JP5450211B2 - タッチパネルの制御回路、制御方法およびそれらを用いたタッチパネル入力装置、電子機器 - Google Patents

タッチパネルの制御回路、制御方法およびそれらを用いたタッチパネル入力装置、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、抵抗膜方式タッチパネルに関し、特に複数の点の同時接触(マルチタッチ)を検出する技術に関する。
近年のコンピュータや携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器は、指で接触することによって電子機器を操作するための入力装置を備えるものが主流となっている。こうした入力装置として、抵抗膜式のタッチパネル(タッチセンサ)などが知られている(特許文献1)。
近年、マルチタッチに対応したタッチパネルが要求されているが、それは静電センサ型のタッチパネルでのみ実現されており、抵抗膜方式のタッチパネルでは実現されていない。なぜなら抵抗膜方式のタッチパネルにおいては、パネルから出力される電圧にもとづいてユーザがタッチした位置(座標)が決定されるところ、2点をタッチした場合(マルチタッチ)のパネルの出力電圧と、1点をタッチした場合(シングルタッチ)のパネルの出力電圧を区別することができないからである。
特許文献1には、マルチタッチの検出が可能なタッチパネル入力装置が開示されているが、マルチタッチを誤入力として扱っており、積極的にマルチタッチを有効な入力としては扱っておらず、したがってマルチタッチにともなう複数の点の座標を特定する技術は開示されていない。
本出願人は、抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、同時接触される複数点の座標を検出する技術を考案した(特願2009−160457)。この技術では、パネルに流れる電流を測定し、その測定値を考慮して、複数の座標を推定する手法をとっている。
特開2009−48233号公報
本出願人は、抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、同時に押された複数点の座標を検出する際に、本来ユーザが接触していない座標(ゴーストとも称する)が誤検出される可能性があることを認識するに至った。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、同時接触された複数点の座標を正確に検出可能な技術の提供にある。
本発明のある態様の方法は、タッチパネルの制御方法に関する。制御対象のタッチパネルは、第1、第2、第3、第4端子と、第1方向に延びる一辺が第1端子と接続され、それと対向する辺が第2端子と接続される第1抵抗膜と、第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、第1方向と垂直な第2方向に延びる一辺が第3端子と接続され、それと対向する辺が第4端子と接続される第2抵抗膜と、を有する。この制御方法は、以下のステップを備える。各ステップは、処理に支障を来さない範囲において入れ換えることが可能であり、あるいはいくつかのステップを同時並列的に処理してもよい。
a. 第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加する。
b. 第3、第4端子それぞれに生ずる第1、第2パネル電圧を検出する。
c. 第1端子、第1抵抗膜および第2端子を含む経路に流れる第1パネル電流を検出する。
d. 少なくとも第1、第2パネル電圧の一方および第1パネル電流にもとづき、ユーザが接触した点の第2方向の座標を仮決定する。
e. 第3、第4端子それぞれに所定の第3、第4バイアス電圧を印加する。
f. 第1、第2端子の一方に生ずる第3パネル電圧を検出する。
g. 第3端子、第2抵抗膜および第4端子を含む経路に流れる第2パネル電流を検出する。
h. 少なくとも第3パネル電圧および第2パネル電流にもとづき、ユーザが接触した点の第1方向の座標を仮決定する。
i. ユーザが2点を同時接触しているとき、仮決定された2つの第2方向の座標と、仮決定された2つの第1方向の座標とを、第1パネル電圧と第2パネル電圧の大小関係に応じて組み合わせることにより、2点の座標を決定する。
この態様によると、第1パネル電圧と第2パネル電圧を利用することにより、2点の座標を正しく決定でき、ゴーストの問題を解決できる。
2点が第1点と第2点として区別すべきものであるとき、2点の座標を決定するステップiにおいて、現在決定している2点のうち、前回決定された第1点に近い方を現在の第1点とし、遠い方を現在の第2点としてもよい。
この態様によれば、第1点、第2点が移動する場合に、それらを正確に追跡できる。
2点の座標を決定するステップiは、以下のステップを含んでもよい。
i1. 前回決定された第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち一方の第1方向の座標との差分に応じた第1差分データを算出する。
i2. 前回決定された第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち他方の第1方向の座標との差分に応じた第2差分データを算出する。
i3. 第1差分データと第2差分データの大小関係に応じて、2点を第1点と第2点に割り当てる。
2点の座標を決定するステップは、以下のステップを含んでもよい。
i4. 前回決定された第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち一方の第2方向の座標との差分に応じた第3差分データを算出する。
i5. 前回決定された第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち他方の第2方向の座標との差分に応じた第4差分データを算出する。
i6. 第3差分データと第4差分データの大小関係に応じて、2点を第1点と第2点に割り当てる。
2点の座標を決定するステップは、以下のステップを含んでもよい。
i1. 前回決定された第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち一方の第1方向の座標との差分に応じた第1差分データを算出する。
i2. 前回決定された第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち他方の第1方向の座標との差分に応じた第2差分データを算出する。
i4. 前回決定された第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち一方の第2方向の座標との差分に応じた第3差分データを算出する。
i5. 前回決定された第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち他方の第2方向の座標との差分に応じた第4差分データを算出する。
i7. 第1差分データと第2差分データの差分に応じた第5差分データを算出する。
i8. 第3差分データと第4差分データの差分に応じた第6差分データを算出する。
i9. 第5差分データが第6差分データより大きいとき、第1、第2差分データの大小関係に応じて2点を第1点と第2点に割り当て、第6差分データが第5差分データより大きいとき、第3、第4差分データの大小関係に応じて2点を第1点と第2点に割り当てる。
この場合、第5差分データと、第6差分データのうち、差分が大きい方を利用するため、精度を高めることができる。
第2方向の座標を仮決定するステップdは、第1パネル電流の値が所定の値より大きいとき、ユーザが複数の点を接触しているものと判定するステップd1を含んでもよい。第1方向の座標を仮決定するステップhは、第2パネル電流の値が所定の値より大きいとき、ユーザが複数の点を接触しているものと判定するステップh1を含んでもよい。
ユーザがタッチパネルの複数の点にタッチすると、第1端子から第2端子(もしくは第3端子から第4端子)に至る経路の合成抵抗値が減少し、それに応じたパネル電流が変化する。この態様によると、パネル電流をモニタすることにより、マルチタッチを好適に検出できる。
第2方向の座標を仮決定するステップdは、以下のステップを含んでもよい。
d2. 第1パネル電流の値にもとづいて2点の第2方向の座標間隔を決定する。
d3. 第1、第2パネル電圧の少なくとも一方にもとづいて2点の第2方向の中心座標を決定する。
d4. 中心座標に2点の座標間隔に応じた値を加算することで、2点のうち一方の第2方向の座標を決定し、中心座標から2点の座標間隔に応じた値を減算することで、2点のうち他方の第2方向の座標を決定する.
