲線形状、例えば曲率は、製造する胴体パネル10の曲率に対応して設けられる。側端支持材9には、上述した把持部3と同様の構成を有する把持部3が複数設けられて、把持部3が胴体パネル10の側端を把持して支持してもよい。
このとき、側端支持材9に設けられる複数の把持部3は、製造する胴体パネル10の曲率に対応する位置に、互いに間隔を空けて設けられる。したがって、複数の把持部3が胴体パネル10を把持することで、把持部3によって把持された胴体パネル10は、製造する胴体パネル10の曲率となるように保持される。
例えば、製造する胴体パネル10が、機軸方向に沿って曲率が全て同じである単曲面である場合、一端側の側端支持材9における複数の把持部3を結ぶ曲率と、他端側の側端支持材9における複数の把持部3を結ぶ曲率は同じである。一方、製造する胴体パネル10が、一軸方向に沿って曲率が変化する複曲面である場合、一端側の側端支持材9における複数の把持部3を結ぶ曲率は、他端側の複数の側端支持材9における把持部3を結ぶ曲率よりも大きくなる。
上述したとおり、保持治具1は複数の把持部3を有し、複数の把持部3が胴体パネル10の周縁部のみを把持するため、組み立てにおいて精度が要求される周縁部の形状を適切に維持しつつ、保持治具1の構造において胴体パネル10の中央部を支持する構造部材を省くことができるため、保持治具1の重量を軽量化することができる。これにより保持治具1の移動に伴う動力を低減することができる。また、保持治具1の構造において胴体パネル10の中央部を支持する構造部材を省くことで、自動打鋲機と保持治具1との干渉を減らすことができ、自動打鋲機の適用できる範囲を拡げることができる。
また、上に凸の曲線形状を有する胴体パネル10を下側周縁部で把持して支えることとなるため、剛性の小さい胴体パネル10を安定して保持できる。これにより組み立てにおいて精度が要求される周縁部の形状を適切に維持しつつ、保持治具1の構造において胴体パネル10の中央部を支持する構造部材を省くことができる。
本実施形態では、同一の生産ラインを移動する複数の保持治具1において、枠材4(又は、枠材4のうちアーチ材7の1つ)が共通化されていることによって、保持治具1の外側の形状が共通化されている。また、保持治具1に設置される支持材5、下端支持材8及び側端支持材9は、共通化された外側形状よりも内側において、胴体パネル10の形状に対応するように設置される。これにより、胴体パネル10は、保持治具1の外側形状に影響を及ぼさないように、保持治具1に設置される。
保持治具1の外側の形状が共通化され、かつ、支持材5、下端支持材8及び側端支持材9は胴体パネル10の形状に応じて設置されていることから、本実施形態に係る保持治具1によれば、多品種の胴体パネル10を同一ラインで搬送可能である。また、支持材5、下端支持材8及び側端支持材9の設置位置を異ならせるだけで、航空機の仕様変更に伴う胴体パネル10の形状の変更に対応可能である。
次に、上述した保持治具1と組み合わせて用いられる初期形状保持治具51について説明する。
分割パネル取付けスペース11にて、複数の分割パネル31が、分割パネル取付けロボット21によって、保持治具1に載置される際に初期形状保持治具51が用いられる。すなわち、初期形状保持治具51は、分割パネル取付けスペース11において、固定台60に載置されており、保持治具1よりも下方に設置される初期形状保持治具51は、胴体パネル10を下面側から支持し、胴体パネル10の形状を保持する。
なお、分割パネル31とは、胴体パネル10がリベットによって締結される前の部材であり、胴体パネル10が複数に分割された部材である。分割パネル31は、例えば機軸方向に対して平行方向に長く、胴体パネル10の周方向に複数に分割された部材である。分割パネル31は、胴体パネル10が例えば周方向に四つに分割されたものである。
本実施形態に係る初期形状保持治具51は、図6に示すように、台座部52と、支持材53と、形状保持部54などを備える。
台座部52は、保持治具1に設置される胴体パネル10の機軸方向に沿って、例えば、胴体パネル10の機軸方向に対して平行に配置される2本の水平材55と、水平材55を支持する構造体56などを有する。
台座部52の水平材55は、上面が設置面に対して水平な面を有する長尺状部材である。2本の水平材55は互いに平行である。水平材55は、構造体56によって支持される。台座部52の水平材55の上面には、複数の支持材53が設置される。また、水平材55の上面には、支持材53を機軸方向、すなわち、水平材55の長手方向に沿って移動可能にするレール57が設けられる。支持材53の下面にはレール57を走行する走行部58が設けられる。
台座部52の構造体56は、固定台60の上面から鉛直方向に立設され、機軸方向に沿って、間隔を空けて複数本配置された柱材62や、複数の柱材62間を結合する桁材63や、斜め方向に配置される斜材64などを有する。なお、構造体56は、図示した例に限定されず、台座部52に載置される支持材53の重量や、支持材53を介して伝達される胴体パネル10の重量の一部を支持できれば、他の構成であってもよい。
水平材55上面の軌道には、支持材53の下端が載置される。これにより、初期形状保持治具51は、2本の水平材55と複数本の支持材53とによって、ほぼ鞍形の形状を有する。
なお、本実施形態の初期形状保持治具51では、2本の水平材55の一端部同士又は他端部同士を結合し、保持治具1と同様に、水平材55に対し垂直方向に延在する桁材は、設けられない。これにより、保持治具1に胴体パネル10が設けられた場合において、胴体パネル10の下部で、桁材に妨害されることなく、機軸方向に沿って通過可能な作業空間を確保できる。
