以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、正面視で上下方向に長い矩形状の枠体である外枠10を有する。外枠10の内側には、本体枠11がその左端縁を軸として前方から片開き自在に取り付けられている。本体枠11の前面側における上半分の部分に遊技盤2が設けられている。
遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠12によって前面を保護されている。前面枠12は、本体枠11の前面側に対して、その左端縁を軸として前方からら片開き自在に取り付けられている。本体枠11における遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠12の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。スピーカ48は、BGM等の曲、遊技演出に登場するキャラクタのセリフ等の音声、各種の効果音を出力することで、各種の演出を実行する。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置37(図3参照)によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。センター飾り8は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の略中央に配置されている。表示画面28は、例えばLCD等によって構成され、様々な映像を表示可能である。本実施形態では、表示画面28は、大当り判定の結果を報知する演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(例えば3つ)の演出図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
センター飾り8の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14の下方には、第二大入賞口17が設けられている。センター飾り8の右斜め下方には、普通図柄作動ゲート13が設けられている。普通図柄作動ゲート13の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15の左斜め下方には、第一大入賞口16が設けられている。第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17は、それぞれ開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放された場合にのみ、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17のそれぞれに入賞することができる。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LEDを備える。
本実施形態では、第一始動口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される。第一大当たり判定では、大当たり及びはずれのいずれであるかが、大当たり乱数に基づいて判定される。第一大当たり判定において大当たりであると判定されると、第一大入賞口16の開閉部材及び第二大入賞口17の開閉部材が所定の順で開放される大当たり遊技が実行される。第二大入賞口17の内部には、特定の領域が設けられている。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が特定の領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。確率変動状態とは、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が通常よりも高くなる状態である。本実施形態では、生起された確率変動状態は、確率変動状態における大当たり判定の実行回数が所定の回数に達することで、いわゆる回数切り確変機能の作動によって終了する。
普通図柄作動ゲート13を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われ、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定において当たりであると判定されると、第二始動口15の開閉部材が開放される。第二始動口15へ遊技球が入賞すると、第二大当り判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される。第二大当たり判定において大当たりであると判定されると、上記と同様の大当たり遊技が実行される。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、CPU51による演算処理で得られたデータを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ73及び第二始動口スイッチ74に接続している。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ73は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ74は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、演出等の総合的な制御を司るCPU581を備える。CPU581は、RAM582、ROM583、音制御回路591と電気的に接続する。RAM582は、CPU581による演算処理で得られたデータを一時的に記憶する。ROM583は、後述のサブ制御基板処理(図9参照)を実行させるプログラム、及び各種プログラムが使用するフラグやデータの初期値等を記憶する。
音制御回路591は、CPU581からの指示に基づいて音信号を再生し、音をスピーカ48に出力させる。音制御回路591は、例えば、音処理用のLSI等によって構成されていてもよい。音制御回路591は、ROM593と電気的に接続する。ROM593は、再生される音信号の元データである圧縮音データを記憶する。具体的には、ROM593は、パチンコ機1で用いられる、BGM一曲分の音楽、セリフ音声、予告音、各種の通知音等の各種音データを、圧縮音データとして予め格納する。圧縮音データは、例えば所定のビット長のフレーズ番号で特定されるデータである。圧縮音データを、以下ではフレーズデータともいう。フレーズデータは、フレーズ番号に対応してそれぞれ記憶されている。本実施形態では、再生された場合に最大音量の音信号となる態様で記憶されている。それぞれのフレーズデータの示す最大音量を、以下では基準音量という。
サブ制御基板58は、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、各種電飾ランプの動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。操作ボタン9は、遊技者の操作に応じて検出信号をサブ制御基板58に出力する。スピーカ48は、サブ制御基板58から送信されるデジタルの音信号をアナログの音に変換して出力する。
