以下、本発明の一実施形態に係る携帯端末保持具について、図1A〜図9を参照しつつ説明する。携帯端末保持具1は、携帯端末に取り付けられた状態で、携帯端末を保持可能な器具である。例えば、携帯端末保持具1は、スマートフォン用のホールドリングである。
携帯端末保持具1は、例えば、円板状に構成されている。携帯端末保持具1の板面の面方向のうち、後述する回動軸6に対して接離する方向を前後方向(X軸方向)、前後方向に直交する方向を横方向(左右方向、Y軸方向)と称する。また、携帯端末保持具1の板厚方向を厚み方向(Z軸方向)と称する。
携帯端末保持具1は、図1A及び図1Bに示すように、携帯端末に取り付けられる土台2と、土台2に着脱可能であると共に保持部4を有する本体3と、土台2と本体3とを着脱可能に取り付ける着脱手段10と、を備える。着脱手段10は、土台2に設けられ、開口21を規定するよう環状に形成された縁部20と、本体3に設けられ且つ開口21に内嵌するよう突設された嵌合凸部11と、嵌合凸部11が開口21に嵌合した状態で嵌合凸部11が開口21から抜けないように、互いに係止可能に構成される被係止部12及び係止部13と、を有する。
被係止部12及び係止部13は、一方が土台2に設けられ、他方が本体3に設けられる。本実施形態の着脱手段10では、被係止部12が土台2に設けられ、係止部13が本体3に設けられる。
また、係止部13及び被係止部12の少なくとも一方はこの係止を解除するように移動可能である。本実施形態の着脱手段10では、係止部13がこの係止を解除するように移動可能である。
土台2は、携帯端末の背面に取り付けられる部位である。例えば、土台2は、両面テープを用いて携帯端末の背面に貼り付けられる。本実施形態の土台2の形状は、図2に示すように、環状であり、具体的には、円環状である。また、土台2は、絶縁体であり、例えば、樹脂製である。土台2の材質としては、例えば、ポリカーボネート等が用いられる。なお、土台2の材質は、樹脂以外に、セラミック、紙、ガラス、布、革等であってもよい。
本実施形態の土台2は、図3に示すように、携帯端末の背面に取り付けられる面である下面22と、下面22と反対側に位置する上面23と、を有する。上面23と下面22とは、厚み方向に離間して配置される。また、土台2は、縁部20に加えて、縁部20の径方向における内側に配置された鍔部24と、縁部20の径方向のおける外側に配置された外周部25と、を有する。
土台2の上面23は、略平坦な面である。土台2の下面22は、外周部25の外周部下面250により構成されている。本実施形態の外周部25の下側には、周方向に間隔をあけて複数の土台凹部26が設けられている(図2参照)。
土台2の開口21は、環状に形成された縁部20で規定されていることから、周方向において閉じた開口である。本実施形態の開口21は、土台2の厚み方向に貫通する貫通孔である。具体的に、開口21は、上方や下方から視たとき、円形状の貫通孔である。
以上のように、土台2の形状は、扁平な形状である。換言すると、土台2の形状は、薄型形状である。また、土台2の形状は、土台2の厚みが略均一な形状、即ち、厚み方向においてシンプルな形状である。
本実施形態の土台2の径方向における内側には、被係止部12が設けられている。例えば、被係止部12は、縁部20の周方向に沿った環状に形成されている。本実施形態の被係止部12は、土台2の鍔部24で構成されている。具体的に、被係止部12は、鍔部24の全体により構成されている。
なお、本実施形態の土台2の径方向における内側には、開口21から下方に延びる開口延出部27が設けられている(図3参照)。開口延出部27は、土台2の径方向における外側に延びる開口延出端部270を含む。
開口延出端部270は、被係止部12(例えば、鍔部24)の下方に配置されている。また、本実施形態の開口延出端部270には、係止部13が挿入される。
本体3は、携帯端末を保持可能な部位である(図1A、図1B参照)。本実施形態の本体3は、保持部4に加えて、嵌合凸部11を含む基部5と、基部5に対して保持部4を回動可能に連結する回動軸6と、を有する。また、本実施形態の本体3は、後述する係止部13を移動させるための操作部87も有する。
回動軸6は、基部5に対して保持部4を開閉可能に連結する部位である。例えば、回動軸6は、金属製の軸体である。本実施形態の回動軸6は、基部5の後端部に配置されている。
保持部4は、径方向の中央部に指を挿通可能な挿通口40が形成された部位である(図1A参照)。保持部4の形状は、内部を閉じた形状である。即ち、保持部4の形状は、環状であり、例えば、円環状である。なお、保持部4の径方向とは、保持部4により規定される内部空間の径方向である。
