JP6649163B2 - タッチパネルの制御回路、ならびにそれを用いたタッチパネル入力装置、電子機器 - Google Patents

タッチパネルの制御回路、ならびにそれを用いたタッチパネル入力装置、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、抵抗膜方式タッチパネルに関する。
近年のコンピュータや携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器は、指で接触することによって電子機器を操作するための入力装置を備えるものが主流となっている。こうした入力装置として、抵抗膜式のタッチパネル(タッチセンサ)などが知られている(特許文献1)。
図1は、抵抗膜式タッチパネルを模式的に示す図である。抵抗膜式タッチパネル(以下、単にタッチパネルという)100は、第1抵抗膜102、第2抵抗膜104、X電極のペア106、Y電極108を有する。説明のために、X軸とY軸を図示の方向にとる。第1抵抗膜102および第2抵抗膜104は、ギャップを隔てて対向して配置される。X電極のペア106は、第1抵抗膜102の対向するY方向に延びる2辺に沿って形成される。またY電極のペア108は、第2抵抗膜104の対向するX方向に延びる2辺に沿って形成される。X電極のペア106からは、配線(端子)XP,XNが引き出され、Y電極のペア108からは、配線YP,YNが引き出される。
ユーザが任意の点(接触点)Pで接触すると、その点Pにおいて第1抵抗膜102と第2抵抗膜104が接触する。接触抵抗はRで示される。X座標を検出する際には、X電極のペア106の間に定電圧(駆動電圧)VDRVが印加され、接触点Pには、定電圧VDRVを抵抗Rx1,Rx2で分圧した電位Vxが発生する。
Vx=VDRV×Rx1/(Rx1+Rx2)
抵抗Rx1,Rx2はそれぞれX座標に応じた値を有する。配線YP,YNをともにハイインピーダンスとしたとき、配線YP,YNの電位は、第2抵抗膜104を介して接触点の電位Vxが観察される。Y座標を検出する際には、同様にしてY電極のペア108の間に定電圧VDRVが印加され、第1抵抗膜102の電位Vyが測定される。
Vy=VDRV×Ry1/(Ry1+Ry2)
近年、マルチタッチに対応したタッチパネルが要求されている。特許文献2,3には、抵抗膜方式のタッチパネルにおけるマルチタッチの検出技術が開示される。マルチタッチの二点間の距離が長いほど、第1抵抗膜102と第2抵抗膜104の合成インピーダンスが低下する。したがって、合成インピーダンスを検出することで、二点の座標を検出できる。
特開2009−48233号公報 米国特許第8,390,596B2号明細書 米国特許第8,860,673B2号明細書
ここで抵抗膜の抵抗値や接触抵抗は、温度や経年変化によって変化する。またその変化量は、材質や構造によってさまざまである。したがって従来のタッチパネルは、ある程度の年数が経過すると、特にマルチタッチ時における座標の誤差が大きくなるという問題があった。かかる事情から、パネルが一旦劣化すると、製品を回収し、キャリブレーションを行って再出荷する必要があった。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、経年劣化にともなう座標検出の精度の低下を抑制したタッチパネルおよびその制御回路の提供にある。
本発明のある態様は、タッチパネルの制御回路に関する。タッチパネルは、ギャップを隔てて設けられる第1抵抗膜および第2抵抗膜と、第1抵抗膜の対向する二辺から引き出される第1端子、第2端子と、第2抵抗膜の対向する二辺から引き出される第3端子、第4端子と、を有する。制御回路は、タッチパネルのインピーダンスに応じたインピーダンス検出信号を生成するインピーダンス検出回路および第1端子から第4端子の少なくともひとつの電圧に応じた電圧検出信号を生成する電圧検出回路と、を含み、インピーダンス検出信号および電圧検出信号が、ユーザがタッチした座標の生成に使用される座標検出回路と、メモリと、キャリブレーション回路と、を備える。
初期状態においてあらかじめ、タッチパネルの所定の少なくともひとつの経路のインピーダンスが測定されており、当該少なくともひとつの経路のインピーダンスに応じた初期データがメモリに保持される。キャリブレーション回路は、使用中において少なくともひとつの経路のインピーダンスを取得し、当該少なくともひとつの経路のインピーダンスに応じた検出データおよび初期データにもとづいて、座標検出回路をキャリブレートする。
この態様によると、使用中に測定されたパネルのある経路のインピーダンスと、初期状態に測定されたパネルの同一経路のインピーダンスの関係、言い換えれば検出データと初期データの関係は、タッチパネルの経年劣化の程度を示す。この態様によれば、必要に応じて座標検出回路をキャリブレートすることにより、タッチパネルの経年劣化にともなう座標検出の精度の低下を抑制できる。
タッチパネル上に少なくともひとつの基準点が規定されてもよい。少なくともひとつの経路は、少なくともひとつの基準点と対応しており、各経路は、対応する基準点が1点タッチされたときの、第1端子と第2端子の一方から、第3端子と第4端子の一方に至る経路であってもよい。
この経路は、上下の抵抗膜、接触抵抗のすべてを含むため、好ましいといえる。
キャリブレーション回路は、使用中において座標検出回路が1点タッチを検出し、かつその座標が少なくともひとつの基準点に対応するとき、そのときの経路のインピーダンスを取得してもよい。
