以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(実施の形態の概要)
まず、実施の形態に先立って、実施の形態の概要について説明する。図1を用いて、実施の形態の概要にかかる救助要請装置1について説明する。図1は、実施の形態の概要にかかる救助要請装置の構成例を示すブロック図である。
救助要請装置1は、例えば、無人移動機(ドローンと称される場合がある)、ロボット、自動運転車両などの自律移動が可能な移動体である。救助要請装置1は、無線通信部2と、軌跡取得部3と、利用者状態判定部4と、駆動制御部5と、を備える。
無線通信部2は、無線回線を介した無線通信を行う通信部である。無線通信部2は、通信事業者がサービスを提供するモバイルネットワークを介した無線通信を行ってもよい。もしくは、無線通信部2は、無線LAN(Local Area Network)による無線通信を行ってもよい。もしくは、無線MAN(Metropolitan Area Network)による無線通信であってもよいし、ZigBeeによる無線通信であってもよい。
無線通信部2は、無線通信が行える状態であるのか、行えない状態であるのかを判定する。また、無線通信部2は、後述する駆動制御部5が自装置を駆動している場合であって、無線通信が可能となった場合、予め登録された宛先に救助要請信号を送信する。予め登録された宛先は、例えば、消防署、警察、病院などの機関であってもよいし、利用者の家族であってもよい。もしくは、予め登録された宛先は、利用者が所属するグループのグループ長であってもよいし、利用者が任意に決めることが出来てもよい。
軌跡取得部3は、無線通信部2による無線通信が行えない場合、自装置の移動軌跡を取得する。
利用者状態判定部4は、自装置の利用者が危険状態であるか否かを判定する。利用者状態判定部4は、利用者が、例えば、「SOS」のような救助要請を示す用語を発生した場合に、利用者が危険状態であると判定してもよい。もしくは、利用者状態判定部4は、自装置の状態情報を取得するセンサ、利用者の生体情報を取得するセンサが取得したセンサ情報に基づいて、利用者が危険状態であると判定してもよい。
駆動制御部5は、利用者が危険状態であると利用者状態判定部4が判定した場合、軌跡取得部3によって取得された移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御する。移動軌跡は、無線通信が行えなくなった位置を起点位置として、利用者が危険状態であると判定された位置を終点位置とする移動軌跡である。駆動制御部5は、取得した終点位置を駆動開始位置とし、取得した起点位置を終了位置として、移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御する。
以上説明した様に、救助要請装置1は、無線通信が行えなくなった場合に移動軌跡を取得する。つまり、救助要請装置1は、利用者が通信不可エリアに進入した場合に、移動軌跡を取得する。また、救助要請装置1は、利用者が危険であると判定された場合に、移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御し、無線通信が可能となった時点で救助要請信号を送信する。そのため、利用者が通信不可エリアに進入し、遭難した場合など、救助要請を行う場合でも、救助要請装置1は無線通信が確実に行える位置まで自装置を駆動制御して救助要請信号を送信する。したがって、救助要請装置1によれば、救助要請の確実性を高めることが可能となる。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。まず、図2を用いて、実施の形態1にかかる救助要請装置10について説明する。図2は、実施の形態1にかかる救助要請装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態1にかかる救助要請装置10は、実施の形態の概要にかかる救助要請装置1に対応する。救助要請装置10は、利用者が救助を要する際に、救助要請を行う装置である。なお、説明を行う上で便宜的に、救助要請装置10は、ドローンであるとして説明を行う。
救助要請装置10は、無線通信部11と、GPS通信部12と、軌跡取得部13と、マイク14と、音声認識部15と、利用者状態判定部16と、駆動制御部17と、駆動部18と、記憶部19と、を備える。
無線通信部11は、実施の形態の概要にかかる無線通信部2に対応する。無線通信部11は、アンテナANT1を介して無線回線による無線通信を行う通信部である。なお、説明を行う上で便宜的に、無線通信部11は、通信事業者がサービスを提供するモバイルネットワークを介した無線通信を行うとして説明を行う。
無線通信部11は、基地局からの電波の信号強度を測定して、無線通信が可能な信号強度であるか否かを判定する。無線通信部11は、基地局から受信した電波の信号強度が、所定の閾値以上であるか否かによって無線通信が可能な信号強度であるか否かを判定する。無線通信部11は、無線通信が行えないと判定する場合、後述する軌跡取得部13に通知する。
また、無線通信部11は、後述する駆動制御部17が自装置を駆動している場合であって、無線通信が可能となった場合に、予め登録された宛先に救助要請信号を送信する。
