以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、車両1に搭載された制御装置100の機能構成図である。同図を用いての制御装置100の構成を説明する。この制御装置100が搭載される車両(自車両)1は、例えば、二輪や三輪、四輪等の自動車であり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関を動力源とした自動車や、電動機を動力源とした電気自動車、内燃機関および電動機を兼ね備えたハイブリッド自動車等を含む。また、上述した電気自動車は、例えば、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池等の電池により放電される電力を使用して駆動される。
制御装置100は、外部状況取得部12、経路情報取得部13、走行状態取得部14など車両1の外部からの各種情報を取り入れるための手段を備える。また、アクセルペダル70、ブレーキペダル72、およびステアリングホイール(ハンドル)74、切替スイッチ80等の操作デバイスと、アクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ(ブレーキスイッチ)73、およびステアリング操舵角センサ(またはステアリングトルクセンサ)75等の操作検出センサと、イグニッションスイッチ(IGスイッチ)81と、表示部(ディスプレイ)15と、報知装置(出力部)82とを備える。また、車両1の駆動又は操舵を行うための装置として、走行駆動力出力装置(駆動装置)90と、ステアリング装置92と、ブレーキ装置94を備えると共に、これらを制御するための制御装置100を備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、例示した操作デバイスについてはあくまで一例であり、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUI(Graphical User Interface)スイッチ等が車両1に搭載されても構わない。
外部状況取得部12は、車両1の外部状況、例えば、走行路の車線や車両周辺の物体といった車両周辺の環境情報を取得するように構成される。外部状況取得部12は、例えば、各種カメラ(単眼カメラ、ステレオカメラ、赤外線カメラ等)や各種レーダ(ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、レーザレーダ等)等を備える。また、カメラにより得られた情報とレーダにより得られた情報を統合するフュージョンセンサを使用することも可能である。
経路情報取得部13は、ナビゲーション装置を含む。ナビゲーション装置は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイク等を有する。ナビゲーション装置は、GNSS受信機によって車両1の位置を特定し、その位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。ナビゲーション装置により導出された経路は、経路情報144として記憶部140に格納される。車両1の位置は、走行状態取得部14の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。また、ナビゲーション装置は、制御装置100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、車両1の位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置とは独立して設けられてもよい。また、ナビゲーション装置は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の一機能によって実現されてもよい。この場合、端末装置と制御装置100との間で無線または有線による通信によって情報の送受信が行われる。
走行状態取得部14は、車両1の現在の走行状態を取得するように構成される。走行状態取得部14は、走行位置取得部26と、車速取得部28と、ヨーレート取得部30と、操舵角取得部32と、走行軌道取得部34とを含む。
走行位置取得部26は、走行状態の1つである車両1の走行位置及び車両1の姿勢(進行方向)を取得するように構成される。走行位置取得部26は、各種測位装置、例えば、衛星や路上装置から送信される電磁波を受信して位置情報(緯度、経度、高度、座標等)を取得する装置(GPS受信機、GNSS受信機、ビーコン受信機等)やジャイロセンサや加速度センサ等を備える。車両1の走行位置は車両1の特定部位を基準に測定される。
車速取得部28は、走行状態の1つである車両1の速度(車速という。)を取得するように構成される。車速取得部28は、例えば、1以上の車輪に設けられる速度センサ等を備える。
ヨーレート取得部30は、走行状態の1つである車両1のヨーレートを取得するように構成される。ヨーレート取得部30は、例えば、ヨーレートセンサ等を備える。
操舵角取得部32は、走行状態の1つである操舵角を取得するように構成される。操舵角取得部32は、例えば、ステアリングシャフトに設けられる操舵角センサ等を備える。ここでは、取得された操舵角に基づいて操舵角速度及び操舵角加速度も取得される。
