JP6649686B2 - 果実酒 - Google Patents

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Description

本発明は、低カロリーでありながら飲み応えが向上した果実酒、及びその製造方法に関する。本発明は、低カロリーの果実酒の飲み応え等を向上するための方法にも関する。
近年の健康志向の高まりにより、ワインを含む果実酒においても、低カロリー飲料の人気が高まっている。低カロリーを実現するためには、アルコール度数及び/又は糖分の含有量を低減させる必要がある。
果実酒の代表例であるワインの一般的なアルコール度数は11〜14%程度である。そして、アルコール度数を低下させると、味の点ですっきりとする一方、飲み応えが少なくなる。これを補うためには、糖分の含有量を高めることが考えられるが、その場合には、カロリーが上昇し、近年の健康志向に十分に応えることが難しい。
果実酒の飲み応えに関連し、特許文献1には、ワインを40〜60℃で1〜6か月加温熟成し、これを減圧濃縮して得られる、アルコールを1.5〜4.0(v/v%)含有する低アルコール濃縮ワイン組成物が記載されており、この組成物がコク味及び渋味等の点で優れていることが記載されている。
特開2007−159503号公報
特許文献1の低アルコール濃縮ワイン組成物は、調理用及び食品加工用に使用することを目的としたものであり、ワインに含まれる各種成分をそのまま濃縮したものであるため、コク味や渋味が飲用に適するものとなっていない。また、糖分が十分低減されていないため、カロリーの低減という点でも不十分である。従って、低カロリーの果実酒を製造するためにアルコール度数と糖分の含有量を低下させた場合、飲用にふさわしい香味や満足できる飲み応えを得られないという新たな課題が見出された。本発明の目的は、低カロリーを実現するためにアルコール度数と糖分の含有量を低減させた果実酒において、飲用に好適で十分な飲み応えを与えるための新たな技術を提供することである。
本発明者らは、果実酒中の乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)が特定範囲にある場合に、アルコール度数及び糖分の含有量が低くとも、果実酒の飲み応えが向上することを見出した。
本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
(1)アルコール度数が6〜9v/v%であり、糖分の含有量が4g/100ml未満であり、乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)が59w/w%以上である、果実酒。
(2)(糖分の含有量)/Bが、重量基準で2.5未満である、(1)に記載の果実酒。
(3)Bが3000〜5000ppmである、(1)又は(2)項に記載の果実酒。
(4)(乳酸の含有量)/B×100が、5w/w%以上である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の果実酒。
(5)カロリーが65kcal/100ml以下である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の果実酒。
(6)A/B×100が69w/w%以上である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の果実酒。
(7)(酒石酸の含有量)/(乳酸の含有量)が、重量基準で2〜12である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の果実酒。
(8)乳酸発酵果汁を含有する、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の果実酒。
(9)アルコール度数が6〜9v/v%であり、糖分の含有量が4g/100ml未満である果実酒の製造方法であって、当該果実酒中の乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)を59w/w%以上に調整する工程を含む、前記方法。
(10)アルコール度数が6〜9v/v%であり、糖分の含有量が4g/100ml未満である果実酒の飲み応えを向上するための方法であって、当該果実酒中の乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)を59w/w%以上に調整する工程を含む、前記方法。
本発明は、アルコール度数及び糖分の含有量が低い果実酒の飲み応えを向上させることができる。また、本発明は、当該果実酒の味の余韻の長さ、口当たりのやわらかさ、及びアフターのボリュームの少なくとも一つも向上することができる。