「座標検出回路が検出した座標が基準点に対応する」とは、座標が基準点と完全に一致する場合のみでなく、座標が基準点を含む近傍の所定の領域に含まれる場合を含んでもよい。これにより、使用中に、接触抵抗が基準点(あるいはその近傍)に位置しているインピーダンスを測定することができる。
少なくともひとつの経路は複数の経路を含んでもよい。初期データおよび検出データはそれぞれ、複数の経路のいくつかのインピーダンスの平均値に応じていてもよい。
これにより、キャリブレーションの精度を高めることができる。
少なくともひとつの経路は、複数の経路を含んでもよい。キャリブレーション回路は、複数の経路すべてのインピーダンスが測定されると、座標検出回路をキャリブレートしてもよい。
これにより、キャリブレーションの精度を高めることができる。
少なくともひとつの基準点の少なくともひとつは、統計的にユーザがタッチする回数が多い位置に定められてもよい。これにより、キャリブレーションに必要なデータを短時間で揃えることが可能となる。
キャリブレーション回路は、インピーダンス検出回路のスケーリングを補正してもよい。スケーリング、すなわち実際の抵抗値と測定された抵抗値の関係を補正することにより、経年劣化の影響を除くことができる。
インピーダンス検出回路は、タッチパネルに流れる電流を電圧に変換するI/V変換回路と、I/V変換回路の出力電圧をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、を含んでもよい。A/Dコンバータが生成するデジタル値は、タッチパネルの電流に比例し、したがってタッチパネルのインピーダンスの逆数に比例する値(すなわちコンダクタンス)を取得できる。
キャリブレーション回路は、I/V変換回路の利得を補正してもよい。キャリブレーション回路は、A/Dコンバータに供給される基準電圧を補正してもよい。
キャリブレーション回路は、A/Dコンバータの出力値を補正してもよい。
座標検出回路は、ユーザがタッチした座標を生成する座標生成回路を含んでもよい。キャリブレーション回路は、座標生成回路の演算処理を補正してもよい。
キャリブレーション回路は、初期データと検出データの差分が第1しきい値より大きいとき、座標検出回路をキャリブレートしてもよい。初期データと検出データの差分がある程度大きい場合に、経年劣化とみなしてキャリブレーションの対象とすることで精度を高めることができる。
キャリブレーション回路は、初期データと検出データの差分が第1しきい値より高く定められた第2しきい値より大きいとき、座標検出回路をキャリブレーションしなくてもよい。差分が大きすぎる場合、ノイズと判定してキャリブレーションから除外することで、精度を高めることができる。
キャリブレーション回路は、検出データにもとづいて、メモリの初期データを更新してもよい。これにより、経年劣化が進んだタッチパネルに対して、制御回路の起動直後において、座標検出の精度を高めることができる。
少なくともひとつの経路は、第1端子から第2端子に至る経路を含んでもよい。第1端子と第2端子の間の抵抗は、第1抵抗膜自体の抵抗を表し、したがって第1抵抗膜の経年劣化を好適にキャリブレートできる。
少なくともひとつの経路は、第3端子から第4端子に至る経路を含んでもよい。第3端子と第4端子の間の抵抗は、第2抵抗膜自体の抵抗を表し、したがって第2抵抗膜の経年劣化を好適にキャリブレートできる。
制御回路は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
本発明のさらに別の態様は、タッチパネル入力装置である。この入力装置は、タッチパネルと、タッチパネルと接続される上述のいずれかの制御回路と、を備える。
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、上述のタッチパネル入力装置を備える。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、経年劣化にともなう座標検出の精度の低下を抑制できる。
抵抗膜式タッチパネルを模式的に示す図である。 実施の形態に係るタッチパネル入力装置を備える電子機器のブロック図である。 シングルタッチ時のX座標の検出の原理を説明する図である。 2点タッチ時のX座標の検出の原理を説明する図である。 基準点を示す図である。 初期状態φ5における初期データの測定を説明する図である。 N=1の場合のキャリブレーションのフローチャートである。 N≧2の場合のキャリブレーションのフローチャートである。 制御回路の一部の具体的な構成例を示す回路図である。 図10(a)、(b)は、第2変形例に係るインピーダンス検出回路の回路図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図2は、実施の形態に係るタッチパネル入力装置4を備える電子機器1のブロック図である。電子機器1は、スマートホン、タブレット端末、ノート型PC、ポータブルオーディオプレイヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどであり、LCD(Liquid Crystal Display)パネルや有機ELパネルを有するディスプレイパネル2を備える。タッチパネル入力装置4は、ディスプレイパネル2とともに電子機器1に搭載される。
タッチパネル入力装置4は、タッチパネル100および制御回路200を備える。タッチパネル100は、ディスプレイパネル2の表層に配置され、タッチ式の入力装置として機能する。タッチパネル入力装置4は、ユーザが指やペンなど(以下、指6)でタッチしたポイント(点)のX座標およびY座標を判定する。タッチパネル100は4線(4端子)抵抗膜式であり、その構成は図1を参照して説明した通りである。
