JP6645951B2 - 電力系統安定化システム - Google Patents

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本発明の実施形態は、電力系統安定化システムに関する。
電力系統における複数の発電機は、通常時、同期した状態で運転されている。発電機の位相差が拡大して同期運転を維持できなくなることを脱調という。脱調した発電機をそのままにしておくと電力系統が不安定となるため、早期に電力系統から切り離す必要がある。
大浦好文、他6名、「電源系統の事故波及防止システムの方式と構成」、電気学会論文誌B、112巻7号、平成4年、pp.593−601
従来技術では、発電機の位相と基準位相との位相差に基づいて、未来の脱調を予測しているが、単純な位相変動を想定した単一関数による予測式を用いているため、単一関数では容易にモデル化できない位相変動が起こるケースでは高い精度で脱調を判定できない。
実施形態の電力系統安定化システムは、中央演算装置と端末装置で構成される。中央演算装置は、位相データ取得部と、位相差算出部と、位相差予測部と、脱調判定部と、制御指令送信部と、を備える。位相データ取得部は、電力系統において、位相基準母線の基準位相データ、および、発電機の位相データを取得する。位相差算出部は、基準位相データと位相データとの位相差を算出する。位相差予測部は、位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、2次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である2次予測位相差と、を算出する。脱調判定部は、1次予測位相差と2次予測位相差が所定の脱調判定閾値を超過した場合に脱調と判定する。制御指令送信部は、脱調と判定された発電機を電力系統から切り離す制御指令を端末装置に送信する。端末装置は、発電機の位相を計測して計測結果を中央演算装置に送信するとともに、中央演算装置から受信した制御指令に従って発電機を電力系統から切り離す制御を行う。
図1は、本実施形態の電力系統安定化システムの構成の例を示す図である。 図2は、本実施形態において電力系統安定化システムが1台の発電機を電制する場合の処理の例を示すフローチャートである。 図3は、本実施形態において電力系統安定化システムが複数台の発電機を電制する場合の処理の例を示すフローチャートである。 図4は、第1の脱調判定方法の説明図である。図4(a)は、安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。図4(b)は、不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。 図5は、最小二乗法による位相差予測の特徴を説明するためのグラフである。 図6は、安定限界型不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。 図7は、安定限界型不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測の特徴を説明するためのグラフである。 図8は、第2の脱調判定方法の説明図である。図8(a)は、安定限界型不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。図8(b)は、安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。
以下、実施形態の電力系統安定化システムSについて説明する。なお、一般に、電力系統の安定化方式は、事前演算型方式と事後演算型方式に大別できる。事前演算型方式では、予め事故発生時に電力系統内で起きる現象を想定して安定化に必要な制御量を演算し、制御テーブルに設定する。そして、実際に事故が発生した際には対応する制御テーブルを参照して、速やかに制御を実施する。さらに、事前演算型方式にはオンライン型とオフライン型が存在する。
一方、事後演算型方式では、事故中および事故後に、電力系統の情報をオンラインで入手して電力系統内で起きる現象の予測演算を行い、その予測結果に基づいて安定化に必要な制御量を演算する。
再エネ電源の導入拡大など電力系統を取り巻く環境の変化を背景に、系統に不確定な要素が増加することが予想される。その対策の一つとして、上記2つの演算方式を組み合わせて、事前演算型方式を主制御、事後演算型方式を補正制御とし、万が一事前演算の制御量に不足があった場合にそれを事後演算で補う方法が有効である。事前演算型方式と事後演算型方式を組み合わせる場合、事後演算型方式は補助的な役割として用いることができるため、多くの場合で発電機1台程度の追加電制で十分安定化可能と考えられる。したがって、事後演算型方式による補正制御では複雑な制御量演算は必要なく、簡易な方法に基づき脱調発電機の有無を正確に判定し、脱調発電機がある場合には不安定と判別してその発電機を電制できればよい。
本実施形態では、上記のように事前演算型方式と事後演算型方式を組み合わせた安定化方式において、電力系統で事故が発生した場合に、事故中や事故後に計測した情報を用いて、電力系統内にある一部の発電機を切り離すことで電力系統を安定化するための制御量を補正する事後演算型方式による電力系統安定化システムSについて説明する。
