JP6645354B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化や高速化についての市場要求が強くなってきている。
画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により未定着トナー画像が記録材シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙などの記録材に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
このような定着装置の一例として、ベルト方式の定着装置(例えば、特許文献1参照)や、セラミックヒータを用いたサーフ定着(フィルム定着)の定着装置(例えば、特許文献2参照)が知られている。
ベルト方式の定着装置では、近年、さらなるウォームアップ時間(電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)までに要する時間)や、ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)の短縮化が望まれている。
また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足する(所謂、温度落ち込み)が問題となっている。
これに対し、サーフ定着方式の定着装置は、ベルト方式の定着装置に比べて低熱容量化,小型化が可能であるが、ニップ部のみを局所加熱しているため、その他の部分では加熱されておらず、ニップの用紙などの入口においてベルトは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。特に、高速機においては(ベルトの回転が速く、ニップ部以外でのベルトの放熱が多くなるため)、より定着不良が発生しやすくなるという問題がある。
上述の問題を解決するために、無端ベルトを用いる構成において、そのベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消して、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3の定着装置の概略図を図2に示す。
図2の定着装置では、無端ベルト61の内部に、パイプ状の金属熱伝導体60が無端ベルト61の移動をガイド可能に固定されている。そして、熱源62により金属熱伝導体60を介して無端ベルト61が加熱される。さらに無端ベルト61を介して金属熱伝導体60に接してニップ部Nを形成する加圧ローラ63を備え、該加圧ローラ63の回転に連れ回るようにして無端ベルト61が周方向に移動する。
この構成により、定着装置を構成する無端ベルト全体を温めることが可能であり、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
しかしながら、更なる省エネ性およびファーストプリントタイム向上のためには、熱効率を更に向上させる必要がある。これに対し、無端ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱する構成ではなく、金属熱伝導体を介さずに直接加熱する構成が提案されている。
例えば、図3に示すように、無端ベルトの内側から金属熱伝導体を取り除き、代わりにニップ形成部材を設ける構成では、ニップ形成部材を配設した箇所以外で、無端ベルトを熱源によって直接加熱できる。そのため、伝熱効率が大幅に向上し消費電力が低減する。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムを更に短縮できる。また、金属熱伝導体レスによるコストダウンが可能となる。
ニップ形成部材を設け、熱源により無端ベルトを直接加熱する構成では、無端ベルトを介してニップ形成部材に当接してニップ部を形成する加圧部材が備えられている。無端ベルトは加圧部材の駆動力を受けて連れまわるため、無端ベルトの内側面とニップ形成部材とが擦れる構成となっている。
上述の構成の定着装置では、ニップ形成部材が無端ベルトの内側面との摺動によって自砺振動を起こし、異音を発生するという問題がある。発生する異音の周波数は、おおむねニップ形成部材の固有振動数と一致することが知られている。
無端ベルトの内側面とニップ形成部材との摩擦状態は、例えば、ストライベック曲線により推察することができる。ストライベック曲線とは、摩擦係数が接触面間に作用する荷重、接触面の相対速度、介在する潤滑剤の粘度によってどのように変化するかを示すものである。このような知見から、自砺振動の発生による異音は、摺動速度が遅い場合や、潤滑剤の特性から高温状態にある場合に発生しやすく、また摺動面の圧力が高いときに発生しやすいことがわかっている。
しかしながら、異音発生を抑制するための適切な対策は講じられていないのが現状である。