タッチパネル100は、第1抵抗膜102、第2抵抗膜104、第1端子XP、第2端子XN、第3端子YP、第4端子YNを備える。第1抵抗膜102および第2抵抗膜104は、X軸およびY軸に対して垂直なZ軸方向にギャップを隔ててオーバーラップして配置される。第1抵抗膜102のY軸方向に延びる2辺は、第1端子XPおよび第2端子XNと接続される。第2抵抗膜104のX軸方向に延びる2辺は、第3端子YPおよび第4端子YNと接続される。
タッチパネル入力装置4は、ユーザが1点でタッチするシングルタッチと、ユーザが2点(あるいは3点以上)でタッチする2点タッチ(マルチタッチ)の入力をサポートする。制御回路200は、タッチパネル入力装置4の第1端子XP〜第4端子YNと接続され、ユーザがタッチした点のX座標ならびにY座標を検出する。
制御回路200は、座標検出回路202、第1メモリ220、第2メモリ222、キャリブレーション回路230、レジスタ232を備え、ひとつの半導体基板に集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。
座標検出回路202は、タッチパネル100に適切な電気信号を印加し、タッチの有無およびタッチした座標に応じてタッチパネル100に生ずる電気的な変化にもとづいて、座標を検出する。座標検出回路202は、主として、以下の4つのモードで動作する。
φ1. シングルタッチ(1点タッチ)、X座標検出モード
φ2. シングルタッチ、Y座標検出モード
φ3. 2点タッチ、X座標検出モード
φ4. 2点タッチ、Y座標検出モード
座標検出回路202は、駆動回路204、インピーダンス検出回路206、電圧検出回路208、座標生成回路210を含む。
図3は、シングルタッチ時のX座標の検出の原理を説明する図である。モードφ1において、駆動回路204は、第1端子XPと第2端子XNの間に、駆動電圧(バイアス電圧)VDRVを印加する。たとえば駆動回路204は、たとえば第1端子XPに駆動電圧VDRVに相当する定電圧VREGを供給し、第2端子XNを接地してもよい。
この状態でユーザがある座標Pを1点タッチすると、座標Pの電位Vは、式(1)で与えられる。
=VREG×RX2/(RX1+RX2)=VREG×RX2/R …(1)
=RX1+RX2は、タッチしないときの第1端子XPと第2端子XNの間のインピーダンス、すなわち第1抵抗膜102の抵抗値を表す。RX2はXNとPの距離に応じており、第2端子XNをX=0に取ったとき、RX2はX座標(XNからの距離X)に比例する。XPとXNの距離をXMAXとするとき、
X2=R/XMAX×X …(2)
で表される。式(2)を式(1)に代入すると、式(3)を得る。
=VREG×X/XMAX …(3)
すなわち点PをタッチしたときのPの電位Vは、X座標を表す。
モードφ1において、第3端子YP、第4端子YNはハイインピーダンスとされる。したがって第2抵抗膜104および接触抵抗Rに電流は流れず、電位差もゼロとなり、第3端子YPおよび第4端子YNには、点Pの電位Vが現れる。電圧検出回路208は、第3端子YP(あるいは第4端子YN)の電圧V(=V)を測定し、電圧Vを示す電圧検出信号S1を生成する。座標生成回路210は、電圧検出信号S1(電圧V)にもとづいて、点PのX座標を生成する。
モードφ2においては、第1抵抗膜102と第2抵抗膜104を入れかえて同様の測定を行うことにより点PのY座標が検出される。具体的には駆動回路204は、第3端子YP−第4端子YN間に駆動電圧VDRVを印加し、電圧検出回路208は、そのときの第1端子XP(あるいは第4端子YN)の電圧Vを測定する。座標生成回路210は、電圧検出信号S1(電圧V)にもとづいて、点PのY座標を生成する。
図4は、2点タッチ時のX座標の検出の原理を説明する図である。モードφ3において駆動回路204は、モードφ1と同様に、第1端子XPと第2端子XNの間に駆動電圧VDRVを印加する。モードφ3においても第3端子YP、第4端子YNはハイインピーダンスとされ、電圧検出回路208は、第3端子YP(および/または第4端子YN)の電圧Vを測定し、電圧検出信号S1を生成する。
この状態でユーザがある2点PT1,PT2をタッチしたとき、電圧Vは、2点PT1,PT2に応じた電位を有する。たとえば電圧Vは、2点PT1,PT2の中点を示すものとしてもよい。
インピーダンス検出回路206は、第1端子XPと第2端子XNの間のインピーダンスZを示すインピーダンス検出信号S2を生成する。このインピーダンスZは、式(4)で与えられる。
=RX1+RX3+RX2//(RC1+RY2+RC2) …(4)
X2は、2点PT1とPT2の間の第1抵抗膜102の抵抗値であり、RY2は、2点PT1とPT2の間の第2抵抗膜104の抵抗値であり、それらは、2点PT1とPT2の間の距離に応じて変化する。//は、2つの並列な抵抗の合成インピーダンスを表す。電圧検出回路208は、電圧検出信号S1(電圧V)と、インピーダンス検出信号S2(インピーダンスZ)にもとづいて、2点PT1,PT2のX座標(すなわちX,X)を生成する。
モードφ4においては、第1抵抗膜102と第2抵抗膜104を入れかえて同様の測定を行うことにより2点PT1,PT2のY座標が検出される。具体的には駆動回路204は、第3端子YPと第4端子YNの間に駆動電圧VDRVを印加する。電圧検出回路208は、そのときの第1端子XP(あるいは第4端子YN)の電圧Vを測定し、インピーダンス検出回路206は、第3端子YPと第4端子YNの間のインピーダンスZを測定する。座標生成回路210は、電圧検出信号S1(電圧V)およびインピーダンス検出信号S2(インピーダンスZ)にもとづいて、2点PT1,PT2のY座標(すなわちY,Y)を生成する。