払出制御基板45は、賞球及び賞球の払い出しの制御を司るCPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、特定領域ソレノイド72、普通図柄作動スイッチ75、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78及び図柄表示部24に接続している。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、大当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材を開閉する。特定領域ソレノイド72は、大当たり遊技の特定のラウンドにおいて第二大入賞口17内の特定の領域の開閉部材(図示せず)を開閉する。普通図柄作動スイッチ75は、普通図柄作動ゲート13を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ78は、特定の領域を通過した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、音制御回路591の概略内部構成について説明する。音制御回路591は、制御レジスタ591A、第1〜第nトラック処理部TR1〜TRn、ミキサー591Dを主に備える。制御レジスタ591Aは、CPU581と電気的に接続している。制御レジスタ591Aは、CPU581から受信するコマンドを解析し、第1〜第nトラック処理部TR1〜TRnのそれぞれに再生すべきフレーズデータの指定、指定したフレーズデータの再生指示、再生音の音量の指示等を行う。
第1〜第nトラック処理部TR1〜TRnは、第1トラック〜第nトラックのフレーズ再生トラックのそれぞれに対応した音について処理を行う。第1トラック処理部TR1は、デコーダ591B、トラックボリューム591Cを備えている。デコーダ591Bは、入力されるフレーズデータの再生指示に基づいて、ROM593から所望のフレーズデータを読み出し、フレーズデータの伸張処理(デコード)を行う。トラックボリューム591Cは、デコーダ591Bがデコードした再生音のデータについて、出力音量及びフェードイン/フェードアウト等を制御する。第1〜第nトラック処理部TR1〜TRnは、それぞれ同様に構成されている。図4では、第1トラック処理部TR1及び第nトラック処理部TRnのみを示し、他のトラック処理部は省略している。nは例えば16である。ミキサー591Dは、第1〜第nトラック処理部TR1〜TRnのそれぞれから出力された音信号を混合し、混合信号をスピーカ48に出力する。
図5を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルは、大当たり判定が第一大当たり判定及び第二大当り判定のいずれであるか、大当たり判定時の遊技状態(本実施形態では非時短状態又は時短状態)及び大当たり判定の結果(大当たり又ははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度に応じた複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。第一大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
なお、詳細は省略するが、変動パターン決定テーブルにおいて、第二大当り判定についても、遊技状態に応じて複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられている。主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動させる。また、主基板41は、変動パターン決定テーブルが参照されて決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御する。
図6を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図6に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート13、第一始動口14、第二始動口15、第一大入賞口16、第二大入賞口17、第二大入賞口17内の特定の領域及びその他入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に第一大入賞口16及び第二大入賞口17の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。本実施形態では、1回の大当たり遊技の最終ラウンドにおいて、第二大入賞口17が13秒又は0.3秒開放される。最終ラウンド以外のラウンドでは、第一大入賞口16が最大開放時間29秒で開放される。大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口17内の特定の領域を通過した場合には、スイッチ読込処理(S11)において、特定領域スイッチ78に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされていれば、後述する確率変動フラグが「ON」とされる。そして、一旦開放された第一大入賞口16及び第二大入賞口17は、最大開放時間の経過、及び所定個数の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。大当たり遊技が開始される場合、大当たり遊技が開始されることを示す大当たり遊技開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10)において、サブ制御基板58に送信される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、及び遊技状態の移行処理等が行われる。パチンコ機1において、RAM52に第一大当たり関係情報記憶エリア及び第二大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14へ遊技球が入賞した際に、第一始動口14への入賞による第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。第一保留球数とは、第一始動口14へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。本実施形態において、最大第一保留球数は「4」である。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。
パチンコ機1において、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかの変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかの変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄又は第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、スピーカ48等によっても、変動パターンと同期した報知演出を実行する。
第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同様である。第二始動口15へ遊技球が入賞した際に、第二始動口15への入賞による第二保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。第二保留球数とは、第二始動口15へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。