また、保持部4は、開閉回動軸A1まわりに、基部5に対する角度を異ならせるように回動可能である。本実施形態の保持部4は、挿通口40に指を挿通不能となるように基部5に対して閉じた状態と、挿通口40に指を挿通可能となるように基部5に対して開いた状態の開状態との間を、回動軸6まわり(例えば、開閉回動軸A1まわり)に回動可能となるよう、回動軸6を介して基部5に連結されている。
具体的に、保持部4は、開状態として、図9Bに示すように、基部5に対して少なくとも約90°傾いた状態で開き得る、即ち、基部5に対して直立した状態で開き得ることが好ましい。保持部4は、基部5に対して直立した状態で開くことにより、例えば、携帯端末を机等に置いて使用する際に、保持部4が携帯端末のスタンドの脚として機能することになる。
なお、本実施形態の保持部4は、開状態として、基部5に対して直立した状態から、さらに開方向に開いた状態も取り得る。具体的に、保持部4は、基部5に対して約180°開いた状態で隣接可能であることも考えられる。
また、本実施形態の携帯端末保持具1は、保持部4が基部5に対して所望の角度で傾斜した状態をロック可能な構成を有していないが、例えば、角度規制部材により、保持部4が基部5に対して所望の角度で傾斜した状態をロック可能であってもよい。
基部5は、回動軸6とともに、保持部4と土台2とを連結する部位である。本実施形態の基部5は、図5に示すように、嵌合凸部11と、一対の係止部13と、を備える。
また、基部5の外形は、図4に示すように、略円板状である。基部5は、上方に位置する基部表面50と、下方に位置する基部裏面51と、を有する(図5参照)。本実施形態の基部5では、嵌合凸部11が、基部裏面51から下方に突設されている。また、この基部5では、係止部13が、基部裏面51から下方に突設されている。
さらに、本実施形態の基部5は、一対の係止部13のうち基部5内における位置が固定された固定係止部130が設けられた固定部材7と、一対の係止部13のうち基部5内における位置が移動可能な可動係止部131が設けられた可動部材8と、固定部材7及び可動部材8の間に接続される付勢部材9と、を含む。また、本実施形態の基部5では、可動部材8は、前後方向において移動する。
なお、この係止部13は、例えば、基部5の径方向において外向きの爪状である。具体的に、一対の係止部13のうち一方は後方に向いた爪状であり、他方は前方に向いた爪状である。また、係止部13は、被係止部12の環状形状に係止するよう構成されている。
固定部材7は、回動軸6を介して保持部4と連結する部材である。また、固定部材7は、前後方向(図4、図5の縦方向)における回動軸6と近い側、例えば、後方に配置されている。
本実施形態の固定部材7は、後方に回動軸6を受ける部位である固定接続部75を有する。また、固定部材7は、図6に示すように、前方に可動部材8の移動を案内する部位である延出案内部742を有する。
具体的に、固定部材7は、固定天板70と、固定天板70の下方(図6における上方)にそれぞれ突設される固定側壁71、固定台座72、及び、固定梁部73と、を含む。また、固定部材7は、固定側壁71から内側に延びる固定延出板74と、固定側壁71から外側に延び且つ回動軸6が配置される固定接続部75と、を有する。さらに、固定部材7は、固定台座72から下方に突設され且つ嵌合凸部11を構成する固定凸部76と、固定凸部76から延び且つ固定係止部130を構成する固定爪77と、を含む。
固定天板70は、前後方向における回動軸6と遠い側の端部(前端部)が欠けた円板状の部材である。本実施形態の固定天板70は、土台2に本体3が取り付けられた状態において、外部に露出する固定天板上面700を有する(図1A参照)。さらに、固定天板70は、固定天板上面700の外周部から上方に突設する天板突設部704を有する。
また、固定天板70は、固定側壁71、固定台座72、及び、固定梁部73が配置される固定天板下面701を有する(図6参照)。さらに、固定天板70の前後方向における一方側の部位(例えば、前後方向における回動軸6と近い側の部位、後方の部位)には、図7に示すように、厚み方向に貫通する天板貫通孔702が設けられている。
固定側壁71は、固定天板下面701の外周部(例えば、円周状の外周部)から下方に突設している。例えば、固定側壁71は、周方向における一部(例えば、前後方向における回動軸6と遠い側の端部(前端部))が欠けた円筒状である。本実施形態の固定側壁71は、横方向において対向する部位である一対の側壁対向部710を有する。
固定延出板74は、一対設けられている。一対の固定延出板74は、固定側壁71の一対の側壁対向部710のうち側壁下端縁711から、それぞれ内側に延びている。各固定延出板74には、厚み方向に貫通する延出貫通孔740が設けられている。延出貫通孔740は、固定延出板74の延出縁部741により規定される。また、延出貫通孔740は、後述する可動部材8の移動方向、例えば、前後方向において延びている。
