JP6646484B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期モータのロータの回転位置(以下、単に「ロータ位置」という)をセンサレスで検出する機能を備えたモータ制御装置に関する。
この種のモータ制御装置の一例として、特許文献1に記載されたモータ制御装置が知られている。特許文献1に記載されたモータ制御装置は、電流波高値、電流電気角及び誘起電圧電気角を検出し、電流波高値と[誘起電圧電気角−電流電気角]とに基づいてロータ位置を検出している。具体的には、前記モータ制御装置は、あらかじめ作成された、電流波高値及び[誘起電圧電気角−電流電気角]をパラメータとするデータテーブルから電流位相又は誘起電圧位相を求め、「ロータ位置=電流電気角−電流位相−90°」又は「ロータ位置=誘起電圧電気角−誘起電圧位相−90°」で表されるロータ位置計算式を用いてロータ位置を検出している。
特開2011−10438号公報
しかし、上述の従来のモータ制御装置においては、例えば高速回転のために弱め磁束制御が行われた場合、換言すれば、d軸電流(負)を増加させるために電流位相を大きく進角させた場合に、ロータ位置を誤検出してしまうおそれがあった。以下、この点について説明する。
図7(A)は、通常制御時のモータベクトル図の一例を示しており、図7(B)は、弱め磁束制御時のモータベクトル図の一例を示している。図7(A)と図7(B)とを比較すると、電流波高値Ipと[誘起電圧電気角−電流電気角]に相当する[誘起電圧位相γ−電流位相β]とについては両者で等しいが、電流位相β及び誘起電圧位相γについては両者で異なる。このことは、電流波高値及び[誘起電圧電気角−電流電気角]に対応する電流位相又は誘起電圧位相が一つとは限らないことを示している。このため、電流波高値及び[誘起電圧電気角−電流電気角]をパラメータとする前記データテーブルから電流位相又は誘起電圧位相を求める構成の前記従来のモータ制御装置においては、図7(A)の状態と図7(B)の状態とが区別されず、例えば弱め磁束制御が行われた場合に、実際の電流位相(又は誘起電圧位相)とは異なる電流位相(又は誘起電圧位相)を用いてロータ位置を検出してしまう(すなわち、ロータ位置を誤検出してしまう)おそれがあった。
そこで、本発明は、通常制御時はもちろん、例えば弱め磁束制御が行われた場合であってもロータ位置を精度よく検出することのできるモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、モータ制御装置は、同期モータのステータコイルに流れる電流を検出する電流検出部と、前記ステータコイルに印加される印加電圧を検出する印加電圧検出部と、前記電流検出部で検出された電流に基づいて電流波高値及び電流電気角を検出する電流波高値・電気角検出部と、前記電流検出部で検出された電流と、前記印加電圧検出部で検出された印加電圧とに基づいて誘起電圧波高値及び誘起電圧電気角を検出する誘起電圧波高値・電気角検出部と、前記誘起電圧波高値と前記同期モータの回転速度とに基づいてロータの鎖交磁束を検出する鎖交磁束検出部と、前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び[前記誘起電圧電気角−前記電流電気角]に基づいて求められる第1電気位相又は第1誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第1ロータ位置検出部と、前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び前記鎖交磁束に基づいて求められる第2電気位相又は第2誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第2ロータ位置検出部と、前記第1ロータ位置検出部及び前記第2ロータ位置検出部のいずれか一方を選択する選択部と、を含む。
本発明の他の側面によると、モータ制御装置は、同期モータのステータコイルに流れる電流を検出する電流検出部と、前記ステータコイルに印加される印加電圧を検出する印加電圧検出部と、前記電流検出部で検出された電流に基づいて電流波高値及び電流電気角を検出する電流波高値・電気角検出部と、前記電流検出部で検出された電流と、前記印加電圧検出部で検出された印加電圧とに基づいて誘起電圧波高値及び誘起電圧電気角を検出する誘起電圧波高値・電気角検出部と、前記誘起電圧波高値と前記同期モータの回転速度とに基づいてロータの鎖交磁束を検出する鎖交磁束検出部と、前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び[前記誘起電圧電気角−前記電流電気角]に基づいて求められる第1電気位相又は第1誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第1ロータ位置検出部と、前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び前記鎖交磁束に基づいて求められる第2電気位相又は第2誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第2ロータ位置検出部と、前記第1ロータ位置検出部で検出されたロータ位置と、前記第2ロータ位置検出部で検出されたロータ位置との重み付け加算を行って最終的なロータ位置を決定するロータ位置決定部と、を含む。
