以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器の説明の前提となる導体部品を含む構成を概略的に示す斜視図である。すなわち、図1に示す電子機器に含まれる導体部品は、本発明の実施形態による特徴を付加する前の状態である。換言すれば、図1に示す電子機器に含まれる導体部品に対して本実施形態による特徴を付加すると、本実施形態に係る電子機器を構成することになる。
以下、本実施形態に係る電子機器を説明するために、まず、本発明の実施形態に係る電子機器の説明の前提となる導体部品について説明する。本発明の実施形態に係る電子機器の説明の前提となる導体部品を、以下、単に「比較例1の導体部品」と略記する。
図1に示す電子機器1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ゲーム端末、タブレットPC、および、いわゆるファブレットなど、アンテナ素子による通信機能を有する任意の電子機器とすることができる。
図1に示す電子機器1は、アンテナ素子10、グランド40、コネクタ50、接続部61,62、および比較例1の導体部品200を備えている。前述のように、図1に示す電子機器1は、比較例1の導体部品200の代わりに後述する本実施形態に係る導体部品を備えることで、本実施形態に係る電子機器1となる。
アンテナ素子10は、電子機器1が例えば基地局などと無線通信を行うためのものである。アンテナ素子10は、図1に示した形状および構造に限定されず、各種の用途または仕様等に応じて、種々の形状および構造を採用することができる。アンテナ素子10については、従来知られたものを採用することができるため、より詳細な説明は省略する。以下の例においては、アンテナ素子10は、800MHz帯と2000MHz帯との2つの帯域で無線通信を行うものとして説明する。
グランド40は、電子機器1において各種のデバイスなどを配置する任意の基板とすることができる。グランド40についても、図1に示した形状および構造に限定されず、各種の用途または仕様等に応じて、種々の形状および構造を採用することができる。グランド40についても、従来知られたものを採用することができるため、より詳細な説明は省略する。
コネクタ50は、比較例1の導体部品200と、グランド40とを接続する。すなわち、比較例1の導体部品200におけるグランド配線は、コネクタ50を介してグランド40に接続される。コネクタ50も、図1に示した形状および構造に限定されず、各種の用途または仕様等に応じて、種々の形状および構造を採用することができる。図1においては、コネクタ50は、グランド40の上に設けられているように見えるが、グランド40の内部に埋め込まれているような構成など、種々の構成とすることができる。コネクタ50は、任意の導体などを用いて構成することができる。
接続部61,62は、アンテナ素子10とグランド40とを接続したり、アンテナ素子10とRF信号線(図示せず)とを接続したりする。接続部61,62は、任意の導体などを用いて構成することができる。接続部61,62も、図1に示した形状および構造に限定されず、各種の用途または仕様等に応じて、種々の形状および構造を採用することができる。
比較例1の導体部品200は、例えばフレキシブル基板などで構成することができる。比較例1の導体部品200は、カメラまたはUSBコネクタのようなデバイスを実装可能なように構成される。これらのようなデバイスにより、電子機器1は、カメラの機能またはUSBによる充電およびデータ通信の機能などを提供することができる。比較例1の導体部品200も、図1に示した形状および構造に限定されず、各種の用途または仕様等に応じて、種々の形状および構造を採用することができる。なお、導体部品200の配線は、信号配線、電源配線、およびグランド配線などとすることができるが、説明の便宜のため、図1においてはグランド配線のみを示してある。
図2は、図1に示した比較例1の導体部品200を用いた場合の放射効率を示す図である。
図2は、比較例1の導体部品200を備えた電子機器1が動作している時に、各動作周波数帯におけるアンテナ素子10の放射効率を示している。図2(A)に示すように、動作周波数帯が805〜855MHzの範囲における放射効率の最小値は、比較例1の導体部品200の不要共振の影響により、−18dB(805MHz)である。また、図2(B)に示すように、動作周波数帯が1800〜2000MHzの範囲における放射効率の最小値は、比較例1の導体部品200の不要共振の影響により、−5.4dB(1950MHz)である。このように、比較例1の導体部品200は、アンテナ素子10が無線通信を行う周波数体で共振を生じるものとする。