走行軌道取得部34は、走行状態の1つである車両1の実走行軌道の情報(実走行軌道)を取得するように構成される。実走行軌道とは、実際に車両1が走行した軌道(軌跡)を含み、これから走行する予定の軌道、例えば走行した軌道(軌跡)の進行方向前側の延長線を含んでいてもよい。走行軌道取得部34はメモリを備える。メモリは実走行軌道に含まれる一連の点列の位置情報を記憶する。また、延長線はコンピュータ等により予測可能である。
操作検出センサであるアクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ73、ステアリング操舵角センサ75は、検出結果としてのアクセル開度、ブレーキ踏量、ステアリング操舵角を制御装置100に出力する。
切替スイッチ80は、車両1の運転者によって操作されるスイッチである。切替スイッチ80は、運転者の操作を受け付け、受け付けた操作内容から運転モード(例えば、自動運転モード及び手動運転モード)の切り替えを行う。例えば、切替スイッチ80は、運転者の操作内容から、車両1の運転モードを指定する運転モード指定信号を生成し、制御装置100に出力する。
イグニッションスイッチ(IGスイッチ)81は、車両1の各部に、車載バッテリ(不図示)から電源を供給する際に操作されるスイッチ(起動停止用操作子)である。このイグニッションスイッチ81がオン操作されると、車両制御装置100やFI−ECU4、AT−ECU5などに電源が供給されて車両1のシステムが起動し、オフ操作されると、それらへの電源の供給が停止されて車両1のシステムが停止するようになっている。
表示部15は、車両1の各種情報に関する表示や自動運転等に関する表示を運転者に対して行うものである。この表示部15は、例えば、図示しないインスツルメントパネルのメータの一部として構成してもよい。或いは、表示部15をナビゲーション装置の表示部と兼用させてもよい。
また、本実施形態の車両1は、運転者によりシフトレバーを介して操作されるバイワイヤ式のシフト装置(操作装置)60を備える。シフト装置60におけるシフトレバー(図示せず)のポジションには、図1に示すように、例えば、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モード(ノーマルモード)での前進走行)、S(スポーツモードでの前進走行)などがある。シフト装置60の近傍には、シフトポジションセンサ205が設けられる。シフトポジションセンサ205は、運転者によって操作されるシフトレバーのポジションを検出する。シフトポジションセンサ205で検出されたシフトポジションの情報は、制御装置100に入力される。なお、手動運転モードでは、シフトポジションセンサ205で検出されたシフトポジションの情報は、直接的に走行駆動力出力装置90(AT−ECU5)に出力される。
報知装置82は、情報を出力可能な種々の装置である。報知装置82は、例えば車両1の運転者に、自動運転モードから手動運転モードへの移行を促すための情報を出力する。報知装置82としては、例えばスピーカ、バイブレータ、表示装置、および発光装置等のうち少なくとも1つが用いられる。
走行駆動力出力装置(駆動装置)90は、本実施形態の車両1では、図2に示すように、エンジンEGおよび該エンジンEGを制御するFI−ECU(Electronic Control Unit)4と、自動変速機TMおよび該自動変速機TMを制御するAT−ECU5を備えて構成されている。なお、これ以外にも、走行駆動力出力装置90としては、車両1が電動機を動力源とした電気自動車である場合には、走行用モータおよび走行用モータを制御するモータECUを備えてよい。車両1がハイブリッド自動車である場合には、エンジンおよびエンジンECUと走行用モータおよびモータECUを備えてよい。本実施形態のように、走行駆動力出力装置90がエンジンEG及び自動変速機TMを備えて構成されている場合、FI−ECU4及びAT−ECU5は、後述する走行制御部120から入力される情報に従って、エンジンEGのスロットル開度や自動変速機TMのシフト段等を制御し、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を出力する。また、走行駆動力出力装置90が走行用モータのみを含む場合、モータECUは、走行制御部120から入力される情報に従って、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整し、上述した走行駆動力を出力する。また、走行駆動力出力装置90がエンジンおよび走行用モータを含む場合、FI−ECUおよびモータECUの双方は、走行制御部120から入力される情報に従って、互いに協調して走行駆動力を制御する。
ステアリング装置92は、例えば、電動モータを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリング装置92は、走行制御部120から入力される情報に従って、電動モータを駆動させ、転舵輪の向きを変更する。
