まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例でパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図1は、本実施例のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDで点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよいし、これら「00」〜「99」を示す各セグメントが、「00」〜「99」を視認不能にランダムに配置された表示器により変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2の遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5R、又は、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)にて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とする。
尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態にて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を開放状態であるときよりも通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
尚、本実施例では、所定領域である大入賞口を大入賞口扉が閉鎖状態と開放状態とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球の流路に出没自在に設けられた可動部材が流路に突出することで、大入賞口に遊技球が入賞可能な遊技者にとって有利な状態となり、可動部材が流路から没することで、大入賞口に遊技球が入賞困難な遊技者にとって不利な状態となるものであっても良い。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域下方の遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などの点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドA400(H)は、大入賞口への遊技球の入賞が発生したこと通知する大入賞口入賞指定コマンドである。このコマンドは、後述するように、大当り開放中処理中にカウントスイッチ23で遊技球が検出されたことに応じて送信設定される。尚、大入賞口入賞指定コマンドは、遊技状態に関係なく、例えば、スイッチ処理においてカウントスイッチ23にて遊技球が検出されたことに応じて送信設定されるようにしても良い。
尚、本実施例では、カウントスイッチ23で遊技球が検出されたことに応じて大入賞口入賞指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に送信する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カウントスイッチ23からの信号を、演出制御基板12にも主基板11と平行して入力するように構成し、演出制御基板12側においてカウントスイッチ23にて遊技球が検出されたか否かを判定することにより、主基板11から演出制御基板12に大入賞口入賞指定コマンドを送信しないようにしても良い。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図6(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図6(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図6(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。
また、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、本実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板からのバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存され、再度の電源投入にて、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータ等の遊技の進行状態を示すデータを引き継ぐようにすればよい。
このようなRAM102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。
尚、演出制御基板12の側でも、主基板11と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
尚、本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられ、その時点の保留記憶の状況を特定可能な保留記憶バッファを構成するデータが記憶されており、該保留記憶バッファのデータに基づいて、第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示が表示される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図7のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図7に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。
次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図8に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図8は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理では、例えば、図9に示す処理が実行される。大当り開放中処理においてCPU103は、まず、入入賞球検出待ち時間の設定があるか否か、つまり、大入賞口が閉鎖されてから、入賞した遊技球がカウントスイッチ23に流下して検出されるまでの時間のカウント中であるか否かを判定する(S410)。
入賞球検出待ち時間が設定されていない場合はS411に進み、大入賞口最大開放時間が経過したか否かを判定する。そして、大入賞口最大開放時間が経過していない場合には、更に、カウントスイッチ23がオンしているか否か、つまり、大入賞口に入賞した遊技球が検出されたか否かを判定し(S412)、カウントスイッチ23がオンしていない場合には、当該大当り開放中処理を終了する。