救助要請信号は、例えば、利用者氏名と、遭難したことと、救助を要請していることと、を含む情報であってもよい。救助要請信号は、上記に加えて、後述する軌跡取得部13が取得した移動軌跡に関する情報と、移動軌跡の起点位置から終点位置までの移動に要した時間とを含む情報であってもよい。
移動軌跡に関する情報は、後述する記憶部19が予め記憶した地図情報に、移動軌跡と、移動に要した時間と、をマッピングした救助用MAPであってもよい。また、移動軌跡に関する情報は、移動軌跡の起点位置と終点位置とを結んだ直線を最短ルートとする情報を含んでもよい。無線通信が行えないと判定する場合の位置と、GPS信号による測位が行えないと判定する場合の位置とが異なる場合、移動軌跡に関する情報は、GPS信号による測位が行えないと判定する場合の位置を起点位置とした移動軌跡の情報であってもよい。
GPS通信部12は、アンテナANT2を介してGPS信号を受信し、GPS信号を用いて測位を行う通信部である。また、GPS通信部12は、受信したGPS信号の信号強度を測定して、GPS信号を用いた測位が可能であるか否かを判定する。GPS通信部12は、GPS信号の信号強度が、所定の閾値以上であるか否かによって測位が可能であるか否かを判定する。GPS通信部12は、測位が行えないと判定する場合、後述する軌跡取得部13に通知する。
軌跡取得部13は、実施の形態の概要にかかる軌跡取得部3に対応する。軌跡取得部13は、無線通信部11が無線通信が行えないと判定する場合およびGPS通信部12がGPS信号による測位が行えないと判定する場合の少なくとも1つを満たす場合、救助要請装置10の移動軌跡を取得する。
具体的には、軌跡取得部13は、無線通信が行えないと判定された場合およびGPS信号による測位が行えないと判定された場合の少なくとも1つを満たす場合の位置を起点位置とし、救助要請装置10の移動軌跡の取得を開始する。軌跡取得部13は、移動軌跡の取得を開始する場合、起点位置を原点座標とする3軸の座標を設けて、3軸の座標を用いて移動軌跡を取得する。つまり、軌跡取得部13は、移動軌跡の取得開始の位置を原点(0,0,0)として設定して、移動軌跡を取得する。
軌跡取得部13は、後述する地磁気センサ133を用いることにより、北方向をy軸正方向とし、東方向をx軸正方向とし、地上面を基準にした上方向をz軸正方向とする3軸を設定することが出来る。なお、軌跡取得部13は、3つの軸が設定出来ればよいので、北方向をx軸と設定してもよいし、異なる3軸を設定してもよい。また、以降の説明では、3軸を用いた座標を(x,y,z)として表すこととする。
また、軌跡取得部13は、例えば、500m毎に、座標が+1または−1されるような座標系を設定してもよい。以降の説明では、500m毎に座標が+1または−1されるとする座標系として説明を行う。なお、軌跡取得部13は、例えば、1km毎に座標が+1または−1されるような座標系を設定してもよいし、その他の値を用いてもよい。
軌跡取得部13は、後述するセンサ群131〜133、高度計134および時間計測部135を用いることにより、救助要請装置10の移動軌跡を逐次算出して取得し、取得した移動軌跡を記憶部19に記憶する。軌跡取得部13は、センサ群131〜133、高度計134および時間計測部135を用いることにより、例えば、5分などの単位時間毎に、救助要請装置10の移動方向および移動距離を算出することが出来るので、自装置の位置を算出及び取得して移動軌跡を取得する。軌跡取得部13は、自装置の位置の座標と経過時間とを対応付けて記憶部19に記憶する。なお、軌跡取得部13は、GPS信号による測位が可能である場合は、現在位置を取得することが出来るので、GPS信号による測位結果を用いて、現在位置を取得して記憶部19に記憶してもよい。
軌跡取得部13は、後述する利用者状態判定部16が、救助要請装置10を利用する利用者が危険状態であると判定する場合、救助要請装置10が移動した移動軌跡の取得を終了する。つまり、軌跡取得部13は、この位置を終点位置とする移動軌跡を取得する。軌跡取得部13は、ジャイロセンサ131、加速度センサ132、地磁気センサ133、高度計134、時間計測部135を備える。
ジャイロセンサ131は、救助要請装置10に加わる回転角速度を検出する。ジャイロセンサ131は、3軸以上の回転角速度を検出可能なジャイロセンサである。ジャイロセンサ131の検出値を1階積分することにより、救助要請装置10の回転角度を算出することが出来る。そのため、ジャイロセンサ131を用いることにより、救助要請装置10が回転した場合であっても、どのように回転したかを検出し、救助要請装置10の進行方向を検出することが可能となる。
加速度センサ132は、救助要請装置10に加わる加速度を検出する。加速度センサ132は、3軸以上の加速度を検出可能な加速度センサである。加速度センサ132の検出値を2階積分することにより移動距離を算出することが出来る。そのため、加速度センサ132を用いることにより、救助要請装置10が移動した移動距離を算出することが出来る。なお、加速度センサ132の検出値を1階積分すると、移動速度を算出することが出来るので、後述する時間計測部135が計測した時間を用いて移動距離を算出してもよい。
地磁気センサ133は、方角を検出する。地磁気センサ133は、3軸型の地磁気センサである。地磁気センサ133を用いることにより、3軸を設定することが出来るので、軌跡取得部13は、設定した3軸を用いて救助要請装置10の移動軌跡を取得する。
