以下、本発明に係る発射手段を備える遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。図1を参照し、パチンコ機1の機械的構成について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ機1の上下方向、左右方向、および表裏方向については、特に断りがない場合、遊技盤2の盤面の向きを基準とする。即ち、ホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向き(図1に示されるパチンコ機1の向き)が基準となる。以下では便宜上、図1紙面の表裏方向をパチンコ機1の前後方向として説明を行う。また、パチンコ機1に使用される装置や部品についても、パチンコ機1に組み付けられた場合の向きを基準に、上下方向、左右方向、および前後方向を規定するものとする。
図1に示すように、パチンコ機1の上段側には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は略正方形(図示略)であり、透明なガラス板を保持した前面枠11によって前面を保護される。前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って照明装置35が設けられる。遊技盤2の下段側には上皿5と下皿6が設けられる。上皿5は遊技盤2の下部に設けられ、発射装置37(図2参照)に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作されるボタン9が設けられる。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。発射ハンドル7は、遊技者による回転操作を受け付ける。遊技者が発射ハンドル7を操作すると、発射装置37は、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で遊技球を発射する。また、前面枠11の上部で左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられる。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、図柄表示装置8が配設される。図柄表示装置8は、LCDから構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備える。図柄表示装置8の左方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。図柄表示装置8の下方には、始動入賞口15が設けられる。始動入賞口15の下方には普通電動役物13が設けられる。普通電動役物13には開閉部材14が設けられる。遊技球は、開閉部材14が開放された場合(普通電動役物13が開放された場合)にのみ、普通電動役物13に入賞できる。普通電動役物13の下方には大入賞口18が配設される。大入賞口18には開閉部材19が設けられる。遊技球は、開閉部材19が開放された場合(大入賞口18が開放された場合)にのみ、大入賞口18に入賞できる。開閉部材14および開閉部材19はそれぞれ、普通電動役物開閉ソレノイド69および大入賞口開閉ソレノイド70(図2参照)によって、電気的に開閉される。
図柄表示装置8は、中央に表示画面28を備える。表示画面28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示する。表示画面28の略中央には、3つの演出図柄表示部281〜283が左右に並んで形成される。演出図柄表示部281〜283には、大当たり判定の結果を報知するための3つの演出図柄が表示される。パチンコ機1は報知演出を実行し、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。報知演出は、演出図柄表示部281〜283に、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる変動表示を行った後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを停止表示(確定表示)する一連の演出である。本実施形態では、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す演出図柄の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す3個の演出図柄による組合せである。また、大当たり判定の結果がはずれであることを示す演出図柄の組合せは、「767」「143」等、同じ数字を示す演出図柄が3個揃わない組合せである。
表示画面28の下部左側には、第一特別図柄記憶数表示部285が設けられ、表示画面28の下部右側には、第二特別図柄記憶数表示部286が設けられる。第一特別図柄記憶数表示部285には第一保留球数が最大4つまで表示される。第一保留球数は、始動入賞口15に入賞し、且つ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示部286には第二保留球数が最大4つまで表示される。第二保留球数は、普通電動役物13に入賞し、且つ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
表示画面28の上部には、普通図柄表示部284と、普通図柄記憶数表示部287が設けられる。普通図柄表示部284には、普通当たり判定の結果を報知するための普通図柄が表示される。本実施形態では、普通図柄は、例えば丸印である。普通当たり判定の結果が普通当たりであることを示す普通図柄は、例えば赤色の丸印である。普通当たり判定の結果がはずれであることを示す普通図柄は、例えば青色の丸印である。普通図柄の変動表示中には、赤色と青色の丸印が交互に表示される。普通図柄記憶数表示部287には普通保留球数が最大4つまで表示される。普通保留球数は、普通図柄作動ゲート12を通過し、且つ普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
遊技領域4の右斜め下部には図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、遊技情報表示器30、普通図柄表示器27、第一特別図柄表示器25、第二特別図柄表示器26、ラウンド数表示器29を備える。遊技情報表示器30、第一特別図柄表示器25、第二特別図柄表示器26、ラウンド数表示器29は、7セグメントLEDディスプレイである。7セグメントディスプレイは、LEDの点灯または消灯の組み合わせによってアルファベット、数字、記号等を表現可能な7つのセグメントと、LEDの点灯または消灯によって点を表現可能な1つのセグメントを含む。普通図柄表示器27は、4つのLEDを左右に並べた表示器である。
第一特別図柄表示器25、第二特別図柄表示器26はそれぞれ、第一特別図柄、第二特別図柄を表示する。第一特別図柄、第二特別図柄はそれぞれ、各セグメントを構成するLEDの点灯または消灯の組み合わせによって、第一大当たり判定、第二大当たり判定の結果を表示する。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり判定という。第一特別図柄および第二特別図柄を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、特別図柄という。普通図柄表示器27は、4つのLEDの点灯または消灯の組み合わせによって、普通当たり判定の結果と開閉部材14の開放パターンを表示する。ラウンド数表示器29は、大当たり遊技中のラウンド数を数字またはアルファベットにより表示する。遊技情報表示器30は、各セグメントを構成するLEDの点灯または消灯の組み合わせによって、第一保留球数、第二保留球数、普通保留球数、時短状態、確変状態等の遊技情報を表示する。
遊技領域4には、上記以外に、下アウト口36、各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技釘等が設けられる。遊技領域4を流下する遊技球のうち、始動入賞口15、普通電動役物13、大入賞口18、およびその他の入賞口のいずれにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、下アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。また、遊技盤2の背面側には、遊技の主制御、各種演出等を制御する制御部40(図2参照)が設けられる。