第1方向の座標を仮決定するステップhは、以下のステップを含んでもよい。
h2. 第2パネル電流の値にもとづいて2点の第1方向の座標間隔を決定する。
h3. 少なくとも第3パネル電圧にもとづいて2点の第1方向の中心座標を決定する。
h4. 中心座標に2点の座標間隔に応じた値を加算することで、2点のうち一方の第1方向の座標を決定し、中心座標から2点の座標間隔に応じた値を減算することで、2点のうち他方の第1方向の座標を決定する。
ユーザが2点に接触すると、その2点の間は、第1抵抗膜と第2抵抗膜が並列に接続されるため、第1から第2端子(もしくは第3から第4端子)に至る経路の合成抵抗が低下し、したがってパネル電流が増大する。2点の距離が離れるほど、第1抵抗膜と第2抵抗膜が並列に接続される距離が長くなるため、合成抵抗は小さくなり、パネル電流は大きくなる。したがって、パネル電流にもとづいて2点の座標間隔を決定することができる。
本発明の別の態様は、タッチパネルの制御回路に関する。この制御回路は、第1状態において第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、第2状態において第3、第4端子それぞれに所定の第3、第4バイアス電圧を印加する電圧生成部と、第1状態において第3、第4端子それぞれに生ずる第1、第2パネル電圧を検出し、第2状態において第3、第4端子の一方に生ずる第3パネル電圧を検出する電圧検出部と、第1状態において第1端子、第1抵抗膜、第2端子を含む経路に流れる第1パネル電流を検出し、第2状態において第3端子、第2抵抗膜、第4端子を含む経路に流れる第2パネル電流を検出する電流検出部と、第1状態において、少なくとも第1、第2パネル電圧の一方および第1パネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した点の第2方向の座標を仮決定し、第2状態において、少なくとも第3パネル電圧および第2パネル電流にもとづき、ユーザが接触した点の第1方向の座標を仮決定し、ユーザが第1点と第2点の2点を同時接触しているとき、仮決定された2つの第2方向の座標と、仮決定された2つの第1方向の座標とを、第1パネル電圧と第2パネル電圧の大小関係に応じて組み合わせることにより、第1点と第2点の座標を決定する座標生成部と、を備える。
本発明のさらに別の態様は、タッチパネル入力装置である。このタッチパネル入力装置は、第1、第2、第3、第4端子と、第1方向に延びる一辺が第1端子と接続され、それと対向する辺が第2端子と接続される第1抵抗膜と、第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、第1方向と垂直な第2方向に延びる一辺が第3端子と接続され、それと対向する辺が第4端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルと、タッチパネルを制御する上述の制御回路と、を備える。
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、上述のタッチパネル入力装置を備える。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、同時接触された複数点の座標を正確に検出できる。
実施の形態に係るタッチパネル入力装置を備える電子機器の構成を示すブロック図である。 図2(a)、(b)は、それぞれシングルタッチ状態およびマルチタッチ状態における等価回路図を示す図である。 図1の制御回路における処理のフローチャートである。 図4(a)、(b)は、マルチタッチ状態におけるパネル電流と点の関係を示す図である。 図1の電流検出部の構成例を示す回路図である。 図6(a)、(b)は、ゴーストを説明するための図である。 図7(a)、(b)は、第1パネル電圧VY1、第2パネル電圧VY2の関係を示す図である。 実施の形態に係る座標生成部の構成例を示すブロック図である。 座標生成部の処理を示すフローチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係るタッチパネル入力装置(単に入力装置という)2を備える電子機器1の構成を示すブロック図である。入力装置2は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)8の表層に配置され、タッチパネルとして機能する。入力装置2は、ユーザが指やペンなど(以下、指6)でタッチしたポイント(点)のX座標およびY座標を判定する。
入力装置2は、タッチパネル4、制御回路100を備える。タッチパネル4は4線式(4端子)の抵抗膜方式タッチパネルである。タッチパネル4の構成は一般的なものであるためここでは簡単に説明する。
タッチパネル4は、第1端子PX1、第2端子PX2、第3端子PY1、第4端子PY2、第1抵抗膜RF1、第2抵抗膜RF2を備える。
第1抵抗膜RF1および第2抵抗膜RF2は、X軸およびY軸に対して垂直なZ軸方向にギャップを隔ててオーバーラップして配置される。第1抵抗膜RF1の第1方向(Y軸方向)に延びる一辺E1は、第1端子PX1と接続される。辺E1と対向する辺E2は、第2端子PX2と接続される。第3端子PY1は、第2抵抗膜RF2の第1方向と垂直な第2方向(X軸方向)に延びる一辺E3と接続され、第4端子PY2は、第2抵抗膜RF2の辺E3と対向する一辺E4と接続される。
以上がタッチパネル4の構成である。
制御回路100は、X方向の座標を検出する第1状態φxと、Y方向の座標を検出する第2状態φyを時分割的にスイッチしながら、ユーザが接触した点の位置を判定する。
制御回路100は、第1端子PcX1〜第4端子PcY2、電圧生成部10、電圧検出部20、電流検出部30、演算部40を備える。
第1端子PcX1〜第4端子PcY2はそれぞれ、タッチパネル4側の対応する第1端子PX1〜第4端子PY2と接続される。
はじめに、X方向の座標(X座標)を検出するための構成を説明する。