次に、比較例1の導体部品200に流れる電流について説明する。
図3は、比較例1の導体部品200における電流測定箇所を説明する図である。
以下、比較例1の導体部品200に流れる電流について検討するために、比較例1の導体部品200において電流の流れを測定する箇所を、測定箇所1、測定箇所2、および測定箇所3として示す。すなわち、図3は、比較例1の導体部品200におけるグランド配線に流れる電流を示す。
図3において、それぞれの測定箇所は破線で示してあり、この破線で示す箇所を通過する(横切る)電流を測定する。図3に示すように、測定箇所1は、比較例1の導体部品200の上下(Y軸方向)に伸びる部分と、比較例1の導体部品200の左右(X軸方向)に伸びる部分とのジョイントの箇所に流れる電流を示す。測定箇所2は、比較例1の導体部品200の左右(X軸方向)に伸びる部分において、上記ジョイントの箇所の右側に流れる電流を示す。測定箇所3は、比較例1の導体部品200の左右(X軸方向)に伸びる部分において、上記ジョイントの箇所の左側に流れる電流を示す。
図4は、図3に示した比較例1の導体部品200の電流測定箇所における電流振幅の周波数依存性を示す図である。
図4は、図3に示した測定箇所1、2、および3に流れる電流の電流振幅の周波数特性を示している。図4においては、測定箇所1における電流振幅は実線でプロットし、測定箇所2における電流振幅は破線でプロットし、測定箇所3における電流振幅は比較的大きめのドットによりプロットしてある。図4に示すように、動作周波数が813MHzおよび1958MHzの時に、測定箇所1、2、3のいずれにおいても電流振幅が極大値になる。このことから、電子機器1のアンテナ素子10および比較例1の導体部品200を含む構成において、共振モードが2つあることが分かる。
図5は、図3に示した比較例1の導体部品200に生じる2つの共振モードにおける電流経路を示す図である。
図5(A)は、比較例1の導体部品200の動作周波数813MHzにおける電流の分布を模式的に示している。図5(B)は、比較例1の導体部品200の動作周波数1958MHzにおける電流の分布を模式的に示している。図5(A)および(B)のいずれにおいても、矢印の指す方向に電流が流れることを示し、図示する矢印が大きくなるほど、その位置には大きな電流が流れることを示している。
図5(A)に示すように、周波数813MHzにおいては、比較例1の導体部品200の上下(Y軸方向)に伸びる部分から測定箇所1に向けて大きな電流が流れる。その電流は、測定箇所1を通過した後分流するが、測定箇所3の方にはあまり電流が流れず、測定箇所2の方には比較的大きな電流が流れる。また、図5(B)に示すように、周波数1958MHzにおいては、比較例1の導体部品200の左右(X軸方向)に伸びる部分に大きな電流が流れる。その電流は、測定箇所3を通過した後分流するが、測定箇所1の方にはあまり電流が流れず、測定箇所2の方には比較的大きな電流が流れる。
以下、説明の便宜上、本実施形態に係る「主電流経路」という概念を導入する。本実施形態において、主電流経路とは、導体部品が共振を生じる周波数帯において電流が流れる経路であって当該電流が分流する場合は最も大きい電流が流れる経路を含めて構成される電流の経路とする。図5(A)においては、太い一点鎖線により、比較例1の導体部品200の周波数813MHzにおける主電流経路を示してある。図5(B)においては、太い二点鎖線により、比較例1の導体部品200の周波数1958MHzにおける主電流経路を示してある。
次に、本実施形態に係る導体部品を含む電子機器1について説明する。
上述したように、比較例1の導体部品200に対して本実施形態による特徴を付加すると、本実施形態に係る電子機器1を構成することになる。すなわち、本実施形態に係る電子機器1は、比較例1の導体部品200の代わりに、以下説明する本実施形態に係る導体部品を備える。本実施形態に係る電子機器1は、比較例1の導体部品200の代わりに、以下説明する本実施形態に係る導体部品を備える他は、上述したのと同様の構成により実現することができる。したがって、本実施形態に係る電子機器1は、無線通信を行うアンテナ素子10と、アンテナ素子10が無線通信を行う周波数帯で共振を生じる導体部品20と、を備える。以下、既に説明した内容と重複する記載は、適宜、簡略化または省略する。