また、一対の固定延出板74の横方向における内端縁のうち前後方向における中央部には、それぞれ、下方に突設する延出案内部742が設けられている。一対の延出案内部742は、横方向において間隔をあけて並び且つ後述する可動部材8の移動方向、例えば、前後方向において延びる一対の壁状の部位である。
固定台座72は、固定天板下面701の前後方向における一方側の部位から下方に突設している。固定台座72の形状は、例えば、厚み方向に延びる壁状である。本実施形態の固定台座72は、固定天板下面701から固定延出板74の位置する高さまで下方に延びる壁状の部位である。具体的に、固定台座72は、下方或いは上方から視たとき、固定天板70の径方向における内側に位置する平坦な面と、この径方向における外側に位置し且つ径方向に向かって凸形状となるよう湾曲した曲面とで囲まれた壁状の部位である。
固定凸部76は、例えば、嵌合凸部11の回動軸6と近い側に位置する部分(嵌合凸部11の後方に位置する部位)を構成する。また、固定凸部76は、固定台座72の下面から下方に突設されている。換言すると、固定凸部76は、固定延出板74の位置する高さからさらに下方に延びている。固定凸部76の形状は、例えば、厚み方向に延びる壁状である。具体的に、固定凸部76は、下方或いは上方から視たとき、固定天板70の径方向内側に位置する平坦な面と、この径方向における外側に位置し且つ径方向に向かって凸形状となるよう湾曲した曲面とで囲まれた壁状の部位である。
固定爪77は、基部5内における位置が固定された固定係止部130を構成する。また、固定爪77は、固定天板70の径方向における外側に突出する爪である。具体的に、固定爪77は、回動軸6に近い側(後方)に突出している。本実施形態の固定爪77は、例えば、金属製であるため強度を確保できる。
さらに、固定爪77は、土台2に本体3が取り付けられた状態(以下、単に「取り付け状態」とも言う)において、図8Aに示すように、被係止部12(例えば、土台2の鍔部24)に対して、上下方向において重なるように配置される。換言すると、固定爪77は、取り付け状態において、被係止部12と上下方向において係止する。また、このとき、固定爪77は、開口延出端部270に配置される。
固定梁部73は、固定天板下面701の後方の部位から下方に突設している(図6参照)。具体的に、固定梁部73は、一対の延出案内部742の後端部である一対の延出端部743の間を接続するよう横方向に延びる横梁部730と、横梁部730の横方向における中央部と固定台座72とを接続するよう前後方向に延びる縦梁部731と、を有する。縦梁部731は、例えば、筒状であり、具体的には、円筒状である。
固定接続部75は、例えば、固定側壁71の後端部の厚み方向における全域から、固定天板70の径方向における外側に延びている。また、固定接続部75には、回動軸6が挿通される接続貫通孔750が設けられている。接続貫通孔750は、固定接続部75の横方向における全域に延びている。
可動部材8は、固定部材7に対して、例えば、前後方向において相対移動可能な部材である(図5参照)。本実施形態の可動部材8は、前後方向における回動軸6から遠い側(前方)に配置されている。具体的に、可動部材8は、固定部材7の前端部の下方に配置可能である。また、可動部材8は、固定部材7の前方に位置する延出案内部742を介して、前後方向に移動可能である。
本実施形態の可動部材8は、図6に示すように、可動天板80と、可動天板80の下方(図6における上方)に突設され且つ嵌合凸部11を構成する可動凸部83と、可動天板80の横方向における両端部から後方にそれぞれ延びる一対の可動案内部82と、を含む。また、可動部材8は、可動凸部83から延び且つ可動係止部131を構成する可動爪84と、を有する。
さらに、可動部材8は、可動凸部83の横方向における中央部から、後方に延びる柱状の可動延出部85を有する。また、可動部材8は、一対の可動案内部82それぞれの後端部から下方に突出する一対の可動突出部86も含む。可動部材8は、係止部13(例えば、可動係止部131(本実施形態の着脱手段10では可動爪84))を移動させるための操作部87も含む。
可動天板80は、固定天板70に対して前後方向において相対移動可能な部材である。本実施形態の可動天板80は、取り付け状態において、外部に露出する可動天板上面800を有する(図1A参照)。また、可動天板80は、可動凸部83が配置される可動天板下面801を有する(図6参照)。さらに、可動天板80の可動延出部85と上下方向において重なる部位には、上方に凹んだ可動天板凹部802が設けられている。
