(実施形態1)
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1は、投影装置10の外観斜視図である。なお、本実施形態において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
投影装置10は、図1に示すように、略直方体形状であって、投影装置10の筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の排気孔17を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子やアナログRGB映像信号が入力される映像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子、音声出力端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子(群)20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部や背面パネルには、吸気孔18も形成されている。
次に、投影装置10の投影装置制御部について、図2の機能ブロック図を用いて述べる。投影装置制御部は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPU、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
そして、この投影装置制御部により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換されたあと、表示エンコーダ24に出力される。
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
表示駆動部26は、表示素子制御部として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動する。
投影装置10は、光源装置60から出射された光線束を、光源側光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、投影側光学系を介してスクリーンに画像を投影表示する。尚、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
また、制御部38は、光源制御部としての光源制御回路41を制御している。この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、励起光源や赤色光源装置から所定のタイミングで赤色、緑色及び青色の波長帯域光を発光させる個別の制御を行う。
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等により投影装置10本体の電源オフ後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によっては投影装置10本体の電源をオフにする等の制御も行う。
次に、この投影装置10の内部構造について述べる。図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えている。また、投影装置10は、制御回路基板241の側方、つまり、投影装置10筐体の略中央部分に光源装置60を備えている。さらに、光源装置60と左側パネル15との間には、光源側光学系170や投影側光学系220が配置されている。
光源装置60は、赤色波長帯域光の光源とされる赤色光源装置120と、緑色波長帯域光(第二波長帯域光)の光源とされる緑色光源装置80と、青色波長帯域光(第一波長帯域光)の光源とされる青色光源装置であると共に励起光源ともされる励起光照射装置70と、を備える。緑色光源装置80は、励起光照射装置70と、蛍光板装置100とにより構成される。そして、光源装置60には、緑色及び青色波長帯域光の光線束に赤色波長帯域光の光線束を合わせて各色波長帯域の光束を同一光路上に導光して同一方向に向かわせる導光光学系140が配置されている。
励起光照射装置70は、投影装置10筐体の左右方向における略中央部分に配置される。励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の半導体発光素子を備える。本実施形態においては、半導体発光素子は、青色波長帯域光を発する青色レーザダイオード71である。また、青色レーザダイオード71は、右側パネル14と平行に配置されている。これら青色レーザダイオード71は、固定ホルダ74に固定される。また、励起光照射装置70は、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー76と、反射ミラー76で反射した各青色レーザダイオード71からの出射光を集光する集光レンズ78と、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81等を備える。
各青色レーザダイオード71からの光軸上には、青色レーザダイオード71からの出射光の指向性を高めて各々平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。これらコリメータレンズ73も、固定ホルダ74に固定される。また、ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって青色レーザダイオード71が冷却される。
赤色光源装置120には、青色レーザダイオード71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの出射光を集光する集光レンズ群125と、が備えられる。この赤色光源121は、赤色波長帯域の光を発する半導体発光素子である赤色発光ダイオードである。そして、赤色光源装置120は、赤色光源装置120が出射する赤色波長帯域光の光軸が、蛍光板101から出射される緑色波長帯域光の光軸と交差するように配置されている。また、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側にヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261及びヒートシンク130によって赤色光源121が冷却される。