前記モータ制御装置によれば、前記選択部が前記第1ロータ位置検出部又は前記第2ロータ位置検出部を適宜選択することによって、又は、前記ロータ位置決定部が適切な重み付け係数を用いて前記重み受け加算を行うことによって、通常制御時はもちろん、前記弱め磁束制御が行われた場合であってもロータ位置を精度よく検出することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るモータ制御装置のブロック図である。 正弦波通電が行われているときの相電流波形図である。 正弦波通電が行われているときの誘起電圧波形図である。 ロータ座標(d−q座標)系のモータベクトル図である。 第1ロータ位置検出部で使用されるデータテーブル及び第2ロータ位置検出部で使用されるデータテーブルを説明するための図であり、(A)相電流波高値が低い場合、(B)相電流波高値が中程度の場合、(C)相電流波高値が高い場合を示す。 本発明の他の実施形態に係るモータ制御装置のブロック図である。 従来のモータ制御装置に関する問題点を説明するための図であり、(A)通常制御時のモータベクトル図の一例、(B)弱め磁束制御時のモータベクトル図の一例を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置のブロック図である。実施形態に係るモータ制御装置10は、同期モータ11のロータ位置をセンサレスで検出する機能を備えている。また、モータ制御装置10は、主にインバータ12を制御するものであり、インバータ12は、直流電源13からの直流電力を交流電力に変換して同期モータ11に供給するように構成されている。
同期モータ11は、3相のスター結線型のものであり、U相、V相、W相のステータコイルを含むステータと、永久磁石を含むロータとを有する。図中にはU相、V相、W相の各ステータコイルのみを示し、その他は図示を省略してある。なお、スター結線型を例として示すがデルタ結線でも同様に適用される。
インバータ12は、U相、V相、W相ごとに上アーム側のスイッチング素子+U,+V,+W及び下アーム側のスイッチング素子−U、−V、−Wを直流電源13の高位側と低位側の間に直列接続してある。また、下アーム側スイッチング素子−U、−V、−Wの低位側には、各相に流れる電流を検出するためのシャント抵抗Ru、Rv、Rwが設けられている。
モータ制御装置10は、回転制御部21、インバータ駆動部22、相電流検出部(電流検出部)23、印加電圧検出部24、相電流波高値・電気角検出部(電流波高値・電気角検出部)25、誘起電圧波高値・電気角検出部26、鎖交磁束検出部27、第1ロータ位置検出部28、第2ロータ位置検出部29及び選択部30を含む。
回転制御部21は、操作部(図示省略)からの運転指令と、ロータ位置θmとに基づいて、同期モータ11を所定の回転速度ωで回転させ又は停止させるための制御信号をインバータ駆動部22に出力する。なお、ロータ位置θmは、後述するように、第1ロータ位置検出部28で検出される第1ロータ位置θm1又は第2ロータ位置検出部29で検出する第2ロータ位置θm2である。
インバータ駆動部22は、回転制御部21からの制御信号に基づいて、インバータ12の各スイッチング素子+U〜−Wをオンオフ駆動し、これにより、U相、V相、W相の各ステータコイルに対して正弦波通電(180度通電)を行う。
相電流検出部23は、シャント抵抗Ru,Rv,Rwにかかる電圧を測定することによって、U相のステータコイルに流れるU相電流Iu、V相のステータコイルに流れるV相電流Iv、W相のステータコイルに流れるW相電流Iwをそれぞれ検出する。
印加電圧検出部24は、上アーム側スイッチング素子+U〜+WからU相のステータコイル、V相のステータコイル、W相のステータコイルへそれぞれ印加されるU相印加電圧Vu、V相印加電圧Vv、W相印加電圧Vwを検出する。
相電流波高値・電気角検出部25は、電流検出部21で検出される相電流Iu、Iv、Iwの値に基づいて、相電流波高値Ip及び相電流電気角θi(ステータαβ座標系)を検出する。相電流波高値Ip及び相電流電気角θiの検出方法は、次のとおりである。