本実施形態では、電力系統安定化システムSは、第1〜第3の脱調判定方法のいずれかを用いて、発電機の脱調を判定する。まず、第1の脱調判定方法の場合について説明する。
(第1の脱調判定方法)
図1は、本実施形態の電力系統安定化システムSの構成の例を示す図である。電力系統安定化システムSは、第1発電機11に対応する第1端末装置1、第2発電機21に対応する第2端末装置2、基準母線31に対応する計測装置3、および、中央演算装置4を備えている。なお、発電機は、説明を簡潔にする都合上、第1発電機11と第2発電機21の2台としているが、3台以上であってもよい。また、以下において、第1発電機11と第2発電機21とを特に区別しないときは、単に「発電機」と称する場合がある。また、第1端末装置1と第2端末装置2とを特に区別しないときは、単に「端末装置」と称する場合がある。
第1発電機11と第2発電機21は、同一の電力系統内にある監視対象の発電機である。計測装置3は、その電力系統の基準母線31のデータを計測する装置である。
中央演算装置4は、コンピュータ装置であり、処理部41、記憶部42、入力部43、および、表示部44を備える。なお、中央演算装置4は、外部装置との通信を行う通信インタフェースも備えているが、説明を簡潔にするために、その図示および説明を省略する。
処理部41は、位相データ取得部411、位相差算出部412、位相差予測部413、脱調判定部414、および、制御指令送信部415を備える。
位相データ取得部411は、計測装置3から基準母線31の基準位相データを取得するとともに、第1端末装置1から第1発電機11の電圧の位相データを取得し、また、第2端末装置2から第2発電機21の電圧の位相データを取得する。位相差算出部412は、基準位相データと位相データとの位相差を算出する。
位相差予測部413は、位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、2次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である2次予測位相差と、を算出する(詳細は後述)。
脱調判定部414は、1次予測位相差と2次予測位相差の両方が所定の脱調判定閾値を超過した場合に脱調と判定する(詳細は後述)。
制御指令送信部415は、電力系統の安定度を維持するために、脱調と判定された発電機を電力系統から切り離す(解列する)制御指令を端末装置に送信する。当該制御指令を受信した端末装置は、制御対象の発電機を電力系統から解列する。なお、以下では、電力系統安定化システムSが発電機を電力系統から切り離すことを、電力系統安定化システムSが発電機を電制(電源制限)する、と称する場合がある。
記憶部42は、処理部41の動作プログラムや、処理部41が端末装置、計測装置3から取得したデータや、脱調判定閾値(以下、単に「閾値」と称する場合がある。)や、演算結果などの各種情報を記憶する。
入力部43は、中央演算装置4のユーザが情報を入力する手段であり、例えば、キーボードやマウスである。表示部44は、情報の表示手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
次に、電力系統安定化システムSが発電機を電制する場合の処理について説明する。以下では、電制する発電機が1台の場合について図2を参照して説明し、電制する発電機が複数台の場合について図3を参照して説明する。
図2は、本実施形態において電力系統安定化システムSが1台の発電機を電制する場合の処理の例を示すフローチャートである。なお、図2の処理は、電力系統の事故発生後の所定のタイミングで開始する。所定のタイミングとは、例えば、事故発生後の公知の事故波及防止リレーシステムにおけるリレー端末起動時とすることができるが、これに限定されない。
電力系統安定化システムSにおいて、処理部41の位相データ取得部411は、一定周期(例えば10ms)ごとに、計測装置3から基準母線31の基準位相データを取得するとともに、端末装置から発電機の電圧の位相データを取得する(ステップS1)。
次に、位相差算出部412は、基準位相データと位相データとの位相差を算出する(ステップS2)。その後、ステップS3において、位相差算出部412は、位相差の予測に必要な所定量の位相差(例えば10サンプル)を算出しているか否かを判定し、Yesの場合はステップS4に進み、Noの場合はステップS1に戻る。
ステップS4において、位相差予測部413は、位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、2次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である2次予測位相差と、を算出する(詳細は後述)。
次に、ステップS5において、脱調判定部414は、脱調判定を行う。そして、脱調判定部414は、脱調判定条件を満たす場合、つまり、1次予測位相差と2次予測位相差の両方が所定の脱調判定閾値を超過した場合(ステップS6でYes)、脱調と判定し、ステップS7に進む。ステップS7において、制御指令送信部415は、脱調と判定された発電機を電制する。