図2を参照し、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板60、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、電源基板42を備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主制御ユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム(メイン処理、図6参照)等を記憶したROM53が設けられる。主制御ユニット50には、割込信号発生回路57が接続される。割込信号発生回路57は4ms毎に割込信号を発生し、主制御ユニット50に出力する。主基板41は、割込信号の入力を契機にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介し、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動スイッチ72、第二始動スイッチ73に接続する。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動スイッチ72は、始動入賞口15に入賞した遊技球を検出する。第二始動スイッチ73は、普通電動役物13に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板60は、CPU61、RAM62、ROM63を備える。CPU61は、主基板41から送信されるコマンドに従って、報知演出の総合的な制御を行う。RAM62は、CPU61による演算処理で得られたデータを一時的に記憶する。ROM63は、報知演出を行うためのプログラム(サブ制御基板処理、図10参照)、およびプログラムが使用する各種フラグやデータの初期値等を記憶する。
サブ制御基板60は、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、ボタン9、スピーカ48に接続する。ランプドライバ基板46は電飾基板31に接続する。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って電飾基板31の駆動を制御し、遊技状態に応じて各種電飾ランプ(図示略)の発光等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。CGROM432は、各種演出に用いるための動画および静止画の画像データを記憶する。ボタン9は、遊技者の操作に応じて検出信号をサブ制御基板60に出力する。スピーカ48は、サブ制御基板60から送信されるデジタルの音信号をアナログの音に変換して出力する。
払出制御基板45は、CPU451等を備える。CPU451は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口開閉ソレノイド70、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75、図柄表示部24に接続する。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に普通電動役物13の開閉部材14を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口18の開閉部材19を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口18に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41と発射装置37に接続されており、各基板と発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。発射装置37は、一定間隔(例えば0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ向けて発射する。
図3を参照し、RAM52に確保される大当たり情報記憶エリア100について説明する。大当たり情報記憶エリア100には、第一大当たり情報記憶エリア110、第二大当たり情報記憶エリア120、判定エリア130が設けられる。判定エリア130には、大当たり判定時に、第一大当たり情報記憶エリア110または第二大当たり情報記憶エリア120で判定対象の記憶エリアの乱数が記憶される。第二大当たり判定は第一大当たり判定よりも優先される。なお、第二大当たり情報記憶エリア120の構成は、第一大当たり情報記憶エリア110の構成と同様である。第一大当たり情報記憶エリア110と、第二大当たり情報記憶エリア120は、特別図柄処理(S6、図6参照)において使用される。
第一大当たり情報記憶エリア110には、記憶エリア番号欄111、第一大当たり乱数欄112、第一特別図柄決定乱数欄113、第一変動パターン決定乱数欄114、ポインタ欄115が設けられる。遊技球が始動入賞口15に入賞すると、第一大当たり判定に関係し、その時点で計数される乱数取得カウンタのカウント値がそれぞれ取得される。各カウント値は、取得時に昇順に割り当てられる記憶エリア番号に対応する第一大当たり情報記憶エリア110の各欄に記憶される。第一大当たり乱数欄112には、第一大当たり判定に用いられる第一大当たり乱数が記憶される。第一特別図柄決定乱数欄113には、第一特別図柄の決定に用いられる第一特別図柄決定乱数が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄114には、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定に用いられる第一変動パターン決定乱数が記憶される。ポインタ欄115には、乱数が取得され、且つ未だ処理が行われていない記憶エリア番号を指し示すポインタが記憶される。ポインタは、乱数の取得順を示す保留1〜4の4つが設けられ、記憶エリア番号を、その値が小さい順に指し示す。
上記したように、第一保留球数の最大値は4である。遊技球が始動入賞口15に入賞した時、第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、記憶エリア番号欄111に記憶する記憶エリア番号の値が小さい順に、各欄に乱数が記憶される。CPU51は、保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数を判定エリア130に書き込み、ポインタを更新して、第一大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリア130に記憶される乱数に関する処理(具体的には、大当たり判定結果を報知する報知演出、大当たり判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、更新後の保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数が判定エリア130に書き込まれ、第一大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
第二大当たり情報記憶エリア120には、記憶エリア番号欄121、第二大当たり乱数欄122、第二特別図柄決定乱数欄123、第二変動パターン決定乱数欄124、ポインタ欄125が設けられる。遊技球が普通電動役物13に入賞すると、第二大当たり判定に関係し、その時点で計数される乱数取得カウンタのカウント値がそれぞれ取得される。各カウント値は、取得時に昇順に割り当てられる記憶エリア番号に対応する第二大当たり情報記憶エリア120の各欄に記憶される。第二大当たり乱数欄122には、第二大当たり判定に用いられる第二大当たり乱数が記憶される。第二特別図柄決定乱数欄123には、第二特別図柄の決定に用いられる第二特別図柄決定乱数が記憶される。第二変動パターン決定乱数欄124には、第二特別図柄の変動時間を示す第二変動パターンの決定に用いられる第二変動パターン決定乱数が記憶される。ポインタ欄125には、乱数が取得され、且つ未だ処理が行われていない記憶エリア番号を指し示すポインタが記憶される。ポインタは、乱数の取得順を示す保留1〜4の4つが設けられ、記憶エリア番号を、その値が小さい順に指し示す。
