以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<装置の概要>
まず、本実施の形態に係る吸気装置の概要について説明する。
図1は、本実施の形態に係る吸気装置の外観の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、吸気装置100は、ケーシング101と、ケーシング101の主面102の上部に設けられたセンシング部103および送風口104と、主面102の下部に設けられた吸気口105とを有する。また、吸気装置100は、吸気口105の外側面に設けられた可動開口部106と、ケーシング101の最下部に設けられた装置回転部107とを有する。
ケーシング101は、例えば、高さ2m(メートル)、幅50cm(センチメートル)、奥行き20cm程度の筐体である。ケーシング101は、図示しないが、吸気口105から送風口104へと空気を搬送するダクトおよび空気ファンと、搬送される空気から塵埃を除去する空気フィルタとを、内部に備えている。
なお、本実施の形態において、「塵埃」とは、埃、花粉、砂、および灰等の、人や物の表面に付着し易く、かつ、空気中を浮遊し易い、細かい粒子状の物質であって、吸気装置100が設置された空間から除去することが望ましい物質を指す。
センシング部103は、例えばステレオセンサを有し、吸気装置100が設置された空間の3次元構造や、当該空間に位置する人の3次元位置を検出する。ステレオセンサとしては、例えば、2つの単眼カメラによりステレオ画像を撮影して画像間の対応点を検出し、検出された各対応点の間の視差から画像に映し出された各部の三次元位置を算出する装置を採用することができる。
送風口104は、例えば、樹脂性の羽根を水平方向および垂直方向のそれぞれに備えた、横長のルーバである。送風口104の各羽根は、電動モータ(図示せず)により角度調整が可能となっている。すなわち、送風口104は、送風の方向を調整可能となっている。本実施の形態において、吸気装置100は、上述のダクトおよび空気ファンにより、吸気口105において吸気した空気の全量を送風口104へと搬送する、全循環式の装置であるものとする。
吸気口105は、例えば、樹脂性の羽根を水平方向および垂直方向のそれぞれに備えた、矩形のルーバである。吸気口105は、例えば、高さ40センチcm、幅40cmの大きさを有するが、その外側面に配置された可動開口部106により、空間に開口する領域の大きさおよび形状が可変となっている。
可動開口部106は、吸気口105の中心位置に対して上側、下側、右側、および左側に配置された4枚のシャッターと、これらのシャッターを吸気口105の中心位置に向かう方向に沿ってスライド(移動あるいは伸縮)させるスライド機構および電動モータ(図示せず)とを有する。各シャッターは、スライド位置に応じて、吸気口105を部分的に遮蔽する。すなわち、可動開口部106は、吸気口105の大きさおよび形状を変化させ、吸気口105の周辺の、吸気口105の空気の吸引により生じる気流の速度(以下「吸気勢力」という)の空間分布(以下「吸気勢力分布」という)を変化させる。
なお、本実施の形態において、吸気口105の周辺とは、吸気勢力が及び得る範囲を指し、例えば、吸込み風量が毎分10m3の状態であれば、吸気口105から約1m以内の距離の範囲である。
装置回転部107は、床面に接地するベース部と、ベース部に対してケーシング101を水平方向において回転させる回転機構および電動モータ(図示せず)とを有する。すなわち、装置回転部107は、吸気口105の向きを変化させる。
図2は、吸気装置100の設置状態の一例を示す図である。
吸気装置100は、例えば、部屋200の壁際に、主面102を部屋200の中央側に向けた状態で、設置される。
部屋200には、家具201が配置されており、部屋200のある位置に塵埃を発生する塵埃発生源202が存在している。塵埃発生源とは、例えば動いている人である。人の動きは、衣類表面に付着した塵埃203を脱離させたり、床上に体積した塵埃203を巻き上げたりして、塵埃203を空中に飛散させ易いためである。塵埃発生源202の位置は、以下、「塵埃発生位置」という。
送風口104から吹き出された空気は、室内気流211を形成する。また、吸気口105による吸気は、別の室内気流212を形成する。これらの室内気流211、212により、塵埃発生源202から飛散された塵埃203は、吸気口105付近まで移送される。その結果、吸気口105の周辺には、周囲に比べて塵埃濃度がより高い領域(以下「高塵埃濃度領域」という)が形成される。この高塵埃濃度領域の空気は、吸気口105の吸気勢力により、吸気口105へと吸引される。
ところが、吸気口105の近くに高塵埃濃度領域が存在していても、当該領域における吸気勢力が弱い場合、吸気口105以外の領域に流れて行ってしまう等、高塵埃濃度領域の塵埃に対する吸引の効果が低くなる。
