JP6645271B2 - 接合体の製造方法、パワーモジュール用基板の製造方法およびヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

接合体の製造方法、パワーモジュール用基板の製造方法およびヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、接合体の製造方法、パワーモジュール用基板の製造方法およびヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法に関する。
風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等を制御するために用いられる大電力制御用のパワー半導体素子においては、発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Al(アルミナ)、Si(窒化ケイ素)などのセラミックスからなる絶縁基板と、この絶縁基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して形成した回路層と、を備えたパワーモジュール用基板が、従来から広く用いられている。また、パワージュール用基板としては、セラミックス基板の他方の面に金属層を形成したものも提供されている。さらに、回路層に搭載した半導体素子等から発生した熱を効率的に放散させるために、パワーモジュール用基板の金属層側にヒートシンクを接合したヒートシンク付パワーモジュール用基板が提供されている。
パワーモジュール用基板の回路層および金属層の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属部材が利用されている。また、パワーモジュール用基板の回路層および金属層として、これらの金属部材からなる金属部材層を複数層接合した接合体を用いることが検討されている。
例えば、特許文献1には、パワーモジュール用基板の回路層および金属層として、アルミニウムからなるアルミニウム部材層と、銅、ニッケル、又は銀からなる金属部材層との間に、チタン部材層とAlTiにSiが固溶したAl−Ti−Si層とを形成した接合体を用いることが開示されている。
特開2014−179463号公報
ところで、最近では、パワー半導体素子等の高出力化が進められており、これ伴いパワーモジュールの発熱量が増加する傾向がある。このため、パワーモジュール用基板に対しては、さらに厳しいヒートサイクルが負荷されることになり、従来にも増して、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルに対する接合信頼性に優れたパワーモジュール用基板が要求されている。ところが、特許文献1に開示されているように、アルミニウム部材層と金属部材層との間に、チタン部材層とAl−Ti−Si層とを形成したパワーモジュール用基板は、広い温度範囲(例えば、−40〜150℃)のヒートサイクルに対しては接合信頼性が必ずしも十分であるとは言えない場合があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、接合信頼性が良好な接合体を得ることができる接合体の製造方法、この接合体を備えたパワーモジュール用基板の製造方法、及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の接合体の製造方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材と、金属チタンからなるチタン部材とが接合されてなる接合体の製造方法であって、前記アルミニウム部材と前記チタン部材とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材と前記チタン部材との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することを特徴としている。
この構成の接合体の製造方法によれば、アルミニウム部材のSi濃度が0.05at%以下とされているため、アルミニウム部材とチタン部材との接合部には、Siが固溶したAl−Ti−Si層は生成しないか、生成したとしてもその量は極わずかとなる。また、アルミニウム部材とチタン部材とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することによって、Al原子とTi原子とが緩やかな速度で相互拡散することから、アルミニウム部材とチタン部材との接合部には、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織の層が形成される。このように、アルミニウム部材とチタン部材との接合部に、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織(AlTi)の層が形成されることによって、アルミニウム部材とチタン部材とが強固に接合されるので、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、接合信頼性が良好な接合体を製造することが可能となる。
ここで、本発明の接合体の製造方法においては、前記固相拡散接合により、前記アルミニウム部材と前記チタン部材との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAlTi層を形成する。
この場合、AlTi層の厚さが2μm以上とされているので、アルミニウム部材とチタン部材との間で局所的な接合不良が発生しにくくなり、アルミニウム部材とチタン部材との接合信頼性をより高くすることが可能となる。一方、AlTi層の厚さが50μm以下とされているので、比較的硬いAlTi層が薄くなり、AlTi層を起点としたクラックが生じにくくなり、接合信頼性をより高くすることが可能となる。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記回路層は、前記絶縁層の一方の面に接合されているアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材層と、前記アルミニウム部材層の前記絶縁層と接合されている面と反対側の面に接合されている金属チタンからなるチタン部材層とを有する接合体を含み、前記接合体を、前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することによって形成することを特徴としている。
この構成のパワーモジュール用基板の製造方法によれば、パワーモジュール用基板の回路層を構成するアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部には、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織の層が形成される。このように、アルミニウム部材層とチタン部材層との接合部に、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織(AlTi)の層が形成されることによって、アルミニウム部材層とチタン部材層とが強固に接合されるので、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、回路層の接合信頼性が良好なパワーモジュール用基板を製造することが可能となる。