ブレーキ装置94は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、制動制御部とを備える電動サーボブレーキ装置である。電動サーボブレーキ装置の制動制御部は、走行制御部120から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じた制動力を出力するブレーキトルク(制動力出力装置)が各車輪に出力されるようにする。電動サーボブレーキ装置は、ブレーキペダル72の操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置94は、上記説明した電動サーボブレーキ装置に限らず、電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。電子制御式油圧ブレーキ装置は、走行制御部120から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する。また、ブレーキ装置94は、走行駆動力出力装置90が走行用モータを備える場合は、当該走行用モータによる回生ブレーキを含んでもよい。
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、自動運転制御部110と、走行制御部120と、記憶部140とを備える。自動運転制御部110は、自車位置認識部112と、外界認識部114と、行動計画生成部116と、目標走行状態設定部118とを備える。自動運転制御部110の各部、走行制御部120の一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよい。また、記憶部140は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部140に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、そのプログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部140にインストールされてもよい。また、制御装置100は、複数のコンピュータ装置によって分散化されたものであってもよい。これにより、車両1の車載コンピュータに対して、上述したハードウェア機能部と、プログラム等からなるソフトウェアとを協働させて、本実施形態における各種処理を実現することができる。
自動運転制御部110は、切替スイッチ80からの信号の入力に従い、あるいは各種センサ等からの入力信号や取得した情報などのデータに基づく判断に応じて、運転モードを切り替えて制御を行う。運転モードとしては、車両1の加減速および操舵を自動的に制御する運転モード(自動運転モード)や、車両1の加減速をアクセルペダル70やブレーキペダル72等の操作デバイスに対する操作に基づいて制御し、操舵をステアリングホイール74等の操作デバイスに対する操作に基づいて制御する運転モード(手動運転モード)があるが、これに限定されるものではない。他の運転モードとして、例えば、車両1の加減速および操舵のうち一方を自動的に制御し、他方を操作デバイスに対する操作に基づいて制御する運転モード(半自動運転モード)を含んでいてもよい。なお、以下の説明で「自動運転」というときは、上記の自動運転モードに加えて半自動運転モードも含むものとする。
なお、手動運転モードの実施時においては、自動運転制御部110は動作を停止し、操作検出センサからの入力信号が走行制御部120に出力されるようにしてもよいし、直接的に走行駆動力出力装置90(FI−ECU又はAT−ECU)、ステアリング装置92、またはブレーキ装置94に供給されるようにしてもよい。
自動運転制御部110の自車位置認識部112は、記憶部140に格納された地図情報142と、外部状況取得部12、経路情報取得部13、または走行状態取得部14から入力される情報とに基づいて、車両1が走行している車線(走行車線)、および、走行車線に対する車両1の相対位置を認識する。地図情報142は、例えば、経路情報取得部13が有するナビ地図よりも高精度な地図情報であり、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。より具体的には、地図情報142には、道路情報や、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等が含まれる。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞等によって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。
自車位置認識部112は、例えば、車両1の基準点(例えば重心)の走行車線中央からの乖離、および車両1の進行方向の走行車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する車両1の相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部112は、自車線の何れかの側端部に対する車両1の基準点の位置等を、走行車線に対する車両1の相対位置として認識してもよい。