そこで、吸気装置100は、吸気口105の周辺の塵埃濃度の空間分布(以下「塵埃濃度分布」という)の変化に応じて、吸気口105の吸気態様を変化させて、吸気口105の周辺の塵埃濃度の空間分布(以下「塵埃濃度分布」という)を変化させる。より具体的には、吸気装置100は、高塵埃濃度領域を判定し、高塵埃濃度領域に対して当該領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引されるような所定の吸気勢力を与えるように、吸気口105の形状、大きさ、および向きを制御する。
なお、高塵埃濃度領域は、例えば、塵埃濃度が吸気口105の周辺における塵埃濃度のピーク値の半値以上となっている領域、あるいは、塵埃濃度が所定の固定値以上となっている領域である。
<吸気装置の構成>
次に、吸気装置100の構成について説明する。
図3は、吸気装置100の主要な構成を示すブロック図である。
図3において、吸気装置100は、形状、大きさ、向き、有効開口面積、位置、および風量のうち少なくとも1つを含む吸気態様が可変であり、当該吸気態様の変化に応じて吸気勢力分布が変化する吸気口105を有する。また、吸気装置100は、吸気口105の周辺の塵埃濃度分布の変化に応じて、上記吸気態様を変化させる吸気制御部180を有する。
本実施の形態において、吸気制御部180は、吸気口105の吸気態様のうち、吸気口105の形状、大きさ、および向きを制御するものとする。
図4は、吸気装置100の更に詳細な構成の一例を示すブロック図である。
図4において、吸気装置100は、上述の通り、送風口104および吸気口105(図1参照)を有する。また、吸気装置100は、情報格納部110、空間判定部120、送風制御部130、気流分布判定部140、塵埃発生判定部150、塵埃位置判定部160、吸気判定部170、および吸気制御部180を有する。
情報格納部110は、気流情報および吸気口情報を格納する。
気流情報は、吸気装置100による送風および吸気が行われ得る空間の3次元構造と、送風の強さや向きといった送風口104の送風態様との組合せ毎に、当該構造の空間の気流の空間分布(以下「気流分布」という)を規定する情報である。
吸気口情報は、吸気口105がとり得る吸気態様毎に、その吸気態様にある吸気口105の吸気勢力分布を規定する情報である。気流情報および吸気口情報の詳細については、後述する。
空間判定部120は、センシング部103(図1参照)を用いて、吸気装置100が送風および吸気を行う空間(以下「対象空間」という)の3次元構造を判定する。すなわち、空間判定部120は、部屋200(図2参照)の部屋形状、家具201の配置、および吸気装置100の配置を把握する。そして、空間判定部120は、判定した3次元構造を示す構造情報を、気流分布判定部140へ出力する。
送風制御部130は、上述の吸気ファンの風量や、送風口104のルーバの羽根の角度を制御することにより、送風の強さや向きといった送風口104の送風態様を制御する。また、送風制御部130は、現在の送風態様を示す送風情報を、逐次、気流分布判定部140へ出力する。
なお、送風制御部130は、センシング部103(図1参照)が検出した人の位置を入力し、当該位置に対して積極的に空気を吹き付けるように、送風口104のルーバの羽根の角度を制御してもよい。
気流分布判定部140は、情報格納部110に格納された気流情報を参照して、構造情報が示す対象空間の3次元構造と、送風情報が示す現在の送風口104の送風態様とに基づき、対象空間の気流分布を判定する。すなわち、気流分布判定部140は、対象空間にどのような気流が形成されるかを推定する。そして、気流分布判定部140は、判定された気流分布を示す気流分布情報を、塵埃位置判定部160および吸気判定部170へ出力する。
塵埃発生判定部150は、センシング部103(図1参照)を用いて、対象空間に位置する人の3次元位置を検出し、検出された位置を塵埃発生位置とし、当該位置を示す塵埃発生情報を、塵埃位置判定部160へ出力する。
塵埃位置判定部160は、気流分布情報が示す対象空間の気流分布と、塵埃発生情報が示す塵埃発生位置とに基づいて、吸気口105の周辺のどの領域に、塵埃発生位置で発生した塵埃が流れてくるかを判定する。すなわち、塵埃位置判定部160は、塵埃発生源202からの塵埃がどのような経路を通って吸気口105の周辺に到達するかを推定し、吸気口105の周辺の高塵埃濃度領域を判定する。そして、塵埃位置判定部160は、判定された高塵埃濃度領域の3次元位置を示す塵埃領域情報を、吸気判定部170へ出力する。
吸気判定部170は、情報格納部110に格納された吸気口情報を参照して、塵埃領域情報が示す高塵埃濃度領域の位置と、気流分布情報が示す気流分布とに基づいて、高塵埃濃度領域に対して所定の吸気勢力を与える吸気態様を判定する。すなわち、吸気判定部170は、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引されるような、吸気口105の形状、大きさ、および向きを判定する。そして、吸気判定部170は、判定された吸気態様を示す吸気態様情報を、吸気制御部180へ出力する。