高度計134は、高度の変位を検出する。軌跡取得部13は、高度計134を用いることにより、救助要請装置10がz軸方向の移動距離を取得することが可能となる。
時間計測部135は、移動軌跡の取得を開始する場合に経過時間の計測を開始し、移動軌跡の取得を終了するまで経過時間を計測する。
このように、軌跡取得部13は、ジャイロセンサ131の検出値、加速度センサ132の検出値、地磁気センサ133の検出値、高度計134の検出値を用いることにより、救助要請装置10の移動距離、移動方向が分かる。また、軌跡取得部13は、時間計測部135を用いることにより、救助要請装置10の移動軌跡の取得開始から取得終了までの経過時間が分かる。そのため、軌跡取得部13は、救助要請装置10の位置を単位時間毎に算出および取得して移動軌跡を取得することが出来る。
ここで、図3を用いて、軌跡取得部13が取得する移動軌跡について説明する。図3は、軌跡取得部が取得する移動軌跡を説明する図である。前提として、軌跡取得部13は、5分毎に、上記のように、センサ群131〜133、高度計134および時間計測部135を用いて、現在位置を算出および取得して、取得した位置と、経過時間と、を対応付けて記憶部19に記憶する。
まず、無線通信部11が地点Aにおいて、無線通信が行えなくなったと判定する。そうすると、軌跡取得部13は、図3に示す様に、3軸を設定し、地点Aを原点座標に設定し、経過時間を0分として設定する。次に、救助要請装置10が利用者と共に、5分後に地点Bまで移動したとする。軌跡取得部13は、地点Bの位置と、経過時間と、を取得して、対応付けて記憶部19に記憶する。以降、後述する利用者状態判定部16が、利用者が危険状態であると判定するまで、軌跡取得部13は、5分毎に、地点C以降の位置と、経過時間と、を取得して、対応付けて記憶部19に記憶する。ここで、地点Hにおいて、利用者状態判定部16が、利用者が危険状態であると判定したとすると、軌跡取得部13は、地点Hを終点位置として、地点Hの位置と、経過時間とを取得して記憶部19に記憶する。なお、軌跡取得部13は、利用者が危険状態であると判定された場合は、即時に現在位置と、経過時間と、を取得する。このようにして、軌跡取得部13は、地点Aを起点位置とし、地点Hを終点位置とした移動軌跡を取得する。また、例えば、地点Eにおいて、GPS信号による測位が行えないと判定されたとすると、軌跡取得部13は、この位置も把握出来るように、他の地点と異なる情報として記憶部19に記憶してもよい。
次に、図2に戻りマイク14について説明する。マイク14は、救助要請装置10の利用者が発した音声を集音する。マイク14は、救助要請装置10に内蔵されていてもよいし、救助要請装置10の外部に設けられていてもよい。
音声認識部15は、利用者が発した音声をマイク14が集音すると、集音した音声の内容をテキストデータに変換して、利用者が発した音声の内容を認識する。音声認識部15は、例えば、「SOS」などの予め定められた用語であって、救助要請を示す用語を認識した場合、利用者状態判定部16に通知する。また、音声認識部15は、例えば、「STOP」などの予め定められた用語であって、救助要請装置10の駆動制御を停止することを示す用語を認識した場合、駆動制御部17に通知する。
利用者状態判定部16は、救助要請装置10の利用者が危険状態であるか否かを判定する。利用者状態判定部16は、音声認識部15が、例えば、「SOS」などの救助要請を示す用語を認識した場合、利用者が危険状態であると判定する。利用者状態判定部16は、利用者が危険であると判定した場合、軌跡取得部13と、駆動制御部17に通知する。
駆動制御部17は、利用者が危険状態であると利用者状態判定部16が判定した場合、取得した移動軌跡の跡をたどるように、救助要請装置10を駆動制御する。具体的には、駆動制御部17は、取得した移動軌跡の終点位置から起点位置に向けて、移動軌跡の跡をたどるように、自装置を駆動させるように制御する。例えば、軌跡取得部13が図3に示す移動軌跡を取得したとすると、駆動制御部17は、地点Hを駆動開始位置として、地点G、地点F、地点E、地点D、地点C、地点B、地点Aと順にたどるように、救助要請装置10を駆動制御する。
また、駆動制御部17は、音声認識部15が、例えば、「STOP」などの救助要請装置10の駆動制御を停止することを示す用語を認識した場合、救助要請装置10が誤発信したと判定して駆動制御を停止する。駆動制御部17は、救助要請装置10の駆動制御を停止すると、救助要請装置10を利用者の位置に戻るように駆動制御する。
次に、図2に戻り説明を続ける。
駆動部18は、救助要請装置10のモータおよびプロペラを含んで構成され、駆動制御部17の制御に従って、救助要請装置10を移動(駆動)する。
記憶部19は、移動軌跡に関する情報、経過時間、地図情報などの各種情報を記憶する。
続いて、図4を用いて、実施の形態1にかかる救助要請装置10の動作例について説明する。図4は、実施の形態1にかかる救助要請装置の動作例を説明するフローチャートである。
まず、救助要請装置10は、無線通信の不可およびGPS信号による測位不可の少なくとも一方を検出する(ステップS11)。具体的には、無線通信部11は、基地局から受信した電波の信号強度が、所定の閾値以上であるか否かを判定し、所定の閾値未満である場合、無線通信の不可と判定する。無線通信部11は、無線通信が行えないと判定する場合、軌跡取得部13に通知する。GPS通信部12は、GPS信号の信号強度が、所定の閾値以上であるか否かによって測位が可能であるか否かを判定する。GPS通信部12は、所定の閾値未満である場合、測位が行えないと判定する。GPS通信部12は、GPS信号による測位が行えないと判定すると、軌跡取得部13に通知する。