緑色光源装置80を構成する蛍光板装置100は、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイールとされる蛍光板101と、この蛍光板101を回転駆動するモータ110と、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を蛍光板101に集光する集光レンズ群117と、蛍光板101から正面パネル12方向に出射される光線束を集光する集光レンズ115を備える。
蛍光板101には、蛍光発光領域と拡散透過領域とが周方向に並設されている。蛍光発光領域は、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光を励起光として受けて、励起された緑色波長帯域の蛍光光を出射する。拡散透過領域は、青色レーザダイオード71からの出射光を拡散透過する。拡散透過した出射光は、光源装置60の青色波長帯域光として出射される。
また、モータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光板装置100等が冷却される。
導光光学系140は、第一ダイクロイックミラー141,集光レンズ149,第二ダイクロイックミラー148,第一反射ミラー143,集光レンズ146,第二反射ミラー145,集光レンズ147を有する。第一ダイクロイックミラー141は、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び蛍光板101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に配置される。第一ダイクロイックミラー141は、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射して、この緑色波長帯域光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する。
また、蛍光板101を透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射して、この青色波長帯域光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。第一反射ミラー143における左側パネル15側には、集光レンズ146が配置され、さらにこの集光レンズ146の左側パネル15側には、第二反射ミラー145が配置されている。第二反射ミラー145の背面パネル13側には、集光レンズ147が配置されている。第二反射ミラー145は、第一反射ミラー143により反射され、集光レンズ146を介して入射される青色波長帯域光の光軸を背面パネル13側に90度変換する。第二反射ミラー145により反射された青色波長帯域光は、集光レンズ147を介して第二ダイクロイックミラー148を透過して集光レンズ173により集光される。
また、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側には、集光レンズ149が配置されている。さらに、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側には、第二ダイクロイックミラー148が配置されている。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射して背面パネル13側に90度光軸を変換し、青色波長帯域光を透過させる。第二ダイクロイックミラー148の背面パネル13側には、集光レンズ173が配置されている。
第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸は、第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と一致する。第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光及び第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光は、共に集光レンズ149に入射する。そして、集光レンズ149を透過した赤色及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148により反射され、集光レンズ173により集光される。
このようにして、赤色、緑色、青色の各波長帯域光の光束は、導光光学系140により同一光路上に導光される。導光光学系140により導光された各色波長帯域光は、光源側光学系170の集光レンズ173により集光される。そして、各波長帯域の光束は、光源側光学系170のライトトンネル175の入射口に入射される。ライトトンネル175に入射される各色光束は、ライトトンネル175により均一な強度分布の光線束とされる。
光源側光学系170は、集光レンズ173,ライトトンネル175,集光レンズ178,光軸変換ミラー181,集光レンズ183,照射ミラー185,コンデンサレンズ195により構成されている。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された画像光を投影側光学系220に向けて出射するので、投影側光学系220の一部ともされている。
ライトトンネル175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178を介して、光軸変換ミラー181が配置されている。ライトトンネル175の出射口から出射した光線束は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー181により、左側パネル15側に光軸を変換される。
光軸変換ミラー181で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。なお、背面パネル13側にはヒートシンク190が設けられており、DMDとされる表示素子51はこのヒートシンク190により冷却される。
光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で反射され、投影光として投影側光学系220を介してスクリーンに投影される。ここで、投影側光学系220は、コンデンサレンズ195,可動レンズ群235,固定レンズ群225により構成されている。固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。可動レンズ群235は、可動鏡筒に内蔵され、レンズモータで移動可能とされることにより、ズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