図2は、U相、V相、W相に正弦波通電が行われているときの相電流波形図である。正弦波形を成すU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwにはそれぞれ120°の位相差がある。この相電流波形図からすれば、相電流Iu、Iv、Iwと相電流波高値Ipと相電流電気角θiとの間には下式1が成立する。相電流波高値・電気角検出部25は、相電流検出部23で検出されるU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwに基づき、下式1によって相電流波高値Ip及び相電流電気角θiを求める。
[式1]
・Iu=Ip×cos(θi)
・Iv=Ip×cos(θi−2/3π)
・Iw=Ip×cos(θi+2/3π)
誘起電圧波高値・電気角検出部26は、相電流検出部23で検出された相電流Iu、Iv、Iwと、印加電圧検出部24で検出された印加電圧Vu、Vv、Vwとに基づいて、誘起電圧波高値Ep及び誘起電圧電気角θe(ステータαβ座標系)を検出する。誘起電圧波高値Ep及び誘起電圧電気角θeの検出方法は、次のとおりである。
図3は、U相、V相、W相に正弦波通電が行われているときの誘起電圧波形図である。正弦波形を成すU相誘起電圧Eu、V相誘起電圧Ev、W相誘起電圧Ewにはそれぞれ120°の位相差がある。この誘起電圧波形図からすれば、誘起電圧Eu、Ev、Ewと誘起電圧波高値Epと誘起電圧電気角θeとの間には下式2が成立する。
[式2]
・Eu=Ep×cos(θe)
・Ev=Ep×cos(θe−2/3π)
・Ew=Ep×cos(θe+2/3π)
一方、印加電圧Vu、Vv、Vwと相電流Iu、Iv、Iwとステータコイルの抵抗値Rcu、Rcv、Rcw(モータパラメータとして既知)と誘起電圧Eu、Ev、Ewとの間には下式3が成立する。
[式3]
・Vu−Iu×Rcu=Eu
・Vv−Iv×Rcv=Ev
・Vw−Iw×Rcw=Ew
誘起電圧波高値・電気角検出部26は、相電流検出部23で検出されたU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwと、印加電圧検出部24で検出されたU相印加電圧Vu、V相印加電圧Vv、W相印加電圧Vwとに基づいて、式3からU相誘起電圧Eu、V相誘起電圧Ev、W相誘起電圧Ewを求め、そして、求めたU相誘起電圧Eu、V相誘起電圧Ev、W相誘起電圧Ewに基づいて、式2から誘起電圧波高値Ep及び誘起電圧電気角θeを求める。
鎖交磁束検出部27は、誘起電圧波高値・電気角検出部26で検出された誘起電圧波高値Epと、回転制御部21から入力されるロータ回転速度ω(前回値)と、に基づいてロータの鎖交磁束(鎖交磁束数)Ψp(=Ep/ω)を検出する。
第1ロータ位置検出部28は、相電流波高値・電気角検出部25で検出された相電流波高値Ip及び相電流電気角θiと、誘起電圧波高値・電気角検出部26で検出された誘起電圧電気角θeとに基づいてロータ位置を検出する。具体的には、第1ロータ位置検出部28は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づいて求められる電流位相とからロータ位置を検出する。なお、以下の説明において、第1ロータ位置検出部28によって検出されるロータ位置を「第1ロータ位置θm1」といい、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づいて求められる電流位相を「第1電流位相β1」という。
第1ロータ位置検出部28は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づいて求められる第1電流位相β1とを変数として含む第1ロータ位置計算式(下式4)を用いて第1ロータ位置θm1を検出する。
[式4]
第1ロータ位置θm1=相電流電気角θi−第1電流位相β1−90°
式4における第1電流位相β1は、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]をパラメータとして予め作成されたデータテーブルTAを参照することで選出される。当該データテーブルTAは、例えば次のようにして作成されて、あらかじめメモリに保存されている。
図4は、同期モータ11のロータが回転しているときのモータベクトル図であり、印加電圧V(Vu〜Vw)、電流I(Iu〜Iw)、誘起電圧E(Eu〜Ew)の関係がd−q座標にベクトルで表されている。誘起電圧Eは[ωΨ]で表される。図4において、Vdは印加電圧Vのd軸成分、Vqは印加電圧Vのq軸成分、Idは電流Iのd軸成分、Iqは電流Iのq軸成分、Edは誘起電圧Eのd軸成分、Eqは誘起電圧Eのq軸成分である。また、q軸を基準とした電圧位相がα、q軸を基準とした電流位相がβ、q軸を基準とした誘起電圧位相がγである。さらに、図中のΨaは永久磁石の磁束、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Rはステータコイルの抵抗値(Rcu〜Rcw)、Ψはロータの鎖交磁束である。
