JP6647667B1 - リチウムイオン電池からのリチウムの回収方法 - Google Patents

リチウムイオン電池からのリチウムの回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン電池に含まれるリチウム化合物を還元して容易に炭酸リチウムの形態とすることができるリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法を提供する。【解決手段】リチウムイオン電池からのリチウム回収方法は、正極と、負極と、両極間に配置されたセパレータと、電解液とが金属製の筐体に収容されたリチウムイオン電池からリチウムを回収する。筐体に開口部を形成する工程と、開口部が形成された筐体を、不活性雰囲気下、600℃以上の範囲の温度で焙焼する工程とを備える。【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン電池からのリチウムの回収方法に関する。
近年、リチウムイオン電池の普及に伴い、主として廃リチウムイオン電池からリチウム等の有価金属を回収する方法が種々提案されている。
例えば、従来、リチウムイオン電池からリチウムを回収する方法として、廃リチウムイオン電池を焙焼して、該廃リチウムイオン電池に正極活物質として含まれるリチウム化合物を還元して炭酸リチウムの形態とした後、該廃リチウムイオン電池を粉砕し、得られた粉末を水又は酸性溶液に溶解し、得られた溶液に炭酸イオンを供給してリチウムを炭酸水素リチウムとして溶解させた後、加熱して脱炭酸することにより析出する炭酸リチウムを回収する方法が知られている。
尚、前記廃リチウムイオン電池としては、電池製品としての寿命の消尽した使用済みのリチウムイオン電池、製造不良等の原因により廃棄されたリチウムイオン電池等が用いられる。
ところで、一般に、リチウムイオン電池は、正極と、負極と、両極間に配置されたセパレータと、電解液とが金属製の筐体に収容されており、該セパレータ及び電解液は有機化合物により構成されている。そこで、前記焙焼の際に廃リチウムイオン電池を急激に高温に加熱すると、前記筐体中で前記セパレータ及び電解液が気化し、該廃リチウムイオン電池が爆発(破裂)する虞があるという問題がある。
そこで、従来、前記廃リチウム電池を焙焼する際に、まず、100〜250℃の温度に加熱して第1の焙焼を行い、その後さらに300〜650℃の温度に加熱して第2の焙焼を行うことにより該廃リチウムイオン電池に含まれるリチウムを炭酸リチウムの形態とすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようにするときには、前記第1の焙焼でセパレータ及び電解液を構成する有機化合物が分解されるので、前記第2の焙焼において該廃リチウムイオン電池の爆発(破裂)を避けることができる。
特開2019−034245号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の方法では、焙焼を2段階で行うため、処理が繁雑になるという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、リチウムイオン電池に正極活物質として含まれるリチウム化合物を還元して容易に炭酸リチウムの形態とすることができるリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法は、正極と、負極と、両極間に配置されたセパレータと、電解液とが金属製の筐体に収容されたリチウムイオン電池からリチウムを回収する方法において、該筐体に塩水中で開口部を形成する工程と、開口部が形成された該筐体を、不活性雰囲気下、650〜720℃の範囲の温度に所定時間維持して焙焼する工程と、前記範囲の温度で焙焼されたリチウムイオン電池を破砕し、篩分けすることにより粗炭酸リチウムを得る工程と、該粗炭酸リチウムに、難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物溶液を添加し、水酸化リチウム溶液を得る工程と、該水酸化リチウム溶液に炭酸ガスを供給し、析出した炭酸リチウムを回収する工程とを備えることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法において、前記リチウムイオン電池は、電池製品としての寿命の消尽した使用済みのリチウムイオン電池、製造不良等の原因により廃棄されたリチウムイオン電池等であってもよく、未使用のリチウムイオン電池であってもよい。
本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法によれば、リチウムイオン電池の金属製の筐体に塩水中で開口部を形成した後に該筐体を不活性雰囲気下、650〜720℃の範囲の温度に所定時間維持して焙焼する。このようにすると、前記筐体に収容されているセパレータ及び電解液を構成する有機化合物が分解されて気化する。しかし、本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、前記筐体に開口部が形成されているので、気化した有機化合物は該開口部から該筐体外に放出され、爆発(破裂)することがない。