上記したように、第二保留球数の最大値は4である。遊技球が普通電動役物13に入賞した時、第二保留球数が4未満(0〜3)であれば、記憶エリア番号欄121に記憶する記憶エリア番号が小さい順に、各欄に乱数が記憶される。CPU51は、保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数を判定エリア130に書き込み、ポインタを更新して、第二大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリア130に記憶される乱数に関する処理(具体的には、大当たり判定結果を報知する報知演出、大当たり判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、更新後の保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数が判定エリア130に書き込まれ、第二大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
以下の説明では、第一大当たり乱数および第二大当たり乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり乱数という。また、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、変動パターン決定乱数という。また、第一大当たり情報記憶エリア110および第二大当たり情報記憶エリア120を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり情報記憶エリア100という。また、大当たり情報記憶エリア100に記憶された状態で大当たり判定が保留される大当たり乱数、および大当たり判定が保留される大当たり乱数とともに取得されて大当たり情報記憶エリア100に記憶される各種乱数を総称して保留乱数という。保留乱数のうち第一大当たり情報記憶エリア110に記憶される第一保留乱数の数は、第一保留球数に対応する。保留乱数のうち第二大当たり情報記憶エリア120に記憶される第二保留乱数の数は、第二保留球数に対応する。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり情報記憶エリア(図示略)が設けられる。普通当たり情報記憶エリアも、大当たり情報記憶エリア100と同様に構成される。
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。始動入賞口15へ遊技球が入賞すると、第一大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数および第一変動パターン決定乱数が取得され、第一大当たり判定が行われる。第一大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数および第一変動パターン決定乱数は、それぞれの各乱数に対応してRAM52の乱数取得カウンタのカウント値がそれぞれ読み出されることによって取得される。第一大当たり判定では、第一大当たり乱数が大当たりであるか、またははずれであるか判定される。第一特別図柄表示器25には、第一大当たり判定の結果と第一特別図柄決定乱数に基づき、複数の第一特別図柄のうちの1つが表示される。
その過程において、第一変動パターンに合わせた報知演出が実行される。報知演出では、表示画面28の演出図柄表示部281〜283において演出図柄の変動表示と停止表示が行われる。
パチンコ機1において、特別図柄の変動時間は、大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板60は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、変動パターン決定乱数に基づく変動パターンに従って、特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板60は、特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、特別図柄の変動時間が終了すると、特別図柄の変動を停止させ、所定の特別図柄停止表示時間(例えば0.8秒)の間、停止表示させる。サブ制御基板60は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄を停止表示させる。また、サブ制御基板60は、演出図柄による他、表示画面28、各種電飾ランプ、スピーカ48等によっても、変動パターンと同期した報知演出を実行する。
サブ制御基板60のCPU61が実行する報知演出は、変動パターンごとに複数種類の演出パターンが用意される。演出パターンは、表示画面28に表示する画像、映像等の種類、各種電飾ランプの点灯・点滅の態様、スピーカ48から発音する音声の種類等を様々に組み合わせた報知演出のパターンである。演出パターンには、短時間で終了する演出を複数組み合わせたパターン、変動表示の開始から終了まで一連の流れに沿った演出を行うパターン等がある。いずれのパターンにおいても、演出パターンは、演出の途中において、演出内容の変更が可能な演出分岐点を有する場合がある。演出分岐点を有する演出パターンは、演出分岐点において、例えば表示画面28にボタン9の操作を示唆する表示が行われる。CPU61は、遊技者がボタン9の操作を行った場合と行わなかった場合とで、演出分岐点以降の演出内容が異なるパターンの報知演出を行う。演出内容が異なるパターンとは、例えば、キャラクタがバトルを行う場面においてボタン9の操作が示唆され、遊技者がボタン9の操作を行った場合には主人公キャラクタが勝利し、行わなかった場合には主人公キャラクタが敗北する等のパターンである。なお、CPU61は、遊技者によるボタン9の操作の有無に関わらず、演出分岐点以降の演出内容が同じパターンの報知演出を行う場合もある。
報知演出中に始動入賞口15へ入賞した遊技球の数は、第一保留球数として、最大4つまでRAM52の保留球数記憶エリアに記憶される。第一保留球数は、主基板41のCPU51(図2参照)の制御によって、遊技情報表示器30に表示される。また、CPU51から第一保留球数を示すコマンドを受信したサブ制御基板60のCPU61(図2参照)の制御によって、表示画面28の第一特別図柄記憶数表示部285にも第一保留球数が表示される。第一大当たり判定の結果、大当たりであると判定されると、大入賞口18の開閉部材19が開放される大当たり遊技が実行される。
パチンコ機1は、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が約1/96である確率変動状態を、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。大当たり遊技終了後に、パチンコ機1は、「確率変動状態且つ時短状態」に移行する。確率変動状態且つ時短状態は、確変時短状態ともいう。第一特別図柄に基づく大当たり種別は、例えば、「2R確変」「5R確変」「10R確変」「15R確変」である。第二特別図柄に基づく大当たり種別は、例えば、「2R確変」「5R確変」「10R確変」「15R確変」の四種類である。パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に100%の割合で確率変動状態が生起され、非確率変動状態は生起されない。
大当たり種別の「R」は、1回の大当たり遊技中のラウンド数を示す。即ち、大当たり種別の種別名称に含まれる「2R」「5R」「10R」「15R」は、大当たり種別毎に予め定められているラウンド数を略記したものに対応する。例えば「10R確変」は、1回の大当たり遊技中に繰り返されるラウンド数が10ラウンドで、大当たり遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行する大当たりであることを示す。従って、遊技者が大当たり遊技において獲得できる賞品球数は、大当たり種別によって異なる。なお、「2R確変」では、大当たり遊技中に大入賞口17の開閉部材が2ラウンド分開閉されるが、他の大当たり遊技時と比べて開閉部材の開放時間が短いため、遊技球は入賞し難い。
パチンコ機1は、始動電動役物16の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、非時短状態よりも始動電動役物16の開閉部材が開放される割合が高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。大当たり遊技の終了後に確率変動状態に移行する場合、例えば100回の時短状態が生起される。よって大当たり遊技終了後に開始される確変時短状態が終了すると、パチンコ機1は「非確率変動状態且つ非時短状態」に移行する。非確率変動状態且つ非時短状態は、「通常状態」ともいう。非確率変動状態では、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率は、約1/299である。
