JP6281704B2 - 分散電源の単独運転検出システム - Google Patents

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本発明は、太陽光発電システム、風力発電システム、燃料電池発電システム等の分散電源がインバータを介して電力系統に連系している場合に、系統電源の事故停電や作業停電により、分散電源が系統から切り離されて単独運転状態になったことを検出する単独運転検出システムに関するものである。
電力系統に連系して運転されている分散電源が単独運転状態となり、系統電源からの電力供給が停止すると、分散電源によって配電線が逆充電されることに起因して感電や配電設備が破損するおそれがある。このため、分散電源の単独運転を速やかに検出し、電力系統からインバータ及び分散電源を切り離して安全性を確保することが求められている。
この種の単独運転検出システムは、分散電源が電力系統との連系状態から切り離されて単独運転状態に移行した時に生じる電圧や位相等の変化をとらえて単独運転を検出する受動方式と、分散電源に接続されたインバータの出力に変動要因を与えておき、連系運転時にはその変動の影響が現れず、単独運転時には変動要因の影響が現れることを利用して変動の発生により単独運転を検出する能動方式と、に大別することができる。
上記の能動方式としては、系統に無効電力を注入してインバータの出力を変化させ、その変化を、系統周波数の偏差を判定条件として単独運転を検出するものが知られている。
例えば、最新の系統周波数と過去の系統周波数との偏差を算出し、その偏差が所定の閾値を超過した場合に単独運転と判定するものがある。
図8(a)は、周波数偏差が閾値を超過した回数が1回または複数回の場合に、分散電源の単独運転を検出する原理の説明図であり、「●」は一定周期のサンプリング点における周波数偏差を示す。
また、特許文献1には、階段状に単調増加/単調減少する閾値を設定し、周波数偏差が複数のサンプリング点で上記の階段状閾値を超過した時に単独運転を検出する従来技術が開示されている。
ここで、図9は、特許文献1に記載された単独運転検出装置50の構成図であり、この検出装置50は、分散型電源60と系統電源70との間に接続されている。図9において、51は系統の周波数を計測して連系リレー54,55を制御する制御装置、52は、制御装置51からの指令と系統の電圧、電流とに基づいてインバータ53を制御するインバータ制御部である。
図10は、図9における制御装置51の構成図である。この制御装置51は、系統の周波数を計測する計測部51aと、所定期間の計測周波数の変動状況(周波数偏差)に応じて補正無効電力を生成する周波数フィードバック部51bと、無効電力を定期的に変動させる定期変動部51cと、定期的に変動する無効電力と補正無効電力とを加算する加算部51dと、所定期間の周波数偏差に応じて変化パターンを生成する変化パターン生成部51eと、周波数偏差と変化パターンとを比較して単独運転の有無を判定し、その判定出力により連系リレー54,55を駆動する判定部51fと、を備えている。
図11(a)は、上記の構成により単独運転を検出する原理の説明図であり、周波数偏差が、複数のサンプリング点で階段状閾値(変化パターン)を超過したときに単独運転を検出している。
特開2007−215392号公報(段落[0041]〜[0062]、図1,図2,図5等)
前述したように、周波数偏差と閾値とを比較して単独運転を検出する方式では、周波数偏差が閾値に対して大きな変化分で推移するような系統の擾乱が発生すると、判定中に周波数偏差の変化率が反転するポイントが生じ、その後に周波数偏差が小さくなったとしても、単独運転ではなくても単独運転と誤検出してしまう場合がある。
図8(b)及び図11(b)は、このような誤検出状態を示したものである。何れの場合も、系統の擾乱により瞬間的に周波数が大きく変動し、その後、周波数が元に戻っていく過程で周波数偏差が次第に縮小していくが、予め設定された閾値を下回ることがないため、単独運転と誤検出してしまう。
上記のような単独運転の誤検出を回避するためには、閾値を微妙に調整したり、または、余裕を見て閾値を大きめに設定する必要がある。
しかし、閾値を微妙に調整するだけでは誤検出を完全になくすことが困難であり、また、閾値に余裕を持たせると、その分、周波数偏差が大きくならない限り単独運転を検出できなくなり、感度が低下して判定に要する時間が長くなる。つまり、結果的に分散電源の単独運転状態が長く続くため、安全性が低下するという問題がある。