従って、本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、100〜250℃の温度に加熱して第1の焙焼を行ってセパレータ及び電解液を構成する有機化合物を分解することなく、開口部が形成された該筐体を、不活性雰囲気下、一挙に650〜720℃の範囲の温度に所定時間維持して焙焼することにより、前記有機化合物の除去と同時に、リチウムイオン電池に正極活物質として含まれるリチウム化合物を還元して容易に炭酸リチウムの形態とすることができる。
前記焙焼の温度が650℃未満であるときには、リチウムイオン電池に正極活物質として含まれるリチウム化合物を十分に還元することができないことがある。一方、前記焙焼の温度が720℃超であるときには、リチウム化合物の還元により生成した炭酸リチウムが溶融して塊状物となるため、別途該塊状物を粉砕する必要が生じる。
本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、前記範囲の温度で焙焼されたリチウムイオン電池を破砕し、篩分けすることにより、該焙焼によりリチウム化合物が還元されて生成した炭酸リチウムを粗炭酸リチウムとして得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、次に、前記粗炭酸リチウムに、難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物溶液を添加する。このようにすると、前記金属水酸化物を構成する金属が炭酸と反応して難溶性炭酸塩を生成する一方、前記粗炭酸リチウムに含まれるリチウムが水酸化リチウムに転換されて溶解し、水酸化リチウム溶液を得ることができる。このとき、前記粗炭酸リチウムは、リチウムの他に、前記電解液由来のフッ素やリン酸を含むことがあるが、前記電解液由来のフッ素やリン酸の化合物は前記金属水酸化物を構成する金属と反応してそれ自体難溶性塩を形成し、あるいは前記難溶性炭酸塩に捕捉されるので、純度の高い水酸化リチウム溶液を得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、次に、前記水酸化リチウム溶液に炭酸ガスを供給する。このようにすると、前記水酸化リチウムが炭酸と反応して生成した炭酸リチウムが前記水酸化リチウム溶液中に析出する。そこで、析出した炭酸リチウムを回収することにより、リチウムイオン電池からリチウムを低コストかつ高収率で回収することができる。
本発明のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法において、前記筐体に開口部を形成する工程は、該筐体に機械的に破孔を形成することにより行ってもよく、該筐体の少なくとも一部を分解することにより行ってもよい。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態において、リチウムを回収する対象となるリチウムイオン電池は、電池製品としての寿命の消尽した使用済みのリチウムイオン電池、製造不良等の原因により廃棄されたリチウムイオン電池等であってもよく、未使用のリチウムイオン電池であってもよい。
前記リチウムイオン電池は、一般に、正極と負極とがセパレータを介して重ね合わされた状態で、電解液と共にアルミニウム等からなる金属製筐体に収容されている。前記正極はアルミニウム箔等からなる正極電極板に正極活物質が塗布されており、前記負極は銅箔等の負極電極板に負極活物質が塗布されている。
前記正極活物質は、例えば、前記リチウム化合物として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミン酸リチウム等のリチウムと他の金属との複合酸化物を含んでおり、前記負極活物質は、例えば、炭素を含んでいる。また、前記電解液は、例えば、六フッ化リン酸リチウム等の電解質が有機溶媒に溶解されている。
本実施形態のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、まず、前記リチウムイオン電池の筐体に開口部を形成する。前記開口部の形成は、該筐体に機械的に破孔を形成することにより行ってもよく、該筐体の少なくとも一部を分解することにより行ってもよい。前記筐体に機械的に破孔を形成する操作は、例えば、所定の間隔を存して平行に配置される一方、互いに反対方向に回転する二軸のギヤを備えるギアクラッシャー等の装置を用いて行うことができる。
また、前記筐体に前記開口部が形成された前記リチウムイオン電池は、例えば塩水中に所定時間浸漬することにより、放電することが好ましい。前記リチウムイオン電池を放電しておくことにより、後工程における爆発(破裂)を回避することができる。
尚、本実施形態では、前記筐体に機械的に破孔を形成する操作を塩水中で行うことにより、開口部(破孔)の形成と放電とを同時に行うことができるので好ましい。