また、ステップS6でNoの場合、本処理の開始から所定時間(例えば10秒)を経過していなければ(ステップS8でNo)、ステップS1に戻る。所定時間を経過していれば(ステップS8でYes)、処理を終了する。
なお、ステップS4で位相差予測に使用する位相差のサンプル数は、例えば、予め決められたものとし、新しいサンプルを取得したら古いサンプルから順次置き換わるものとすればよい。しかし、これに限定されず、蓄積したすべてのサンプルを使用してもよい。
図3は、本実施形態において電力系統安定化システムSが複数台の発電機を電制する場合の処理の例を示すフローチャートである。ステップS1〜S8については図2と同様であるので、説明を省略する。
ステップS7の後、制御指令送信部415は、電制した発電機を監視対象から除外する(ステップS11)。その後、ステップS12において、制御指令送信部415は、所定の制御量を電制したか否かを判定し、Yesの場合は処理を終了し、Noの場合はステップS1に戻る。なお、所定の制御量は、例えば、事前演算結果を参考にして電力系統の安定化に必要な値としておく。これにより、過剰な電制を防止できる。
図3に示す処理によれば、複数台の発電機について、脱調した順番に順次電制することができる。
次に、第1の脱調判定方法の例について具体的に説明する。上述したように、位相差予測部413は、位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、2次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である2次予測位相差と、を算出する。
1次予測位相差を算出するための予測式は、例えば、次の式(1)である。
f(x)=a+ax ・・・式(1)
ここで、xは位相差の時系列データである。そして、最小二乗法に用いる各サンプル点とf(x)の二乗誤差総和が最小になるよう定数a、aを求める。
また、2次予測位相差を算出するための予測式は、例えば、次の式(2)である。
f(x)=b+bx+b ・・・式(2)
そして、最小二乗法に用いる各サンプル点とf(x)の二乗誤差総和が最小になるよう定数b、b、bを求める。
なお、予測式の次数が大きくなると、ノイズの影響を受けやすく、また、計算量が大きくなるので、予測式は2次式までとするのが好ましい。
そして、前述したように、脱調判定部414は、1次予測位相差と2次予測位相差の両方が所定の脱調判定閾値を超過した場合に脱調と判定する。これについて、図4、図5を参照して説明する。図4は、第1の脱調判定方法の説明図である。図4(a)は、安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。図4(b)は、不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。図5は、最小二乗法による位相差予測の特徴を説明するためのグラフである。なお、安定ケースとは、実位相差(実際の位相差)が閾値を超えないケースをいう。また、不安定ケースとは、実位相差が閾値を超えるケースをいう。また、図4(a)(b)、図6、図7、図8(a)(b)のグラフにおいて、1次予測位相差と2次予測位相差は、実位相差の所定時間後(例えば200ms後)の時点の値として算出される。
図4(a)に示すように、安定ケースでは、実位相差が時間経過とともに閾値(80度)まである程度接近した場合でも、1次予測位相差と2次予測位相差のうち、一方が閾値を超えることはあっても、両方が閾値を超える可能性は低い。なお、この閾値の設定については、事前演算の計算結果を活用することが可能であり、その時々の潮流状態や事故ケースに応じた適切な値を設定することができる。
また、図4(b)に示すように、不安定ケースでは、実位相差が閾値を超えるタイミング(時刻t2)よりも、1次予測位相差と2次予測位相差の両方が閾値を超えるタイミング(時刻t1)のほうが早い可能性が高い。
したがって、従来技術で単一の予測式を用いた場合に比べて、脱調判定の精度を高くすることができる。
図4で示した予測結果を基に、最小二乗法による各予測式の特徴をまとめたのが図5である。位相差の変動推移は、主に、領域#1と領域#2の2つの領域に分けて考えることができる。事故除去直後の領域#1では、安定ケース位相差、不安定ケース位相差ともに、下に凸の形状となっている。また、安定ケース位相差と不安定ケース位相差の分岐が発生する領域#2では、安定ケース位相差は上に凸の形状となっており、また、不安定ケース位相差は下に凸の形状のままとなっている。
これらから、1次予測位相差と2次予測位相差について、次の(A)、(B)の特徴があると言える。
(A)2次予測位相差だけを用いた場合は、領域#2での予測精度は高いが、領域#1で安定ケースを不安定ケースと誤判定する可能性がある。
(B)1次予測位相差だけを用いた場合は、領域#1では安定ケースを不安定ケースと誤判定する可能性は低いが、領域#2ではそのような誤判定をする可能性がある。
したがって、脱調判定部414が、1次予測位相差と2次予測位相差の両方が所定の脱調判定閾値を超過した場合に脱調と判定することで、脱調判定の精度を高くすることができる。つまり、第1の脱調判定方法によれば、基準位相と監視対象発電機の位相との位相差を最小二乗法による複数の式でモデル化して予測することで、安定ケース/不安定ケースの判別を高い精度で行えるようになる。