このモータベクトル図からすれば、下式5が成立し、下式5の右辺からωに関する値を左辺に移して下式6が得られる。
[式5]
[式6]
このように図4のモータベクトル図下で式5、式6が成り立つことを基礎としてデータテーブルTAが予め作成される。すなわち、モータベクトル図に示される電流位相β及び電流Iをそれぞれ所定範囲内で段階的に増加させながら、[誘起電圧位相γ−電流位相β]が所定値のときの電流位相βを保存し、電流Iに相当する相電流波高値Ipと、[誘起電圧位相γ−電流位相β]に相当する[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]と、をパラメータとした電流位相(第1電流位相β1)のデータテーブルTAを作成する。
詳しくは、例えば、電流位相βを−180°から180°まで0.001°ずつ増加させ、且つ、電流Iを0Aから64Aまで1Aずつ増加させながら、同期モータ11に固有のd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqを利用して、モータベクトル図を基に電圧位相α、電流位相β、誘起電圧位相γを求める。そして、[誘起電圧位相γ−電流位相β]が1°,2°,3°,…のときの電流位相βを保存する。これにより、電流Iに相当する相電流波高値Ipを1つのパラメータとし、[誘起電圧位相γ−電流位相β]に相当する[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]をもう1つのパラメータとした第1電流位相β1のデータテーブルTAが作成される。
そして、第1ロータ位置検出部28は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づきデータテーブルTAから選出される第1電流位相β1とを上述の第1ロータ位置計算式(式4)に代入することによって第1ロータ位置θm1を検出(算出)する。
第2ロータ位置検出部29は、相電流波高値・電気角検出部25で検出された相電流波高値Ipと、鎖交磁束検出部27で検出された鎖交磁束Ψpとに基づいてロータ位置を検出する。具体的には、第2ロータ位置検出部29は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び鎖交磁束数Ψpに基づいて求められる電流位相とからロータ位置を検出する。なお、以下の説明において、第2ロータ位置検出部29によって検出されるロータ位置を「第2ロータ位置θm2」といい、相電流波高値Ip及び鎖交磁束Ψpに基づいて求められる電流位相を「第2電流位相β2」という。
第2ロータ位置検出部29は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づいて求められる第2電流位相β2とを変数として含む第2ロータ位置計算式(下式7)を用いて第2ロータ位置θm2を検出する。
[式7]
第2ロータ位置θm2=相電流電気角θi−第2電流位相β2−90°
式7における第2電流位相β2は、相電流波高値Ip及び鎖交磁束Ψpをパラメータとして予め作成されたデータテーブルTBを参照することで選出される。当該データテーブルTBは、例えば次のようにして作成されて、あらかじめメモリに保存されている。
この場合のデータテーブルTBも、図4のモータベクトル図下で式5、式6が成り立つことを基礎として予め作成される。すなわち、モータベクトル図に示される電流位相β及び電流Iをそれぞれ所定範囲内で段階的に増加させながら、鎖交磁束Ψが所定値のときの電流位相βを保存し、電流Iに相当する相電流波高値Ipと、鎖交磁束Ψに相当する鎖交磁束検出部27で検出される鎖交磁束Ψpとをパラメータとした電流位相(第2電流位相β2)のデータテーブルTBを作成する。
詳しくは、例えば、電流位相Iθを−180°から180°まで0.001°ずつ増加させ、且つ、電流Iを0Aから64Aまで1Aずつ増加させながら、誘起電圧位相γ及び鎖交磁束数Ψを求める。そして、各鎖交磁束Ψに対応する電流位相βを保存する。これにより、電流Iに相当する相電流波高値Ipを1つのパラメータとし、鎖交磁束Ψに相当する鎖交磁束検出部27で検出される鎖交磁束Ψpをもう1つのパラメータとした第2電流位相β2のデータテーブルTBが作成される。
そして、第2ロータ位置検出部29は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び鎖交磁束Ψpに基づきデータテーブルTBから選出される第2電流位相β2とを上述の第2ロータ位置計算式(式7)に代入することによって第2ロータ位置θm2を検出(算出)する。