本発明の別のパワーモジュール用基板の製造方法は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記金属層は、前記絶縁層の他方の面に接合されているアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材層と、前記アルミニウム部材層の前記絶縁層と接合されている面と反対側の面に接合されている金属チタンからなるチタン部材層とを有する接合体を含み、前記接合体を、前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することによって形成することを特徴としている。
この構成のパワーモジュール用基板の製造方法によれば、パワーモジュール用基板の金属層を構成するアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部には、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織の層が形成される。このように、アルミニウム部材層とチタン部材層との接合部に、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織(AlTi)の層が形成されることによって、アルミニウム部材層とチタン部材層とが強固に接合されるので、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、金属層の接合信頼性が良好なパワーモジュール用基板を製造することが可能となる。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、この金属層に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、前記ヒートシンクは、前記金属層に接合されている金属チタンからなるチタン部材層と、前記チタン部材層の前記金属層と接合されている面と反対側の面に接合されているアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材層とを有する接合体を含み、前記接合体を、前記チタン部材層と前記アルミニウム部材層とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することによって形成することを特徴としている。
この構成のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によれば、ヒートシンクのアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部には、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織の層が形成される。このように、アルミニウム部材層とチタン部材層との接合部に、アルミニウムとチタンとが均一に相互拡散した組織(AlTi)の層が形成されることによって、アルミニウム部材層とチタン部材層とが強固に接合されるので、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、パワーモジュール用基板とヒートシンクの接合信頼性が良好なヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することが可能となる。
本発明によれば、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、接合信頼性が良好な接合体を得ることができる接合体の製造方法、この接合体を備えたパワーモジュール用基板の製造方法、及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係るパワーモジュール用基板の概略説明図である。 図1における回路層のアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の拡大説明図である。 第一実施形態に係るパワーモジュール用基板の製造方法の概略説明図である。 本発明の第二実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の概略説明図である。 図4における金属層のアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の拡大説明図である。 第二実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法の概略説明図である。 本発明の第三実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の概略説明図である。 図7におけるヒートシンクのアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の拡大説明図である。 第三実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法の概略説明図である。
(第一実施形態)
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るパワーモジュール用基板の概略説明図である。図2は、図1における回路層のアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の拡大説明図である。図3は、第一実施形態に係るパワーモジュール用基板の製造方法の概略説明図である。
パワーモジュール用基板11は、絶縁層20と、この絶縁層20の一方の面(図1において上面)に形成された回路層30と、絶縁層20の他方の面(図1において下面)に形成された金属層40と、を備えている。
絶縁層20は、図3に示すように、例えば、絶縁性および放熱性に優れたSi(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)、Al(アルミナ)等のセラミックスからなる絶縁部材20aで構成されている。本実施形態では、放熱性の優れたAlN(窒化アルミニウム)で構成されている。絶縁部材20aの厚さは、例えば、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内にある。本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層30は、図1に示すように、絶縁層20の一方の面に配設されたアルミニウム部材層31と、このアルミニウム部材層31の一方の面に積層されたチタン部材層32と、このチタン部材層32の一方の面に積層された銅部材層33とを有している。すなわち、本実施形態においては、回路層30は、アルミニウム部材層31とチタン部材層32と銅部材層33とが接合されてなる接合体とされている。