そこで本発明は、高温状態、低線速時におけるニップ部材の自砺振動による異音の発生を抑制可能な定着装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、熱源により加熱される無端状の定着部材と、前記定着部材に直接もしくは摺動部材を介して接するニップ形成部材と、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に対向し、前記定着部材を押圧するとともに定着ニップ部を形成する変位可能な加圧部材と、前記定着部材に対する前記加圧部材の食い込み量を調節する調圧手段と、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれか一方の温度を検知する温度検知手段と、初期からの使用履歴を取得する使用履歴取得手段と、を備え、前記調圧手段は、前記定着部材の加熱時以外の所定の回転動作時における食い込み量を、前記使用履歴取得手段が取得した使用履歴に応じて設定することを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、高温状態、低線速時におけるニップ部材の自砺振動による異音の発生を抑制可能な定着装置を提供することができる。
本実施形態にかかる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 従来の定着装置の一例を示す断面模式図である。 本発明の構成を適用可能な定着装置の一例を示す構成図である。 本実施形態にかかる定着装置の要部を示す概略構成図である。 食い込み量の設定を説明するためのグラフの例である。 食い込み量の設定を説明するためのグラフの例である。 食い込み量の設定に用いるテーブルの例である。 食い込み量の設定を説明するためのグラフの例である。
以下、本発明の定着装置および画像形成装置について、図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
〔定着装置〕
本発明の定着装置は、熱源により加熱される無端状の定着部材と、前記定着部材に直接もしくは摺動部材を介して接するニップ形成部材と、前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に対向し、前記定着部材を押圧するとともに定着ニップ部を形成する変位可能な加圧部材と、前記定着部材に対する前記加圧部材の食い込み量を調節する調圧手段と、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれか一方の温度を検知する温度検知手段と、初期からの使用履歴を取得する使用履歴取得手段と、を備え、前記調圧手段は、前記定着部材の加熱時以外の所定の回転動作時における食い込み量を、前記使用履歴取得手段が取得した使用履歴に応じて設定する。
図3は、本発明を適用可能な定着装置を示す構成図である。
図3に示すように、本実施形態の定着装置は、可撓性の無端ベルトである定着部材1、定着部材1に直接もしくは摺動部材を介して接するニップ形成部材6、定着部材1を介してニップ形成部材6に対向し、定着部材1を押圧するとともに定着ニップ部Nを形成する変位可能な加圧ローラである加圧部材3を備えている。
加圧部材3には、芯金5及び弾性層4が備えられている。
定着部材1は定着ニップ部Nを形成しない部分においては、ベルト保護部材11により保護されるように構成してもよい。
ニップ形成部材6は、加圧部材3からの加圧力を受ける支持部材7によって支持されている。また、ニップ形成部材6上には摺動部材(摺動シート等)が設置されていてもよい。
加圧部材3を除く上記の部品は一対の保持部材8に内包されている。保持部材8は定着部材1をガイドするガイド手段としても機能している。
定着部材1および保持部材8の内部には、熱源(ハロゲンヒータ)2を有している。熱源2の発光は反射部材9によって反射され、効率よく加熱が行われる。
熱源2が発光して定着部材1が直接加熱される領域は、遮光部材12によって制御される。遮光部材12の形状は、例えば、通紙される記録紙の幅に合わせた遮光面積が設けられた段付き形状となっており、定着部材1の内側に沿って非接触で回動するように配置され、回動して加熱に不必要な領域を遮蔽する。
定着ニップ部Nにおける摺動部分に潤滑剤を用いた定着装置では、潤滑状態が混合潤滑領域(流体潤滑と固体潤滑が混ざったような不安定な潤滑状態)において、ニップ形成部材6の自砺振動による異音が発生することがある。
具体的には、(1)潤滑剤の粘度が低い(高温状態)、(2)摺動速度が遅い、(3)圧力が高い、という条件下での回転動作時に異音が発生しやすく、例えば、印刷完了後の高温状態を回避するため定着部材1及び加圧部材3を回転させて冷却する回転冷却動作時に発生しやすい。
そこで、本実施形態の定着装置では、上記条件下における回転動作時に、定着部材1に対する加圧部材3の食い込み量を調節して摺動面の圧力を低下させ、異音の発生を抑制する。
図4に基づき、定着部材1に対する加圧部材3の食い込み量を調節する調圧手段について説明する。