本実施形態のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、次に、筐体に開口部が形成された前記リチウムイオン電池を、不活性雰囲気下、600℃以上、好ましくは650〜720℃の範囲の温度に加熱して、焙焼する。このようにするときには、前記筐体に収容されているセパレータ及び電解液を構成する有機化合物が分解されて気化するが、本実施形態では、該筐体に開口部が形成されているので、気化した有機化合物は該開口部から該筐体外に放出され、爆発(破裂)することがない。また、本実施形態のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、前記焙焼を不活性雰囲気下で行うことにより、前記正極活物質に含まれるリチウム化合物が還元されて炭酸リチウムが生成する。
本実施形態のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、次に、焙焼されたリチウムイオン電池を粉砕し、篩分けすることにより、前記炭酸リチウムと、前記筐体、正極電極板、負極電極板、セパレータ等とが分離され、篩下に前記炭酸リチウムを粗炭酸リチウムとして得ることができる。前記リチウムイオン電池の粉砕は、例えば、二軸式破砕機等を用いて行うことができる。また、前記篩い分けは、例えば目開き0.5〜2mmの範囲の振動篩機を用いて行うことができる。
尚、前記粗炭酸リチウムは、前記電解液由来のフッ素やリン酸の化合物の他、前記複合酸化物に由来するニッケル、コバルト等の金属を含んでいる。
本実施形態のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、次に、前記粗炭酸リチウムに、難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物溶液を添加する。前記難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム又は水酸化バリウムからなる群から選択される1種の金属水酸化物を用いることができるが、分子量が小さく、安価であることから水酸化カルシウムであることが好ましい。
このようにすると、前記金属水酸化物を構成する金属が炭酸と反応して難溶性炭酸塩が生成する一方、前記粗炭酸リチウムが水酸化リチウムに転換されて溶解し、水酸化リチウム溶液を得ることができる。このとき、前記電解液由来のフッ素やリン酸の化合物は前記金属水酸化物を構成する金属と反応してそれ自体難溶性塩を形成し、あるいは前記難溶性炭酸塩に捕捉されるので、純度の高い水酸化リチウム溶液を得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン電池からのリチウムの回収方法では、次に、前記水酸化リチウム溶液を濾過して、前記難溶性炭酸塩や前記粗炭酸リチウムに含まれるニッケル、コバルト等の金属を濾過残渣として除去し、得られた第1の濾液に炭酸ガスを供給する。前記第1の濾液に対する前記炭酸ガスの供給は、前記第1の濾液中に炭酸ガスをバブリングする等の公知の方法により行うことができる。
このようにすると、水酸化リチウムと炭酸ガスとが反応して炭酸リチウムが生成し、該炭酸リチウムが析出する。そこで、前記炭酸リチウムを含む第1の濾液を加熱した後、該第1の濾液から前記炭酸リチウムを濾別して回収する。前記炭酸リチウムを含む溶液は高温になるほど炭酸リチウムの溶解度が小さくなるので、前記第1の溶液の温度は装置の耐熱性の範囲で高いほど好ましく、例えば、60℃とすることができる。
また、前記のように炭酸リチウムの溶解度を小さくしたとしても、前記炭酸リチウムを濾別した後の第2の濾液は微量の炭酸リチウムを含んでいる。そこで、前記炭酸リチウムを濾別した後の第2の濾液を前記難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物の溶媒に用いることにより、さらにリチウムの回収率を高くすることができる。
また、本実施形態では、前記水酸化リチウム溶液を濾過することにより得られる濾過残渣を洗浄することにより、ニッケル、コバルト等の金属を回収することができる。また、前記濾過残渣を洗浄することにより得られた洗浄濾液を前記難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物の溶媒に用いることによっても、リチウムの回収率を高くすることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、リチウムイオン電池5kgを塩水中で放電した後、該リチウムイオン電池の筐体に開口装置により開口した。該リチウムイオン電池を内容量20リットルのキルンに投入し、窒素(N)気流中、加熱温度を700℃に設定し焙焼試験を実施した。キルンの温度が700℃に達した後、該温度に2時間維持し、その後、キルンの温度を100℃以下まで冷却し焙焼試験を終了した。この間、該電池が破裂することはなかった。
次に、焙焼したリチウムイオン電池を破砕機で破砕し、目開き1mmの篩で篩分けすることにより、篩下に粗炭酸リチウム1.83kgを得た。前記粗炭酸リチウム中のリチウム濃度は6.5質量%であった。
次に、前記粗炭酸リチウム1gを分取し、1リットルの水に溶解し、炭酸リチウム水溶液を得た。前記炭酸リチウム水溶液の濃度は53.3mg/リットルであり、溶出率は82%であった。