水平材55の長さは、リベット締結によって製造される胴体パネル10の機軸方向の長さよりも長く、2本の水平材55の配置間隔は、リベット締結によって製造される胴体パネル10の弦長さよりも長い。
支持材53は、円弧形状を有する部材であり、保持治具1に設置される胴体パネル10の機軸方向に対して垂直方向の面内に配置される。支持材53は、図6に示す例では、一つの胴体パネル10に対して、四つの支持材53が水平材55の上面に設けられる。支持材53の曲線形状、例えば曲率は、製造する胴体パネル10の曲率にほぼ対応して設けられる。
複数の支持材53の間隔は、保持する胴体パネル10のサイズや形状などに応じて決定される。
支持材53には、周方向に沿って間隔を空けて複数の形状保持部54が設けられる。形状保持部54は、下方から胴体パネル10を支持する。複数の形状保持部54が胴体パネル10を支持することによって、分割パネル31を重ね合わせるリベット締結作業時において、胴体パネル10が、完成時に形成される形状となるように保持される。形状保持部54は、胴体パネル10の下面と接触し、胴体パネル10を支持する形状保持部54の上面の位置が調整可能な構成を有する。
以上、保持治具1は、胴体パネル10の端部で胴体パネル10を支持する。すなわち、スキン33を有する胴体パネル10は、複数の把持部3によって、胴体パネル10の対向する2辺(例えば、機軸方向に対して平行な対向する2辺)の端部が把持される。このとき、複数の把持部3は、胴体パネル10に対応して設けられる支持材5を介して一体的に支持されている。
また、胴体パネル10は、機軸方向に対して垂直方向に切断した断面が曲線形状となり、上側が凸となるように保持される。胴体パネル10は、胴体パネル10の2辺の端部で、例えば、胴体パネル10の下側から保持されることから、保持治具1は、簡素な構造で胴体パネル10を保持できる。また、保持治具1は胴体パネル10を保持した状態で搬送され得る構成、例えば、枠材4及び支持材5が一体化されており、水平材6の底部が同一面内に収まる形状を有していることから、保持治具1は、胴体パネル10を保持した状態で搬送できる。
保持治具1は、胴体パネル10の端部で胴体パネル10を支持する構造を有していることによって、従来の治具のように、胴体パネル10に設置される複数のフレーム毎に対応して複数の位置決め材が設けられている治具に比べて、簡素化かつ軽量化されている。したがって、保持治具1に対して胴体パネル10を保持した状態で、胴体パネル10は、保持治具1と共に移動可能である。その結果、保持治具1が異なる作業場所を移動しながら、胴体パネル10に対して、自動打鋲機によるリベットの締結作業を行ったり、手作業によるリベットの締結作業を行ったり、検査・手直し作業を行ったりすることができる。
さらに、初期形状保持治具51を用いることで、分割パネル31の端部を重ね合わせるときなど、胴体パネル10の剛性が低い場合でも、胴体パネル10の形状精度を確保することができる。初期形状保持治具51を保持治具1と組み合わせて用いることによって、保持治具1の簡素化を図ることができる。また、支持材53や形状保持部54が移動可能な構成を有することによって、複数種類の胴体パネル10の形状に対応することができ、初期形状保持治具51を共用化できる。
そして、本実施形態に係る胴体パネル製造方法によれば、胴体パネル10を構成する複数の分割パネル31が、重ね合わせ部分でリベットによって締結された後、異なる場所に移動され、胴体パネル10のスキン又はストリンガーに対してリベットによってフレーム32が取り付けられる。これにより、胴体パネル10のうちスキンの形状が定まった後、フレーム32がスキンに固定されることから、スキン同士の端部を重ね合わせながら、同時にフレーム32をスキンやストリンガーに取り付ける場合に比べて精度の良い胴体パネル10を製造することができる。
また、上述の順番によって簡素な保持治具1を用いて精度の良い胴体パネル10を製造できることから、手動によるリベット締結ではなく、門型自動打鋲機22及び自動打鋲機25を用いて締結することで作業の省力化を図ることができる。そして、軽量な保持治具1を移動させることから、保持治具1の搬送に必要な動力を抑制できる。
さらに、自動打鋲機によるリベット締結作業の後に、バッファスペース13,17が設けられる。そして、保持治具1がそこで固定されているとき、自動打鋲スペース12,16からバッファスペース13,17へ門型自動打鋲機22及び自動打鋲機25を移動することもでき、門型自動打鋲機22及び自動打鋲機25が、バッファスペース13,17でリベットの結合を行うことも可能である。その結果、航空機パネルの種類によって生じる作業時間の時間差を吸収できる。
またさらに、搬送用軌道2が設けられて、搬送用軌道2に沿って保持治具1が一方向に移動し、各作業スペースでは、保持治具1が固定されて、胴体パネル10に対しリベット締結作業等が行われる。すなわち、作業が行われる間は、胴体パネル10が固定され、作業スペース間で搬送されるときのみ胴体パネル10が移動する。この保持治具1の移動方法や工程手順は、胴体パネル10の種類に応じて変更する必要がないため、あらゆる種類の胴体パネル10を同一の生産ラインで製造できる。
1 保持治具
2 搬送用軌道
3 把持部
4 枠材
5 支持材
6 水平材
7 アーチ材
8 下端支持材
9 側端支持材
10 胴体パネル
11 分割パネル取付けスペース
12 自動打鋲スペース
13 バッファスペース
14 手動打鋲スペース
15 フレーム取付けスペース
16 自動打鋲スペース
17 バッファスペース
21 分割パネル取付けロボット
22 門型自動打鋲機
24 フレーム取付け用ロボット
25 自動打鋲機
31 分割パネル
51 初期形状保持治具

Claims (15)