図4は、図3に示す定着装置の定着部材1及び加圧部材3と、調圧手段とを示したものである。調圧手段は、加圧部材3の押し込み量を変化させるレバー14、レバー14を変位させる偏心カム13、レバー14を引っ張る加圧ばね15により構成される。
調圧手段は、偏心カム13を回転させるためのギア列、該ギア列を駆動するモータをさらに備える。前記モータは定着装置または該定着装置を備える画像形成装置からの制御信号を受けて所定の回転量で回転する。
偏心カム13の回転に伴ってレバー14が変位し、レバー14の変位により加圧部材3の定着部材1に対する食い込み量が変化する。
調圧手段は、定着部材1の加熱時以外の所定の回転動作時における食い込み量を、使用履歴取得手段が取得した使用履歴に応じて設定する。
所定の回転動作とは、定着部材1及び加圧部材3の少なくともいずれか一方が所定の温度に達したとき、定着部材1及び加圧部材3を回転させて冷却する回転冷却動作である。
印刷終了後、そのまま回転を停止した場合、熱源に近い箇所の定着部材1が熱源2の余熱によって局所的に加熱され、塑性変形をしてしまう場合がある。これを防止するため、印刷終了後であっても、定着部材1が一定温度に到達した場合は(熱源2で局所的に温まっていると判断し)温度上昇を防ぐために非加熱状態で回転動作を行うのが回転冷却動作である。
なお、定着部材1が余熱により局所的に加熱される領域、すなわち熱源2に最も近く最も温度が高くなる領域に温度検知手段(温度制御手段)を配設することが好ましい。
使用履歴取得手段は定着装置または画像形成装置のいずれに設けてもよいが、定着装置に設けた場合は、交換時に破棄または再利用のための処理を行うための手間やコストが生じるため、画像形成装置側に設けることが好ましい。
使用履歴取得手段は、通紙枚数、定着部材1の走行距離、投入されたジョブ数、及び装置トルクの少なくともいずれかの値を使用履歴の値として取得する。これらの情報から、定着装置の劣化状態、異音の発生しやすさ等を推測することができる。
使用履歴取得手段が取得した使用履歴に応じて食い込み量を設定する方法について、図5〜図7に基づき説明する。
図5のグラフは、横軸に通紙枚数、縦軸に定着部材1の走行距離を示したもので、これらの値はいずれも定着装置の上限値(寿命とされる値)に対する初期状態からの累積値の割合を算出して得た値である。
走行距離とは、例えば、直径30mmの回転体が10回転した場合、30×3.14×10=942mmが走行距離となる。
また、本実施形態の定着装置は、定着部材1と加圧部材3とは連れ回るため、定着部材1の走行距離は加圧部材3の走行距離と等しく、すなわち定着装置自体の走行距離として採用することができる。
定着部材1は通紙時以外にも回転するため、通紙枚数と走行距離との関係は必ずしも一定ではない。
ここで、横軸の値Xと縦軸の値Yについて、X<Yである場合は「条件A」、X>Yとなる場合は「条件B」と判定する。
定着装置における定着部材1の走行距離の上限値として設定された値が300km、通紙枚数の上限値として設定された値が30万枚の場合について例を示す。
使用履歴として得られた値が、走行距離150km、通紙枚数10万枚である場合、Yは50%、Xは33%となり、X<Yであるので「条件A」に該当する。
一方、使用履歴として得られた値が、走行距離100km、通紙枚数15万枚である場合、Yは33%、Xは50%となり、X>Yであるので「条件B」に該当する。
「条件A」は、通紙枚数に対して走行距離が多い場合に該当する。これは、通紙枚数あたりの走行距離が長い、つまり実際の通紙動作以外の回転動作が多いことを意味する。すなわち、連続通紙の頻度が低い傾向であると考えられる。連続通紙が少ない場合は、高温状態になる確率が低く、自砺振動及びそれに伴う異音は発生しにくいことが予想される。
一方、「条件B」は実際の通紙動作以外の回転動作は少なく、連続通紙の頻度が高い傾向であると考えられる。連続通紙が多い場合は、高温状態となりやすく、自砺振動及びそれに伴う異音が発生しやすいことが予想される。
このように使用履歴に応じて、上述の例において条件Bに該当する場合に、定着部材1に対する加圧部材3の食い込み量を最適な値に設定し、摺動面の圧力を調節することで、異音を防止することができる。
図6のグラフは、図5と同様、横軸に通紙枚数、縦軸に定着部材1の走行距離を示したものである。これらの値はいずれも定着装置の上限値(寿命とされる値)に対する初期状態からの累積値の割合を算出して得た値である。
ここで、横軸の値Xと縦軸の値Yについて、Y>1.7Xの場合は「条件A」、Yの値が1.7X>Y>0.6Xの場合は「条件B」、Y<0.6Xの場合は「条件C」と判定する。
図5の例と同様、「条件A」は高温状態になる確率が低く、自砺振動及びそれに伴う異音は発生しにくいことが予想されるのに対し、「条件B」は高温状態になりやすく、「条件C」はより高温状態になりやすく、自砺振動及びそれに伴う異音が発生しやすいことが予想される。
このように使用履歴に応じて、条件B及び条件Cに該当する場合に、定着部材1に対する加圧部材3の食い込み量を最適な値に設定し、摺動面の圧力を調節することで、異音を防止することができる。