可動案内部82は、可動部材8の横方向における両側に配置されている。また、可動案内部82は、可動天板80の側面に配置されている。
可動凸部83は、例えば、嵌合凸部11の回動軸6から遠い側に位置する部分(嵌合凸部11の前方に位置する部分)を構成する。また、可動凸部83は、可動天板下面801の前方に位置する部位から下方に突設している。可動凸部83の形状は、例えば、上下方向に延びる壁状である。具体的に、可動凸部83は、下方或いは上方から視たとき、後方に向かって凸形状となるよう湾曲した壁状の部位である。
可動爪84は、基部5内における位置を変更可能な可動係止部131を構成する。また、可動爪84は、固定天板70の径方向における外側に突出する爪である。具体的に、可動爪84は、回動軸6から遠い側(例えば、前方)に突出している。本実施形態の可動爪84は、例えば、樹脂製であるが固定爪77よりも大きなサイズとすることで、固定爪77と同等の強度を確保できる。
さらに、可動爪84は、取り付け状態において、被係止部12(例えば、土台2の鍔部24)に対して、上下方向において重なるように配置される(図8参照)。換言すると、可動爪84は、取り付け状態において、被係止部12と上下方向において係止する。また、このとき、可動爪84は、開口延出端部270に配置される。
一対の可動突出部86は、固定延出板74の一対の延出貫通孔740にそれぞれ挿入された状態で配置される(図4参照)。そのため、一対の可動突出部86は、天板貫通孔702に案内された状態で前後方向に移動可能である。また、各可動突出部86は、可動部材8を回動軸6から遠ざけるように移動させる、即ち、可動部材8を前方に移動させると、固定延出板74の延出貫通孔740を規定する延出縁部741と係合する。
操作部87は、上下方向において、可動爪84の反対側に配置されている、即ち、可動爪84と重なって配置されている(図5参照)。本実施形態の操作部87は、係止部13(例えば、可動係止部131(本実施形態の着脱手段10では、可動爪84))と連続している。
また、操作部87は、前後方向に移動可能である。本実施形態の操作部87は、係止部13(例えば、可動係止部131(本実施形態の着脱手段10では、可動爪84))と連続しているため、係止部13と連動して前後方向に移動可能である。
具体的に、操作部87は、閉状態の保持部4の挿通口40の内部に配置され、回動軸6の径方向のうち該回動軸6に接離する方向に操作されることで、基部5に含まれる係止部13(例えば、可動係止部131(本実施形態の着脱手段10では、可動爪84))を移動させるように構成されている(図5参照)。例えば、操作部87は、回動軸6の径方向において、回動軸6に近づく方向に操作可能である。
本実施形態の操作部87は、後方に移動するよう操作されることで、基部5の可動爪84を後方に移動させるように構成されている。換言すると、操作部87は、固定部材7から前後方向において近づけるように操作されることで、基部5の可動爪84を固定部材7から近づけるように構成されている。
付勢部材9は、可動部材8を移動する方向に付勢する部材である(図4参照)。例えば、付勢部材9は、一対の係止部13の間を接続するとともに、一対の係止部13が被係止部12と係止する位置に配置されるよう、一対の係止部13の間の距離を確保するように付勢する部材である。
例えば、付勢部材9は、可動部材8を前方に付勢している。具体的に、付勢部材9の一端部(例えば、前後方向における回動軸6と近い側の端部、後端部)は、固定部材7における筒状の縦梁部731内に接続されている。また、付勢部材9の他端部(例えば、前後方向における回動軸6と遠い側の端部、前端部)は、可動部材8における可動延出部85に接続されている。本実施形態の付勢部材9は、金属製のばねや樹脂製のばねである。
以下、土台2に対する本体3の取り付け状態における各部材の配置や、土台2に対する本体3の着脱について、順に説明する。
取り付け状態において、一対の係止部13は、いずれも、被係止部12に係止している。具体的に、本体3の固定爪77が土台2の鍔部24の回動軸6に近い側の端部(後端部)である鍔後端部241に係止するとともに、本体3の可動爪84が鍔部24の回動軸6に遠い側の端部である鍔前端部242に係止している(図8A参照)。また、このとき、嵌合凸部11(本実施形態の着脱手段10では、固定凸部76及び可動凸部83)が、土台2の開口21に嵌合している。