選択部30は、第1ロータ位置検出部28及び第2ロータ位置検出部29のいずれか一方を選択する。第1ロータ位置検出部28が選択された場合には、第1ロータ位置検出部28によって検出された第1ロータ位置θm1がロータ位置θmとして回転制御部21に入力され、第2ロータ位置検出部29が選択された場合には、第2ロータ位置検出部29によって検出される第2ロータ位置θm2がロータ位置θmとして回転制御部21に入力される。以下、選択部30による第1ロータ位置検出部28又は第2ロータ位置検出部29の選択について説明する。
図5は、第1ロータ位置検出部28で使用されるデータテーブルTA及び第2ロータ位置検出部29で使用されるデータテーブルTBを説明するための図であり、図5(A)は相電流波高値Ipが低い場合(例えば、Ip=5A)を示し、図5(B)は相電流波高値Ipが中程度である場合(例えば、Ip=30A)を示し、図5(C)相電流波高値Ipが高い場合(例えば、Ip=55A)を示している。なお、図5において、電流位相βと[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]との関係を示す曲線CA(実線)がデータテーブルTAに相当し、電流位相βと鎖交磁束Ψpとの関係を示す曲線CB(破線)がデータテーブルTBに相当する。
相電流波高値Ipが低い場合及び中程度の場合(図5(A)、(B))、電流位相βの変化に対する鎖交磁束数Ψpの変化量(曲線CB参照)は、電流位相βの変化に対する「誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]の変化量(曲線CA参照)に比べて、非常に小さい。また、電流位相βと[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]との関係を示す曲線CAは、変曲点を有しておらず、電流位相βと[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]とが一対一で対応している。
相電流波高値Ipが高い場合(図5(C))、電流位相βと[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]との関係を示す曲線CAは、電流位相βが70°付近で変曲点を有している。このことは、電流位相βを大きく進角させた領域においては、データテーブルTAから電流位相βを精度よく求められないことを示している。一方、電流位相βと鎖交磁束数Ψpとの関係を示す曲線CBは、電流位相βを進角させた領域において変曲点を有しておらず、電流位相βの変化に対する鎖交磁束数Ψpの変化量も大きい。そして、既述したように、電流位相βは、主に弱め磁束制御が行わる場合に(すなわち、高速回転領域において)大きく進角されるものである。
そこで、本実施形態において、選択部30は、弱め磁束制御が行われる高速回転領域(以下「弱め磁束領域」という)では、データテーブルTB(曲線CB)から電流位相(第2電流位相β2)を求め、求めた電流位相(第2電流位相β2)を用いてロータ位置(第2ロータ位置θm2)を検出する第2ロータ位置検出部29を選択する。一方、それ以外の通常領域では、選択部30は、データテーブルTA(曲線CA)から電流位相(第1電流位相β1)を求め、求めた電流位相(第1電流位相β1)を用いてロータ位置(第1ロータ位置θm1)を検出する第1ロータ位置検出部28を選択する。
以上説明したように、本実施形態に係るモータ制御装置10は、第1ロータ位置検出部28と、第2ロータ位置検出部29と、第1ロータ位置検出部28又は第2ロータ位置検出部29を選択する選択部30と、を含む。そして、選択部30は、前記弱め磁束領域以外の通常領域では第1ロータ位置検出部28を選択し、前記弱め磁束領域では第2ロータ位置検出部29を選択する。このため、モータ制御装置10によれば、従来に比べて、前記通常領域と前記弱め磁束領域との双方においてロータ位置を精度よく検出することができ、この結果、同期モータ11の運転可能な回転速度範囲(特に高速回転領域)を拡大することが可能になる。
次に、上述の実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上述の実施形態において、第1ロータ位置検出部28は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づいて求められる第1電流位相β1とからロータ位置(第1ロータ位置θm1)を検出している。しかし、これに限るものではない。第1ロータ位置検出部28は、誘起電圧電気角θeと、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づいて求められる第1誘起電圧位相γ1とから第1ロータ位置θm1を検出するように構成され得る。この場合、第1ロータ位置検出部28は、下式8に示される第3ロータ位置計算式を用いて第1ロータ位置θm1を検出する。
[式8]
第1ロータ位置θm1=誘起電圧電気角θe−第1誘起電圧位相γ1−90°