次に、救助要請装置10は、移動軌跡の取得を開始する(ステップS12)。具体的には、軌跡取得部13は、無線通信が行えないと判定された場合およびGPS信号による測位が行えないと判定された場合の少なくとも一方を満たす場合の位置を起点位置として、3軸の座標を設定し、起点位置を原点座標(0,0,0)として設定する。軌跡取得部13は、ジャイロセンサ131の検出値、加速度センサ132の検出値、地磁気センサ133の検出値、高度計134の検出値を用いて、単位時間毎に、救助要請装置10の位置を算出して取得する。また、軌跡取得部13は、時間計測部135を用いて、起点位置からの経過時間を取得する。軌跡取得部13は、単位時間毎に、取得した位置と経過時間とを対応付けて記憶部19に記憶する。
次に、救助要請装置10は、利用者の危険状態を判定する(ステップS13)。具体的には、利用者状態判定部16は、音声認識部15が「SOS」などの救助要請を示す用語を認識したか否かにより、利用者が危険状態であるか否かを判定する。
ステップS13において、利用者状態判定部16が、利用者が危険状態であると判定すると(ステップS13のYES)、ステップS14に進む。音声認識部15が救助要請を示す用語を認識した場合、利用者状態判定部16は、利用者が危険状態であると判定し、軌跡取得部13と、駆動制御部17に通知する。
一方、ステップS13において、利用者状態判定部16が、利用者が危険状態ではないと判定すると(ステップS13のNO)、ステップS13に戻る。つまり、利用者状態判定部16が、利用者が危険状態であると判定するまで、軌跡取得部13は、救助要請装置10の移動軌跡の取得を継続する。
次に、救助要請装置10は、移動軌跡の取得を終了する(ステップS14)。軌跡取得部13は、利用者が危険状態であると判定された位置を移動軌跡の終点位置として、移動軌跡の取得を終了する。
次に、救助要請装置10は、移動軌跡の終点位置から起点位置に向けて自装置を駆動制御する(ステップS15)。駆動制御部17は、利用者が危険状態であると判定されると、取得した移動軌跡の跡をたどるように、移動軌跡の終点位置から起点位置に向けて自装置を駆動制御する。すなわち、救助要請装置10は、無線通信が行える位置を目指して自装置を駆動制御する。
次に、救助要請装置10は、移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御している間、駆動停止を示す用語を認識したかを定期的に判定する(ステップS16)。具体的には、音声認識部15が「STOP」などの救助要請装置10の駆動制御を停止することを示す用語を認識したか否かを定期的に判定する。
ステップS16において、音声認識部15が駆動停止を示す用語を認識した場合(ステップS16のYES)、駆動制御部17は、救助要請装置10が誤発信したと判定して駆動制御を停止して、利用者の位置に移動する(ステップS17)。以降、ステップS12に戻り処理を続ける。つまり、軌跡取得部13は、救助要請装置10が利用者の位置に戻ると、ステップS14において取得を終了した移動軌跡の続きを取得するように移動軌跡の取得を再開する。
一方、ステップS16において、音声認識部15が駆動停止を示す用語を認識しない場合(ステップS16のNO)、駆動制御部17は、継続して、移動軌跡の起点位置に向けて自装置を駆動制御する。
次に、救助要請装置10は、定期的に、無線通信が可能であるかを判定する(ステップS18)。具体的には、無線通信部11は、基地局から受信した電波の信号強度が、所定の閾値以上であるか否かを定期的に判定する。
ステップS18において、無線通信が可能となった場合(ステップS18のYES)、救助要請装置10は、予め登録された宛先に救助要請信号を送信する(ステップS19)。具体的には、無線通信部11は、基地局から受信した電波の信号強度が所定の閾値以上となった場合、無線通信が可能と判定し、予め登録された宛先に救助要請信号を送信する。
救助要請信号は、例えば、利用者氏名と、遭難したことと、救助を要請していることと、を含む情報であってもよい。救助要請信号は、上記に加えて、軌跡取得部13が取得した移動軌跡に関する情報と、移動軌跡の起点位置から終点位置までの移動に要した時間とを含む情報であってもよい。
移動軌跡に関する情報は、図3に示した各地点の座標と経過時間との対応関係が記載された表であってもよい。もしくは、移動軌跡に関する情報は、図3に示した各地点の座標と経過時間とを、地図情報にマッピングした救助用MAPであってもよい。もしくは、移動軌跡に関する情報は、GPS信号による測位が行えないと判定された場合の位置(地点E)を起点位置とし、利用者が危険状態であると判定された場合の位置を終点位置とする移動軌跡に関する情報であってもよい。また、移動軌跡に関する情報が救助用MAPである場合には、移動軌跡の起点位置と終点位置とを結んだ直線を最短ルート情報として含む情報であってもよい。
一方、ステップS18において、無線通信が行えない場合(ステップS18のNO)、救助要請装置10は、ステップS15に戻り、引き続き移動軌跡の起点位置に向けて自装置を駆動制御する。無線通信部11は、基地局から受信した電波の信号強度が所定の閾値未満である場合、無線通信が可能ではない判定し、ステップS15に戻り、駆動制御部17は、引き続き移動軌跡の起点位置に向けて自装置を駆動制御する。