アルミニウム部材層31は、図3に示すように、絶縁部材20aの一方の面に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材31aが接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム部材31aは、Si濃度が0.05at%以下とされている。アルミニウム部材31aは、純度が99%以上のアルミニウム(2Nアルミニウム)の圧延板であることが好ましく、純度が99.99%以上のアルミニウム(4Nアルミニウム)の圧延板であることがより好ましい。なお、アルミニウム部材31aの厚さは0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.4mmに設定されている。
チタン部材層32は、図3に示すように、アルミニウム部材31aの一方の面に、金属チタンからなるチタン部材32aが固相拡散接合されることにより形成されている。チタン部材32aとしては、例えば、純度99質量%以上の金属チタン箔を用いることができる。チタン部材32aの厚さは0.003mm以上0.1mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.01mmに設定されている。
アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合部には、図2に示すように、AlTi層34が形成されている。AlTi層34は、アルミニウム部材層31のAl原子とチタン部材層32のTi原子とが相互拡散することによって形成された層である。AlTi層34の厚さは、2μm以上50μm以下の範囲に設定されている。AlTi層34の厚さが2μm未満の場合、Al原子とTi原子の相互拡散が不十分となり、局所的に接合しない部分が生じる可能性があり、接合信頼性が低下するおそれがある。AlTi層34の厚さが50μmを超えた場合、比較的硬いAlTi層34を起点にクラックが生じ、接合信頼性が低下するおそれがある。
銅部材層33は、図3に示すように、チタン部材32aの一方の面に、銅又は銅合金からなる銅部材33aが固相拡散接合されることにより形成されている。本実施形態においては、銅部材33aは、無酸素銅の圧延板であることが好ましい。銅部材33aの厚さは0.1mm以上6.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では2.0mmに設定されている。
金属層40は、図3に示すように、絶縁部材20aの他方の面に、金属部材40aが接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板が接合されることにより形成されている。アルミニウム板は、2Nアルミニウムの圧延板であることが好ましく、4Nアルミニウムの圧延板であることがより好ましい。なお、金属部材40a(アルミニウム板)の厚さは0.1mm以上3.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、2.1mmに設定されている。
次に、本実施形態であるパワーモジュール用基板11の製造方法について、図3を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、絶縁層20を構成する絶縁部材20a(AlN)、アルミニウム部材層31を構成するアルミニウム部材31a、チタン部材層32を構成するチタン部材32a、銅部材33a、そして金属層40を構成する金属部材40a(アルミニウム板)を用意する。本実施形態では、上記の材料を用いて、図3(b)に示す銅部材層/チタン部材層接合体101と、図3(c)に示すアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102とをそれぞれ作製し、次いで、銅部材層/チタン部材層接合体101とアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102とを接合する。
(銅部材層/チタン部材層接合体101の作製)
チタン部材32aの一方の面に銅部材33aを積層する。得られた積層体を、積層方向に加圧した状態で真空加熱炉内に配置し加熱して、チタン部材32aと銅部材33aとを固相拡散接合する。こうして、チタン部材層32と銅部材層33とを有する銅部材層/チタン部材層接合体101を作製する。なお、チタン部材32aとして、銅部材33aの一方の面に金属チタンを蒸着等によって形成することも可能である。
ここで、積層体に負荷する圧力は、1kgf/cm以上35kgf/cm以下の範囲内に設定されていることが好ましい。真空加熱炉内の圧力は10−6Pa以上10−3Pa以下の範囲内に、加熱温度は600℃以上643℃以下、保持時間は30分以上180分以下の範囲内に設定されることが好ましい。また、より好ましい加熱温度は、630℃以上643℃以下の範囲内とされている。本実施形態においては、積層方向に12kgf/cmの圧力を負荷し、加熱温度640℃、保持時間120分の条件で実施した。
(アルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102の作製)
絶縁部材20aの一方の面にアルミニウム部材31aを積層し、絶縁部材20aの他方の面に金属部材40aを積層する。ここで、本実施形態においては、絶縁部材20aとアルミニウム部材31aとの間、及び絶縁部材20aと金属部材40aとの間にはそれぞれ、Al−Si系のろう材箔(不図示)を介して積層した。得られた積層体を、積層方向に加圧した状態で真空加熱炉内に配置し加熱して、絶縁部材20aの一方面にアルミニウム部材31aを、他方の面に金属部材40aを接合する。こうして、アルミニウム部材層31と絶縁層20と金属層40とを有するアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102を作製する。
ここで、積層体に負荷する圧力は、1kgf/cm以上35kgf/cm以下の範囲内に設定されていることが好ましい。真空加熱炉内の圧力は10−6Pa以上10−3Pa以下の範囲内に、加熱温度は600℃以上660℃未満、保持時間は30分以上180分以下の範囲内に設定されることが好ましい。また、より好ましい加熱温度は、630℃以上660℃以下の範囲内とされている。本実施形態においては、積層方向に12kgf/cmの圧力を負荷し、加熱温度650℃、保持時間120分の条件で実施した。
(銅部材層/チタン部材層接合体101とアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102との接合)
銅部材層/チタン部材層接合体101のチタン部材層32の面と、アルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102のアルミニウム部材層31の面とを重ね合せる。得られた積層体を積層方向に加圧した状態で、加熱炉に配置し、窒素含有気体の雰囲気下で加熱して、銅部材層/チタン部材層接合体101とアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102とを接合する。こうして、本実施形態であるパワーモジュール用基板11が製造される。