(第2の脱調判定方法)
次に、第2の脱調判定方法について説明する。この第2の脱調判定方法は、第1の脱調判定方法と比較して、特に安定限界型不安定ケースの場合にさらに高精度な脱調判定を実現するものである。安定限界型不安定ケースとは、不安定ケースで、位相差が閾値を超える直前に、位相差の増加の割合が緩やかになるケースを指す。この安定限界型不安定ケースでは、発電機が加速し始めた(位相差が大きくなり始めた)後、発電機が加速する力と、発電機におけるAVR(Automatic Voltage Regulator)等の制御系による発電機を減速させる力とが拮抗することで、位相差が閾値を超える直前に位相差の増加の割合が一旦緩やかになるが、その後、位相差が閾値を超えてしまう。
図6は、安定限界型不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。図6に示す安定限界型不安定ケースでは、実位相差が時刻t3で閾値(90度)を超えているが、2次予測位相差が閾値を超えるのは時刻t3よりも後の時刻t4となる。つまり、第1の脱調判定方法では、脱調判定が遅くなってしまう。この原因について、図7を参照して説明する。図7は、安定限界型不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測の特徴を説明するためのグラフである。
図7に示すように、安定限界型不安定ケースでは、実位相差に変曲点が表れ、2次予測位相差が変曲点の影響を受けやすい。図7では、実位相差は、変曲点p1のときの時刻t5以前の時間帯では下に凸で、時刻t5から変曲点p2のときの時刻t6までの時間帯では上に凸となっていて、時刻t6以降の時間帯では下に凸となっている。また、実位相差が時刻t5のときに時刻t7に関する予測を行い、実位相差が時刻t6のときに時刻t8に関する予測を行う。
そして、時刻t7から時刻t8まで時間帯では、2次予測位相差は、1次予測位相差よりも小さいだけでなく、途中からは、実位相差よりも小さくなっている。この傾向は、変曲点p1のときの時刻t5から変曲点p2のときの時刻t6までの時間が長くなるほど、大きくなる。このような安定限界型不安定ケースへの対策として、以下の手法をとる。
第2の脱調判定方法では、第1の脱調判定方法と比較して、位相差予測部413と脱調判定部414の処理が異なり、変曲点の影響が比較的小さい1次予測位相差を用いて脱調判定を行う。以下、第1の脱調判定方法と同様の事項については、説明を適宜省略する。
位相差予測部413は、位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、所定時間間隔ごとの1次予測位相差の増分(以下、「1次予測位相差増分」という。)と、を算出する。
また、脱調判定部414は、次の条件1と条件2をともに満たした場合に、脱調と判定する。
(条件1)所定期間(例えば100ms)において、1次予測位相差が所定の脱調判定閾値を超過し続けていること。
(条件2)その所定期間において、1次予測位相差増分が正である時間の割合が所定割合(例えば8割)以上であること。
ここで、図8は、第2の脱調判定方法の説明図である。図8(a)は、安定限界型不安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。図8(b)は、安定ケースにおける最小二乗法による位相差予測結果の例を示すグラフである。
図8(a)に示すように、安定限界型不安定ケースについて、時刻t9から時刻t10までの期間T1(例えば100ms)において、条件1、条件2の両方を満たしている。一方、図8(b)に示すように、安定ケースでは、時刻t11から時刻t12までの期間T2(例えば100ms)において、条件1は満たしているが、条件2は満たしていない。つまり、期間T2において、1次予測位相差は途中から減少しており、1次予測位相差増分が負となるので、条件2を満たさない。
このようにして、第2の脱調判定方法によれば、安定限界型不安定ケースでも、脱調を高精度に判定できる。
(第3の脱調判定方法)
次に、第3の脱調判定方法について説明する。なお、第1の脱調判定方法と第2の脱調判定方法の少なくとも一方で説明した事項と同様の事項については、説明を適宜省略する。
第3の脱調判定方法では、位相差予測部413は、第1の脱調判定方法のときの処理と、第2の脱調判定方法のときの処理を、両方行う。つまり、位相差予測部413は、位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、所定時間間隔ごとの1次予測位相差の増分と、2次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である2次予測位相差と、を算出する。
また、脱調判定部414は、第1の脱調判定方法のときの脱調判定条件と、第2の脱調判定方法のときの脱調判定条件との少なくとも一方を満たしたときに、脱調と判定する。つまり、脱調判定部414は、1次予測位相差と2次予測位相差の両方が所定の脱調判定閾値を超過した場合と、所定期間において、1次予測位相差が所定の脱調判定閾値を超過し続けており、かつ、増分が正である時間の割合が所定割合以上である場合と、の少なくとも一方の条件を満たしたときに、脱調と判定する。