そこで、本発明の解決課題は、分散電源の単独運転状態を短時間で検出することが可能な単独運転検出システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、インバータを介して系統へ無効電力を注入することにより、その注入無効電力量に応じて周波数偏差が大きくなり、当該注入無効電力量から想定される周波数偏差が変化することに基づいて単独運転を検出するものである。
まず、系統への無効電力注入による周波数偏差の挙動を、図5及び図6に基づいて説明する。
図5において、時刻tで検出した周波数偏差をΔfとすると、その時刻tで系統に注入する無効電力を、次のサンプリング点tにおいてΔfの2倍の周波数偏差(2×Δf)の発生を期待する量とすると、理想的には、時刻tで検出される周波数偏差は(2×Δf)となる。更に、時刻tで検出した周波数偏差を(2×Δf)とすると、その時刻tで系統に注入する無効電力を、次のサンプリング点tにおいて(2×Δf)の2倍の周波数偏差(4×Δf)の発生を期待する量とすると、理想的には、時刻tで検出される周波数偏差は(4×Δf)となる。
本発明では、注入無効電力によって生じると予想される連続したサンプリング点間の周波数偏差の比率(図5の例では、「2.0」)を所定の閾値と比較することを基本として、分散電源の単独運転を検出するものである。
図6は、周波数偏差と注入無効電力との関係を示す図である。注入無効電力の極性が負の場合もあり得るが、ここでは、極性が正の場合について述べる。なお、注入無効電力の極性が負の場合は、図6と対称の特性となる。
注入無効電力の極性が正の場合について、理想的な状態について説明する。
図6において、まず、周波数偏差Δfを検出すると、その2倍の周波数偏差Δf(=2×Δf)の発生を期待する無効電力Qを注入する。そして、この無効電力Qの注入によって発生する周波数偏差Δfを検出する。次に、周波数偏差Δfを検出すると、その2倍の周波数偏差Δf(=2×Δf)の発生を期待する無効電力Qを注入する。そして、この無効電力Qの注入によって発生する周波数偏差Δfを検出する。
以後、同様にして、周波数偏差Δfを検出すると、その2倍の周波数偏差Δfn+1(=2×Δf)の発生を期待する無効電力Qn+1を注入する。
上記のような手順で系統に無効電力を注入することにより、周波数偏差は次第に増大していく。言い換えると、検出した周波数偏差Δfに対し、次に期待する周波数偏差を例えば(2×Δf)とすると、Δfが大きければ次の周波数偏差も大きくなり、Δfが小さければ次の周波数偏差も小さくなる。
この点に着目し、本発明では、周波数偏差の変化の状況に応じて、単独運転を検出するための閾値を変動させる閾値変動方法を用いることとした。
図7は、本発明における閾値変動方法を説明するための概念図である。本発明では、図7(a)のように周波数偏差が小さい場合には、次に期待する周波数偏差も小さくなるため、周波数偏差の比率である閾値が小さくなり、逆に、図7(b)のように周波数偏差が大きい場合には、次に期待する周波数偏差も大きくなるため、周波数偏差の比率である閾値が大きくなるように変動する。
このため、本発明では、前述の図8(b)や図11(b)に示したように、系統の擾乱によって周波数偏差が大きく変動した場合には、次の周波数偏差に対する閾値が大きくなるように変動するのに対し、その後に周波数偏差が前回よりも減少して期待通りの値にならなかった場合には、増大した閾値に対して周波数偏差の比率が下回ることになり、単独運転とは見なさないため誤検出が回避されることになる。
すなわち、請求項1に係る発明は、分散電源が電力変換器を介して電力系統に連系せずに単独運転状態にあることを検出する分散電源の単独運転検出システムであって、
系統周波数を検出する周波数検出手段と、前記系統周波数から所定期間の周波数偏差を算出する周波数偏差算出手段と、前記所定期間の周波数偏差に対して次の所定期間の周波数偏差が所定の比率で変化するような無効電力を算出して前記電力変換器を介して系統に注入する無効電力算出・注入手段と、前記所定期間の周波数偏差と前記無効電力算出・注入手段により系統に注入される無効電力とに基づいて、前記分散電源が単独運転状態であるか否かを判定する単独運転検出手段と、を備え、
前記単独運転検出手段は、