図6は、本実施形態に係る導体部品を示す図である。図6に示す本実施形態に係る導体部品20は、上述した比較例1の導体部品200と比較するために、同じような形状および構造を採用している。しかしながら、本発明に係る導体部品20は、図6に示す形状および構造に限定されず、各種の用途または仕様等に応じて、種々の形状および構造を採用することができる。
図6に示すように、本実施形態に係る導体部品20は、図3で説明した測定箇所2の付近において、比較例1の導体部品200とは異なる形状を有し、さらに、インピーダンス素子30を備えている。このような導体部品20の形状は、パターン形成することが好適であるが、例えば比較例1の導体部品200を適宜切断または接合などして加工したり、または最初から1つの導体板として形成したり、種々の製造方法によるものとすることができる。インピーダンス素子30は、各種の用途または仕様等に応じて、インダクタ、キャパシタ、または抵抗から構成される種々の部品を採用することができる。以下の説明においては、例として、インピーダンス素子30は、例えば80nH程度のインダクタであるものとして説明する。
図7は、本実施形態に係る導体部品20をさらに説明する図である。
図7(A)に示すように、導体部品20は、導体の無い部分が形成されることにより、並列する2つの異なる長さの導体線路21,22を含んでいる。図7に示す例においては、それぞれの経路の長さを説明するために、導体線路21,22をそれぞれ破線により示してある。図7に示すように、導体線路21は短い経路を形成し、導体線路22は長い経路を形成している。さらに、図7(A)に示すように、インピーダンス素子30は、導体部品20における2つの導体線路21,22のうち、短い方の導体線路21に直列に挿入する。
また、図7(B)に示すように、導体部分20において導体線路21,22を形成する箇所は、周波数813MHzにおける主電流経路(図5(A))と、周波数1958MHzにおける主電流経路(図5(B))とが重なる位置とするのが好適である。さらに、図7(B)に示すように、導体部分20において導体線路21,22を形成する箇所は、周波数1958MHzの共振モードの主電流経路に対して開放端24からλ/4の位置とするのが好適である。ここで、λは、1958MHzの共振モード(図5(B))における実効波長であり、λ/4=35mmである。この実効波長は、共振周波数で共振を生じている主電流経路の長さと、その電流分布とから求めた。図5(B)の電流分布から、主電流経路でλ/2の共振モードになっていることがわかる。そこで、主電流経路の長さの1/2がλ/4であるとして、実効波長を求めた。図7(B)においては、周波数1958MHzの共振モードにおける開放端24から導体線路21,22までの主電流経路を、二点鎖線により示してある。この二点鎖線の長さは42mmであり、おおよそλ/4であると言える。導体線路21,22をこのような位置にするのは、開放端24から(2n−1)λ/4の位置において流れる電流が最大となるため、インダクタンスの変化に対する共振周波数の変化を大きくできるからである。
なお、導体線路21,22を形成する位置が開放端24から(2n−1)λ/4の位置からずれてしまうと、共振周波数の変化が小さくなる。しかしながら、導体線路21,22を形成する位置が、(2n−1)λ/4±λ/8の範囲であれば、充分な効果が発揮される。図7に示す例では、813MHzの共振モードの主電流経路に対しては、導体線路21,22を形成する位置が、開放端24からλ/4±λ/8の位置になっている。ここで、λは、813MHzの共振モード(図5(A))における実効波長であり、λ/4=73mmである。なお、導体線路21,22を形成する位置を、電流経路の短絡端から、nを正の整数として、(n−1)λ/2±λ/8となる位置に挿入しても良い。
このように、本実施形態に係る電子機器1において、導体部品20は並列する2つの異なる長さの導体線路21,22を含むようにする。特に、本実施形態に係る電子機器1の導体部品20は、上述した主電流経路において、並列する2つの異なる長さの導体線路21,22を含むようにする。さらに、電子機器1において、導体線路21,22のうち短い方の導体線路21に、インピーダンス素子30を直列に挿入する。また、インピーダンス素子30は、導体部品20において、主電流経路の開放端24から、nを正の整数として、(2n−1)λ/4±λ/8となる位置に挿入するのが好適である。
さらに、本実施形態に係る電子機器1において、導体部品20は、アンテナ素子10が無線通信を行う例えば800MHz帯および2000MHz帯のような複数の周波数帯で共振を生じてもよい。この場合、インピーダンス素子30は、導体部品20が共振を生じる複数の周波数帯におけるそれぞれの主電流経路が重なる位置に挿入するのが好適である。