S412にてカウントスイッチ23がオンしていると判定された場合には、入賞個数カウント値に1を加算し(S413)、大入賞口入賞指定コマンドを送信するための設定をした後、加算後の入賞個数カウント値が最大入賞判定値(例えば9)となったか否かを判定する(S415)。そして、加算後の入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達していない場合には、当該大当り開放中処理を終了する。加算後の入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達している場合には、S416に進む。また、上記したS411にて大入賞口最大開放時間が経過したと判定された場合にも、S416に進む。
S416では、大入賞口を閉鎖する制御として大入賞口閉鎖設定、具体的には、ソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる設定を行う。そして、入賞球検出待ち時間を設定して(S417)、当該大当り開放中処理を終了する。
S410にて、S418にて入賞球検出待ち時間が設定されている、つまり、入賞球検出待ち時間のカウントを行っている場合にはS420に進み、入賞球検出待ち時間が経過したか否か、つまり、入賞球検出待ち時間のカウントが終了するタイミングであるか否かを判定する。
入賞球検出待ち時間のカウントが終了するタイミングではない場合には、カウントスイッチ23がオンしているか否か、つまり、大入賞口に入賞した遊技球が検出されたか否かを判定し(S423)、カウントスイッチ23がオンしていない場合には、当該大当り開放中処理を終了する。
また、S423にてカウントスイッチ23がオンしていると判定された場合には、大入賞口入賞指定コマンドを送信するための設定した後(S424)、当該大当り開放中処理を終了する。一方、入賞球検出待ち時間のカウントが終了するタイミングである場合には、S421に進んで、大入賞口開放後指定コマンドを送信するための設定を行った後、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応する値である“6”に更新して(S422)、当該大当り開放中処理を終了する。
以上の処理を実行することで、大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞判定値に達して大入賞口が閉鎖されても、最大入賞判定値を超えて大入賞口に入賞した遊技球(オーバー入賞球)が、入賞球検出待ち時間内にカウントスイッチ23にて検出された場合には、大入賞口開放後指定コマンドが送信される前に、大入賞口入賞指定コマンドが送信されるようになっている。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図10に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
例えば、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドである場合には、大入賞口入賞指定コマンド受信フラグをセットするとともに、バッファ領域から解析した大入賞口入賞指定コマンドを削除する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図11は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。具体的には、図12に示すように、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示すとともに、該大入賞口開放後指定コマンドのEXTデータを含む大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S372)。
大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示すとともに、該大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータを含む大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S373)。
S373にて大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていると判定された場合には、該大入賞口開放中指定コマンド受信フラグに含まれる大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータにより特定されるラウンド数が、第1ラウンドであるか否かを判定する(S382)。
第1ラウンドである場合には、通常開放音の出力設定を行った後(S385)、図13に示すラウンドテーブルのデータをクリアして(S386)、S387に進む。
尚、本実施例のラウンドテーブルは、RAM122の演出制御用データ保持エリアに記憶されていて、図13に示すように、ラウンド1〜ラウンド16の各ラウンドに対応して、大入賞口への入賞数(入賞球数)を格納可能とされており、該ラウンドテーブルのデータによって、大当り遊技中のいずれのラウンドにて最大入賞判定値を超えたオーバー入賞が発生したのかを特定できるようになっている。
尚、本実施例では、前述したように、確変大当りBでは、ラウンド数が5であるので、ラウンド1〜ラウンド5に対応する格納領域にのみ、大入賞口への入賞数(入賞球数)が格納される。
また、ラウンドテーブルのデータは、上記したS386に示すように、大当り遊技の第1ラウンドにてクリアされるため、1の大当り遊技の第1ラウンドが開始してから次ぎの大当り遊技の第1ラウンドが開始されるまで、更新されつつ保持されることになる。
第1ラウンドではない場合には、図13に示すラウンドテーブルのデータと、図14に示す開放音決定用テーブルとに基づいて開放音を決定するとともに、音量レベルを特定する(S383)。そして、決定した開放音の出力設定(音番号と音量レベルと出力期間の設定)を行うとともに、該開放音の出力期間において、該開放音以外の他の演出音、例えば、ラウンド演出の効果音等の音量を、後述するように、3段階低い音量レベルに低減する設定を行った後(S384)、S387に進む。尚、S384においては、開放音1〜5のいずれの条件も成立していない場合には、開放音として通常開放音が決定され、音量レベルとしては、「変化なし」が特定される。つまり、オーバー入賞が発生していない場合には、通常開放音が出力されることになる。