系統への注入無効電力が所定値以上ある時に、現在の周波数偏差の過去の周波数偏差からの増減の比率を偏差比率として演算し、前記偏差比率が注入無効電力から想定される比率閾値としての第1閾値を超えた回数が、回数閾値としての第2閾値を超えた時に、前記分散電源が単独運転状態にあると判定するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した分散電源の単独運転検出システムにおいて、
前記無効電力算出・注入手段が算出した前記注入無効電力が注入量閾値を超えた場合、
前記無効電力算出・注入手段は前記注入無効電力を前記注入量閾値に制限し、
前記単独運転検出手段は、
現在の周波数偏差の過去の周波数偏差からの増減の比率を偏差比率として演算し、前記偏差比率が第3閾値を超えた回数が回数閾値としての第4閾値を超えた時に、前記分散電源が単独運転状態にあると判定するものである。
なお、請求項3に記載するように、前記単独運転検出手段は、前記偏差比率の推移に基づいて前記第1閾値との比較回数を決定することが望ましい。
上記のように、本発明は、系統への注入無効電力とこれによって生じる周波数偏差とを関連付けた単独運転検出システムであり、無効電力注入により発生する周波数偏差の現れ方が負荷の状況によって異なる状況でも、初期の周波数変動が小さく立ち上りが遅い場合には、請求項1による単独運転検出動作が有効に働き、逆に初期の周波数変動が大きく、注入無効電力の制限値に速く到達してしまう場合には、請求項2による単独運転検出動作が有効に働く検出システムである。
本発明によれば、分散電源の単独運転を短時間で検出可能であり、連系リレーを迅速に開放することで直ちに事故防止対策を講じることができる。
また、注入無効電力に応じた系統周波数の偏差比率に基づいて判定する請求項1の単独運転検出動作と、注入無効電力に基づいて判定する請求項2の単独運転検出動作とを備えることにより、検出漏れのない高精度な単独運転検出システムを実現することができる。
本発明の実施形態が適用される系統連系システムの構成図である。 図1における単独運転検出手段の処理を示すフローチャートである。 図1における単独運転検出手段の処理を示すフローチャートである。 図1における単独運転検出手段の処理を示すフローチャートである。 系統への無効電力注入による周波数偏差の挙動を示す図である。 周波数偏差と注入無効電力との関係を示す図である。 本発明における閾値変動方法を説明するための概念図である。 従来技術による単独運転検出原理の説明図である。 特許文献1に記載された単独運転検出装置の構成図である。 図9における制御装置の構成図である。 特許文献1による単独運転検出原理の説明図である。
以下に、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は、この実施形態が適用される分散電源の系統連系システムを示している。
この連系システムは、分散電源1の直流電力をパワーコンディショナー10により交流電力に変換し、この交流電力を、系統電源20から系統21を介して供給される電力と同期させながら各種事業所や家庭等の負荷30に供給するものである。
図1において、分散電源1は、太陽光発電システムや風力発電システムに設けられた直流電源であり、パワーコンディショナー10に直流電力を供給する。
パワーコンディショナー10は、分散電源1から供給された直流電力を系統電源20と同期した交流電力に変換するためのインバータ11と、系統周波数を検出する周波数検出手段12と、この周波数検出手段12による現在の系統周波数と内部に保持している過去の系統周波数とから周波数偏差を算出する周波数偏差算出手段13と、前記周波数偏差に基づいて周波数変動を起こさせるために系統21に注入する無効電力を算出して出力する無効電力算出・注入手段14と、周波数偏差算出手段13からの周波数偏差と無効電力算出・注入手段14からの注入無効電力に関する情報に基づいて、分散電源1が単独運転状態であるか否かを判定し、その判定結果を出力する単独運転検出手段16と、周波数検出手段12からの周波数情報、無効電力算出・注入手段14からの注入無効電力情報、及び、単独運転検出手段16からの単独運転情報に基づいて、インバータ11を駆動制御するインバータ制御手段15と、により構成されている。
なお、17は、単独運転検出手段16から出力される検出信号によりインバータ11(分散電源1)を系統21から遮断する連系リレーである。