普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われ、判定結果が普通図柄表示器27に表示される。普通当たり判定の結果は表示画面28の普通図柄表示部284にも表示される。普通図柄の変動表示中に普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球の数は、普通保留球数として、最大4つまでRAM52の保留球数記憶エリアに記憶される。普通保留球数は、主基板41のCPU51の制御によって、遊技情報表示器30に表示される。また、CPU51から普通保留球数を示すコマンドを受信したサブ制御基板60のCPU61の制御によって、表示画面28の普通図柄記憶数表示部287にも普通保留球数が表示される。普通当たり判定の結果、普通当たりであると判定されると、普通電動役物13の開閉部材14が開放される。
普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、第二大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数および第二変動パターン決定乱数が取得され、第二大当たり判定が行われる。第二大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数および第二変動パターン決定乱数は、それぞれの各乱数に対応してRAM52の乱数取得カウンタのカウント値がそれぞれ読み出されることによって取得される。第二大当たり判定では、第二大当たり乱数が大当たりであるか、またははずれであるか判定される。第二特別図柄表示器26には、第二大当たり判定の結果と第二特別図柄決定乱数に基づき、複数の第二特別図柄のうちの1つが表示される。
その過程において、第一大当たり判定の場合と同様に、第二変動パターンに合わせた報知演出が実行される。報知演出では、表示画面28の演出図柄表示部281〜283において演出図柄の変動表示と停止表示が行われる。報知演出中に普通電動役物13へ入賞した遊技球の数は、第二保留球数として、最大4つまでRAM52の保留球数記憶エリアに記憶される。第二保留球数は、主基板41のCPU51の制御によって、遊技情報表示器30に表示される。また、CPU51から第二保留球数を示すコマンドを受信したサブ制御基板60のCPU61の制御によって、表示画面28の第二特別図柄記憶数表示部286にも第二保留球数が表示される。第二大当たり判定の結果、大当たりであると判定されると、上記同様に、大入賞口18の開閉部材19が開放される大当たり遊技が実行される。
パチンコ機1は、大当たり判定の結果が大当たりである場合の報知演出中にボタン9の操作が行われた場合、所定の確率で、報知演出に追加する追加演出を行う。本実施形態のパチンコ機1は、追加演出として、大当たりであることを報知する音声データ150(図5参照)を再生し、いわゆる確定音または一発告知音と呼ばれる音を発音する演出を行う。パチンコ機1は、追加演出を行う契機となるボタン9の操作を報知演出中に示唆しない。従ってパチンコ機1は、報知演出中に演出内容の分岐を行うためボタン9の操作を受け付けている間、追加演出を行う処理を行わない。
追加演出の実施の有無は、図4に示す、ROM63に記憶される告知判定テーブル140に基づき、大当たり種別によって異なる確率で判定される。例えば大当たり種別が2R確変の場合、追加演出の実施の有無は、ボタン9が操作される度に1/50の確率で判定される。例えば大当たり種別が15R確変の場合、追加演出の実施の有無は、ボタン9が操作される度に1/10の確率で判定される。即ち、大当たり判定の結果、より多くの賞品球を獲得できる大当たり種別に決定されると、遊技者は、より高い確率で、追加演出が実施される機会を得ることができる。
パチンコ機1は、報知演出の演出内容とは関係なく遊技者のボタン9の操作に応じて追加演出を行うので、報知演出の終了間際(特別図柄の変動終了間際)に追加演出を開始する場合がある。図5に示すように、本実施形態の音声データ150は、例えば再生時間が約3.3秒のデータである。音声データ150からは、例えばスズムシの鳴き声のような「リリリリリ・・・」という音が再生される。従来の音声データ160(図13参照)は約9.9秒の再生時間を有する。音声データ150は、従来の音声データよりも再生時間の短いデータとして構成される。従来の音声データ160からは、「リリリリリ・・・」という音が3回繰り返された音が再生される。パチンコ機1は、音声データ150の再生を、報知演出の残り時間に応じた回数分繰り返し再生することで、従来と同等の追加演出を行うことができる。
図6〜図9を参照し、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶される制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図2参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51によって実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図6に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が実行される(S1)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてコマンド記憶エリアに記憶された制御コマンドである。
次に、スイッチ読込処理が実行される(S2)。スイッチ読込処理では、第一始動スイッチ72、第二始動スイッチ73、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75、その他の入賞口に設けられたスイッチ(図示略)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次に、カウンタ更新処理が実行される(S3)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶される各乱数取得カウンタのカウント値が所定量加算される。特別図柄と普通図柄の変動時間を計数するカウンタのカウント値が1減算される。
次に、特別電動役物処理が実行される(S5)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口18の開閉部材19の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。大当たり遊技が開始される場合、大当たり遊技が開始されることを示す大当たり遊技開始コマンドが生成され、コマンド記憶エリアに記憶される。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S1)において、サブ制御基板60に送信される。一旦開放された大入賞口18は、最大開放時間が経過するか、所定個数の遊技球が入賞すると閉鎖される。
次に、特別図柄処理が実行される(S6)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行等の処理が行われる(図7〜図9参照)。
次に、普通電動役物処理が実行される(S7)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作(主に普通電動役物13の開閉部材14の開閉動作)を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、普通電動役物13の開閉部材14を開放させる。なお、CPU51は、時短フラグがONとされていれば、時短状態中であると判断する。
次に、普通図柄処理が実行される(S8)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。普通当たり判定は、時短状態が生起されるか否かに応じて、それぞれの確率(時短状態中99/100、非時短状態中4/100)で判定される。
次いで、払出処理(S10)、エラーチェック(S11)、情報出力処理(S12)が実行される。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28、スピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。CPU51は、情報出力処理が終わると、メイン処理を終了する。