なおインピーダンス検出回路206は、モードφ3およびφ4において、タッチパネル100に流れる電流(パネル電流という)Iを検出してもよい。タッチパネル100に形成される電流経路の両端間に、駆動回路204によって駆動電圧VDRVが印加されたとき、パネル電流Iは、
=VDRV/Z
で与えられる。駆動電圧VDRVが一定値であるとき、パネル電流Iはパネルのインピーダンスと一対一で対応付けられ、したがってパネル電流Iを測定することは、コンダクタンス、つまりインピーダンスの逆数を測定することと等価であり、パネル電流を示すインピーダンス検出信号S2は、パネルのインピーダンスを示すと言える。
ここで、タッチパネル100の経年劣化について説明する。経年劣化によって、第1抵抗膜102の抵抗値R、第2抵抗膜104の抵抗値Rおよび接触抵抗Rが変化する。
式(3)に示すように、1点タッチのときのX座標は、VREG×X/XMAXで与えられ、第1抵抗膜102の抵抗値Rに依存せず、また接触抵抗Rにも依存しない。したがって、1点タッチで検出される座標Xは、実質的に経年変化の影響を受けにくいと言える。Y座標についても同様である。
一方、2点タッチのときのX座標X,Xは、式(4)のインピーダンスZに基づいて計算される。インピーダンスZは、接触抵抗RC1,RC2に依存しており、また1第1抵抗膜102、第2抵抗膜104それぞれの抵抗値R,Rにも依存する。すなわち2点タッチのときのX座標X,Xは、タッチパネル100の経年劣化の影響が顕著に表れる。2点タッチのときのY座標Y,Yも同様である。
続いて、タッチパネルの経年劣化のキャリブレーションについて説明する。図2に戻る。タッチパネル100の経年劣化の影響をキャリブレートするために、制御回路200は、第1メモリ220、第2メモリ222、キャリブレーション回路230を備える。
初期状態においてあらかじめ、タッチパネルの所定の少なくともひとつ(M個、Mは自然数)の経路のインピーダンスが測定されている。このインピーダンスは、インピーダンス検出回路206によって検出することができる。逆に言えば、インピーダンス検出回路206は、座標検出に使用される経路のインピーダンスに加えて、キャリブレーションに使用されるM個の経路それぞれのインピーダンスを測定可能に構成される。
第1メモリ220は、初期状態において測定された、M個の経路のインピーダンスに応じた初期データS3を不揮発的に保持する。なお第1メモリ220は、制御回路200に内蔵されてもよいし、外付けされてもよい。
初期データS3は、(i)M個の経路のインピーダンスそれぞれの値を含んでもよいし、(ii)M個の経路のインピーダンスの平均値(単純平均や重み付け平均を含む)を含んでもよいし、(iii)M個の経路のインピーダンスを所定の演算式(関数)を用いて演算して得られる値を含んでもよい。
キャリブレーション回路230は、使用中においてM個の経路のインピーダンスを取得し、M個の経路のインピーダンスに応じた検出データを第2メモリ222に格納する。キャリブレーション回路230は、第2メモリ222に格納される検出データS4および初期データS3にもとづいて、座標検出回路202をキャリブレートする。
以上が制御回路200の基本構成である。続いてその動作を説明する。ここでは理解の容易化、説明の簡潔化のために、M=1個の経路を考える。
初期状態、たとえば電子機器1の出荷前において、タッチパネル100の所定の1個の経路のインピーダンスにもとづく電気信号が測定され、そのインピーダンスに応じた初期データS3が第1メモリ220に格納される。なお初期状態は、電子機器1の出荷後、ユーザの電子機器1の初期セットアップを行う段階であってもよい。
ユーザによって電子機器1が長期間使用されると、タッチパネル100に経年劣化が生ずる。経年劣化にともない、タッチパネル100のインピーダンス、たとえば、第1抵抗膜102の抵抗値R、第2抵抗膜104の抵抗値R、それらの接触抵抗Rが変化する。この経年劣化によって、所定の経路のインピーダンスも変化する。
使用中に、キャリブレーション回路230は、所定の経路のインピーダンスを取得する。こうして測定されたインピーダンスは、経年劣化の影響を受けている。キャリブレーション回路230は、所定の経路のインピーダンスに応じた検出データS4を生成し、少なくとも検出データS4にもとづいて、座標検出回路202をキャリブレートする。
キャリブレーションの方法やそのための構成は特に限定されない。座標検出回路202は、タッチパネル100の既知の抵抗値R,R,Rにもとづいて、座標を演算する。検出データS4は、変化後の抵抗値R,R,Rに応じているため、検出データS4を用いれば、座標検出回路202を変化後のタッチパネル100に適した状態に修正することができる。キャリブレーションには、検出データS4に加えて、初期データS3を反映させてもよい。
このように制御回路200によれば、必要に応じて座標検出回路202をキャリブレートすることにより、タッチパネル100の経年劣化にともなう座標検出の精度の低下を抑制できる。
本発明は、図2のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施の形態を説明する。
好ましい態様において、タッチパネル100上には、少なくともひとつ(N個:Nは自然数)の基準点REFが規定される。基準点REFは仮想的な点であり、必ずしもユーザが認識可能である必要は無い。図5は、基準点を示す図である。図5には、5個の基準点REF1〜REF5が示される。なお基準点REFの個数Nは任意であり、単数であると複数であるとを問わない。