図6の例のように、基準となる数式を複数設け、分類される条件を3つ以上とすることができる。また、基準となる数式は一次関数に限定されず、任意の数式を適宜設定することができる。
また、通紙枚数の値を横軸とした場合、投入されたジョブ数または装置トルクの値を縦軸としてその関係を求め、連続通紙の頻度と高温状態となる確率を推定し、食い込み量を設定することができる。
図7は、食い込み量を設定するためのテーブルを示したものであり、通紙時における食い込み量が1.1mmの例を示している。
各条件における値は回転冷却動作時に設定される食い込み量であり、「設定値(1)」の値は図6の3つの条件(条件A、条件B、条件C)において設定される値に対応している。
摺動面の圧力が高いと異音が発生しやすくなるため、定着部材1に対する加圧部材3の食い込み量を少なく設定する。具体的には、条件Bの場合は0.8mmとし、条件Cの場合は0.5mmとしている。一方、条件Aの場合は通紙時と同じ1.1mmのままとしている。
なお、食い込み量の値の設定は目的に応じて適宜変更することができる。
例えば、図7の「設定値(2)」は、異音発生防止を優先する場合の設定値を示している。設定値(2)は、条件A〜Cのいずれの場合も0.5mmである。
一方、図7の「設定値(3)」は、ベルトスリップの発生防止を優先する場合の設定値を示している。ベルトスリップとは、潤滑剤の枯渇により摺動抵抗が上昇し、加圧部材3に対して定着部材1が連れまわらなくなる状態である。設定値(3)は、加圧部材3の駆動力を定着部材1に充分に伝えるための値であり、条件A〜Cのいずれの場合も1.1mmである。
ニップ形成部材6の自砺振動及びそれに伴う異音の発生は、初期状態(新品の状態)においては、ほぼ発生しないことがわかっている。一方、経時で潤滑剤が枯渇した場合も、発生しないことがわかっている。
したがって、使用履歴取得手段が取得した使用履歴から、定着装置が上述の状態であることが判明した場合、回転冷却動作時の食い込み量を通紙状態と同じ値とする(変化させない)ことができる。
例えば、使用履歴として、第一の所定の値として初期状態に該当する上限値を設定し、第二の所定の値として経時で潤滑剤が枯渇した状態に該当する下限値をそれぞれ設定し、調圧手段は、使用履歴が第一の所定の値に達するまで、及び第二の所定の値に達した後、所定の回転動作時における食い込み量を一定とすることができる。
また、調圧手段は、使用履歴が第一の所定の値に達するまで、及び第二の所定の値に達した後、所定の回転動作時における食い込み量を最大とすることができる。
図8に基づき、使用履歴が第一の所定の値に達するまで、及び第二の所定の値に達した後、所定の回転動作時における食い込み量を一定とする条件について説明する。
図8のグラフは、図5及び図6と同様、横軸に通紙枚数、縦軸に定着部材1の走行距離を示したものである。これらの値はいずれも定着装置の上限値(寿命とされる値)に対する初期状態からの累積値の割合を算出して得た値である。各条件における食い込み量の値は図7のテーブルに従って設定することができる。
本実施形態の定着装置において、初期状態(例えば、使用履歴として通紙枚数が約6,000枚に達するまで)は異音が発生しないことが把握されている場合、図8のグラフの横軸X=2%までは走行距離にかかわらず、条件Aとすることができる。
通紙枚数が6,000枚を超えた場合は、走行距離との関係に応じて条件を設定する。
一方、経時で潤滑剤の枯渇により摺動抵抗の上昇、装置トルクの上昇がみられる状態(例えば、使用履歴として通紙枚数が約60,000枚を超えた後)も、異音が発生しないことが把握されている場合、加圧部材3からの駆動力が小さいと定着部材1を従動回転させることが困難になり、スリップが生じる可能性があるため、食い込み量を大きい状態とすることが好ましい。そこで、図8のグラフの横軸X=20%以降は走行距離にかかわらず、条件Aとすることができる。
なお、図8の例では、第一の所定の値及び第二の所定の値を、通紙枚数を基準として設定しているが、走行距離を基準としてもよい。
所定の回転動作、すなわち回転冷却動作は、一定時間継続して行われることが好ましい。継続する時間の長さは、適宜変更可能であることが好ましい。
本実施形態の定着装置では、回転冷却動作の継続時間を10秒としている。しかしながら、連続通紙の頻度が高く、十分な冷却が実現できずに10秒単位の回転を複数回繰り返す状況をまねく場合がある。異音は回転冷却動作の開始時に発生しやすいため、異音が発生しない最適な食い込み量に変更した後、回転冷却動作を開始し、十分な冷却がなされるまでの一定時間継続して行われることが好ましい。
また、動作の安定性の観点から、所定の回転動作を開始する前に食い込み量の調節を完了させ、所定の回転動作の終了まで設定された食い込み量を維持することが好ましい。
