JP6751729B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御装置に関し、特に自車両の加減速及び操舵の少なくとも一方を自動的に制御する自動運転制御を行う車両の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1に示すように、目的地までの経路に沿って自車両が走行するように、自車両の加減速および操舵のうち、少なくとも一方を自動的に制御する自動運転制御部を備える車両の制御装置がある。
上記のような自動運転制御における車両の加減速の制御において、従来は、後続車両の状況に応じて自車両の目標加減速度を修正することは行われていなかった。しかしながら、自車両と後続車両との車間距離が過度に少なかったり、あるいは自車両と後続車両との相対的な加減速度の変化が大きいと、自車両の乗員が後続車両との衝突等の不安を感じることがある。また、相対的な加減速度の変化が過度に大きい場合には、後続車両との衝突の危険もあり得る。
特開2017−146819号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動運転制御における車両の加減速の制御での目標加減速度を適切に修正することで、自車両が穏やかな減速をするようにして、自車両の乗員が後続車両との衝突等の不安を感じることを回避でき、後続車両との実際の衝突のリスクも軽減することができる車両の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明にかかる車両の制御装置は、自車両(1)の少なくとも加減速を自動的に制御する自動運転制御を行う自動運転制御部(110)を備える車両の制御装置(100)であって、前記自動運転制御部(110)は、前記自車両(1)の目標とする走行状態である目標走行状態を設定する目標走行状態設定部(118)と、前記目標走行状態設定部で設定した目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御の指令値を出力する走行制御部(120)と、前記自車両と後続車両(300)との車間距離を判断する車間距離判断部(12,112)と、を備え、前記目標走行状態設定部は、前記自車両の加減速度の目標値である目標加減速度を設定し、前記自車両と前記後続車両との車間距離(L)が第1のしきい値(L1)よりも小さい場合、前記目標加減速度を小さくなるように修正することを特徴とする。
また、本発明にかかる車両の制御装置は、自車両の少なくとも加減速を自動的に制御する自動運転制御を行う自動運転制御部を備える車両の制御装置であって、前記自動運転制御部は、前記自車両の目標とする走行状態である目標走行状態を設定する目標走行状態設定部と、前記目標走行状態設定部で設定した目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御の指令値を出力する走行制御部と、前記自車両と後続車両との車間距離を判断する車間距離判断部と、を備え、前記目標走行状態設定部は、前記自車両の加減速度の目標値である目標加減速度を設定し、前記車間距離から判断した前記自車両に対する前記後続車両の加減速度の変化量が第2のしきい値(A1,A2)よりも大きい場合、前記目標加減速度を小さくなるように修正することを特徴とする。
また、本発明にかかる車両の制御装置は、自車両の少なくとも加減速を自動的に制御する自動運転制御を行う自動運転制御部を備える車両の制御装置であって、前記自動運転制御部は、前記自車両の目標とする走行状態である目標走行状態を設定する目標走行状態設定部と、前記目標走行状態設定部で設定した目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御の指令値を出力する走行制御部と、前記自車両と後続車両との車間距離を判断する車間距離判断部と、を備え、前記目標走行状態設定部は、前記自車両の加減速度の目標値である目標加減速度を設定し、前記自車両と後続車両との車間距離(L)が所定のしきい値(L1)よりも小さい場合、前記目標加減速度を小さくなるように修正し、かつ、前記車間距離から判断した前記自車両に対する前記後続車両の加減速度の変化量が第2のしきい値(A1,A2)よりも大きい場合、前記目標加減速度を小さくなるように修正することを特徴とする。
本発明にかかる車両の制御装置によれば、自車両と後続車両との車間距離が第1のしきい値よりも小さい場合、あるいは、自車両に対する後続車両の加減速度の変化量が第2のしきい値よりも大きい場合に、自車両の加減速度の目標値を小さくする制御を行うことで、自動運転制御における自車両の加減速をより穏やかな加減速とすることができる。したがって、自車両の乗員が後続車両との衝突等の不安を感じずに済むようになる。また、自車両と後続車両との衝突のおそれを効果的に低減することができる。
また、本発明にかかる上記の車両の制御装置では、前記自車両は、駆動源(EG)から伝達された駆動力による回転を変速して駆動輪側に出力する有段式の自動変速機(TM)を備え、前記自動運転制御部は、前記自動変速機の目標変速段をより高速段側の変速段に切り替えることで、前記目標加減速度を小さくなるように修正してもよい。
この構成によれば、自動変速機の目標変速段をより高速段側の変速段に切り替える(シフトアップする)ことで、簡単な制御で確実に自車両の加減速をより穏やかな加減速とすることができる。
また、本発明にかかる上記の車両の制御装置では、前記自動変速機で設定可能な変速段の領域を定めたシフトマップ(55)を複数記憶するシフトマップ記憶手段(5)を備え、前記自動運転制御部は、前記自動変速機の変速制御に用いる前記シフトマップをより低車速側でシフトアップが行われる他のシフトマップに変更することで、前記目標加減速度を小さくなるように修正してもよい。