キャリブレーション回路230が測定対象とするM個の経路のうちN個の経路は、N個の基準点REFと対応している。i番目(1≦i≦N)の経路は、対応する基準点REFiが1点タッチされたときの、第1端子XPと第2端子XNの一方(たとえばXP)から、第3端子YPと第4端子YNの一方(たとえばYN)に至る経路である。
(N=1)
以下では、まず理解の容易化、説明の簡潔化のため、基準点REFが1個の場合について説明する。基準点REFは、統計的にユーザがタッチする回数が多い位置に定められる。たとえばスマートホンやタブレット端末において、ホームボタン、戻るボタンなどがソフトウェアボタン(オンスクリーンボタン)として実装される場合、そのボタンの位置を、基準点REFに定めるとよい。後述のようにN≧2の場合も、いくかの基準点を同様に規定するとよい。
図6は、初期状態φ5における初期データの測定を説明する図である。所定の経路111は、基準点REF1が1点タッチされた状態において、第1端子XPから第4端子YNに至り、途中に基準点REF1に接触抵抗Rが位置している。
=RX1+R+RY2 …(5)
X1…第1抵抗膜102のXPとREFの間の抵抗値
…接触抵抗
Y2…第2抵抗膜104のYNとREFの間の抵抗値
初期状態において測定される初期インピーダンスZP1(INIT)は、式(6)で表される。
P1(INIT)=RX1(INIT)+RC(INIT)+RY2(INIT) …(6)
X1(INIT)は、抵抗値RX1の経年劣化前の初期値であり、RC(INIT)は、接触抵抗Rの経年劣化前の初期値であり、RY2(INIT)は、抵抗値RY2の経年劣化前の初期値である。
タッチパネル100のパネルインピーダンスZP1は、インピーダンス検出回路206によって測定される。たとえば初期状態φ5において、駆動回路204は、XP−YN間に、所定の電圧VREGを印加してもよい。インピーダンス検出回路206は、XP−YN間に流れるパネル電流Iを測定してもよい。こうして測定されるパネル電流IP1は、コンダクタンス、すなわちパネルインピーダンスZP1の逆数に比例しており、したがってパネルインピーダンスZP1を示す。
制御回路200(電子機器1)の出荷後の通常動作中(使用中)に、キャリブレーション回路230は、座標検出回路202が検出した座標を監視する。そして座標検出回路202が1点タッチであり、かつその座標が基準点REF1に対応するとき、そのときのタッチパネル100のパネルインピーダンスZP1を示す検出データS4を第2メモリ222に格納する。
図7は、N=1の場合のキャリブレーションのフローチャートである。初期状態φ5において、基準点REF1が1点タッチされたときのタッチパネル100の所定の経路111のインピーダンス(パネルインピーダンスという)ZP1をあらかじめ測定しておく(S110)。測定されたパネルインピーダンスZP(INIT)に応じた初期データS3は、第1メモリ220に不揮発的に格納される(S102)。
ステップS110以降は、使用状態に対応する。使用中に制御回路200は、ユーザがタッチした座標Pを生成する(S110)。座標Pが1点タッチでないとき(2点タッチのとき)(S112のN)、ステップS110に戻る。座標Pが1点タッチであれば(S112のY)、座標Pが、基準点REF1に対応するか否かが判定される(S114)。ステップS114では、座標Pが、基準点REF1を含む所定領域に含まれるか否かが判定される。そして対応しない場合(S114のN)、ステップS110に戻る。対応する場合(S114のY)、そのときのパネルインピーダンス(すなわち所定の経路111のインピーダンス)ZP1が測定され(S116)、検出データS4が生成される(S118)。
そして検出データS4にもとづいて、座標検出回路202をキャリブレートする(S120)。キャリブレーション回路230は、初期データS3が示す初期インピーダンスZP(INIT)と、第2メモリ222に格納した検出データS4が示す現在のパネルインピーダンスZの差(=Z−ZP(INIT))が、第1しきい値より大きく、第2しきい値より小さいときに、座標検出回路202をキャリブレートしてもよい。パネルインピーダンスZの変化量が第1しきい値より小さい状況では、経年変化が座標検出の精度に影響を及ぼさないため、キャリブレートしないことが好ましい。反対に、パネルインピーダンスZの変化量が、想定される範囲の上限に相当する第2しきい値より大きい状況は、ノイズによりパネルインピーダンスZが誤検出された可能性が高いため、キャリブレーションを行わないことで、キャリブレーションによって却って検出精度が悪化するのを防止できる。その後、ステップS110に戻る。
(N≧2)
続いて、N≧2の場合を説明する。この場合、N個の基準点REF1〜REFNが定義され、それらに対応したN個の経路111〜11Nが規定される。図8は、N≧2の場合のキャリブレーションのフローチャートである。
初期状態φ5において、基準点REF1がタッチされた状態で形成される経路111のパネルインピーダンスZP1(INIT)が測定される。基準点REF2〜REF5に対応する経路112〜115それぞれについても、パネルインピーダンスZP2(INIT)〜ZPN(INIT)が測定される(S200)。
そして、測定されたN個のパネルインピーダンスZP1(INIT)〜ZPN(INIT)に応じた初期データS3が生成され、第1メモリに格納される(S202)。初期データS3は、ZP1(INIT)〜ZPN(INIT)の単純平均値を含んでもよい。
ステップS210以降は、使用状態に対応する。使用中に制御回路200は、ユーザがタッチした座標Pを生成する(S210)。座標Pが1点タッチでないとき(2点タッチのとき)(S212のN)、ステップS210に戻る。座標Pが1点タッチであれば(S212のY)、座標Pが、基準点REF1〜REFNのいずれに対応するか否かが判定される(S214)。