  1. 保持治具が、断面が曲線形状を有する複数の板状部材を有する航空機パネルを、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、
    第一の加工エリアで、前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材同士を重ね合わせてリベットによって重なり部分を結合するステップと、
    前記複数の板状部材同士が結合された前記航空機パネルが保持された前記保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに移動するステップと、
    前記第二の加工エリアで、移動された前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材に対し、前記航空機パネルの曲線形状に沿った曲線部材をリベットによって結合するステップと、
    を有し、
    前記保持治具上に固定するステップでは、前記複数の板状部材の長手方向の周縁部のみを把持して固定し、
    前記保持治具は、前記第一の加工エリアと前記第二の加工エリアの間を、前記航空機パネルを把持した状態を維持して移動する航空機パネル製造方法。
  2. 前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、前記航空機パネルが保持された前記保持治具を移動するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップとを通じて、前記航空機パネルが前記保持治具に保持された状態を維持する請求項1に記載の航空機パネル製造方法。
  3. 前記保持治具が航空機パネルを保持するステップにおいて、
    前記保持治具は複数の把持部を有し、前記複数の把持部が前記複数の板状部材の周縁部のみを把持して前記航空機パネルを保持することを特徴とする請求項1に記載の航空機パネル製造方法。
  4. 前記保持治具は、
    前記航空機パネルの対向する2辺の端部を把持する複数の把持部を有し、
    前記複数の把持部が前記複数の板状部材の周縁部を把持して前記航空機パネルを保持することを特徴とする請求項1に記載の航空機パネル製造方法。
  5. 前記対向する2辺は、前記航空機パネルの上に凸の曲線形状を有する断面に垂直な方向に延在する2辺であり、前記保持治具に保持された状態で航空機パネルの下側周縁部となることを特徴とする請求項4に記載の航空機パネル製造方法。
  6. 前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップの少なくともいずれか一方において、前記リベットの結合は、自動打鋲機が行う請求項1に記載の航空機パネル製造方法。
  7. 前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップの少なくともいずれか一方の後で、バッファスペースに前記保持治具を固定するステップを更に備え、
    前記バッファスペースにて、前記自動打鋲機が前記リベットの結合を行う請求項6に記載の航空機パネル製造方法。
  8. 保持治具が、断面が曲線形状を有する複数の板状部材を有する航空機パネルを、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、
    前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材同士を重ね合わせてリベットによって重なり部分を結合するステップと、
    前記複数の板状部材同士が結合された前記航空機パネルが保持された前記保持治具を移動するステップと、
    移動された前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材に対し、前記航空機パネルの曲線形状に沿った曲線部材をリベットによって結合するステップと、
    を有し、
    前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップの少なくともいずれか一方において、前記リベットの結合は、自動打鋲機が行い、
    前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、曲線部材をリベットによって結合するステップの少なくともいずれか一方の後で、バッファスペースに前記保持治具を固定するステップを更に備え、
    前記バッファスペースにて、前記自動打鋲機が前記リベットの結合を行う航空機パネル製造方法。
  9. 前記保持治具は、搬送用軌道に沿って一方向に移動し、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、前記曲線部材をリベットによって結合するステップとでは、前記保持治具が各加工スペースで固定されている請求項1からのいずれか1項に記載の航空機パネル製造方法。
  10. 保持治具が、断面が曲線形状を有する複数の板状部材を有する航空機パネルを、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、
    前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材同士を重ね合わせてリベットによって重なり部分を結合するステップと、
    前記複数の板状部材同士が結合された前記航空機パネルが保持された前記保持治具を移動するステップと、
    移動された前記保持治具に保持された前記航空機パネルの前記複数の板状部材に対し、前記航空機パネルの曲線形状に沿った曲線部材をリベットによって結合するステップと、