例として、印刷終了後に定着部材1が200℃に達し、この定着部材1の温度を低下させるための回転冷却動作を10秒間行う場合について説明する。回転冷却動作の開始前に設定され、調節された食い込み量が、図7に示すテーブルの条件Bに基づく量であったとする。回転冷却動作を開始後、走行距離の増加により該当する条件が条件Aに変化し、それに基づいて設定される食い込み量が変化する場合であっても、当初の条件Bに基づく食い込み量を維持するということを意味する。これにより、不安定な動作を回避することができる。
一方、動作の安定性よりも迅速な温度低下を優先させる観点では、回転冷却動作を直ちに開始し、食い込み量の調節を回転動作と並行して行うことが好ましい。すなわち、設定された食い込み量が、定着部材1の加熱時における食い込み量よりも少なくなる場合、調圧手段は、所定の回転動作の開始とともに食い込み量の調節を行うことが好ましい。
記録紙Pの搬送時、記録紙P上のトナーを定着させるための定着部材1の加熱時は、圧力が必要であるため、記録紙Pの搬送時の圧力が最も高く、定着部材1に対する加圧部材3の食い込み量が最も大きい。よって、所定の回転動作時(回転冷却動作時)は、食い込み量を維持するか、または減らすかのいずれかになる。
印刷終了後、定着部材1または加圧部材3が所定の温度に到達した場合は、すぐに冷却を開始する必要がある。しかしながら、食い込み量の調節を完了させてから所定の回転動作を開始する場合、回転開始までに温度がさらに上昇してしまう可能性がある。そこで、定着部材1または加圧部材3の温度が上昇しすぎるのを防止するために、食い込み量の調節完了を待たずに回転冷却動作を開始し、食い込み量の調節を並行して行うことが好ましい。図4の構成では、回転冷却動作を開始しながら、偏心カム13の回転も実行する。
なお、上述の例における食い込み量の設定値、及び設定のために参照する使用履歴の値は、すべて任意に変更可能な値である。
本実施形態の定着装置において、ユーザー毎に異なる様々な使用状況に応じて、異音の発生を防止するための最適な食い込み量が設定可能であることが好ましい。
〔画像形成装置〕
本実施形態の画像形成装置を図1に示す。本実施形態の画像形成装置100は、上述の本発明の定着装置10を備えている。
図1に示す画像形成装置100は、複数の色画像を形成する作像部がベルトの展張方向に沿って並置されたタンデム方式を用いるカラープリンタであるが、本実施形態はこの方式に限定されない。また、画像形成装置としては、複写機やファクシミリ装置を対象とすることができる。
画像形成装置100は、各色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーション(44Y、44M、44C、44Bk)を備え、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム45を並設したタンデム構造が採用されている。
各感光体ドラム45に形成された可視像は、中間転写体(以下、「転写ベルト」という)30に重畳転写され(一次転写工程)、次いで、被記録媒体である記録紙Pに一括転写される(二次転写工程)。転写ベルト30は、感光体ドラム45に対峙しながら矢印方向に移動する無端ベルトである。
感光体ドラム45の周囲には、感光体ドラム45の回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。ブラック画像形成を行う画像ステーション44Bkを対象として説明すると、感光体ドラム45の回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置46、現像装置47、1次転写ローラ31およびクリーニング装置48が配置されている。
帯電後に行われる書き込みは、光書込装置49が用いられる。
転写ベルト30に対する転写は、転写ベルト30が矢印方向に移動する過程において、各感光体ドラム45に形成された可視像が、転写ベルト30の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト30を挟んで各感光体ドラム45に対向して配設された1次転写ローラ31による電圧印加によって、方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
光書込装置49は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラーおよび偏向手段としての回転多面鏡などを装備しており、各感光体ドラム45に対して色毎に対応した書き込み光を出射して感光体ドラム45に静電潜像を形成する。
画像形成装置100には、感光体ドラム45と転写ベルト30との間に向けて搬送される記録紙Pを積載した給紙カセットとしてのシート給送装置50を備えている。
シート給送装置50は、最上位の記録紙Pの上面に当接する給送ローラ51を有している。給送ローラ51が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の記録紙Pがレジストローラ対52に向けて給送される。
記録紙Pの先端がレジストローラ対52に到達したことを検知する図示しないセンサが設けられている。