本明細書において、果実酒の飲み応えとは、ボディ感及び口当たりが適度に強く、コクがあることを意味する。また、果実酒の味の余韻の長さとは、果実酒を飲んだあとに感じる後口が長く残ることを意味し、口当たりのやわらかさとは、口に含んだときの感覚がとげとげしくなくやわらかいことを意味し、アフターのボリュームとは、果実酒を飲んだあとに感じる後口の強さを意味する。
特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味する。
(果実酒)
本明細書における「果実酒」とは、原料となる果汁を酵母の作用によりアルコール発酵させて得られる発酵飲料、及びそのような発酵飲料を主な原料として含む飲料を意味する。果実酒中の当該発酵飲料の含有量に制限はないが、典型的には、5v/v%以上、10v/v%以上、20v/v%以上、25v/v%以上、又は50v/v%以上である。当該含有量の上限値に制限はないが、上限値を設けるとすると、例えば、100v/v%以下、90v/v%以下、80v/v%以下、70v/v%以下、又は60v/v%以下である。当該発酵原料としては、ブドウ果汁、リンゴ果汁、モモ果汁、グレープフルーツ果汁、パイナップル果汁、マンゴー果汁等が挙げられ、これらの果汁を単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。前記定義を満たす限り、本発明における果実酒は、酒税法等の法律に基づくカテゴリーに限定されないが、本発明における果実酒の範囲には、日本の酒税法による果実酒、甘味果実酒、リキュール、その他の醸造酒が含まれる。
本発明における好ましい果実酒の一つはワインである。本明細書における「ワイン」とは、ブドウ果汁を主な原料として製造される発酵飲料、及びそのような発酵飲料を主な原料として含む飲料を意味する。ワインには、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインが含まれる。
(有機酸)
本発明の果実酒は有機酸を含有し、それには、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸から選択される少なくとも一種が含まれる。
本発明の飲料中の乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)は、59w/w%以上であり、好ましくは65w/w%以上であり、より好ましくは69w/w%以上である。当該割合の上限値は特に限定されないが、例えば、95w/w%、85w/w%、又は75w/w%であってよい。
本発明の飲料中のBの値は、好ましくは3000〜5000ppm、より好ましくは3000〜4800、より好ましくは3500〜4800である。
本発明の飲料中の乳酸の含有量の、Bに対する割合、即ち、(乳酸の含有量)/B×100は、好ましくは5w/w%以上であり、より好ましくは7w/w%以上、より好ましくは8w/w%以上である。当該割合の上限値は特に限定されないが、例えば、30w/w%、25w/w%、又は17w/w%であってよい。
本発明中の酒石酸の含有量の、乳酸の含有量に対する比、即ち、(酒石酸の含有量)/(乳酸の含有量)は、重量基準で好ましくは2〜12、より好ましくは4〜12、より好ましくは6〜12であり、より好ましくは6〜9である。
果実酒中の乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の含有量を調整する方法は特に限定されない。例えば、それらの有機酸の少なくとも一種を、又はそれを含む材料を、原料として製造工程の任意のタイミングで添加することができる。当該原料は、食品添加物として市販されているものであってもよいし、ブドウなどの有機酸を含む果汁であってもよい。特に、グルコン酸は200ppm以下が望ましく、100ppm以下が好ましい。
果実酒中の酒石酸を含む6種類の有機酸の量は、HPLC等の公知の方法を用いて測定できる。
(糖分)
本発明の飲料における糖分の含有量は、4g/100ml未満、好ましくは0.5〜3g/100ml、より好ましくは0.5〜2g/100mlである。
本明細書における糖分とは、飲料などの物に含まれる、単糖類、少糖類、及び多糖類を意味する。ワイン等の果実酒の主要な糖は、単糖であるグルコースとフルクトースである。糖分の含有量を測定する方法は特に限定されないが、例えば、国税庁所定分析法に記載されているような滴定法、又はフローインジェクション分析法である。