周波数偏差算出手段13が算出する周波数偏差は、単周期での偏差でも良いが、測定誤差やノイズ誤差の影響を排除するために、数周期分の移動平均値から算出した値でも良い。
無効電力算出・注入手段14では、周波数偏差算出手段13から送られる周波数偏差に応じて、系統21に注入する無効電力を1段目ゲインと2段目ゲインとに分けて演算する。ここでは、周波数偏差が後述のゲイン閾値より小さい時に注入する無効電力を、検出した周波数偏差×1段目ゲイン、ゲイン閾値より大きくなった時に注入する無効電力を、検出した周波数偏差×2段目ゲイン、として演算する。
無効電力の演算に使用する1段目ゲイン/2段目ゲインを決定するための前記ゲイン閾値は、例えば、0.01[Hz]の周波数偏差とする。また、各ゲインの値としては、2段目ゲインを1段目ゲインより大きくすることにより、周波数偏差が小さい場合は1段目ゲインにより注入無効電力を小さくして系統21に与える影響を抑え、周波数偏差が大きくなってきたら、2段目ゲインにより注入無効電力を大きくして変化がより顕著になるようにする。
また、無効電力算出・注入手段14により決定される注入無効電力には注入量閾値が設けられており、この注入量閾値を超える無効電力は注入できないようになっている。なお、注入無効電力が注入量閾値に達した状態を、無効電力注入リミット状態というものとする。
次に、この実施形態における単独運転検出手段16の処理を、図2〜図4に従って説明する。これらの図に示す単独運転検出手段16の処理は、定周期にて起動される。
なお、以下の説明では、単独運転状態か否かを検出するための検査モードになっていることを「検査中」と定義し、検査中であることをフラグにて示すものとする。
まず、図2において、単独運転検出手段16は、検査中フラグを参照し、検査中であれば(ステップS1 YES)、後述する第1の単独運転検出条件による処理を行うために図3の処理に移行する。
検査中でない場合には(S1 NO)、注入無効電力が2段目ゲインによるレベルか否かを、無効電力算出・注入手段14からの情報に基づいて判断する(S2)。注入無効電力が2段目ゲインによるレベルであった場合(S2 YES)には、検出条件を満たす周波数偏差が生じ始めたと判断して、第1の単独運転検出条件による処理を開始するために各カウンタ(比率超過カウンタ1及び比率超過カウンタ2)をクリアする(S3)。
ここで、比率超過カウンタ1は、現在の周波数偏差と過去の周波数偏差との比率(周波数偏差比率)が第1閾値(比率閾値1)を超過した回数をカウントするカウンタ、比率超過カウンタ2は、無効電力注入リミット状態において現在の周波数偏差と過去の周波数偏差との比率(周波数偏差比率)が第3閾値(比率閾値2)を超過した回数をカウントするカウンタである。
次に、図1の周波数偏差算出手段13から送られた現在及び過去の周波数偏差から周波数偏差比率を求め(S4)、この周波数偏差比率が、無効電力算出・注入手段14による注入無効電力から想定される第1閾値(比率閾値1)、例えば「2.0」を超過しているか否かを判定する(S5)。
ここで、第1閾値の例として挙げた「2.0」の根拠は、無効電流注入時には検出した周波数偏差の4倍の偏差が現れることを期待して注入し、また、2周期分の周波数を平均化して周波数偏差を算出するものとすると、想定される周波数偏差は4倍の半分の「2.0」倍となることに基づいている。これには、マージンを見込んでもよいことは言うまでもない。
周波数偏差比率が第1閾値を超過している場合は(S5 YES)、第1の単独運転検出条件による処理を開始するために検査中フラグをセットして比率超過カウンタ1をインクリメントし(S6,S7)、周波数偏差算出手段13から入力された過去の周波数偏差を前回値として保持することにより(S8)、今回の処理を終了する。
前記ステップS5において、周波数偏差比率が第1閾値を超過していなかった場合は(S5 NO)、現在の周波数偏差と過去の周波数偏差との比率(周波数偏差比率)が第3閾値(比率閾値2)、例えば「1.2」を超過したか否かを判定する(S9)。周波数偏差比率が第3閾値を超過していた場合(S9 YES)、第2の単独運転検出条件による処理を開始するために検査中フラグをセットすると共に、比率超過カウンタ2をインクリメントし(S10,S11)、ステップS8に移行してから今回の処理を終了する。