本体3を土台2から取り外すためには、取り付け状態から、一対の係止部13を、回動軸6の径方向における内方に相対的に近接するように移動することで、図8Bに示すように、係止部13と被係止部12との係止を解除すればよい。具体的に、図8(a)に示すように、本体3の操作部87を前後方向において回動軸6に近づけるように、即ち、後方に移動させることで、操作部87に連動して可動爪84が回動軸6に近づくように、即ち、後方に移動する。このとき、可動部材8は、付勢部材9による付勢に抗って移動している。これにより、可動爪84と鍔前端部242とが前後方向においてずれた位置に配置されることになり、その結果、可動爪84と鍔前端部242との係止が外れる。このとき、可動爪84と固定爪77とが回動軸6の径方向における内方に相対的に近接することになる。
次に、本体3の可動部材8を土台2から持ち上げた後に、本体3の固定部材7を回動軸6から遠ざかるように、即ち、前方に移動させる。これにより、固定爪77と鍔後端部241とが前後方向にずれた位置に配置されることになり、その結果、図8B(b)に示すように、固定爪77と鍔後端部241との係止が外れる。さらに、本体3の固定部材7を土台2から持ち上げることで、図9Aに示すように、携帯端末100の背面101に土台2を取り付けたまま、開口21から本体3を取り外すことができる。
このように、一対の係止部13を互いに近づけるように移動させることで、嵌合凸部11を開口21から引き抜くことができる。
本体3を土台2に取り付けるためには、一対の係止部13を回動軸6の径方向における内方に相対的に近接する状態とし、嵌合凸部11を開口21に嵌めた後、一対の係止部13を互いに離れた状態とすることで、係止部13と被係止部12とを係止させればよい。具体的に、操作部87を前後方向において回動軸6に近づけるように移動させることで、可動爪84が回動軸に近づくように移動させたまま(即ち、可動爪84と固定爪77とが回動軸6の径方向における内方に相対的に近接させたまま)、嵌合凸部11を開口21に嵌めた後、操作部87から指を離すことで、可動部材8が付勢部材9の付勢により元の位置に戻り、固定爪77及び可動爪84が開口延出端部270に挿入されて、固定爪77が鍔後端部241に係止するとともに、可動爪84が鍔前端部242に係止する。
以上のように、本実施形態の携帯端末保持具1では、一対の係止部13を互いに近接させた状態や離れた状態とすることにより、土台2に対して本体3を簡単に着脱することができる。なお、本実施形態の携帯端末保持具1では、一対の係止部13を互いに近接させた状態や離れた状態とするよう移動させる際に、可動部材8の可動凸部83が一対の延出案内部742に案内されるため、安定的に移動する。
なお、取り付け状態において、係止している係止部13と被係止部12とが、縁部20の周方向(関係上の周方向)において相対的に移動可能である。そのため、取り付け状態において、縁部20と開口21に嵌合している嵌合凸部11とが、周方向において(例えば、水平回動軸A2まわりに)相対回転可能である(図9B参照)。
以上の携帯端末保持具1では、嵌合凸部11が縁部20で規定される閉じた環状の開口21に嵌合した状態、即ち、土台2に本体3が取り付けられた状態において、本体3の固定爪77や可動爪84と土台2の鍔部24とが係止しているため、例えば、保持部4に対して不意に引っ張り力が作用しても、本体3は土台2から外れない。従って、本体3が土台2から意図せず外れることを防止することができる。そして、可動爪84を移動させて、固定爪77や可動爪84と土台2の鍔部24との係止を解除することにより、嵌合凸部11を開口21から抜くことができ、土台2からの本体3の取り外しが可能になる。
上記実施形態の携帯端末保持具1では、固定爪77や可動爪84と土台2の鍔部24との係止を解除するように移動可能な操作部87が、本体3に設けられている。そのため、携帯端末100に固定されている土台2に対して、可動爪84を操作しながら本体3を着脱操作できるため、着脱しやすい。
また、上記実施形態の携帯端末保持具1では、保持部4を閉状態から開状態とする操作(保持部4の回動軸6まわりの回動)の方向と、固定爪77や可動爪84と土台2の鍔部24との係止を解除する際の操作部87の操作の方向とが、いずれも回動軸6の径方向のうち回動軸6に接離する方向である点で、一致しているため、保持部4を閉状態から開状態とする操作と同様の方向に、可動爪84を移動させることで、土台2から本体3を取り外す際の操作を容易に行うことができる。
具体的に、固定爪77が回動軸6の径方向において回動軸6と近い位置(例えば、後方)に配置され、可動爪84が回動軸6の径方向において回動軸6から遠い位置(例えば、前方)に配置されるとともに、上下方向における可動爪84の反対側に操作部87が設けられている。この携帯端末保持具1では、可動爪84を移動させるために操作部87を操作する方向と、保持部4を閉状態から開状態とする操作の方向とが、いずれも回動軸6の径方向において回動軸6に近づく方向(例えば、後方)であるため、土台2から本体3を取り外す際の操作を容易に行うことができる。