図7〜図9を参照し、特別図柄処理(S6、図6参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ記憶エリアには、特別図柄処理で使用されるフラグとして、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ等が記憶される。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に1が記憶されてONとなり、大当たり遊技中でない場合には0が記憶されてOFFとなる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄と第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動表示中)に1、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に2、いずれも変動表示中でも停止表示中でもない場合に0が記憶される。確変フラグは、確変状態中に1が記憶されてONとなる。時短フラグは、時短状態中に1が記憶されてONとなる。
図7に示すように、特別図柄処理が開始されると、始動入賞口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。始動入賞口15に設けられた第一始動スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S2、図6参照)において、第一始動スイッチ72に対応するフラグがONとなる。このフラグがONでない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S21:NO)、処理はS26へ移行する。始動入賞口15に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、フラグはOFFにされ、第一保留球数が4であるか否かが判断される(S22)。RAM52の保留球数記憶エリアに記憶されている第一保留球数が4であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS26へ移行する。
第一保留球数が4でない場合には(S22:NO)、第一保留球数に1が加算される(S23)。各種乱数が取得され、第一大当たり情報記憶エリア110における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S25)。具体的には、第一大当たり乱数欄112には第一大当たり判定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第一特別図柄決定乱数欄113には第一特別図柄決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第一変動パターン決定乱数欄114には第一変動パターン決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶される。
次に、普通電動役物13に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S26)。普通電動役物13に設けられた第二始動スイッチ73が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S2、図6参照)において、第二始動スイッチ73に対応するフラグがONとなる。このフラグがONでない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S26:NO)、処理はS36(図8参照)へ移行する。普通電動役物13に遊技球が入賞していれば(S26:YES)、フラグはOFFにされ、第二保留球数が4であるか否かが判断される(S27)。保留球数記憶エリアに記憶されている第二保留球数が4であれば(S27:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS36へ移行する。
第二保留球数が4でない場合には(S27:NO)、第二保留球数に1が加算される(S28)。各種乱数が取得され、第二大当たり情報記憶エリア120における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S30)。具体的には、第二大当たり乱数欄122には第二大当たり判定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第二特別図柄決定乱数欄123には第二特別図柄決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第二変動パターン決定乱数欄124には第二変動パターン決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶される。
次に、図8に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S36)。大当たり遊技状態フラグがONである場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S36:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグがOFFである場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S36:NO)、第一特別図柄または第二特別図柄が変動表示中であるか否かが判断される(S37)。特別図柄表示状態フラグが1でない場合、第一特別図柄および第二特別図柄が変動表示中でないと判断されて(S37:NO)、第一特別図柄または第二特別図柄が停止状態中であるか否かが判断される(S53)。特別図柄表示状態フラグが2でない場合は、第一特別図柄および第二特別図柄が停止表示中でないと判断されて(S53:NO)、処理はS61(図9参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図9に示すように、まず、第二保留球数が1以上であるか否かが判断される(S61)。第二保留球数が1以上である場合には(S61:YES)、第二大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が0である場合には(S61:NO)、第一保留球数が1以上であるか否かが判断される(S66)。第一保留球数が0であれば(S66:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が1以上である場合には(S66:YES)、第一大当たり情報記憶エリア110で保留1のポインタが指す記憶エリア番号に対応する各乱数が判定エリア130に書き込まれる(S67)。ポインタが更新され、第一保留球数が1減算される(S68)。
次いで、確変状態であるか否かに応じた第一大当たり判定が行われる(S70)。S70では、確変フラグの状態を参照して、現時点において確変状態が生起されているか否かが特定される。確変状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、確変時判定テーブルまたは非確変時判定テーブルが選択される。
図示しないが、ROM53には、第一大当たり判定および第二大当たり判定を行うためのテーブルとして、確変時判定テーブルと、非確変時判定テーブルとが設けられている。非確変時判定テーブルは、非確変状態中の第一大当たり判定および第二大当たり判定に用いられるテーブルである。非確変時判定テーブルには、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数および第二大当たり乱数の乱数値が定義されている。確変時判定テーブルは、確変状態中の第一大当たり判定および第二大当たり判定に用いられるテーブルである。確変時判定テーブルには、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数および第二大当たり乱数の乱数値が定義されている。大当たりに対応する乱数値は、非確変時判定テーブルよりも確変時判定テーブルにおいて多く定義されている。前述したように、非確変時判定テーブルにおいて大当たりと判定される乱数値の割合は1/299であり、確変時判定テーブルにおいて大当たりと判定される乱数値の割合は1/96である。