尚、本実施例では、開放音3や開放音5は、例えば、16ラウンド中の第8ラウンドにおいて開放音3や開放音5の決定条件が成立した場合には、第9ラウンドにおいて1度だけ出力される、つまり、開放音3や開放音5は、大当り遊技中に1回のみ決定されて出力されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第8ラウンドにおいて開放音3が決定されるとともに、第12ラウンドにおいて開放音5が決定される場合には、第9〜第12ラウンドにおいて開放音3を出力し、第13ラウンド以降は、開放音5を出力するようにしても良い。
このS384にて設定される出力期間としては、1のラウンドで大入賞口が開放状態とされる上限期間である29秒と、インターバルの期間(例えば、2秒)との合計期間よりも短い期間であって、且つ、最も短期間に1のラウンドが終了する可能性のある、1のラウンドにおける最大入賞数である9球の遊技球の発射に要する期間(1球の遊技球が発射される0.6秒×9=5.4秒)よりも短い期間である1秒が予めプログラムされており、該出力期間である1秒が、S384にて設定(セット)されるので、開放音1〜5は、図16に示すように、次のラウンドが開始される前にその出力が終了されることになる。
尚、本実施例では、開放音1〜5の出力期間(通常開放音の出力時間も同一)を1秒とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら出力期間は、上記したように、次のラウンドが開始される前に出力が終了する期間であればよく、上記した合計期間や最大入賞数の発射に要する期間に基づいて適宜に決定すれば良い。
尚、本実施例の開放音決定用テーブルには、図14に示すように、オーバー入賞した場合の開放音1〜開放音5のそれぞれに対応して、音の音量レベルと各開放音が決定される決定条件が格納されている。尚、複数の開放音の決定条件が満たされている場合には、より番号の大きな開放音が優先して決定される。
具体的には、ラウンドテーブルのデータに基づいて直前のラウンドで最大入賞判定値(9個)を1個超えたオーバー入賞が発生したと特定される場合には開放音1が決定されるとともに音量レベルとして+1が特定される。また、ラウンドテーブルのデータに基づいて直前のラウンドで最大入賞判定値(9個)を2個以上超えたオーバー入賞が発生したと特定される場合には開放音2が決定されるとともに音量レベルとして+2が特定される。つまり、オーバー入賞した個数に応じて異なる開放音2が決定されて出力される。また、最大入賞判定値(9個)を超えたオーバー入賞が、連続したラウンドではないものの、2回発生した場合(例えば、第2ラウンドと第4ラウンドで発生した場合)には、開放音3が決定されるとともに音量レベルとして+2が特定される。また、ラウンドテーブルのデータに基づいて最大入賞判定値(9個)を超えたオーバー入賞が、連続したラウンド(例えば、第3ラウンドと第4ラウンド)で発生したと特定される場合には、開放音4が決定されるとともに音量レベルとして+3が特定される。また、最大入賞判定値(9個)を超えたオーバー入賞が、3回以上発生した場合には、開放音5が決定されるとともに音量レベルとして+3が特定される。
このように、本実施例では、発生する可能性が比較的低い事象である、オーバー入賞が連続するラウンドで発生した場合や3回以上発生した場合には、開放音4や開放音5が決定され、発生する可能性が比較的高い事象である、1のラウンドで9個や10個の入賞が発生した場合には、開放音1や開放音2が決定される。つまり、開放音1や開放音2は比較的出力され易く希少性が低い開放音であり、開放音4や開放音5は比較的出力され難く希少性が高い開放音とされている。つまり、開放音番号(No)が大きい程、希少性が高い開放音となるように設定されている。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1から出力される音の音量を、図示しない設定スイッチを遊技場の係員が操作することにより、複数の音量レベル、具体的には、レベル1〜レベル10までの10段階に、デフォルトの設定である音量レベル5から変更可能とされており、音量レベルを+1とすることは、その時点の音量レベルから音量レベルを1段階高めて、1段階大きな音量にて出力することであり、同様に、音量レベルを+2とすることは、その時点の音量レベルから音量レベルを2段階高めて、2段階大きな音量にて出力することである。
また、本実施例では、オーバー入賞が3回以上発生した場合には、全て開放音5を決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、任意の回数(例えば、5回)のオーバー入賞が発生した場合において、特殊な開放音(開放音6)を決定するようにしても良いし、上記した開放音1〜5の決定条件の組み合わせに応じて、開放音1〜5とは異なる開放音を出力するようにしても良い。
また、本実施例では、これら開放音1〜5は、通常開放音とは異なる種類の音であるともに、開放音1〜5も、互いに異なる種類の音を用いているので、どのようなオーバー入賞の状態が発生したのかを、開放音の種類により容易に認識できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら異なる音としては、音程と音量のいずれか一方のみが異なる音としても良い。
このようにS384の処理が実行されることにより、例えば、図16に示すように、第2ラウンドで1個のオーバー入賞が発生した場合には、第3ラウンドで大入賞口が開放される際に、1のオーバー入賞(入賞数10)に対応する開放音1の音が、その時点の音量レベルから1段階高められた音量にて出力される。尚、第1ラウンド及び第2ラウンドで大入賞口が開放される際には、通常開放音が、その時点の音量レベル(遊技場が設定した音量レベル)が変更されることなく出力される。
尚、本実施例では、上記したように、遊技場が音量レベルを変更できる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音量レベルを遊技者が、好みの音量レベルに変更できるようにしても良く、このように、遊技場が音量レベルを変更できる場合にあって音量レベルを1段階高めることとは、遊技者が変更している音量レベルから1段階高い音量レベルにて出力することである。