ステップS214では、座標Pが、基準点REF1〜REFNのいずれに対応するかが判定される。そして基準点REF1〜REFNのいずれにも対応しない場合(S214のN)、ステップS210に戻る。座標Pがi番目の基準点REFiに対応するとき(S214のY,S216)、そのときのパネルインピーダンス(すなわち所定の経路11iのインピーダンス)ZPiが測定される。そして、インピーダンスZP1〜ZPNに応じた検出データS4が生成される(S218)。検出データS4は初期データS3に対応しており、複数の初期インピーダンスZP(INIT)と初期データS3の関係は、複数のインピーダンスZと検出データS4の関係と等しい。したがって、初期データS3が複数の初期インピーダンスの単純平均であるとき、検出データS4もまた複数のインピーダンスZの単純平均となる。
なお、同じ経路のインピーダンスを複数回測定し、複数の測定値の平均を、その経路のインピーダンスとして用いてもよい。これにより精度を高めることができる。
たとえば、初期データS3、検出データS4はそれぞれ、N個のインピーダンスのすべての平均値であってもよい。この場合、N個のインピーダンスZP1〜ZPNの測定が完了した後に、検出データS4が生成される。あるいは、検出データS4は、K個(K<N)のインピーダンスの平均値であってもよい。この場合、K個のインピーダンスの測定が完了した後に、検出データS4が生成される。
そして検出データS4にもとづいて、座標検出回路202をキャリブレートする(S220)。キャリブレーションについては、図7のステップS120と同様である。その後、ステップS210に戻る。
基準点REFを複数個定義することにより、タッチパネル100の多点の接触抵抗の劣化を考慮して、座標検出回路202をキャリブレートでき、座標検出の精度を一層高めることができる。
続いて、キャリブレーション回路230によるキャリブレーションの具体例を説明する。図2に戻る。
座標検出回路202は、座標検出に際して、レジスタ232の制御パラメータPRMに応じて座標生成の処理を実行する。制御パラメータPRMの初期値は、初期インピーダンスZINIT)に応じて規定される。
キャリブレーション回路230は、現在のパネルインピーダンスZを示す検出データS4にもとづいて、レジスタ232に格納される制御パラメータPRMを更新してもよい。キャリブレーション回路230は、所定の演算式にもとづいて、検出データS4に対応する制御パラメータPRMを演算してもよいし、テーブル参照にもとづいて、検出データS4に対応する制御パラメータPRMを生成してもよい。これにより座標検出回路202の動作をキャリブレートできる。
図9は、制御回路200の一部の具体的な構成例を示す回路図である。
駆動回路204は、電圧レギュレータ240およびスイッチマトリクス242を含む。電圧レギュレータ240はたとえばリニアレギュレータであり、駆動電圧VDRVに相当する電圧VREGを安定化する。スイッチマトリクス242は、電圧VREGを第1端子XPと第3端子YPの一方に供給する。またスイッチマトリクス242は、接地電圧VSSを第2端子XNと第4端子YNの一方に供給する。
インピーダンス検出回路206は、電流検出回路であり、電圧レギュレータ240の出力電流IOUT、すなわちパネル電流Iを検出する。インピーダンス検出回路206は、I/V変換回路250、A/Dコンバータ252を含む。I/V変換回路250は、電圧レギュレータ240の出力電流を電圧VISに変換する。たとえばI/V変換回路250は、ゲート、ソースそれぞれが、電圧レギュレータ240の出力トランジスタの対応するそれぞれと接続されるレプリカトランジスタM1と、レプリカトランジスタM1の経路上に設けられたセンス抵抗RCSを含む。センス抵抗RCSの電圧降下VISは、電圧レギュレータ240の出力電流IOUTに比例し、したがってパネルのインピーダンスに反比例する。A/Dコンバータ252は、電圧降下VISをデジタルのインピーダンス検出信号S2に変換する。
キャリブレーション回路230は、インピーダンス検出回路206のスケーリングを補正してもよい。スケーリング、すなわち実際の抵抗値と測定された抵抗値(インピーダンス検出信号S2)の関係を補正することにより、経年劣化の影響を除くことができる。
たとえばキャリブレーション回路230は、検出データS4に応じてI/V変換回路250の変換利得を補正してもよい。図9のI/V変換回路250に関しては、レプリカトランジスタM1の実効的なサイズ(動作面積)を検出データS4に応じて可変としてもよい。あるいはセンス抵抗RCSの抵抗値を検出データS4に応じて可変としてもよい。あるいはA/Dコンバータ252への基準電圧VREFを検出データS4に応じて可変としてもよい。レジスタ232には制御パラメータPRMとして、レプリカトランジスタM1のサイズ、センス抵抗RCSの抵抗値、A/Dコンバータ252への基準電圧VREFの少なくともひとつのを指定するデータが格納される。
あるいはキャリブレーション回路230は、A/Dコンバータ252の出力、すなわちインピーダンス検出回路206が生成するインピーダンス検出信号S2を補正してもよい。言い換えればキャリブレーション回路230は座標生成回路210の演算処理を補正してもよい。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1変形例)