外界認識部114は、外部状況取得部12等から入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。本実施形態における周辺車両とは、車両1の周辺を走行する他の車両であって、車両1と同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、車両1の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、車両1の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、上記各種機器の情報に基づいて周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部114は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
行動計画生成部116は、自動運転の開始地点、自動運転の終了予定地点、および/または自動運転の目的地を設定する。自動運転の開始地点は、車両1の現在位置であってもよいし、車両1の運転者により自動運転を指示する操作がなされた地点でもよい。行動計画生成部116は、その開始地点と終了予定地点の間の区間や、開始地点と自動運転の目的地との間の区間において、行動計画を生成する。なお、これに限定されるものではなく、行動計画生成部116は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、車両1を減速させる減速イベントや、車両1を加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように車両1を走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、車両1に前走車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように車両1を走行させたりする分岐イベント、本線に合流するための合流車線において車両1を加減速させ、走行車線を変更させる合流イベント等が含まれる。例えば、有料道路(例えば高速道路等)においてジャンクション(分岐点)が存在する場合、制御装置100は、車両1を目的地の方向に進行するように車線を変更したり、車線を維持したりする。従って、行動計画生成部116は、地図情報142を参照して経路上にジャンクションが存在していると判明した場合、現在の車両1の位置(座標)から当該ジャンクションの位置(座標)までの間に、目的地の方向に進行することができる所望の車線に車線変更するための車線変更イベントを設定する。なお、行動計画生成部116によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報146として記憶部140に格納される。
目標走行状態設定部118は、行動計画生成部116により決定された行動計画と、外部状況取得部12、経路情報取得部13、及び走行状態取得部14により取得される各種情報に基づいて、車両1の目標とする走行状態である目標走行状態を設定するように構成される。目標走行状態設定部118は、目標値設定部52と目標軌道設定部54とを含む。また、目標走行状態設定部118は、偏差取得部42、補正部44も含む。
目標値設定部52は、車両1が目標とする走行位置(緯度、経度、高度、座標等)の情報(単に目標位置ともいう。)、車速の目標値情報(単に目標車速ともいう。)、ヨーレートの目標値情報(単に目標ヨーレートともいう。)を設定するように構成される。目標軌道設定部54は、外部状況取得部12により取得される外部状況、及び、経路情報取得部13により取得される走行経路情報に基づいて、車両1の目標軌道の情報(単に目標軌道ともいう。)を設定するように構成される。目標軌道は、単位時間毎の目標位置の情報を含む。各目標位置には、車両1の姿勢情報(進行方向)が対応づけられる。また、各目標位置に車速、加速度、ヨーレート、横G、操舵角、操舵角速度、操舵角加速度等の目標値情報が対応づけられてもよい。上述した目標位置、目標車速、目標ヨーレート、目標軌道は目標走行状態を示す情報である。
偏差取得部42は、目標走行状態設定部118で設定される目標走行状態と、走行状態取得部14で取得される実走行状態とに基づいて、目標走行状態に対する実走行状態の偏差を取得するように構成される。
補正部44は、偏差取得部42により取得される偏差に応じて、目標走行状態を補正するように構成される。具体的には、偏差が大きくなるほど、目標走行状態設定部118により設定された目標走行状態を、走行状態取得部14により取得された実走行状態に近づけて、新たな目標走行状態を設定する。
走行制御部120は、車両1の走行を制御するように構成される。具体的には、車両1の走行状態を、目標走行状態設定部118により設定された目標走行状態、又は、補正部44により設定された新たな目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御の指令値を出力する。走行制御部120は、加減速指令部56と、操舵指令部58とを含む。
加減速指令部56は、車両1の走行制御のうち、加減速制御を行うように構成される。具体的には、加減速指令部56は、目標走行状態設定部118又は補正部44により設定された目標走行状態(目標加減速度)と実走行状態(実加減速度)とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための加減速度指令値を演算する。