以上説明したように、救助要請装置10は、無線通信が行えなくなった場合およびGPS信号による測位が行えなくなった場合の少なくとも一方を満たした場合、自装置の移動軌跡を取得する。また、救助要請装置10は、利用者が危険であると判定された場合に、移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御し、無線通信が可能となった時点で救助要請信号を送信する。そのため、救助要請装置10は、例えば、洞窟などのGPS信号による測位も無線通信も行えないエリアにおいて利用者が遭難した場合であっても、無線通信が確実に行える位置まで自装置を駆動制御し、救助要請信号を送信する。したがって、救助要請装置10によれば、救助要請の確実性を高めることが可能となる。
さらに、救助要請装置10は、移動軌跡に関する情報を含めた救助要請信号を送信するため、利用者が危険状態であると判定された場合の位置が、GPS信号が届かない場所であったとしても、利用者を救助する救助者は利用者を迅速に見つけることが可能となる。すなわち、救助要請装置10を用いることにより、利用者を捜索する時間を短縮し、救助要請の確実性を高めることが可能となる。
またさらに、救助要請装置10は、利用者が危険であると判定された場合に、移動軌跡の跡をたどるように駆動し、無線通信が可能となった時点で救助要請信号を送信する。したがって、救助要請装置10の利用者が、身動きがとれない状態であっても救助要請を行うことが可能となる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1の改良例である。図5を用いて、実施の形態2にかかる救助要請装置20の構成例について説明する。図5は、実施の形態2にかかる救助要請装置の構成例を示すブロック図である。
実施の形態2にかかる救助要請装置20は、実施の形態1の構成に加えて、撮像部21をさらに備える。また、実施の形態2は、実施の形態1と比較すると、救助要請信号が異なる。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、本実施の形態においては差分点のみを説明する。
撮像部21は、利用者状態判定部16が、利用者が危険状態であると判定すると、利用者を含む救助要請装置20の周辺を撮像して画像を生成する。撮像部21は、例えば、静止画や動画の撮像に用いられるカメラにより構成されてもよい。もしくは、撮像部21は、デジタルカメラ、ビデオカメラにより構成されてもよい。
また、撮像部21は、救助要請装置20が終点位置から起点位置まで移動軌跡の跡をたどるように駆動している間、救助要請装置10の周辺を逐次撮像して画像を生成する。撮像部21は、生成した画像を記憶部19に記憶する。
無線通信部11は、撮像部21が生成した画像を救助要請信号に含めて送信する。
次に、図6を用いて、実施の形態2にかかる救助要請装置20の動作例について説明する。図6は、実施の形態2にかかる救助要請装置の動作例を説明するフローチャートである。図6は、図3に示すフローチャートに対応し、図3に示すフローチャートにステップS21およびステップS22が追加されている。また、図6は、図3に示すフローチャートのステップS19がステップS23に置き換わっている。図6において、図3と同様の処理内容に対しては、同一の参照番号を付して適宜説明を割愛し、ステップS21、ステップ22およびステップS23を説明する。
救助要請装置20は、利用者が危険状態であると判定されると(ステップS13のYES)、移動軌跡の取得を終了し(ステップS14)、利用者を含む周辺を撮像して画像を生成する(ステップS21)。具体的には、利用者状態判定部16が、利用者が危険状態であると判定すると、軌跡取得部13は、移動軌跡の取得を終了する。そして、撮像部21は、利用者を含む周辺を撮像して画像を生成する。撮像部21は、生成した画像を記憶部19に記憶する。
また、救助要請装置20は、自装置を駆動制御している間、自装置の周辺を撮像して画像を生成する(ステップS22)。具体的には、利用者状態判定部16が、利用者が危険状態であると判定すると、駆動制御部17は、移動軌跡の跡をたどるように、終点位置から起点位置に向けて自装置を駆動制御する。撮像部21は、救助要請装置20が移動軌跡の跡をたどるように駆動している間、自装置の周辺を逐次撮像して画像を逐次生成する。撮像部21は、生成した画像を記憶部19に記憶する。
また、ステップS18において、無線通信が可能となった場合(ステップS18のYES)、無線通信部11は、撮像部21が生成した画像を救助要請信号に含めて、予め登録された宛先に救助要請信号を送信する(ステップS23)。
以上説明したように、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の構成を有することから救助要請の確実性を高めることが可能となる。
また、救助要請装置20は、利用者が危険状態であると判定された場合、利用者を含む自装置の周辺を撮像して画像を生成し、生成された画像を含む救助要請信号を送信する。そのため、本実施の形態にかかる救助要請装置20を用いることにより、救助者は、利用者救出のために必要な治療用具等を事前に準備して利用者を救助することが可能となる。したがって、本実施の形態にかかる救助要請装置20を用いることにより、スムーズな救助を行うことが可能となる。