キャリブレーション回路230は、使用時に生成された検出データS4にもとづいて、第1メモリ220の初期データS3を更新してもよい。経年劣化が進んだタッチパネル100では、キャリブレーション回路230によるキャリブレーションが終了するまでの間、座標検出の精度が低い状態で使用されることとなる。これに対して、初期データS3を更新するようにすれば、タッチパネル100が劣化していたとしても、制御回路200の起動直後において、座標検出の精度を高めることができる。
(第2変形例)
インピーダンス検出回路206の構成も特に限定されない。たとえばインピーダンス検出回路206は、図9に示すように電圧レギュレータ240の出力電流の経路上に設けられたセンス抵抗Rを含み、このセンス抵抗Rの電圧降下を検出してもよい。
あるいは実施の形態では、インピーダンス検出回路206が、タッチパネル100のパネル電流Iを測定したが、それに限定されない。図10(a)、(b)は、第2変形例に係るインピーダンス検出回路206の回路図である。図10(a)のインピーダンス検出回路206aは、電流源260およびA/Dコンバータ262を含む。電流源260は、タッチパネル100に定電流Iを供給する。これにより、タッチパネル100のXP−YN端子間には、そのインピーダンスZに比例した電圧降下(端子間電圧)Vが生ずる。A/Dコンバータ262は、端子間電圧Vをデジタルのインピーダンス検出信号S2に変換する。この変形例では検出データS4に応じて、定電流Iを可変としてもよいし、A/Dコンバータ262の基準電圧VREFを可変としてもよい。
図10(b)のインピーダンス検出回路206bは、抵抗R1およびA/Dコンバータ264を含む。抵抗R1を介して、タッチパネル100に電圧VREGが印加される。タッチパネル100には、電圧降下Vが発生する。
=VREF×Z/(R1+Z
A/Dコンバータ262は、電圧降下Vをデジタルのインピーダンス検出信号S2に変換する。この変形例では検出データS4に応じて、電圧VREGを可変としてもよいし、A/Dコンバータ262の基準電圧VREFを可変としてもよいし、抵抗R1を可変としてもよい。
(第3変形例)
実施の形態では、少なくともひとつの経路として、第1抵抗膜102の一端と、第2抵抗膜104の一端の間の経路に着目したが、それに加えて、あるいはそれに代えて別の経路のインピーダンスにもとづいて、初期データS3および検出データS4を生成してもよい。たとえばM個の経路のひとつは、第1端子XPと第2端子XNの間の経路であってもよい。つまりこの経路のインピーダンスは、第1抵抗膜102の抵抗値Rに相当する。またM個の経路の別のひとつは、第3端子YPと第4端子YNの間の経路であってもよい。つまりこの経路のインピーダンスは、第2抵抗膜104の抵抗値Rに相当する。これらの経路は、ユーザがタッチパネルにタッチしていない状態で測定することが望ましい。第1抵抗膜102、第2抵抗膜104の劣化を検出して、座標検出回路202をキャリブレートすることにより、さらに正確な座標検出が可能となる。
(第4変形例)
実施の形態では、劣化の有無を、初期データS3と検出データS4の差分にもとづいて判定したが本発明はそれに限定されない。たとえば、初期データS3と検出データS4の比率にもとづいて劣化の有無を判定してもよい。あるいは、初期データS3と検出データS4を引数とする関数f(S3,S4)を定義し、関数f(S3,S4)の値としきい値の比較にもとづいて、劣化の有無を判定してもよい。あるいは、初期データと検出データの組み合わせと、劣化の有無と、を対応付けるテーブルを用意して、テーブル参照によって劣化の有無を判定してもよい。
(第5変形例)
制御回路200の座標生成回路210の機能の一部あるいは全部は、制御回路200とは別のIC(たとえばマイコン)に実装されてもよい。
(第6変形例)
基準点REFが複数規定される場合に、初期データS3および検出データS4は、基準点REFごとの個別のデータを含んでもよい。そして複数の基準点REFに対応する複数の初期データS3および複数の検出データS4にもとづいて、座標検出回路202をキャリブレートしてもよい。
(第7変形例)
2点タッチにおける座標検出のアルゴリズムは限定されず、公知の別のアルゴリズムを採用してもよい。
(第8変形例)
実施の形態では、主として経年劣化によるタッチパネル100の抵抗値の変化に着目し、そのキャリブレーションについて説明したが、タッチパネル100の構造や材料によっては、その抵抗値は温度に依存して変化しうる。実施の形態に係る制御回路200によれば、温度変動に起因するタッチパネル100の特性変動も、キャリブレートできる。
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…電子機器、2…ディスプレイパネル、4…タッチパネル入力装置、6…指、100…タッチパネル、102…第1抵抗膜、104…第2抵抗膜、XP…第1端子、XN…第2端子、YP…第3端子、YN…第4端子、200…制御回路、202…座標検出回路、204…駆動回路、206…インピーダンス検出回路、208…電圧検出回路、210…座標生成回路、220…第1メモリ、222…第2メモリ、230…キャリブレーション回路、232…レジスタ、S1…電圧検出信号、S2…インピーダンス検出信号、S3…初期データ、S4…検出データ、240…電圧レギュレータ、242…スイッチマトリクス、250…I/V変換回路、252…A/Dコンバータ。

Claims (18)

  1. タッチパネルの制御回路であって、
    前記タッチパネルは、
    ギャップを隔てて設けられる第1抵抗膜および第2抵抗膜と、
    前記第1抵抗膜の対向する二辺から引き出される第1端子、第2端子と、
    前記第2抵抗膜の対向する二辺から引き出される第3端子、第4端子と、
    を有しており、