特別図柄処理では、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが生成される。また、特別図柄の変動時間の経過に伴い、特別図柄停止コマンドが生成される。生成されたこれらのコマンドは、RAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10)において、サブ制御基板58に送信される。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口15の開閉部材を開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ75が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率(99/100又は4/100)で判定される。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)及び情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示せず)に各種の情報が出力される。
図7を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されているフレーズテーブルについて説明する。フレーズテーブルは、ROM593に記憶されているフレーズデータのそれぞれを、音種別に応じて分類している。パチンコ機1において、「通常SE」、「BGMイントロ」、「BGMループ」、「セリフ」、「特別SE」、及び「通知音」の6つの音種別が設けられている。
「通常SE」には、演出に用いられる効果音等のフレーズデータが分類される。例えば、報知演出の期待度が比較的低い場合に実行される予告演出に伴う効果音等が、「通常SE」に分類される。予告演出とは、例えば、報知演出が開始されてから演出図柄が確定表示されるまでの間において、報知演出の期待度を示唆するために実行される各種の演出である。また、
「BGMイントロ」には、主に報知演出において用いられるBGMのうち、イントロ部分のフレーズデータが分類される。パチンコ機1では、報知演出において用いられるBGMが、イントロ部分のフレーズデータと、ループ部分のフレーズデータとを含む複数のフレーズデータで構成されている。イントロ部分とは、報知演出のBGMのうち導入部分のフレーズの部分であり、報知演出が開始されてから比較的短い期間に(例えば3秒から5秒程度の間)出力されるBGMの部分である。ループ部分とは、イントロ部分に引き続いて出力されるBGMの部分である。ループ部分のフレーズは、イントロ部分のフレーズが1回出力された後から、例えば1回の報知演出が終了するまでの間、繰り返し出力される。報知演出の実行時間は、報知演出の演出内容、報知演出の期待度、保留球数及び遊技状態等に応じて様々である。このため、報知演出の実行時間には、比較的短いものから、比較的長い時間のものがある(図5参照)。パチンコ機1では、BGMをイントロ部分のフレーズデータとループ部分のフレーズデータとに分けて構成することで、様々な報知演出の実行時間に対応したBGMを提供できる。
「BGMループ」には、主に報知演出において用いられるBGMのうち、ループ部分のフレーズデータが分類される。「セリフ」には、キャラクタのセリフ音声のフレーズデータが分類される。「特別SE」には、報知演出の期待度が比較的高い場合(例えば、期待度が40%以上の場合)に用いられる効果音のフレーズデータが分類される。「通知音」には、各種の通知音のフレーズデータが分類される。「通知音」のフレーズは、例えば、前面枠12又は本体枠11が開放していることを通知する音声、パチンコ機1に対する不正行為が発生した可能性があることを通知する音(例えばサイレン音)のフレーズである。
フレーズテーブルは、「フレーズ番号」、「基準音量」、「フェードパターン」の各項目を備える。「フレーズ番号」は、各音種別に分類されるフレーズデータがいずれのフレーズデータであるかを示す。「基準音量」は、各フレーズデータの基準音量を示す。「フェードパターン」は、フレーズデータの音量がフェードイン又はフェードアウトされる場合の音量の変化割合(フェードレート)のパターンがいずれのパターンであるかを示す。この他、フレーズテーブルに、「BGMループ」に分類されるフレーズデータの出力を繰り返す回数(ループ回数)を設定するための項目等が設けられていてもよい。
図8を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されているフェードパターンテーブルについて説明する。フェードパターンテーブルは、複数のフェードレートのパターンを定義する。各フェードパターンは、フレーズデータのフェードインが開始された時点から経過する経過時間に応じて変化する音量を定義している。パターン1は、音量を最小(基準音量に対して0%)から最大(基準音量に対して100%)まで、3000ms(3秒)で変化させる場合の音量を、50ms毎に定義している。パターン2は、音量を最小から最大まで、5000ms(5秒)で変化させる場合の音量を、50ms毎に定義している。パターン3は、音量を最小から最大まで、10000ms(10秒)で変化させる場合の音量を、100ms毎に定義している。サブ制御基板58のCPU581は、フレーズデータの出力音量をフェードインで変化させる場合、フェードパターンテーブルからいずれかのパターンを参照し、後述のイントロ再生時間カウンタ及びフェード経過時間カウンタによって計測される時間に応じて音量の制御を行う。なお、図8には、音量がフェードインする場合のパターンが示されている。図示しないが、フェードパターンテーブルは、音量がフェードインする場合のパターンを、同様の形式で定義してもよい。
図9から図16を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理と、本実施形態において実行される音の出力制御について説明する。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。パチンコ機1では、「BGMイントロ」のフレーズデータが再生される場合、所定のフェードレートで音量がフェードインされる。その後、「BGMループ」のフレーズデータが、「BGMイントロ」の再生終了時の音量及び「BGMイントロ」のフレーズデータのフェードレートを引き継いで、再生が開始される。以下では、このような「音量・フェード引継ぎ機能」について説明する。また、パチンコ機1では、再生中のフレーズデータの音量が切り替えられることがある。音量の切替えには、音量がフェードインされているフレーズデータについて、ある時点から音量のフェードアウトが開始される場合が該当する。また、音量の切替えには、音量が所定のフェードレートでフェードインされているフレーズデータについて、ある時点から所定のフェードレートとは異なるフェードレートでのフェードインが開始される場合が該当する。パチンコ機1は、このような音量の切替え時において、音量の変化を少なくして音量を滑らかに切り替える機能を有する。以下では、このような「音量切替え機能」についても説明する。
図9の示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したかが判断される(S22)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S22:NO)、処理はS26の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S22:YES)、主基板41から受信した変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが、RAM582に記憶される(S23)。変動パターンに応じた報知演出に関する画像表示処理を演出制御基板43に実行させるための報知演出制御コマンドが、RAM582に記憶される(S24)。