このように投影装置10を構成することで、蛍光板101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を出射すると、赤色、緑色及び青色の各波長帯域光が導光光学系140を介してライトトンネル175に入射され、さらに光源側光学系170を介して表示素子51に入射されるため、投影装置10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
次に、励起光照射装置70における青色レーザダイオード71の配置について説明する。図4は、青色レーザダイオード71の配置を示す模式図である。本図は、励起光照射装置70を図3の左側パネル15側から右側パネル14側に向かって見た図である。
励起光照射装置70の固定ホルダ74には青色レーザダイオード71が取り付けられる取付部75が複数形成されている。取付部75は、例えば、青色レーザダイオード71の外形形状に合わせて形成された取付用孔である。青色レーザダイオード71は、これら取付部75に固定される。本実施形態では、取付部75は2行4列のマトリクス状に合計8個形成されており、青色レーザダイオード71はそのうち7か所の取付部751〜757に配置される。残りの取付部758は、いずれの発光素子も配置されない空部72となる。すなわち、本実施形態では、空部72は複数の取付部75のうちの固定ホルダ74の角部の一つに設けられる。
固定ホルダ74が汎用部品や共通部品等として用いられている場合、光源装置60毎に要求される出力が異なることにより、本図のように全ての取付部75が青色レーザダイオード71の配置に利用されないことがある。また、必要な青色レーザダイオード71の個数によっては、本図のように青色レーザダイオード71が、取付部75の全体に対して、非線対称又は非点対称に配置される。なお、取付部75の数、青色レーザダイオード71の数、及び空部72の数は、光源装置60の構成に応じて適宜定めることができる。
図5は、光源装置60の制御タイミングチャートを示す図である。本図では、赤色光源121,青色レーザダイオード71(711〜717)の点灯及び蛍光板513(101)の動作に対応した、光源装置60から出射される光源光514のタイミングチャートを示している。本実施形態の投影装置10は、投影画像のフレームを、連続するフレーム周期500毎に投影する。各フレーム周期500は、赤色波長帯域光を出射可能な赤セグメント期間501、緑色波長帯域光を出射可能な緑セグメント期間502、及び青色波長帯域光を出射可能な青セグメント期間503に時分割される。また、本図の蛍光板513は、青色レーザダイオード71が青色波長帯域光を出射したとき、その青色波長帯域光が蛍光発光領域及び拡散透過領域のいずれの領域に照射されるかを示す。なお、本図では赤セグメント期間501に蛍光発光領域が配置されることを示しているが、この期間には青色波長帯域光が出射されないため、いずれの領域を配置させてもよい。
つぎに、各構成の動作を説明する。赤セグメント期間501では、制御部38は、赤色光源(R−LED)511を点灯(ON)する。また、緑セグメント期間502及び青セグメント期間503では、制御部38は、赤色光源511を消灯(OFF)する。
青色レーザダイオード(B−LD)の動作については、本図において、図4に示した空部72の点対称位置に配置された青色レーザダイオード711の出力波形512aと、それ以外の青色レーザダイオード712〜717の出力波形512bとを図示している。赤セグメント期間501では、制御部38は、各青色レーザダイオード711〜717を消灯(OFF)する。緑セグメント期間502では、制御部38は、各青色レーザダイオード711〜717を点灯(ON)する。青セグメント期間503では、制御部38は、一部の青色レーザダイオード711を消灯(OFF)し、その他の青色レーザダイオード712〜717を点灯(ON)する。
また、制御部38は、この領域を赤セグメント期間501及び緑セグメント期間502では蛍光発光領域となるように、青セグメント期間503では拡散透過領域となるように制御する。
このようにして、制御部38が赤色光源121、青色レーザダイオード711〜717及び蛍光板101を制御することにより、光源装置60は、赤セグメント期間501に赤色波長帯域光を、緑セグメント期間502に緑色波長帯域光を、青セグメント期間503に青色波長帯域光を出射する。
なお、本図において、赤セグメント期間501、緑セグメント期間502及び青セグメント期間503に切り替わる各タイミングの直前は、いずれの光源121,711〜717も消灯(OFF)させているが、この消灯期間は、予め定めた投影装置10の輝度設定や輝度バランス等によりそれぞれ適宜の長さとすることができる。また、制御部38は、消灯期間を設けずに、緑セグメント期間502又は青セグメント期間503のいずれの切替タイミングにおいて、現在点灯中の光源711〜717の光の出射を維持させてもよい。
図6(a)は、図5の青セグメント期間503における、青色レーザダイオード71の発光パターンを示す図である。なお、以下の説明において、緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光の各光線束の中心位置と、導光光学系140や光源側光学系170の各光路の中心位置は一致しているものとする。
本図では、マトリクス状に配置された取付部75の全体に対し、空部72の点対称位置に配置された一部の青色レーザダイオード711を制御部38により消灯(OFF)させている。一方、制御部38は、その他の青色レーザダイオード712〜717を点灯(ON)させている。
配置された全ての青色レーザダイオード711〜717を点灯させた場合は、出射される青色波長帯域光の光線束の光軸が中心位置Cから偏ってしまう。しかし、本図のように青セグメント期間503において一部の青色レーザダイオード71を消灯させる制御を行うことで、その他の青色レーザダイオード712〜717から出射された青色波長帯域光の光線束は、略点対称な断面形状となるため、光線束の中心位置C1は取付部75全体の中心位置Cに略一致して偏りが低減される。