S70では、確変フラグがONの場合、確変状態が生起されていると判断され、確変時判定テーブルが選択される。確変フラグがOFFの場合、確変状態が生起されていないと判断され、非確変時判定テーブルが選択される。選択された確変時判定テーブルまたは非確変時判定テーブルが参照されて、S67で判定エリア130に書き込まれた第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第一大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S71)。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合(S71:YES)、大当たりであることを示す第一特別図柄が決定される(S72)。具体的には、第一大当たり情報記憶エリア110が参照されて、S67で判定エリア130に書き込まれた第一大当たり乱数と同時に取得された第一特別図柄決定乱数の値に対応する第一特別図柄が決定される。また、決定された第一特別図柄に応じた大当たり種別が決定される(S73)。その後、処理はS81へ移行する。第一大当たり判定の結果がはずれの場合(S71:NO)、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定されて(S75)、処理はS81へ移行する。
また、第二保留球数が1以上である場合に行われる第二大当たり判定では(S61:YES)、第二大当たり情報記憶エリア120で保留1のポインタが指す記憶エリア番号に対応する各乱数が判定エリア130に書き込まれる(S62)。ポインタが更新され、第二保留球数が1減算される(S63)。次いで、確変状態であるか否かに応じた第二大当たり判定が行われる(S65)。S65では、確変フラグの状態を参照して、現時点において確変状態が生起されているか否かが特定される。確変状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の確変時判定テーブルまたは非確変時判定テーブルが選択される。選択された確変時判定テーブルまたは非確変時判定テーブルが参照されて、S62で判定エリア130に書き込まれた第二大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S71)。第二大当たり判定の結果が大当たりの場合(S71:YES)、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S72)。具体的には、第二大当たり情報記憶エリア120が参照されて、S62で判定エリア130に書き込まれた第二大当たり乱数と同時に取得された第二特別図柄決定乱数の値に対応する第二特別図柄が決定される。また、決定された第二特別図柄に応じた大当たり種別が決定される(S73)。その後、処理はS81へ移行する。第二大当たり判定の結果がはずれの場合(S71:NO)、はずれであることを示す所定の第二特別図柄が決定されて(S75)、処理はS81へ移行する。
次いで、特別図柄変動パターン決定処理が行われる(S81)。特別図柄変動パターン決定処理は、第一変動パターンおよび第二変動パターンを決定する処理である。特別図柄変動パターン決定処理では、ROM53に記憶されている図柄変動パターン決定テーブル(図示略)のうち、大当たり判定が第一大当たり判定または第二大当たり判定であるか、大当たり判定時の遊技状態(通常状態または確変状態且つ時短状態)および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じたテーブルが参照されて、第一特別図柄または第二特別図柄の変動パターン(第一変動パターンまたは第二変動パターン)が決定される。
第一特別図柄または第二特別図柄の特別図柄変動パターンが決定されると、決定された特別図柄変動パターンを指定するための特別図柄変動パターン指定コマンドがコマンド記憶エリアに記憶される(S82)。特別図柄変動パターン指定コマンドには、大当たり図柄および大当たり種別、またははずれ図柄を指定するコマンドも含まれる。特別図柄変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S1、図6参照)において、中継基板47とサブ制御基板60に送信される。図柄表示部24の第一特別図柄表示器25または第二特別図柄表示器26は、第一特別図柄または第二特別図柄を変動表示する。サブ制御基板60のCPU61は、特別図柄変動パターン指定コマンドに基づき、表示画面28の演出図柄表示部281〜283に、演出図柄を変動表示する。特別図柄変動パターンに応じて決められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S83)。第一特別図柄または第二特別図柄が変動表示中であることを示す1が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S85)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図8に示すS37の判断において、特別図柄表示状態フラグに1が記憶されている場合には、第一特別図柄または第二特別図柄が変動表示中であると判断され(S37:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S38)。S83(図9参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタのカウント値が0でない場合、変動時間がまだ経過していないと判断され(S38:NO)、処理はメイン処理へ戻る。一方、特別図柄変動時間カウンタのカウント値が0となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S38:YES)、コマンド記憶エリアに特別図柄停止コマンドが記憶される(S50)。特別図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S1、図6参照)によって中継基板47とサブ制御基板60に送信される。図柄表示部24の第一特別図柄表示器25または第二特別図柄表示器26は、第一特別図柄または第二特別図柄を停止表示する。サブ制御基板60のCPU61は、特別図柄変動パターン指定コマンドに基づき、表示画面28の演出図柄表示部281〜283に、演出図柄を停止表示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S51)。第一特別図柄または第二特別図柄が停止表示中であることを示す2が特別図柄表示状態フラグに記憶され(S52)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S53の判断において、特別図柄表示状態フラグに2が記憶されている場合、第一特別図柄および第二特別図柄が停止表示中であると判断され(S53:YES)、S51においてセットされた特別図柄停止時間カウンタのカウント値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S55)。特別図柄停止時間カウンタのカウント値が0でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S55:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S55:YES)、第一特別図柄が変動表示中でも停止表示中でもなく、且つ第二特別図柄が変動表示中でも停止表示中でもないことを示す0が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S56)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S57)、処理はメイン処理へ戻る。
なお、詳細は省略するが、遊技状態移行処理では、大当たりと判定された場合に遊技を大当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御と、所定の終了条件が成立した場合に時短状態および確変状態を終了させるためのフラグの制御とが行われる。大当たり判定の結果が大当たりである場合、大当たり遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがコマンド記憶エリアに記憶され、コマンド出力処理(S1、図6参照)によってサブ制御基板60に送信される。なお、大当たり遊技開始前に時短状態であった場合、大当たり遊技中は非時短状態となり、時短フラグがOFFになる。確変状態および時短状態は、所定の終了条件が満たされていれば終了する。CPU51は、遊技状態を非確変状態且つ非時短状態(通常状態)へ移行する。