次いで、変動パターンに応じた報知演出に関する音を、音制御回路591に再生させるためのフレーズ指定情報が生成される(S25)。ここで生成されるフレーズ指定情報は、1回の報知演出に関する音の出力内容を示す情報である。フレーズ指定情報は、再生すべきフレーズデータを指定する情報及びフレーズデータの再生音量を指定する情報が、時系列に沿って構成された情報である。フレーズデータの再生音量を指定する情報には、音量をフェードイン又はフェードアウトさせる場合のフェードレートについての情報が含まれる。また、報知演出に関する音においては、「BGMイントロ」のフレーズデータの再生が開始されてから所定の時間が経過した後に「BGMループ」のフレーズデータの再生が開始されるように設定されている。このため、フレーズ指定情報には、「BGMループ」のフレーズデータの再生開始タイミングが、「BGMイントロ」のフレーズデータの再生開始からの経過時間で指定されている。生成されたフレーズ指定情報は、RAM582に記憶される。処理はS26の判断へ移行する。
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したかが判断される(S26)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S26:NO)、処理はS29の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S26:YES)、大当たり判定の判定結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させることで、報知演出が終了される(S27)。処理はS29の判断へ移行する。
次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したかが判断される(S29)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S29:NO)、処理はS32の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S29:YES)、大当たり遊技中の演出である大当たり遊技演出に関する画像表示処理を演出制御基板43に開始させるための報知演出開始コマンドが、RAM582に記憶される(S30)。次いで、大当たり遊技演出に関する音を、音制御回路591に再生させるためのフレーズ指定情報が生成され(S31)、RAM582に記憶される。処理はS32の判断へ移行する。
次いで、音に関するその他のコマンドを受信したかが判断される(S32)。音に関するその他のコマンドには、主基板41から送信される、音に関する各種のコマンドが含まれる。また、遊技者等の操作に応じて音が出力される場合があるが、このようなときに操作ボタン9から送信される検出信号も、その他のコマンドに含まれる。これらの音に関するコマンドを受信していない場合(S32:NO)、処理はS35へ移行する。これらの音に関するコマンドを受信した場合(S32:YES)、それぞれのコマンドに応じた音を、音制御回路591に再生させるためのフレーズ指定情報が、RAM582に記憶される(S33)。処理はS35へ移行する。
次いで、出力管理情報生成処理が実行される(S35)。出力管理情報生成処理は、出力管理情報を生成する処理である。出力管理情報は、第1トラック〜第nトラックのフレーズ再生トラックのそれぞれにおけるフレーズデータの再生状況及び再生している音の音量の状況についての情報である。出力管理情報生成処理は、サブ制御基板処理が実行される毎に実行される。すなわち、サブ制御基板58のCPU581は、出力管理情報生成処理を繰り返し実行することで、時間の経過に応じて出力管理情報を順次生成している。また、CPU581は、後述の音制御処理(S36)を実行する毎に、新たな出力管理情報を取得及び参照することで、第1トラック〜第nトラックにおける音の状況を常に把握している。
図10を参照して、出力管理情報生成処理(S35、図9参照)について詳細に説明する。出力管理情報生成処理が開始されると、フレーズ再生トラック毎の再生状況及びフレーズデータを特定するフレーズ番号が、各フレーズ再生トラックのデコーダ591Bから取得される(S41)。再生状況とは、そのフレーズ再生トラックでいずれかのフレーズデータが再生されているかを示す情報である。本実施形態では、「再生中」又は「停止中」のいずれかで示される。フレーズ番号は、そのフレーズ再生トラックのデコーダ591Bでデコードされた再生中のフレーズデータのフレーズ番号である。CPU581は、再生状況が「再生中」の場合、再生しているフレーズデータ及びフレーズテーブルに基づいて、フレーズデータに対応するフレーズ番号を取得する。
次いで、フレーズ再生トラック毎の現音量及びフェード状況が、各フレーズ再生トラックのトラックボリューム591Cから取得される(S42)。現音量とは、そのフレーズ再生トラックで現在再生されている再生音の出力音量である。本実施形態では、音量は、各フレーズデータの基準音量に対するパーセンテージで示される。フェード状況とは、再生音のデータについてフェードイン/フェードアウトが設定されているか、フェードイン/フェードアウトが設定されている場合にいずれのフェードパターンが設定されているかを示す情報である。
次いで、S41及びS42の処理で取得された情報に基づいて、出力管理情報が生成される(S43)。本実施形態では、図11に示す構成で、出力管理情報が生成される。出力管理情報は、第1トラック〜第nトラックのフレーズ再生トラックのそれぞれについての再生状況、フレーズ番号、現音量、フェードイン/フェードアウト、フェードパターン及び再生時間で示される。なお、再生時間とは、「BGMイントロ」のフレーズデータの再生が開始されてから経過した時間である。再生時間は、後述の音出力開始処理(図13参照)において、RAM582に記憶されているイントロ再生時間カウンタによって計測される。
図11の例に示すように、出力管理情報は、第1トラックにおいてフレーズ53のフレーズデータが再生中であり、その現音量が基準音量の60%であって、フェードパターンがパターン1であるフェードインが実行中であり、再生時間が3秒であることを示す。また、出力管理情報は、第2トラックにおいては、再生状況が「停止中」であり、いずれのフレーズデータも再生されていないことを示す。第3トラックから第nトラックについても同様に、フレーズ再生トラック毎に、再生状況、フレーズ番号、現音量、フェードイン/フェードアウト、フェードパターン及び再生時間が示されている。
次いで、生成された出力管理情報がRAM582に記憶される(S44)。このように、出力管理情報を生成することで、CPU581は、出力管理情報処理が実行された時点におけるフレーズ再生トラック毎のフレーズデータの再生状況及び再生している音の音量の状況を把握できる。また、出力管理情報が時間の経過に応じて繰り返し生成されるので、CPU581は、レーズ再生トラック毎のフレーズデータの再生状況及び再生している音の音量の状況を監視できる。処理はサブ制御基板処理(図9参照)へ戻る。
図9の説明に戻る。次いで、音制御処理が実行される(S36)。音制御処理では、フレーズ指定情報に応じて、音の出力が制御される。また、出力される音について、「音量・フェード引継ぎ機能」及び「音量切替え機能」が適用される。