偏りが低減された青色波長帯域光は、蛍光板101の拡散透過領域を透過した後、導光光学系140を介して光源側光学系170へ向けて導光される。
図6(b)は、図5の青セグメント期間における青色レーザダイオード71の他の発光パターンを示す図である。図6(a)の例と異なり、図5の青セグメント期間503に、マトリクス状に配置された取付部75の全体において、空部72の位置に対し短軸Asの線対称位置に配置された一部の青色レーザダイオード715を、消灯(OFF)させている。一方、制御部38は、その他の青色レーザダイオード711〜714,716,717を点灯(ON)させる。
このように、青色レーザダイオード711〜714,716,717から出射された青色波長帯域光の光線束は、略線対称な断面形状となり、光線束の中心位置C1が取付部75全体の中心位置Cを通る短軸As上に略一致して偏りが低減される。
以上、本実施形態では、拡散透過領域を通過する青色波長帯域光の一部を無光とする無光化手段として、制御部38による制御が行われる例を示した。蛍光板101が緑色波長帯域光(第二波長帯域光)を出射する緑セグメント期間(第二セグメント期間)502には、複数の青色レーザダイオード711〜717を点灯させ、緑セグメント期間502と時分割で配置される青セグメント期間(第一セグメント期間)503には、複数の青色レーザダイオード711〜717のうち一部の青色レーザダイオード711を消灯して無光とする。
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態では、実施形態1で説明したような、一部の青色レーザダイオード71の消灯制御はおこなわずに、出射された青色波長帯域光の光線束の一部を適宜の遮光部により遮光することで、光軸と光路中心との偏りを低減させている。なお、実施形態1と同様の構成についてはその説明を省略又は簡略化する。
図4の取付部75に取付けられた複数の青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光は、図3の反射ミラー76へ向かう。このとき、正面パネル12側の取付部751,755,752,756に取付けられた青色レーザダイオード711,715,712,716から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって右側に配置され、背面パネル13側の取付部754,753,757に取付けられた青色レーザダイオード714,713,717から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって左側に配置される。各青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光は、反射ミラー76にて蛍光板101方向へ反射する。
このとき、各青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光は、進行方向に向かって、左右の位置が入れ替わる。すなわち、反射ミラー76から蛍光板101の間において、正面パネル12側の青色レーザダイオード711,715,712,716から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって左側に配置される。また、背面パネル13側の青色レーザダイオード714,713,717から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって右側に配置される。各青色波長帯域光は、図3の集光レンズ78、第一ダイクロイックミラー141、集光レンズ群117を順に通過し、蛍光板101の拡散透過領域に集光して照射される。
拡散透過領域に照射された各青色波長帯域光の光路は、正面パネル12側に透過し、第一反射ミラー143へ向かう。各青色波長帯域光は、集光レンズ群117により集光されるため、拡散透過領域を透過した後、進行方向に対して上下左右の位置が入れ替わる。
すなわち、蛍光板101から第一反射ミラー143の間において、正面パネル12側の青色レーザダイオード711,715,712,716から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって右側に配置され、背面パネル13側の青色レーザダイオード714,713,717から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって左側に配置される。
また、固定ホルダ74から蛍光板101の間においては、青色レーザダイオード711〜714から出射された青色波長帯域光の光路は上側に配置され、青色レーザダイオード715〜717から出射された青色波長帯域光の光路は下側に配置される。一方、蛍光板101から第一反射ミラー143の間において、固定ホルダ74の上側に取付けられた青色レーザダイオード711〜714から出射された青色波長帯域光の光路は、下側に配置され、固定ホルダ74の下側に取付けられた青色レーザダイオード715〜717から出射された青色波長帯域光の光路は、上側に配置される。
図7は、遮光板116の配置例を示す図である。本実施形態の遮光板116は、集光レンズ115と第一反射ミラー143との間に配置される。蛍光板101に照射された青色波長帯域光L1は、拡散透過領域を拡散しながら透過する。矢印で図示する青色波長帯域光L1のうち、右から一番目は青色レーザダイオード711,715が出射した青色波長帯域光であり、右から二番目は青色レーザダイオード712,716が出射した青色波長帯域光であり、右から三番目は青色レーザダイオード713,717が出射した青色波長帯域光である。また、一点鎖線矢印で一番左に示す青色波長帯域光L1は、青色レーザダイオード714が出射した青色波長帯域光である。
拡散透過領域を透過した各青色波長帯域光L2は、集光レンズ115で集光された後、第一反射ミラー143へ向かう。また、青色波長帯域光L2は、第一反射ミラー143に到達する前に、遮光板116によりその光束の一部が遮光される。
図8は、遮光板116の遮光位置を説明する図である。各青色レーザダイオード711〜717から出射される青色波長帯域光の各々は、本図に示す照射領域S1〜S7の夫々に対応して照射される。ここで、青色波長帯域光は青色レーザダイオード71から出射されたレーザ光であるため、拡散透過領域を拡散透過しても光線束の断面形状が非対称となることがある。そのため、本図のように照射領域Sに照射される青色波長帯域光の光線束は、集光レンズ115の位置においても非対称な断面形状を有する。なお、暗領域T8は、空部72に対応する領域である。