さらに、救助要請装置20は、移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動している間、自装置の周辺を逐次撮像して画像を生成し、生成された画像を含む救助要請信号を送信する。そのため、本実施の形態にかかる救助要請装置20を用いることにより、救助者は、利用者が移動した経路を、救助要請装置20が撮像して生成した画像を確認しながら進むことが可能となる。したがって、本実施の形態にかかる救助要請装置20を用いることにより、救助者は、救助要請装置20の利用者を迅速に救出することが可能となる。
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、実施の形態1および2の変形例である。そのため、実施の形態3を、実施の形態1を用いて説明する。図7を用いて、実施の形態3にかかる救助要請装置30の構成例について説明する。図7は、実施の形態3にかかる救助要請装置の構成例を示すブロック図である。
実施の形態3にかかる救助要請装置30は、実施の形態1の構成に浸水検知センサ31が追加された構成である。また、実施の形態3にかかる救助要請装置30は、実施の形態1における利用者状態判定部16が利用者状態判定部32に置き換わっている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、本実施の形態においては差分点のみを説明する。
浸水検知センサ31は、救助要請装置30が浸水したことを検出するセンサである。また、浸水検知センサ31は、救助要請装置30の底部に設けられ、救助要請装置30の底部からどのくらいの高さまで浸水しているかを検知可能なセンサである。浸水検知センサ31は、救助要請装置30がどのくらい浸水しているのかを検知するセンサであるので、自装置の状態情報を取得するセンサとも言える。
浸水検知センサ31は、救助要請装置30が浸水した場合に検出した検出値を利用者状態判定部32に通知する。なお、浸水検知センサ31は、救助要請装置30に内蔵されていてもよいし、外部に設けられ救助要請装置30と接続されていてもよい。
利用者状態判定部32は、浸水検知センサ31の検出値が所定の閾値を超過しているか否かを判定する。利用者状態判定部32は、浸水検知センサ31の検出値が所定の閾値を超過していると判定する場合、利用者が溺れていると推測出来るので、利用者が危険状態であると判定する。
続いて、実施の形態3にかかる救助要請装置30の動作例について説明する。実施の形態3にかかる救助要請装置30の動作例は、基本的に実施の形態1と同様であるので、図4に示すフローチャートを用いて差分点のみを説明する。
本実施の形態では、ステップS13の具体的な内容が異なる。実施の形態1においては、ステップS13において、音声認識部15が救助要請を示す用語を認識した場合、利用者状態判定部16は、利用者が危険状態であると判定した。本実施の形態においては、ステップS13において、利用者状態判定部32は、さらに、浸水検知センサ31の検出値を用いて利用者が危険であるか否かを判定する。
具体的には、利用者状態判定部32は、浸水検知センサ31の検出値が所定の閾値以上であるか否かを判定し、浸水検知センサ31の検出値が所定の閾値以上である場合、利用者が危険状態であると判定する。なお、利用者状態判定部32は、浸水検知センサ31の検出値のみを用いて、利用者が危険状態であるか否かを判定する構成であってもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、救助要請装置30は、浸水検知センサ31をさらに備え、利用者状態判定部32は、浸水検知センサ31の検出値に基づいて、利用者が危険状態であるか否かを判定する。そのため、本実施の形態にかかる救助要請装置30によれば、利用者が溺れた場合でも救助要請を行うことが可能となる。
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。実施の形態4は、実施の形態1〜3の変形例である。そのため、実施の形態4を、実施の形態1を用いて説明する。まず、図8を用いて、実施の形態4にかかる救助要請装置40の構成例について説明する。図8は、実施の形態4にかかる救助要請装置の構成例を示すブロック図である。
実施の形態4にかかる救助要請装置40は、実施の形態1の構成にショックセンサ41をさらに備える構成である。また、実施の形態4にかかる救助要請装置40は、実施の形態1における利用者状態判定部16が利用者状態判定部42に置き換わっている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、本実施の形態においては差分点のみを説明する。
ショックセンサ41は、例えば、圧電セラミックスを使用したショックセンサであり、救助要請装置40に加わる振動および衝撃の強さを測定可能なセンサである。ショックセンサ41は、救助要請装置40に加わる振動および衝撃の強さを検知するセンサであるので、自装置の状態情報を取得するセンサとも言える。ショックセンサ41が検出した検出値は、利用者状態判定部42に通知される。なお、ショックセンサ41は、救助要請装置40に内蔵されていてもよいし、救助要請装置40の外部に設けられ、救助要請装置40と接続されていてもよい。