また、オーバー入賞に対応した開放音1を出力するときには、図16に示すように、開放音1以外の演出音の出力レベルを、所定のレベル(例えば、その時点の音量レベル(遊技場が設定した音量レベル等)よりも3段階低いレベル)にて出力することで、より一層、開放音1を遊技者が聞き取り易くなるようにしている。尚、本実施例では、3段階低いレベルとする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら開放音1以外の演出音の出力レベルを、予め決定された所定の音量レベル(例えば、10段階のうちのレベル2)にて出力するようにしても良い。
尚、本実施例では、S384において説明したように、開放音1が出力されるときに他の演出音の音量を低減するようにした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の演出音の音量を「0」として、他の演出音を出力しないようにしても良い。
また、本実施例では、通常開放音を出力する際には、他の演出音の出力レベルを低くする制御を行っていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら通常開放音を出力する際にも、他の演出音の出力レベルを低くしたり、他の演出音の出力を中止するようにしても良い。
また、本実施例では、図16に示すように、第1ラウンドや、オーバー入賞が発生しなかったラウンドの次のラウンドにおいて大入賞口を開放する際には、いずれも通常開放音を出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図17に示すように、これらの通常開放音を出力せずに、オーバー入賞に対応した開放音1〜5だけを出力するようにしても良い。
図12に戻って、S387では、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをクリアし、ラウンド数に応じたプロセステーブルを選択した後(S388)、プロセスタイマスタートして(S395)、S380に進む。
S380では、選択したプロセスデータの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等)を制御し、当該大当り遊技中処理を終了する。このように、S380の処理が実行されることにより、各ラウンドの演出が開始されることになる。
一方、S373にて大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていないと判定された場合には、更に、大入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S374)。大入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされていなければS376に進む。
一方、S374において大入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされていると判定された場合には、該大入賞口入賞指定コマンド受信フラグをクリアし(S375a)、大入賞口に入賞したことを報知する入賞音の出力設定を行った後(S375b)、図13に示すラウンドテーブルの当該ラウンド数に対応する大入賞口入賞数に1を加算更新して(S375c)、S376に進む。
S376において演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算する。そして、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S377)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行う(S378)。つまり、プロセステーブルにて次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ等)に切替える。そして、次のプロセスデータのプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S379)、プロセスデータの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等)を制御し(S380)、当該大当り遊技中処理を終了する。
また、S372で大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていると判定された場合には、最終ラウンドが終了したか否か、つまり、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグに含まれるEXTデータから特定されるラウンドが、確変大当りAであれば第16ラウンド、確変大当りBであれば第5ラウンドであるか否かを判定する(S390)。
最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをクリアした後(S393)、インターバルに応じたプロセステーブルを選択して(S394)、プロセスタイマスタートしてS380に進むことで、選択したインターバルに応じたプロセステーブルの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等)を制御し、当該大当り遊技中処理を終了する。
一方、最終ラウンドが終了している場合には、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをクリアした後(S391)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値に更新して(S392)、該大当り遊技中処理を終了する。
大当り終了演出処理(S79):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示を演出表示装置5に表示する制御を行う。具体的には、図15に示すように、大当り終了演出タイマが動作中であるか否かを判定する(S401)。大当り終了演出タイマが動作中ではない場合は、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S402)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、大当り終了演出処理を終了する。一方、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、大当りの種別に応じた大当り終了演出タイマを設定する(S403)。