    前記制御回路は、
    前記タッチパネルのインピーダンスに応じたインピーダンス検出信号を生成するインピーダンス検出回路および前記第1端子から前記第4端子の少なくともひとつの電圧に応じた電圧検出信号を生成する電圧検出回路と、を含み、前記インピーダンス検出信号および前記電圧検出信号が、ユーザがタッチした座標の生成に使用される座標検出回路と、
    初期状態においてあらかじめ、前記タッチパネルの所定の少なくともひとつの経路のインピーダンスが測定されており、当該少なくともひとつの経路のインピーダンスに応じた初期データを保持するメモリと、
    使用中において前記少なくともひとつの経路のインピーダンスを取得し、当該少なくともひとつの経路のインピーダンスに応じた検出データおよび前記初期データにもとづいて、前記座標検出回路をキャリブレートするキャリブレーション回路と、
    を備え、
    前記キャリブレーション回路は、前記初期データと前記検出データの差分が第1しきい値より大きいとき、前記座標検出回路をキャリブレートし、前記初期データと前記検出データの差分が前記第1しきい値より高く規定された第2しきい値より大きいとき、前記座標検出回路をキャリブレートしないことを特徴とする制御回路。
  2. 前記タッチパネル上に少なくともひとつの基準点が規定されており、前記少なくともひとつの経路は、前記少なくともひとつの基準点と対応しており、
    各経路は、対応する基準点が1点タッチされたときの、前記第1端子と前記第2端子の一方から、前記第3端子と前記第4端子の一方に至る経路であることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
  3. 前記キャリブレーション回路は、使用中において前記座標検出回路が1点タッチを検出し、かつその座標が少なくともひとつの基準点に対応するとき、そのときの前記経路のインピーダンスを取得することを特徴とする請求項2に記載の制御回路。
  4. 前記少なくともひとつの経路は複数の経路を含み、
    前記初期データおよび前記検出データはそれぞれ、前記複数の経路のインピーダンスのいくつかの平均値に応じていることを特徴とする請求項2または3に記載の制御回路。
  5. 前記少なくともひとつの経路は、複数の経路を含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記複数の経路すべてのインピーダンスが測定されると、前記座標検出回路をキャリブレートすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制御回路。
  6. 前記少なくともひとつの基準点の少なくともひとつは、統計的にユーザがタッチする回数が多い位置に定められることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の制御回路。
  7. 前記キャリブレーション回路は、前記インピーダンス検出回路のスケーリングを補正することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御回路。
  8. 前記インピーダンス検出回路は、
    前記タッチパネルに流れる電流を電圧に変換するI/V変換回路と、
    前記I/V変換回路の出力電圧をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、
    を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の制御回路。
  9. 前記キャリブレーション回路は、前記I/V変換回路の利得を補正することを特徴とする請求項8に記載の制御回路。
  10. 前記キャリブレーション回路は、前記A/Dコンバータに供給される基準電圧を補正することを特徴とする請求項8に記載の制御回路。
  11. 前記キャリブレーション回路は、前記A/Dコンバータの出力値を補正することを特徴とする請求項8に記載の制御回路。
  12. 前記座標検出回路は、前記ユーザがタッチした座標を生成する座標生成回路を含み、
    前記キャリブレーション回路は、前記座標生成回路の演算処理を補正することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の制御回路。
  13. 前記キャリブレーション回路は、前記検出データにもとづいて、前記メモリの前記初期データを更新することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の制御回路。
  14. 前記少なくともひとつの経路は、前記第1端子から前記第2端子に至る経路を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の制御回路。
  15. 前記少なくともひとつの経路は、前記第3端子から前記第4端子に至る経路を含むことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の制御回路。
  16. ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の制御回路。
  17. タッチパネルと、
    前記タッチパネルと接続される請求項1から16のいずれかに記載の制御回路と、
    を備えることを特徴とするタッチパネル入力装置。
  18. 請求項17に記載のタッチパネル入力装置を備えることを特徴とする電子機器。
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