電圧生成部10は、第1状態φxにおいて、第1端子PX1、第2端子PX2それぞれに所定の第1バイアス電圧Vb1、第2バイアス電圧Vb2を印加する。ここではVb1>Vb2とする。好ましくは第2バイアス電圧Vb2は接地電圧(0V)である。また第1状態φxにおいて、電圧生成部10は第3端子PY1、第4端子PY2をハイインピーダンス状態とする。
電圧検出部20は、第1状態φxにおいて第3端子PY1に生ずる第1パネル電圧VY1および第4端子PY2に生ずる第2パネル電圧VY2を検出する。電圧検出部20は、A/Dコンバータ24を含み、検出した第1パネル電圧VY1、第2パネル電圧VY2をデジタル信号VY1’、VY2’に変換する。
電流検出部30は、第1状態φxにおいて第1端子PX1、第1抵抗膜RF1、第2端子PX2を含む経路に流れる第1パネル電流IPxを検出する。電流検出部30は、第1パネル電流IPxを電圧信号に変換するI/V変換部32と、その電圧信号をデジタル信号VPx’に変換するA/Dコンバータ34を含む。
演算部(座標生成部)40は、少なくとも、パネル電圧VY1’、VY2’の一方およびパネル電流IPx’の値にもとづき、ユーザが接触した点PUのX座標を判定する。
続いてY方向の座標(Y座標)を検出するための構成を説明する。
電圧生成部10は、第2状態φyにおいて、第3端子PY1、第4端子PY2それぞれに所定の第3バイアス電圧Vb3、第4バイアス電圧Vb4を印加する。また第2状態φyにおいて、電圧生成部10は第1端子PX1、第2端子PX2をハイインピーダンス状態とする。第1状態φxの第1バイアス電圧Vb1と第2状態φyの第3バイアス電圧Vb3は同じ値であってもよいし、異なっていてもよい。以下では、同じ値の場合を説明する。第2バイアス電圧Vb2と第4バイアス電圧Vb4についても同様である。
電圧検出部20は、第2状態φyにおいて第1端子PX1、第2端子PX2それぞれに生ずる第3パネル電圧VX1、第4パネル電圧VX2を検出する。A/Dコンバータ24は検出したパネル電圧VX1、VX2をデジタル信号VX1’、VX2’に変換する。
電圧検出部20には4入力のセレクタ23が設けられており、パネル電圧VX1、VX2、VY1、VY2が入力されている。セレクタ23は、第1状態φxにおいて、パネル電圧VY1、VY2を順に選択し、第2状態φxにおいてパネル電圧VX1、VX2を順に選択する。
電流検出部30は、第2状態φyにおいて第3端子PY1、第2抵抗膜RF2、第4端子PY2を含む経路に流れる第2パネル電流IPyを検出する。I/V変換部32は第2パネル電流IPyを電圧信号に変換し、A/Dコンバータ34はデジタル値IPy’に変換する。
演算部(座標生成部)40は、少なくとも、パネル電圧VX1’、VX2’の一方およびパネル電流IPy’の値にもとづき、ユーザが接触した点PUのY座標を判定する。
以上が制御回路100の全体構成である。続いて、制御回路100による座標検出の原理を説明する。ここでは第1状態φxにおいてX座標を検出する際の原理について説明するが、Y座標についても同様である。
図2(a)、(b)は、それぞれシングルタッチ状態およびマルチタッチ状態における等価回路図を示す。なお等価回路に示される各抵抗は、実際には分布定数として生ずるものであるが、ここでは説明を簡潔にするため、個別の抵抗素子として示している。
(シングルタッチ状態)
図2(a)を参照する。ユーザが1点PUで接触すると、第1抵抗膜RF1は、第1端子PX1と点PU間の抵抗R1と、点PUと第2端子PX2間の抵抗R1に分割される。第1抵抗膜RF1と第2抵抗膜RF2は、点PUにおいて接触し、その接触抵抗はRcである。第2抵抗膜RF2の点PUから第3端子PY1に至る経路の抵抗はR2である。
点PUの電位は、バイアス電圧Vb1とVb2を抵抗R1、R1で分圧したものであるから、点PUのX座標を示す。PUの電位は、第3端子PY1の電圧とほぼ等しい。つまり、第3端子PY1に生ずる第1パネル電圧VY1は、点PUのX座標を示す。
第1パネル電圧VY1からX座標を導出するアルゴリズムは、公知の技術を利用すればよく、本発明において特に限定されるものではない。
第3端子PY1から制御回路100側をみたインピーダンスは十分に高いため、パネル電流IPxは、第1端子PX1、抵抗R1、R1、第2端子PX2の経路を流れる。つまり第1端子PX1と第2端子PX2の間のインピーダンスZsは、
Zs=R1+R1
で与えられ、接触点PUの位置によらずに一定と考えられ、さらにはユーザが接触していないときのインピーダンスZoともほぼ同じ値となる。
Zs≒Zo
以下、非接触状態とシングルタッチ状態のインピーダンスは特に区別せずに、基準インピーダンスZoと称す。
シングルタッチ状態もしくは非接触状態において、第1端子PX1から第2端子PX2に流れる第1パネル電流IPxは、
IPxo=(Vb1−Vb2)/Zo
で与えられる。このパネル電流IPxoを、基準パネル電流と称する。
(マルチタッチ状態)
図2(b)を参照する。ユーザが2点PU1、PU2で接触すると、第1抵抗膜RF1は、第1端子PX1と点PU1間の抵抗R1と、点PU1と点PU2の間の抵抗R1と、点PU2と第2端子PX2間の抵抗R1に分割される。第1抵抗膜RF1と第2抵抗膜RF2は、点PU1、PU2において接触し、それぞれの接触抵抗はRc、Rcである。
第2抵抗膜RF2上において、点PU1とPU2の間の抵抗はR2であり、点PU1から第3端子PY1に至る経路の抵抗はR2であり、点PU2から第3端子PY1に至る経路の抵抗はR2である。
マルチタッチ状態におけるパネル電流IPxは、第1端子PX1と第2端子PX2の間の合成インピーダンスZmによって定まる。この合成インピーダンスZmと、非接触状態もしくはシングルタッチ状態のインピーダンスZoは、
Zm<Zo
が成り立つ。
したがって、マルチタッチ状態におけるパネル電流IPxmと基準パネル電流IPxoの間には、
IPxm>IPxo
の関係が成り立つ。
つまり、パネル電流IPxを監視し、基準パネル電流IPxoと比較することにより、マルチタッチ状態とシングルタッチ状態(非接触状態)を区別することができる。