このように、固定ホルダ74の各青色レーザダイオード71の配置が非線対称又は非点対称であることにより、照射領域Sの形状も非線対称又は非点対称となる。よって、照射領域Sの全体の中心位置C1は、光路の中心位置である集光レンズ115の中心位置Cから偏った位置となる。
遮光板116は、拡散透過領域を透過した後の光のうちの一部を遮光する円板である。本実施形態では、遮光板116は少なくとも青色波長帯域の光を遮光し、赤色波長帯域の光や緑色波長帯域の光は遮光しないよう配置される。遮光板116は、例えば、金属、樹脂、セラミック等の適宜の材料により形成することができる。また、遮光板116の上下及び左右方向の位置は、図8に示すように、集光レンズ115の中心からずれた位置に配置される。
遮光板116は、照射領域Sに照射された青色波長帯域光の光線束のうち、暗領域T8の点対称の位置に対応する、照射領域S1に照射された青色波長帯域光を遮光する。すなわち、遮光板116は、図4の空部72に対して点対称位置に配置された青色レーザダイオード711が出射した青色波長帯域光を主に遮光する。
したがって、遮光板116で一部の青色波長帯域光が遮光された光線束は、その後の光線束断面が略点対称な断面形状となり、その中心位置C1が集光レンズ115の中心位置Cに略一致する。
遮光板116以降では、主に、図4の青色レーザダイオード712〜717からの出射光が、第一反射ミラー143、集光レンズ146、第二反射ミラー145及び集光レンズ147を通過して、光源側光学系170へ向かって導光される。なお、図7の二点鎖線矢印で示す青色波長帯域光L3は、主に、青色レーザダイオード715が出射した青色波長帯域光である。
このようにして導光光学系140を通過する青色波長帯域光は、光源側光学系170及び投影側光学系220を通過した後、より均一化された偏りの少ない輝度分布で投影面に投影される。また、以上のような遮光板(遮光部)116を備えた投影装置10に、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光による白色合成光を投影面に投影させて、その投影面を複数分割した各区域の照度を評価した場合、各区域の色度差は遮光板116を使用しない場合と比べて低減される。また、投影面の四隅の照度を評価した場合も、各位置の色度差は遮光板116を使用しない場合と比べて低減される。
以上のように、投影装置10は、輝度ムラを低減させた青色波長帯域光を投影することができ、また、このような青色波長帯域光を緑色波長帯域光や赤色波長帯域光とともに出射して色を合成した場合、輝度ムラや色ムラを低減させた合成色を投影することができる。
次に、遮光位置の他の例について説明する。遮光板116は、集光レンズ115と第一反射ミラー143の間以外に、光線束の断面形状が対称な形状となるように遮光可能であれば、他の位置に設けてもよい。
図9は、遮光板116の他の配置例を示す図である。本図では、遮光板116は、蛍光板101と集光レンズ115との間に設けられる。蛍光板101に照射された青色波長帯域光L1は、拡散透過領域を拡散しながら透過する。矢印で図示する青色波長帯域光L1のうち、図の右から一番目は青色レーザダイオード711,715が出射した青色波長帯域光であり、右から二番目は青色レーザダイオード712,716が出射した青色波長帯域光であり、右から三番目は青色レーザダイオード713,717が出射した青色波長帯域光である。また、一点鎖線矢印で一番左に示す青色波長帯域光L1は、青色レーザダイオード714が出射した青色波長帯域光である。
拡散透過領域を透過した各青色波長帯域光L2aは、集光レンズ115へ向かう。拡散透過領域を拡散透過した青色波長帯域光L2aは、集光レンズ115に到達する前に、遮光板116によりその光線束の一部が遮光される。
図10は、遮光板116の図9の配置例における遮光位置を説明する図である。本図は、遮光板116及び蛍光板101を正面パネル12側から背面パネル13側に向かって見た正面図である。また、本図は、遮光板116が配置される位置における青色波長帯域光L2aが、図の奥から手前に向かって各照射領域S1〜S7に照射される様子を示す。
前述のように、各青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光は、進行方向に向かって左右の位置が反射ミラー76及び蛍光板101において入れ替わり、上下の位置が蛍光板101において入れ替わる。したがって、図4の各青色レーザダイオード711〜717から出射される青色波長帯域光の各々は、蛍光板101に並設される拡散透過領域102を透過後、本図の照射領域S1〜S7の夫々に対応して照射される。
遮光板116は、照射領域Sに照射された青色波長帯域光の光線束のうち、暗領域T8の点対称の位置に対応する照射領域S1に照射された青色波長帯域光を遮光する。すなわち、遮光板116は、図4に示す空部72に対して点対称位置に配置された青色レーザダイオード711が出射した青色波長帯域光を主に遮光する。
したがって、遮光板116で一部の青色波長帯域光が遮光された光線束は、その後の光線束断面が点対称な断面形状となり、その中心位置C1が集光レンズ115の中心位置Cに略一致する。遮光板116以降では、主に、図4の青色レーザダイオード712〜717からの出射光が導光される。
図9に戻り、遮光板116を通過した青色波長帯域光L3は、集光レンズ115、第一反射ミラー143、集光レンズ146、第二反射ミラー145及び集光レンズ147を介して、光軸が光路の中心と略一致した出射光として、光源側光学系170側へ向けて導光される。なお、二点鎖線矢印で示す青色波長帯域光L3は、主に、青色レーザダイオード715が出射した青色波長帯域光である。
このように、遮光板116は、蛍光板101を透過した直後の青色波長帯域光を遮光するように配置される。そのため、遮光板116は、光線束断面において、遮光させたい領域の青色波長帯域光を、拡散が広がる前に効率良く遮光することができる。よって、空部72に対して点対称位置に配置された青色レーザダイオード711が出射した青色波長帯域光を、効率良く遮光することができる。