この構成によれば、前記自動変速機の変速制御に用いる前記シフトマップをより低車速側でシフトアップが行われる他のシフトマップに変更することで、簡単な制御で確実に自車両の加減速をより穏やかな加減速とすることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の図面参照番号を参考のために示すものである。
本発明にかかる車両の制御装置によれば、自動運転制御における車両の加減速の制御での目標加減速度を後続車両との関係に応じて適切に修正することで、自車両の加減速がより穏やかな加減速となるようにして、自車両の乗員が後続車両との衝突等の不安を感じることを回避でき、後続車両との衝突のリスクを軽減することができる。
本発明の一実施形態の車両の制御装置の機能構成図である。 車両の走行駆動力出力装置(駆動装置)の構成を示す概略図である。 目標加減速度の修正制御における車間距離判定と後続車加減速変化判定を説明するための図である。 目標加減速度の修正制御の手順を示すフローチャートである。 目標加減速度の修正制御における各値の変化を示すタイミングチャートである。 目標加減速度の修正領域を説明するための図である。 シフトマップの変更について説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、車両1に搭載された制御装置100の機能構成図である。同図を用いての制御装置100の構成を説明する。この制御装置100が搭載される車両(自車両)1は、例えば、二輪や三輪、四輪等の自動車であり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関を動力源とした自動車や、電動機を動力源とした電気自動車、内燃機関および電動機を兼ね備えたハイブリッド自動車等を含む。また、上述した電気自動車は、例えば、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池等の電池により放電される電力を使用して駆動される。
制御装置100は、外部状況取得部12、経路情報取得部13、走行状態取得部14など車両1の外部からの各種情報を取り入れるための手段を備える。また、アクセルペダル70、ブレーキペダル72、およびステアリングホイール74、切替スイッチ80等の操作デバイスと、アクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ(ブレーキスイッチ)73、およびステアリング操舵角センサ(またはステアリングトルクセンサ)75等の操作検出センサと、報知装置(出力部)82とを備える。また、車両1の駆動又は操舵を行うための装置として、走行駆動力出力装置(駆動装置)90と、ステアリング装置92と、ブレーキ装置94を備えると共に、これらを制御するための制御装置100を備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、例示した操作デバイスについてはあくまで一例であり、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUI(Graphical User Interface)スイッチ等が車両1に搭載されても構わない。
外部状況取得部12は、車両1の外部状況、例えば、走行路の車線や車両周辺の物体といった車両周辺の環境情報を取得するように構成される。外部状況取得部12は、例えば、各種カメラ(単眼カメラ、ステレオカメラ、赤外線カメラ等)や各種レーダ(ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、レーザレーダ等)等を備える。また、カメラにより得られた情報とレーダにより得られた情報を統合するフュージョンセンサを使用することも可能である。
経路情報取得部13は、ナビゲーション装置を含む。ナビゲーション装置は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイク等を有する。ナビゲーション装置は、GNSS受信機によって車両1の位置を特定し、その位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。ナビゲーション装置により導出された経路は、経路情報144として記憶部140に格納される。車両1の位置は、走行状態取得部14の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。また、ナビゲーション装置は、制御装置100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、車両1の位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置とは独立して設けられてもよい。また、ナビゲーション装置は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の一機能によって実現されてもよい。この場合、端末装置と制御装置100との間で無線または有線による通信によって情報の送受信が行われる。
走行状態取得部14は、車両1の現在の走行状態を取得するように構成される。走行状態取得部14は、走行位置取得部26と、車速取得部28と、ヨーレート取得部30と、操舵角取得部32と、走行軌道取得部34とを含む。
走行位置取得部26は、走行状態の1つである車両1の走行位置及び車両1の姿勢(進行方向)を取得するように構成される。走行位置取得部26は、各種測位装置、例えば、衛星や路上装置から送信される電磁波を受信して位置情報(緯度、経度、高度、座標等)を取得する装置(GPS受信機、GNSS受信機、ビーコン受信機等)やジャイロセンサや加速度センサ等を備える。車両1の走行位置は車両1の特定部位を基準に測定される。
車速取得部28は、走行状態の1つである車両1の速度(車速という。)を取得するように構成される。車速取得部28は、例えば、1以上の車輪に設けられる速度センサ等を備える。
ヨーレート取得部30は、走行状態の1つである車両1のヨーレートを取得するように構成される。ヨーレート取得部30は、例えば、ヨーレートセンサ等を備える。