点PU1、PU2の電位は、バイアス電圧Vb1とVb2を抵抗R1、R1、R1およびその他の抵抗成分で分圧したものであるから、点PU1、PU2それぞれのX座標と相関を有する。そして、第3端子PY1に生ずるパネル電圧VY1も、2点PU1、PU2と相関を有しているから、マルチタッチ状態であることが既知であれば、パネル電圧VY1にもとづいて、点PU1、PU2の座標を推定することができる。
さらに言えば、パネル電圧VY1にもとづき、シングルタッチ状態と同様のアルゴリズムによって決定したひとつのX座標X3は、ユーザが接触した点PU1、PU2の間のいずれかの点の座標を示す。つまり点PU1、PU2の真のX座標をX1、X2と書くとき、
X1<X3<X2
が成り立つ。
つまり、パネル電圧VY1にもとづいて導出された座標X3を利用すれば、点PU1、PU2の座標を推定することができる。推定アルゴリズムについては後述する。
このように、実施の形態に係る制御回路100によれば、パネル電圧VY1に加えて、パネル電流IPxを監視し、それらを組み合わせて処理することにより、シングルタッチのみでなくマルチタッチ状態におけるユーザの接触点の座標を決定することができる。
なおパネル電圧VY1の代わりにパネル電圧VY2を利用してもよいことは言うまでもない。あるいは、パネル電圧VY1、VY2を平均し、あるいは重み付け処理することにより、X座標を決定してもよい。
続いて、演算部40の具体的な構成例および処理について説明する。
図1に戻る。演算部40は、マルチタッチ判定部42、距離演算部44、テーブル46、座標生成部48を備える。
図3は、図1の制御回路100における処理のフローチャートである。図3のフローは、X座標を判定する第1状態φxを示す。なお、各ステップは、処理に支障を来さない範囲において入れ換えることが可能であり、あるいはいくつかのステップを同時並列的に処理してもよい。
まず、電圧生成部10によって第1端子PX1、第2端子PX2にバイアス電圧Vb1、Vb2が印加される(S100)。その状態で電圧検出部20はパネル電圧VY1を測定し(S102)、電流検出部30は、パネル電流IPxを測定する(S104)。
演算部40は、こうして得られたパネル電圧VY1、パネル電流IPxに対応するデジタル値VY1’、IPx’を受ける。
続いて、ユーザのタッチの有無が判定される(S106)。ユーザがX座標が小さい点(辺E1付近)に接触するとパネル電圧VY1は高くなり、X座標が大きい点(辺E2付近)に接触するとパネル電圧VY1は低くなる。非接触状態においては、第3端子PY1には電圧が印加されないため、パネル電圧VY1は0V付近となる。
そこで座標生成部48は、パネル電圧VY1を所定のしきい値電圧Vthと比較することで、タッチの有無を判定する。しきい値電圧Vthは、0V付近の値に設定される。
Y1>Vthのとき(S106のY)、接触状態と判定される。続いてマルチタッチ判定部42によってマルチタッチの有無が判定される(S110)。マルチタッチの有無は、上述のようにパネル電流IPxを所定の基準電流IPxoと比較することで判定される。
マルチタッチ判定部42は、IPx<IPxoのとき(S108のN)、シングルタッチと判定し、その判定結果を座標生成部48へと通知する。座標生成部48は、パネル電圧VY1にもとづいてX座標を決定する(S118)。
マルチタッチ判定部42は、IPx>IPxoのとき(S108のY)、マルチタッチと判定し、その判定結果を距離演算部44および座標生成部48へと通知する。
マルチタッチと判定されると、距離演算部44は2点PU1、PU2の距離ΔXを決定する(S112)。
本発明者は、2点PU1とPU2の距離ΔXとパネル電流IPxには相関関係があることを認識するに至った。すなわち、2点間の距離ΔXがゼロのときは、シングルタッチと同じであるから、パネル電流IPxは基準電流IPxoとほぼ同じである。
図4(a)、(b)は、マルチタッチ状態におけるパネル電流と点の関係を示す図である。
2点間の距離ΔXが大きくなるに従い、抵抗R1とR2が並列接続される距離が長くなるため、第1端子PX1と第2端子PX2の間の合成インピーダンスZmは低下し、それにともないパネル電流IPxは大きくなっていく。2点間の距離ΔXが、パネルのX軸方向の長さLxに達したとき、パネル電流IPxは最小値IPxminとなる。
つまり、パネル電流IPxと2点の距離ΔXは1対1で対応する。言い換えれば、パネル電流IPxと基準電流IPxoの差分(IPx−IPxo)は距離ΔXと1対1で対応する。図4(a)は、差分電流(IPx−IPxo)と距離ΔXの関係を示す図である。
図4(a)に示す特性は、タッチパネル4ごとに予め測定しておけばよく、あるいはシミュレーションによって導出してもよい。テーブル46は、差分電流(IPx−IPxo)と距離ΔXの関係を格納する。
距離演算部44は、パネル電流IPxにもとづいて、テーブル46を参照することで、対応する距離ΔXを決定し、座標生成部48へと出力する。なお、テーブル46に代えて、図4(a)の特性の近似式を格納しておき、演算によって距離ΔXを算出してもよい。
座標生成部48は、距離ΔXを示すデータと、パネル電圧VY1を受ける。座標生成部48は、パネル電圧VY1に対応するX座標X3を、シングルタッチと同様のアルゴリズム、あるいはそれと異なるアルゴリズムで算出する。そして、そのX座標X3を、2点の中心座標とする(S114)。
座標生成部48は、中心座標X3に2点の座標間隔ΔXに応じた値(ここでは半分)ΔX/2を加算することで、2点の一方のX座標x2を決定し、中心座標X3から2点の座標間隔ΔXに応じた値ΔX/2を減算することで、2点の他方のX座標x1を決定する(S116)。図4(b)はこの処理を示す。その後、ステップS100に戻る。
ステップS106を再度参照すると、VY1<Vthのとき(S106のN)、座標生成部48は非接触状態と判定する。続いてステップS104において、マルチタッチ判定部42は測定したパネル電流IPxを用いて基準パネル電流IPxoを更新する(S108)。その後、ステップS100に戻る。
同様の処理によって、Y座標が判定される。
以上が制御回路100による具体的な処理のフローである。