さらに、上記実施形態の携帯端末保持具1では、鍔部24が縁部20の周方向に沿った環状に形成され、固定爪77や可動爪84が鍔部24に係止した状態で、鍔部24の周方向において水平回動軸A2まわりに相対移動可能である。このように、互いに、係止している係止部13と被係止部12とが、縁部20の周方向(関係上の周方向)において相対的に移動可能であるため、縁部20と開口21に嵌合している嵌合凸部11とが、周方向において(例えば、水平回動軸A2まわりに)相対回転可能となっている。よって、取り付け状態において、本体3が携帯端末100に取り付けられた土台2に対して水平回動軸A2まわりに回転可能であり、保持部4の土台2に対する位置、即ち、保持部4の携帯端末100に対する位置を変更可能である。
本実施形態の携帯端末保持具1では、土台2が絶縁体(例えば、樹脂製)であるため、本体3に金属製の部品(例えば、回動軸6や固定爪77や付勢部材9等)が含まれていても、土台2から本体3を取り外せば、携帯端末100のワイヤレス充電が可能となる。
また、本実施形態の携帯端末保持具1では、土台2の上面23が略平坦な面であったり、土台2の形状が扁平な形状や厚み方向においてシンプルな形状であったりすることにより、本体3を取り外し且つ土台2を取り付けた状態の携帯端末100の受電コイルと、ワイヤレス充電器の送電コイルとの間が、土台2により遮られにくいため、ワイヤレス充電の効率を確保できる。
さらに、上記実施形態の携帯端末保持具1では、土台2に開口21を規定する縁部20が設けられ、本体3に嵌合凸部11が設けられている。そのため、取り付け状態において、保持部4に指を掛けた状態で携帯端末100を使用する際に、携帯端末100の重さ等により、開口21の径方向における外方に向かう力が嵌合凸部11にかかっても、固定爪77や可動爪84と鍔部24とが係止した状態で、縁部20が嵌合凸部11を囲んでいるため、嵌合凸部11が開口21から外れにくく、本体3が土台2から意図せず外れることを抑制できる。
上記実施形態の携帯端末保持具1は、取り付け状態において携帯端末100を使用する際に、保持部4を引っ張ることにより力がかかっても、鍔部24に対して固定爪77が引っ掛かる強固な構成となっている。
さらに、上記実施形態の携帯端末保持具1では、一対の可動突出部86は、操作部87及び可動爪84と連動して移動し、可動部材8が回動軸6から遠ざかったときに(可動部材8が前方に位置するときに)、延出貫通孔740を規定する延出縁部741に係止するため、可動部材8を回動軸6から遠ざかるように(前方に)移動させたとしても、可動突出部86が延出縁部741に引っ掛かることにより、可動部材8が固定部材7から外れることを防止できる。
上記実施形態の携帯端末保持具1では、一対の可動突出部86は、天板貫通孔702に案内された状態で移動するため、操作部87や可動爪84が、天板貫通孔702の延びる方向(例えば、前後方向)において、安定的に移動する。
尚、本発明の携帯端末保持具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態の携帯端末保持具1では、土台2に環状の縁部20が設けられ、本体3に開口21に内嵌するよう突設された嵌合凸部11が設けられていたが、本体3に環状の縁部が設けられ、土台2に嵌合凸部11が設けられてもよい。例えば、本体3に縁部が設けられる場合、基部5が縁部を有することが考えられる。具体的に、土台2が柱状の嵌合凸部11を含み、本体3がこの嵌合凸部11を内嵌する環状の縁部を含む環状であることが考えられる。
なお、土台2及び本体3の何れに縁部20や嵌合凸部11が設けられたとしても、土台2に被係止部12が設けられ、本体3に係止部13が設けられてもよいし、土台2に係止部13が設けられ、本体3に被係止部12が設けられてもよい。
上記実施形態の携帯端末保持具1では、本体3に設けられた一対の係止部13のうち一方の係止部13が、係止部13と被係止部12との係合を解除するように移動可能であったが、一対の係止部13のうち両方の係止部13が、前記係止を解除するように移動可能であってもよい。また、係止部13の代わりに、被係止部12が、係止部13と被係止部12との係合を解除するように移動可能であることも考えられ、係止部13及び被係止部12の両方が、前記係合を解除するように移動可能であることも考えられる。なお、いずれの場合においても、操作部87は、前記係合を解除するように移動可能な被係止部12及び係止部13のうち少なくとも一方を移動させることが考えられる。