操舵指令部58は、車両1の走行制御のうち、操舵制御を行うように構成される。具体的には、操舵指令部58は、目標走行状態設定部118又は補正部44により設定された目標走行状態と、実走行状態とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための操舵角速度指令値を演算する。
図2は、車両1が備える走行駆動力出力装置(駆動装置)90の構成を示す概略図である。同図に示すように、本実施形態の車両1の走行駆動力出力装置90は、駆動源である内燃機関(エンジン)EGと、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータTCを介してエンジンEGと連結される自動変速機TMとを備える。自動変速機TMは、エンジンEGから伝達された駆動力による回転を変速して駆動輪側に出力する変速機であって、前進走行用の複数の変速段と後進走行用の一の変速段とを設定可能な有段式の自動変速機である。また、走行駆動力出力装置90は、エンジンEGを電子的に制御するFI−ECU(燃料噴射制御装置)4と、トルクコンバータTCを含む自動変速機TMを電子的に制御するAT−ECU(自動変速制御装置)5と、AT−ECU5の制御に従いトルクコンバータTCの回転駆動やロックアップ制御および自動変速機TMが備える複数の摩擦係合機構の締結(係合)・解放を油圧制御する油圧制御装置6とを備えている。
エンジンEGの回転出力は、クランクシャフト(エンジンEGの出力軸)221に出力され、トルクコンバータTCを介して自動変速機TMの入力軸227に伝達される。
クランクシャフト221(エンジンEG)の回転数Neを検出するクランクシャフト回転数センサ201が設けられる。また、入力軸227の回転数(自動変速機TMの入力軸回転数)Niを検出する入力軸回転数センサ202が設けられる。また、出力軸228の回転数(自動変速機TMの出力軸回転数)Noを検出する出力軸回転数センサ203が設けられる。各センサ201〜203により検出された回転数データNe,Ni,No及びNoから算出される車速データがAT−ECU5に与えられる。また、エンジン回転数データNeは、FI−ECU(燃料噴射制御装置)4に与えられる。また、エンジンEGのスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ206が設けられている。スロットル開度THのデータは、FI−ECU4に与えられる。
また、自動変速機TMを制御するAT−ECU5は、車速センサで検出した車速とアクセル開度センサ71で検出したアクセル開度とに応じて自動変速機TMで設定可能な変速段の領域を定めたシフトマップ(変速特性)55を有している。シフトマップ55は、変速段毎に設定されたアップシフト線及びダウンシフト線を含むもので、特性の異なる複数種類のシフトマップが予め用意されている。自動変速機TMの変速制御では、AT−ECU5は、これら複数種類のシフトマップから選択したシフトマップに従い自動変速機TMの変速段を切り替える制御を行う。
[手動運転制御の概要]
車両1では、手動運転モードが選択された場合、自動運転制御部110を介さずに従来の運転者による操作に基づく車両1の制御(加減速及び操舵の制御)が行われる。この手動運転モードでは、操作検出センサであるアクセル開度センサ71の検出情報は、走行駆動力出力装置90のFI−ECU4又はAT−ECU5に直接入力され、これらFI−ECU4又はAT−ECU5は、当該検出情報に基づいてエンジンEG及び自動変速機TM(油圧制御装置6)を制御する。また、ブレーキ踏量センサ73の検出情報に基づいてブレーキ装置94が制御される。これらによって、車両の加減速が制御される。また、ステアリング操舵角センサ75の検出情報に基づいてステアリング装置92が制御される。これにより、車両の操舵が行われる。
[自動運転制御の概要]
車両1では、自動運転モードが選択された場合、自動運転制御部110が車両1の自動運転制御を行う。この自動運転モードでは、自動運転制御部110は、外部状況取得部12、経路情報取得部13、走行状態取得部14などから取得した情報、あるいは自車位置認識部112及び外界認識部114で認識した情報に基づいて、車両1の現在の走行状態(実走行軌道や走行位置等)を把握する。目標走行状態設定部118は、行動計画生成部116で生成した行動計画に基づいて、車両1の目標とする走行状態である目標走行状態(目標軌道や目標位置)を設定する。偏差取得部42は、目標走行状態に対する実走行状態の偏差を取得する。走行制御部120は、偏差取得部42により偏差が取得される場合に、車両1の走行状態を目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御を行う。
補正部44は、走行位置取得部26により取得される走行位置に基づいて目標軌道又は目標位置を補正する。走行制御部120は、新たな目標軌道又は目標位置に車両1が追従するように、車速取得部により取得される車速等に基づいて、走行駆動力出力装置90及びブレーキ装置94による車両1の加減速制御を行う。
また、補正部44は、走行位置取得部26により取得される走行位置に基づいて目標軌道を補正する。走行制御部120は、新たな目標軌道に車両1が追従するように、操舵角取得部32により取得される操舵角速度に基づいて、ステアリング装置92による操舵制御を行う。