果実酒中の糖分の含有量を調整する方法は特に限定されない。例えば、糖分を構成する物質を、又はそれを含む材料を、原料として製造工程の任意のタイミングで添加することができる。
(糖酸比)
本発明の飲料においては、糖分の含有量の有機酸の含有量に対する比(糖酸比)を特定の範囲とすることが好ましい。具体的には、糖分の含有量の前記B(6種類の有機酸の合計量)に対する比、即ち(糖分の含有量)/Bが、重量基準で好ましくは2.5未満、より好ましくは1〜2.4、より好ましくは1.6〜2.4である。
糖酸比の調整のためには、糖分及び/又は有機酸の含有量を調整すればよい。
(乳酸発酵果汁)
本発明の飲料に乳酸を配合するために、乳酸を含む食品や果汁を用いることもできる。そのような食品の好適な例は、乳酸発酵果汁である。乳酸発酵果汁とは、果汁を乳酸菌で発酵させて得られた液を意味する。乳酸発酵の製造の際に、いわゆるマロラクティック発酵を行うと、原料となる果汁中の酸味成分、特にリンゴ酸が乳酸に変換されるため、当該発酵果汁は、まろやかな酸味、フルーティな味わいをもたらすことができる。
乳酸発酵果汁は、例えば、特開2011−30577号に記載された方法を用いて製造することができる。
乳酸発酵果汁の原料となる果汁は限定されないが、例えば、リンゴ酸を多く含む果汁を好適に用いることができる。例えば、ブドウ果汁、リンゴ果汁、カンキツ果汁(オレンジ、ミカン、グレープフルーツ、レモン、ライムなどの果汁)、熱帯果実果汁(パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツなどの果汁)のほか、チェリー、カキ、スモモ、アンズ、ビワ、モモ、ナシ、ウメ、ベリー、キウイフルーツ、イチゴ、メロンの各果汁などが挙げられる。中でも、ブドウ、リンゴ、チェリー、モモ、ナシ、カキ、スモモ、アンズ、ビワまたはバナナの各果汁など、リンゴ酸を多く含む果汁が好適に用いられる。特にブドウ果汁を好適に用いることができる。これらの果汁は単独で、又は2以上を組み合わせて用いることができる。
乳酸発酵には、公知の乳酸菌を用いればよい。乳酸菌の例、例えばマロラクティック発酵を生じる乳酸菌の例は、特開2011−30577号に記載されている。
本発明の果実酒中の乳酸発酵果汁の含有量は、特に限定されない。
(アルコール)
本発明の果実酒のアルコール度数は、6〜9v/v%、好ましくは7〜9である。アルコール度数の調整方法は、添加するアルコール成分の量の調整などの、公知のいずれの方法を用いてもよい。
本明細書に記載の「アルコール」との用語は、特に断らない限りエタノールを意味する。本明細書において、果実酒のアルコール度数は公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、果実酒から必要に応じて濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いて、試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。アルコール度数が1.0%未満の低濃度の場合は、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いても良い。
(カロリー)
本発明の果実酒のカロリーは、好ましくは65kcal/100ml以下、より好ましくは63以下、より好ましくは58以下である。
果実酒におけるカロリーは、基本的に健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出する。すなわち、原則として、定量した各種栄養成分の量に、それぞれの成分のエネルギー換算係数(タンパク質:4kcal/g、脂質:9kcal/g、糖質:4kcal/g、食物繊維:2kcal/g、アルコール:7kcal/g、有機酸:3kcal/g)を乗じたものの総和として算出することができる。詳細は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」を参照されたい。各栄養成分量の具体的な測定手法は、健康増進法「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載の各種分析法に従えばよい。または、財団法人 日本食品分析センターに依頼すれば、このような熱量及び/又は各栄養成分量を知ることができる。
(他の成分)
本発明の果実酒には、飲料に通常配合する添加剤、例えば、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。
(果実酒の製造方法等)