なお、本実施の形態において、吸気判定部170は、気流分布情報が示す対象空間の気流分布と、吸気口情報が示す各吸気態様における吸気口105の周辺の吸気勢力分布とを合成して、吸気態様毎に、合成吸気勢力分布を算出する。そして、吸気判定部170は、算出された合成吸気勢力分布において、高塵埃濃度領域の位置に対して所定の吸気勢力を与えることができる吸気態様を、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引される吸気態様として判定する。
吸気制御部180は、吸気態様情報が示す吸気態様となるように、可動開口部106および装置回転部107(図1参照)を制御する。すなわち、吸気制御部180は、吸気口105が、吸気態様情報が示す大きさおよび形状となるように、可動開口部106の各シャッターをスライドさせ、吸気口105が、吸気態様情報が示す向きとなるように、装置回転部107の回転機構を回転させる。
吸気装置100は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、および通信回路を有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
なお、空間判定部120、気流分布判定部140、塵埃発生判定部150、塵埃位置判定部160、および吸気判定部170の一部または全ては、クラウド(サーバ装置)上に配置されるようにしてもよい。
この場合、例えば、吸気装置100は、無線または有線等のネットワークインタフェースおよびクラウド上の上記各判定部等と通信を行う通信部(図示せず)を更に備える。吸気装置100は、センシング部103による検出結果等の情報を、通信部を介してクラウドに情報を送信し、クラウド上の各判定部からの判定結果等を受信する。送風制御部130、吸気制御部180は、クラウドから受信した判定結果等に基づき、前述の説明と同様に送風口104、吸気口105等の制御を行う。更に、吸気装置100は、情報格納部110に保持する情報についても、その一部または全てをクラウド上に保持するようにしてもよい。このような構成により、計算能力に限界のある家電機器においても、前述の機能を比較的容易に組み込むことができ、また、低コスト化を実現することができる。
このような構成を有する吸気装置100は、吸気口105の周辺の塵埃濃度分布の変化を取得し、塵埃濃度分布の変化に応じて、吸気口105の吸気態様を変化させることにより、吸気口105の吸気勢力分布を変化させることができる。更に、吸気装置100は、高塵埃濃度領域に所定の吸気勢力を与えるように、吸気態様を変化させることができる。
<気流情報の詳細>
ここで、情報格納部110が格納する気流情報の詳細について説明する。
図5は、ある空間の、ある高さにおける水平方向の気流分布の一例を示す図である。なお、参考として、各所の塵埃濃度の例についても併せて図示する。
図5において、矢印311は気流の方向(以下「気流311」と表す)を示し、濃淡312は塵埃濃度を示す。空間310には、吸気装置100が壁際に配置され、人等の塵埃発生源313と、気流に影響を及ぼす家具314とが存在している。
人313から飛散した塵埃は、塵埃発生源313付近を通過する気流311aに乗って運ばれる。図5に示す例の場合、吸気装置100から吹き出された空気は、例えば、家具314の影響を受けて、図中右側に大きく迂回して循環する。かかる気流311aが吸気装置100の近くを通過する場合、気流311aに乗った塵埃も、吸気装置100の近くのいずれかの場所まで移送されることになる。なお、花粉等の径の大きい粒子は、高さ方向に拡散し難く、床上数10cm以下等の比較的低い位置に停滞し易い。
すなわち、空間310の気流分布と塵埃発生源313の位置とが分かれば、吸気口105の周辺のどの位置が高塵埃濃度領域となるかを推定することができる。そこで、吸気装置100は、空間の3次元構造と送風口104の送風態様との組合せ毎に気流分布を規定する情報を、気流情報として予め用意している。
気流情報が示す気流分布は、例えば、コンピュータを用いたシミュレーション計算により、あるいは、実験計測により、取得される。空間の3次元構造および気流分布は、それぞれ、複数のパターンに分類することができる。
図6は、気流情報の内容の一例を示す図である。
図6に示すように、気流情報320は、空間パターン321と送風態様パターン322との組合せ毎に、気流分布パターン323を記述している。
空間パターン321は、空間の構造(間取り)のパターンであり、空間の大きさ、家具の配置、吸気装置100の配置(送風口104の位置および向き)等を規定する。送風態様パターン322は、送風口104の送風態様のパターンであり、風量およびルーバの各羽根の向き等を規定する。気流分布パターン323は、空間パターン321が規定する構造の空間で、送風態様パターン322が規定する送風態様で送風を行ったときの、空間の気流分布のパターンであり、各位置における気流の方向および速度(気流ベクトル)を規定する。
このように、気流情報は、空間の3次元構造と送風口104の送風態様との組合せ毎に、当該構造の空間の気流分布を規定する。
<吸気口情報の詳細>
次に、情報格納部110が格納する吸気口情報の詳細について説明する。