また、上記実施形態の携帯端末保持具1では、操作部87が、回動軸6の径方向のうち回動軸6に接離する方向(例えば、前後方向)に操作されることで、基部5に含まれる係止部13や被係止部12を移動させるように構成されていたが、挿通口40の内部において、回動軸6の径方向に交差する方向(例えば、横方向)に操作されることで、基部5に含まれる係止部13や被係止部12を移動させるように構成されていてもよい。
以下、上記実施形態の携帯端末保持具1の変形例について、図10A〜図19を用いて説明する。なお、この携帯端末保持具1では、保持部4、付勢部材9の構成は、上述の構成と同じであり、図10A〜図12に示すように、土台2と基部5の構成が異なる。
土台2の下面22は、略平坦である(図10B、図11、及び、図12参照)。例えば、下面22の外周部は、下方に突出している。
基部5は、板状である。また、基部5は、嵌合凸部11と、一対の係止部13と、を備える(図10A参照)。本実施形態の基部5は、保持部4と連結している固定部材7と、それぞれ係止部13と嵌合凸部11とを一つずつ含む一対の可動部材8と、を含む。一対の可動部材8は、基部5の面方向において互いに接離可能である。なお、この基部5では、一対の係止部13はいずれも、基部5内における位置が移動可能な可動係止部131である。具体的に、一対の係止部13は、横方向において移動可能である。
固定部材7は、図13に示すように、基部5の横方向における中央に配置されている。本実施形態の固定部材7は、図15に示すように、固定天板70と、固定天板70の下方(図15における上方)にそれぞれ突設される固定側壁71及び固定梁部73と、を含む。また、固定部材7は、固定側壁71から内側に延びる固定延出板74と、固定側壁71から外側に延びる固定接続部75と、を有する。
固定天板70は、横方向における両端部が欠けた円板状の部材である。具体的に、固定天板70は、図16に示すように、前後方向に延びる矩形板状の矩形部位705と、矩形部位705の前後方向における両端縁からそれぞれ延び且つ円弧状の端縁を有する延出部位706と、を有する。また、固定天板70の固定天板下面701には、前後方向において間隔をあけて対向する一対の固定側壁71、及び、固定梁部73が配置される(図15参照)。
固定側壁71は、固定天板下面701の外周部のうち前後方向に対向する両端部から一対延びている。一対の固定側壁71の形状は、同じである。固定側壁71は、基部5の径方向における外側に突出した湾曲面である。
固定延出板74は、一対設けられる。一対の固定延出板74の形状は同じである。具体的に、固定延出板74は、一対の固定側壁71のそれぞれの側壁下端縁711から内側に延びている。固定延出板74は、円弧状の端縁を有する形状である。固定延出板74には、横方向において延び且つ厚み方向に貫通する延出貫通孔740が設けられている。延出貫通孔740は、固定延出板74の延出縁部741により規定される。
固定梁部73は、固定天板下面701の前後方向における両端部を除く部位から下方に突設している。具体的に、固定梁部73は、一対の固定延出板74の間を接続するよう前後方向において延び且つ横方向に並ぶ一対の縦梁部731と、縦梁部731の前後方向における中央部から下方に突設し且つ横方向に延びる筒梁部732と、を含む。筒梁部732は、例えば、円筒状である。
一対の可動部材8は、同じ形状である。また、一対の可動部材8は、横方向において固定部材7を挟むように配置されている。この可動部材8は、可動天板80と、可動天板80の下方(図15における上方)に突設され且つ嵌合凸部11を構成する可動凸部83と、可動凸部83からさらに下方に突設され且つ可動係止部131を構成する可動爪84と、を有する。
また、可動部材8は、可動天板80の前後方向における両端部から横方向における内側にそれぞれ延びる一対の可動案内部82、を含む。さらに、可動部材8は、一対の可動凸部83それぞれの前後方向における中央部から、横方向における内側に延びる柱状の可動延出部85と、一対の可動案内部82それぞれの横方向おける内端部から下方に突出する一対の可動突出部86も含む。可動部材8は、係止部13(例えば、可動係止部131(本実施形態の着脱手段10では可動爪84))を移動させるための操作部87も含む(図16参照)。
可動天板80は、固定天板70に対して横方向において相対移動可能な部材である(図15参照)。可動凸部83の形状は、例えば、上下方向に延びる壁状である。具体的に、可動凸部83は、下方或いは上方から視たとき、横方向における外側に向かって凸形状となるよう湾曲した壁状の部位である。
可動爪84は、基部5内における位置を変更可能な可動係止部131を構成する。また、可動爪84は、基部5の径方向における外側に突出する爪である。具体的に、固定爪77は、横方向における外側に突出している。