レジストローラ対52は、シート給送装置50から搬送されてきた記録紙Pを、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラム45と転写ベルト30との間の転写部に向けて繰り出す。
画像形成装置100には、トナー像が転写された記録紙Pにトナー像を定着させるための本発明の定着装置10と、定着済みの記録紙Pを画像形成装置100の本体外部に排出する排紙ローラ53と、排紙ローラ53により画像形成装置100の本体外部に排出された記録紙Pを積載する排紙トレイ54と、排紙トレイ54の下側に位置し、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーが充填されたトナーボトル42(42Y、42C、42M、42Bk)とが備えられている。
転写ベルトユニット43は、転写ベルト30、1次転写ローラ31の他に、転写ベルト30が掛け回されている駆動ローラ32および従動ローラ33を有している。
従動ローラ33は、転写ベルト30に対する張力付勢手段としての機能も備えているため、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。
転写ベルトユニット43は、さらに、2次転写ローラ36とクリーニング装置35を備えている。
クリーニング装置35は、転写ベルト30に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有する。転写ベルト30上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、転写ベルト30をクリーニングするようになっている。クリーニング装置35はまた、転写ベルト30から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。
1 定着部材(無端ベルト)
2 熱源
3 加圧部材(加圧ローラ)
4 弾性層
5 芯金
6 ニップ形成部材
7 支持部材
8 保持部材
9 反射部材
10 定着装置
11 ベルト保護部材
12 遮光部材
13 偏心カム
14 レバー
15 加圧ばね
100 画像形成装置
N ニップ部
特開2004―286922号公報 特許第2861280号公報 特開2007―334205号公報

Claims (8)

  1. 熱源により加熱される無端状の定着部材と、
    前記定着部材に直接もしくは摺動部材を介して接するニップ形成部材と、
    前記定着部材を介して前記ニップ形成部材に対向し、前記定着部材を押圧するとともに定着ニップ部を形成する変位可能な加圧部材と、
    前記定着部材に対する前記加圧部材の食い込み量を調節する調圧手段と、
    前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれか一方の温度を検知する温度検知手段と、
    初期からの使用履歴を取得する使用履歴取得手段と、を備え、
    前記調圧手段は、前記定着部材の加熱時以外の所定の回転動作時における食い込み量を、前記使用履歴取得手段が取得した使用履歴に応じて設定することを特徴とする定着装置。
  2. 前記所定の回転動作は、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれか一方が所定の温度に達したとき、前記定着部材及び前記加圧部材を回転させて冷却する回転冷却動作であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記使用履歴取得手段は、記録紙の通紙枚数、前記定着部材の走行距離、投入されたジョブ数、及び装置トルクの少なくともいずれかの値を使用履歴の値として取得することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記調圧手段は、前記使用履歴が第一の所定の値に達するまで、及び第二の所定の値に達した後、前記所定の回転動作時における食い込み量を一定とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記調圧手段は、前記使用履歴が第一の所定の値に達するまで、及び第二の所定の値に達した後、前記所定の回転動作時における食い込み量を最大とすることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記調圧手段は、前記所定の回転動作の開始時の食い込み量を、前記所定の回転動作の終了まで維持することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記調圧手段は、設定された前記食い込み量が前記定着部材の加熱時における前記食い込み量よりも少なくなる場合、前記所定の回転動作の開始とともに食い込み量の調節を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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