操舵角取得部32は、走行状態の1つである操舵角を取得するように構成される。操舵角取得部32は、例えば、ステアリングシャフトに設けられる操舵角センサ等を備える。ここでは、取得された操舵角に基づいて操舵角速度及び操舵角加速度も取得される。
走行軌道取得部34は、走行状態の1つである車両1の実走行軌道の情報(実走行軌道)を取得するように構成される。実走行軌道とは、実際に車両1が走行した軌道(軌跡)を含み、これから走行する予定の軌道、例えば走行した軌道(軌跡)の進行方向前側の延長線を含んでいてもよい。走行軌道取得部34はメモリを備える。メモリは実走行軌道に含まれる一連の点列の位置情報を記憶する。また、延長線はコンピュータ等により予測可能である。
操作検出センサであるアクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ73、ステアリング操舵角センサ75は、検出結果としてのアクセル開度、ブレーキ踏量、ステアリング操舵角を制御装置100に出力する。
切替スイッチ80は、車両1の乗員によって操作されるスイッチである。切替スイッチ80は、乗員の操作を受け付け、受け付けた操作内容から運転モード(例えば、自動運転モードと手動運転モード)の切り替えを行う。切替スイッチ80は、乗員の操作内容から、車両1の運転モードを指定する運転モード指定信号を生成し、制御装置100に出力する。
また、本実施形態の車両1は、運転者によりシフトレバーを介して操作されるシフト装置60を備える。シフト装置60におけるシフトレバー(図示せず)のポジションには、図1に示すように、例えば、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モード(ノーマルモード)での前進走行)、S(スポーツモードでの前進走行)などがある。シフト装置60の近傍には、シフトポジションセンサ205が設けられる。シフトポジションセンサ205は、運転者によって操作されるシフトレバーのポジションを検出する。シフトポジションセンサ205で検出されたシフトポジションの情報は、制御装置100に入力される。なお、手動運転モードでは、シフトポジションセンサ205で検出されたシフトポジションの情報は、直接的に走行駆動力出力装置90(AT−ECU5)に出力される。
報知装置82は、情報を出力可能な種々の装置である。報知装置82は、例えば車両1の乗員に、自動運転モードから手動運転モードへの移行を促すための情報を出力する。報知装置82としては、例えばスピーカ、バイブレータ、表示装置、および発光装置等のうち少なくとも1つが用いられる。
走行駆動力出力装置(駆動装置)90は、本実施形態の車両1では、図2に示すように、エンジンEGおよび該エンジンEGを制御するFI−ECU(Electronic Control Unit)4と、自動変速機TMおよび該自動変速機TMを制御するAT−ECU5を備えて構成されている。なお、これ以外にも、走行駆動力出力装置90としては、車両1が電動機を動力源とした電気自動車である場合には、走行用モータおよび走行用モータを制御するモータECUを備えてよい。車両1がハイブリッド自動車である場合には、エンジンおよびエンジンECUと走行用モータおよびモータECUを備えてよい。本実施形態のように走行駆動力出力装置90がエンジンEG及び自動変速機TMで構成されている場合、FI−ECU4及びAT−ECU5は、後述する走行制御部120から入力される情報に従って、エンジンEGのスロットル開度や自動変速機TMのシフト段等を制御し、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を出力する。また、走行駆動力出力装置90が走行用モータのみを含む場合、モータECUは、走行制御部120から入力される情報に従って、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整し、上述した走行駆動力を出力する。また、走行駆動力出力装置90がエンジンおよび走行用モータを含む場合、FI−ECUおよびモータECUの双方は、走行制御部120から入力される情報に従って、互いに協調して走行駆動力を制御する。
ステアリング装置92は、例えば、電動モータを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリング装置92は、走行制御部120から入力される情報に従って、電動モータを駆動させ、転舵輪の向きを変更する。
ブレーキ装置94は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、制動制御部とを備える電動サーボブレーキ装置である。電動サーボブレーキ装置の制動制御部は、走行制御部120から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じた制動力を出力するブレーキトルク(制動力出力装置)が各車輪に出力されるようにする。電動サーボブレーキ装置は、ブレーキペダル72の操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置94は、上記説明した電動サーボブレーキ装置に限らず、電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。電子制御式油圧ブレーキ装置は、走行制御部120から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する。また、ブレーキ装置94は、走行駆動力出力装置90が走行用モータを備える場合は、当該走行用モータによる回生ブレーキを含んでもよい。