図12を参照して、音制御処理(S36、図9参照)について詳細に説明する。音制御処理が開始されると、RAM582に記憶されているフレーズ指定情報が参照され、参照されたフレーズ指定情報の示すフレーズデータを再生させるための指示が、音制御回路591に送信される(S51)。なお、この処理において、S25(図9参照)の処理で生成されたフレーズ指定情報に基づいて出力指示が行われる場合には、イントロ開始フラグが「ON」とされる。イントロ開始フラグは、「BGMイントロ」に分類されるフレーズデータの再生が開始される状態であることを示すフラグであり、RAM592に記憶される。また、S51の処理で再生が指示される「BGMイントロ」に分類されるフレーズデータのフレーズ番号が、RAM592に記憶される。CPU581から指示を受信した音制御回路591は、第1〜第nトラック処理部TR1〜TRnのそれぞれに、フレーズデータを決定された音量に対応してデコードした音信号を、ミキサー591Dに送信させる。また、第1〜第nトラック処理部TR1〜TRnのそれぞれから送信された音信号をミキサー591Dに混合させ、混合信号をスピーカ48に送信させる。スピーカ48は、送信されたデジタルの音信号である混合信号を、アナログの音に変換して出力する。
次いで、音出力開始処理が実行される(S52)。音出力開始処理は、フレーズ指定情報に応じて新たに再生が開始されるフレーズデータの音量を調整するための処理である。先行する音のフレーズと、後続の音のフレーズとが一体になるように出力させたい場合には、先行するフレーズの音量と、後続のフレーズの再生開始時の音量とを同じ音量に合わせることが望ましい。先行するフレーズの音量がフェードイン又はフェードアウトされる場合、フェードイン又はフェードアウトが開始されてからの経過時間に応じて、先行するフレーズの音量が変化する。特に、パチンコ機1ではフェードレートの異なるフェードパターンが複数設けられている。このため、先行するフレーズのフェードパターン及び後続のフレーズの出力開始タイミングに応じて、先行するフレーズは様々な音量になる。パチンコ機1は、音出力開始処理を実行することで、「音量・フェード引継ぎ機能」を発揮する。パチンコ機1は、「音量・フェード引継ぎ機能」を有することで、先行するフレーズの音量がフェード制御されており、音量の特定が困難な場合でも、先行するフレーズと後続のフレーズとのつなぎ目において、音量が変化し難くすることができる。
図13を参照して、音出力開始処理(S52、図12参照)について詳細に説明する。音出力開始処理が開始されると、イントロ開始フラグが「ON」であるかが判断される(S61)。イントロ開始フラグが「ON」の場合(S61:YES)、RAM582が参照されて、再生が開始される「BGMイントロ」のフレーズデータのフレーズ番号が取得される(S62)。
次いで、ROM583に記憶されているフレーズテーブル(図7参照)が参照されて、S62の処理で取得されたフレーズ番号のフレーズデータに対応付けられているフェードパターンが特定される(S63)。そして、特定されたフェードパターンの内容が、ROM583に記憶されているフェードパターンテーブル(図8参照)の参照に応じて取得される(S64)。取得されたフェードパターンに基づいて音量のフェードインを開始させる指示が、音制御回路591に送信される(S65)。この指示を受信した音制御回路591は、「BGMイントロ」のフレーズデータを再生するフレーズ再生トラックに対応するトラックボリューム591Cに、指示されたフェードパターンでの音量のフェードインを開始させる。
次いで、イントロ再生時間カウンタによる再生時間の計測が開始される(S66)。イントロ再生時間カウンタは、RAM582に記憶されているタイマカウンタである。タイマカウンタは、時間を計測するために使用されるカウンタである。再生時間とは、「BGMイントロ」に分類されるフレーズデータの再生が開始されてからの経過時間である。
その後、イントロ再生中フラグが「ON」となる。イントロ再生中フラグは、「BGMイントロ」に分類されるフレーズデータが再生中であることを示すフラグであり、RAM592に記憶される。次いで、イントロ開始フラグが「OFF」となり(S69)、処理は音制御処理(図12参照)へ戻る。
一方、イントロ開始フラグが「OFF」の場合(S61:NO)、イントロ再生中フラグが「ON」であるかが判断される(S71)。イントロ再生中フラグが「ON」の場合(S71:YES)、再生されている「BGMイントロ」のフレーズデータに引き続いて「BGMループ」のフレーズデータの再生タイミングが到来しているかが判断される(S72)。この判断は、S66で計測を開始した再生時間が、フレーズ指定情報に指定されている「BGMループ」のフレーズデータの再生開始タイミングに到達しているかによって行われる。
「BGMループ」のフレーズデータの再生タイミングが到来している場合(S72:YES)、出力管理情報が取得される(S73)。CPU581は、出力管理情報生成処理(S35、図8参照)で生成された出力管理情報を、RAM582から取得する。出力管理情報が参照されて、現在再生中である「BGMイントロ」に分類されるフレーズデータのフレーズ番号が特定される(S74)。
次いで、出力管理情報に基づいて、特定されたフレーズ番号のフレーズデータの現音量が特定される(S75)。また、出力管理情報に基づいて、特定されたフレーズ番号のフレーズデータのフェードパターンが特定される(S76)。すなわち、再生中である「BGMイントロ」に分類されるフレーズデータの現音量及びフェードパターンが特定される。そして、新たに再生が開始される「BGMループ」のフレーズデータを、S74の処理で特定された現音量と同じ音量から、S75の処理で特定されたフェードパターンと同じフェードパターンで再生を開始させる指示が、音制御回路591に送信される(S78)。
「BGMループ」に分類されるフレーズデータの再生が開始されるのに伴って、「BGMイントロ」に分類されるフレーズデータの再生が終了される。このため、イントロ再生時間カウンタによる再生時間の計測が終了され、カウンタの値が「0」にクリアされる(S79)。その後、イントロ再生中フラグが「OFF」になり(S81)、処理は音制御処理(図12参照)へ戻る。
一方、イントロ再生中フラグが「OFF」の場合(S71:NO)、又は「BGMループ」のフレーズデータの再生タイミングが到来していない場合(S72:NO)、その他の音のフレーズデータの再生が開始される(S85)。なお、この時点で再生を開始させるフレーズデータがない場合には、S85の処理を行わなくてもよい。その後、処理は音制御処理(図12参照)へ戻る。
図12の説明に戻る。音出力開始処理が終了すると、音量制御処理が実行される(S53)。その後、フレーズ指定情報の指定、音出力開始処理(S52)におけるフレーズデータの再生開始時の音量等の設定、及び音量制御処理(S53)における音量切替えに関する設定に応じて、各フレーズデータの音を出力させるための指示が、音制御回路591に送信される(S54)。音制御回路591は、フレーズ指定情報の指定、音出力開始処理(S52)における設定、及び音量制御処理(S53)における設定に応じて音信号を再生し、音をスピーカ48に出力させる。その後、処理はサブ制御基板処理(図9参照)へ戻る。
音量制御処理では、フレーズデータが再生される際の音量の制御が行われる。音のフレーズの出力において、フレーズの音量がフェードイン又はフェードアウトされている場合に、フェードレートを異なるレートに切替えたり、フェードインとフェードアウトとを相互に切替えたりしたい場合がある。このような場合、音量の切替え時において、音量が変化することなく、フェードレートが切替えられたり、フェードインとフェードアウトとが相互に切り替えられたりすることが望ましい。フレーズの音量がフェードイン又はフェードアウトされている場合、フェードイン又はフェードアウトが開始されてからの経過時間に応じて、フレーズの音量が変化する。特に、パチンコ機1ではフェードレートの異なるフェードパターンが複数設けられている。このため、フレーズのフェードパターン及び音量切替えのタイミングによって、音量切替え時におけるフレーズの音量は様々になる。パチンコ機1は、音量制御処理を実行することで、「音量切替え機能」を発揮する。パチンコ機1は、「音量切替え機能」を有することで、フレーズの音量がフェード制御されており、音量の特定が困難な場合でも、音量切替え時において、音量が変化し難くすることができる。