入力装置2によれば、シングルタッチ、マルチタッチを好適に判別することができ、それぞれの状態における点の座標を生成することができる。さらに実施の形態に係る入力装置2は、以下の利点を有する。
ステップS108において、基準パネル電流IPxoを更新することにより、タッチパネル4の経年劣化や温度変動の影響を低減することができる。すなわち、劣化や温度変動に応じて第1抵抗膜RF1、第2抵抗膜RF2およびそれらの接触抵抗の値が変化すると、それに応じて基準電流IPxoが変化する。したがって基準電流IPxoを固定的に用いると、マルチタッチの誤検出の原因となったり、あるいは2点間の距離ΔXに誤差が生ずる。これに対して、処理の途中において、基準電流IPxoを更新することにより、こうした問題を好適に解決できる。
また、マルチタッチ状態において、2点間の距離ΔXを決定する際に、差分電流(IPx−IPxo)を用いることには以下のメリットがある。上述のようにパネルのインピーダンスは経時的、あるいは温度変動にともなって変化するため、同じ座標にタッチしたときのパネル電流IPxの値も変化する。そこで、差分電流を算出すれば、経年劣化や温度変動の影響を低減することができ、正確な座標検出が可能となる。
図5は、図1の電流検出部30の構成例を示す回路図である。電流検出部30は、検出抵抗Rsx、Rsy、バイパススイッチSW1x、SW1yおよびセレクタ36、A/Dコンバータ34を含む。検出抵抗Rsx、Rsyは、図1のI/V変換部32に対応する。
検出抵抗Rsx、バイパススイッチSW1xは、X軸方向の座標検出に利用され、検出抵抗Rsy、バイパススイッチSW1yは、Y軸方向の座標検出に利用される。X軸とY軸に関して、同様に構成されるため、ここではX軸方向について説明する。
検出抵抗Rsxは、第1端子PX1、第1抵抗膜RF1、第2端子PX2を含む経路の延長上に設けられる。具体的には、検出抵抗Rsxの一端は接地されて電位が固定され、他端は第2端子PcX2に接続される。
バイパススイッチSW1xは、対応する検出抵抗Rsxと並列に設けられる。具体的には、バイパススイッチSW1xの一端は接地され、その他端は第2端子PcX2と接続される。
電圧検出部20によりパネル電圧VY1を検出するとき、バイパススイッチSWxをオンする。このとき、検出抵抗Rsxがタッチパネル4の合成インピーダンスに影響を与えないため、正確なパネル電圧VY1を測定できる。
電流検出部30によりパネル電流IPxを検出するとき、バイパススイッチSWxをオフする。そうすると、検出抵抗Rsxには、パネル電流IPxに比例した電圧降下(Rsx×IPx)が発生する。セレクタ36は、X軸方向の座標を検出するとき、端子(0)側にオンし、Y軸方向の座標を検出するとき、端子(1)側にオンする。A/Dコンバータ34によって検出抵抗Rsxの電圧降下が、デジタル値に変換される。このデジタル値は、パネル電流IPxに応じた値をとる。
なお、第2バイアス電圧Vb2が接地電圧であるとき、バイパススイッチSW1xを、電圧生成部10として機能させることができる。すなわち、第2端子PX2に第2バイアス電圧Vb2を印加するとき、バイパススイッチSW1xをオンすればよい。バイパススイッチSW1yも同様である。
マルチタッチ時の2点PU1、PU2の座標を、上述の方法あるいは別の方法によって求めた場合、以下で説明するゴーストの問題が発生しうる。図6(a)、(b)は、ゴーストを説明するための図である。いま、ユーザが図6(a)に示す2点PU1、PU2にタッチしたとする。そうすると、第1状態φxによって、2点PU1、PU2の中点PU3のX座標X3が算出され、続いて2点のX座標X1、X2が計算される。
続いて第2状態φyにおいて、中点PU3のY座標Y3が算出され、続いて、2点のY座標Y1、Y2が計算される。このとき、Y1を点PU1に、Y2を点PU2に割り当てれば、図6(a)のように正しい座標が計算される。
ところが、2点のY座標Y1が点PU2に、Y2が点PU1に割り当てられると、図6(b)のように、誤った座標が計算されてしまう。
このことは、抵抗膜式のタッチパネル4において、2点のX座標と、2点のY座標が独立に取得され、それらの組み合わせが複数存在することに起因する。すなわち、2点のX座標として、x1、x2が、2点のY座標として、y1、y2が取得されたとすると、以下の4つの組み合わせが存在しうる。たとえば組み合わせ1および4は、2点の正しい座標を与えているが、組み合わせ2および3は、2点の誤った座標を与えている。
組み合わせ1. PU1=(x1,y1)、PU2=(x2,y2)
組み合わせ2. PU1=(x1,y2)、PU2=(x2,y1)
組み合わせ3. PU1=(x2,y1)、PU2=(x1,y2)
組み合わせ4. PU1=(x2,y2)、PU2=(x1,y1)
本実施の形態では、この問題を解決するために、第1パネル電圧VY1と第2パネル電圧YY2の両方を利用する。図7(a)、(b)は、第1パネル電圧VY1、第2パネル電圧VY2の関係を示す図である。図7(a)に示すように、第1点PU1を固定し、第2点PU2を、P2、P2、P2のように変化させるとする。図7(b)は、このときの第1パネル電圧VY1、第2パネル電圧VY2を示す。図7(b)に示すように、Y2>Y1のとき、VY1>VY2が成り立ち、Y2<Y1のとき、VY1<VY2が成り立つ。つまり、第1パネル電圧VY1と第2パネル電圧VY2の大小関係に応じて、第1点PU1と第2点PU2のY座標の大小関係を一意に決定することができる。なお、第1バイアス電圧Vb1と第2バイアス電圧Vb2の大小関係が反対であれば、不等式の向きも反対となることはいうまでもない。
図8は、実施の形態に係る座標生成部48の構成例を示すブロック図である。図9は、座標生成部48の処理を示すフローチャートである。座標生成部48は、X座標仮決定部50、Y座標仮決定部52、座標決定部54、差分算出部56、座標割当部58を含む。
X座標仮決定部50、Y座標仮決定部52は、上述の、あるいは別のアルゴリズムによって、ユーザが接触した2点のX座標のペア(x1、x2)、Y座標のペア(y1、y2)を仮決定する。ここでは、x1<x2、y1<y2が成り立つものとする(図9のS200)。