次に、制御装置(車両制御装置)100について説明する。制御装置100は、自動運転制御部110と、走行制御部120と、記憶部140とを備える。自動運転制御部110は、自車位置認識部112と、外界認識部114と、行動計画生成部116と、目標走行状態設定部118とを備える。自動運転制御部110の各部、走行制御部120の一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよい。また、記憶部140は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部140に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、そのプログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部140にインストールされてもよい。また、制御装置100は、複数のコンピュータ装置によって分散化されたものであってもよい。これにより、車両1の車載コンピュータに対して、上述したハードウェア機能部と、プログラム等からなるソフトウェアとを協働させて、本実施形態における各種処理を実現することができる。
自動運転制御部110は、切替スイッチ80からの信号の入力に従い、運転モードを切り替えて制御を行う。運転モードとしては、車両1の加減速および操舵を自動的に制御する運転モード(自動運転モード)や、車両1の加減速をアクセルペダル70やブレーキペダル72等の操作デバイスに対する操作に基づいて制御し、操舵をステアリングホイール74等の操作デバイスに対する操作に基づいて制御する運転モード(手動運転モード)があるが、これに限定されるものではない。他の運転モードとして、例えば、車両1の加減速および操舵のうち一方を自動的に制御し、他方を操作デバイスに対する操作に基づいて制御する運転モード(半自動運転モード)を含んでいてもよい。なお、以下の説明で「自動運転」というときは、上記の自動運転モードに加えて半自動運転モードも含むものとする。
なお、手動運転モードの実施時においては、自動運転制御部110は動作を停止し、操作検出センサからの入力信号が走行制御部120に出力されるようにしてもよいし、直接的に走行駆動力出力装置90(FI−ECU又はAT−ECU)、ステアリング装置92、またはブレーキ装置94に供給されるようにしてもよい。
自動運転制御部110の自車位置認識部112は、記憶部140に格納された地図情報142と、外部状況取得部12、経路情報取得部13、または走行状態取得部14から入力される情報とに基づいて、車両1が走行している車線(走行車線)、および、走行車線に対する車両1の相対位置を認識する。地図情報142は、例えば、経路情報取得部13が有するナビ地図よりも高精度な地図情報であり、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。より具体的には、地図情報142には、道路情報や、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等が含まれる。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞等によって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。
自車位置認識部112は、例えば、車両1の基準点(例えば重心)の走行車線中央からの乖離、および車両1の進行方向の走行車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する車両1の相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部112は、自車線の何れかの側端部に対する車両1の基準点の位置等を、走行車線に対する車両1の相対位置として認識してもよい。
外界認識部114は、外部状況取得部12等から入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。本実施形態における周辺車両とは、車両1の周辺を走行する他の車両であって、車両1と同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、車両1の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、車両1の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、上記各種機器の情報に基づいて周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部114は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
行動計画生成部116は、自動運転の開始地点、自動運転の終了予定地点、および/または自動運転の目的地を設定する。自動運転の開始地点は、車両1の現在位置であってもよいし、車両1の乗員により自動運転を指示する操作がなされた地点でもよい。行動計画生成部116は、その開始地点と終了予定地点の間の区間や、開始地点と自動運転の目的地との間の区間において、行動計画を生成する。なお、これに限定されるものではなく、行動計画生成部116は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、車両1を減速させる減速イベントや、車両1を加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように車両1を走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、車両1に前走車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように車両1を走行させたりする分岐イベント、本線に合流するための合流車線において車両1を加減速させ、走行車線を変更させる合流イベント等が含まれる。例えば、有料道路(例えば高速道路等)においてジャンクション(分岐点)が存在する場合、制御装置100は、車両1を目的地の方向に進行するように車線を変更したり、車線を維持したりする。従って、行動計画生成部116は、地図情報142を参照して経路上にジャンクションが存在していると判明した場合、現在の車両1の位置(座標)から当該ジャンクションの位置(座標)までの間に、目的地の方向に進行することができる所望の車線に車線変更するための車線変更イベントを設定する。なお、行動計画生成部116によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報146として記憶部140に格納される。