[自動運転中にシフト装置の操作がされた場合]
そして、本実施形態の車両1の制御装置100では、自動運転中(自動運転モードによる車両1の制御が行われているときを示す、以下同じ。)に運転者によるシフト装置60の操作がされた場合やイグニッションスイッチ81の操作がされた場合に、当該操作に対して手動運転時とは異なる機能(車両1の制御機能)を割り当てている。以下、自動運転時にこれらシフト装置60やイグニッションスイッチ81の操作が行われた場合の制御について説明する。
[Pレンジの選択操作]
自動運転中にシフト装置60でPレンジ(パーキングレンジ)の選択操作がされた場合には、自動運転制御部100は、車両1を安全な場所に停車して固定(車両1の車輪を固定(パーキングロック)することをいう、以下同じ。)する制御を行う。以下、この制御について説明する。
図3は、自動運転中にシフト装置60でPレンジが選択された場合の状態フローを示す図である。同図に示すように、通常自動運転モードにおいて、車両1が前進走行又は後進走行している状態(S1−1)で、車両1の運転者(運転者以外の他の運転者が操作者である場合も含む、以下同じ。)がシフト装置60を操作してPレンジを選択した場合(U1−1)には、強制停止のための走行モード(S1−2)へ移行する。この強制停止のための走行モードでは、車両1の前進走行又は後進走行を継続しながら、車両1を停止させるための制御を行う。この制御は、車両1の減速制御、車両1の安全な停止が可能か否かの判断、停止場所の探索制御などを含む。そして、車両1の停止が可能との判断がされたら(U1−2)、強制停止のための停止モード(S1−3)へ移行する。この強制停止のための停止モードでは、エンジンEGと駆動輪との間の動力伝達経路に設けたクラッチ(図示せず)などの動力断接手段を制御して該動力伝達経路を遮断することで、エンジンEGの駆動力が駆動輪側へ伝達されない状態(この状態を、以下「ニュートラル状態」という。)とする。その状態で、運転者による車両1の停止場所の指定があったら(U1−3)、その指定に基づいて車両1を停止させるために再び強制停止のための走行モードへ移行する(S1−4)。ここでの運転者による車両1の停止場所の指定は、例えば、表示部15に車両1の停止場所を尋ねる表示(「どこに停止しますか?」等の表示)をし、当該表示を見た運転者が車両1の停止場所の指定に関する情報をシステムに入力することで行われるようにしてよい。その後、車両1の停止が可能との判断がされたら(U1−4)、強制停止のための停止モード(S1−5)へ移行する。この強制停止のための停止モードでは、車両1を安全な場所に停止させた後、車両1が備えるパーキングロック機構(図示せず)により車両1を固定する。
図4は、自動運転時にシフト装置60でPレンジが選択された場合の制御処理の流れを示すフローチャートである。ここではまず、自動運転時に車両1が走行中(前進又は後進走行中)であるか否かを判断する(ステップST1)。その結果、車両1が走行中でなければ(NO)、先のステップST4に進む。一方、車両1が走行中であれば(YES)、シフト装置60によるPレンジの選択操作がされたか否かを判断する(ステップST2)。その結果、Pレンジの選択操作がされていない場合(NO)には、先のステップST4に進む。一方、Pレンジの選択操作がされた場合(YES)は、車両1の強制停止処理(ステップST3)を行う。この車両1の強制停止処理は、先の図3のS1−2で車両1を停止させるための処理である。この強制停止処理の後、車両1が完全停止状態であるか否かの判断を行う(ステップST4)。その結果、車両1が完全停止状態で無ければ(NO)、先のステップST7へ進む。一方、車両1が完全停止状態であれば(YES)、続けて、ニュートラル処理を行う(ステップST5)。このニュートラル処理は、先の図3のS1−3でニュートラル状態とする処理である。その後、車両1の運転者への駐車場所の問い合わせを行う(ステップST6)。この駐車場所の問い合わせは、例えば、車両1の表示部15に駐車場所を問い合わせる内容の表示を出すことで行う。その後、再び、車両1が完全停止状態であるか否かの判断を行う(ステップST7)。その結果、車両1が完全停止状態で無ければ(NO)、そのまま処理を終了する。一方、車両1が完全停止状態であれば(YES)、運転者が指定した駐車場所へ車両1を移動して駐車する(ステップST8)。
このように、自動運転中に運転者によるシフト装置60の操作でPレンジが選択された場合、車両1を強制的に停止させる制御を行う。また、表示部15に車両1の停車場所を問い合わせる表示を行う。また、エンジンEGと駆動輪との間の動力伝達経路を遮断するニュートラル状態で車両1を安全な場所に停車させ、その後に車両1を固定(パーキングロック)する。
図5は、シフト装置60の操作における自動運転時のPレンジの選択操作の位置付けを示す図である。同図に示すように、シフト装置60では、車両1の走行レンジとして、Pレンジ、Rレンジ(自動運転、手動運転)、Nレンジ(自動運転、手動運転)、Dレンジ(自動運転、手動運転)それぞれの選択が可能である。いずれか一の走行レンジから他の走行レンジへの移行は、同図の矢印で示す経路での移行が可能である。そして、上記の自動運転時(Dレンジでの自動運転時)に行われるPレンジの選択操作は、同図の点線で示す矢印に示す経路の操作に該当する。