次に、図10〜図13を参照し、サブ制御基板60で行われるサブ制御基板処理の詳細について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、図柄表示装置8、各種電飾ランプ、スピーカ48等による報知演出を制御する処理が行われる。サブ制御基板処理は、ROM63に記憶されているプログラムに従って、CPU61によって実行される。
サブ制御基板処理で使用されるフラグおよびデータについて説明する。RAM62には、告知中フラグ、再生中フラグ、告知済フラグ、残時間(変数)、ループ回数(変数)等が記憶される。告知中フラグは、追加演出の実施中であるか否か判定するためのフラグである。追加演出の実施中、告知中フラグには1が記憶される。再生中フラグは、音声データ150の1回ごとの再生を行っている最中であるか否か判定するためのフラグである。音声データ150の再生中、再生中フラグには1が記憶される。告知済フラグは、1回の報知演出において追加演出を一度でも行ったか否か判定するためのフラグである。音声データ150の再生が一度でもなされると、告知済フラグに1が記憶される。残時間は、追加演出を行う時点での報知演出の残り時間を記憶する変数である。報知演出の残り時間は、特別図柄の変動時間の残り時間とほぼ等しい。ループ回数は、音声データ150を繰り返して再生する回数を記憶する変数である。
サブ制御基板処理が開始されると、サブ制御基板60のCPU61は、主基板41から特別図柄変動パターン指定コマンド、特別図柄停止コマンド、または大当たり遊技開始コマンドの受信を待機する(S101:NO、S103:NO、S106:NO、S101)。特別図柄変動パターン指定コマンドを受信すると(S101:YES)、CPU61は、報知演出制御処理を実行する(S102)。
報知演出制御処理では、演出図柄を用いて大当たり判定の判定結果を報知する報知演出の制御が演出パターンに応じた演出内容で行われる。図11に示すように、報知演出制御処理が開始されると、主基板41から受信した特別図柄変動パターン指定コマンドによって指定された特別図柄変動パターン(第一変動パターンまたは第二変動パターン)が、RAM62に記憶される(S111)。告知中フラグ、告知済フラグ、再生中フラグに0が記憶され(S112)、RAM62に記憶された特別図柄変動パターンに応じて報知演出が制御されて(S113)、報知演出が開始される。
報知演出中には、演出内容の分岐(変更)が可能な演出分岐点に到達しているか否か判断される(S115)。演出分岐点に達しておらず、演出内容の分岐が行われない場合(S115:NO)、告知済フラグが0であるか否かが判断される(S131)。追加演出が未だ行われておらず告知済フラグが0の場合(S131:YES)、ボタン9の操作が行われたか否かが判断される(S132)。ボタン9の操作が行われていなければ(S132:NO)、処理はS161に移行し、告知中フラグが1であるか否かが判断される(S161)。告知中フラグが0の場合(S161:NO)、処理はS163に移行する。演出パターンに従った報知演出の途中であれば(S163:NO)、処理はS115に戻る。
報知演出中、演出分岐点に到達し、演出内容の分岐が行われる場合(S115:YES)、表示画面28にボタン9の操作を示唆する演出画面が表示される(S116:NO、S117)。演出画面は動画でも静止画でもよい。また、スピーカ48から、ボタン9の操作を示唆する音声が出力されてもよいし、ボタン9の操作を示唆するLED等の点灯、点滅であってもよい。ボタン9の操作を示唆する演出において、ボタン9の操作を受け付ける前は(S118:NO)、処理はS161に移行して報知演出が継続される(S161:NO、S163:NO、S115)。ボタン9の操作を示唆する演出画面が表示されてからもボタン9の操作を受け付ける前は(S116:YES、S118:NO)、処理はS161に移行して報知演出が継続される(S161:NO、S163:NO、S115)。
ボタン9の操作を示唆する演出において、ボタン9の操作を受け付けたときに(S118:YES)、遊技者が示唆に従ってボタン9の操作を行った場合(S120:YES)、ボタン9の操作に応じた演出内容の報知演出が演出パターンに従って制御される(S121)。演出分岐点における処理は終了し、S161に移行して報知演出が継続される(S161:NO、S163:NO、S115)。遊技者が示唆に従わずボタン9の操作が行われなかった場合(S120:NO)、ボタン9の操作が示唆される前の演出内容を踏襲した報知演出が演出パターンに従って制御される(S122)。演出分岐点における処理は終了し、S161に移行して報知演出が継続される(S161:NO、S163:NO、S115)。
報知演出中、ボタン9の操作が示唆されていないときにボタン9が操作された場合(S115:NO、S131:YES、S132:YES)、特別図柄変動パターン指定コマンドに基づき、大当たり判定の結果が大当たりか否かが判定される(S133)。大当たり判定の結果がはずれの場合(S133:NO)、処理はS161に移行して報知演出が継続される(S161:NO、S163:NO、S115)。大当たり判定の結果が大当たりの場合(S133:YES)、ROM63の告知判定テーブル140(図4参照)が参照され、大当たり種別に応じた確率で、追加演出の実施の有無が判定される(S135)。追加演出(大当たり当選の告知)を実施しないと判定された場合(S136:NO)、処理はS161に移行して報知演出が継続される(S161:NO、S163:NO、S115)。
追加演出を実施すると判定された場合(S136:YES)、変動パターンに基づく報知演出の現時点での残り時間が算出され、RAM62の残時間(変数)に記憶される(S137)。次に残時間から猶予時間が減算される(S138)。サブ制御基板60は主基板41から送信される各種コマンドに従って動作する。図柄表示装置8を駆動する演出制御基板43も、サブ制御基板60から送信される各種コマンドに従って動作する。故に、特別図柄の変動と演出図柄の変動にはタイムラグが生ずる。猶予時間は、タイムラグを考慮し、確定音の再生を途中で停止させないために設けられる時間であり、例えば1秒である。
RAM62に記憶されるループ回数が0にリセットされ(S150)、残時間が、3.3秒以上か否かが判断される(S151)。残時間が3.3秒未満の場合(S151:NO)、音声データ150の再生時間より短いので、追加演出は行われない。処理はS161に移行して報知演出が継続される(S161:NO、S163:NO、S115)。残時間が3.3秒以上の場合(S151:YES)、音声データ150の少なくとも1回分の再生時間を確保できるので、ループ回数が1加算される(S152)。ループ回数は1になる。
次に、残時間が、6.6秒以上か否かが判断される(S153)。残時間が6.6秒未満の場合(S153:NO)、音声データ150の2回分の再生時間を確保できないので、ループ回数を1として、処理をS158へ移行する。残時間が6.6秒以上の場合(S153:YES)、音声データ150の少なくとも2回分の再生時間を確保できるので、ループ回数が更に1加算される(S155)。ループ回数は2になる。
次に、残時間が、9.9秒以上か否かが判断される(S156)。残時間が9.9秒未満の場合(S156:NO)、音声データ150の3回分の再生時間を確保できないので、ループ回数を2として、処理をS158へ移行する。残時間が9.9秒以上の場合(S156:YES)、音声データ150の3回分の再生時間を確保できるので、ループ回数が更に1加算される(S157)。ループ回数は3になる。告知中フラグと告知済フラグに1が記憶され(S158)、処理はS161に移行する。
告知中フラグが1であるので(S161:YES)、追加演出を行うため、確定音再生処理が実行される(S162)。図12に示すように、確定音再生処理では、再生中フラグが0であるか否かが判断される(S171)。再生中フラグが0の場合、その時点で確定音の再生が行われていないので、これから再生する確定音を変更するか否かが判断される(S172)。確定音を変更する処理は、例えば、確定音の音階を変更して再生する処理である。確定音を変更する判定は、例えば1/32でなされる。確定音を変更しない場合(S172:NO)、そのまま音声データ150の再生が開始される(S173)。確定音を変更する場合(S172:YES)、音声データ150の再生が、例えば1オクターブ上げた音階で開始される(S175)。ループ回数が1減算され(S176)、再生中フラグに1が記憶される(S177)。音声データ150の再生が開始されたので(S178:NO)、処理は報知演出制御処理に戻る。以後の確定音再生処理において、再生中フラグが1であり(S171:NO)、音声データ150が再生中であれば(S178:NO)、そのまま報知演出制御処理に戻り、追加演出による確定音の再生を行いながら、報知演出が継続される。