また、前記ステップS9において、周波数偏差比率が第3閾値を超過していなかった場合(S9 NO)は単独運転検出条件を満たしていないと判断し、検査中フラグをセットせずに、ステップS8に移行してから今回の処理を終了する。
更に、前記ステップS2において、注入無効電力が2段目ゲインに相当するレベルでなかった場合(S2 NO)は、単独運転検出条件を満たす周波数偏差が発生していないため、ステップS8に移行してから今回の処理を終了する。
次に、前記ステップS1において検査中と判定された場合(S1 YES)の処理について、図3を参照しつつ説明する。この図3の処理は、第1の単独運転検出条件による処理である。
図3において、まず、注入無効電力が2段目ゲインによるレベルか否かを、無効電力算出・注入手段14からの情報に基づいて判断する(S12)。
注入無効電力が2段目ゲインによるレベルであった場合(S12 YES)、検出条件を満たす周波数偏差が生じていると判断して検出動作を継続し、周波数偏差算出手段13の出力情報に基づいて現在及び過去の周波数偏差の比率を演算する(S13)。
次いで、比率超過カウンタ1のカウント値の有無を判定し(S14)、カウント値がある場合(S14 YES)には、ステップS13にて演算した周波数偏差比率が、無効電力算出・注入手段14による注入無効電力から想定される第1閾値(比率閾値1)、例えば「2.0」を超過しているか否かを判定する(S15)。周波数偏差比率が第1閾値を超過している場合(S15 YES)は比率超過カウンタ1をインクリメントし(S16)、更に、比率超過カウンタ1のカウント値が第2閾値(回数閾値)を超過しているか否かを判定する(S17)。
比率超過カウンタ1のカウント値が第2閾値を超過していた場合(S17 YES)は、注入無効電力に応じた周波数偏差の変化が所定回数発生したことによって第1の単独運転検出条件を満足したと判断して、分散電源1が単独運転状態にあると判定する。すなわち、単独運転検出フラグをセットし(S18)、検査中フラグをクリアして検査状態を解除することにより(S19)、今回の処理を終了する。
また、単独運転検出フラグのセット(S18)と同時に、図1の連系リレー17を開放してインバータ11を系統21から遮断する。
ステップS12において、注入無効電力が2段目ゲインによるレベルでなかった場合は、検査開始条件を満たしていないので検査中フラグをクリアし(S21)、周波数偏差算出手段13から入力された周波数偏差を前回値として保持し(S22)、今回の処理を終了する。
また、ステップS14において比率超過カウンタ1のカウント値が未だ存在しない場合、及び、ステップS15において周波数偏差比率が第1閾値を超過していなかった場合は、第1の単独運転検出条件を満足しなくなったものとして比率超過カウンタ1をクリアし(S20)、図4の処理に移る。
更に、ステップS17において比率超過カウンタ1のカウント値が第2閾値を超過していなかった場合には、第1の単独運転検出条件による処理を継続しつつ図4の処理に移る。
次に、図4に基づいて第2の単独運転検出条件による処理を説明する。
無効電力注入リミット状態であり、かつ、現在の周波数偏差と過去の周波数偏差との比率(周波数偏差比率)が第3閾値(比率閾値2)を超過しているか否かを判定し(S23)、これら両方の条件を満たしていた場合(S23 YES)は、比率超過カウンタ2をインクリメントする(S24)。
そして、比率超過カウンタ2のカウント値が第4閾値(回数閾値)を超過したか否かを判定し(S25)、超過していた場合(S25 YES)は、周波数偏差が大きい状態のまま十分増大する傾向が続いているため第2の単独運転検出条件を満足したものと判断して、分散電源1が単独運転状態にあると判定する。すなわち、単独運転検出フラグをセットし(S26)、その後、検査中フラグをクリアして検査状態を解除することにより(S27)、今回の処理を終了する。また、単独運転検出フラグのセットと同時に、図1の連系リレー17を開放してインバータ11を系統21から遮断する。
ステップS25において、比率超過カウンタ2のカウント値が第4閾値を未だ超過していない場合(S25 NO)は、第2の単独運転検出条件による処理は継続しつつ、図1の周波数偏差算出手段13から入力された周波数偏差を前回値として保持し(S28)、今回の処理を終了する。