目標走行状態設定部118は、行動計画生成部116により決定された行動計画と、外部状況取得部12、経路情報取得部13、及び走行状態取得部14により取得される各種情報に基づいて、車両1の目標とする走行状態である目標走行状態を設定するように構成される。目標走行状態設定部118は、目標値設定部52と目標軌道設定部54とを含む。また、目標走行状態設定部118は、偏差取得部42、補正部44も含む。
目標値設定部52は、車両1が目標とする走行位置(緯度、経度、高度、座標等)の情報(単に目標位置ともいう。)、車速の目標値情報(単に目標車速ともいう。)、ヨーレートの目標値情報(単に目標ヨーレートともいう。)を設定するように構成される。目標軌道設定部54は、外部状況取得部12により取得される外部状況、及び、経路情報取得部13により取得される走行経路情報に基づいて、車両1の目標軌道の情報(単に目標軌道ともいう。)を設定するように構成される。目標軌道は、単位時間毎の目標位置の情報を含む。各目標位置には、車両1の姿勢情報(進行方向)が対応づけられる。また、各目標位置に車速、加速度、ヨーレート、横G、操舵角、操舵角速度、操舵角加速度等の目標値情報が対応づけられてもよい。上述した目標位置、目標車速、目標ヨーレート、目標軌道は目標走行状態を示す情報である。
偏差取得部42は、目標走行状態設定部118で設定される目標走行状態と、走行状態取得部14で取得される実走行状態とに基づいて、目標走行状態に対する実走行状態の偏差を取得するように構成される。
補正部44は、偏差取得部42により取得される偏差に応じて、目標走行状態を補正するように構成される。具体的には、偏差が大きくなるほど、目標走行状態設定部118により設定された目標走行状態を、走行状態取得部14により取得された実走行状態に近づけて、新たな目標走行状態を設定する。
走行制御部120は、車両1の走行を制御するように構成される。具体的には、車両1の走行状態を、目標走行状態設定部118により設定された目標走行状態、又は、補正部44により設定された新たな目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御の指令値を出力する。走行制御部120は、加減速指令部56と、操舵指令部58とを含む。
加減速指令部56は、車両1の走行制御のうち、加減速制御を行うように構成される。具体的には、加減速指令部56は、目標走行状態設定部118又は補正部44により設定された目標走行状態(目標加減速度)と実走行状態(実加減度)とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための加減速度指令値を演算する。
操舵指令部58は、車両1の走行制御のうち、操舵制御を行うように構成される。具体的には、操舵指令部58は、目標走行状態設定部118又は補正部44により設定された目標走行状態と、実走行状態とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための操舵角速度指令値を演算する。
図2は、車両1が備える走行駆動力出力装置(駆動装置)90の構成を示す概略図である。同図に示すように、本実施形態の車両1の走行駆動力出力装置90は、駆動源である内燃機関(エンジン)EGと、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータTCを介してエンジンEGと連結される自動変速機TMとを備える。自動変速機TMは、エンジンEGから伝達された駆動力による回転を変速して駆動輪側に出力する変速機であって、前進走行用の複数の変速段と後進走行用の一の変速段とを設定可能な有段式の自動変速機である。また、走行駆動力出力装置90は、エンジンEGを電子的に制御するFI−ECU(燃料噴射制御装置)4と、トルクコンバータTCを含む自動変速機TMを電子的に制御するAT−ECU(自動変速制御装置)5と、AT−ECU5の制御に従いトルクコンバータTCの回転駆動やロックアップ制御および自動変速機TMが備える複数の摩擦係合機構の締結(係合)・解放を油圧制御する油圧制御装置6とを備えている。
エンジンEGの回転出力は、クランクシャフト(エンジンEGの出力軸)221に出力され、トルクコンバータTCを介して自動変速機TMの入力軸227に伝達される。
クランクシャフト221(エンジンEG)の回転数Neを検出するクランクシャフト回転数センサ201が設けられる。また、入力軸227の回転数(自動変速機TMの入力軸回転数)Niを検出する入力軸回転数センサ202が設けられる。また、出力軸228の回転数(自動変速機TMの出力軸回転数)Noを検出する出力軸回転数センサ203が設けられる。各センサ201〜203により検出された回転数データNe,Ni,No及びNoから算出される車速データがAT−ECU5に与えられる。また、エンジン回転数データNeは、FI−ECU(燃料噴射制御装置)4に与えられる。また、エンジンEGのスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ206が設けられている。スロットル開度THのデータは、FI−ECU4に与えられる。
また、自動変速機TMを制御するAT−ECU5は、車速センサで検出した車速とアクセル開度センサ71で検出したアクセル開度とに応じて自動変速機TMで設定可能な変速段の領域を定めたシフトマップ(変速特性)55を有している。シフトマップ55は、変速段毎に設定されたシフトアップ線及びダウンシフト線を含むもので、特性の異なる複数種類のシフトマップが予め用意されている。自動変速機TMの変速制御では、AT−ECU5は、これら複数種類のシフトマップから選択したシフトマップに従い自動変速機TMの変速段を切り替える制御を行う。