図7は、吸気口105が採り得る様々な吸気態様の例を示す平面図である。
図7Aは、吸気口105の大きさを比較的大きくした第1の吸気態様パターンの一例である。図7Bは、吸気口105の幅を細くした第2の吸気態様パターンの一例である。図7Cは、吸気口105の高さを細くした第3の吸気態様パターンの一例である。図7Dは、吸気口105の大きさを比較的小さくした第4の吸気態様パターンの一例である。なお、吸気口105が採り得る吸気態様パターンは、これら4つのパターンに限定されない。
図7に示すように、吸気口105の、可動開口部106により遮蔽されていない、空間に開口する領域(以下(以下「開口領域」という)330の形状および大きさは、可動開口部106により変化する。吸込み風量が同一の場合、開口領域330の面積が小さくなるほど、吸気口105における風速は高くなる。また、吸気口105により空気が吸引されると、圧力の低下により、吸気口105の周辺の空気は、ほぼ等方的に吸気口105に吸引される。
図8は、吸気態様毎の吸気口105の周辺の吸気勢力分布の例を示す図である。図8A〜図8Dは、図7A〜図7Dに示す第1〜第4の吸気態様パターンにおける吸気勢力分布の一例を、それぞれ示す。
図8において、第1の等高面331は、開口領域330に向かう気流の速度が第1の値となる位置を結んだ面であり、第2の等高面332は、開口領域330に向かう気流の速度が、第1の値よりも小さい第2の値となる位置を結んだ面である。第2の値は、例えば、上述の所定の吸気勢力に相当する値である。
図8に示すように、開口領域330の面積が小さくなるほど、第1および第2の等高面331、332は、吸気口105から遠ざかる。すなわち、吸気口105は、所定の吸気勢力を、吸気口105の奥行き方向においてより遠くの位置に与え、当該位置の空気を吸引することができる。
また、開口領域330の幅が大きくなるほど、第1および第2の等高面331、332は、開口領域330の幅方向に広がる。すなわち、吸気口105は、所定の吸気勢力を、吸気口105の幅方向においてより広い位置に与え、当該位置の空気を吸引することができる。
例えば、吸気口105の中央正面で少し離れた第1の位置333は、第1および第3の吸気態様パターンでは第2の等高面332の外側となり、第2および第4の吸気態様パターンでは第2の等高面332の内側となる。また、例えば、吸気口105の端部に近い第2の位置334は、逆に、第2および第4の吸気態様パターンでは第2の等高面332の外側となり、第1および第3の吸気態様パターンでは第2の等高面332の内側となる。
この他、開口領域330が小さい点状の場合、第1および第2の等高面331、332は、半球に近くなり、開口領域330が縦方向に長いスリット形状の場合、第1および第2の等高面331、332は、縦方向に長い円柱を半分に割った形状に近くなる。
また、図示しないが、吸気口105の向きが回転したとき、吸気勢力分布も同様に回転する。
すなわち、吸気装置100は、塵埃を移送する気流311a(図5参照)と、第2の等高面332の内側に存在する十分な吸引気流との重なりが少ない場合に、吸気口105の吸気態様(形状、大きさ、および向き)を変化させることにより、かかる重なりを大きくすることができる。この結果、吸気装置100は、塵埃を移送する気流311aを吸気口105側に引き寄せ、塵埃の吸引の効果を向上させることができる。
なお、人が対象空間を歩いている場合等、塵埃発生位置は、ある程度の高さや幅を有することが多い。この場合、塵埃を移送する気流にも大きな高さや幅が生じ易くなり、吸気口105の周辺の高塵埃濃度領域も高さ方向および幅方向に広がり易くなる。このような場合、吸気口105の高さや幅を広げることにより、塵埃の吸引の効果を向上させることができる。
情報格納部110が格納する吸気口情報は、吸気口105が採り得る吸気態様毎に、その吸気態様にある吸気口105の吸気勢力分布を規定する情報である。
図9は、吸気口情報の一例を示す図である。
図9に示すように、吸気口情報340は、吸気態様パターン341と吸気口105周辺の位置342との組合せ毎に、吸気勢力343を規定している。
吸気態様パターン341は、吸気口105が採り得る複数の吸気態様パターンを規定する。すなわち、吸気態様パターン341は、例えば、図7A〜図7Dに示した複数の異なる吸気口105の形状のそれぞれに対応する。吸気態様パターン341は、例えば、可動開口部106の各シャッターのスライド位置と、装置回転部107の回転機構の回転角度とにより定義される。
位置342は、吸気口105の周辺の空間に所定の間隔(例えば10cm)の3次元グリッドを設定したときの、各グリッドの代表点(例えば中央点)の3次元位置を規定する。すなわち、位置342は、例えば、図8A〜図8Dに示した第1の位置333および第2の位置334のそれぞれに対応する。位置342は、例えば、吸気装置100のベースの中心位置および向き等、吸気装置100が設置される空間に固定され、かつ、吸気口105の位置との関連付けが可能な所定の位置および向きを基準とする座標系の座標値により定義される。