音声データ150の再生が終了すると(S178:YES)、再生中フラグに0が記憶される(S180)。ループ回数が0でなければ(S181:NO)、処理は報知演出制御処理に戻る。次回の確定音再生処理において、再生中フラグが0であるのでS172〜S177の処理が実行され、音声データ150の2回目の再生が開始される。音声データ150は報知演出の残り時間に応じた回数分、繰り返し再生される。ループ回数が0になると(S181:YES)、告知中フラグに0が記憶される(S182)。処理は報知演出制御処理に戻り、S163に進む。次回以降の報知演出では、確定音再生処理が実行されない。
図11に示すように、報知演出が終了すると(S163:YES)、変動表示中の演出図柄が仮停止表示される(S165)。仮停止表示は、演出図柄が一旦停止する表示状態である。演出図柄が仮停止表示されると報知演出が終了し、処理はサブ制御基板処理(図10参照)へ戻り、S103に移行する。
図10に示すように、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S103)。特別図柄停止コマンドを受信するまで、演出図柄は仮停止表示した状態に維持される。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S103:YES)、大当たり判定の判定結果を示し、仮停止表示されている演出図柄の組合せが停止表示される(S105)。
次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S106)。大当たり遊技開始コマンドを受信するまで、演出図柄は停止表示した状態に維持される。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S106:YES)、大当たり遊技が開始され、大当たり遊技に応じた演出の制御が行われる(S107)。大当たり遊技が終了すると、処理はS101の判断へ戻る。
以上説明したように、残り時間以内で再生可能な回数分、音声データ150を繰り返し再生することで、CPU61は、1つの音声データ150で残り時間の長さに応じた追加演出を実施することができる。故にパチンコ機1は、残り時間が少ないときでも追加演出を実施することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
1つの音声データ150を残り時間以内で実行可能な繰り返し回数分、再生することで、CPU61は、報知演出の残り時間の長さに応じた追加演出を実行することができる。故にパチンコ機1は、残り時間が少ないときでも追加演出を実行することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、CPU61は、1回分の音声データ150の再生終了時を区切り位置として追加演出の実行を終了するので、演出が途中で終了したような違和感を生じさせない。
CPU61は、例えば、音声データ150を3回繰り返して再生する場合の最後の再生時等、1回の再生を1区間とする複数回の繰り返し再生における区間の1つにおいて、例えば音声データであれば半音上げる等、音声データ150の再生形態を変更することができる。故にパチンコ機1は、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、従来の音声データ160の再生には約9.9秒必要であり、報知演出の残り時間が9.9秒以上なければ、遊技者は、追加演出が実施される機会を得ることができなかった。本実施形態の音声データ150であれば約3.3秒で1回分の再生が可能である。故に遊技者は、3回の繰り返し再生が可能な残り時間が足りない場合でも、1回もしくは2回の繰り返し再生による追加演出の実施機会を得ることができる。即ちパチンコ機1は、遊技者によるボタン9の操作に対し、より適切に応えて追加演出を実施することができる。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。報知演出制御処理のS135では、告知判定テーブル140の参照によって、大当たり種別に応じた確率で追加演出の実施の有無が判定されたが、大当たり種別に関わらず所定の確率で、追加演出の実施の有無が判定されてもよい。
追加演出は、音声データ150を再生する演出としたが、これに限らず、画像の表示、映像の表示、役物の駆動、ランプの点灯・点滅等、追加演出として各種演出が行われてもよい。
報知演出においてボタン9の操作を示唆する演出が行われていないとき、ボタン9が操作される度に、追加演出の実施の有無が判定された。これに限らず、ボタン9が所定時間継続して操作(所謂長押し)された場合に、追加演出の実施の有無が判定されてもよい。或いは、ボタン9が所定時間内に所定回数操作(所謂連打)された場合に、追加演出の実施の有無が判定されてもよい。もしくは、ボタン9を含む複数のボタン(例えば方向指示ボタン等)が所定順に操作(所謂コマンド入力)された場合に、追加演出の実施の有無が判定されてもよい。または、ボタン9が所定の受付期間において操作(所謂タイミング入力)された場合に、追加演出の実施の有無が判定されてもよい。
追加演出が一度実施された後、同じ変動において二度目の追加演出は実施されないが、報知演出の残り時間に応じて複数回の追加演出を実施できるようにしてもよい。確定音再生処理のS175では確定音の音階を変更する処理が行われたが、音階の変更に限らず、音量の変更であってもよいし、再生速度の変更であってもよい。或いは、複数パターンの音声データから適宜選択される音声データが再生される構成であってもよい。
報知演出制御処理のS150〜S157の処理において、追加演出における音声データ150のループ回数が最大3回に設定されたが、最大のループ回数は3回に限らず、2回であっても4回であっても、或いはそれ以上の回数であってよい。
追加演出において再生される音声データ150は、例えば3.3秒で再生が終了するデータであるが、これに限らない。音声データ150の再生時間は3.3秒より長くてもよいし、短くてもよい。また、例えば3.3秒で再生が終了するデータと、6.6秒で再生が終了するデータと、9.9秒で再生が終了するデータとから残り時間に応じたデータが適宜選択され、追加演出において再生されてもよい。猶予時間の例として1秒を挙げたが、猶予時間は1秒より長くてもよいし、短くてもよい。或いは、猶予時間はなくてもよい。
また、図13に示す音声データ160のように、追加演出において再生される音声データは、例えば9.9秒で再生が終了するデータであり、且つ、途中で再生を停止しても違和感を生じない区切り位置を複数有するデータであってもよい。音声データ160は、再生開始位置から約3.3秒後、約6.6秒後、約9.9秒後に、再生を停止しても違和感を生じない区切り位置I、II、IIIを有する。区切り位置IIIは、再生終了位置である。報知演出制御処理のS152、S155、S157ではそれぞれ、ループ回数の代わりに、音声データ160の再生を区切り位置I、II、IIIで停止する設定を行ってもよい。報知演出の残り時間以内で実行可能な区切り位置まで音声データ160の再生を行うことで、CPU61は、1つの音声データ160で残り時間の長さに応じた追加演出を実行することができる。故にCPU61は、残り時間が少ないときでも追加演出を実行することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、予め区切り位置が設けられているので、音声データ160の再生を区切り位置で停止しても、確定音が途中で終了したような違和感を生じさせない。
特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
なお、本発明においては、S25、S30の処理を行うCPU51が「乱数取得手段」に相当する。S65、S70の処理を行うCPU51が「当たり判定手段」に相当する。図柄表示装置8が「図柄表示手段」に相当する。S113の処理を行うCPU61が「報知演出実行手段」に相当する。S137の処理を行うCPU61が「時間計測手段」に相当する。音声データ150、160が「演出データ」に相当する。S151〜S157の処理を行うCPU61が「設定手段」に相当する。S162の処理を行うCPU61が「追加演出実行手段」に相当する。再生終了位置が「実行終了位置」に相当する。S175の処理を行うCPU61が「変更手段」に相当する。S117の処理を行うCPU61が「示唆手段」に相当する。S136の処理を行うCPU61が「判断手段」に相当する。