[Nレンジの選択操作]
次に、自動運転中にシフト装置60でNレンジ(ニュートラルレンジ)の選択操作がされた場合の制御についてする。図6は、自動運転時にシフト装置60でNレンジが選択された場合の状態フローを示す図である。同図に示すように、通常自動運転モードにおいて、前進走行又は後進走行している状態(S2−1)で、車両1の運転者がシフト装置60を操作してNレンジを選択した場合(U2−1)には、強制停止のための走行モード(S2−2)へ移行する。この強制停止のための走行モードでは、車両1の前進走行又は後進走行を継続しながら、車両1を停止させるための制御を行う。この制御は、減速制御、車両1の(安全な)停止が可能か否かの判断、停止場所の探索制御などを含む。その結果、車両1の停止が可能との判断がされたら(U2−2)、強制停止のための停止モード(S2−3)へ移行する。この強制停止のための停止モードでは、車両1をニュートラル状態とし、自動運転モードを継続しつつ駆動輪への駆動力を出力しない状態で車両1を走行させる(コースティング)制御を行う。これにより車両1が減速してゆく。この際に、車速センサで検出した車速が所定車速以下の場合、報知装置82による警報を発することで車両1の運転者又は運転者にその旨を知らせるようにしてもよい。その状態で、運転者による車両1の停止場所の指定があったら(U2−3)、その指定に基づいて車両1を停止させるため再び強制停止のための走行モードへ移行する(S2−4)。またこれ以外にも、運転者による車両1の停止場所の指定が無くても、車両1を安全な場所に退避させてから停車させるようにしてもよい。さらに、車両1の停止が可能との判断がされたら(U2−4)、再び、強制停止のための停止モード(S2−5)へ移行する。この強制停止のための停止モードでは、車両1が停止したら自動運転モードを解除して、手動運転モードに切り替える。
このように、自動運転中にNレンジの選択操作がされた場合、走行用駆動力出力装置90からの出力を停止することで、自動運転モードを継続しつつ駆動輪への駆動力の出力はしない状態とする。また、所定車速以下で警報を発する。また、車両1が停車した場合は自動運転を解除する。また、停車する際は安全な場所に退避してから停車する。
図7は、シフト装置60の操作における自動運転時のNレンジの選択操作の位置付けを示す図である。上記の自動運転時のNレンジの選択操作は、同図の点線の矢印で示す経路の操作に該当する。この経路では、Dレンジでの自動運転からNレンジ(自動運転又は手動運転)へ移行する。
[Rレンジの選択操作]
次に、自動運転中にシフト装置60でRレンジ(リバースレンジ:後進走行レンジ)の選択操作がされた場合の制御について説明する。図8は、自動運転時にシフト装置60でRレンジが選択された場合の状態フローを示す図である。同図に示すように、通常自動運転モードにおいて、前進走行又は後進走行している状態(S3−1)で、車両1の運転者がシフト装置60を操作してRレンジを選択した場合には、車速センサで検出した車速Vを判断し、この車速Vが所定のしきい値V1以上であれば(U3−1)、自動運転モードを解除し、ニュートラル状態へ移行する(S3−2)。その一方で、車速Vがしきい値V1未満であれば(U3−2)、強制減速のための走行モード(S3−3)へ移行する。この強制減速のための走行モードでは、自動変速機TMの変速段をシフトダウンすることや、ブレーキ装置94の制動力を増大させることなどによって車両1を強制的に減速させる。そして、減速後の車速Vを判断し、車速Vがリバース許可しきい値車速V2(<V1)以下であれば(U3−3)、自動変速機TMのシフトレンジをリバース(後進)レンジとするリバースモードへ移行する(S3−4)。またこの際、表示部15に車両1の停止場所を尋ねる表示をしてもよい。
このように、自動運転中にRレンジの選択操作がされた場合、(i)車速Vがしきい値V1以上である場合(車速が高い場合)には、自動変速機TMのシフトレンジをニュートラルレンジ(Nレンジ)とすることで、エンジンEGからの駆動力が駆動輪側へ出力されることを禁止する。一方、(ii)車速Vがしきい値V1未満である低い場合(車速が低い場合)には、自動変速機TMのシフトレンジをリバースレンジ(Rレンジ)に切り替えることができる程度(V≦V2)まで減速し、その後リバースレンジに切り替える。また、表示部15に停止場所を尋ねる表示をする。
図9は、シフト装置60の操作における自動運転時のRレンジの選択操作の位置付けを示す図である。上記の自動運転時のRレンジの選択操作は、同図の点線の矢印で示す経路の操作に該当する。この経路では、自動運転でのDレンジからRレンジ(自動運転、手動運転)へ移行する。
[Dレンジの選択操作]
次に、自動運転中にシフト装置60でDレンジの選択操作がされた場合の制御について説明する。図10は、自動運転時にシフト装置60でDレンジが選択された場合の状態フローを示す図である。同図に示すように、通常自動運転モードにおいて、車両1が前進走行をしている状態(S4−1)で、車両1の運転者がシフト装置60を操作してDレンジを選択した場合(U4−1)には、強制的に自動運転モードをキャンセルして、手動運転モードに切り替える(S4−2)。一方、車両1の運転者がシフト装置60を操作してNレンジを選択した場合(U4−2)には、通常自動運転モードでニュートラル状態とする(S4−3)。その後、車両1の運転者がシフト装置60を操作してDレンジを選択した場合(U4−3)には、強制的に自動運転モードをキャンセルして、手動運転モードに切り替える(S4−2)。