座標決定部54は、第1パネル電圧VY1、第2パネル電圧VY2にもとづき、(x1、x2)の一方と、(y1、y2)の一方を組み合わせて、2点の一方の座標(X1,Y1)を決定し、(x1、x2)の他方と、(y1、y2)の他方を組み合わせて、2点の他方の座標(X2,Y2)を決定する(図9のS202〜S206)。
具体的には、VY1≧VY2のとき(S202のY)、一方の点の座標(X1,Y1)が、X1=x1、Y1=y1に決定され、他方の点の座標が(X2,Y2)がX2=x2、Y2=y2に決定される。
Y1<VY2のとき(S202のN)、一方の点の座標(X1,Y1)は、X1=x1、Y1=y2に決定され、他方の点の座標が(X2,Y2)がX2=x2、Y2=y1に決定される。
座標決定部54によって、上述の組み合わせ1〜4のうち、ゴーストに対応する2つの組み合わせを除去することができる。
ここで、マルチタッチの2点を互いに区別するべき場合がある。たとえばドローソフトにおいて、第1点をタッチした状態で、第2点を移動させて描画する場合、第1点と第2点の入れ替わりは許容されない。そこで座標生成部48は、現在決定している2点のうち、前回決定された第1点PU1’(X1’、X2’)に近い方を現在の第1点PU1とし、遠い方を現在の第2点PU2とする。
この処理によって、第1点と第2点が途中で入れ替わるのを防止することができる。差分算出部56の具体的な処理を説明する。
差分算出部56は、第1〜第4差分データΔY、ΔY、ΔX、ΔXを算出する(図9のS208)。
ΔY=|Y1’−Y1|
ΔY=|Y1’−Y2|
ΔX=|X1’−X1|
ΔX=|X1’−X2|
Y1’は、前回決定された第1点PU1’の第1方向(Y軸方向)の座標である。差分算出部56は、さらに以下の第5、第6差分データΔY、ΔXを算出する(図9のS210)。
Δ=|ΔY−ΔY
Δ=|ΔX−ΔX
座標割当部58は、第5差分データΔが第6差分データΔより大きいとき(図9のS212のY)、第1、第2差分データΔY、ΔYの大小関係に応じて、2点を第1点と第2点に割り当てる(S214)。具体的には、ΔY≦ΔYのとき(S214のY)、現在の第1点、第2点をそのまま出力し(S218)、ΔY>ΔYのとき(S214のN)、現在の第1点と第2点を入れ替える(S220)。
反対に、第6差分データΔが第5差分データΔより大きいとき(S212のN)、第3、第4差分データΔX、ΔXの大小関係に応じて2点を第1点と第2点に割り当てる(S216)。具体的には、ΔX≦ΔXのとき(S216のY)、現在の第1点、第2点をそのまま出力し(S218)、ΔX>ΔXのとき(S216のN)、現在の第1点と第2点を入れ替える(S220)。
この処理によれば、第1点と第2点が途中で入れ替わるのを防止することができる。
また、ΔとΔのうち、大きい方を利用することにより、精度を高めることができる。
なお、第1点と第2点を入れ替える際には、ΔX、ΔXのみを利用してもよいし、反対にΔY、ΔYのみを利用してもよい。あるいは、距離ΔL、ΔL(もしくはそれらの2乗)を算出し、それらにもとづいて第1点と第2点を入れ替えてもよい。
ΔL=√(|Y1’−Y1|+|X1’−X1|
ΔL=√(|Y1’−Y2|+|X1’−X2|
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
実施の形態では、第1パネル電圧VY1、第2パネル電圧VY2にもとづき、2点PU1、PU2の座標を決定する場合を説明したが、第3パネル電圧VX1、第4パネル電圧VX2にもとづいて、2点PU1、PU2の座標を決定してもよい。この場合、図9のステップS202、S206を以下のS202’、S06’のように修正すればよい。
S202’
X1≧VX2
S206’:
X1=x2、 Y1=y1
X2=x1、 Y2=y2
マルチタッチ状態において、座標生成部48はパネル電圧VX1に応じた座標X3を、2点PU1、PU2の中点であると推定して、もとの座標X1、X2を決定したが、本発明はそれに限定されず、さらに複雑なアルゴリズムを用いてもよい。
実施の形態では、4端子のタッチパネル4を制御する場合を説明したが、本発明はそれに限定されず、その他のタッチパネル4にも適用することが可能である。
また、実施の形態ではマルチタッチとして2点を例に説明したが、当業者であればそれを3点以上に拡張でき、それも本発明に含まれる。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…電子機器、2…入力装置、4…タッチパネル、6…指、8…LCD、PX1…第1端子、PX2…第2端子、PY1…第3端子、PY2…第4端子、RF1…第1抵抗膜、RF2…第2抵抗膜、100…制御回路、10…電圧生成部、20…電圧検出部、23…セレクタ、24…A/Dコンバータ、30…電流検出部、32…I/V変換部、34…A/Dコンバータ、40…演算部、42…マルチタッチ判定部、44…距離演算部、46…テーブル、48…座標生成部、PcX1…第1端子、PcX2…第2端子、PcY1…第3端子、PcY2…第4端子、Rs…検出抵抗、SW1…バイパススイッチ。

Claims (14)

  1. 第1、第2、第3、第4端子と、第1方向に延びる一辺が前記第1端子と接続され、それと対向する辺が前記第2端子と接続される第1抵抗膜と、前記第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、前記第1方向と垂直な第2方向に延びる一辺が前記第3端子と接続され、それと対向する辺が前記第4端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルの制御方法であって、
    前記第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加するステップと、
    前記第3、第4端子それぞれに生ずる第1、第2パネル電圧を検出するステップと、
    前記第1端子、前記第1抵抗膜および前記第2端子を含む経路に流れる第1パネル電流を検出するステップと、