[自動運転制御の概要]
車両1では、運転者による切替スイッチ80の操作で自動運転モードが選択された場合、自動運転制御部110は車両1の自動運転制御を行う。この自動運転制御では、自動運転制御部110は、外部状況取得部12、経路情報取得部13、走行状態取得部14などから取得した情報、あるいは自車位置認識部112及び外界認識部114で認識した情報に基づいて、車両1の現在の走行状態(実走行軌道や走行位置等)を把握する。目標走行状態設定部118は、行動計画生成部116で生成した行動計画に基づいて、車両1の目標とする走行状態である目標走行状態(目標軌道や目標位置)を設定する。偏差取得部42は、目標走行状態に対する実走行状態の偏差を取得する。走行制御部120は、偏差取得部42により偏差が取得される場合に、車両1の走行状態を目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御を行う。
補正部44は、走行位置取得部26により取得される走行位置に基づいて目標軌道又は目標位置を補正する。走行制御部120は、新たな目標軌道又は目標位置に車両1が追従するように、車速取得部により取得される車速等に基づいて、走行駆動力出力装置90及びブレーキ装置94による車両1の加減速制御を行う。
また、補正部44は、走行位置取得部26により取得される走行位置に基づいて目標軌道を補正する。走行制御部120は、新たな目標軌道に車両1が追従するように、操舵角取得部32により取得される操舵角速度に基づいて、ステアリング装置92による操舵制御を行う。
[目標加減速度の修正制御]
そして、本実施形態の車両1の制御装置100では、上記の自動運転制御における目標走行状態設定部118での目標加減速度の設定において、車両1(自車両)と後続車両300(図3参照)との車間距離、あるいは車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量に応じて、設定する目標加減速度を修正する制御(目標加減速度の修正制御)を行う。以下、この目標加減速度の修正制御について説明する。
図3は、目標加減速度の修正制御における、(a)車間距離判定と(b)後続車加減速変化判定とを説明するための図である。目標加減速度の修正制御(下方修正制御)では、同図(a)に示す車両(自車両)1と後続車両300との車間距離Lを判定する車間距離判定において、車両1と後続車両300との車間距離Lが所定のしきい値(第1のしきい値)L1以下(L≦L1)であると判定された場合には、自動運転における車両1の目標加減速度を下方修正(減少修正)する修正制御を行う。また、同図(b)に示す車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量を判定する後続車加減速変化判定において、車両1と後続車両300との車間距離Lが所定時間T1以内に上限側しきい値LA以上となり、かつ下限側しきい値LB以下となったと判定された場合には、車両1に対する後続車両300の加減速度の変化が大きい(所定以上)であると判断し、自動運転における車両1の目標加減速度を下方修正(減少修正)する修正制御を行う。
図4は、目標加減速度の修正制御の手順を示すフローチャートである。同図のフローチャートを用いて目標加減速度の修正制御の手順を説明する。目標加減速度の修正制御では、まず、車両(自車両)1の走行状態がクルーズ走行状態であるか否かの判定(クルーズ判定)を行う(ステップST1)。ここでは、例えば、車速センサで検出した車速またはアクセル開度センサ71で検出したアクセル開度の変化量が所定量(例えば、車速又はアクセル開度が略一定であるとみなすことができる量)以下であることをもって、クルーズ走行状態であるとの判定(クルーズ判定)をすることができる。その結果、クルーズ走行状態ではないと判定した場合(ステップST1でNO)は、目標加減速度の修正を行わずに処理を終了する。一方、クルーズ走行状態であると判定した場合(ステップST1でYES)は、続けて、車両1と後続車両300との車間距離Lの判定を行う(ステップST2)。この車間距離Lの判定では、車両1と後続車両300との車間距離Lが接近判定しきい値(第1のしきい値)L1以下(L≦L1)であるか否かを判断する。その結果、車両1と後続車両300との車間距離がLが接近判定しきい値L1以下で無い場合(ステップST2でNO)は、目標加減速度の修正を行わずに処理を終了する。一方、車両1と後続車両300との車間距離Lが接近判定しきい値L1以下である場合(ステップST2でYES)は、続けて、後続車加減速変化判定(ステップST3〜ST5)を行う。この後続車加減速変化判定では、まず、この後続車加減速変化判定の経過時間を判断するためのタイマーを設定しておき、当該タイマーの時間内(規定タイマー内)であるか否かを判断する(ステップST3)。その結果、規定タイマー外であれば、すなわちタイマーの時間が経過している場合(NO)には、目標加減速度の修正を行わずに処理を終了する。一方、規定タイマー内、すなわちタイマーの時間が経過していない場合(YES)には、続けて、車両1と後続車両300との車間距離Lが遠方側(上限側)のしきい値(上限値)LAを超えた(上回った)か否かを判断する(ステップST4)。その結果、車間距離Lが遠方側しきい値LAを超えていない場合(NO)は、目標加減速度の修正を行わずに処理を終了し、車間距離Lが遠方側しきい値LAを超えている場合(YES)は、続けて、車両1と後続車両300との車間距離Lが近方側(下限側)のしきい値(下限値)LBを超えた(下回った)か否かを判断する(ステップST5)。その結果、車間距離Lが近方側しきい値LBを超えていない場合(NO)は、目標加減速度の修正を行わずに処理を終了し、車間距離Lが近方側しきい値LBを超えている場合(YES)は、目標加速度・減速度の減少修正を行う(ステップST6)。また、自動変速機TMの変速段の上段側の変速段への切替指示(シフトアップ指示)を行う(ステップST7)。