また、ステップS23の判定条件を満足しなかった場合(S23 NO)は、第2の単独運転検出条件を満足しなくなったものと判断して比率超過カウンタ2をクリアする(S29)。次に、第1の単独運転検出動作を行うための比率超過カウンタ1のカウント値の有無を判定し(S30)、比率超過カウンタ1のカウント値がなければ(S30 NO)、第1の単独運転検出条件は既に満足しておらず、第1,第2の単独運転検出条件を満足していないため、検査中フラグをクリアして検査状態を解除する(S31)。そして、図1の周波数偏差算出手段13から入力された周波数偏差を前回値として保持し(S32)、今回の処理を終了する。
なお、ステップS30において、比率超過カウンタ1のカウント値が存在する場合(S30 YES)は、第1の単独運転検出条件による処理が継続しているので、検査中フラグをクリアせず、ステップS32を経た後に今回の処理を終了する。
次に、図1の単独運転検出手段15における周波数偏差比率の演算処理(図2のステップS4)について説明する。
いま、周波数偏差の増加比率が大きいと、早く無効電力注入リミット状態に達するため、増加比率が頭打ちになり、第1の単独運転検出条件を満足できなくなる。そこで、第1の単独運転検出条件を満足しているか否かの判定を2段階に分けることで、第1の単独運転検出条件の判定精度を高めるようにした。
ここでは、例として、周波数が50[Hz](周期が20[ms])の系統電力に対し、5[ms]ごと、つまり1周期あたり4回、系統周波数を検出するものとする。この時の第1閾値(比率閾値1)との比較回数は、例えば次のようにする。
(1)周波数偏差の増加率が「3.0」を超えるような高い比率の状態が1周期に4回継続する場合には、第1閾値との比較回数の合計値を、1周期半に相当する6回とする。
(2)その他の場合には、第1閾値との比較回数の合計値を、2周期強に相当する9回とする。
上記(1),(2)の何れの場合も、累積の周波数偏差比率(増加率)は「18.0」以上である。
なお、ここで示した各数値はあくまで一例であり、本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではない。
1:分散電源
10:パワーコンディショナー
11:インバータ
12:周波数検出手段
13:周波数偏差算出手段
14:無効電力算出・注入手段
15:インバータ制御手段
16:単独運転検出手段
17:連系リレー
20:系統電源
21:系統
30:負荷

Claims (3)

  1. 分散電源が電力変換器を介して電力系統に連系せずに単独運転状態にあることを検出する分散電源の単独運転検出システムであって、
    系統周波数を検出する周波数検出手段と、前記系統周波数から所定期間の周波数偏差を算出する周波数偏差算出手段と、前記所定期間の周波数偏差に対して次の所定期間の周波数偏差が所定の比率で変化するような無効電力を算出して前記電力変換器を介して系統に注入する無効電力算出・注入手段と、前記所定期間の周波数偏差と前記無効電力算出・注入手段により系統に注入される無効電力とに基づいて、前記分散電源が単独運転状態であるか否かを判定する単独運転検出手段と、を備え、
    前記単独運転検出手段は、
    系統への注入無効電力が所定値以上ある時に、現在の周波数偏差の過去の周波数偏差からの増減の比率を偏差比率として演算し、前記偏差比率が注入無効電力から想定される比率閾値としての第1閾値を超えた回数が、回数閾値としての第2閾値を超えた時に、前記分散電源が単独運転状態にあると判定することを特徴とした分散電源の単独運転検出システム。
  2. 請求項1に記載した分散電源の単独運転検出システムにおいて、
    前記無効電力算出・注入手段が算出した前記注入無効電力が注入量閾値を超えた場合、
    前記無効電力算出・注入手段は前記注入無効電力を前記注入量閾値に制限し、
    前記単独運転検出手段は、
    現在の周波数偏差の過去の周波数偏差からの増減の比率を偏差比率として演算し、前記偏差比率が第3閾値を超えた回数が回数閾値としての第4閾値を超えた時に、前記分散電源が単独運転状態にあると判定することを特徴とした分散電源の単独運転検出システム。
  3. 請求項1または2に記載した分散電源の単独運転検出システムにおいて、
    前記単独運転検出手段は、前記偏差比率の推移に基づいて前記第1閾値との比較回数を決定することを特徴とする分散電源の単独運転検出システム。
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