    少なくとも前記第1、第2パネル電圧の一方および前記第1パネル電流にもとづき、ユーザが接触した点の前記第2方向の座標を仮決定するステップと、
    前記第3、第4端子それぞれに所定の第3、第4バイアス電圧を印加するステップと、
    前記第1、第2端子の一方に生ずる第3パネル電圧を検出するステップと、
    前記第3端子、前記第2抵抗膜および前記第4端子を含む経路に流れる第2パネル電流を検出するステップと、
    少なくとも前記第3パネル電圧および前記第2パネル電流にもとづき、ユーザが接触した点の前記第1方向の座標を仮決定するステップと、
    ユーザが2点を同時接触しているとき、仮決定された2つの前記第2方向の座標と、仮決定された2つの前記第1方向の座標とを、前記第1パネル電圧と前記第2パネル電圧の大小関係に応じて組み合わせることにより、前記2点の座標を決定するステップと、
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記2点は第1点と第2点として区別すべきものであるとき、
    前記2点の座標を決定するステップにおいて、現在決定している前記2点のうち、前回決定された前記第1点に近い方を現在の前記第1点とし、遠い方を現在の第2点とすることを特徴とする請求項1に記載に記載の方法。
  3. 前記2点の座標を決定するステップは、
    前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち一方の第1方向の座標との差分に応じた第1差分データを算出するステップと、
    前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち他方の第1方向の座標との差分に応じた第2差分データを算出するステップと、
    前記第1差分データと第2差分データの大小関係に応じて、前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当てるステップと、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記2点の座標を決定するステップは、
    前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち一方の第2方向の座標との差分に応じた第3差分データを算出するステップと、
    前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち他方の第2方向の座標との差分に応じた第4差分データを算出するステップと、
    前記第3差分データと第4差分データの大小関係に応じて、前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当てるステップと、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記2点の座標を決定するステップは、
    前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち一方の第1方向の座標との差分に応じた第1差分データを算出するステップと、
    前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち他方の第1方向の座標との差分に応じた第2差分データを算出するステップと、
    前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち一方の第2方向の座標との差分に応じた第3差分データを算出するステップと、
    前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち他方の第2方向の座標との差分に応じた第4差分データを算出するステップと、
    前記第1差分データと前記第2差分データの差分に応じた第5差分データを算出するステップと、
    前記第3差分データと前記第4差分データの差分に応じた第6差分データを算出するステップと、
    前記第5差分データが前記第6差分データより大きいとき、前記第1、第2差分データの大小関係に応じて前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当て、前記第6差分データが前記第5差分データより大きいとき、前記第3、第4差分データの大小関係に応じて前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当てるステップと、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 前記第2方向の座標を仮決定するステップは、前記第1パネル電流の値が所定の値より大きいとき、ユーザが複数の点を接触しているものと判定するステップを含み、
    前記第1方向の座標を仮決定するステップは、前記第2パネル電流の値が所定の値より大きいとき、ユーザが複数の点を接触しているものと判定するステップを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記第2方向の座標を仮決定するステップは、
    前記第1パネル電流の値にもとづいて前記2点の前記第2方向の座標間隔を決定するステップと、
    前記第1、第2パネル電圧の少なくとも一方にもとづいて前記2点の前記第2方向の中心座標を決定するステップと、
    前記中心座標に前記2点の座標間隔に応じた値を加算することで、前記2点のうち一方の前記第2方向の座標を決定し、前記中心座標から前記2点の座標間隔に応じた値を減算することで、前記2点のうち他方の前記第2方向の座標を決定するステップと、
    を含み、
    前記第1方向の座標を仮決定するステップは、
    前記第2パネル電流の値にもとづいて前記2点の前記第1方向の座標間隔を決定するステップと、
    少なくとも前記第3パネル電圧にもとづいて前記2点の前記第1方向の中心座標を決定するステップと、