    を有し、
    前記保持治具は、搬送用軌道に沿って一方向に移動し、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、前記曲線部材をリベットによって結合するステップとでは、前記保持治具が各加工スペースで固定されている航空機パネル製造方法。
  11. 前記保持治具は、
    前記航空機パネルの対向する2辺の端部を把持する複数の把持部と、
    前記複数の把持部によって把持される前記航空機パネルに対応して設けられ、前記複数の把持部を一体的に支持する支持材と、
    を備え、
    前記支持材は、一軸方向に沿って、前記航空機パネルの対向する2辺の各辺に対応して1本ずつ設けられる第1枠材を有し、
    前記第1枠材に支持された前記複数の把持部は、前記一軸方向に沿った前記航空機パネルの対向する2辺の端部で前記航空機パネルを把持しつつ、前記一軸方向に対して垂直方向に切断した断面が、上側に凸の曲線形状となるように前記航空機パネルを保持し、
    前記航空機パネルを保持した状態で搬送され得る構成を有する請求項1から10のいずれか1項に記載の航空機パネル製造方法。
  12. 複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造方法であって、
    前記航空機パネルを構成する複数の板状部材を保持治具に載置し、前記航空機パネルの周縁部を把持して前記保持治具上に固定するステップと、
    前記保持治具を第一の加工エリアに搬送するステップと、
    前記第一の加工エリアで、前記複数の板状部材同士を重ね合わせて仮留めして、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、
    前記航空機パネルが載置された前記保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに搬送するステップと、
    前記第二の加工エリアで、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、
    を有し、
    前記保持治具上に固定するステップでは、前記複数の板状部材の長手方向の周縁部のみを把持して固定し、
    前記保持治具は、前記第一の加工エリアと前記第二の加工エリアの間を、前記航空機パネルを把持した状態を維持して移動することを特徴とする航空機パネル製造方法。
  13. 複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造方法であって、
    前記航空機パネルを構成する複数の板状部材を保持治具に載置し、前記航空機パネルの周縁部を把持して前記保持治具上に固定するステップと、
    前記保持治具を第一の加工エリアに搬送するステップと、
    前記第一の加工エリアで、前記保持治具と、前記第一の加工エリアに設置された形状保持治具とを組み合わせるステップと、
    前記形状保持治具によって、前記複数の板状部材の形状の調整を行うステップと、
    前記複数の板状部材同士を重ね合わせて仮留めして、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、
    前記航空機パネルが載置された前記保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに搬送するステップと、
    前記第二の加工エリアで、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、
    を有する航空機パネル製造方法。
  14. 複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造方法であって、
    第一の加工エリアで、前記航空機パネルを構成する複数の板状部材同士を重ね合わせて仮留めして、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持するステップと、
    前記航空機パネルが載置された保持治具を前記第一の加工エリアから第二の加工エリアに搬送するステップと、
    前記第二の加工エリアで、前記複数の板状部材同士の重なり部分をリベットによって結合するステップと、
    前記航空機パネルが載置された前記保持治具を前記第二の加工エリアから第三の加工エリアに搬送するステップと、
    前記第三の加工エリアで、前記保持治具上の前記航空機パネルに他の部材を取り付けるステップと、
    を有する航空機パネル製造方法。
  15. 複数種類の航空機パネルを同じライン上で製造する航空機パネル製造システムであって、
    第一の加工エリアと第二の加工エリアの間を、前記航空機パネルを把持した状態を維持して移動する保持治具と、
    前記第一の加工エリアに設置され、前記保持治具と組み合わせて用いられる形状保持治具と、
    前記第二の加工エリアに設置され、前記保持治具上の前記航空機パネルに対しリベットの締結を行う打鋲装置と、
    を備え、
    前記保持治具は、
    前記複数種類の航空機パネルに共通する共通部分を有する治具枠と、
    前記治具枠の内側に設けられた支持材と、
    前記支持材に設けられ、前記航空機パネルの長手方向の周縁部を把持する把持部と、
    を有し、前記把持部のみによって、前記航空機パネルの断面が上に凸の曲線形状となるように保持する航空機パネル製造システム。
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