このようにして、第3の脱調判定方法によれば、第1の脱調判定方法のときの脱調判定条件と、第2の脱調判定方法のときの脱調判定条件との少なくとも一方を満たしたときに、脱調と判定することで、より広いケースに対応することができる。つまり、第1の脱調判定方法と第2の脱調判定方法のOR条件をとって脱調判定を行うことで、各方法の長所を兼ね備えた方法とすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本実施形態の電力系統安定化システムSで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、電力系統安定化システムSにおいて、事前演算型方式を主制御とし、事後演算型方式を補正制御とした場合の後者の演算処理に適用する例を挙げて説明したが、その他の実施形態として、事後演算型方式だけを実行する場合等に適用してもよい。
1 第1端末装置
11 第1発電機
2 第2端末装置
21 第2発電機
3 計測装置
31 基準母線
4 中央演算装置
41 処理部
42 記憶部
43 入力部
44 表示部
411 位相データ取得部
412 位相差算出部
413 位相差予測部
414 脱調判定部
415 制御指令送信部
S 電力系統安定化システム

Claims (3)

  1. 中央演算装置と端末装置とを備える電力系統安定化システムであって、
    前記中央演算装置は、
    電力系統において、位相基準母線の基準位相データ、および、発電機の位相データを取得する位相データ取得部と、
    前記基準位相データと前記位相データとの位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、2次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である2次予測位相差と、を算出する位相差予測部と、
    前記1次予測位相差と前記2次予測位相差の両方が所定の脱調判定閾値を超過した場合に脱調と判定する脱調判定部と、
    脱調と判定された前記発電機を前記電力系統から切り離す制御指令を前記端末装置に送信する制御指令送信部と、を備え、
    前記端末装置は、前記発電機の位相を計測して計測結果を前記中央演算装置に送信するとともに、前記中央演算装置から受信した前記制御指令に従って前記発電機を前記電力系統から切り離す制御を行う、電力系統安定化システム。
  2. 中央演算装置と端末装置とを備える電力系統安定化システムであって、
    前記中央演算装置は、
    電力系統において、位相基準母線の基準位相データ、および、発電機の位相データを取得する位相データ取得部と、
    前記基準位相データと前記位相データとの位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、所定時間間隔ごとの前記1次予測位相差の増分と、を算出する位相差予測部と、
    所定期間において、前記1次予測位相差が所定の脱調判定閾値を超過し続けており、かつ、前記増分が正である時間の割合が所定割合以上である場合に、脱調と判定する脱調判定部と、
    脱調と判定された前記発電機を前記電力系統から切り離す制御指令を前記端末装置に送信する制御指令送信部と、を備え、
    前記端末装置は、前記発電機の位相を計測して計測結果を前記中央演算装置に送信するとともに、前記中央演算装置から受信した前記制御指令に従って前記発電機を前記電力系統から切り離す制御を行う、電力系統安定化システム。
  3. 中央演算装置と端末装置とを備える電力系統安定化システムであって、
    前記中央演算装置は、
    電力系統において、位相基準母線の基準位相データ、および、発電機の位相データを取得する位相データ取得部と、
    前記基準位相データと前記位相データとの位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差の時系列データに基づいて、1次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である1次予測位相差と、所定時間間隔ごとの前記1次予測位相差の増分と、2次式の最小二乗法でモデル化した場合の未来の位相差の予測値である2次予測位相差と、を算出する位相差予測部と、
    前記1次予測位相差と前記2次予測位相差の両方が所定の脱調判定閾値を超過したことと、
    所定期間において、前記1次予測位相差が所定の脱調判定閾値を超過し続けており、かつ、前記増分が正である時間の割合が所定割合以上であることと、
    の少なくとも一方を満たした場合に、脱調と判定する脱調判定部と、
    脱調と判定された前記発電機を前記電力系統から切り離す制御指令を前記端末装置に送信する制御指令送信部と、を備え、
    前記端末装置は、前記発電機の位相を計測して計測結果を前記中央演算装置に送信するとともに、前記中央演算装置から受信した前記制御指令に従って前記発電機を前記電力系統から切り離す制御を行う、電力系統安定化システム。
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