本発明は、別の側面では、アルコール度数が6〜9v/v%であり、糖分の含有量が4g/100ml未満である果実酒の製造方法である。当該方法は、当該果実酒中の乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)を59w/w%以上に調整する工程を含む。当該方法は、当該飲料のアルコール度数を6〜9v/v%に調整する工程をさらに含んでもよい。また、当該方法は、当該飲料の糖分の含有量を4g/100ml未満に調整する工程をさらに含んでもよい。
果実酒中の成分の種類、その含有量、割合、比、及びその好ましい範囲、並びにその調整方法については、果実酒に関して上記した通りである。上記の工程は、どの順序で行ってもよく、最終的に得られた果実酒における含有量、割合、比が所要の範囲にあればよい。
本発明の果実酒の製造方法は、アルコール度数が6〜9v/v%の果実酒の飲み応えを向上することができる。従って、当該製造方法は、別の側面では、アルコール度数が6〜9%の果実酒の飲み応えを向上するための方法である。また、当該製造方法は、アルコール度数が6〜9v/v%の果実酒の味の余韻の長さ、口当たりをやわらかさ、及びアフターのボリュームの少なくとも一つを向上させるための方法でもある。
(容器詰飲料)
本発明の果実酒は、容器詰めとすることができる。容器の形態は何ら制限されず、瓶、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器詰飲料とすることができる。
(数値範囲)
明確化のために記載すると、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を含む。例えば、「1〜2」により表される範囲は、1及び2を含む。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
種々の組成を有する果実酒(ワイン)を製造した。具体的には、果実酒である飲料1に、種々の有機酸を添加して、飲料2〜10を製造した。
果実酒中の糖分の分析方法は、フローインジェクション分析法であり、その条件は以下の通りである。
使用機器:バイオセンサ装置(BF−7)
緩衝液:BF用緩衝液/フラクトース測定用
流量:1.0mL/分
検出:グルコース電極、フラクトース電極
サンプル注入量:2μL
果実酒中の有機酸の量は、高速液体クロマトグラフ(島津社製LC−10シリーズ)を用いて、以下の方法で測定した。
使用機器:コントローラー(SCL−10A)、送液ポンプ(LC−10AD)、デガッサー(DGU−14A)、カラム槽(CTO−10AC)、オートサンプラー(SIL−10AD)、電気伝導度検出器(CDD−6A)、カラム(Shim−pack SCR−102H(8mm(I.D)×300mm(L))を2本直列)、ガードカラム(SCR−102H(6mm(I.D)×50mm(L)))
移動液:p−トルエンスルホン酸4.8gを1Lのメスフラスコに量り採り蒸留水にて定容し、それを使用時に5倍希釈し、0.45μmのメンブレンフィルターで濾過したものを移動液とした。また、カラムを通した後に反応させる液としてp−トルエンスルホン酸4.8g及びEDTA150mgとBis−Tris20.9gを1Lのメスフラスコに量り採り蒸留水にて定容し、それを使用時に5倍希釈し、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて濾過したものを用いた。
流量:1.6mL/分
検出:電気伝導度(Polarityは+に設定)
サンプル注入量:10μL
分析時間:30分
それぞれの飲料中の成分の分析値を以下に示す。「総酸」は、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)を意味する。カロリーの値は、使用した原料の量から求められた計算値である。
得られた飲料について、7名のパネリストが官能評価を行った。評価項目は、香りのボリューム、アタックの強さ、口当たりのやわらかさ、アフターのボリューム、余韻の長さ、飲み応え/満足度である。それぞれの項目について以下の基準に従って評価し、その平均値を求めた。
1点:ワインとして不十分
2点:ワインとしてやや不十分
3点:ワインとしての許容限界
4点:ワインとしてやや良好
5点:ワインとして良好
6点:ワインとして非常に良好
なお、6点は、通常のワイン(アルコール度数12v/v%)の評価結果に相当する。各飲料の評価結果を以下に示す。
上記の結果から、アルコール度数及び糖分の含有量が低くとも、乳酸及び酒石酸の合計含有量の、総酸量に対する割合が一定の範囲にあれば、飲み応え、アタックの強さ、口当たりのやわらかさ、アフターのボリューム、又は余韻の長さの点で優れた果実酒が得られることが明らかとなった。