なお、本実施形態では、遮光板116の形状は円板形状としたが、遮光したい領域の形状に対応した適宜の形状とすることができる。
また、遮光板116は、その他、青色波長帯域光が拡散透過領域を透過した後の位置であって、他の赤色波長帯域光や緑色波長帯域光と同一光路上に導光される前の位置であれば、任意の位置に配置させることができる。
以上のように、本実施形態では、拡散透過領域を通過する青色波長帯域光の一部を無光とする無光化手段として、その青色波長帯域光の一部を遮光する遮光板(遮光部)116を備える例を示した。
(実施形態3)
つぎに、本発明の実施形態3について説明する。図11は、本実施形態の遮光板216を示す図である。本実施形態では、無光化手段として円板状の遮光板116の代わりに、遮光板116の形状と異なる形状の遮光板(遮光部)216を配置している。なお、実施形態1又は実施形態2と同様の構成についてはその説明を省略又は簡略化する。
遮光板216は、その内側に貫通孔216aを有する。また、貫通孔216aの内側縁の一部には遮光片216bが形成される。貫通孔216aは、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光を通過させる。また、遮光板216を通過する青色波長帯域光の一部は、遮光片216bにより遮光される。また、遮光板216は光源装置60や投影装置10の筐体に対し、外枠216cにより適宜の方法で固定させることができる。
図12は、遮光板216の配置例を示す図である。本実施形態の遮光板216は、集光レンズ146と第二反射ミラー145との間に配置される。蛍光板101に照射された青色波長帯域光L4は、拡散透過領域を拡散しながら透過する。実施形態2と同様に、矢印で図示する青色波長帯域光L4のうち、右から一番目は青色レーザダイオード711,715が出射した青色波長帯域光であり、右から二番目は青色レーザダイオード712,716が出射した青色波長帯域光であり、右から三番目は青色レーザダイオード713,717が出射した青色波長帯域光である。また、一点鎖線矢印で一番左に示す青色波長帯域光L4は、青色レーザダイオード714が出射した青色波長帯域光である。
拡散透過領域を透過した各青色波長帯域光L5は、集光レンズ115で集光された後、第一反射ミラー143へ向かう。その後、青色波長帯域光L5は、第一反射ミラー143にて第二反射ミラー145側へ反射される。青色波長帯域光L5は、第一反射ミラー143で反射される際、進行方向に向かって左右の位置が入れ替わる。すなわち、第一反射ミラー143から第二反射ミラー145の間において、青色レーザダイオード711,715,712,716から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって左側に配置され、背面パネル13側の青色レーザダイオード714,713,717から出射された青色波長帯域光の光路は、進行方向に向かって右側に配置される。第一反射ミラー143で反射した青色波長帯域光L5は、第二反射ミラー145に到達する前に、遮光板216によりその光線束の一部が遮光される。
図13は、遮光板216の遮光位置を説明する図である。本図は、遮光板216を左側パネル15側から右側パネル14側に向かって見た図である。また、本図は、遮光板216が配置される位置における青色波長帯域光L5が、図の奥から手前に向かって各照射領域S1〜S7に照射される様子を示す。
前述のように、各青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光は、進行方向に向かって左右の位置が反射ミラー76と蛍光板101と第一反射ミラー143において入れ替わり、上下の位置が蛍光板101において入れ替わる。したがって、図4の各青色レーザダイオード711〜717から出射される青色波長帯域光の各々は、本図の照射領域S1〜S7の夫々に対応して照射される。
遮光板216は、照射領域Sに照射された青色波長帯域光L5の光線束のうち、暗領域T8の点対称の位置に対応する照射領域S1に照射された青色波長帯域光を遮光する。すなわち、遮光板216は、貫通孔216aの一部に形成された遮光片216bにより、図4に示す空部72に対して点対称位置に配置された青色レーザダイオード711が出射した青色波長帯域光を主に遮光する。
したがって、遮光板216で一部の青色波長帯域光が遮光された光線束は、その後の光線束断面が点対称な断面形状となり、その中心位置C1が光路の中心位置Cに略一致する。遮光板216以降では、主に、図4の青色レーザダイオード712〜717からの出射光が導光される。
図12に戻り、遮光板216の貫通孔216aを通過した青色波長帯域光L6は、第二反射ミラー145及び集光レンズ147を通過して、光軸が光路の中心と略一致した出射光として、光源側光学系170側へ向けて導光される。なお、図12における二点鎖線矢印で示す青色波長帯域光L6は、主に、青色レーザダイオード715が出射した青色波長帯域光である。
なお、遮光板216は、実施形態2と同様に、集光レンズ115と第一反射ミラー143との間に設けてもよいし、蛍光板101と集光レンズ115との間に設けてもよい。また、遮光板216は、その他、青色波長帯域光が、拡散透過領域を透過した後の位置であって、他の赤色波長帯域光や緑色波長帯域光と同一光路上に導光される前の位置であれば、任意の位置に配置させることができる。
また、本実施形態の遮光板216は、外枠216cにより、投影装置10や光源装置60の筐体に対して容易に固定することができる。したがって、遮光対象である青色波長帯域光の一部を、簡易な構成で遮光して、投影後の合成光の輝度ムラや色ムラを低減させることができる。
なお、遮光片216bを形成する位置は、光線束のうちの遮光対象領域に応じて、適宜定めることができる。
(実施形態4)
つぎに、本発明の実施形態4について説明する。図14は、遮光膜316を設けた集光レンズ315の配置例を示す図である。本実施形態では、無光化手段として、遮光板116,216の代わりに、青色波長帯域光を遮光する遮光膜(遮光部)316を用いる。また、集光レンズ115の代わりに遮光膜316が形成された集光レンズ315が配置される。遮光膜316は、実施形態2及び実施形態3と同様に、図4の空部72に対して点対称位置に配置された青色レーザダイオード711が出射する青色波長帯域光を遮光する。なお、実施形態1乃至実施形態3と同様の構成についてはその説明を省略又は簡略化する。