そして、図13に示すラウンドテーブルを参照して、最終ラウンド(確変大当りAの場合には第16ラウンド、確変大当りBの場合には第5ラウンド)においてオーバー入賞が発生したか否かを判定し(S404)、最終ラウンドでオーバー入賞が発生していない場合には、S405に進んで、演出表示装置5に大当りの種別に応じた大当り終了画面を表示した後、大当り終了指定コマンド受信フラグをクリアして(S414)、大当り終了演出処理を終了する。一方、最終ラウンドでオーバー入賞が発生している場合には、S406に進んで、演出表示装置5に大当りの種別とオーバー入賞とに対応した大当り終了画面、例えば、確変大当りAに対応する大当り終了画面1にオーバー入賞を示す特別キャラクタが登場する画面や、確変大当りBに対応する大当り終了画面2にオーバー入賞を示す特別キャラクタが登場する画面を表示した後、大当り終了指定コマンド受信フラグをクリアして(S414)、大当り終了演出処理を終了する。
このようにすることにより、最終ラウンドでオーバー入賞が発生した場合には、開放音1〜5の出力に代えてオーバー入賞に対応した大当り終了画面が表示される特定演出が実行されるので、最終ラウンドでオーバー入賞した場合に、開放音1〜5が出力されないことによって、遊技興趣が低下してしまうことを防ぎ、結果として遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、特定演出としてオーバー入賞に対応した大当り終了画面を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特定演出としてオーバー入賞に対応した音を出力する演出としても良いし、これらオーバー入賞に対応した音とオーバー入賞に対応した大当り終了画面とを組み合わせた演出としても良い。
また、S401において大当り終了演出タイマが動作中である場合は、大当り終了演出タイマの値を1減算し(S415)、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(S416)。大当り終了演出時間が経過していない場合は、大当り終了演出処理を終了し、大当り終了演出時間が経過した場合は、演出表示装置5での大当り終了画面の表示を終了し(S416a)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新して大当り終了演出処理を終了する(S420)。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1によれば、1のラウンドにおいて所定数である9よりも多い遊技球が大入賞口に入賞した場合(オーバー入賞した場合)には、開放音1〜5のいずれかが出力されるようになるので、遊技興趣を向上できるとともに、大入賞口に入賞した遊技球数に応じて開放音1とは異なる開放音2が出力されるので、更に、遊技興趣を向上できる。また、オーバー入賞したラウンドが複数回発生した場合には、開放音1とは異なる開放音3〜5が出力されるので、より一層、遊技興趣を向上できる。また、最終ラウンドにおいてオーバー入賞した場合には、オーバー入賞に対応した大当り終了画面が表示される演出が行われるので、遊技興趣の低下を防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、1のラウンドにおいて所定数である9よりも多い遊技球が大入賞口へ入賞したときも、9以下の遊技球が大入賞口へ入賞したときと同じ入賞音を出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら9よりも多い遊技球が大入賞口へ入賞したときには、9以下の遊技球が大入賞口へ入賞したときとは異なる特別入賞音を出力するようにしても良い。
また、前記実施例では、開放音1〜5を、大入賞口扉を開放するタイミングとほぼ同時に出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら開放音1〜5を出力するタイミングとしては、開放音1〜5が、大入賞口扉の開放に対応していることを認識できるタイミングであれば、大入賞口扉を開放するタイミングの前であっても良いし、大入賞口扉を開放するタイミングの後であっても良いし、大入賞口扉を開放するタイミングを跨いて出力しても良い。つまり、開放音1〜5は、ラウンドにおいて大入賞口扉が開放される際に出力されれば良い。
また、前記実施例では、大入賞口を1つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口を複数、例えば、2つ設けて、開放される大入賞口を交互とすることで、インターバルの時間を短くするようにしても良く、この場合にあっては、上記した特別入賞音を出力すると、開放音1〜5と出力タイミングが重なってしまう可能性があるので、開放音1〜5と出力タイミングが重ならないように、オーバー入賞した場合には、特別入賞音を出力しないようにすれば良い。
尚、上記したように、大入賞口を2つ設ける場合にあっては、いずれかの大入賞口が開放されているのかが解るように、大入賞口毎に異なる開放音(通常開放音及び開放音1〜5)を出力するようにすれば良い。
また、前記実施例では、開放音1や開放音2を、オーバー入賞が発生した次のラウンドにおいて大入賞口が開放される際に出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、オーバー入賞が発生したラウンド後における2回目(オーバー入賞が発生したラウンドの次の次のラウンド)や3回目のラウンド(オーバー入賞が発生したラウンドの次の次の次のラウンド)や、最終のラウンド等において出力するようにしても良い。また、ラウンドにおいて大入賞口の開放期間が長いロング開放と開放期間が短いショート開放のラウンドが混在する場合においては、オーバー入賞が発生した次のラウンドの次のラウンドがショート開放のラウンドである場合には、次のロング開放のラウンド(遊技者が有利なラウンド)において開放音1や開放音2を出力するようにすれば良い。つまり、開放音1や開放音2の出力タイミングは、オーバー入賞が発生したラウンド(進入可能状態遊技)が終了した後であれば良い。
また、前記実施例では、最終のラウンドにてオーバー入賞した場合には、大当り終了演出(エンディング演出)にて、オーバー入賞に応じた大当り終了画面を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら最終のラウンドにてオーバー入賞したことに応じて、次の大当り遊技の第1ラウンドにて大入賞口扉が開放されるときに開放音1〜5を出力するようにしても良い。
また、前記実施例では、開放音1〜5を遊技者が聞き取り易くなるように、開放音1〜5の音量レベルを高める形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら開放音1〜5の音量レベルを高めないようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。