次に、前記粗炭酸リチウム100gを分取し、水酸化カルシウム30gと水500ミリリットルとを添加し、1時間撹拌した後ろ過して、水酸化リチウム水溶液としてのろ液420ミリリットルを得た。前記ろ液(水酸化リチウム水溶液)のリチウム濃度は10.5g/リットルであった。
また、前記ろ過の残渣を500ミリリットルの水で洗浄し、洗浄後液490ミリリットルを得た。前記洗浄後液のリチウム濃度は1.45g/リットルであった。
次に、前記リチウム濃度10.5g/リットルのろ液(水酸化リチウム水溶液)420ミリリットルに炭酸ガスを吹き込み、水酸化リチウムを炭酸リチウムとして沈殿させ、60℃に加熱した後、ろ過して炭酸リチウム19.4g(乾燥重量)と、ろ液400ミリリットルを得た。このときのろ液のリチウム濃度は、1.9g/リットルであった。
本実施例において、前記粗粗炭酸リチウム中のリチウム濃度は6.5質量%であり、理論的に回収可能な炭酸リチウムは34.6gである。従って、本実施例における炭酸リチウムの収率は、56%であった。
〔比較例1〕
本比較例では、リチウムイオン電池5kgを塩水中で放電した後、該リチウムイオン電池の筐体に開口装置により開口した。該リチウムイオン電池を内容量20リットルのキルンに投入し、窒素(N)気流中、加熱温度を550℃に設定し焙焼試験を実施した。キルンの温度が550℃に達した後、該温度に2時間維持し、その後、キルンの温度を100℃以下まで冷却し焙焼試験を終了した。この間、該電池が破裂することはなかった。
次に、焙焼したリチウムイオン電池を破砕機で破砕し、目開き1mmの篩で篩分けすることにより、篩下に粗炭酸リチウム1.80kgを得た。前記粗炭酸リチウム中のリチウム濃度は6.5質量%であった。
次に、前記粗炭酸リチウム1gを分取し、1リットルの水に溶解し、炭酸リチウム水溶液を得た。前記炭酸リチウム水溶液の濃度は31mg/リットルであり、溶出率は48%であった。
本比較例から、焙焼温度が600℃未満の550℃では、焙焼温度を700℃とした実施例1に対し、炭酸リチウム水溶液の濃度及び溶出率が低くなることが明らかである。
〔比較例2〕
本比較例では、リチウムイオン電池5kgを塩水中で放電した後、該リチウムイオン電池の筐体に開口装置により開口した。該リチウムイオン電池を内容量20リットルのキルンに投入し、大気雰囲気下、加熱温度を700℃に設定し焙焼試験を実施した。キルンの温度が700℃に達した後、該温度に2時間維持し、その後、キルンの温度を100℃以下まで冷却し焙焼試験を終了した。この間、該電池が破裂することはなかった。
次に、焙焼したリチウムイオン電池を破砕機で破砕し、目開き1mmの篩で篩分けすることにより、篩下に粗炭酸リチウム1.75kgを得た。前記粗炭酸リチウム中のリチウム濃度は5.9質量%であった。
次に、前記粗炭酸リチウム1gを分取し、1リットルの水に溶解し、炭酸リチウム水溶液を得た。前記炭酸リチウム水溶液の濃度は22mg/リットルであり、溶出率は37%であった。
本比較例から、焙焼温度が600℃未満の550℃では、焙焼温度を700℃とした実施例1に対し、炭酸リチウム水溶液の濃度及び溶出率が低くなることが明らかである。
本比較例から、焙焼温度を700℃としても、大気雰囲気下で焙焼を行うときには、窒素(N)気流中で焙焼を行う実施例1に対し、炭酸リチウム水溶液の濃度及び溶出率が低くなることが明らかである。
〔参考例1〕
本参考例では、リチウムイオン電池5kgを塩水中で放電した後、該リチウムイオン電池の端子部の排圧弁1ヶ所のみを開口(径約2mm)した。該リチウムイオン電池を管状炉に投入し、窒素(N)気流中、加熱温度を700℃に設定し焙焼試験を実施した。管状炉の温度が500℃近辺に達したとき、リチウムイオン電池が破裂したため、試験を中止した。

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、両極間に配置されたセパレータと、電解液とが金属製の筐体に収容されたリチウムイオン電池からリチウムを回収する方法において、
    該筐体に塩水中で開口部を形成する工程と、
    開口部が形成された該筐体を、不活性雰囲気下、650〜720℃の範囲の温度に所定時間維持して焙焼する工程と
    前記範囲の温度で焙焼されたリチウムイオン電池を破砕し、篩分けすることにより粗炭酸リチウムを得る工程と、
    該粗炭酸リチウムに、難溶性炭酸塩を生成し得る金属水酸化物溶液を添加し、水酸化リチウム溶液を得る工程と、
    該水酸化リチウム溶液に炭酸ガスを供給し、析出した炭酸リチウムを回収する工程とを備えることを特徴とするリチウムイオン電池からのリチウム回収方法。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン電池からのリチウム回収方法において、前記筐体に開口部を形成する工程は、該筐体に機械的に破孔を形成することにより行うことを特徴とするリチウムイオン電池からのリチウム回収方法。
  3. 請求項1記載のリチウムイオン電池からのリチウム回収方法において、前記筐体に開口部を形成する工程は、該筐体の少なくとも一部を分解することにより行うことを特徴とするリチウムイオン電池からのリチウム回収方法。
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