加熱炉としては、炉内を窒素含有気体雰囲気に調整できるものであれば特に制限なく使用することができる。窒素含有気体としては、窒素、又は窒素と不活性ガスとの混合気体を用いることができる。不活性ガスはアルミニウムやチタンに対して化学的に不活性なガスである。不活性ガスの例としては、アルゴンおよびヘリウムが挙げられる。積層体の加圧の圧力、真空加熱炉内の圧力、加熱温度および保持時間は、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合部に形成されるAlTi層34の厚さが2μm以上50μm以下の範囲となるように設定する。積層体に負荷する圧力は、1kgf/cm以上35kgf/cm以下の範囲内に設定されていることが好ましい。加熱温度は500℃以上600℃以下、保持時間は15分以上120分以下の範囲内に設定されることが好ましい。本実施形態においては、積層方向に12kgf/cmの圧力を負荷し、加熱温度600℃、保持時間15分の条件で実施した。
以上のような構成とされた本実施形態に係るパワーモジュール用基板11の製造方法によれば、回路層30がアルミニウム部材層31とチタン部材層32と銅部材層33の接合体で構成されたパワーモジュール用基板11を製造することができる。本実施形態においては、アルミニウム部材層31のSi濃度が0.05at%以下とされているため、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合部には、Siが固溶したAl−Ti−Si層は生成しないか、生成したとしてもその量は極わずかとなる。また、アルミニウム部材層31とチタン部材層32とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することによって、Al原子とTi原子とが緩やかな速度で相互拡散することから、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合部には、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織の層が形成される。このように、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合部に、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織(AlTi)の層が形成されることによって、アルミニウム部材層31とチタン部材層32とが強固に接合されるので、得られたパワーモジュール用基板11は、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、接合信頼性が良好となる。
また、本実施形態においては、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合部に形成されるAlTi層34の厚さを2μm以上とするので、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との間で局所的な接合不良が発生しにくくなり、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合信頼性をより高くすることが可能となる。一方、AlTi層34の厚さを50μm以下とするので、比較的硬いAlTi層34が薄くなり、AlTi層34を起点としたクラックが生じにくくなり、接合信頼性をより高くすることが可能となる。なお、アルミニウム部材層31とチタン部材層32との接合信頼性を確実に高くするためには、AlTi層34の厚さは、4μm以上15μm以下の範囲とすることが好ましい。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板について説明する。
図4は、本発明の第二実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の概略説明図である。図5は、図4における金属層のアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の拡大説明図である。図6は、第二実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法の概略説明図である。なお、第一実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板120は、パワーモジュール用基板12と、パワーモジュール用基板12の下側に接合されたヒートシンク50と、を備えている。
パワーモジュール用基板12は、図4に示すように、絶縁層20と、この絶縁層20の一方の面(図4において上面)に形成された回路層30と、絶縁層20の他方の面(図4において下面)に形成された金属層40と、を備えている。
回路層30は、図6に示すように、絶縁部材20aの一方の面に、導電性を有する回路部材30aが接合されることにより形成されている。本実施形態において、回路層30は、4Nアルミニウムの圧延板を接合することで形成されている。なお、回路部材30a(アルミニウム圧延板)の厚さは0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.4mmに設定されている。
金属層40は、図4に示すように、絶縁層20の他方の面に配設されたアルミニウム部材層41と、このアルミニウム部材層41の他方の面に積層されたチタン部材層42と、を有している。
アルミニウム部材層41は、図6に示すように、絶縁部材20aの他方の面にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材41aが接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム部材41aは、Si濃度が0.05at%以下とされている。アルミニウム部材41aは、純度が99%以上のアルミニウム(2Nアルミニウム)の圧延板であることが好ましく、純度が99.99%以上のアルミニウム(4Nアルミニウム)の圧延板であることがより好ましい。なお、アルミニウム部材41aの厚さは0.1mm以上3.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、2.1mmに設定されている。
チタン部材層42は、図6に示すように、アルミニウム部材41aの他方の面に、金属チタンからなるチタン部材42aが固相拡散接合されることにより形成されている。チタン部材42aとしては、例えば、純度99質量%以上の金属チタン箔を用いることができる。チタン部材42aの厚さは0.003mm以上0.1mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.01mmに設定されている。
アルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合部には、図5に示すように、AlTi層43が形成されている。AlTi層43は、アルミニウム部材層41のAl原子とチタン部材層42のTi原子とが相互拡散することによって形成された層である。AlTi層43の厚さは、2μm以上50μm以下の範囲に設定されている。AlTi層43の厚さが2μm未満の場合、Al原子とTi原子の相互拡散が不十分となり、局所的に接合しない部分が生じる可能性があり、接合信頼性が低下するおそれがある。AlTi層43の厚さが50μmを超えた場合、比較的硬いAlTi層43を起点にクラックが生じ、接合信頼性が低下するおそれがある。
ヒートシンク50は、パワーモジュール用基板12側の熱を放散するためのものである。本実施形態では、ヒートシンク50は無酸素銅で構成されている。
次に、本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板120の製造方法について、図6を参照して説明する。
先ず、図6(a)に示すように、絶縁層20を構成する絶縁部材20a(AIN)、回路層30を構成する回路部材30a(アルミニウム圧延板)、アルミニウム部材層41を構成するアルミニウム部材41a、チタン部材層42を構成するチタン部材32a、そしてヒートシンク50(無酸素銅)を用意する。本実施形態では、上記の材料を用いて、図6(b)に示す回路層/絶縁層/アルミニウム部材層接合体201と、図6(c)に示すチタン部材層/ヒートシンク接合体202とをそれぞれ作製し、次いで、回路層/絶縁層/アルミニウム部材層接合体201とチタン部材層/ヒートシンク接合体202とを接合する。
(回路層/絶縁層/アルミニウム部材層接合体201の作製)
絶縁部材20aの一方の面に回路部材30aを積層し、絶縁部材20aの他方の面にアルミニウム部材41aを積層する。ここで、本実施形態においては、絶縁部材20aと回路部材30aとの間、及び絶縁部材20aとアルミニウム部材41aとの間にはそれぞれ、Al−Si系のろう材箔(不図示)を介して積層した。得られた積層体を、積層方向に加圧した状態で真空加熱炉内に配置し加熱して、絶縁部材20aの一方面に回路部材30aを、他方の面にアルミニウム部材41aを接合する。こうして、回路層30と絶縁層20とアルミニウム部材層31とを有するアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102を作製する。
ここで、積層体に負荷する圧力、真空加熱炉内の圧力、加熱温度、保持時間などの条件は、第一実施形態のアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102の作製と同じとすることができる。
(チタン部材層/ヒートシンク接合体202の作製)
箔状の金属チタンからなるチタン部材42aの一方の面にヒートシンク50を積層する。得られた積層体を、積層方向に加圧した状態で真空加熱炉内に配置し加熱して、チタン部材32aとヒートシンク50と固相拡散接合する。こうして、チタン部材層32とヒートシンク50とを有するチタン部材層/ヒートシンク接合体202を作製する。なお、チタン部材42aとして、ヒートシンク50の一方の面に金属チタンを蒸着等によって形成することも可能である。
ここで、積層体の加圧の圧力、真空加熱炉内の圧力、加熱温度、保持時間などの条件は、第一実施形態の銅部材層/チタン部材層接合体101の作製の場合と同じである。
(回路層/絶縁層/アルミニウム部材層接合体201とチタン部材層/ヒートシンク接合体202との接合)
回路層/絶縁層/アルミニウム部材層接合体201のアルミニウム部材層41の面と、チタン部材層/ヒートシンク接合体202のチタン部材層42の面とを重ね合せる。得られた積層体を積層方向に加圧した状態で、加熱炉に配置し、窒素含有気体の雰囲気下で加熱して、回路層/絶縁層/アルミニウム部材層接合体201とチタン部材層/ヒートシンク接合体202とを接合する。こうして、本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板120が製造される。
ここで、使用する加熱炉、窒素含有気体の種類、積層体に負荷する圧力、加熱温度、保持時間などの条件は、第一実施形態の銅部材層/チタン部材層接合体101とアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102との接合の場合と同じである。
以上のような構成とされた本実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板120の製造方法によれば、金属層40がアルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合体で構成されたヒートシンク付パワーモジュール用基板120を製造することができる。本実施形態においては、アルミニウム部材層41のSi濃度が0.05at%以下とされているため、アルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合部には、Siが固溶したAl−Ti−Si層は生成しないか、生成したとしてもその量は極わずかとなる。また、アルミニウム部材層41とチタン部材層42とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することによって、アルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合部には、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織の層が形成される。このように、アルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合部に、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織(AlTi)の層が形成されることによって、アルミニウム部材層41とチタン部材層42とが強固に接合されるので、得られたヒートシンク付パワーモジュール用基板120は、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、接合信頼性が良好となる。
また、本実施形態においては、アルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合部に形成されるAlTi層43の厚さを2μm以上とするので、アルミニウム部材層41とチタン部材層42との間で局所的な接合不良が発生しにくくなり、アルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合信頼性をより高くすることが可能となる。一方、AlTi層43の厚さを50μm以下とすることによって、比較的硬いAlTi層43が薄くなり、AlTi層43を起点としたクラックが生じにくくなり、接合信頼性をより高くすることが可能となる。なお、アルミニウム部材層41とチタン部材層42との接合信頼性を確実に高くするためには、AlTi層43の厚さは、4μm以上15μm以下の範囲とすることが好ましい。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板について説明する。