このように、本実施形態に係る電子機器1においては、導体部品20の電流経路を並列に分割することによって、一方の経路にはインピーダンス素子を挿入するが、他方の経路にはインピーダンス素子を挿入する必要がない。したがって、例えば集中定数素子を直列に挿入できないような構成の配線に対しても、有効に共振周波数を調整することができる。集中定数素子を直列に挿入できないような構成としては、例えば、金属デバイスからみたインピーダンスが変化すると、金属デバイスの機能に影響を及ぼすような構成が想定される。
また、本実施形態によれば、導体部品20において導体線路21,22のうち短い方の導体線路21に、インピーダンス素子30を直列に挿入する。これにより、導体部品20の全体としての電流経路の電気長を効果的に変更することができる。したがって、電子機器1がある程度完成してから不要共振が生じることが判明したとしても、後から共振周波数を容易に調整することができる。
本実施形態に係る導体部品20は、2つの共振モードの主電流経路の重なる部分にインピーダンス素子30を挿入している。このため、インピーダンス素子30によって2つの共振周波数を同時に調整することが可能になっている。なお、導体部品20において、2つの共振モードの主電流経路が重ならない部分にインピーダンス素子を挿入すれば、2つの共振周波数を独立に調整することもできる。
図8は、図6に示した本実施形態に係る導体部品20の電流振幅の周波数依存性を示す図である。
図8は、図4と同様に、図3に示した測定箇所1、2、および3に流れる電流の電流振幅の周波数特性を示している。図8においても、測定箇所1における電流振幅は実線でプロットし、測定箇所2における電流振幅は破線でプロットし、測定箇所3における電流振幅は比較的大きめのドットによりプロットしてある。
図8および図4を対比すると分かるように、周波数813MHzにおける共振点は、725MHzに移動している。また、周波数1958MHzにおける共振点は、1685MHzに移動している。このような共振周波数のシフト量は、導体部品20に挿入するインピーダンス素子30の例えばインダクタンスによって調整することができる。
図9は、図6に示した本実施形態に係る導体部品20を用いた場合の放射効率を、比較例1の導体部品200を用いた場合と対比して示す図である。
図9は、本実施形態に係る導体部品20を備えた電子機器1が動作している時に、各動作周波数帯におけるアンテナ素子10の放射効率を、比較例1の導体部品200を用いた場合と対比して示している。図9(A)に示すように、導体部品20を用いた場合の放射効率は、周波数805〜855MHzにおいて、最小値が−18dBから−6.4dBに改善している。また、図9(B)に示すように、導体部品20を用いた場合の放射効率は、周波数1800〜2000MHzにおいて、最小値が−5.4dBから−2.2dBに改善している。このように、本実施形態に係る電子機器1は、導体部品20による不要共振の周波数を、必要な帯域外にずらすことで、アンテナ特性の劣化を回避することができる。
上述した実施形態においては、電子機器1は、導体部品20が共振を生じる複数の周波数帯におけるそれぞれの主電流経路が重なる位置に、インピーダンス素子30を挿入した。このような構成により、電子機器1は、複数の共振周波数を同時に調整することが可能である。
以下、本実施形態に係る電子機器1の効果をさらに説明するために、電子機器1において、導体部品20が共振を生じる複数の周波数帯におけるそれぞれの主電流経路が重ならない位置に、インピーダンス素子30を挿入する例について検討する。
図10は、電子機器1において、導体部品210が共振を生じる複数の周波数帯におけるそれぞれの主電流経路が重ならない位置に、インピーダンス素子30を挿入した例を示す図である。以下、図10に示す導体部品210を、単に「比較例2の導体部品210」と記す。図10に示す例も、比較例2の導体部品210の電流経路において、インピーダンス素子30を直列に挿入している。しかしながら、図10においてインピーダンス素子30を挿入した箇所は、比較例2の導体部品210の周波数813MHzにおける主電流経路(図5(A))ではあるが、比較例2の導体部品210の周波数1958MHzにおける主電流経路(図5(B))ではない。すなわち、図10に示す比較例2の導体部品210は、共振を生じる複数の周波数帯におけるそれぞれの主電流経路が重ならない位置に、インピーダンス素子30を挿入している。
図11は、図10に示した比較例2の導体部品210を用いた場合の放射効率を、比較例1の導体部品200を用いた場合と対比して示す図である。