吸気勢力343は、吸気口105の周辺の位置342における吸気勢力を規定する。すなわち、吸気勢力343は、図8A〜図8Dに示した第1の位置333および第2の位置334のそれぞれにおける、吸気口105に向かう気流の速度に対応する。吸気勢力343は、例えば、吸気口105の空気の吸引により生じる気流の速度と、当該気流の向きとにより定義される。
このように、吸気口情報340は、吸気口105の吸気態様パターン毎に、吸気口105の周辺の各位置の吸気勢力(つまり吸気勢力分布)を規定する情報である。
<吸気装置の動作>
次に、吸気装置100の動作について説明する。
図10は、吸気装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
吸気装置100は、例えば、新たな場所に接地される毎、電源を入れられる毎、あるいはユーザ操作により吸気開始を指示される毎に、以下に説明する動作を開始する。
ステップS1100において、空間判定部120は、対象空間の構造を判定する。空間判定部120は、例えば、気流情報320に記述された空間パターン321(図6参照)のうち、センシング部103により検出された対象空間の構造に最も類似する空間パターン321を、対象空間の構造として判定する。
ステップS1200において、送風制御部130は、空調ファンを動作させ、送風口104からの送風および吸気口105からの吸気を開始させる。
ステップS1300において、塵埃発生判定部150は、対象空間から人(本実施の形態における塵埃発生源)が検出されたか否かを判定する。塵埃発生判定部150は、人が検出されていない場合(S1300:NO)、処理をステップS1400へ進める。
ステップS1400において、吸気判定部170は、ユーザ操作により吸気の停止を指示される等、所定の終了条件が満たされているか否かを判定する。吸気判定部170は、所定の終了条件が満たされていない間(S1400:NO)、処理をステップS1300へ戻し、対象空間の監視を継続する。
そして、塵埃発生判定部150は、人が検出された場合(S1300:YES)、処理をステップS1500へ進める。
ステップS1500において、気流分布判定部140は、送風口104の送風態様を判定し、判定された対象空間の構造および送風態様から、対象空間の気流分布を推定する。
ステップS1600において、塵埃位置判定部160は、人が検出された位置、つまり、塵埃発生位置と、推定された対象空間の気流分布とから、吸気口105の周辺の高塵埃濃度領域を推定する。なお、かかる高塵埃濃度領域は、現在、あるいは、数秒後の高塵埃濃度領域である。
ステップS1700において、吸気判定部170は、推定された対象空間の気流分布と、吸気態様毎の吸気勢力分布とに基づいて、推定された高塵埃濃度領域に対して所定の吸気勢力を与える吸気態様を判定する。
ステップS1800において、吸気制御部180は、判定された吸気態様となるように、吸気口105の吸気態様を変化させる。
吸気装置100は、人の位置に応じて吸気口105の吸気態様を変化させる以上の動作を継続して行う。そして、吸気判定部170は、所定の終了条件が満たされた場合(S1400:YES)、処理をステップS1900へ進める。
ステップS1900において、送風制御部130は、空調ファンを停止させ、送風口104からの送風および吸気口105からの吸気を停止させて、一連の処理を終了する。
このような動作により、吸気装置100は、人(塵埃発生源)の位置に追従して、吸気口105の周辺の塵埃濃度分布の変化を取得し、高塵埃濃度領域に対して所定の吸気勢力を与えるように、吸気口105の吸気勢力分布を変化させることができる。
図11は、吸気装置100が吸気口105の形状(大きさ)を変化させる様子の一例を示す図であり、図7に対応するものである。また、図12は、図11に示す吸気態様の変化により、吸気勢力分布が変化して高塵埃濃度領域が効率良く吸引される様子の一例を示す図であり、図8に対応するものである。
図11に示すように、吸気装置100は、吸気口105の大きさを、小さくなる方向に変化させたとする。この場合、図12に示すように、例えば、吸気口105の開口領域330から遠い位置を通過する、塵埃を移送する気流311aが、吸気口105に吸引され易くなる。
図13は、吸気装置100が吸気口105の向きを変化させる様子の一例を示す図であり、図7に対応するものである。また、図14は、図13に示す吸気態様の変化により、吸気勢力分布が変化して高塵埃濃度領域が効率良く吸引される様子の一例を示す図であり、図8に対応するものである。
図13に示すように、吸気装置100は、吸気口105の向きを、上から見て時計回り方向に回転させたとする。この場合、図14に示すように、例えば、吸気口105の開口領域330から遠い位置を通過する、塵埃を移送する気流311aが、吸気口105に吸引され易くなる。
塵埃を移送する気流311aが、吸気口105の主たる吸込み方向(中心方向)とは大きく異なる方向に向いており、かつ、その速度が高いような場合がある。このような場合、図14の左側に示すように、吸気口105の大きさを小さくするだけでは、塵埃を移送する気流311aを効果的に吸気口105へ導くことができない。このような場合、図13に示すように、吸気口105の主たる吸込み方向(中心方向)を、塵埃を移送する気流311aの方向に近付けることにより、図14の右側に示すように、塵埃を移送する気流311aをより効果的に吸気口105へ導くことが可能となる。