図7は、本発明の第三実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の概略説明図である。図8は、図7におけるヒートシンクのアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の拡大説明図である。図9は、第三実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法の概略説明図である。なお、第一実施形態および第二実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板130は、パワーモジュール用基板13と、パワーモジュール用基板13の下側に接合されたヒートシンク50と、を備えている。
パワーモジュール用基板13は、図7に示すように、絶縁層20と、この絶縁層20の一方の面(図7において上面)に形成された回路層30と、絶縁層20の他方の面(図7において下面)に形成された金属層40と、を備えている。
回路層30は、図9に示すように、絶縁部材20aの一方の面に、導電性を有する回路部材30aが接合されることにより形成されている。本実施形態において、回路層30は、無酸素銅の圧延板が接合されることにより形成されている。なお、回路部材30a(無酸素銅板)の厚さは0.1mm以上6.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.3mmに設定されている。
金属層40は、図9に示すように、絶縁部材20aの一方の面に、金属部材40aが接合されることにより形成されている。本実施形態において、金属層40は、無酸素銅の圧延板が接合されることにより形成されている。なお、金属部材40a(無酸素銅板)の厚さは0.1mm以上6.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.3mmに設定されている。
ヒートシンク50は、パワーモジュール用基板13側の熱を放散するためのものである。本実施形態では、ヒートシンク50は、パワーモジュール用基板13の金属層40に接合されたチタン部材層51と、このチタン部材層51の金属層40と接合された面と反対側の面に接合されたアルミニウム部材層52と、を有している。
チタン部材層51は、図9に示すように、パワーモジュール用基板13の金属層40に、金属チタンからなるチタン部材51aが接合されることにより形成されている。チタン部材51aとしては、例えば、純度99質量%以上の金属チタン箔を用いることができる。チタン部材51aの厚さは0.003mm以上0.1mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.01mmに設定されている。
アルミニウム部材層52は、図9に示すように、チタン部材51aの金属層40と接合された面と反対側の面に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材52aが固相拡散接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム部材52aは、Si濃度が0.05at%以下とされている。アルミニウム部材52aは、2Nアルミニウムの圧延板であることが好ましく、4Nアルミニウムの圧延板であることがより好ましい。なお、アルミニウム部材52aの厚さは0.1mm以上3.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、2.1mmに設定されている。
チタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合部には、図8に示すように、AlTi層53が形成されている。AlTi層53は、チタン部材層51のTi原子とアルミニウム部材層52のAl原子とが相互拡散することによって形成された層である。AlTi層53の厚さは、2μm以上50μm以下の範囲に設定されている。AlTi層53の厚さが2μm未満の場合、Al原子とTi原子の相互拡散が不十分となり、局所的に接合しない部分が生じる可能性があり、接合信頼性が低下するおそれがある。AlTi層53の厚さが50μmを超えた場合、比較的硬いAlTi層53を起点にクラックが生じ、接合信頼性が低下するおそれがある。
次に、本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板130の製造方法について、図9を参照して説明する。
先ず、図9(a)に示すように、絶縁層20を構成する絶縁部材20a、回路層30を構成する回路部材30a(無酸素銅板)、金属層40を構成する金属部材40a(無酸素銅板)、チタン部材層51を構成するチタン部材32a、そしてアルミニウム部材層52を構成するアルミニウム部材52aを用意する。本実施形態では、上記の材料を用いて、図9(b)に示す回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体301を作製し、この回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体301とアルミニウム部材52aとを接合する。
(回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体301の作製)
絶縁部材20aの一方の面に回路部材30aを積層し、絶縁部材20aの他方の面に金属部材40aを積層し、さらにその上にチタン部材51aを積層する。ここで、本実施形態においては、絶縁部材20aと回路部材30aとの間、及び絶縁部材20aと金属部材40aとの間にはそれぞれ、Al−Si系のろう材箔(不図示)を介して積層した。得られた積層体を、積層方向に加圧した状態で真空加熱炉内に配置し加熱して、絶縁部材20aの一方面に回路部材30aを、他方の面に金属部材40aを接合する。こうして、図9(b)に示すように、回路層30と絶縁層20と金属層40とチタン部材層51を有する回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体301を作製する。なお、チタン部材51aとして、金属部材40aの絶縁部材20aとは反対側の面に金属チタンを蒸着等によって形成することも可能である。
ここで、積層体の加圧の圧力、真空加熱炉内の圧力、加熱温度、保持時間などの条件は、第一実施形態のアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102の作製工程と同じとすることができる。
(回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体301とアルミニウム部材52aとの接合)