図11は、比較例2の導体部品210を備えた電子機器1が動作している時に、各動作周波数帯におけるアンテナ素子10の放射効率を、比較例1の導体部品200を用いた場合と対比して示している。
図11(A)に示すように、比較例2の導体部品210を用いた場合、比較例1の導体部品200を用いた場合の周波数810MHzにあった共振点は、帯域外にずらすことができた。このため、比較例2の導体部品210を用いた場合、放射効率は、周波数805〜855MHzにおいて劣化は見られず、最小値−6.6dBと改善した。
一方、図11(B)に示すように、比較例2の導体部品210を用いた場合、1958MHzにあった共振点は1900MHzへの変化に留まった。すなわち、この場合、インピーダンス素子30におけるインダクタンスの調整によっては、共振点を帯域外にずらすことはできなかった。このため、比較例2の導体部品210を用いた場合、放射効率は、周波数1800〜2000MHzでは不要共振点において−5.2dBと改善していない。
以上説明したように、共振を生じる複数の周波数帯におけるそれぞれの主電流経路が重ならない位置にインピーダンス素子30を挿入した場合、複数の不要共振の周波数を、同時に帯域外にずらすことができない。しかしながら、本実施形態に係る導体部品20を用いた電子機器1は、導体部品20が共振を生じる複数の周波数帯におけるそれぞれの主電流経路が重なる位置に、インピーダンス素子30を挿入する。このため、本実施形態に係る電子機器1は、導体部品20による複数の不要共振の周波数を、同時に、帯域外にずらすことができる。したがって、本実施形態に係る電子機器1によれば、導体部品が複数の共振モードを持つ場合でも、全ての不要共振を回避することができる。
さらに、本実施形態に係る電子機器1においては、導体部品20が並列する2つの異なる長さの導体線路21,22を含み、一方の導体線路にはインピーダンス素子30を挿入するが、他方の導体線路にはインピーダンス素子30を挿入しない。したがって、インピーダンス素子30を設けない電流経路が確保されるため、集中定数素子を設けると他のデバイスに影響するような配線の構成においても、不要共振を回避することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部またはステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、図6および7に示した導体部品20における並列する2つの異なる長さの導体線路21,22は、図6および7に示した形状または構成に限定されず、種々変形することができる。
図12は、本実施形態に係る導体部品20における並列する2つの異なる長さの導体線路21,22の変形例を示す図である。本実施形態に係る導体部品20の導体線路21,22は、例えば、図12(A)および図12(B)に示すように、一方を直線状として、他方が折れ曲がる形状としてもよい。また、本実施形態に係る導体部品20の導体線路21,22は、例えば、図12(C)に示すように、両方とも直線状として、その角度が異なるようにしてもよい。本実施形態に係る導体部品20における導体線路21,22は、異なる長さであれば、各種の用途または仕様等に応じて、種々の形状および構造を採用することができる。
また、本実施形態に係る導体部品20における導体線路21,22は、必ずしも導体部品20上に形成しなくとも、同様の効果を有する構造を想定することもできる。
図13は、本実施形態に係る電子機器の変形例を示す図である。
図13(A)は、本実施形態に変形例に係る電子機器を概略的に示す斜視図である。図13(B)は、本実施形態に変形例に係る電子機器の導体線路を拡大して示す斜視図である。図13に示す本実施形態の変形例に係る電子機器2は、導体線路21,22を導体部品200上には設けていない。図13に示す電子機器2は、導体部品200からコネクタ50を介して、グランド40上で接続される導体基板20’において、導体線路21,22を形成している。このような構成においても、図13(B)に示すように、並列する2つの異なる長さの導体線路21,22を確保することができる。図13(A)においては、導体線路21,22は、グランド40上で導体部品200と同じ面上に形成した例を示してある。しかしながら、導体線路21,22は、グランド40上で導体部品200と反対側の裏面上に形成してもよいし、グランド40内部に埋め込まれるように形成してもよい。
また、上述した各実施形態は、電子機器1の発明として説明したが、このような実施のみならず、そのような装置において行う各種方法の発明としても実施してもよい。