<本実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態に係る吸気装置100は、形状、大きさ、および向きを含む吸気態様が可変であり、吸気態様の変化に応じて吸気勢力分布が変化する吸気口105と、吸気口105の周辺の塵埃濃度分布の変化に応じて、吸気態様を変化させる吸気制御部180と、を有する。
このような吸気装置100は、塵埃を簡単かつ効果的に吸引することができる。
<空間構造の他の判定手法>
なお、空間判定部120は、上述の手法以外の手法により、対象空間の構造を判定してもよい。
例えば、空間判定部120は、ユーザから、タッチパネル付き液晶ディスプレイ等のユーザインタフェースを介して、対象空間の構造の入力を受け付ける。この際、空間判定部120は、ユーザに対して、複数の空間パターンを選択肢として提示してもよい。
<塵埃発生位置の他の判定手法>
また、塵埃発生判定部150は、上述の手法以外の手法により、対象空間における塵埃発生位置を判定してもよい。
例えば、塵埃発生判定部150は、対象空間を検出対象とする塵埃濃度センサを用いて、各位置の塵埃濃度を検出し、塵埃濃度が所定のレベル以上となっている位置を、塵埃発生位置と判定する。塵埃濃度センサとしては、例えば、空気清浄機に広く搭載されている、レーザやLED(Light Emitting Diode)が発する光の散乱の様子を通じて塵埃の濃度を把握する、公知のセンサを採用することができる。
あるいは、塵埃発生判定部150は、対象空間に複数配置された塵埃濃度センサと通信を行い、各塵埃濃度センサにおいて検出された塵埃濃度センサ近傍の塵埃濃度を取得し、各センサ位置の間の値を線形補間する等して、塵埃発生位置を判定してもよい。あるいは、塵埃発生判定部150は、自動で床上あるいは空中等を移動する塵埃濃度センサと通信を行い、各位置の塵埃濃度を取得して、塵埃発生位置を判定してもよい。
<気流分布の他の判定手法>
また、気流分布判定部140は、上述の手法以外の手法により、対象空間の気流分布を判定してもよい。
例えば、気流分布判定部140は、対象空間の構造と送風態様に基づき、シミュレーション計算により、対象空間の気流分布を算出する。この場合、気流情報は、シミュレーション計算を行うのに必要な情報とする。
また、例えば、気流分布判定部140は、対象空間を検出対象とする気流センサを用いて、各位置の気流の向きおよび速度を検出する。気流センサとしては、例えば、3次元的な超音波の応答から風速および風向を予想する超音波風向風速センサや、ヒータが形成する温度分布の変化を計測して風速と風向を算出する風速センサ等、公知のセンサを採用することができる。
あるいは、気流分布判定部140は、対象空間に複数配置された気流センサと通信を行い、各気流センサにおいて検出された気流センサ近傍の気流の向きおよび速度を取得し、各センサ位置の間の値を線形補間する等して、気流分布を判定してもよい。あるいは、気流分布判定部140は、自動で床上あるいは空中等を移動する気流センサと通信を行い、各位置の気流の向きおよび速度を取得して、気流分布を判定してもよい。
なお、このように気流分布判定部140が気流センサを用いて気流分布の判定を行う場合、情報格納部110は、必ずしも気流情報を格納していなくてもよい。
<高塵埃濃度領域の他の判定手法>
また、塵埃位置判定部160は、上述の手法以外の手法により、高塵埃濃度領域を判定してもよい。
例えば、気流情報は、空間パターンと塵埃発生位置との組合せ毎に、シミュレーション計算あるいは実験計測により求められた、塵埃発生源からの塵埃が移送される気流を規定する。この場合、塵埃位置判定部160は、対象空間の空間パターンと、塵埃発生位置とに基づいて、塵埃発生源からの塵埃が移送される気流が吸気口105の周辺を通過する位置を、高塵埃濃度領域として判定する。
また、例えば、塵埃位置判定部160は、シミュレーション計算により気流分布を判定する気流分布判定部140の機能を含み、気流分布の判定と高塵埃濃度領域の判定とを区別せずに行ってもよい。すなわち、塵埃位置判定部160は、シミュレーション計算により、塵埃発生源からの塵埃が移送される気流を算出し、当該気流が吸気口105の周辺を通過する位置を、高塵埃濃度領域として判定してもよい。
また、例えば、塵埃位置判定部160は、吸気口105の周辺を検出対象とする塵埃濃度センサを用いて、各位置の塵埃濃度を検出し、塵埃濃度が周囲に比べて高くなっている領域を、塵埃発生位置と判定する。塵埃濃度センサとしては、上述の公知のセンサを採用することができる。