式8における第1誘起電圧位相γ1は、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]をパラメータとして予め作成されたデータテーブルTCを参照することで選出される。当該データテーブルTCは、例えば次のようにして作成されて、あらかじめメモリに保存される。
この場合のデータテーブルTCも、図4のモータベクトル図下で式5、式6が成り立つことを基礎として予め作成される。すなわち、モータベクトル図に示される電流位相β及び電流Iをそれぞれ所定範囲内で段階的に増加させながら、[誘起電圧位相γ−電流位相β]が所定値のときの誘起電圧位相γを保存し、電流Iに相当する相電流波高値Ipと、[誘起電圧位相γ−電流位相β]に相当する[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]と、をパラメータとした第1誘起電圧位相γ1のデータテーブルTCを作成する。
詳しくは、例えば、電流位相βを−180°から180°まで0.001°ずつ増加させ、且つ、電流Iを0Aから64Aまで1Aずつ増加させながら、同期モータMに固有のd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqを利用して、モータベクトル図を基に電圧位相α、電流位相β、誘起電圧位相γを求める。そして、[誘起電圧位相γ−電流位相β]が1°,2°,3°,…のときの誘起電圧位相γを保存する。これにより、電流Iに相当する相電流波高値Ipを1つのパラメータとし、且つ、[誘起電圧位相γ−電流位相β]に相当する[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]をもう1つのパラメータとした第1誘起電圧位相γ1のデータテーブルTCが作成される。
そして、第1ロータ位置検出部28は、誘起電圧電気角θeと、相電流波高値Ip及び[誘起電圧電気角θe−相電流電気角θi]に基づいてデータテーブルTCから選出される第1誘起電圧位相γ1とを上述の第3ロータ位置計算式(式8)に代入することによって第1ロータ位置θm1を検出(算出)する。
(変形例2)
上述の実施形態において、第2ロータ位置検出部29は、相電流電気角θiと、相電流波高値Ip及び鎖交磁束数Ψpに基づいて求められる第2電流位相β2とから第2ロータ位置θm2を検出(算出)している。しかし、これに限るものではない。第2ロータ位置検出部29は、誘起電圧電気角θeと、相電流波高値Ip及び鎖交磁束数Ψpに基づいて求められる第2誘起電圧位相γ2とから第2ロータ位置θm2を検出(算出)するように構成され得る。この場合、第2ロータ位置検出部29は、下式9に示される第4ロータ位置計算式を用いて第2ロータ位置θm2を検出する。
[式9]
第2ロータ位置θm2=誘起電圧電気角θe−第2誘起電圧位相γ2−90°
式9における第2誘起電圧位相γ2は、相電流波高値Ip及び鎖交磁束数Ψpをパラメータとして予め作成されたデータテーブルTDを参照することで選出される。当該データテーブルTDは、例えば次のようにして作成されて、あらかじめメモリに保存される。
この場合のデータテーブルTDも、図4のモータベクトル図下で式5、式6が成り立つことを基礎として予め作成される。すなわち、モータベクトル図に示される電流位相β及び電流Iをそれぞれ所定範囲内で段階的に増加させながら、鎖交磁束数Ψが所定値のときの誘起電圧位相γを保存し、電流Iに相当する相電流波高値Ipと、鎖交磁束Ψに相当する鎖交磁束検出部27で検出される鎖交磁束Ψpとをパラメータとした第2誘起電圧位相γ2のデータテーブルTDを作成する。
詳しくは、例えば、電流位相Iθを−180°から180°まで0.001°ずつ増加させ、且つ、電流Iを0Aから64Aまで1Aずつ増加させながら、誘起電圧位相γ及び鎖交磁束数Ψを求める。そして、各鎖交磁束数Ψに対応する誘起電圧位相γを保存する。これにより、電流Iに相当する相電流波高値Ipを1つのパラメータとし、鎖交磁束Ψに相当する鎖交磁束検出部27で検出される鎖交磁束Ψpをもう1つのパラメータとした第2誘起電圧位相γ2のデータテーブルTDが作成される。
そして、第2ロータ位置検出部29は、誘起電圧電気角θeと、鎖交磁束数Ψpに基づきデータテーブルTDから選出される第2誘起電圧位相γ2とを上述の第4ロータ位置計算式(式9)に代入することによって第2ロータ位置θm2を検出(算出)する。
なお、変形例1と変形例2とは基本的に同時に採用される。すなわち、第1ロータ位置検出部28が前記第3ロータ位置計算式(式8)を用いて第1ロータ位置θm1を検出する場合には、第2ロータ位置検出部29は第4ロータ位置計算式(式9)を用いて第2ロータ位置θm2を検出するのが好ましい。
(変形例3)