    前記中心座標に前記2点の座標間隔に応じた値を加算することで、前記2点のうち一方の前記第1方向の座標を決定し、前記中心座標から前記2点の座標間隔に応じた値を減算することで、前記2点のうち他方の前記第1方向の座標を決定するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  8. 第1、第2、第3、第4端子と、第1方向に延びる一辺が前記第1端子と接続され、それと対向する辺が前記第2端子と接続される第1抵抗膜と、前記第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、前記第1方向と垂直な第2方向に延びる一辺が前記第3端子と接続され、それと対向する辺が前記第4端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルの制御回路であって、
    第1状態において前記第1、第2端子それぞれに所定の第1、第2バイアス電圧を印加し、第2状態において前記第3、第4端子それぞれに所定の第3、第4バイアス電圧を印加する電圧生成部と、
    前記第1状態において前記第3、第4端子それぞれに生ずる第1、第2パネル電圧を検出し、前記第2状態において前記第3、第4端子の一方に生ずる第3パネル電圧を検出する電圧検出部と、
    前記第1状態において前記第1端子、前記第1抵抗膜、前記第2端子を含む経路に流れる第1パネル電流を検出し、前記第2状態において前記第3端子、前記第2抵抗膜、前記第4端子を含む経路に流れる第2パネル電流を検出する電流検出部と、
    前記第1状態において、少なくとも前記第1、第2パネル電圧の一方および前記第1パネル電流の値にもとづき、ユーザが接触した点の前記第2方向の座標を仮決定し、前記第2状態において、少なくとも前記第3パネル電圧および前記第2パネル電流にもとづき、ユーザが接触した点の前記第1方向の座標を仮決定し、ユーザが第1点と第2点の2点を同時接触しているとき、仮決定された2つの前記第2方向の座標と、仮決定された2つの前記第1方向の座標とを、前記第1パネル電圧と前記第2パネル電圧の大小関係に応じて組み合わせることにより、前記第1点と前記第2点の座標を決定する座標生成部と、
    を備えることを特徴とする制御回路。
  9. 前記2点が第1点と第2点として区別すべきものであるとき、
    前記座標生成部は、
    現在決定している前記2点のうち、前回決定された前記第1点に近い方を現在の前記第1点とし、遠い方を現在の第2点とすることを特徴とする請求項8に記載の制御回路。
  10. 前記座標生成部は、
    前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち一方の第1方向の座標との差分に応じた第1差分データと、前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち他方の第1方向の座標との差分に応じた第2差分データを算出する差分算出部と、
    前記第1差分データと第2差分データの大小関係に応じて、前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当てる座標割当部と、
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の制御回路。
  11. 前記座標生成部は、
    前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち一方の第2方向の座標との差分に応じた第3差分データと、前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち他方の第2方向の座標との差分に応じた第4差分データを算出する差分算出部と、
    前記第3差分データと第4差分データの大小関係に応じて、前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当てる座標割当部と、
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の制御回路。
  12. 前記座標生成部は、
    前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち一方の第1方向の座標との差分に応じた第1差分データと、前回決定された前記第1点の第1方向の座標と現在の2点のうち他方の第1方向の座標との差分に応じた第2差分データと、前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち一方の第2方向の座標との差分に応じた第3差分データと、前回決定された前記第1点の第2方向の座標と現在の2点のうち他方の第2方向の座標との差分に応じた第4差分データと、を算出する差分算出部と、
    前記第5差分データが前記第6差分データより大きいとき、前記第1、第2差分データの大小関係に応じて前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当て、前記第6差分データが前記第5差分データより大きいとき、前記第3、第4差分データの大小関係に応じて前記2点を前記第1点と前記第2点に割り当てる座標割当部と、
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の制御回路。
  13. 第1、第2、第3、第4端子と、第1方向に延びる一辺が前記第1端子と接続され、それと対向する辺が前記第2端子と接続される第1抵抗膜と、前記第1抵抗膜とギャップを隔てて配置され、前記第1方向と垂直な第2方向に延びる一辺が前記第3端子と接続され、それと対向する辺が前記第4端子と接続される第2抵抗膜と、を有するタッチパネルと、
    前記タッチパネルを制御する請求項8から12のいずれかに記載の制御回路と、
    を備えることを特徴とするタッチパネル入力装置。
  14. 請求項13に記載のタッチパネル入力装置を備えることを特徴とする電子機器。
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