このように、自動運転中にDレンジの選択操作がされた場合、手動運転モードに移行する。あるいは、Nレンジの選択操作がされた後でDレンジの選択操作がされた場合でも手動運転モードに移行する。この場合、自動運転モードにおいて車両1の駐車支援制御を行っている場合は、当該駐車支援制御をキャンセルするようにしてもよい。
図11は、シフト装置60の操作における自動運転時のDレンジの選択操作の位置付けを示す図である。上記の自動運転時のDレンジの選択操作は、同図の点線の矢印で示す経路の操作に該当する。この経路では、Dレンジでの自動運転から手動運転へ移行する。
[イグニッションスイッチのOFF操作]
次に、自動運転中にイグニッションスイッチ81のOFF操作がされた場合の制御について説明する。図12は、自動運転時にイグニッションスイッチ81のOFF操作がされた場合の状態フローを示す図である。同図に示すように、通常自動運転モードにおいて、車両1が前進走行をしている状態(S5−1)で、イグニッションスイッチ81のOFF操作がされた場合(U5−1)、強制的な車両1の停止を行い、手動運転モードへ移行する(S5−2)。その後、車両1が完全に停止したとの判定がされたら(U5−2)、車両1を固定(パーキングロック)する(S5−3)。
このように、自動運転中にイグニッションスイッチのOFF操作がされた場合には、強制停止後に車両1を安全な場所に停止してから固定し、その後、車両1のシステム(機能)を停止する制御を行う。
以上説明したように、本実施形態の車両1の制御装置では、車両1の操舵と加減速の少なくとも一方を自動的に制御する自動運転モードと、車両1の操舵と加減速を運転者の操作に基づいて制御する手動運転モードとを切り替えて行うことが可能な車両の制御装置100であって、手動運転モードにおいて車両1の運転者が該車両1の複数の走行レンジを選択するために操作するバイワイヤ式のシフト装置(操作装置)60を備えている。そして、自動運転モードにおいてシフト装置60の操作がされた場合、制御装置100は、シフト装置60の操作で選択された走行レンジに対して、手動運転モードにおける当該走行レンジに割り当てられた制御とは異なる内容の制御を行うようになっている。
本実施形態の車両1の制御装置によれば、自動運転モードにおいてシフト装置60の操作がされた場合、当該操作で選択された走行レンジに対して、手動運転モードにおける当該走行レンジに割り当てられた制御とは異なる内容の制御を行うことで、自動運転モードにおいて、シフト装置60を操作した運転者(又は運転者)の意思を適切に反映した車両1の制御を行うことができる。
自動運転時にシフト装置60の操作でパーキングレンジ(Pレンジ)の選択がされた場合、運転者による即座な強制的車両停止の要望である可能性がある。したがって、その場合には、車両1を即座に停止できるよう制御を行う。またその際に、車両1をニュートラル状態として安全な場所に停車させ、その後に該車両1を固定する制御を行うことで、車両1を安全に停止できるようにする。さらに、表示部15に車両1の停車場所を問い合わせる表示を行うことで、車両1を運転者の求める適切な場所に駐車させるようにする。
また、自動運転時にシフト装置60の操作でニュートラルレンジ(Nレンジ)の選択がされた場合、運転者による即座な強制的出力停止の要望である可能性がある。したがって、その場合には、走行駆動力出力装置90からの駆動力の出力を停止する制御を行うことで、自動運転モードを継続しつつ駆動輪への駆動力を出力しない状態で車両1を走行させる(コースティング)制御を行う。
また、自動運転時にシフト装置60の操作によるリバースレンジ(Rレンジ)の選択があった場合、車両1の運転者による即座な後進走行への移行の意志である可能性がある。したがって、その場合、車速が所定車速以上であれば、走行駆動力出力装置90からの出力を停止することで、自動運転モードを継続しつつ駆動輪への駆動力を出力しない状態とし、車速が所定車速未満であれば、後進走行が可能な車速まで車両を減速してから後進走行させる制御を行うようにする。
また、自動運転時に操作装置60の操作による前進走行レンジ(Dレンジ)の選択があった場合、車両1の運転者による手動運転モードへの移行の要望である可能性がある。したがって、その場合には、自動運転モードを解除して手動運転モードに切り替える制御を行うようにする。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、本発明にかかる操作装置は、車両の運転者(運転者)による操作で車両の複数の走行モードを切り替えることができる操作子であれば、上記実施形態に示すようなシフト装置60には限られず、他の構成の操作子(例えば、ボタンやダイヤルなど)であってもよい。また、イグニッションスイッチ81は、車両1のシステムの起動停止操作を行うことができるものであれば、スイッチには限らず、イグニッションキーなど他の操作デバイスであってもよい。