回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体301のチタン部材層51に、アルミニウム部材52aを積層する。得られた積層体を積層方向に加圧した状態で、加熱炉に配置し、窒素含有気体の雰囲気下で加熱して、回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体301とアルミニウム部材52aとを接合する。こうして、本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板130が製造される。
ここで、使用する加熱炉、窒素含有気体の種類、積層体に負荷する圧力、加熱温度、保持時間などの条件は、第一実施形態の銅部材層/チタン部材層接合体101とアルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体102との接合の場合と同じである。
以上のような構成とされた本実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板120の製造方法によれば、ヒートシンク50がチタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合体で構成されたヒートシンク付パワーモジュール用基板130を製造することができる。本実施形態においては、アルミニウム部材層52のSi濃度が0.05at%以下とされているため、チタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合部には、Siが固溶したAl−Ti−Si層は生成しないか、生成したとしてもその量は極わずかとなる。また、チタン部材層51とアルミニウム部材層52とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することによって、チタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合部には、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織の層が形成される。このように、チタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合部に、Al原子とTi原子とが均一に相互拡散した組織(AlTi)の層が形成されることによって、チタン部材層51とアルミニウム部材層52とが強固に接合されるので、得られたヒートシンク付パワーモジュール用基板130は、高温環境下での安定性が高く、広い温度範囲のヒートサイクルが負荷された場合でも、接合信頼性が良好となる。
また、本実施形態においては、チタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合部に形成されるAlTi層53の厚さを2μm以上とするので、チタン部材層51とアルミニウム部材層52との間で局所的な接合不良が発生しにくくなり、チタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合信頼をより高くすることが可能となる。一方、AlTi層53の厚さを50μm以下とするので、比較的硬いAlTi層53が薄くなり、AlTi層53を起点としたクラックが生じにくくなり、接合信頼性をより高くすることが可能となる。なお、チタン部材層51とアルミニウム部材層52との接合信頼性を確実に高くするためには、AlTi層53の厚さは、4μm以上15μm以下の範囲とすることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第一実施態様においては、パワーモジュール用基板11の回路層30が、アルミニウム部材層31とチタン部材層32と銅部材層33とが接合されてなる接合体である場合について説明したが、銅部材層33に代えて、ニッケル又はニッケル合金からなるニッケル部材層、もしくは銀又は銀合金からなる銀部材層が接合されてもよい。
第二実施態様においては、パワーモジュール用基板12の回路層30が、4Nアルミニウムの圧延板である場合について説明したが、第一実施形態のパワーモジュール用基板11と同様に、アルミニウム部材層31とチタン部材層32と銅部材層33とが接合されてなる接合体としてもよい。また、ヒートシンク50として無酸素銅を用いた場合について説明したが、無酸素銅に代えて、ニッケル又はニッケル合金からなるニッケル部材、もしくは銀又は銀合金からなる銀部材を用いてもよい。
第三の実施形態においては、ヒートシンク50のアルミニウム部材層52のチタン部材層51と反対側の面(図7において下面)に、さらに放熱材料を接合してもよい。放熱材料としては、炭化ケイ素とこの炭化ケイ素中に充填されたマグネシウム又はマグネシウム合金とからなるマグネシウム基複合材料(MgSiC)や炭化ケイ素とこの炭化ケイ素中に充填されたアルミニウム又はアルミニウム合金とからなるアルミニウム基複合材料(AlSiC)を用いることができる。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
本発明例1〜21、比較例1〜3のパワーモジュール用基板を、次のようにして作製した。
まず、AlN製絶縁層(0.635mmt)の一方の面に表1記載のアルミニウム板(0.4mmt)を、他方の面に純度99.99%以上(4N−Al)のアルミニウム板(2.1mmt)をAl−Si系ろう材を用いて接合しDBA基板を得た。なお、アルミニウム板中のSi濃度はICP−MS(Agilent社製 7500cx型)によって測定した。
銅板(1.0mmt)の一方の表面に表1記載の厚さを有するチタン部材を積層して、積層方向に加圧(圧力12kgf/cm)した状態で真空加熱炉内に配置し、真空中640℃の温度で120分間加熱して、銅部材層とチタン部材層とを有する銅部材層/チタン部材層接合体を作製した。
次いで、DBA基板の一方の面側のアルミニウム層の表面に、銅部材層/チタン部材層接合体のチタン部材層を積層した。この積層体を加熱炉に入れ、加熱炉に表1記載のガスを流して、加熱炉内を表1記載のガス雰囲気とした後、下記の表1に示す温度と時間で加熱し、銅部材層/チタン部材層接合体とDBA基板とを接合して、パワーモジュール基板を製造した。なお、表1の雰囲気が真空の場合には炉内の圧力を6×10−3Paとした。
このようにして製造されたパワーモジュール用基板のアルミニウム部材層とチタン部材層との接合部において断面観察を行い、AlTi層の厚さを測定した。
また、パワーモジュール用基板に対して、冷熱サイクル試験を行い、冷熱サイクル試験後のアルミニウム部材層とチタン部材層との接合信頼性を評価した。
AlTi層の厚さの測定、冷熱サイクル試験及び接合信頼性の評価は、以下のようにして行った。
(AlTi層の厚さの測定)
アルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の断面をクロスセクションポリッシャ(日本電子株式会社製SM−09010)を用いて、イオン加速電圧:5kV、加工時間:14時間、遮蔽板からの突出量:100μmでイオンエッチングした後に、EPMA(日本電子株式会社製電子線マイクロプローブアナライザーJXA−8530F)を用い、倍率2000倍の視野(縦50μm、横60μm)において、接合界面に形成されたAlTi層の総面積を測定し、測定視野の幅の寸法で除して求め、5視野の平均をAlTi層の厚さとした。なお、Ti濃度が23at%〜27at%の範囲内である領域をAlTi層とみなした。
(冷熱サイクル試験)
冷熱サイクル試験は、冷熱衝撃試験機エスペック社製TSB−51を使用し、パワーモジュール基板に対して、液相(フロリナート)で、−40℃×5分←→150℃×5分の3000サイクルを実施した。
(接合信頼性の評価)
冷熱サイクル試験後のパワーモジュール基板に対し、アルミニウム部材層とチタン部材層との接合部の接合率について超音波探傷装置を用いて評価し、以下の式から算出した。
ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち本実施例ではアルミニウム部材層の面積とした。超音波探傷像において剥離は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を剥離面積とした。なお、DBA基板及びチタン部材層にクラックが生じた場合、このクラックは超音波探傷像において白色部で示され、クラックも剥離面積として評価されることになる。
(接合率(%))={(初期接合面積)−(剥離面積)}/(初期接合面積)×100
Figure 0006645271
アルミニウム部材とチタン部材とを真空雰囲気下で固相拡散接合した比較例1においては、アルミニウム部材層とチタン部材層とが剥離したためパワーモジュール用基板を製造できなった。これは、真空雰囲気下では、Al原子とTi原子との拡散速度が早くなりすぎて、アルミニウム部材層とチタン部材層との接合部に均一な組成の層が形成されなかったためであると考えられる。
一方、0.05at%を超えたSiを含むアルミニウム部材とチタン部材とを真空雰囲気下で固相拡散接合した比較例2のパワーモジュール用基板においては、アルミニウム部材層とチタン部材層とは剥離しなかったが、冷熱サイクル試験後の接合信頼性が低くなった。これは、Si量が多く塑性変形しにくいアルミニウム部材層であるため、冷熱サイクルが負荷された際に、セラミックス部材とアルミニウム部材との接合界面でクラックが生じ、セラミックス部材とアルミニウム部材が剥離したと考えられる。
また、0.05at%を超えたSiを含むアルミニウム部材とチタン部材とを窒素雰囲気下で固相拡散接合した比較例3では、AlTiがほとんど成長しないため、アルミニウム部材とチタン部材とを接合することができなかった。
これに対して、0.05at%以下のSiを含有するアルミニウム部材とチタン部材とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合した本発明例1〜21のパワーモジュール用基板は、冷熱サイクル試験後の接合信頼性が高かった。
11、12、13 パワーモジュール用基板
20 絶縁層
20a 絶縁部材
30 回路層
30a 回路部材
31、41、52 アルミニウム部材層
31a、41a、52a アルミニウム部材
32、42、51 チタン部材層
32a、42a、51a チタン部材
33 銅部材層
33a 銅部材
34、43、53 AlTi層
40 金属層
40a 金属部材
50 ヒートシンク
101 銅部材層/チタン部材層接合体
102 アルミニウム部材層/絶縁層/金属層接合体
120、130 ヒートシンク付パワーモジュール用基板
201 回路層/絶縁層/アルミニウム部材層接合体
202 チタン部材層/ヒートシンク接合体
301 回路層/絶縁層/金属層/チタン部材層接合体

Claims (4)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材と、金属チタンからなるチタン部材とが接合されてなる接合体の製造方法であって、
    前記アルミニウム部材と前記チタン部材とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材と前記チタン部材との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することを特徴とする接合体の製造方法。
  2. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記回路層は、前記絶縁層の一方の面に接合されているアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材層と、前記アルミニウム部材層の前記絶縁層と接合されている面と反対側の面に接合されている金属チタンからなるチタン部材層とを有する接合体を含み、
    前記接合体を、前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することによって形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  3. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記金属層は、前記絶縁層の他方の面に接合されているアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材層と、前記アルミニウム部材層の前記絶縁層と接合されている面と反対側の面に接合されている金属チタンからなるチタン部材層とを有する接合体を含み、
    前記接合体を、前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することによって形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  4. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、この金属層に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記ヒートシンクは、前記金属層に接合されている金属チタンからなるチタン部材層と、前記チタン部材層の前記金属層と接合されている面と反対側の面に接合されているアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、Si濃度が0.05at%以下であるアルミニウム部材層とを有する接合体を含み、
    前記接合体を、前記チタン部材層と前記アルミニウム部材層とを窒素含有ガスの雰囲気下で固相拡散接合することにより前記アルミニウム部材層と前記チタン部材層との接合部に、厚さが2μm以上50μm以下の範囲にあるAl Ti層を形成することによって形成することを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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