利用者状態判定部42は、ショックセンサ41の検出値が所定の閾値を超過しているか否かを判定する。利用者状態判定部42は、ショックセンサ41の検出値が所定の閾値を超過していると判定する場合、利用者が転落していると推測出来るので、利用者が危険状態であると判定する。
続いて、実施の形態4にかかる救助要請装置40の動作例について説明する。実施の形態4にかかる救助要請装置40の動作例は、基本的に実施の形態1と同様であるので、図4に示すフローチャートを用いて差分点のみを説明する。
本実施の形態では、ステップS13の具体的な内容が異なる。実施の形態1においては、ステップS13において、音声認識部15が救助要請を示す用語を認識した場合、利用者状態判定部16は、利用者が危険状態であると判定した。本実施の形態においては、ステップS13において、利用者状態判定部42は、さらに、ショックセンサ41の検出値を用いて利用者が危険であるか否かを判定する。
具体的には、利用者状態判定部42は、ショックセンサ41の検出値が所定の閾値以上であるか否かを判定し、ショックセンサ41の検出値が所定の閾値以上である場合、利用者が危険状態であると判定する。なお、利用者状態判定部42は、ショックセンサ41の検出値のみを用いて、利用者が危険状態であるか否かを判定する構成であってもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、救助要請装置40は、ショックセンサ41をさらに備え、利用者状態判定部42は、ショックセンサ41の検出値に基づいて、利用者が危険状態であるか否かを判定する。そのため、本実施の形態にかかる救助要請装置40によれば、利用者が転落した場合であっても、救助要請を行うことが可能となる。
(実施の形態5)
続いて、実施の形態5について説明する。実施の形態5は、実施の形態1〜4の変形例である。そのため、実施の形態5を、実施の形態1を用いて説明する。まず、図9を用いて、実施の形態5にかかる救助要請装置50の構成例について説明する。図9は、実施の形態5にかかる救助要請装置の構成例を示すブロック図である。
実施の形態5にかかる救助要請装置50は、実施の形態1の構成に脈拍センサ51をさらに備える構成である。また、実施の形態4にかかる救助要請装置50は、実施の形態1における利用者状態判定部16が利用者状態判定部52に置き換わっている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、本実施の形態においては差分点のみを説明する。
脈拍センサ51は、利用者の脈拍を計測するセンサである。脈拍センサ51は、例えば、利用者の腕に取り付けられる。脈拍センサ51は、例えば、Bluetooth(登録商標)などによって救助要請装置50と接続および通信を行う。救助要請装置50と脈拍センサ51は、定期的に利用者の脈拍を計測して、計測した脈拍数を利用者状態判定部52に通知する。脈拍は、利用者の生体情報であることから、脈拍センサ51は、利用者の生体情報を取得するセンサとも言える。なお、本実施の形態では、脈拍センサとして説明を行うが、利用者の血圧値、体温値または呼吸数を計測する生体情報センサであってもよく、利用者の血圧値、体温値または呼吸数のうち、2つ以上の情報を取得する生体情報センサであってもよい。
利用者状態判定部52は、脈拍センサ51から通知された脈拍数に基づいて、利用者が危険状態であるのか否かを判定する。利用者状態判定部52は、利用者の脈拍数が正常範囲内であるか否かにより、利用者が危険状態であるか否かを判定する。この場合、利用者状態判定部52は、脈拍センサ51から通知された脈拍数が、1つ目の判定閾値以上である場合および2つ目の判定閾値未満である場合の少なくとも一方を満たした場合、利用者が危険状態であると判定してもよい。もしくは、利用者状態判定部52は、脈拍センサ51から通知された脈拍数と、通常状態の脈拍数と、の差分が所定の閾値以上である場合に、利用者が通常状態と異なることが推測出来るので、利用者が危険状態であると判定してもよい。
続いて、実施の形態5にかかる救助要請装置50の動作例について説明する。実施の形態5にかかる救助要請装置50の動作例は、基本的に実施の形態1と同様であるので、図4に示すフローチャートを用いて差分点のみを説明する。
本実施の形態では、ステップS13の具体的な内容が異なる。実施の形態1においては、ステップS13において、音声認識部15が救助要請を示す用語を認識した場合、利用者状態判定部16は、利用者が危険状態であると判定した。本実施の形態においては、ステップS13において、利用者状態判定部52は、さらに、脈拍センサ51が計測した脈拍数を用いて利用者が危険であるか否かを判定する。
利用者状態判定部52は、脈拍センサ51から通知された脈拍数が1つ目の判定閾値以上である場合および脈拍センサ51から通知された脈拍数が2つ目の判定閾値未満である場合の少なくとも一方を満たした場合に、利用者が危険状態であると判定してもよい。もしくは、利用者状態判定部52は、脈拍センサ51から通知された脈拍数と、通常状態の脈拍数と、の差分が所定の閾値以上である場合に、利用者が通常状態と異なることが推測出来るので、利用者が危険状態であると判定してもよい。なお、利用者状態判定部52は、脈拍センサ51が計測した脈拍数のみを用いて、利用者が危険状態であるか否かを判定する構成であってもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、救助要請装置50は、脈拍センサ51をさらに備え、利用者状態判定部52は、脈拍センサ51の検出値に基づいて、利用者が危険状態であるか否かを判定する。そのため、本実施の形態にかかる救助要請装置50によれば、利用者が意識を失うなど、身動きがとれない状態であっても救助要請を行うことが可能となる。