図14を参照して、音量制御処理(S53、図12参照)の詳細について説明する。音量制御処理が開始されると、出力管理情報が取得される(S90)。CPU581は、出力管理情報生成処理(S35、図8参照)で生成された出力管理情報を、RAM582から取得する。再生中のフレーズデータの音量が切替えられるかが判断される(S91)。この判断は、フレーズ指定情報において、再生中のフレーズデータの音量を切替える指定がされている場合において、音量切替えのタイミングが到来しているかによって行われる。
再生中のフレーズデータの音量が切替えられる場合(S91:YES)、フレーズ指定情報において音量の切替えが指定されているフレーズデータが、出力管理情報において再生中であると示されているフレーズデータのうちいずれであるかが特定される(S92)。次いで、特定されたフレーズ番号のフレーズデータの再生音量が、フェードイン又はフェードアウトされているかが、出力管理情報に基づいて判断される(S94)。
特定されたフレーズ番号のフレーズデータの再生音量がフェードイン又はフェードアウトされている場合(S94:YES)、音量の切替えられるフレーズデータの現音量が、出力管理情報に基づいて特定される(S95)。そして、特定された現音量が取得される。また、音量切替え後のフレーズデータのフェードパターンがいずれのフェードパターンであるかが、フレーズ指定情報に基づいて特定される(S96)。そして、特定されたフェードパターンの内容が、フェードパターンテーブル(図8参照)の参照に応じて取得される(S98)。
その後、S95において取得されたフレーズデータの現音量から、S98において取得されたフェードパターンに基づいて、音量の切替えを開始させる指示が、音制御回路591に送信される(S99)。この指示を受信した音制御回路591は、該当するフレーズ番号のフレーズデータを再生するフレーズ再生トラックに対応するトラックボリューム591Cに、指示された音量から、指示された支持されたフェードパターンでの音量の切替えを開始させる。処理は音制御処理(図12参照)に戻る。
一方、特定されたフレーズ番号のフレーズデータの再生音量がフェードイン又はフェードアウトされていない場合(S94:NO)、所定の音量から音量の切り替えが開始される(S100)。その後、処理は音制御処理(図12参照)に戻る。フレーズデータの音量がフェードイン又はフェードアウトされず一定音量の場合には、例えばフレーズ指定情報に基づいて、予めその音量の特定することできるので、出力管理情報に基づいてフレーズの現音量を取得する必要はない。このため、S100の処理では出力管理情報に基づいて音量を取得しないこととしているが、S100の処理においても、出力管理情報に基づいてフレーズの現音量を取得してもよい。
一方、再生中のフレーズデータの音量が切替えられない場合(S91:NO)、出力管理情報に基づいて、「BGMループ」に分類されるフレーズデータが再生中であるかが判断される(S102)。「BGMループ」に分類されるフレーズデータが再生中でない場合(S102:NO)、フレーズ指定情報に基づいてフレーズデータの音量を制御する(S108)。具体的には、フレーズデータの音量を、フレーズデータに対して指定されている再生音量に制御する。再生音量を指定する情報にフェードイン又はフェードアウトについてのフェードパターンを示す情報が含まれていれば、フェードパターンテーブルに定義されているフェードレートで音量のフェード制御を行う。その後、処理は音制御処理(図12参照)に戻る。
「BGMループ」に分類されるフレーズデータが再生中である場合(S102:YES)、「BGMループ」に分類されるフレーズデータの音量が、そのフレーズデータの基準音量に到達しているかが判断される(S103)。この判断は、出力管理情報に示される「BGMループ」に分類されるフレーズデータの現音量と、フレーズテーブル(図7参照)において、このフレーズデータに定義されている基準音量との比較によって行われる。
「BGMループ」に分類されるフレーズデータの音量が基準音量に到達している場合(S103:YES)、「BGMループ」に分類されるフレーズデータの音量が基準音量に保たれ、例えばフレーズ指定情報に基づく所定回数繰り返し再生される(S104)。その後、処理は音制御処理(図12参照)に戻る。
一方、「BGMループ」に分類されるフレーズデータの音量が基準音量に到達していない場合(S103:NO)、音量が基準音量に到達するまで、S78(図13参照)の処理で設定されたフェードパターンで、音量のフェードインが継続される(S105)。その後、処理は音制御処理(図12参照)に戻る。
図9の説明に戻る。音制御処理(S36)が終了されると、コマンド出力処理が行われる(S37)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、演出制御基板43、音制御回路等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、S24の処理でRAM52に記憶された報知演出制御コマンド、S30の処理でRAM52に記憶された大当たり遊技演出開始コマンド等である。その後、処理はS22の判断へ戻る。
図15を参照して、「音量・フェード引継ぎ機能」が発揮される場合の、「BGMイントロ」のフレーズデータ及び「BGMループ」のフレーズデータのそれぞれの音量の遷移を、「音量・フェード引継ぎ機能」が発揮されない場合と比較しつつ説明する。まず、「音量・フェード引継ぎ機能」が発揮される場合について説明する。この場合、まず、「BGMイントロ」のフレーズデータの音量がフェードインされる。図15では、「BGMイントロ」のフレーズデータに、フェードパターンテーブル(図8参照)に定義されているフェードパターンのうち、「パターン3」が適用されている例を示す。前述のように、パターン3は、音量を最小(基準音量に対して0%)から最大(基準音量に対して100%)まで、10000ms(10秒)で変化させるフェードパターンである。フレーズ指定情報には、「BGMイントロ」のフレーズデータの再生時間が5秒に達すると、「BGMループ」のフレーズデータの再生が開始されるように設定されているとする。
「BGMイントロ」のフレーズデータの再生時間が5秒に達すると、引き続いて、「BGMループ」のフレーズデータの再生が開始される。このとき、「BGMイントロ」のフレーズデータの再生時間が5秒に達したことに応じて(S72:YES)、出力管理情報が取得される(S73)。出力管理情報に基づいて再生中の「BGMイントロ」のフレーズデータが特定されて(S74)、対応するフレーズデータの現音量が特定される(S75)。図15では、「BGMイントロ」のフレーズデータの現音量が、点Pに示す「50%」と特定されるとする。これにより、「BGMループ」のフレーズデータの再生が、点Pに示す「50%」の音量から開始される。したがって、「BGMイントロ」のフレーズデータと「BGMループ」のフレーズデータとのつなぎ目である点Pにおいて、音量が変化しない。
この点、「BGMループ」のフレーズデータの再生開始時の音量が、出力管理情報によらず、例えば、基準音量の100%の音量と設定されている場合、点P以降の「BGMループ」のフレーズデータの音量は、直線Rに示すように遷移する。この場合、点Pにおいて基準音量の50%の音量から基準音量の100%の音量に、BGMの音量が急激に変化する。この場合、BGMを聴く者に違和感を与えたり、BGMの印象を耳ざわりの悪いものとしたりする可能性がある。パチンコ機1では、「音量・フェード引継ぎ機能」を備えることで、このようなフレーズデータ間のつなぎ目における音量の変化が生じないようにしている。これにより、パチンコ機1は、遊技者にBGMに対する印象を低下させることなく、また、遊技者に快適に遊技を進行させることができる。