本図では、遮光膜316は、集光レンズ315の入射側の一部に形成される。蛍光板101に照射された青色波長帯域光L7は、拡散透過領域を拡散しながら透過する。矢印で図示する青色波長帯域光L7のうち、図の右から一番目は青色レーザダイオード711,715が出射した青色波長帯域光であり、右から二番目は青色レーザダイオード712,716が出射した青色波長帯域光であり、右から三番目は青色レーザダイオード713,717が出射した青色波長帯域光である。また、一点鎖線矢印で一番左に示す青色波長帯域光L7は、青色レーザダイオード714が出射した青色波長帯域光である。
拡散透過領域を透過した各青色波長帯域光L7は、集光レンズ315へ向かう。また、各青色波長帯域光L7は、拡散透過領域を透過する際、進行方向に対して上下左右の位置が入れ替わる。拡散透過領域を拡散透過した青色波長帯域光L8は、集光レンズ315に入射する際に、入射面に形成された遮光膜316によりその光線束の一部が遮光される。
図15は、遮光膜316の遮光位置を説明する図である。本図は、集光レンズ315を正面パネル12側から背面パネル13側に向かって見た正面図である。また、本図は、遮光膜316が配置される位置における青色波長帯域光L8が、図の奥から手前に向かって各照射領域S1〜S7に照射される様子を示す。
前述のように、各青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光は、進行方向に向かって左右の位置が反射ミラー76及び蛍光板101において入れ替わり、上下の位置が蛍光板101において入れ替わる。したがって、図4の青色レーザダイオード711〜717から出射される青色波長帯域光の各々は、本図の照射領域S1〜S7の夫々に対応して照射される。
遮光膜316は、照射領域Sに照射された青色波長帯域光の光線束のうち、暗領域T8の点対称の位置に対応する照射領域S1に照射された青色波長帯域光を遮光する。すなわち、遮光膜316は、図4に示す空部72に対して点対称位置に配置された青色レーザダイオード711が出射した青色波長帯域光を主に遮光する。
したがって、遮光膜316で一部の青色波長帯域光が遮光された光線束は、その後の光線束断面が点対称な断面形状となり、その中心位置C1が集光レンズ315の中心位置Cに略一致する。遮光膜316が形成された集光レンズ315の入射面以降では、主に、図4の青色レーザダイオード712〜717からの出射光が導光される。
図14に戻り、遮光膜316が形成された入射面を通過した青色波長帯域光L9は、集光レンズ315内を通過して、反対側の出射面から出射される。集光レンズ315を通過した青色波長帯域光L9は、第一反射ミラー143、集光レンズ146、第二反射ミラー145及び集光レンズ147を通過して、光軸が光路の中心と略一致した出射光として、光源側光学系170側へ向けて導光される。なお、二点鎖線矢印で示す青色波長帯域光L9は、主に、青色レーザダイオード715が出射した青色波長帯域光である。
このように、遮光膜316を形成した集光レンズ315を設けたことにより、光源装置60内に追加部材を設置するための特別な領域を設けることなく遮光部を備えることができる。また、遮光させたい照射領域の部分が、照射領域Sの内側であった場合でも、遮光膜316を集光レンズの内側に設けて、青色波長帯域光を遮光させることができる。
なお、遮光膜316としては、例えば、金属や樹脂等の膜を形成させてもよいし、フィルム状の他の部材を貼着して形成してもよい。また、遮光膜316は、集光レンズ315の出射側に設けてもよい。
また、遮光膜316は、蛍光板101の直後に配置される集光レンズ315に限らず、蛍光板101以降の他の集光レンズ等の入射側又は出射側に設けてもよい。また、遮光膜316は、反射ミラー等他の部材に設けることができる。また、遮光膜316を形成した部材は、青色波長帯域光が、拡散透過領域を透過した後の位置であって、他の赤色波長帯域光や緑色波長帯域光と同一光路上に導光される前の位置であれば、任意の位置に配置させることができる。
また、遮光膜316を形成した集光レンズ315は、遮光膜316の固定位置を決めるための凹部、凸部等の係合部を設けて他の部材と係合させることにより固定させてもよい。これにより、容易に遮光膜316の位置を定めることができる。
以上説明した実施形態2乃至実施形態4では、照射領域Sのうち遮光される照射領域は、暗領域T8に対応する点対称位置の領域としたが、線対称位置の領域としてもよい。例えば、図8において、遮光対象の領域を、取付部755の青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光の照射領域S5としてもよい。よってこの場合、遮光板116,216や遮光膜316は、この遮光対象である照射領域S5に相当する位置に配置される。また、遮光板116,216及び遮光膜316は、光源側光学系170へ導光される青色波長帯域光を点対称又は線対称としつつ、光線束断面の他の領域をさらに遮光する形状としてもよい。
さらに、遮光板116,216が青色波長帯域光を遮光し、その他の波長帯域の光を透過するようなフィルタであれば、遮光板116,216は、第二ダイクロイックミラー148と集光レンズ173との間のような青色波長帯域光及び緑色波長帯域光が同一光路となる光路中に配置することができる。同様に、遮光膜316が青色波長帯域光を遮光し、その他の波長帯域の光を透過するようなフィルタであれば、この遮光膜316を青色波長帯域光及び緑色波長帯域光が同一光路となる光路中である集光レンズ173に形成させることができる。
また、励起光照射装置70は、青色レーザダイオード71を複数行複数列のマトリクス状に配置したが、複数の青色レーザダイオード71を1行複数列に配置させてもよい。
また、各実施形態では、遮光部として、遮光板116,216又は遮光膜316のいずれかを夫々一つずつ設けた構成について説明したが、光源装置60は、実施形態2乃至実施形態4における遮光板116,216や遮光膜316を適宜組み合わせて、複数備えることができる。また、光源装置60は、遮光部を設けるとともに、実施形態1の構成を適用させてもよい。