(他の実施の形態)
図10は、上述した実施の形態において説明した救助要請装置1、10、20、30、40および50(以下、救助要請装置1等と称する)の構成例を示すブロック図である。図10を参照すると、救助要請装置1等は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、他の無線通信装置と通信するために使用される。ネットワーク・インターフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された救助要請装置1等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
図10の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された救助要請装置1等の処理を行うことができる。
図10を用いて説明したように、救助要請装置1等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部による無線通信が行えない場合、自装置の移動軌跡を取得する軌跡取得部と、
利用者が危険状態であるか否かを判定する利用者状態判定部と、
前記利用者が危険状態であると判定された場合、前記軌跡取得部が取得した移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御する駆動制御部と、を備え、
前記無線通信部は、無線通信が可能となった場合、予め登録された宛先に救助要請信号を送信する、救助要請装置。
(付記2)
前記無線通信部は、前記軌跡取得部が取得した移動軌跡に関する軌跡情報を含む前記救助要請信号を送信する、付記1に記載の救助要請装置。
(付記3)
GPS(Global Positioning System)信号を受信して測位を行うGPS通信部を備え、
前記軌跡取得部は、前記無線通信部による無線通信が行えない場合および前記GPS信号による測位が行えない場合の少なくとも一方を満たした場合、自装置の移動軌跡を取得する、付記1または2に記載の救助要請装置。
(付記4)
前記軌跡取得部は、前記無線通信部による無線通信が行えない場合および前記GPS信号による測位が行えない場合の少なくとも一方を満たした場合の位置から、前記利用者が危険状態であると前記利用者状態判定部が判定した場合の位置まで、定期的に現在位置を取得して移動軌跡を取得する、付記3に記載の救助要請装置。
(付記5)
前記利用者が発した音声を認識する音声認識部を備え、
前記利用者状態判定部は、前記音声認識部が救助要請を示す第1の用語を認識した場合、前記利用者が危険状態であると判定する、付記1〜4のいずれか1項に記載の救助要請装置。
(付記6)
前記利用者が危険状態であると前記利用者状態判定部が判定した場合、前記利用者を含む自装置の周辺を撮像して画像を生成する撮像部を備え、
前記無線通信部は、前記撮像部が生成した画像を含む救助要請信号を送信する、付記1〜5のいずれか1項に記載の救助要請装置。
(付記7)
前記撮像部は、自装置が前記移動軌跡の跡をたどるように駆動している間、前記自装置の周辺を逐次撮像して画像を生成する、付記6に記載の救助要請装置。
(付記8)
自装置の状態情報を取得する第1のセンサを備え、
前記利用者状態判定部は、前記第1のセンサが取得した前記自装置の状態情報が第1の閾値以上である場合、前記利用者が危険状態であると判定する、付記1〜7のいずれか1項に記載の救助要請装置。
(付記9)
前記利用者の生体情報を取得する第2のセンサをさらに備え、
前記利用者状態判定部は、前記第2のセンサが取得した前記利用者の生体情報が、第2の閾値以上である場合および第3の閾値未満である場合の少なくとも一方を満たした場合、前記利用者が危険状態であると判定する、付記1〜8のいずれか1項に記載の救助要請装置。
(付記10)
前記利用者が発した音声を認識する音声認識部を備え、
前記駆動制御部は、自装置を駆動制御している場合であって、前記音声認識部が自装置の駆動制御を停止することを示す第2の用語を認識した場合、自装置の駆動制御を停止する、付記1〜9のいずれか1項に記載の救助要請装置。
(付記11)
無線通信を行う無線通信部による無線通信が行えない場合、自装置の移動軌跡を取得し、
利用者が危険状態であるか否かを判定し、
前記利用者が危険状態であると判定された場合、前記取得された移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御し、
無線通信が可能となった場合、予め登録された宛先に救助要請信号を送信する、救助要請方法。
(付記12)
無線通信を行う無線通信部による無線通信が行えない場合、自装置の移動軌跡を取得し、
利用者が危険状態であるか否かを判定することと、
前記利用者が危険状態であると判定された場合、前記取得された移動軌跡の跡をたどるように自装置を駆動制御することと、
無線通信が可能となった場合、予め登録された宛先に救助要請信号を送信することと、をコンピュータに実行させるプログラム。