図5は、目標加減速度の修正制御における各値の変化を示すタイミングチャートである。同図のタイミングチャートでは、車両1と後続車両300との車間距離L、車間距離遠方側判定フラグFA、車間距離近方側判定フラグFB、車間距離接近判定フラグF1、目標加速度M1、目標減速度M2、自動変速機TMの目標シフト段(目標変速段)Nそれぞれの経過時間tに対する変化を示している。このタイミングチャートでは、時刻t1に車間距離L(車両1と後続車両300との車間距離、以下同じ。)の上限値が遠方側しきい値LAを越える(上回る)ことで、車間距離遠方側判定フラグFAが0から1に変化する。また、時刻t2に車間距離Lの下限値が近方側しきい値LBを越える(下回る)ことで、近方側判定フラグFBが0から1に変化する。その後、時刻t3に車間距離Lが接近判定しきい値L1を超える(下回る)ことで、車間距離接近判定フラグF1が0から1に変化する。その後、時刻t4に車間距離Lの上限値が再び遠方側しきい値LAを越える(上回る)ことで、遠方側判定フラグFAが1から2に変化する。その後、時刻t5に車間距離Lの下限値が再び近方側しきい値LBを越える(下回る)ことで、近方側判定フラグFBが1から2に変化する。この時刻t5の時点で、接近判定フラグF1が1となっており、かつ、遠方側判定フラグFAと近方側判定フラグFBがいずれも2となっている。これにより、目標加速度M1及び目標減速度M2の修正制御が行われ、目標加速度M1及び目標減速度M2の絶対値がいずれも小さな値M1´,M2´に修正される。また、時刻t5において自動変速機TMの目標シフト段(目標変速段)が5速段からより高レシオ側(上段側)の変速段である6速段に変更される。これにより、以降の自動運転制御において、より穏やかな加減速が実現される。
なお、図5のタイミングチャートでは、接近判定フラグF1が1となったこと、及び、遠方側判定フラグFAと近方側判定フラグFBがいずれも2となったことを条件として目標加速度M1及び目標減速度M2の修正制御が行われる場合を示したが、これ以外にも、接近判定フラグF1が1となったことのみ、あるいは、遠方側判定フラグFAと近方側判定フラグFBがいずれも2となったことのみを条件としてもよい。また、遠方側判定フラグFAと近方側判定フラグFBは、いずれも1となったことを条件としてもよい。
図6は、目標加減速度の修正領域を説明するための図で、横軸に車両1と後続車両300との車間距離Lを取り、縦軸に車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量を取るグラフ上での目標加減速度の修正領域(斜線部分)を示している。同図のグラフに示すように、車間距離Lが接近しきい値L1以下の領域(L≦L1)では、車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量にかかわらず目標加減速度の修正領域内となる。したがって、車間距離Lが接近しきい値L1以下であれば、車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量にかかわらず目標加減速度の修正制御が行われる。また、車間距離がL1より大きくL2以下の領域(L1<L≦L2)では、車両1に対する後続車両300の加速度変化量がしきい値(第2の閾値)A1以上の領域又は減速度変化量がしきい値(第2の閾値)A2(=−A1)以下の場合のみが目標加減速度の修正領域内となる。したがって、車間距離がL1より大きくL2以下のときには、車両1に対する後続車両300の加速度変化量がしきい値A1以上又は減速度変化量がしきい値A2以下の場合に目標加減速度の修正制御が行われる。さらに、車間距離がL2より大きな領域(L2<L)では、車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量にかかわらず、すべての領域が目標加減速度の修正領域外となる。したがって、車間距離がL2より大きい場合は、目標加減速度の修正制御は行われない。
ここで目標加減速度の修正計算について説明する。目標加速度の修正の場合、目標加速度の修正値M1´は、下記式1で表される。
M1´=現在目標加速度M1+K(係数)*((フリクショントルク(エンジンEG等)*レシオ)/タイヤ半径)/車重)・・・(式1)
一方、目標減速度の修正の場合、目標減速度の修正値M2´は、下記式2で表される。
M2´=現在目標減速度M2−K(係数)*((フリクショントルク(エンジンEG等)*レシオ)/タイヤ半径)/車重)・・・(式2)
また、この目標加減速度の修正制御では、図4のステップST7における目標変速段の変更(シフトアップ指示)に代えて、自動変速機TMのシフトマップ55の変更(持ち替え)を行うことも可能である。図7は、このシフトマップの変更について説明するための図で、横軸に車速Vを取り、縦軸にアクセル開度APを取ったシフトマップを示している。同図の点線で示すラインは、変更前のシフトマップにおけるアップシフト又はダウンシフト線(切替線)で、左側から順にN−1速段、N速段、N+1速段のアップシフト又はダウンシフト線を示している。また、同図の実線で示すラインは変更後のシフトマップにおけるアップシフト又はダウンシフト線(切替線)を示している。このように、目標加減速度の修正制御におけるシフトマップの変更では、より低車速側で変速段の切り替え(シフトアップ又はシフトダウン)が行われるようなシフトマップに変更することで、穏やかな加減速を実現できる。