上述の実施形態において、選択部30は、前記通常領域においては第1ロータ位置検出部28を選択し、前記弱め磁束領域においては第2ロータ位置検出部29を選択する。しかし、これに限るものではない。選択部30は、相電流波高値Ipが低い及び中程度の場合、換言すれば、相電流波高値Ipが所定値以下の場合に第1ロータ位置検出部28を選択し、相電流波高値Ipが高い場合、換言すれば、相電流波高値Ipが前記所定値を超える場合に第2ロータ位置検出部29を選択するように構成されてもよい。
(変形例4)
また、選択部30は、第1ロータ位置検出部28において求められる第1電流位相β1又は第2ロータ位置検出部29において求められる第2電流位相β2に基づいて、第1ロータ位置検出部28又は第2ロータ位置検出部29の選択(切り替え)を行うように構成されてもよい。例えば、選択部30は、同期モータ11が起動されると第1ロータ位置検出部28を選択すると共に、第1ロータ位置検出部28においてデータテーブルTAから選出される第1電流位相β1を監視する。そして、選択部30は、第1電流位相β1が第1閾値を超えると第2ロータ位置検出部29を選択し、これによって、第1ロータ位置検出部28から第2ロータ位置検出部29に切り替えるように構成され得る。この場合、選択部30は、第2ロータ位置検出部29が選択された後においては、第2ロータ位置検出部29においてデータテーブルTBから選出される第2電流位相β2を監視し、第2電流位相β2が前記第1閾値又はこれよりも小さい第2閾値以下となると第1ロータ位置検出部28を選択し、これによって、第2ロータ位置検出部29から第1ロータ位置検出部28に切り替えるように構成され得る。前記第1閾値及び前記第2閾値は、同期モータ11の特性等に応じて適宜設定され得るが、例えば、0°よりも大きく、かつ、図5(C)に示される曲線CAの変曲点となる位相(70°付近)よりも小さい値とされ得る。
ここで、変形例1と変形例2とが同時に採用されている場合には、第1電流位相β1が第1誘起電圧位相γ1に置き換えられ、第2電流位相β2が第2誘起電圧位相γ2に置き換えられる。すなわち、選択部30は、同期モータ11が起動されると第1ロータ位置検出部28を選択すると共に、第1ロータ位置検出部28においてデータテーブルTCから選出される第1誘起電圧位相γ1を監視する。そして、選択部30は、第1誘起電圧位相γ1が第3閾値を超えると第2ロータ位置検出部29を選択し、これによって、第1ロータ位置検出部28から第2ロータ位置検出部29に切り替えるように構成され得る。また、第2ロータ位置検出部29が選択された後において、選択部30は、第2ロータ位置検出部29においてデータテーブルTDから選出される第2誘起電圧位相γ2を監視し、第2誘起電圧位相γ2が前記第3閾値又はこれよりも小さい第4閾値以下となると第1ロータ位置検出部28を選択し、これによって、第2ロータ位置検出部29から第1ロータ位置検出部28に切り替えるように構成され得る。なお、前記第1閾値又は前記第3閾値が本発明の「第1の閾値」に相当し、前記第2閾値又は前記第3閾値が本発明の「第2の閾値」に相当する。
次に、他の実施形態のモータ制御装置100について説明する。図6は、本発明の他の実施形態に係るモータ制御装置100のブロック図である。上述の実施形態に係るモータ制御装置10(図1)と相違点は、図6に示されるモータ制御装置100では、選択部30に代えて、ロータ位置決定部31を有していることである。なお、ロータ位置決定部31以外の構成については、上述の実施形態に係るモータ制御装置10と同じである。
モータ制御装置100において、ロータ位置決定部31は、第1ロータ位置検出部28で検出された第1ロータ位置θm1と、第2ロータ位置検出部29で検出された第2ロータ位置θm2との重み付け加算を行って最終的なロータ位置θmを決定する。ロータ位置決定部31は、具体的には、下式10によってロータ位置θmを決定(算出)する。
[式10]
θm=(1−n)×θm1+n×θm2
式10における重み付け係数nは、1未満の値(0を含む)であって、任意に設定され得る。例えば、前記通常領域においては重み付け係数n=0とされ、前記弱め磁束領域においては重み付け係数n=1とされ得る。また、相電流波高値Ipが高いほど重み付け係数nは大きな値に設定され得る。さらに、第1電流位相β1又は第1誘起電圧位相γ1が大きいほど(すなわち、進角するほど)重み付け係数nは大きな値に設定され得る。
かかるモータ制御装置100においても、モータ制御装置10と同様、前記通常領域と前記弱め磁束領域との双方においてロータ位置を精度よく検出することができ、これにより、従来に比べて、同期モータ11の運転可能な回転速度範囲を拡大できる。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。
10…モータ制御装置
11…同期モータ
12…インバータ
13…直流電源
21…回転制御部
22…インバータ駆動部
23…相電流検出部(電流検出部)
24…印加電圧検出部
25…相電流波高値・電気角検出部(電流波高値・電気角検出部)