あるいは、塵埃位置判定部160は、吸気口105の周辺に複数配置された塵埃濃度センサと通信を行い、各塵埃濃度センサにおいて検出された塵埃濃度センサ近傍の塵埃濃度を取得し、各センサ位置の間の値を線形補間する等して、高塵埃濃度領域を判定してもよい。複数の塵埃濃度センサは、例えば、30cm程度の間隔で配置する。あるいは、塵埃位置判定部160は、自動で床上あるいは空中等を移動する塵埃濃度センサと通信を行い、各位置の塵埃濃度を取得して、高塵埃濃度領域を判定してもよい。
なお、このように、塵埃位置判定部160が塵埃濃度センサを用いて高塵埃濃度領域の判定を行う場合、吸気装置100は、必ずしも空間判定部120、気流分布判定部140、および塵埃発生判定部150を有していなくてもよい。
<吸気態様の他の選択手法>
また、吸気判定部170は、上述の手法以外の手法により、吸気態様を判定してもよい。
例えば、吸気判定部170は、高塵埃濃度領域における気流の向きに、吸気勢力の気流の向きが近付く吸気態様パターンを、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引される吸気態様として判定する。
あるいは、例えば、吸気口情報を、吸気口105の周辺の位置毎に、当該位置に対して所定の吸気勢力を与える吸気態様パターンを規定する情報とする。そして、吸気判定部170は、高塵埃濃度領域のより多くの部分が所定の吸気勢力となる吸気態様パターンを、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引される吸気態様として判定する。
また、例えば、気流分布判定部140は、シミュレーション計算により、吸気口105から吸気を行っている場合の、吸気態様パターン毎の気流分布を算出してもよい。この場合、吸気口情報は、シミュレーション計算を行うのに必要な情報とする。
あるいは、情報格納部110は、このような吸気口105の吸気勢力を含む気流分布を、気流情報および吸気口情報を統合した情報として格納していてもよい。この場合、吸気判定部170は、算出あるいは格納された吸気態様パターン毎の気流分布のそれぞれについて、塵埃発生位置を通る気流が吸気口105に到達する吸気態様パターンを、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引される吸気態様として判定する。
また、例えば、吸気判定部170は、シミュレーション計算により、塵埃発生源からの塵埃が移送される気流を吸気態様パターン毎に算出する。そして、吸気判定部170は、算出された気流が吸気口105に到達する吸気態様パターンを、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引される吸気態様として判定する。この場合、気流情報および吸気口情報は、シミュレーション計算を行うのに必要な情報とする。
また、例えば、吸気判定部170は、吸気口105が吸引した空気の塵埃濃度を計測する塵埃濃度センサをダクトに配置し、吸引した空気の塵埃濃度の変化に基づいて、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引される吸気態様を判定してもよい。すなわち、この場合、吸気装置100は、必ずしも空間判定部120、気流分布判定部140、塵埃発生判定部150、および塵埃位置判定部160を有していなくてもよい。
また、吸気判定部170は、高塵埃濃度領域の位置や、当該位置における気流の向きおよび速度以外の情報に基づいて、高塵埃濃度領域の塵埃が吸気口105に効果的に吸引される吸気態様を判定してもよい。
例えば、吸気判定部170は、センシング部103により立っている人が検出されたとき、塵埃発生位置が垂直方向の広い範囲に亘って存在しているものとして、垂直方向に長い形状に吸気口105を変形させることを決定する。また、吸気判定部170は、センシング部103により横たわっている人が検出されたとき、塵埃発生位置が水平方向の広い範囲に亘って存在しているものとして、水平方向に長い形状に吸気口105を変形させることを決定する。
<吸気態様の他の例>
また、吸気口105の吸気態様の変化の仕方は、上述の例に限定されない。
例えば、吸気口105は、形状、大きさ、および向き以外にも、有効開口面積、位置、および風量等が可変であってもよい。また、吸気口105は、形状、大きさ、向き、有効開口面積、位置、および風量のうち1つのみが可変であってもよい。但し、吸気口105は、吸気態様の変化に応じて、吸気勢力分布が変化するものである必要がある。有効開口面積の変更は、例えば、ルーバの向きの変更等により実現することができる。位置の変更は、吸気口105の移動や複数の吸気口105のうちの使用する吸気口105の変更等により実現することができる。風量の変更は、空気ファンの回転数の変更やダクトに設けられたダンパの開度の変更等により実現することができる。
また、吸気装置100は、吸気口105の部分のみ(例えば、吸気装置100の下半分)が回転する構成となっていてもよい。あるいは、吸気口105の向きの変化は、吸気口105の法線方向の向きの変化ではなく、あるいは、かかる変化に加えて、ルーバの向きの変化により実現されてもよい。これらの場合、吸気装置100の他の部分の位置および向きが変化しないため、気流分布のパターンの数の増大を抑えることができる。