また、「音量・フェード引継ぎ機能」が発揮される場合、「BGMイントロ」のフレーズデータの再生時間が5秒に達したことに応じて(S72:YES)、対応するフレーズデータのフェードパターンが特定される(S76)。「BGMイントロ」のフレーズデータに引き続いて再生される「BGMループ」のフレーズデータは、特定されたフェードパターンで、基準音量の100%まで音量がフェードインされる。この場合、図15に示すように、「BGMイントロ」のフレーズデータの音量変化を示す一点鎖線と、「BGMループ」のフレーズデータの音量変化を示す直線Qとが、同じ勾配になる。このように、「BGMイントロ」のフレーズデータから「BGMループ」のフレーズデータへ、BGMが同じフェードレートで連続的に移行するので、パチンコ機1は、「BGMイントロ」と「BGMループ」とを一体のBGMとして遊技者に聞かせることができる。
図16を参照して、フレーズデータの再生音量がある時点から切替えられる場合に、「音量切替え機能」が発揮される場合の音量の遷移を、「音量切替え機能」が発揮されない場合の音量の遷移と比較しつつ説明する。まず、「音量切替え機能」が発揮される場合について説明する。図16では、音量の切替えが行われる前において、「パターン3」が適用されたフェードインで音量が変化しているとする。また、音量の切り替えが行われた後においては、音量を最大(基準音量に対して100%)から最小(基準音量に対して0%)まで、10000ms(10秒)で変化させるフェードパターンで、音量がフェードアウトされるとする。フレーズ指定情報には、フレーズデータの音量のフェードインが開始されてから6秒が経過すると、上記のフェードパターンで音量のフェードアウトが開始されるように設定されているとする。フレーズデータのフェードインが開始されてから経過した時間は、イントロ再生時間カウンタと同様のタイマカウンタであるフェード経過時間カウンタによって計測され、RAM582に記憶されているとする。
フレーズデータの音量のフェードインが開始されてから6秒が経過すると、再生中の音のフレーズの音量が切替えられると判断される(S91:YES)。そして、音量の切り替えが指定されているフレーズデータのフレーズ番号が出力管理情報に基づいて特定される(S92)。そして、特定されたフレーズ番号のフレーズデータの再生音量が、フェードイン又はフェードアウトされているかが、出力管理情報に基づいて判断される(S94)。
図16の例の場合、フレーズデータの音量がフェードインされているので(S94:YES)、フレーズデータの現音量が、出力管理情報に基づいて取得される(S95)。図16では、点Sに示す「60%」と特定されたフレーズデータの現音量が取得されるとする。これにより、点Sに示す「60%」の音量から、音量切替えが開始される。したがって、フレーズデータの音量切替えの境目である点Sにおいて、音量が変化しない。
この点、フレーズデータの音量切替えの境目における音量が、出力管理情報によらず、例えば、基準音量の100%の音量と設定されている場合、点S以降のフレーズデータの音量は、直線Uに示すように遷移する。この場合、点Sにおいて基準音量の60%の音量から基準音量の100%の音量に、フレーズデータの音量が急激に上昇する。
同様に、フレーズデータの音量切替えの境目における音量が、出力管理情報によらず、例えば、基準音量の50%の音量と設定されている場合、点S以降のフレーズデータの音量は、直線Vに示すように遷移する。この場合、点Sにおいて基準音量の60%の音量から基準音量の50%の音量に、フレーズデータの音量が急激に低下する。
仮に、このようなフレーズデータの急激な音量変化が生ずると、フレーズデータに基づく音を聴く者に違和感を与えたり、音の印象を耳ざわりの悪いものとしたりする可能性がある。パチンコ機1では、「音量切替え引継ぎ機能」を備えることで、このようなフレーズデータの音量切替えの境目における音量の変化が生じないようにしている。これにより、パチンコ機1は、遊技者にパチンコ機1が出力する音に対する印象を低下させることなく、また、遊技者に快適に遊技を進行させることができる。
以上説明したように、パチンコ機1では、フレーズデータの音量が、時間の経過に応じて漸次変化するように、フェードイン又はフェードアウトされることがある。このような音量のフェード制御がなされているフレーズデータの音量が、演出等に応じて、フェードレートが切替えられたり、フェードインとフェードアウトとが相互に切替えられたりすることがある。パチンコ機1では、再生中のフレーズデータについて音量切替えが行われるかが判断される(S91)。再生中のフレーズデータについて音量切替えが行われる場合(S91:YES)、再生中のフレーズデータについて、音量のフェード制御がなされているかが判断される(S94)。音量のフェード制御がなされている場合(S94:YES)、このフレーズデータの現音量が取得される(S95)。これにより、音量がフェード制御されているフレーズデータについて、音量が切替えられる際の正確な音量が取得される。そして、取得された音量から、音量切替えが開始される(S99)。したがって、パチンコ機1は、音量がフェード制御されているフレーズデータの音量がさらに切替えられる場合であっても、音量切替えの境目において音量が変化することを防止できる。
パチンコ機1は、出力管理情報生成処理(図10参照)を実行することで、第1トラック〜第nトラックのフレーズ再生トラックのそれぞれにおけるフレーズデータの再生状況及び再生している音の音量の状況についての出力管理情報を生成する(S43)。パチンコ機1は、出力管理情報生成処理を繰り返し実行することで、時間の経過に応じて出力管理情報を順次生成している。よって、パチンコ機1は、音量がフェード制御されているフレーズデータの音量切替えの境目において、出力管理情報に基づいて、随時現音量を取得する(S95)。そして、取得された音量から、音量切替えが開始される(S99)。したがって、パチンコ機1は、音量がフェード制御されているフレーズデータの音量切替えのタイミングがいつ到来しても、音量切替えの境目において音量を滑らかに切替えて、音量の変化が生ずることを自動的に防止できる。
パチンコ機1は、サブ制御基板58のROM583にフェードパターンテーブルを記憶している。フェードパターンテーブルは、異なるフェードレートのフェードパターンを複数定義する。そして、フレーズ指定情報に基づいて、フェードパターンテーブルに定義されているフェードレートで、イントロ再生時間カウンタ及びフェード経過時間カウンタによって計測される時間に応じた音量のフェード制御が行われる。このようにして、パチンコ機1は、複数通りのフェード制御を行うことができる。パチンコ機1は、様々なフェード制御が行われる様々なフレーズデータについて、音量切替えの境目において音量を滑らかに切替えることができる。