26…誘起電圧波高値・電気角検出部
27…鎖交磁束数検出部
28…第1ロータ位置検出部
29…第2ロータ位置検出部
30…選択部
31…ロータ位置決定部

Claims (6)

  1. 同期モータのステータコイルに流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記ステータコイルに印加される印加電圧を検出する印加電圧検出部と、
    前記電流検出部で検出された電流に基づいて電流波高値及び電流電気角を検出する電流波高値・電気角検出部と、
    前記電流検出部で検出された電流と、前記印加電圧検出部で検出された印加電圧とに基づいて誘起電圧波高値及び誘起電圧電気角を検出する誘起電圧波高値・電気角検出部と、
    前記誘起電圧波高値と前記同期モータの回転速度とに基づいて前記同期モータのロータの鎖交磁束を検出する鎖交磁束検出部と、
    前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び[前記誘起電圧電気角−前記電流電気角]に基づいて求められる第1電気位相又は第1誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第1ロータ位置検出部と、
    前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び前記鎖交磁束に基づいて求められる第2電気位相又は第2誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第2ロータ位置検出部と、
    前記第1ロータ位置検出部及び前記第2ロータ位置検出部のいずれか一方を選択する選択部と、
    を含む、モータ制御装置。
  2. 前記選択部は、弱め磁束領域以外の通常領域では前記第1ロータ位置検出部を選択し、前記弱め磁束領域では前記第2ロータ位置検出部を選択する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記選択部は、前記電流検出部で検出された電流が所定値以下の場合に前記第1ロータ位置検出部を選択し、前記電流検出部で検出された電流が前記所定値を超える場合に前記第2ロータ位置検出部を選択する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記選択部は、前記同期モータが起動されると前記第1ロータ位置検出部を選択し、その後、前記第1ロータ位置検出部において求められる前記第1電流位相又は前記第1誘起電圧位相が第1の閾値を超えると前記第2ロータ位置検出部を選択する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  5. 前記選択部は、前記第2ロータ位置検出部を選択した後、前記第2ロータ位置検出部において求められる前記第2電流位相又は前記第2誘起電圧位相が前記第1の閾値又はこれよりも小さい第2の閾値以下となると前記第1ロータ位置検出部を選択する、請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 同期モータのステータコイルに流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記ステータコイルに印加される印加電圧を検出する印加電圧検出部と、
    前記電流検出部で検出された電流に基づいて電流波高値及び電流電気角を検出する電流波高値・電気角検出部と、
    前記電流検出部で検出された電流と、前記印加電圧検出部で検出された印加電圧とに基づいて誘起電圧波高値及び誘起電圧電気角を検出する誘起電圧波高値・電気角検出部と、
    前記誘起電圧波高値と前記同期モータの回転速度とに基づいて前記同期モータのロータの鎖交磁束を検出する鎖交磁束検出部と、
    前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び[前記誘起電圧電気角−前記電流電気角]に基づいて求められる第1電気位相又は第1誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第1ロータ位置検出部と、
    前記電流電気角又は前記誘起電圧電気角と、前記電流波高値及び前記鎖交磁束に基づいて求められる第2電気位相又は第2誘起電圧位相とを変数として含むロータ位置計算式を用いて前記同期モータのロータ位置を検出する第2ロータ位置検出部と、
    前記第1ロータ位置検出部で検出されたロータ位置と、前記第2ロータ位置検出部で検出されたロータ位置との重み付け加算を行って最終的なロータ位置を決定するロータ位置決定部と、
    を含む、モータ制御装置。
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