さらに、可動爪84は、取り付け状態において、被係止部12(例えば、土台2の鍔部24)に対して、上下方向において重なるように配置される(図17A参照)。換言すると、可動爪84は、取り付け状態において、開口延出端部270に配置されるとともに、被係止部12と上下方向において係止する。
一対の可動突出部86は、図13に示すように、固定延出板74の一対の延出貫通孔740にそれぞれ挿入された状態で配置される。そのため、一対の可動突出部86は、延出貫通孔740に案内された状態で横方向において移動可能である。また、各可動突出部86は、可動部材8を横方向における中央部から遠ざけるように、即ち、横方向における外側に移動させると、固定延出板74の延出貫通孔740を規定する延出縁部741と係合する。
操作部87は、図14に示すように、上下方向において、可動爪84の反対側に配置されている、即ち、可動爪84と重なって配置されている。本実施形態の操作部87は、係止部13(例えば、可動係止部131(本実施形態の着脱手段10では、可動爪84))と連続している。
また、操作部87は、閉状態の保持部4の挿通口40の内部に配置される。さらに、操作部87は、挿通口40の内部において、回動軸6の径方向に交差する方向、例えば、回動軸6の径方向に直交する方向(横方向)に操作されることで、基部5に含まれる係止部13を移動させるように構成されている。
例えば、操作部87は、前後方向に移動可能である。本実施形態の操作部87は、係止部13(例えば、可動係止部131(本実施形態の着脱手段10では、可動爪84))と連続しているため、係止部13と連動して前後方向に移動可能である。
付勢部材9は、可動部材8を横方向の外側に付勢する部材である。例えば、付勢部材9は、一対の係止部13の間を接続するとともに、一対の係止部13が被係止部12と係止する位置に配置されるよう、一対の係止部13の間の距離を確保するように付勢する部材である。具体的に、付勢部材9は、付勢部材9の両端部が一対の可動部材8の可動延出部85のそれぞれに接続された状態で、固定部材7における筒梁部732内に配置されている。
このような携帯端末保持具1においても、本体3を土台2から取り外すためには、図17Aの取り付け状態から、図17B(a)に示すように、一対の係止部13を、回動軸6の径方向における内方に相対的に近接するように移動することで、図17B(b)に示すように、係止部13と被係止部12との係止を解除すればよい。
このような構成であれば、保持部4を閉状態から開状態とする操作の方向が、係止部13及び被係止部12の係止を解除する際の操作の方向とが交差している(例えば、開状態とする方向が前後方向とであり、係止を解除する際の操作の方向が横方向であることから、両方向が直交している)ため、保持部4を開閉する際に誤って土台2から本体3を取り外すことを防止できる。
上記実施形態の基部5は、固定部材7及び可動部材8を有していたが、固定部材7及び可動部材8のいずれか一方を有していてもよい。例えば、基部5が可動部材8を有していない場合、土台2の開口21のサイズの変更が可能な構成とし、土台2に本体3を取り付ける際に、土台2の開口21のサイズが変化するよう操作すること考えられる。
上記実施形態の着脱手段10では、係止部13が一対設けられ、被係止部12が一つ設けられていたが、係止部13や被係止部12の数は問わない。
また、上記実施形態の着脱手段10では、付勢部材9は、一対の係止部13の間に一つ設けられていたが、複数設けられてもよい。これにより、一対の係止部13を移動させる際に、付勢部材9の付勢方向に安定的に移動することができる。なお、着脱手段10は、付勢部材9を含まなくてもよい。
上記実施形態の携帯端末保持具1では、開口21は貫通孔であったが、凹部等の貫通孔以外の開口であってもよい。
上記実施形態の保持部4の土台2に対する位置は、本体3が携帯端末100に取り付けられた土台2に対して周方向において(水平回動軸A2まわりに)回転可能であることにより、変更可能であったが、この位置は変更可能でなくてもよい。また、上記実施形態の保持部4は、円環状であったが、星形、ハート形、六角形、猫の顔等を模した形状であってもよい。さらに、上記実施形態の保持部4は、無端状であったが、前後方向や左右方向における一部が開放された形状であってもよく、例えば、U字型といったアーチ形状等であることが考えられる。
上記実施形態の土台2は、土台凹部26が設けられた円環状の部材であり、両面テープにより携帯端末100の背面101に貼り付けられていたが、土台2の構成はこの構成でなくてもよい。例えば、土台2は、土台凹部26が設けられた円環状の部材に加えて、平板円環状の部材を含み、二つの部材を接着剤等で張り合わせて固定し、平板円環状の部材を両面テープにより携帯端末100の背面101に貼り付けられてもよい。また、土台2は、多角形の環状その他の形状であってもよい。