以上、各実施形態で説明したように、光源装置60は、複数の半導体発光素子と、蛍光発光領域及び拡散透過領域が並設された蛍光板101と、拡散透過領域を透過した青色波長帯域光(第一波長帯域光)の一部を無光とする無光化手段と、を備えるように構成した。したがって、固定ホルダ74を汎用部品や共通部品として用いる場合等で、光源素子の個数を必要に応じて配置した場合であっても、遮光板116,216や遮光膜316を適宜の位置に設けることにより、青色波長帯域光の光線束の中心位置を、各光路の中心位置に略一致させることができる。よって、投影画面が均一になるようにすることで、画品質を向上させることができる。
このように、簡単な構成で輝度ムラや色ムラを低減させた光源装置及び投影装置を提供することができる。
また、第一波長帯域光の光線束の横断面のうち、第一波長帯域光が通過しない暗領域T8の線対称又は点対称の位置に対応する領域の第一波長帯域光を無光とする光源装置60は、光源側光学系170に入射する光線束の横断面形状を線対称又は点対称とすることができる。したがって、第一波長帯域光の輝度ムラを低減させることができる。
また、無光化手段が複数の半導体発光素子から出射された第一波長帯域光の一部を時分割された所定の期間に無光とする光源装置60は、その所定の期間に出射される第一波長帯域光の光路において拡散効果が得にくい場合であっても、光線束の中心位置の偏りを低減させることができる。
また、複数の半導体発光素子を、複数列の一部に又は複数行及び複数列のマトリクスの一部に配置する光源装置60は、蛍光発光領域において緑色波長帯域光を出射させるために必要な励起光の出力強度に応じて、半導体発光素子を配置させることができる。したがって、光源装置60毎に必要な半導体発光素子の個数が異なる場合であっても、固定ホルダ74等の共通部材を用いることができる。
また、蛍光板101が蛍光発光領域において、第一波長帯域光により励起された第二波長帯域光を出射する光源装置60は、共通の光源から出射された第一波長帯域光により、第一波長帯域光及び第二波長帯域光を出射させることができる。したがって、共通の光源を使用しながら、波長及び出力強度の異なる光を光源装置60から出射させることができる。
また、赤色波長帯域光を出射する赤色光源装置をさらに備え、第一波長帯域光は青色波長帯域光であり、第二波長帯域光は緑色波長帯域光である光源装置60は、画像を形成するための三原色光を出力させることができる。
また、無光化手段が制御部38を備え、第二セグメント期間502に、複数の半導体発光素子を点灯させて蛍光板101に第二波長帯域光を出射させ、第一セグメント期間503に、点灯させた複数の半導体発光素子のうち一部の半導体発光素子を消灯して無光とする光源装置60は、他の部材を新たに設けることなく光線束の一部を無光化させることができる。
また、無光化手段として、拡散透過領域を透過する第一波長帯域光の一部を遮光する遮光部を備える光源装置60は、発光させる青色レーザダイオード71の発光数を特別に制御することなく、青色レーザダイオード71の出力を適切に調節することができる。
また、遮光部として遮光板116、216を備える光源装置60は、簡単な構成により自由度の高い適宜の位置で光線束を遮光させることができる。
また、遮光部として、貫通孔216aと遮光片216bを形成した遮光板216を備える光源装置60は、遮光板216を投影装置10や光源装置60の筐体に対して容易に固定させることができる。したがって、簡易な構成により遮光部を設けることができる。
また、遮光部が集光レンズの一部に形成された遮光膜316である光源装置60は、光源装置60内部に遮光部を設けるための領域を特別に設けることなく、遮光部を設けることができる。したがって、簡易な構成により遮光部を設けることができる。
また、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 第一波長帯域光を出射する複数の半導体発光素子と、
蛍光発光領域及び拡散透過領域が並設された蛍光板と、
前記拡散透過領域を透過する前記第一波長帯域光の一部を無光とする無光化手段と、
を備えることを特徴とする光源装置。
[2] 前記無光化手段は、前記第一波長帯域光の光線束の横断面のうち、前記第一波長帯域光が通過しない暗領域の線対称又は点対称の位置に対応する領域の前記第一波長帯域光を無光とすることを特徴とする上記[1]に記載の光源装置。
[3] 前記無光化手段は、前記複数の半導体発光素子から出射された前記第一波長帯域光の一部を時分割された所定の期間に無光とすることを特徴とする上記[1]又は上記[2]に記載の光源装置。
[4] 複数の前記半導体発光素子は、複数列に、又は複数行及び複数列のマトリクスの一部に、配置されることを特徴とする上記[1]乃至上記[3]の何れかに記載の光源装置。
[5] 前記蛍光板は、前記蛍光発光領域において、前記第一波長帯域光により励起された第二波長帯域光を出射することを特徴とする上記[1]乃至上記[4]の何れかに記載の光源装置。
[6] 赤色波長帯域光を出射する赤色光源装置をさらに備え、
前記第一波長帯域光は青色波長帯域光であり、
前記第二波長帯域光は緑色波長帯域光であり、
前記蛍光板は、蛍光ホイールである、
ことを特徴とする上記[5]に記載の光源装置。
[7] 前記第一波長帯域光を出射する第一セグメント期間と、前記第二波長帯域光を出射する第二セグメント期間とを、時分割で有し、
前記無光化手段は制御部を備え、
前記制御部は、
前記第二セグメント期間に、前記複数の半導体発光素子を点灯させて前記蛍光板に向けて前記第一波長帯域光を出射させ、
前記第一セグメント期間に、前記複数の半導体発光素子のうち一部の半導体発光素子を消灯して無光とする、
ことを特徴とする上記[5]又は上記[6]に記載の光源装置。
[8] 前記無光化手段は、前記拡散透過領域を透過した前記第一波長帯域光の一部を遮光する遮光部を備えることを特徴とする上記[1]乃至上記[6]の何れかに記載の光源装置。
[9] 前記遮光部は、遮光板であることを特徴とする上記[8]に記載の光源装置。
[10] 前記遮光板は、
内側に貫通孔を有し、
前記貫通孔の一部に遮光片を形成した、
ことを特徴とする上記[9]に記載の光源装置。
[11] 前記拡散透過領域を透過した光を集光する集光レンズを備え、
前記遮光部は、前記集光レンズの一部に形成された遮光膜であることを特徴とする上記[8]に記載の光源装置。
[12] 上記[1]乃至上記[11]の何れか記載の光源装置と、
前記光源装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記表示素子と前記光源装置を制御する投影装置制御部と、
を有することを特徴とする投影装置。