以上説明したように、本実施形態の車両の制御装置では、自動運転制御部110は、車両1(自車両)の目標とする走行状態である目標走行状態を設定する目標走行状態設定部118と、目標走行状態設定部118で設定した目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御の指令値を出力する走行制御部120とを備えている。そして、目標走行状態設定部118は、車両1の加減速度の目標値を設定し、車両1と後続車両300との車間距離Lが上記の接近判定しきい値(第1のしきい値)L1よりも小さければ車両1の加減速度の目標値を小さくし、かつ、所定時間(規定時間)内に、車両1と後続車両300との車間距離Lの上限値が上記の遠方側しきい値LAを上回り、かつ下限値が近方側しきい値LBを下回ることで、車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量が所定のしきい値(第2のしきい値)A1,A2よりも大きくなったと判断すれば、車両1の加減速度の目標値を小さくする。
本実施形態の車両1の制御装置100によれば、車両1と後続車両300との車間距離Lが接近判定しきい値(第1のしきい値)L1よりも小さければ車両1の加減速度の目標値を小さくする制御、あるいは、車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量が所定のしきい値(第2のしきい値)A1,A2よりも大きければ車両1の加減速度の目標値を小さくする制御を行うことで、自動運転制御における車両1の加減速をより穏やかな加減速とすることができる。したがって、車両1の乗員が後続車両との衝突等の不安を感じずに済むようになる。また、車両1と後続車両との衝突のおそれを効果的に低減することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
なお、本発明の目標加減速度の修正制御は、上記実施形態に示す車両1と後続車両300との車間距離Lが第1のしきい値L1よりも小さい場合と、車間距離Lから判断した車両1に対する後続車両300の加減速度の変化量が第2のしきい値A1,A2よりも大きい場合とのいずれか一方の条件のみが成立する場合に実施するようにしてもよいし、両方の条件が成立する場合に実施するようにしてもよい。
1 車両(自車両)
6 油圧制御装置
12 外部状況取得部
13 経路情報取得部
14 走行状態取得部
26 走行位置取得部
28 車速取得部
30 ヨーレート取得部
32 操舵角取得部
34 走行軌道取得部
42 偏差取得部
44 補正部
52 目標値設定部
54 目標軌道設定部
55 シフトマップ
56 加減速指令部
58 操舵指令部
60 シフト装置
70 アクセルペダル
71 アクセル開度センサ
72 ブレーキペダル
73 ブレーキ踏量センサ
74 ステアリングホイール
75 ステアリング操舵角センサ
80 切替スイッチ
82 報知装置
90 走行駆動力出力装置(駆動装置)
92 ステアリング装置
94 ブレーキ装置
100 制御装置(車両制御装置)
110 自動運転制御部
112 自車位置認識部
114 外界認識部
116 行動計画生成部
118 目標走行状態設定部
120 走行制御部
140 記憶部
142 地図情報
144 経路情報
146 行動計画情報
201 クランクシャフト回転数センサ
202 入力軸回転数センサ
203 出力軸回転数センサ
205 シフトポジションセンサ
206 スロットル開度センサ
221 クランクシャフト
227 入力軸
228 出力軸
300 後続車両
EG エンジン(駆動源)
TC トルクコンバータ
TM 自動変速機
F1 車間距離接近判定フラグ
FA 車間距離遠方側判定フラグ
FB 車間距離近方側判定フラグ
L 車間距離
L1 接近しきい値(第1のしきい値)
A1,A2 加減速度変化量のしきい値(第2のしきい値)

Claims (3)

  1. 自車両の少なくとも加減速を自動的に制御する自動運転制御を行う自動運転制御部を備える車両の制御装置であって、
    前記自動運転制御部は、前記自車両の目標とする走行状態である目標走行状態を設定する目標走行状態設定部と、前記目標走行状態設定部で設定した目標走行状態に一致あるいは近づけるように走行制御の指令値を出力する走行制御部と、
    前記自車両と後続車両との車間距離を判断する車間距離判断部と、を備え、
    前記目標走行状態設定部は、前記自車両の加減速度の目標値である目標加減速度を設定し、
    前記自車両と後続車両との車間距離が遠方側しきい値を第1の所定回数上回り、かつ、前記車間距離が前記遠方側しきい値よりも小さな値である近方側しきい値を第2の所定回数下回り、かつ、前記車間距離が前記近方側しきい値よりも小さな値である第1のしきい値を下回った場合、前記目標加減速度を小さくなるように修正し、
    前記車間距離が前記遠方側しきい値を第1の所定回数上回り、かつ前記車間距離が前記近方側しきい値を第2の所定回数下回り、かつ、前記車間距離が前記第1のしきい値を上回っているが前記第1のしきい値よりも大きな他のしきい値以下となった場合には、前記車間距離から判断した前記自車両に対する前記後続車両の加減速度の変化量が第2のしきい値よりも大きい場合、前記目標加減速度を小さくなるように修正する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記自車両は、駆動源から伝達された駆動力による回転を変速して駆動輪側に出力する有段式の自動変速機を備え、
    前記自動運転制御部は、前記自動変速機の目標変速段をより高速段側の変速段に切り替えることで、前記目標加減速度を小さくなるように修正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記自車両は、駆動源から伝達された駆動力による回転を変速して駆動輪側に出力する有段式の自動変速機と、
    前記自動変速機で設定可能な変速段の領域を定めたシフトマップを複数記憶するシフトマップ記憶手段と、を備え、
    前記自動運転制御部は、前記自動変速機の変速制御に用いる前記シフトマップをより低車速側でシフトアップが行われる他のシフトマップに変更することで、前記目標加減速度を小さくなるように修正する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
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