本実施形態において、スピーカ48が、本発明の「出力手段」に相当する。図12のS54において各フレーズデータの音を出力させるための指示を音制御回路591に送信するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「出力制御手段」に相当する。14のS104、S105及びS108においてフレーズ指定情報に基づいてフレーズデータの音量を制御するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「音量制御手段」として機能する。図14のS91において再生中の音のフレーズデータの音量が切替えられるかを判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第一判断手段」として機能する。図14のS94において、フレーズデータの再生音量がフェードイン又はフェードアウトされているかを判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第二判断手段」として機能する。図14のS95において音量が切替えられるフレーズデータの現音量を取得するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「取得手段」として機能する。図14のS99において音量の切り替えを開始させるサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「開始手段」として機能する。
図10に示す出力管理情報生成処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「監視手段」として機能する。図10に示すS43において生成される出力管理情報が、本発明の「監視結果」に相当する。図8に示すフェードパターンテーブルが、本発明の「定義手段」に相当する。イントロ再生時間カウンタ及びフェード経過時間カウンタが、本発明の「計測手段」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、S95の処理において、音量の切替えられるフレーズデータの現音量が、出力管理情報に基づいて特定され、特定された現音量が取得される。音量の切替えられるフレーズデータの現音量を取得する手法はこれに限られない。例えば、CPU581は、音量が切替えられるフレーズデータのフェードパターンを、フレーズ指定情報に基づいて特定する。CPU581は、特定したフェードパターンの内容を、フェードパターンテーブルから取得する。そして、CPU581は、取得したフェードパターンの内容に基づいて、フェード経過時間カウンタによって計測された、フレーズデータのフェード制御が開始されてからの経過時間に応じた音量を取得する。これにより、パチンコ機1は、出力管理情報を生成していない場合でも、フェードパターンテーブルに複数定義されているフェードパターンのうちいずれかを参照することで、フレーズデータの音量切替えの境目における音量を取得できる。この場合、フェードパターンの内容に基づいて、フレーズデータのフェード制御が開始されてからの経過時間に応じた音量を取得するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「取得手段」として機能する。
また、この場合、パチンコ機1は、フレーズデータの音量のフェード制御が開始されてから、その音量が切替えられる時点までの時間を、フレーズ指定情報に基づいて取得してもよい。そして、取得した時間と、フレーズデータに適用されるフェードパターン(フェードレート)との関係から、フレーズデータの音量が切替えられる時点における音量が算出されてもよい。これにより、パチンコ機1は、フレーズデータの音量切替えの境目における音量を、フレーズデータの音量が切替えられる時点よりも前に取得できる。
「音量切替え機能」が適用される場面は、図16に示すような、音量がフェードインするフレーズデータが、音量をフェードアウトするように切替えられる場面のみに限られない。「音量切替え機能」は、例えば、音量がフェードアウトするフレーズデータが、音量をフェードインするように切替えられる場面にも適用できる。また、「音量切替え機能」は、音量が第一のフェードパターンでフェードインされているフレーズデータの音量が、第一のフェードパターンとは異なる第二のフェードパターンに切替えられる場面にも適用できる。また、「音量切替え機能」は、音量が第三のフェードパターンでフェードアウトされているフレーズデータの音量が、第三のフェードパターンとは異なる第四のフェードパターンでフェードアウトされる場面にも適用できる。これらの場合、フレーズデータの音量切替えの境目において、音量が変化することが防止される。
上記実施形態では、時間の経過に応じて出力管理情報が順次生成されており、最新の出力管理情報から、音量が切替えられるフレーズデータの現音量が取得される構成となっているが、これに限られない。例えば、再生中のフレーズデータの音量が切替えられる場合(S91:YES)、その都度、再生中のフレーズデータの音量が、対応するフレーズ再生トラックのトラックボリューム59から取得されてもよい。このようにして、音量が切替えられるフレーズデータの現音量が特定されても、パチンコ機1は、上記実施形態と同様の効果を奏する。
上記実施形態では、出力管理情報として、第1トラック〜第nトラックのフレーズ再生トラックのそれぞれについての再生状況、フレーズ番号、現音量、フェードイン/フェードアウト、フェードパターン及び再生時間を示す情報が生成される。出力管理情報は、これらすべての情報を含んでいなくてもよい。例えば、出力管理情報に、フェードパターンの情報が含まれなくてもよい。この場合であっても、出力管理情報に現音量及び再生時間を示す情報が含まれていれば、現音量と再生時間との関係に合致するフェードパターンを、フェードパターンテーブルに定義されているフェードパターンのうちから特定できる。
上記実施形態では、フレーズテーブルがROM583に記憶されているが、例えばROM593等、他の記憶装置に記憶されていてもよい。また、「音種別」、「基準音量」及び「フェードパターン」は、フレーズテーブルにおいてフレーズデータ毎に関連付けられて記憶されている構成に限られない。例えば、ROM593に記憶されている各フレーズデータのメタデータとして「音種別」、「基準音量」及び「フェードパターン」の情報が含まれている構成であってもよい。「基準音量」については、フレーズデータそのもの、又はデコーダ591Bによってフレーズデータがデコードされたデコードデータから都度特定する構成であってもよい。例えば、デコードデータにおいて、サンプリングされた波形のレベルを検出することで、フレーズデータの基準音量が特定される構成であってもよい。なお、デコードデータは、例えば、複数のサンプリング点を含む。サンプリング点の間隔は、予め定められたサンプリングレート(例えば、11.025kHz)に対応する。即ち、フレーズデータの音量は、個々のサンプリング点に対して決定される。決定された音量の最大値を抽出して、基準音量を特定してよい。
上記実施形態では、サブ制御基板処理が実行される度に出力管理情報生成処理(S35)が実行されて、その都度、新たな出力管理情報が生成されている。そして、その都度、音制御処理が実行されている。この他、例えば、出力管理情報の示す内容に変更が生ずる度に、音制御処理(S36)が実行される構成であってもよい。
上記実施形態では、音制御回路591の第1〜第nトラック処理部TR1〜TRnのそれぞれに、デコーダ591B及びトラックボリューム591Cが設けられているが、音制御回路591の構成はこれに限られない。例えば、1つのデコーダ591Bが複数のフレーズ再生トラックのそれぞれを指定してフレーズデータの再生可能であり、1つのトラックボリューム591Cが複数のフレーズ再生トラックのそれぞれを指定して出力音量調整を行う構成であってもよい。この場合には、音制御回路591に設けられるデコーダ591B及びトラックボリューム591Cは、それぞれ1つであってもよい。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、表示手段、可動手段、対応画像等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「出力手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。