実施例2
飲料1に、種々の濃度で乳酸発酵果汁を添加して、飲料11〜13を製造した。飲料11、12、13には、乳酸発酵果汁をそれぞれ50ppm、100ppm、200ppm添加した。各飲料中の成分の分析値を以下に示す。
飲料11〜13について、実施例1と同じ方法で官能評価を行った。結果を以下に示す。
上記の結果から明らかなとおり、乳酸発酵果汁は、濃度依存的に飲み応え、香りのボリューム、アタックの強さ、口当たりのやわらかさ、アフターのボリューム、又は余韻の長さを向上させた。
実施例3
糖分の含有量の影響を確認するため、飲料8と比較して、酸の量及び組成が同じであり、糖分の含有量が異なる飲料14、15、及び16〜19を製造した。各飲料中の成分の分析値を以下に示す。
飲料8及び14〜19について、実施例1と同じ方法で官能評価を行った。結果を以下に示す。
上記の結果から明らかなとおり、糖分含有量が一定以下の場合に、香りのボリューム、アタックの強さ、口当たりのやわらかさ、アフターのボリューム、又は余韻の長さが良好であった。つまり、糖分が少ない果実酒であっても、飲み応えを向上できることがわかった。
実施例4
アルコール度数の影響を確認するため、乳酸及び酒石酸の合計含有量の、総酸量に対する割合が所定範囲にあり、アルコール度数が4〜11である飲料20〜23を製造した。試験には、飲料13も用いた。各飲料中の成分の分析値を以下に示す。
飲料13及び20〜23について、実施例1と同じ方法で官能評価を行った。結果を以下に示す。
上記の結果から明らかなとおり、アルコール度数が一定範囲内にある場合に、香りのボリューム、アタックの強さ、口当たりのやわらかさ、アフターのボリューム、又は余韻の長さが良好であった。つまり、アルコール度数が一般的なワインよりも低くても、飲み応えを向上できることがわかった。
実施例5
飲料1にグルコン酸を追加して飲料24を製造した。飲料24中の成分の分析値を以下に示す。尚、飲料中のグルコン酸の含有量は600ppmであった。
飲料24について、実施例1と同じ方法で官能評価を行った。結果を以下に示す。
上記の結果から明らかなとおり、グルコン酸の含有量が一定以上に高まると、官能評価の結果が好ましくなかった。

Claims (9)

  1. アルコール度数が6〜9v/v%であり、糖分の含有量が4g/100ml未満であり、乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)が59w/w%以上であり、(酒石酸の含有量)/(乳酸の含有量)が重量基準で2〜12である、ワイン。
  2. (糖分の含有量)/Bが、重量基準で2.5未満である、請求項1に記載のワイン。
  3. Bが3000〜5000ppmである、請求項1又は2項に記載のワイン。
  4. (乳酸の含有量)/B×100が、5w/w%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイン。
  5. カロリーが65kcal/100ml以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイン。
  6. A/B×100が69w/w%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイン。
  7. 乳酸発酵果汁を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のワイン。
  8. アルコール度数が6〜9v/v%であり、糖分の含有量が4g/100ml未満であるワインの製造方法であって、当該ワイン中の乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)を59w/w%以上に調整する工程、及び
    当該ワイン中の(酒石酸の含有量)/(乳酸の含有量)を重量基準で2〜12に調整する工程
    を含む、前記方法。
  9. アルコール度数が6〜9v/v%であり、糖分の含有量が4g/100ml未満であるワインの飲み応えを向上するための方法であって、当該ワイン中の乳酸及び酒石酸の合計含有量(A)の、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及び酢酸の合計含有量(B)に対する割合(A/B×100)を59w/w%以上に調整する工程、及び
    当該ワイン中の(酒石酸の含有量)/(乳酸の含有量)を重量基準で2〜12に調整する工程
    を含む、前記方法。
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