<その他の変形例>
また、吸気装置100における送風口104および吸気口105の配置およびそれぞれの構成は、上述の例に限定されない。例えば、送風口104および吸気口105は、水平方向において離隔して配置されていたり、異なる部屋に配置されていてもよい。また、送風口104および吸気口105は、それぞれ複数配置されていてもよい。
なお、塵埃の濃度が高い領域の分布形状は、送風口104が位置する方向に向かって長くなる傾向がある。これは、送風口104から送風される空気の粘性によって、塵埃を運ぶ気流が歪みを受け、送風口104に引き寄せられる形状になりやすいからである。したがって、特に送風口104と吸気口105とを離隔して配置する場合、吸気制御部180は、吸気勢力分布が送風口104が位置する方向に対して長い形状となるような吸気態様を、吸気口105の吸気態様の初期状態とすることが望ましい。
なお、空間の内部の何らかの物質の濃度を高くしたい場合がある。このような物質としては、例えば、人体や家の設備に有用な物質が挙げられる。このような場合、吸気判定部170は、かかる物質の濃度が周囲に比べて高い領域に対して、より低い吸気勢力を与える吸気態様を採用する、あるいは、かかる物質の濃度が周囲に比べて低い領域に対して、より高い吸気勢力を与える吸気態様を採用してもよい。
また、送風態様が固定の場合、吸気装置100は、必ずしも送風制御部130を有していなくてもよい。更に、吸気装置100は、送風口104および送風制御部130を必ずしも有していなくてもよい。この場合、吸気口105が吸気を行う対象空間には、換気口や別の装置の吸気口により、吸気口105が吸引した量にほぼ等しい量の空気が供給される。
また、吸気装置100が吸引の対象とする塵埃は、所定の物質、大きさ、あるいは重さに限定されたものであってもよい。
また、以上説明した吸気装置100の構成の一部は、吸気装置100の構成の他の部分と物理的に離隔していてもよい。この場合、それらの構成は、互いに通信を行うための通信部をそれぞれ備える必要がある。
また、上記実施形態では、本開示をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
<本開示のまとめ>
本開示の吸気装置は、形状、大きさ、向き、有効開口面積、位置、および風量のうち少なくとも1つを含む吸気態様が可変であり、前記吸気態様の変化に応じて吸気勢力分布が変化する吸気口と、前記吸気口の周辺の塵埃濃度分布の変化に応じて、前記吸気態様を変化させる吸気制御部と、を有する。
なお、上記吸気装置において、前記吸気制御部は、周囲に比べて塵埃濃度がより高い高塵埃濃度領域が存在するとき、第1の吸気態様から、前記第1の吸気態様よりも高い効率で前記高塵埃濃度領域の空気が吸引される第2の吸気態様へと変化させてもよい。
また、上記吸気装置は、前記吸気口の周辺における、周囲に比べて塵埃濃度がより高い高塵埃濃度領域を判定する塵埃位置判定部と、前記高塵埃濃度領域に対して所定の吸気勢力を与える前記吸気態様を判定する吸気判定部と、を有し、前記吸気制御部は、判定された前記吸気態様となるように、前記吸気口を制御してもよい。
また、上記吸気装置は、前記吸気口が吸気を行う空間の気流分布を判定する気流分布判定部と、塵埃発生位置を判定する塵埃発生判定部と、を有し、前記塵埃位置判定部は、前記気流分布および前記塵埃発生位置に基づいて、前記高塵埃濃度領域を推定してもよい。
また、上記吸気装置において、前記塵埃発生判定部は、人の位置を検出し、検出された前記位置を前記塵埃発生位置と推定してもよい。
また、上記吸気装置は、前記吸気口が吸気を行う空間に対して送風を行う送風口と、前記空間の構造を判定する空間判定部と、を有し、前記気流分布判定部は、前記構造に基づいて、前記気流分布を推定してもよい。
また、上記吸気装置は、前記吸気が行われ得る空間の構造毎に、当該構造の空間の気流分布を規定する、気流情報を格納する情報格納部、を有し、前記気流分布判定部は、前記気流情報を参照して、前記吸気が行われる前記空間の前記気流分布を推定してもよい。
また、上記吸気装置において、前記気流分布判定部は、前記吸気口が採り得る吸気態様毎に、前記吸気口の周辺を含む前記空間の前記気流分布を判定し、前記吸気判定部は、前記吸気態様毎の前記吸気口の周辺の前記気流分布に基づいて、前記吸気態様を判定してもよい。
また、上記吸気装置において、前記気流分布判定部は、前記気流分布を測定してもよい。
また、上記吸気装置において、前記塵埃位置判定部は、前記塵埃濃度分布を測定して、前記高塵埃濃度領域を判定してもよい。
また、上記吸気装置は、前記吸気態様毎に、前記吸気態様にある前記吸気口の吸気勢力分布を規定する、吸気口情報を格納する情報格納部、を有し、前記吸気判定部は、前記吸気口情報を参照して、前記吸気態様を判定してもよい。
本開示の吸気方法は、吸気口の周辺の塵埃濃度分布の変化を取得するステップと、前記塵埃濃度分布の変化に応じて、前記吸気口の、形状、大きさ、向き、有効開口面積、位置、および風量のうち少なくとも1つを含む吸気態様を変化させることにより、前記吸気口の吸気勢力分布を変化させるステップと、を有する。